(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20221122BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221122BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
H04N1/00 350
B41J29/38
G03G21/00 386
G03G21/00 388
(21)【出願番号】P 2019078784
(22)【出願日】2019-04-17
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118108
【氏名又は名称】久保 洋之
(72)【発明者】
【氏名】尚永 健
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-269632(JP,A)
【文献】特開2017-004175(JP,A)
【文献】特開2007-213575(JP,A)
【文献】特開2016-72897(JP,A)
【文献】特開2016-212670(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0333039(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0242621(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報収集の許諾可否の設定がされておらず自装置に追加される追加サービスを受け付ける受付手段と、
情報収集の許諾可否の設定がされた自装置の利用情報と、前記追加サービスの利用情報とが類似する場合に、当該自装置の利用情報に関する情報収集の許諾可否の設定の少なくとも一部を、当該追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定とするよう制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記自装置の利用情報の種類と、前記追加サービスの利用情報の種類との類似率が、予め定められた基準を満たす場合に、当該自装置の利用情報と、当該追加サービスの利用情報とが類似すると判断することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記自装置の利用情報の複数個の種類の中に、前記追加サービスの利用情報の閾値以上の個数の種類が含まれる場合に、前記類似率が前記予め定められた基準を満たすと判断することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記自装置の利用情報の複数個の種類のそれぞれに設定された重要度を示す指標を用いて、前記類似率が前記予め定められた基準を満たすかどうかを判断することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記自装置の利用情報に関する情報収集の許諾可否の設定の少なくとも一部を、前記追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定としてよいかを確認する確認画面を表示させる表示制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記自装置の利用情報のうちサービスに関する利用情報と、前記追加サービスの利用情報のうちサービスに関する利用情報とが類似せず、当該自装置の利用情報のうちサービスに関する利用情報以外の利用情報と、当該追加サービスの利用情報のうちサービスに関する利用情報以外の利用情報とが類似する場合に、前記確認画面を表示させることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記自装置の利用情報のうち重要度が高いものとして定められた特定の利用情報が、前記追加サービスの利用情報に含まれる場合に、前記確認画面を表示させることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、自装置に対する前記追加サービスの追加が完了する旨を示す前記確認画面を表示させることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報収集の許諾可否の設定がされておらず自装置に追加される追加サービスを受け付ける受付手段と、
情報収集の許諾可否の設定がされた自装置の既存サービスと、前記追加サービスとが類似する場合に、当該既存サービスに関する情報収集の許諾可否の設定の少なくとも一部を、当該追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定とするよう制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータに、
情報収集の許諾可否の設定がされておらず自装置に追加される追加サービスを受け付ける機能と、
情報収集の許諾可否の設定がされた自装置の利用情報と、前記追加サービスの利用情報とが類似する場合に、当該自装置の利用情報に関する情報収集の許諾可否の設定の少なくとも一部を、当該追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定とするよう制御する機能と
を実現させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
情報収集の許諾可否の設定がされておらず自装置に追加される追加サービスを受け付ける機能と、
情報収集の許諾可否の設定がされた自装置の既存サービスと、前記追加サービスとが類似する場合に、当該既存サービスに関する情報収集の許諾可否の設定の少なくとも一部を、当該追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定とするよう制御する機能と
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置と、情報処理装置のアプリケーションを管理する管理装置と、アプリケーションに関するデータを配信する配信装置とを含み、情報処理装置は、アプリケーションに関連するジョブを管理装置から取得し、取得したジョブに従って、情報処理装置のアプリケーションに対する制御を行い、制御に伴って、取得したジョブに含まれる設定情報に従い、情報処理装置の設定およびアプリケーションの設定の少なくとも一方を変更する管理システムは、知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
追加サービスを装置に追加する際に、追加サービスに対する設定情報をそのまま反映させる構成を採用した場合には、その装置の利用情報に関する情報収集の許諾可否の設定、又は、その装置の既存サービスに関する情報収集の許諾可否の設定を用いて、追加サービスに関する情報収集の許諾可否を設定することができない。
【0005】
本発明の目的は、追加サービスを装置に追加する際に、その装置の利用情報に関する情報収集の許諾可否の設定、又は、その装置の既存サービスに関する情報収集の許諾可否の設定を用いて、追加サービスに関する情報収集の許諾可否を設定することを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、情報収集の許諾可否の設定がされておらず自装置に追加される追加サービスを受け付ける受付手段と、情報収集の許諾可否の設定がされた自装置の利用情報と、前記追加サービスの利用情報とが類似する場合に、当該自装置の利用情報に関する情報収集の許諾可否の設定の少なくとも一部を、当該追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定とするよう制御する制御手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、前記自装置の利用情報の種類と、前記追加サービスの利用情報の種類との類似率が、予め定められた基準を満たす場合に、当該自装置の利用情報と、当該追加サービスの利用情報とが類似すると判断することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記制御手段は、前記自装置の利用情報の複数個の種類の中に、前記追加サービスの利用情報の閾値以上の個数の種類が含まれる場合に、前記類似率が前記予め定められた基準を満たすと判断することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記制御手段は、前記自装置の利用情報の複数個の種類のそれぞれに設定された重要度を示す指標を用いて、前記類似率が前記予め定められた基準を満たすかどうかを判断することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記自装置の利用情報に関する情報収集の許諾可否の設定の少なくとも一部を、前記追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定としてよいかを確認する確認画面を表示させる表示制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記表示制御手段は、前記自装置の利用情報のうちサービスに関する利用情報と、前記追加サービスの利用情報のうちサービスに関する利用情報とが類似せず、当該自装置の利用情報のうちサービスに関する利用情報以外の利用情報と、当該追加サービスの利用情報のうちサービスに関する利用情報以外の利用情報とが類似する場合に、前記確認画面を表示させることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記表示制御手段は、前記自装置の利用情報のうち重要度が高いものとして定められた特定の利用情報が、前記追加サービスの利用情報に含まれる場合に、前記確認画面を表示させることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置である。
請求項8に記載の発明は、前記表示制御手段は、自装置に対する前記追加サービスの追加が完了する旨を示す前記確認画面を表示させることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置である。
請求項9に記載の発明は、情報収集の許諾可否の設定がされておらず自装置に追加される追加サービスを受け付ける受付手段と、情報収集の許諾可否の設定がされた自装置の既存サービスと、前記追加サービスとが類似する場合に、当該既存サービスに関する情報収集の許諾可否の設定の少なくとも一部を、当該追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定とするよう制御する制御手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置である。
請求項10に記載の発明は、コンピュータに、情報収集の許諾可否の設定がされておらず自装置に追加される追加サービスを受け付ける機能と、情報収集の許諾可否の設定がされた自装置の利用情報と、前記追加サービスの利用情報とが類似する場合に、当該自装置の利用情報に関する情報収集の許諾可否の設定の少なくとも一部を、当該追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定とするよう制御する機能とを実現させるためのプログラムである。
請求項11に記載の発明は、コンピュータに、情報収集の許諾可否の設定がされておらず自装置に追加される追加サービスを受け付ける機能と、情報収集の許諾可否の設定がされた自装置の既存サービスと、前記追加サービスとが類似する場合に、当該既存サービスに関する情報収集の許諾可否の設定の少なくとも一部を、当該追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定とするよう制御する機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、追加サービスを装置に追加する際に、その装置の利用情報に関する情報収集の許諾可否の設定を用いて、追加サービスに関する情報収集の許諾可否を設定することが可能となる。
請求項2の発明によれば、追加サービスを装置に追加する際に、その装置の利用情報の種類と追加サービスの利用情報の種類との類似率が基準を満たせば、その装置の利用情報に関する情報収集の許諾可否の設定を用いて、追加サービスに関する情報収集の許諾可否を設定することが可能となる。
請求項3の発明によれば、追加サービスを装置に追加する際に、その装置の利用情報の複数個の種類の中に追加サービスの利用情報の閾値以上の個数の種類があれば、その装置の利用情報に関する情報収集の許諾可否の設定を用いて、追加サービスに関する情報収集の許諾可否を設定することが可能となる。
請求項4の発明によれば、追加サービスを装置に追加する際に、その装置の利用情報の種類の重要度を加味しつつ、その装置の利用情報に関する情報収集の許諾可否の設定を用いて、追加サービスに関する情報収集の許諾可否を設定することが可能となる。
請求項5の発明によれば、追加サービスを装置に追加する際に、その装置の利用情報に関する情報収集の許諾可否の設定の少なくとも一部を、追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定としてよいかを確認させることが可能となる。
請求項6の発明によれば、追加サービスを装置に追加する際に、その装置の利用情報と追加サービスの利用情報とが、サービスについて類似せず、サービス以外について類似していれば、利用情報に関する情報収集の許諾の設定の少なくとも一部を、追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定としてよいかを確認させることが可能となる。
請求項7の発明によれば、追加サービスを装置に追加する際に、その装置の重要度が高いとされる利用情報が追加サービスの利用情報に含まれれば、その装置の利用情報に関する情報収集の許諾の設定の少なくとも一部を、追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定としてよいかを確認させることが可能となる。
請求項8の発明によれば、追加サービスを装置に追加する際に、その装置に対する追加サービスの追加が完了することを確認させることができる。
請求項9の発明によれば、追加サービスを装置に追加する際に、その装置の既存サービスに関する情報収集の許諾可否の設定を用いて、追加サービスに関する情報収集の許諾可否を設定することが可能となる。
請求項10の発明によれば、追加サービスを装置に追加する際に、その装置の利用情報に関する情報収集の許諾可否の設定を用いて、追加サービスに関する情報収集の許諾可否を設定することが可能となる。
請求項11の発明によれば、追加サービスを装置に追加する際に、その装置の既存サービスに関する情報収集の許諾可否の設定を用いて、追加サービスに関する情報収集の許諾可否を設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態における画像処理装置のハードウェア構成例を示した図である。
【
図2】本発明の実施の形態における画像処理装置の機能構成例を示したブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態における画像処理装置の動作例を示したフローチャートである。
【
図4】本発明の第1の実施の形態で設定情報記憶部に記憶された設定情報の第1の具体例を示した図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態の第1の動作例でアプリ情報取得部が取得したアプリ情報の具体例を示した図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態の第1の動作例で表示される第1の統合許諾画面の例を示した図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態で表示される情報収集許諾画面の例を示した図である。
【
図8】本発明の第1の実施の形態で表示される情報選択画面の例を示した図である。
【
図9】本発明の第1の実施の形態の第2の動作例でアプリ情報取得部が取得したアプリ情報の具体例を示した図である。
【
図10】本発明の第1の実施の形態の第2の動作例で表示される第2の統合許諾画面の例を示した図である。
【
図11】本発明の第1の実施の形態の第3の動作例でアプリ情報取得部が取得したアプリ情報の具体例を示した図である。
【
図12】本発明の第1の実施の形態の第3の動作例で表示されるインストール許諾画面の例を示した図である。
【
図13】本発明の第1の実施の形態で設定情報記憶部に記憶された設定情報の第2の具体例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
[画像処理装置のハードウェア構成]
図1は、本実施の形態における画像処理装置10のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、画像処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、操作パネル15と、画像読取部16と、画像形成部17と、通信インターフェース(以下、「通信I/F」と表記する)18とを備える。
【0011】
CPU11は、ROM13等に記憶された各種プログラムをRAM12にロードして実行することにより、後述する各機能を実現する。
【0012】
RAM12は、CPU11の作業用メモリ等として用いられるメモリである。ROM13は、CPU11が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。HDD14は、画像読取部16が読み取った画像データや画像形成部17における画像形成にて用いる画像データ等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
【0013】
操作パネル15は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う例えばタッチパネルである。ここで、操作パネル15は、各種情報が表示されるディスプレイと、指やスタイラスペン等の指示手段で指示された位置を検出する位置検出シートとからなる。或いは、タッチパネルに代えて、ディスプレイ及びキーボードを用いてもよい。
【0014】
画像読取部16は、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取る。ここで、画像読取部16は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。
【0015】
画像形成部17は、紙等の記録媒体に画像を形成する。ここで、画像形成部17は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
【0016】
通信I/F18は、通信回線を介して他の装置との間で各種情報の送受信を行う。
【0017】
[第1の実施の形態]
(概要)
第1の実施の形態では、画像処理装置10が、情報収集の許諾可否の設定がされた自装置の利用情報と、情報収集の許諾可否の設定がされておらず自装置に追加される追加サービスの利用情報とが類似する場合に、自装置の利用情報に関する情報収集の許諾可否の設定の少なくとも一部を、追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定とするよう制御する。
【0018】
(画像処理装置の機能構成)
図2は、第1の実施の形態における画像処理装置10の機能構成例を示したブロック図である。図示するように、第1の実施の形態における画像処理装置10は、設定情報記憶部21と、アプリ情報取得部22と、照合部23と、表示制御部24と、操作受付部25と、設定反映部26と、インストール部27とを備えている。
【0019】
設定情報記憶部21は、画像処理装置10における設定情報を記憶する。設定情報は、画像処理装置10での情報収集が制限され得る情報項目を含む。また、設定情報は、情報項目ごとに、情報収集の許諾可否が設定されているかの設定状況を含み、情報収集の許諾可否が設定されている場合はその許諾可否設定を含む。更に、設定情報は、情報項目ごとに、サービス情報及びAPI情報の何れであるかを示す情報も含む。情報項目が特定のサービス上での操作に関する情報である場合、情報項目はサービス情報である。情報項目がAPIで得られる情報である場合、情報項目はAPI情報である。
【0020】
アプリ情報取得部22は、新規のアプリケーション(以下、「新規アプリ」という)が画像処理装置10に追加されるにあたり、新規アプリが保持する情報(以下、「アプリ情報」という)を取得する。アプリ情報も、画像処理装置10での情報収集が制限され得る情報項目を含む。また、アプリ情報は、情報項目ごとに、サービス情報及びAPI情報の何れであるかを示す情報も含む。ここで、アプリ情報は、例えば、新規アプリを管理するサーバ(図示せず)と通信を行うことにより、取得するとよい。また、新規アプリは、情報収集の許諾可否が設定されていないことを前提とする。
【0021】
本実施の形態では、情報収集の許諾可否の設定がされておらず自装置に追加される追加サービスの一例として、新規アプリを用いており、追加サービスを受け付ける受付手段の一例として、アプリ情報取得部22を設けている。
【0022】
照合部23は、新規アプリが画像処理装置10に追加されるにあたり、設定情報記憶部21に記憶された設定情報における情報収集の許諾可否が設定された情報項目と、アプリ情報取得部22により取得されたアプリ情報における情報項目とを照合して、これらの情報項目が類似しているかどうかを判定する。例えば、設定情報記憶部21に記憶された設定情報における情報収集の許諾可否が設定された情報項目と、アプリ情報取得部22により取得されたアプリ情報における情報項目とが類似する率である照合率が予め定められた閾値以上である場合に、これらの情報項目が類似していると判定するとよい。その場合、アプリ情報取得部22により取得されたアプリ情報における情報項目のうち予め定められた閾値以上の情報項目が、設定情報記憶部21に記憶された設定情報における情報収集の許諾可否が設定された情報項目に含まれている場合に、照合率が予め定められた閾値以上であると判定するとよい。ここで、照合率が予め定められた閾値以上であるかどうかは、サービス情報である情報項目と、API情報である情報項目とで、別々に判定してもよい。加えて、設定情報記憶部21に記憶された設定情報における情報項目のそれぞれに設定された重要度を示す重み係数を用いて、照合率が予め定められた閾値以上であるかどうかを判定してもよい。
【0023】
本実施の形態では、自装置の利用情報の一例として、情報項目を用いており、情報収集の許諾可否の設定がされた自装置の利用情報と、追加サービスの利用情報とが類似するかどうかを判断する制御手段の機能の一例として、照合部23を設けている。また、自装置の利用情報の種類と、追加サービスの利用情報の種類との類似率の一例として、照合率を用いており、予め定められた基準の一例として、予め定められた閾値を用いており、類似率が予め定められた基準を満たす場合に、自装置の利用情報と、追加サービスの利用情報とが類似すると判断する制御手段の機能の一例として、照合部23を設けている。更に、自装置の利用情報の複数個の種類の中に、追加サービスの利用情報の閾値以上の個数の種類が含まれる場合に、類似率が予め定められた基準を満たすと判断する制御手段の機能の一例として、照合部23を設けている。更にまた、重要度を示す指標の一例として、重み係数を用いており、自装置の利用情報の複数個の種類のそれぞれに設定された指標を用いて、類似率が予め定められた基準を満たすかどうかを判断する制御手段の機能の一例として、照合部23を設けている。
【0024】
表示制御部24は、新規アプリが画像処理装置10に追加されるにあたり、設定情報記憶部21に記憶された設定情報における情報収集の許諾可否が設定された情報項目と、アプリ情報取得部22により取得されたアプリ情報における情報項目とが類似していると照合部23により判定された場合に、インストールの許諾を得るためのインストール許諾画面と情報収集の許諾を得るための情報収集許諾画面とを統合した統合許諾画面を操作パネル15に表示するように制御する。ここで、統合許諾画面としては、第1の統合許諾画面と、第2の統合許諾画面とがある。このうち、第1の統合許諾画面は、全ての情報項目についての照合率が閾値以上であり、かつ、サービス情報である情報項目についての照合率も閾値以上である場合の統合許諾画面である。サービス情報である情報項目についての照合率が閾値以上であることから、第1の統合許諾画面では、新規アプリの運用が特定のサービスの運用に近い旨を通知する。一方、第2の統合許諾画面は、全ての情報項目についての照合率は閾値以上であるが、サービス情報である情報項目についての照合率は閾値未満である場合の統合許諾画面である。サービス情報である情報項目についての照合率が閾値未満であることから、第2の統合許諾画面では、特定のサービスには言及せずに新規アプリの運用が画像処理装置10の運用に近い旨を通知する。また、表示制御部24は、設定情報記憶部21に記憶された設定情報における重要度が高いものとして定められた特定の情報項目が、アプリ情報取得部22により取得されたアプリ情報に含まれる場合に、統合許諾画面を操作パネル15に表示するように制御してもよい。
【0025】
本実施の形態では、自装置の利用情報に関する情報収集の許諾可否の設定の少なくとも一部を、追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定としてよいかを確認する確認画面の一例として、情報収集許諾画面を用いており、確認画面を表示させる表示制御手段の一例として、情報収集許諾画面を表示するように制御する表示制御部24を設けている。また、サービスに関する利用情報の一例として、サービス情報である情報項目を用いており、サービスに関する利用情報以外の利用情報の一例として、API情報を用いており、自装置の利用情報のうちサービスに関する利用情報と、追加サービスの利用情報のうちサービスに関する利用情報とが類似せず、自装置の利用情報のうちサービスに関する利用情報以外の利用情報と、追加サービスの利用情報のうちサービスに関する利用情報以外の利用情報とが類似する場合に、確認画面を表示させる表示制御手段の一例として、第2の統合許諾画面に統合される情報収集許諾画面を表示するように制御する表示制御部24を設けている。更に、自装置の利用情報のうち重要度が高いものとして定められた特定の利用情報が、追加サービスの利用情報に含まれる場合に、確認画面を表示させる表示制御手段の一例として、情報収集許諾画面を表示するように制御する表示制御部24を設けている。更にまた、自装置に対する追加サービスの追加が完了する旨を示す確認画面を表示させる表示制御手段の一例として、インストール許諾画面を表示するように制御する表示制御部24を設けている。
【0026】
また、表示制御部24は、新規アプリが画像処理装置10に追加されるにあたり、設定情報記憶部21に記憶された設定情報における情報収集の許諾可否が設定された情報項目と、アプリ情報取得部22により取得されたアプリ情報における情報項目とが類似していないと照合部23により判定された場合に、インストールの許諾画面を操作パネル15(
図1参照)に表示するように制御する。
【0027】
操作受付部25は、表示制御部24の制御により操作パネル15(
図1参照)に表示された統合許諾画面又はインストール許諾画面上でのユーザの操作を受け付ける。ここで、統合許諾画面上でのユーザ操作としては、インストール及び情報収集をまとめて許諾する操作、インストールのみ許諾する操作、許諾しない操作がある。インストール許諾画面上でのユーザ操作としては、許諾する操作、許諾しない操作がある。
【0028】
設定反映部26は、表示制御部24の制御により操作パネル15(
図1参照)に表示された統合許諾画面上でのインストール及び情報収集をまとめて許諾する操作を操作受付部25が受け付けた場合に、アプリ情報取得部22により取得されたアプリ情報における情報項目について、設定情報記憶部21に記憶された設定情報における情報収集の許諾可否設定を反映させる。具体的には、新規アプリが情報を収集する際にその情報収集が許諾されているかどうかを確認するために参照する記憶領域に、この許諾可否設定を記憶する。
【0029】
本実施の形態では、情報収集の許諾可否の設定がされた自装置の利用情報と、追加サービスの利用情報とが類似する場合に、自装置の利用情報に関する情報収集の許諾可否の設定の少なくとも一部を、追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定とするよう制御する制御手段の一例として、設定反映部26を設けている。
【0030】
インストール部27は、表示制御部24の制御により操作パネル15(
図1参照)に表示された統合許諾画面上でのインストールのみ許諾する操作を操作受付部25が受け付けた場合に、新規アプリを画像処理装置10にインストールする。或いは、表示制御部24の制御により操作パネル15に表示されたインストール許諾画面上での許諾する操作を操作受付部25が受け付けた場合に、新規アプリを画像処理装置10にインストールする。
【0031】
(画像処理装置の動作)
図3は、本実施の形態における画像処理装置10の動作例を示したフローチャートである。尚、このフローチャートの動作は、例えば操作パネル15(
図1参照)から新規アプリを追加するユーザ操作があった場合に開始する。
【0032】
動作が開始すると、画像処理装置10では、まず、アプリ情報取得部22が、アプリ情報を取得する(ステップ101)。
【0033】
次に、照合部23が、設定情報記憶部21に記憶された設定情報における情報収集の許諾可否が設定された情報項目と、ステップ101で取得されたアプリ情報における情報項目とを照合する(ステップ102)。そして、全ての情報項目についての情報項目の照合率が予め定められた閾値以上であるかどうかを判定する(ステップ103)。
【0034】
全ての情報項目についての情報項目の照合率が予め定められた閾値以上であると判定すれば、照合部23は、サービス情報である情報項目についての情報項目の照合率が予め定められた閾値以上であるかを判定する(ステップ104)。サービス情報である情報項目についての情報項目の照合率が予め定められた閾値以上であると判定されれば、表示制御部24が、第1の統合許諾画面を操作パネル15(
図1参照)に表示するように制御する(ステップ105)。サービス情報である情報項目についての情報項目の照合率が予め定められた閾値未満であると判定されれば、表示制御部24が、第2の統合許諾画面を操作パネル15に表示するように制御する(ステップ106)。上述したように、第1の統合許諾画面及び第2の統合許諾画面は、何れも、インストールの許諾を得るためのインストール許諾画面と、情報収集の許諾を得るための情報収集許諾画面とを統合したものであるが、第1の統合許諾画面は、新規アプリの運用が特定のサービスの運用に近い旨を通知するものであるのに対し、第2の統合許諾画面は、特定のサービスには言及せずに新規アプリの運用が画像処理装置10の運用に近い旨を通知するものである点で異なる。
【0035】
一方、ステップ103で全ての情報項目についての情報項目の照合率が予め定められた閾値未満であると判定されれば、表示制御部24が、インストール許諾画面を操作パネル15(
図1参照)に表示するように制御する(ステップ107)。
【0036】
ステップ105又はステップ106で統合許諾画面が操作パネル15に表示された後、操作受付部25が、統合許諾画面上で行われたユーザ操作を判別する(ステップ108)。
【0037】
まず、ここで判別されたユーザ操作がインストール及び情報収集をまとめて許諾する操作であった場合について説明する。この場合、設定反映部26が、ステップ101で取得されたアプリ情報における情報項目について、設定情報記憶部21に記憶された設定情報における情報収集の許諾可否設定を反映させる(ステップ109)。そして、インストール部27が、新規アプリを画像処理装置10にインストールする(ステップ110)。
【0038】
また、ステップ108で判別されたユーザ操作がインストールのみ許諾する操作であった場合について説明する。この場合、設定反映部26が、ステップ101で取得されたアプリ情報における情報項目について、設定情報記憶部21に記憶された設定情報における情報収集の許諾可否設定を反映させることなく、インストール部27が、新規アプリを画像処理装置10にインストールする(ステップ110)。
【0039】
更に、ステップ108で判別されたユーザ操作が許諾しない操作であった場合について説明する。この場合、設定反映部26が、ステップ101で取得されたアプリ情報における情報項目について、設定情報記憶部21に記憶された設定情報における情報収集の許諾可否設定を反映させることなく、かつ、インストール部27が、新規アプリを画像処理装置10にインストールすることなく、処理を終了する。
【0040】
一方、ステップ107でインストール許諾画面が操作パネル15に表示された後、操作受付部25が、インストール許諾画面上で行われたユーザ操作を判別する(ステップ111)。
【0041】
まず、ここで判別されたユーザ操作が許諾する操作であった場合について説明する。この場合、インストール部27が、新規アプリを画像処理装置10にインストールする(ステップ110)。
【0042】
また、ステップ111で判別されたユーザ操作が許諾しない操作であった場合について説明する。この場合、インストール部27が、新規アプリを画像処理装置10にインストールすることなく、処理を終了する。
【0043】
(第1の具体例)
図4は、設定情報記憶部21に記憶された設定情報310の具体例を示した図である。ここでは、設定情報記憶部21にこの設定情報310が記憶されていることを前提として、画像処理装置10の動作の具体例について説明する。
【0044】
まず、設定情報310の具体例について詳細に説明する。図示するように、設定情報310は、概念と、情報項目と、情報種別と、設定状況と、許諾可否設定とを対応付けたものとなっている。
【0045】
概念は、情報項目をその意味から分類したものである。概念は、例えば、サービス情報、データ情報という分類を含む。サービス情報は、画像処理装置10のアプリケーションに関する情報である。また、データ情報は、画像処理装置10で取り扱われるデータに関する情報である。そして、このデータ情報は、更に、企業/環境情報と、ユーザ情報とに分けられる。企業/環境情報は、IPアドレス、商品構成情報等の自社に関する情報を含み、ユーザ情報は、宛先表等のユーザが独自に設定した情報を含む。また、概念は、セキュリティが高い情報という分類を更に含んでもよい。このセキュリティが高い情報という分類は、どのユーザにとってもセキュリティレベルが高い情報が振り分けられる分類であり、例えば、ユーザID、アカウントID、パスワード等をこの分類に振り分けるとよい。尚、概念は、情報項目の管理上設けられたものと捉え、設定情報記憶部21にデータとして記憶しなくてもよい。
【0046】
情報項目は、画像処理装置10での情報収集が制限され得る情報を、情報収集を許諾するかどうかを設定する単位ごとに列挙したものである。尚、サービス情報に分類される情報項目のうち冒頭に「/」を有するものは、その上の冒頭に「/」を有しないものに続けて記述されることにより、1つの意味のあるサービスを表す。例えば「/Toメール」は、「スキャン」に続けて記述されることにより、「スキャンToメール」という意味のあるサービスを表す。
【0047】
情報種別は、対応する情報項目の種別であり、対応する情報項目をその取得手段の観点から分類したものである。情報種別には、サービス情報と、API情報とがある。対応する情報項目が、画像処理装置10のサービスにおける操作から取得される場合、その情報項目の情報種別はサービス情報とする。また、対応する情報項目が、画像処理装置10のサービスを実現するアプリケーションプログラムのAPIから取得される場合、その情報項目の情報種別はAPI情報とする。
【0048】
設定状況は、対応する情報項目について情報収集の許諾可否が設定されているかどうかを示す情報である。図中、「設定済」は、許諾可否が設定されていることを示しており、「未設定」は、許諾可否が設定されていないことを示している。
【0049】
許諾可否設定は、対応する情報項目について情報収集を許諾するかどうかの設定である。画像処理装置10の運用に関する設定という意味で「運用設定」と呼ぶこともある。図中、「〇」は情報収集が許諾されていることを示し、「×」は情報収集が許諾されていないことを示し、「-」は情報収集の許諾可否が設定されていないことを示している。また、API情報である情報項目について情報収集を許諾するかどうかを、その情報項目に対する許諾可否設定ではなく、その情報収集を行うサービスを示すサービス情報である情報項目に対する許諾可否設定によって決めるようにしてもよい。例えば、サービス情報である情報項目について許諾可否設定が「〇」となっていれば、そのサービス情報が示すサービスで情報収集されるAPI情報である情報項目については、許諾可否設定が「〇」、「×」の何れであっても、情報収集を許諾するようにしてよい。或いは、サービス情報である情報項目について許諾可否設定が「×」となっていれば、そのサービス情報が示すサービスで情報収集されるAPI情報である情報項目については、許諾可否設定が「〇」、「×」の何れであっても、情報収集を許諾しないようにしてよい。
【0050】
この状態で、新規アプリの追加が要求され、アプリ情報取得部22が、アプリ情報を取得したとする。以下、その後の具体的な動作について説明する。尚、ここでは、アプリ情報取得部22が取得したアプリ情報として、3種類を想定し、これらを第1乃至第3の動作例として説明する。また、以下では、
図3のステップ103で用いる閾値をアプリ情報における全ての情報項目の50%とし、
図3のステップ104で用いる閾値をアプリ情報における情報種別がサービス情報である情報項目の50%とする。更に、上記では、統合許諾画面上でインストールのみ許諾する操作が行われた場合やインストール許諾画面上で許諾する操作が行われた場合における情報収集の許諾可否の個別設定については言及しなかったが、以下では、この情報収集の許諾可否の個別設定についても言及する。
【0051】
第1の動作例は、新規アプリが「スキャンToXXX」である場合の例である。但し、「XXX」は「メール」ではないものとする。
【0052】
図5は、第1の動作例において、ステップ101でアプリ情報取得部22が取得したアプリ情報410の具体例を示した図である。図示するように、アプリ情報410は、情報項目と、情報種別とを対応付けたものとなっている。情報項目、情報種別については、
図4に関して既に述べたので、ここでの説明は省略する。
【0053】
ステップ101でアプリ情報取得部22が
図5のアプリ情報410を取得すると、ステップ102で照合部23が、
図4の設定情報310における設定状況が「設定済」の情報項目と、
図5のアプリ情報410における情報項目とを照合する。ここでは、
図4の設定情報310の設定状況を参照して、
図5のアプリ情報410における情報項目のうち、「スキャン」、「IPアドレス」、「ネットワークプロトコル」、「送信履歴」の設定状況が「設定済」となり、「/ToXXX」の設定状況が「未設定」となる。
【0054】
これにより、アプリ情報410における全ての情報項目である5種類の情報項目のうち、4種類の情報項目の設定状況が「設定済」となっているので、ステップ103で照合部23が、照合率は50%以上であると判定する。
【0055】
また、アプリ情報410における情報種別がサービス情報である2種類の情報項目のうち、1種類の情報項目の設定状況が「設定済」となっているので、ステップ104で照合部23が、照合率は50%以上であると判定する。
【0056】
従って、ステップ105で表示制御部24が、インストール許諾画面と情報収集許諾画面とを統合した第1の統合許諾画面を操作パネル15に表示するように制御する。
【0057】
ここで、その後の許諾フローについて説明する。
【0058】
図6は、第1の統合許諾画面510の例を示した図である。第1の動作例では、ステップ102で照合部23が、アプリ情報410における情報種別がサービス情報である情報項目のうち、「スキャン」を「設定済」としている。そこで、第1の統合許諾画面510には、「スキャンサービスの運用に近い」ことをユーザに通知するメッセージが記述されている。
【0059】
その後、ステップ108で操作受付部25が、第1の統合許諾画面510上でのユーザ操作を受け付けて、その操作内容を判別する。
【0060】
第1の統合許諾画面510上でのユーザ操作がボタン513を押下する操作であったとすると、設定情報310における許諾可否設定(運用設定)は新規アプリに引き継がれず、新規アプリのインストールも行われない。
【0061】
第1の統合許諾画面510上でのユーザ操作がボタン511を押下する操作であったとすると、ステップ109で設定反映部26が、設定情報310における許諾可否設定(運用設定)を新規アプリに引き継ぐ。具体的には、
図4の設定情報310の許諾可否設定を参照して、
図5のアプリ情報410における情報項目のうち、「スキャン」、「IPアドレス」には「〇」を引き継ぎ、「ネットワークプロトコル」、「送信履歴」には「×」を引き継ぐ。一方、
図4の設定情報310における情報項目のうち、「/ToXXX」に対する設定状況は「未設定」となっているので、設定反映部26は、
図5のアプリ情報410における「/ToXXX」には許諾可否設定を引き継がない。また、この場合、ステップ110でインストール部27が、新規アプリを画像処理装置10にインストールする。
【0062】
第1の統合許諾画面510上でのユーザ操作がボタン512を押下する操作であったとすると、新規アプリのインストールのみを行う処理に移行する。但し、ここでは、新規アプリのインストールのみを行う際にも、収集を許諾する情報の種類を選択可能にする。
【0063】
図7は、情報収集許諾画面540の例を示した図である。第1の統合許諾画面510上でボタン512を押下する操作が行われると、この情報収集許諾画面540が表示される。この情報収集許諾画面540上でボタン542が押下された場合はそのまま処理を終了するが、ボタン541が押下された場合は、収集を許諾する情報の種類をユーザに選択させる。
【0064】
図8は、収集を許諾する情報の種類をユーザに選択させるための情報選択画面550の一例を示した図である。「AAA」、「BBB」等の情報項目にチェックして、ボタン551を押下することにより、チェックされた情報項目について情報収集が許諾される。一方、ボタン552を押下した場合、情報収集は許諾されない。
【0065】
第2の動作例は、新規アプリが「ネットワークマネジメント」である場合の例である。
【0066】
図9は、第2の動作例において、ステップ101でアプリ情報取得部22が取得したアプリ情報420の具体例を示した図である。図示するように、アプリ情報420も、情報項目と、情報種別とを対応付けたものとなっている。情報項目、情報種別については、
図4に関して既に述べたので、ここでの説明は省略する。
【0067】
ステップ101でアプリ情報取得部22が
図9のアプリ情報420を取得すると、ステップ102で照合部23が、
図4の設定情報310における設定状況が「設定済」の情報項目と、
図9のアプリ情報420における情報項目とを照合する。ここでは、
図4の設定情報310の設定状況を参照して、
図9のアプリ情報420における情報項目のうち、「IPアドレス」、「商品構成情報」、「ネットワークプロトコル」の設定状況が「設定済」となり、「ネットワーク」、「/マネジメント」の設定状況が「未設定」となる。
【0068】
これにより、アプリ情報420における全ての情報項目である5種類の情報項目のうち、3種類の情報項目の設定状況が「設定済」となっているので、ステップ103で照合部23が、照合率は50%以上であると判定する。
【0069】
また、アプリ情報420における情報種別がサービス情報である2種類の情報項目のうち、全ての情報項目の設定状況が「未設定」となっているので、ステップ104で照合部23が、照合率は50%未満であると判定する。
【0070】
従って、ステップ106で表示制御部24が、インストール許諾画面と情報収集許諾画面とを統合した第2の統合許諾画面を操作パネル15に表示するように制御する。
【0071】
ここで、その後の許諾フローについて説明する。
【0072】
図10は、第2の統合許諾画面520の例を示した図である。第2の動作例では、ステップ102で照合部23が、アプリ情報420における情報種別がサービス情報である情報項目についての照合率が50%未満と判定しており、アプリ情報420における情報種別がAPI情報である情報項目についての照合となっている。このようにユーザには見えないAPI情報について照合を行っているので、第2の統合許諾画面520で「ネットワーク運用に近い」等のメッセージを記述しても、関連が見えないため許諾されない虞がある。そこで、第2の統合許諾画面520には、実際のワークフローに近い「お客様文書の取り扱い運用に近い」ことをユーザに通知するメッセージが記述されている。
【0073】
その後、ステップ108で操作受付部25が、第2の統合許諾画面520上でのユーザ操作を受け付けて、その操作内容を判別する。
【0074】
第2の統合許諾画面520上でのユーザ操作がボタン523を押下する操作であったとすると、設定情報310における許諾可否設定(運用設定)は新規アプリに引き継がれず、新規アプリのインストールも行われない。
【0075】
第2の統合許諾画面520上でのユーザ操作がボタン521を押下する操作であったとすると、ステップ109で設定反映部26が、設定情報310における許諾可否設定(運用設定)を新規アプリに引き継ぐ。具体的には、
図4の設定情報310の許諾可否設定を参照して、
図9のアプリ情報420における情報項目のうち、「IPアドレス」、「商品構成情報」には「〇」を引き継ぎ、「ネットワークプロトコル」には「×」を引き継ぐ。一方、
図4の設定情報310における情報項目のうち、「ネットワーク」、「/マネジメント」に対する設定状況は「未設定」となっているので、設定反映部26は、
図9のアプリ情報420における「ネットワーク」、「/マネジメント」には許諾可否設定を引き継がない。また、この場合、ステップ110でインストール部27が、新規アプリを画像処理装置10にインストールする。
【0076】
第2の統合許諾画面520上でのユーザ操作がボタン522を押下する操作であったとすると、新規アプリのインストールのみを行う処理に移行する。但し、ここでは、新規アプリのインストールのみを行う際にも、収集を許諾する情報の種類を選択可能にする。この収集を許諾する情報の種類を選択可能にする処理については、
図7及び
図8を参照して説明したので、ここでの説明は省略する。
【0077】
第3の動作例は、新規アプリが「プリントToXXX」である場合の例である。
【0078】
図11は、第3の動作例において、ステップ101でアプリ情報取得部22が取得したアプリ情報430の具体例を示した図である。図示するように、アプリ情報430も、情報項目と、情報種別とを対応付けたものとなっている。情報項目、情報種別については、
図4に関して既に述べたので、ここでの説明は省略する。
【0079】
ステップ101でアプリ情報取得部22が
図11のアプリ情報430を取得すると、ステップ102で照合部23が、
図4の設定情報310における設定状況が「設定済」の情報項目と、
図11のアプリ情報430における情報項目とを照合する。ここでは、
図4の設定情報310の設定状況を参照して、
図11のアプリ情報430における情報項目のうち、「IPアドレス」、「送信履歴」の設定状況が「設定済」となり、「プリント」、「/ToXXX」、「用紙情報」の設定状況が「未設定」となる。
【0080】
これにより、アプリ情報430における全ての情報項目である5種類の情報項目のうち、2種類の情報項目の設定状況のみが「設定済」となっているので、ステップ103で照合部23が、照合率は50%未満であると判定する。
【0081】
従って、ステップ107で表示制御部24が、インストール許諾画面を操作パネル15に表示するように制御する。
【0082】
ここで、その後の許諾フローについて説明する。
【0083】
図12は、インストール許諾画面530の例を示した図である。インストール許諾画面530には、新規アプリのインストールを許諾するかどうかをユーザに問い合わせるメッセージが記述されている。
【0084】
その後、ステップ111で操作受付部25が、インストール許諾画面530上でのユーザ操作を受け付けて、その操作内容を判別する。
【0085】
インストール許諾画面530上でのユーザ操作がボタン532を押下する操作であったとすると、新規アプリのインストールは行われない。
【0086】
インストール許諾画面530上でのユーザ操作がボタン531を押下する操作であったとすると、ステップ110でインストール部27が、新規アプリのインストールのみを行う処理に移行する。但し、ここでは、新規アプリのインストールのみを行う際にも、収集を許諾する情報の種類を選択可能にする。この収集を許諾する情報の種類を選択可能にする処理については、
図7及び
図8を参照して説明したので、ここでの説明は省略する。
【0087】
(第2の具体例)
図13は、設定情報記憶部21に記憶された設定情報320の具体例を示した図である。ここでは、設定情報記憶部21にこの設定情報320が記憶されていることを前提として、画像処理装置10の動作の具体例について説明する。
【0088】
まず、設定情報320の具体例について詳細に説明する。図示するように、設定情報320は、概念と、情報項目と、情報種別と、設定状況と、許諾可否設定と、重み係数とを対応付けたものとなっている。
【0089】
概念、情報項目、情報種別、設定状況、許諾可否設定については、第1の具体例で説明したので、ここでの説明は省略する。
【0090】
重み係数は、照合率を計算する際の情報項目ごとの重み付けを表す係数である。重み係数は、情報項目ごとの重み付けを同じにして計算した場合に照合率が低くなる場合であっても、照合率を高くしてインストール許諾画面と情報収集許諾画面とを1つの画面に統合することを可能とするものである。重み係数は、画像処理装置10ごとに設定してもよい。
【0091】
第2の具体例は、上記第1の具体例の第3の動作例と同じく、新規アプリが「プリントToXXX」である場合の例である。
【0092】
この第2の具体例において、ステップ101でアプリ情報取得部22が取得したアプリ情報430の具体例は、
図11に示したようなものであるとする。
【0093】
ステップ101でアプリ情報取得部22が
図11のアプリ情報430を取得すると、ステップ102で照合部23が、
図13の設定情報320における設定状況が「設定済」の情報項目と、
図11のアプリ情報430における情報項目とを照合する。ここでは、
図13の設定情報320の設定状況を参照して、
図11のアプリ情報430における情報項目のうち、「IPアドレス」、「送信履歴」の設定状況が「設定済」となり、「プリント」、「/ToXXX」、「用紙情報」の設定状況が「未設定」となる。
【0094】
上記第1の具体例の第3の動作例では、アプリ情報430における全ての情報項目である5種類の情報項目のうち、2種類の情報項目の設定状況のみが「設定済」となっているので、ステップ103で照合部23が、照合率は50%未満であると判定した。
【0095】
従って、ステップ107で表示制御部24が、インストール許諾画面を操作パネル15に表示するように制御した。
【0096】
これに対し、この第2の具体例では、「設定済」に対するポイントが、「IPアドレス」に対する「4」と、「送信履歴」に対する「1」とを足し合わせた「5」となる。そして、「未設定」に対するポイントが、「プリント」に対する「1」と、「/ToXXX」に対する「1」と、「用紙情報」に対する「1」とを足し合わせた「3」となる。これにより、「設定済」に対するポイントが、「未設定」に対するポイントよりも大きくなる。
【0097】
従って、ステップ105又はステップ106で表示制御部24が、統合許諾画面を操作パネル15に表示するように制御する。
【0098】
(補足)
上記では、画像処理装置10が第1の実施の形態の動作を行うこととしたが、一般的な情報処理装置が第1の実施の形態の動作を行うこととしてもよい。
【0099】
[第2の実施の形態]
(概要)
第2の実施の形態では、画像処理装置10が、情報収集の許諾可否の設定がされた自装置の既存サービスと、情報収集の許諾可否の設定がされておらず自装置に追加される追加サービスとが類似する場合に、既存サービスに関する情報収集の許諾可否の設定の少なくとも一部を、追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定とするよう制御する。
【0100】
(画像処理装置の機能構成)
第2の実施の形態における画像処理装置10の機能構成を示したブロック図は、
図2に示したものと同じである。第2の実施の形態における画像処理装置10も、設定情報記憶部21と、アプリ情報取得部22と、照合部23と、表示制御部24と、操作受付部25と、設定反映部26と、インストール部27とを備えている。
【0101】
設定情報記憶部21は、画像処理装置10における設定情報を記憶する。第2の実施の形態における設定情報は、サービス情報である情報項目については設定状況及び許諾可否設定を含めなくてよい点を除き、第1の実施の形態における設定情報と同じである。
【0102】
アプリ情報取得部22は、第1の実施の形態で述べたものと同じなので、説明を省略する。
【0103】
照合部23は、新規アプリが画像処理装置10に追加されるにあたり、設定情報記憶部21に記憶された設定情報におけるサービス情報である情報項目と、アプリ情報取得部22により取得されたアプリ情報におけるサービス情報である情報項目とを照合して、これらの情報項目が類似しているかどうかを判定する。例えば、設定情報記憶部21に記憶された設定情報におけるサービス情報である情報項目の名称やカテゴリと、アプリ情報取得部22により取得されたアプリ情報におけるサービス情報である情報項目の名称やカテゴリとが類似する率である照合率が予め定められた閾値以上である場合に、これらの情報項目が類似していると判定するとよい。
【0104】
本実施の形態では、自装置の既存サービスの一例として、情報項目を用いており、情報収集の許諾可否の設定がされた自装置の既存サービスと、追加サービスとが類似するかどうかを判断する制御手段の機能の一例として、照合部23を設けている。
【0105】
表示制御部24は、新規アプリが画像処理装置10に追加されるにあたり、設定情報記憶部21に記憶された設定情報におけるサービス情報である情報項目と、アプリ情報取得部22により取得されたアプリ情報におけるサービス情報である情報項目とが類似すると照合部23により判定された場合に、インストールの許諾を得るためのインストール許諾画面と情報収集の許諾を得るための情報収集許諾画面とを統合した統合許諾画面を操作パネル15(
図1参照)に表示するように制御する。
【0106】
また、表示制御部24は、新規アプリが画像処理装置10に追加されるにあたり、設定情報記憶部21に記憶された設定情報におけるサービス情報である情報項目と、アプリ情報取得部22により取得されたアプリ情報におけるサービス情報である情報項目とが類似しないと照合部23により判定された場合に、インストールの許諾画面を操作パネル15(
図1参照)に表示するように制御する。
【0107】
操作受付部25、設定反映部26、インストール部27については、第1の実施の形態で述べたものと同じなので、説明を省略する。
【0108】
本実施の形態では、情報収集の許諾可否の設定がされた自装置の既存サービスと、追加サービスとが類似する場合に、既存サービスに関する情報収集の許諾可否の設定の少なくとも一部を、追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定とするよう制御する制御手段の一例として、設定反映部26を設けている。
【0109】
(画像処理装置の動作)
第2の実施の形態における画像処理装置10の動作例を示したフローチャートは、次の点を除き、
図3に示したものと同じである。即ち、ステップ102で、照合部23が、設定情報記憶部21に記憶された設定情報におけるサービス情報である情報項目と、ステップ101で取得されたアプリ情報におけるサービス情報である情報項目とを照合する点で、
図3に示したものと異なる。また、ステップ103で情報項目が類似すると判定された場合には、ステップ104の判定を行わずに、表示制御部24が統合許諾画面を操作パネル15(
図1参照)表示するように制御する点で、
図3に示したものと異なる。
【0110】
(補足)
上記では、画像処理装置10が第2の実施の形態の動作を行うこととしたが、一般的な情報処理装置が第2の実施の形態の動作を行うこととしてもよい。例えば、情報処理装置をスマートフォン等の携帯端末とし、携帯端末が、新規アプリを追加する際に、既存アプリと新規アプリとが類似していれば、既存アプリに設定された情報収集の許諾可否設定を新規アプリに反映させる、といった動作を行ってもよい。ここで、既存アプリと新規アプリとが類似するとは、アプリ名が類似することの他、アプリが同じカテゴリに属する(例えば同じSNSのカテゴリに属する)こと等を含む。
【0111】
[プログラム]
本実施の形態における画像処理装置10が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。
【0112】
即ち、本実施の形態を実現する第1のプログラムは、コンピュータに、情報収集の許諾可否の設定がされておらず自装置に追加される追加サービスを受け付ける機能と、情報収集の許諾可否の設定がされた自装置の利用情報と、追加サービスの利用情報とが類似する場合に、自装置の利用情報に関する情報収集の許諾可否の設定の少なくとも一部を、追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定とするよう制御する機能とを実現させるためのプログラムとして捉えられる。
【0113】
また、本実施の形態を実現する第2のプログラムは、コンピュータに、情報収集の許諾可否の設定がされておらず自装置に追加される追加サービスを受け付ける機能と、情報収集の許諾可否の設定がされた自装置の既存サービスと、追加サービスとが類似する場合に、既存サービスに関する情報収集の許諾可否の設定の少なくとも一部を、追加サービスに関する情報収集の許諾可否の設定とするよう制御する機能とを実現させるためのプログラムとして捉えられる。
【0114】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0115】
10…画像処理装置、21…設定情報記憶部、22…アプリ情報取得部、23…照合部、24…表示制御部、25…操作受付部、26…設定反映部、27…インストール部