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特許7180358情報管理システム、及び、計測機器と情報端末のペアリング方法
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  • 特許-情報管理システム、及び、計測機器と情報端末のペアリング方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】情報管理システム、及び、計測機器と情報端末のペアリング方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/60 20180101AFI20221122BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20221122BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
G16H40/60
A61B5/00 A
H04M1/00 U
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018236323
(22)【出願日】2018-12-18
(65)【公開番号】P2020098467
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 英宇
【審査官】玉木 宏治
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-83083(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0235166(US,A1)
【文献】特開2017-123144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A61B 5/00
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一以上の計測機器と、一以上の情報端末と、を含む情報管理システムであって、
前記計測機器は、
所定の物理量を計測するセンサと、
前記センサにより計測された物理量の値、及び/又は、前記センサにより計測された物理量から算出される所定の値である、計測対象量を表示する第1の表示手段と、
前記計測機器を識別する識別情報及び前記計測対象量を含む、計測情報を送信する第1の通信手段と、を備え、
前記情報端末は、
前記計測情報を受信する第2の通信手段と、
前記第2の通信手段により受信される一の前記計測機器の前記計測情報に含まれる前記計測対象量の値を表示する第2の表示手段と、
前記第1の表示手段に表示された前記計測対象量の値と、前記第2の表示手段に表示された前記計測対象量の値とが、合致しているか否かについての入力を受けつける入力手段と、
前記第2の通信手段によって受信した前記計測情報に含まれる前記識別情報を記憶可能な記憶手段と、
前記第2の通信手段と、前記第2の表示手段と、前記入力手段と、前記記憶手段を制御する、制御手段と、を備えており、
前記制御手段は、
前記入力手段を介して、前記第1の表示手段に表示された前記計測対象量の値と前記第2の表示手段に表示された前記計測対象量の値とが合致している旨の入力があった場合、又は、前記第1の表示手段に表示された前記計測対象量の値と前記第2の表示手段に表示された前記計測対象量の値とが合致していない旨の入力が所定時間内に無かった場合に、当該計測対象量の値を含む前記計測情報を送信した前記計測機器の前記識別情報を前記記憶手段に記憶させる、
ことを特徴とする情報管理システム。
【請求項2】
前記第2の通信手段が、複数の前記計測機器から送信される前記計測情報を受信する場合において、
前記制御手段は、
前記第1の表示手段に表示された前記計測対象量の値と前記第2の表示手段に表示された前記計測対象量の値とが合致している旨の入力が所定時間内に無かった場合、又は、前記入力手段を介して、前記第1の表示手段に表示された前記計測対象量の値と、前記第2の表示手段に表示された前記計測対象量の値とが合致していない旨の入力があった場合には、前記第2の通信手段によって受信される他の前記計測機器に係る前記計測情報に含まれる前記計測対象量の値を、前記第2の表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報管理システム。
【請求項3】
前記計測機器は、体重計、体組成計、血圧計、脈拍計、体温計、歩数計、のいずれかである、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の情報管理システム。
【請求項4】
前記計測機器の通信手段はスピーカーであり、
前記情報端末の受信手段はマイクロフォンである、
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の情報管理システム。
【請求項5】
前記情報端末はスマートフォンであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の情報管理システム。
【請求項6】
計測機器と情報端末とをペアリングするための方法であって、
前記計測機器において所定の計測対象量を求める計測ステップと、
前記計測対象量を前記計測機器において表示する第1表示ステップと、
前記計測機器を識別する識別情報及び前記計測対象量を含む、計測情報を、前記計測機器から送信する送信ステップと、
前記計測情報を前記情報端末で受信する受信ステップと、
受信した前記計測情報に含まれる前記計測対象量の値を前記情報端末において表示する第2表示ステップと、
前記計測機器において表示された前記計測対象量の値と、前記情報端末において表示された前記計測対象量の値とが合致しているか否かについての入力を受け付ける入力ステップと、
前記入力ステップにおいて、前記計測機器に表示された前記計測対象量の値と前記情報端末に表示された前記計測対象量の値とが合致している旨の入力があった場合、又は、前記計測機器に表示された前記計測対象量の値と前記情報端末に表示された前記計測対象量の値とが合致していない旨の入力が所定時間内に無かった場合に、当該計測対象量の値を含む前記計測情報を送信した前記計測機器の前記識別情報を前記情報端末に記憶する記憶ステップと、
を有する、ペアリング方法。
【請求項7】
前記情報端末が、複数の前記計測機器から送信される前記計測情報を受信する場合に、
前記入力ステップにおいて、前記計測機器に表示された前記計測対象量の値と前記情報端末に表示された前記計測対象量の値とが合致していている旨の入力が所定時間内に無かった場合、又は、前記計測機器に表示された前記計測対象量の値と、前記情報端末に表示された前記計測対象量の値とが合致していない旨の入力があった場合には、
当該計測対象量の値を含む前記計測情報とは異なる前記計測情報に含まれる前記計測対象量の値を、前記情報端末において表示する第3表示ステップ、をさらに有する、
ことを特徴とする、請求項6に記載のペアリング方法。
【請求項8】
前記計測機器は、体重計、体組成計、血圧計、脈拍計、体温計、歩数計、のいずれかである、
ことを特徴とする、請求項6又は7に記載のペアリング方法。
【請求項9】
前記情報端末はスマートフォンである、ことを特徴とする、請求項6から8のいずれか1項に記載のペアリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測機器と情報端末を含む情報管理システム、及び計測機器と情報端末のペアリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、体重、血圧値、活動量などの、個人の健康に関する情報(以下、健康情報ともいう)を計測機器によって計測し、当該計測結果をスマートフォンなどの情報端末で記録、分析することで、健康管理を行うことが普及しつつある。
【0003】
このような健康管理を行う場合には、計測機器による計測の結果を、情報端末に都度ユーザーが入力するのでは無く、計測機器と情報端末とを接続し、情報端末が自動的に計測結果を取得できるようになっていることが望ましい。具体的には、例えば、近距離無線通信などによって、計測機器からの計測情報を情報端末が受信する方法などが考えられるが、同種の複数の計測機器が使用される状況下においては、実際に計測を行った機器以外の計測機器からの情報を誤受信しないようにする必要がある。
【0004】
このような問題を解決するためには、所定の計測機器と所定の情報端末とをペアリング(機器登録)し、当該ペアリングが成立した機器からの情報のみを取得するようにすれば良い。ペアリングは、例えば、個々の計測機器を識別する識別記号を情報端末に登録することによって行われるが、機器の筐体或いはこれに貼付されているシールなどに印字された識別情報を情報端末に手入力する方法が従来から採用されている。
【0005】
このような方法では、ユーザーにとっては煩雑であり、また、誤入力のおそれもある。これに対して、特許文献1では、計測機器に掲載されたシリアル情報を、受信機器で写真撮影又はコードスキャンすることにより取得し、これによってペアリングを行うことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特表2016-512965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の技術においても、ユーザーが識別情報を撮影(又はスキャン)しなければならず、この点において煩雑な作業が生じるということは従来と同様である。また、計測機器側には識別情報が光学的に認識可能に付されている必要があり、受信装置側に撮影のための光学的手段を設ける必要があるため、その分のコストが必要になるという問題もある。
【0008】
上記のような従来の技術に鑑み、本発明は、計測機器と情報端末とのペアリングを行う際に、ユーザーの作業負担を軽減する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明に係る情報管理システムは、一以上の計測機器と、一以上の情報端末と、を含む情報管理システムであって、前記計測機器は、所定の物理量を計測するセンサと、前記センサにより計測された物理量の値、及び/又は、前記センサにより計測された物理量から算出される所定の値である、計測対象量を表示する第1の表
示手段と、前記計測機器を識別する識別情報及び前記計測対象量、を含む計測情報を送信する第1の通信手段と、を備え、前記情報端末は、前記計測情報を受信する第2の通信手段と、前記第2の通信手段により受信される一の前記計測機器の前記計測情報に含まれる前記計測対象量の値を表示する第2の表示手段と、前記第1の表示手段に表示された前記計測対象量の値と、前記第2の表示手段に表示された前記計測対象量の値とが、合致しているか否かについての入力を受けつける入力手段と、前記第2の通信手段によって受信した前記計測情報に含まれる前記識別情報を記憶可能な記憶手段と、前記第2の通信手段と、前記第2の表示手段と、前記入力手段と、前記記憶手段を制御する制御手段と、を備えており、前記制御手段は、前記入力手段を介して前記第1の表示手段に表示された前記計測対象量の値と前記第2の表示手段に表示された前記計測対象量の値とが合致している旨の入力があった場合、又は、前記第1の表示手段に表示された前記計測対象量の値と前記第2の表示手段に表示された前記計測対象量の値とが合致していない旨の入力が所定時間内に無かった場合に、当該計測対象量の情報を含む前記計測情報を送信した前記計測機器の前記識別情報を前記記憶手段に記憶させる、ことを特徴とする。
【0010】
ここで、上記の計測機器には、体重計、体組成計、血圧計、心拍計、体温計などの身体情報計測機器や、歩数計、各種フィットネス機器が備える活動量計などの活動量計測機器や、温湿度計、騒音計、照度計などの環境情報計測機器、など様々な計測機器が含まれる。また、上記の計測対象量には、計測機器に応じて、体重、体脂肪率、血圧、心拍(脈拍)、体温などの身体情報や、歩数、走行距離、消費熱量などの活動量や、室温、湿度、騒音レベル、照度などの環境情報、など様々な量の値が含まれる。
【0011】
また、上記の情報端末には、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコンなどの携帯情報端末の他、据置型の情報端末も含まれる。また、上記の「第1の通信手段」は、送信のみを行う送信手段であってもよいし、受信も可能な送受信手段であってもよい。また、上記の「第2の通信手段」は、受信のみを行う受信手段であってもよいし、送信も可能な送受信手段であってもよい。
【0012】
上記のようなシステムの構成によれば、計測機器と情報端末とをペアリングするためにユーザーが行う作業は、計測機器の表示部に表示された値と、情報端末の表示部に表示された値とが一致していることの確認を行うのみとなるため、ペアリングのためのユーザー負担を極めて少なくすることができる。
【0013】
また、上記の情報管理システムは、前記第2の通信手段が、複数の前記計測機器から送信される前記計測情報を受信する場合において、前記制御手段は、前記第1の表示手段に表示された前記計測対象量の値と前記第2の表示手段に表示された前記計測対象量の値とが合致していている旨の入力が所定時間内に無かった場合、又は、前記入力手段を介して前記第1の表示手段に表示された前記計測対象量の値と、前記第2の表示手段に表示された前記計測対象量の値とが合致していない旨の入力があった場合には、前記第2の通信手段によって受信される他の前記計測機器に係る前記計測情報に含まれる前記計測対象量の値を、前記第2の表示手段に表示させる、ものであってもよい。
【0014】
また、前記計測機器は、体重計、体組成計、血圧計、脈拍計、体温計、歩数計、のいずれかであってもよい。また、前記情報端末はスマートフォンであってもよい。
【0015】
また、前記計測機器の通信手段はスピーカーであり、前記情報端末の受信手段はマイクロフォンであってもよい。このような構成であると、超音波、音波による情報の伝送が可能になる。
【0016】
また、上記の課題を解決するため、本発明に係るペアリング方法は、計測機器と情報端
末とをペアリングするための方法であって、前記計測機器において所定の計測対象量を求める計測ステップと、前記計測対象量を前記計測機器において表示する第1表示ステップと、前記計測機器を識別する識別情報及び前記計測対象量を含む、計測情報を、前記計測機器から送信する送信ステップと、前記計測情報を前記情報端末で受信する受信ステップと、受信した前記計測情報に含まれる前記計測対象量の値を前記情報端末において表示する第2表示ステップと、前記計測機器において表示された前記計測対象量の値と、前記情報端末において表示された前記計測対象量の値とが合致しているか否かについての入力を受け付ける入力ステップと、前記入力ステップにおいて、前記計測機器に表示された前記計測対象量の値と前記情報端末に表示された前記計測対象量の値とが合致している旨の入力があった場合、又は、前記計測機器に表示された前記計測対象量の値と前記情報端末に表示された前記計測対象量の値とが合致していない旨の入力が所定時間内に無かった場合に、当該計測対象量の値を含む前記計測情報を送信した前記計測機器の前記識別情報を前記情報端末に記憶する記憶ステップと、を有する。
【0017】
また、前記情報端末が、複数の前記計測機器から送信される前記計測情報を受信する場合に、前記入力ステップにおいて、前記計測機器に表示された前記計測対象量の値と前記情報端末に表示された前記計測対象量の値とが合致していている旨の入力が所定時間内に無かった場合、又は、前記計測機器に表示された前記計測対象量の値と、前記情報端末に表示された前記計測対象量の値とが合致していない旨の入力があった場合には、当該計測対象量の値を含む前記計測情報とは異なる前記計測情報に含まれる前記計測対象量の値を、前記情報端末において表示する第3表示ステップ、をさらに有していてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、計測機器と情報端末とのペアリングを行う際に、ユーザーの作業負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施形態1に係る情報管理システムの構成例の概略を説明するブロック図である。
図2図2は、実施形態1に係る情報管理システムの血圧計の表示画面の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態1に係る情報管理システムにおけるペアリングの処理の流れを示すフローチャートである。
図4図4は、実施形態1に係る情報管理システムにおける、スマートフォンの画面表示の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態2に係る情報管理システムの構成例を示す図である。
図6図6は、実施形態2に係る情報管理システムにおけるペアリングの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。
【0021】
<実施形態1>
まず図1から図4に基づいて、本発明の実施形態の一例について説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0022】
(システム構成)
図1は本実施形態に係る健康情報管理システム1の構成例を示す概略図である。図1に示すように、健康情報管理システム1は、計測機器の一例としての血圧計10と、情報端末の一例としてのスマートフォン20を含んでおり、血圧計10とスマートフォン20とは近距離無線通信によって通信可能な構成となっている。無線通信の方式は特に限定されないが、例えば、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信、超音波による情報伝送、などの方法を採用することができる。
【0023】
(計測機器)
本実施形態における血圧計10は、いわゆるオシロメトリック法によりユーザーの血圧を測定する計測機器であり、図1に示すように、センサ部110と、表示部120と、通信部130と、入力部140と、制御部150とを含んで構成される。
【0024】
センサ部110は、血圧計10のカフ部分に配置される圧力センサを備えており、適正なカフ圧下でユーザーの血管から脈波を検出する。本実施形態における血圧計10では、センサ部が検出する脈波に基づいて、最高血圧、最低血圧に加えて脈拍も計測可能である。以下、最高血圧、最低血圧、脈拍の値をまとめて血圧情報という。本実施形態では、血圧情報が計測対象量に相当する。
【0025】
表示部120は、例えば液晶ディスプレイなどによって形成され、算出された血圧情報を表示する。図2に、表示部120の表示画面の一例を示す。なお、本実施形態では表示部120が第1の表示手段に相当する。
【0026】
通信部130は、近距離無線通信で使用される信号を送信可能な通信ユニットであり、所望の公知技術を採用することができる。具体的には、例えば、Bluetooth(登録商標)などの電波による双方向通信を行うための通信アンテナであってもよいし、超音波通信に係る超音波を発するスピーカーなどであってもよい。即ち、通信部130は送受信(双方向通信)を行うものであってもよいし、送信のみを行うものであってもよい。通信部130によって、血圧計それぞれに固有の識別情報(例えば、シリアルナンバーなど)と、計測された血圧情報を含む計測情報が送信される。なお、本実施形態では、通信部130が第1の通信手段に該当する。
【0027】
入力部140は、ユーザーからの入力を受け付けるボタン、タッチパネルディスプレイなどの入力手段であり、ユーザーから、電源のON/OFF、計測の開始、項目の選択などの各種操作を受け付ける。
【0028】
制御部150は、血圧計10の制御を司る手段であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含んで構成される。制御部150は、入力部140を介してユーザーからの計測開始の指示を受け付けるとカフを加圧し、適切なカフ圧下で、センサ部110が検出した脈波に基づいて血圧情報を算出する。そして、表示部120に当該算出した値を表示する。その他、入力部140を介してユーザーの操作に応じた処理を実行するように血圧計10の各構成要素を制御する。
【0029】
(情報端末)
情報端末の一例であるスマートフォン20は、図1に示すように、通信部210、タッチパネルディスプレイ220、記憶部230、制御部240を含んで構成される。
【0030】
通信部210は、近距離無線通信に係る信号を受信可能な通信ユニットであり、所望の公知技術を採用することができる。具体的には、例えば前述の様な双方向通信を行うための通信アンテナであってもよいし、超音波通信に係る超音波を受信するマイクロフォンなどであってもよい。即ち、通信部210は双方向通信を行うものであってもよいし、受信のみを行うものであってもよい。通信部210は、血圧計10から送信された計測情報を受信する他、他の電子機器や基地局とも通信を行う構成としてもよい。なお、本実施形態
では、通信部210が第2の通信手段に該当する。
【0031】
タッチパネルディスプレイ220は、表示手段と入力手段とを兼ねており、通信部210が受信した血圧情報が表示される。また、各種の入力用画像を介してユーザーからの操作を受け付ける。なお、本実施形態においてはタッチパネルディスプレイ220が、第2の表示手段及び入力手段に該当する。
【0032】
記憶部230は、RAM(Random Access Memory)などの主記憶装置の他、例えばフラッシュメモリなどの長期記憶媒体を含んで構成され、アプリケーションプログラム、計測情報、などの各種の情報を記憶する。
【0033】
制御部240はスマートフォンの制御を司る手段であり、例えばCPUなどを含んで構成され、記憶部230に格納された各種プログラムを実行することにより、これらに応じた機能を発揮する。
【0034】
(計測機器と情報端末のペアリング方法)
次に、血圧計10と、スマートフォン20とをペアリングする方法について説明する。図3は、血圧計10と、スマートフォン20とをペアリングする際の処理の手順を示すフローチャートである。
【0035】
図3に示すように、ユーザーはまず、スマートフォン20のタッチパネルディスプレイ220及び制御部240を介して、スマートフォン20を計測情報が受信可能な状態で待機させる(ステップS101)。具体的には、例えば、健康情報管理のためのアプリケーションプログラムを実行するようにしてもよく、制御部240において、当該アプリケーションプログラムがバックグラウンドで常に実行されるようになっていてもよい。次に、ユーザーは血圧計10によって血圧情報を計測する(ステップS102)。なお、本実施形態における血圧情報は、最高血圧、最低血圧、脈拍の3つの値からなる情報である。
【0036】
ステップS102によって血圧情報が計測されると、制御部150は当該血圧情報を、表示部120に表示する(ステップS103)。また、制御部150は、血圧情報と識別情報とを含む計測情報を生成し、通信部130を介して送信する(ステップS104)。
【0037】
そして、情報待ち受け状態にあるスマートフォン20の通信部210によって、ステップS104で送信された計測情報が受信される(ステップS105)。続けて、制御部240は、ステップS105で受信した計測情報に含まれる血圧情報を、タッチパネルディスプレイ220に表示する(ステップS106)。
【0038】
さらに、制御部240は、血圧計10の表示部120に表示されている血圧情報と、タッチパネルディスプレイ220に表示されている血圧情報が一致していることの確認をユーザーに求める(ステップS107)。具体的には、タッチパネルディスプレイ220に値が一致していることの入力を行う操作ボタンを表示させるなどすればよい。図4に、ステップS107でユーザーの入力を受け付けるための表示画面例を示す。
【0039】
ステップS107で、表示部120と、タッチパネルディスプレイ220に表示された血圧情報が一致している旨の入力を受け付けると、制御部240は、ステップS105で受信した計測情報に含まれる血圧計10の識別情報を、記憶部230に記憶させ(ステップS108)、一連の処理が終了する。
【0040】
ステップS108における識別情報の記憶によって、スマートフォン20に特定の血圧計10が識別可能に登録され、機器のペアリングが完了する。このようなペアリングが行
われた後は、制御部240は、血圧情報としては、記憶部230に記憶された識別情報を送信する血圧計10から送信される血圧情報のみを、タッチパネルディスプレイ200に表示するようにする。
【0041】
上記のようなシステムの構成によれば、計測機器と情報端末とをペアリングするためにユーザーが行う作業は、計測機器の表示部に表示された値と、情報端末の表示部に表示された値とが一致していることの確認を行うだけでよく、ペアリングのためのユーザー負担は極めて少なくて済む。また、計測機器に識別情報を表示したり、情報端末に識別情報を読み取るための構成を設けたりする必要が無いため、システムを構成するためのコストを低減することもできる。また、情報端末がシステム構成外の計測機器の計測情報を受信してしまった場合であっても、そのような計測機器を誤ってペアリングしてしまうことを防止することができる。
【0042】
(変形例)
なお、上記の実施形態1ではステップS107において、表示部120に表示されている血圧情報と、タッチパネルディスプレイ220に表示されている血圧情報が一致していることの入力があった場合に、ステップS108に進むようにしていたが、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、ステップS107において、所定時間(例えば10秒間)、ユーザーから、表示部120に表示されている血圧情報と、タッチパネルディスプレイ220に表示されている血圧情報とが一致していない旨の入力がなされない場合には、血圧情報が一致していることの入力があったとみなして、ステップS108に進むようにしてもよい。
【0043】
また、計測された血圧情報を血圧計10の表示部120に表示させるステップ(ステップS103)と、計測情報を生成して送信するステップ(ステップS104)は、順序が逆に実行されるのであっても構わない。
【0044】
<実施形態2>
次に、図5及び図6に基づいて、本発明の他の実施形態について説明する。以下では、実施形態1と同じ構成要素については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0045】
図5は本実施形態に係る健康情報管理システム2の構成例を示す概略図である。図5に示すように、健康情報管理システム2は、複数の血圧計10a、10b、10c及びスマートフォン20を含んでおり、各血圧計10a、10b、10cと、スマートフォン20とは近距離無線通信によって通信可能な構成となっている。なお、それぞれの血圧計10a、10b、10c、及び、スマートフォン20の構成要素は、実施形態1の場合と同様であるため、説明は省略する。
【0046】
本実施形態における健康情報管理システム2は、実施形態1とは異なり、複数の血圧計を有しているため、ユーザーが計測を行った血圧計とは異なる血圧計の計測情報を、スマートフォン20で受信するおそれがある。このため、血圧計10とスマートフォン20とをペアリングする際の処理において、実施形態1とは異なる手順を実行する。
【0047】
図6は、本実施形態の健康情報管理システム2において、血圧計10とスマートフォン20とをペアリングする際の処理の手順を示すフローチャートである。ステップS201からステップS207までの処理は、実施形態1のステップS101からステップS106までと同様である。即ち、ユーザーは、ステップS201においてスマートフォン20を待機状態にし、ステップS202において血圧計10で血圧を計測する。そして、制御部150は、ステップS203において血圧計10に血圧情報を表示し、ステップS204において通信部130から計測情報を送信する。さらに、制御部240は、ステップS205において通信部210で計測情報を受信し、ステップS206においてタッチパネルディスプレイ220に血圧情報を表示する。さらに制御部240は、ステップ207において、表示部120に表示された血圧情報と、タッチパネルディスプレイ220に表示された血圧情報が一致していることの確認をユーザーに求める。この際に、タッチパネルディスプレイ220に表示される確認画面は、図4に示すように、実施形態1の場合と同様のものであっても構わない。
【0048】
次に、制御部240は、ステップS207におけるユーザーからの入力に基づき、表示部120に表示された血圧情報と、タッチパネルディスプレイ220に表示された血圧情報が一致しているか否かの判定を行う(ステップS208)。ここで、表示された血圧情報が一致していると判定された場合には、ステップS209に進み、制御部240が、ステップS205で受信した計測情報に含まれる血圧計10の識別情報を、記憶部230に記憶させることによってペアリングが完了し、一連の処理が終了する。
【0049】
一方、ステップS208で、表示された血圧情報が一致していないと判定された場合には、ユーザーが計測を行った血圧計とは異なる血圧計の計測情報を受信していると考えられるため、ステップS205に戻って他の血圧計からの計測情報を受信し、その後の処理を繰り返す。
【0050】
なお、ステップS208を経由した後にステップS205で計測情報を受信する場合には、既にステップS208で判定が行われた血圧情報を含む計測情報を除外して受信するようにしておくとよい。例えば、既に判定が行われた血圧情報を含む計測情報については、判定済として一次的に記憶部230に保存し、当該保存されている計測情報は受信しないようにしてもよい。
【0051】
本実施形態のような構成によれば、ペアリングを行う際において、同種の複数の計測機器が使用される状況であっても、ユーザーが実際に計測を行った計測機器と情報端末とをペアリングすることが可能になる。
【0052】
なお、計測機器と情報端末との間の通信方式が、双方向通信、すなわち計測機器が情報端末からの情報も受信可能である場合には、計測機器において、特定の情報端末とペアリングが成立した旨の情報を取得可能である。このため、複数の計測機器のうちいずれの計測機器と情報端末とがペアリングしたのかは、計測機器の表示部などにペアリング成立の情報を表示させるようにすれば、容易に確認できる。一方、計測機器が超音波などにより情報を送信するのみであるような一方向通信では、計測機器において、ペアリング成立の情報を取得することができない。このため、複数の同種の計測機器が存在する場合、情報端末がいずれの計測機器とペアリングしたのかを、通常は容易には確認することができない。この点、本実施形態のようなシステムを用いてペアリングを行えば、計測機器と情報端末とのペアリングを行う際に、ユーザーはどの計測機器と情報端末とをペアリングしようとしているのかを必然的に確認することになる。これにより、ユーザーは情報端末がいずれの計測機器とペアリングしたのかを容易に知ることができるため、本実施形態に係るシステムは、一方向通信により計測機器と情報端末とのペアリングを行う場合に特に好適である。
【0053】
(変形例)
なお、上記の実施形態2において、通信部210が複数の血圧計から送信される計測情報を同時に受信できるようになっていてもよい。この場合には、ステップS206においてタッチパネルディスプレイ220に表示される血圧情報は、いずれかの血圧計のものが択一的に選択されることになる。ここで、いずれの血圧情報を表示するかの判定は、例えば計測情報受信時の電波強度が強いものを優先するようにしてもよい。また、本変形例の
場合には、ステップS208で表示された血圧情報が一致していないと判定された場合には、ステップS205ではなくステップS206に戻って、他の血圧計に係る血圧情報を表示するようにするとよい。なお、この際には、既にステップS208で判定が行われた血圧情報については除外して表示するようにしておくとよい。例えば、既に判定が行われた血圧情報については、判定済として一次的に記憶部230に保存し、当該保存されている血圧情報は表示しないようにしてもよい。
【0054】
<その他>
上記の各例の説明は、本発明を例示的に説明するものに過ぎず、本発明は上記の具体的な形態には限定されない。本発明は、その技術的思想の範囲内で種々の変形及び組み合わせが可能である。
【0055】
例えば計測機器は血圧計以外に、体重計、体組成計、脈拍計、体温計などの他の身体情報測定機器であってもよい。また、歩数計や、トレッドミル、エアロバイク(登録商標)などにおける運動量を計測する活動量計であってもよい。この場合には、表示部に表示させる計測対象量は、歩数、走行(歩行)距離などであってもよいし、推定消費熱量などの値であってもよいし、これらの両方を表示するようにしてもよい。また、計測機器は、室温、湿度、騒音、照度などの環境情報を測定する環境センサ機器であってもよい。
【0056】
なお、上記の例ではシステムを構成する計測機器は1種類のみであったが、複数の異なる計測機器を含んでシステムが構成されてもよい。
【0057】
また、情報端末はスマートフォンにかぎらず、タブレット端末などの他の携帯情報端末であってもよいし、据置型の端末であってもよい。
【符号の説明】
【0058】
1、2・・・環境情報管理システム
10・・・血圧計
110・・・センサ部
120・・・表示部
130、210・・・通信部
140・・・入力部
150、240・・・制御部
20・・・スマートフォン
220・・・タッチパネルディスプレイ
230・・・記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6