(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】映像データ処理装置、映像データ処理システム、チャット表示方法、及び映像データ処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/8549 20110101AFI20221122BHJP
H04N 21/437 20110101ALI20221122BHJP
H04N 5/77 20060101ALI20221122BHJP
H04N 5/92 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
H04N21/8549
H04N21/437
H04N5/77
H04N5/92 010
(21)【出願番号】P 2019078812
(22)【出願日】2019-04-17
【審査請求日】2021-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鵜▲崎▼ 次郎
(72)【発明者】
【氏名】岡田 直之
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-294694(JP,A)
【文献】特開2004-129264(JP,A)
【文献】特開2011-091754(JP,A)
【文献】特開2017-163286(JP,A)
【文献】国際公開第2006/008923(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2016/0337710(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0301169(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105144741(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/10
H04N 7/14 - 7/173
H04N 7/20 - 7/56
H04N 21/00 -21/858
H04N 5/76 - 5/775
H04N 5/80 - 5/907
H04N 5/91 - 5/956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置で試合を撮影した複数の映像データを取得する映像データ取得部と、
前記試合の試合状況データを取得する試合状況データ取得部と、
取得された複数の前記映像データのそれぞれに対して、前記試合状況データが入力された入力時刻に対応する時間の範囲であるタグ範囲と、当該タグ範囲ごとの評価点とをタグ情報として設定するタグ情報設定部と、
複数の前記映像データに設定される前記タグ範囲を前記評価点に基づいて選択し、選択した前記タグ範囲同士を時系列順に接続して1つのダイジェストデータを生成するダイジェスト生成部と、
前記タグ情報を設定した複数の前記映像データと、前記ダイジェストデータとを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶される前記ダイジェストデータ及び前記映像データを送信可能なサーバ側通信部と
を備え
、
前記タグ情報設定部は、前記試合状況データの内容と前記撮影装置の位置とに基づいて前記評価点を設定する
映像データ処理装置。
【請求項2】
前記ダイジェスト生成部は、前記評価点が所定値以上である前記タグ情報を選択する
請求項
1に記載の映像データ処理装置。
【請求項3】
前記タグ情報の設定を変更する旨の要求があった場合、前記要求に基づいてタグ情報を編集するタグ情報編集部を更に備える
請求項1に記載の映像データ処理装置。
【請求項4】
撮影装置で試合を撮影した複数の映像データを取得する映像データ取得部、
前記試合の試合状況データを取得する試合状況データ取得部、
取得された複数の前記映像データのそれぞれに対して、前記試合状況データが入力された入力時刻に対応する時間の範囲であるタグ範囲と、当該タグ範囲ごとの評価点とをタグ情報として設定するタグ情報設定部、
複数の前記映像データに設定される前記タグ範囲を前記評価点に基づいて選択し、選択した前記タグ範囲同士を時系列順に接続して1つのダイジェストデータを生成するダイジェスト生成部、
前記タグ情報を設定した複数の前記映像データと、前記ダイジェストデータとを記憶する記憶部、及び、
前記記憶部に記憶される前記ダイジェストデータ及び前記映像データを送信可能なサーバ側通信部、を備え
、
前記タグ情報設定部が、前記試合状況データの内容と前記撮影装置の位置とに基づいて前記評価点を設定する
映像データ処理装置と、
前記映像データ処理装置から前記ダイジェストデータ及び前記映像データを取得する通信部、及び、
取得した前記ダイジェストデータ及び前記映像データを表示部に表示させる制御部、を有する
チャット端末装置と
を備える映像データ処理システム。
【請求項5】
撮影装置で試合を撮影した複数の映像データを取得することと、
前記試合の試合状況データを取得することと、
取得された複数の前記映像データのそれぞれに対して、前記試合状況データが入力された入力時刻に対応する時間の範囲であるタグ範囲と、当該タグ範囲ごとの評価点とをタグ情報として設定することと、
複数の前記映像データに設定される前記タグ範囲を前記評価点に基づいて選択し、選択した前記タグ範囲同士を時系列順に接続して1つのダイジェストデータを生成することと、
前記タグ情報を設定した複数の前記映像データと、前記ダイジェストデータとを記憶することと、
記憶した前記ダイジェストデータ及び前記映像データを送信することと、を含み、
前記評価点を設定する場合には、前記試合状況データの内容と前記撮影装置の位置とに基づいて前記評価点を設定し、
チャット端末
装置において、
送信された前記ダイジェストデータ及び前記映像データを取得することと、
取得した前記ダイジェストデータ及び前記映像データを表示部に表示させることと、を含む
チャット表示方法。
【請求項6】
撮影装置で試合を撮影した複数の映像データを取得する処理と、
前記試合の試合状況データを取得する処理と、
取得された複数の前記映像データのそれぞれに対して、前記試合状況データが入力された入力時刻に対応する時間の範囲であるタグ範囲と、当該タグ範囲ごとの評価点とをタグ情報として設定する処理と、
複数の前記映像データに設定される前記タグ範囲を前記評価点に基づいて選択し、選択した前記タグ範囲同士を時系列順に接続して1つのダイジェストデータを生成する処理と、
前記タグ情報を設定した複数の前記映像データと、前記ダイジェストデータとを記憶する処理と、
記憶した前記ダイジェストデータ及び前記映像データを送信する処理と、を実行させ
、
前記評価点を設定する処理では、前記試合状況データの内容と前記撮影装置の位置とに基づいて前記評価点を設定する
映像データ処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像データ処理装置、映像データ処理システム、チャット表示方法、及び映像データ処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツ競技等の試合が行われる際、試合に参加又は直接観戦できない者であっても試合状況を把握することができるように、例えばチャットを用いて試合状況等を知らせたり、カメラで撮影した映像を配信したりすることが行われている。一方、スマートフォン等を用いて上記のチャットや配信映像を確認しようとする場合、チャットの確認時と映像の確認時とで画面を切り替える必要があり、チャットと映像とを同時に確認することが困難であった。これに対して、例えば特許文献1には、番組映像とチャットとを時間的に対応付けて記録し、番組の再生時に関連するチャットを同時に出力することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、リアルタイムで映像とチャットとを同時に確認することは可能であるが、映像とチャットとの時間的な対応付けを利用した操作を行うことについては不十分であり、よりユーザの要求に適した映像を供給することが求められる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、よりユーザの要求に適した映像を供給することが可能な映像データ処理装置、映像データ処理システム、チャット表示方法、及び映像データ処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る映像データ処理装置は、撮影装置で試合を撮影した複数の映像データを取得する映像データ取得部と、前記試合の試合状況データを取得する試合状況データ取得部と、取得された複数の前記映像データのそれぞれに対して、前記試合状況データが入力された入力時刻に対応する時間の範囲であるタグ範囲と、当該タグ範囲ごとの評価点とをタグ情報として設定するタグ情報設定部と、複数の前記映像データに設定される前記タグ範囲を前記評価点に基づいて選択し、選択した前記タグ範囲同士を時系列順に接続して1つのダイジェストデータを生成するダイジェスト生成部と、前記タグ情報を設定した複数の前記映像データと、前記ダイジェストデータとを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶される前記ダイジェストデータ及び前記映像データを送信可能なサーバ側通信部とを備える。
【0007】
本発明に係る映像データ処理システムは、撮影装置で試合を撮影した複数の映像データを取得する映像データ取得部、前記試合の試合状況データを取得する試合状況データ取得部、取得された複数の前記映像データのそれぞれに対して、前記試合状況データが入力された入力時刻に対応する時間の範囲であるタグ範囲と、当該タグ範囲ごとの評価点とをタグ情報として設定するタグ情報設定部、複数の前記映像データに設定される前記タグ範囲を前記評価点に基づいて選択し、選択した前記タグ範囲同士を時系列順に接続して1つのダイジェストデータを生成するダイジェスト生成部、前記タグ情報を設定した複数の前記映像データと、前記ダイジェストデータとを記憶する記憶部、及び、前記記憶部に記憶される前記ダイジェストデータ及び前記映像データを送信可能なサーバ側通信部、を備える映像データ処理装置と、前記映像データ処理装置から前記ダイジェストデータ及び前記映像データを取得する通信部、及び、取得した前記ダイジェストデータ及び前記映像データを表示部に表示させる制御部、を有する端末装置とを備える。
【0008】
本発明に係るチャット表示方法は、撮影装置で試合を撮影した複数の映像データを取得することと、前記試合の試合状況データを取得することと、取得された複数の前記映像データのそれぞれに対して、前記試合状況データが入力された入力時刻に対応する時間の範囲であるタグ範囲と、当該タグ範囲ごとの評価点とをタグ情報として設定することと、複数の前記映像データに設定される前記タグ範囲を前記評価点に基づいて選択し、選択した前記タグ範囲同士を時系列順に接続して1つのダイジェストデータを生成することと、前記タグ情報を設定した複数の前記映像データと、前記ダイジェストデータとを記憶することと、前記記憶部に記憶される前記ダイジェストデータ及び前記映像データを送信することと、を含み、チャット端末において、前記サーバから前記ダイジェストデータ及び前記映像データを取得することと、取得した前記ダイジェストデータ及び前記映像データを表示部に表示させることと、を含む。
【0009】
本発明に係る映像データ処理プログラムは、撮影装置で試合を撮影した複数の映像データを取得する処理と、前記試合の試合状況データを取得する処理と、取得された複数の前記映像データのそれぞれに対して、前記試合状況データが入力された入力時刻に対応する時間の範囲であるタグ範囲と、当該タグ範囲ごとの評価点とをタグ情報として設定する処理と、複数の前記映像データに設定される前記タグ範囲を前記評価点に基づいて選択し、選択した前記タグ範囲同士を時系列順に接続して1つのダイジェストデータを生成する処理と、前記タグ情報を設定した複数の前記映像データと、前記ダイジェストデータとを記憶する処理と、前記記憶部に記憶される前記ダイジェストデータ及び前記映像データを送信する処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、よりユーザの要求に適した映像を供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るチャットシステムの一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、タグ情報の一例を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、記憶部に記憶されたチャットデータの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、記憶部に記憶された同期データの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るチャット端末装置の入力部及び表示部の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係るチャット表示方法の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係るチャット表示方法の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第3実施形態に係るチャットシステムの一例を示す概略図である。
【
図9】
図9は、ダイジェストデータの一例を模式的に示す図である。
【
図10】
図10は、第3実施形態に係るチャット表示方法の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、第4実施形態に係るチャットシステムの一例を示す概略図である。
【
図12】
図12は、第4実施形態に係るチャット端末装置の入力部及び表示部の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、第4実施形態に係るチャット表示方法の一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、第5実施形態に係るチャット表示方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るチャットシステム100の一例を示すブロック図である。
図1に示すチャットシステム100は、例えば野球等のスポーツ競技において、試合内容に関するチャットを行う場合に用いられる。このチャットシステム100を用いることにより、例えば試合に参加又は直接観戦できない者であっても試合状況を把握することができるように、チャットを用いて試合状況等を知らせることが可能である。以下、スポーツ競技として野球を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、サッカー、バレーボール、テニス、バドミントン等、他のスポーツ競技においても同様の説明が可能である。また、チャットシステム100は、例えばダンス大会(舞踊競技)、ピアノコンクール(演奏競技)、かるた大会(カード競技又はテーブルゲーム競技)、カラオケ大会(歌唱競技)等のスポーツ以外の競技にも適応可能である。
【0014】
図1に示すように、チャットシステム100は、カメラ10と、スコア入力部20と、サーバ30と、チャット端末装置40、40Aとを備える。カメラ10は、例えば試合場において試合内容を撮影する。カメラ10で撮影した映像データは、例えばサーバ30に送信され、サーバ30において管理される。カメラ10は、例えば複数台設けられる。また、カメラ10は、映像データを撮影可能であればよく、例えば携帯電話やスマートフォン等に付属のカメラ等であってもよい。カメラ10は、映像データを撮影した場合、撮影時刻を示すデータを映像データに含ませる。
【0015】
スコア入力部20は、試合の状況を示す試合状況データをサーバ30に入力する。本実施形態では、野球の試合の状況を示す試合状況データとして、例えばスコアデータが挙げられる。スコアデータは、野球のスコアブックに記載されるスコアを構成するデータであり、投手の投球を起点とした一連のイベントを構成する個々のイベントである。スコアは、スコアデータの集合である。したがって、投手が1球投げるごとに複数のスコアデータが作成され、これにより1つのスコアが作成される。例えば、1塁に出塁している状態での打撃結果がライトフライアウトになって1塁走者もタッチアウトになった場合、打者がアウトというスコアデータと、ライトフライというスコアデータと、1塁走者がアウトというスコアデータが作成され、これらのスコアデータから1つのスコアが構成されることになる。
【0016】
スコアには、上記に例示したスコアデータの他にも、打者のアクション、野手のアクション、カウントの確定、既に出塁している走者がいる場合はその走者の進塁状況、その他、打者や野手のその他の行動などのスコアデータが含まれ得る。具体的には、スコアには、ストライク、ボール、ファウル、打撃結果、打球の種類、捕球野手、進塁結果などのスコアデータが含まれ得る。打撃結果は、アウト、1塁打、2塁打、3塁打、本塁打などの情報である。打球の種類は、ゴロ、ライナー、フライ、バントなどの情報であり、さらに細かく分類してもよい。捕球野手は、実際に打球を捕球した野手または野手の守備位置を特定するための情報である。進塁結果は、たとえば「1塁から2塁」など、出塁していた走者の進塁に関する情報であり、その他に打者や野手のその他の行動などを含めることができる。
【0017】
スコア入力部20としては、例えば上記のスコアデータを電子データとしてサーバ30に入力するアプリケーション等が挙げられる。この場合、スコア入力部20は、サーバ30の外部に設置されるパーソナルコンピュータ等の処理装置に設けられてもよい。また、スコア入力部20は、サーバ30に設けられてもよい。なお、本実施形態において、スコア入力部20は、設けられなくてもよい。
【0018】
サーバ30は、チャットシステム100を統括的に管理する。サーバ30は、チャットシステム100の管理を行うための各種アプリケーション、データ、プログラム等を有する。サーバ30としては、例えばパーソナルコンピュータ、ワークステーション等が用いられるが、これに限定されない。
【0019】
サーバ30においては、複数のチャットグループが設定されている。チャットグループは、例えば競技ごと、試合ごと、又はチームごとに個別に設定されている。サーバ30は、チャットグループ毎に、以下説明する各種処理を行う。
【0020】
サーバ30は、映像データ取得部31と、スコアデータ取得部(試合状況データ取得部)32と、チャットデータ処理部33と、タグ情報設定部34と、サーバ側通信部35と、映像データ選択部36と、記憶部39とを有する。
【0021】
映像データ取得部31は、複数のカメラ10により撮影された映像データを取得する。映像データ取得部31は、取得した映像データを記憶部39に記憶させる。スコアデータ取得部32は、スコア入力部20から入力されるスコアデータを試合状況データとして取得する。スコアデータ取得部32は、スコアデータが入力された入力時刻と対応付けて、当該スコアデータを記憶部39に記憶させる。
【0022】
サーバ30が映像データ及びチャットデータを記憶させることにより、当該映像データ及びチャットデータがサーバ30にアップロードされる。サーバ30は、チャットデータを記憶させた場合、当該チャットデータを記憶させた時刻(以下、アップロード時刻と表記する)のデータをチャットデータにそれぞれ含ませる。つまり、サーバ30にアップロードされたチャットデータは、アップロード時刻のデータを含んでいる。サーバ30は、映像データ及びチャットデータを管理する管理アプリケーションを有する。
【0023】
チャットデータ処理部33は、チャット端末装置40から入力されるチャットデータを記憶部39に記憶する。また、チャットデータ処理部33は、スコアデータ取得部32によりスコアデータが取得された場合、スコアデータに応じた内容のチャットデータを生成する。この場合、チャットデータ処理部33は、例えばスコアデータの内容を文字等で表したチャットデータを生成可能である。これにより、スコアデータが更新される場合に、更新されたスコアデータをチャットの情報として確認することが可能となる。
【0024】
タグ情報設定部34は、映像データ取得部31により取得された複数の映像データのそれぞれに対してタグ情報を設定する。タグ情報は、タグ範囲及び評価点を含む。タグ範囲は、各映像データにおいて、スコアデータが入力された入力時刻に対応する時間の範囲である。タグ範囲は、例えば試合において当該スコアデータに対応する状況が発生した場面が含まれるように設定される。スコアデータの入力時刻は、試合において該当する打撃結果等が確定した後の時刻となる。そこで、本実施形態において、タグ範囲は、例えばスコアデータの入力時刻を終了時刻とし、当該入力時刻から所定時間遡った時刻を開始時刻とする時間の範囲とすることができる。
【0025】
評価点は、タグ範囲ごとに設定される。評価点は、タグ範囲を重み付けするための値である。以下、評価点が高いほど、タグ範囲の重み付けが大きいものとする。なお、評価点の設定の態様については、上記に限定されず、他の態様であってもよい。
【0026】
以下、評価点の設定方法について説明する。タグ情報設定部34は、チャット端末装置40のユーザに応じて評価点を設定することができる。この場合、タグ情報設定部34は、例えば、ユーザがチャット端末装置40に設定するユーザ特有情報に基づいて評価点を設定することができる。ユーザ特有情報については、例えばユーザの家族、友人等のお気に入りの選手がチャット端末装置40に設定される場合、当該お気に入りの選手の情報をユーザ特有情報とすることができる。なお、ユーザ特有情報については、他の態様であってもよい。
【0027】
また、複数のカメラ10及びチャット端末装置40の位置を検出可能である場合、タグ情報設定部34は、例えば試合を撮影する複数のカメラ10の位置と、ユーザのチャット端末装置40の位置とに基づいて評価点を設定することができる。複数のカメラ10及びチャット端末装置40の位置については、例えばそれぞれに位置を検出可能な位置検出部等を設けることにより実現可能である。この場合、タグ情報設定部34は、例えばユーザのチャット端末装置40に近い位置に配置されるカメラ10の撮影データのタグ範囲に対して低い評価点を設定し、ユーザのチャット端末装置40から遠い位置に配置されるカメラ10の撮影データのタグ範囲に対して高い評価点を設定することができる。これにより、ユーザの視点とは異なる映像データについて高い評価点が設定される。
【0028】
また、ユーザのチャット端末装置40が試合会場に存在する場合、つまり、ユーザが試合会場にいる場合、タグ情報設定部34は、複数の映像データのうち、ユーザの視点に近い全体映像については評価点を低く設定し、ユーザの視点とは異なるズーム映像については評価点を高く設定することができる。
【0029】
また、タグ情報設定部34は、チャット端末装置40のユーザによらず評価点を設定することができる。この場合、例えば、タグ情報設定部34は、スコアデータの内容と複数のカメラ10の位置とに基づいて評価点を設定することができる。具体的には、右打者がヒットを打った場合、当該右打者を正面側から撮影可能なレフト側のカメラ10による映像データの評価点を高く設定し、ライト側のカメラ10による映像データの評価点を低く設定することができる。同様に、左打者がヒットを打った場合、当該左打者を正面側から撮影可能なライト側のカメラ10による映像データの評価点を高く設定し、レフト側のカメラ10による映像データの評価点を低く設定することができる。
【0030】
図2は、タグ情報の一例を模式的に示す図である。
図2では、2つのカメラ10で撮影された映像データA及び映像データBを取得した場合を例に挙げて説明する。
図2に示すように、映像データA及び映像データBにおいて、スコアデータが入力された入力時刻t1、t2を終了時刻とするタグ範囲AT1、AT2、BT1、BT2が設定されている。タグ範囲AT1、AT2は、終了時刻t1、t2から所定時間遡った時刻t3、t4を開始時刻として設定される。また、映像データAにおいて、タグ範囲AT1には、評価点が30点と設定され、タグ範囲AT2には、評価点が70点と設定される。一方、映像データBにおいて、タグ範囲BT1には、評価点が60点と設定され、タグ範囲BT2には、評価点が50点と設定される。
【0031】
タグ範囲AT1、AT2、BT1、BT2の開始時刻の設定について、例えば試合中に1塁打、2塁打等の打撃結果があった場合には、投手が投球し、打者が打撃及び走塁を行い、例えば1塁、2塁等に進塁することにより打撃結果が確定する。したがって、スコアデータが入力される場合の入力時刻t1、t2は打撃結果が確定した後の時刻となる。
【0032】
そこで、タグ情報設定部34は、スコアデータの入力時刻t1、t2から所定時間P1を遡った開始時刻t3、t4を設定することにより、打撃結果に関する一連の場面が始まる時刻又はその時刻に近い時刻から表示データを表示させることができる。所定時間P1は、予め設定しておいてもよいし、タグ情報設定部34が所定時間P1を設定してもよい。
【0033】
タグ情報設定部34は、例えばチャットデータ処理部33で処理されるチャットデータの容量が大きいほど所定時間P1を長く設定してもよい。チャットデータの容量が大きい場合、つまり、チャットに含まれる文字数等が多い場合には、チャットデータの入力時間が長くなり、打撃結果が確定してからチャットがアップロードされるまでの時間が長くなると考えられる。そこで、タグ情報設定部34は、チャットデータの容量が大きいほど、打撃結果が確定してからチャットがアップロードされるまでの時間が長いと判断し、所定時間P1を長く設定する。なお、この場合に設定する所定時間P1の長さについては、スポーツ競技の種類等に応じて適宜変更することができる。また、操作者が所定時間P1を任意に設定可能としてもよい。
【0034】
サーバ側通信部35は、チャット端末装置40と通信可能である。サーバ側通信部35は、例えば記憶部39に記憶されたチャットデータ及び映像データを送信可能である。
【0035】
映像データ選択部36は、記憶部39に記憶された複数の映像データから1つの映像データを評価点に応じて選択し、サーバ側通信部35からチャット端末装置40に送信させる。例えば、チャットデータ処理部33で生成されたサーバメッセージに相当するチャットデータがチャット端末装置40において指定された場合、指定されたチャットデータに対応するタグ範囲を検出する。映像データ選択部36は、当該タグ範囲に設定された評価点に基づいて、複数のカメラ10で撮影された複数の映像データの中からチャット端末装置40に送信する映像データを選択する。映像データ選択部36は、選択した映像データのうち、指定されたチャットデータに対応するタグ範囲の開始時刻からの映像データを、サーバ側通信部35からチャット端末装置40に送信させる。
【0036】
図2に示す映像データA、Bの例において、指定されたチャットデータがタグ範囲AT1、BT1に対応する場合、映像データ選択部36は、タグ範囲AT1とタグ範囲BT1との評価点を比較する。タグ範囲AT1の評価点は30点であり、タグ範囲BT1の評価点は60点である。したがって、タグ範囲BT1の方がタグ範囲AT1よりも高い。この場合、映像データ選択部36は、評価点が高いタグ範囲BT1を含む映像データBを選択し、タグ範囲BT1の開始時刻からの映像データを、サーバ側通信部35を介してチャット端末装置40に送信する。
【0037】
記憶部39は、映像データ取得部31で取得した複数の映像データと、スコアデータ取得部32で取得したスコアデータと、チャットデータ処理部33において処理されたチャットデータとを記憶する。映像データは、野球の試合について撮影された試合の映像を示すデータを含む。映像データは、試合の映像を撮影した撮影時刻を示すデータを含む。
【0038】
図3は、記憶部39に記憶されたチャットデータの一例を示す図である。
図3に示すように、チャットデータは、入力ID75と、入力者ID76と、入力内容77と、タグ情報78とを含む。
【0039】
入力ID75は、チャットデータがサーバ30に入力又は生成される毎に1つ作成される。入力者ID76は、1つのチャットデータにおける入力者を識別する情報である。例えば、サーバ30によって生成されたチャットデータの場合、入力者ID76は所定の値(例えば「999」等)としてもよい。入力内容77は、後述する端末装置40のチャット表示領域42bに表示されるメッセージの内容を示す情報である。入力内容77は、例えば文字データ又は所定のイラストデータを含む。タグ情報78は、入力ID75毎に作成されるチャットデータを識別する情報である。タグ情報78は、入力ID75が作成される毎に1つ作成される。タグ情報78は、インデックスとしてタグ番号(TC0054、TC0055、…)が昇順で付与される。なお、入力ID75のID番号をタグ情報として用いてもよい。
【0040】
記憶部39は、スコアデータとチャットデータとを対応付ける同期データを記憶する。
図4は、記憶部39に記憶された同期データの一例を示す図である。
図4に示すように、同期データは、タグ情報79及び処理時刻情報80を有している。タグ情報79は、上記のチャットデータのタグ情報78に対応する情報である。タグ情報79は、処理時刻情報80に沿った順序で配置される。タグ情報79は、例えば対応するタグ情報78と同一のタグ番号(TC0054、TC0055、…TC0061)が付与されているが、これに限定されるものではない。処理時刻情報80は、タグ情報79に対応付けられる情報であり、チャットデータの処理時刻を示す情報である。チャットデータの処理時刻は、例えばチャットデータがサーバ30にアップロードされたアップロード時刻とすることができる。また、チャットデータの処理時刻は、チャットデータの入力が開始された入力開始時刻とすることができる。タグ情報79及び処理時刻情報80により、映像データとチャットデータとが、撮影時刻と処理時刻とに基づいて、対応付けられて記憶されることになる。
【0041】
また、記憶部39は、複数のカメラ10で試合を撮影した複数の映像データを取得する処理と、試合のスコアデータを取得する処理と、スコアデータが取得された場合、スコアデータに応じた内容のチャットデータを生成する処理と、取得された複数の映像データのそれぞれに対して、スコアデータが入力された入力時刻に対応する時間の範囲であるタグ範囲と、当該タグ範囲ごとの評価点とをタグ情報として設定する処理と、チャットデータとタグ情報を設定した複数の映像データとを記憶する処理と、チャットデータと、選択された映像データとをチャット端末装置40に送信する処理と、スコアデータに応じて生成されたチャットデータの1つがチャット端末装置40において指定された場合、指定されたチャットデータに対応するタグ範囲について設定された評価点に基づいて、記憶された複数の映像データから1つの映像データを選択し、サーバ30側通信部からチャット端末装置40に送信させる処理と、を実行させる映像データ処理プログラムを記憶する。
【0042】
チャット端末装置40、40Aは、入力部41と、表示部42と、通信部43と、記憶部44と、制御部45とを有している。入力部41、表示部42、通信部43、記憶部44及び制御部45は、例えばバスライン等を介して接続されている。チャット端末装置40としては、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯型情報端末が挙げられる。
【0043】
入力部41は、チャットデータ等の情報を入力するための所定の入力操作が可能である。入力部41は、入力操作に応じて、制御部45に対する指示信号を出力する。入力部41としては、例えばタッチパネル等の入力装置が用いられる。なお、入力部41として、タッチパネルに加えて又はタッチパネルに代えて、ボタン、レバー、ダイヤル、スイッチ又は他の入力装置が用いられてもよい。入力部41は、所定の入力操作に応じた指示信号を出力する。表示部42は、文字及び画像を含む各種情報を表示する。表示部42は、液晶パネル等の表示パネルを有する。表示部42は、映像を含む情報を表示可能である。
【0044】
図5は、本実施形態に係るチャット端末装置40の入力部41及び表示部42の一例を示す図である。
図5に示すように、チャット端末装置40は、例えばタッチパネル型の入力部41及び表示部42を有している。つまり、表示部42である表示パネルに入力部41であるタッチパネルが重ねて配置されている。
【0045】
表示部42には、例えば映像表示領域42aと、チャット表示領域42bと、グループ表示領域42gとが表示されている。映像表示領域42aには、映像データが表示される。なお、映像表示領域42aには、映像データの再生時刻を指定するためのスクロールバー等が表示されてもよい。
【0046】
チャット表示領域42bには、チャットデータが表示される。例えば、チャット表示領域42bには、サーバ30で生成されたチャットデータであるサーバメッセージ88や、チャット端末装置40とは異なる他のチャット端末装置40Aで入力されたチャットデータである他者メッセージ89、チャット端末装置40で入力されたチャットデータである自己メッセージ90等が表示される。サーバメッセージ88は、例えばサーバ30に入力されたスコアデータの内容をテキストにより示したものである。
図5の上側のサーバメッセージ88aは、例えば8回裏に打者007がセンター前ヒットを打った、という内容である。また、
図5の下側のサーバメッセージ88bは、8回裏に打者008が三振した、という内容である。
【0047】
なお、サーバメッセージ88及び他者メッセージ89は、例えばチャット表示領域42bの左側の領域に表示される。また、自己メッセージ90は、例えばチャット表示領域42bの右側の領域に表示される。また、サーバメッセージ88と他者メッセージ89とは、例えばメッセージが表示される枠の種類が異なるなど、区別して表示してもよい。これにより、サーバメッセージ88と他者メッセージ89とを識別可能となる。グループ表示領域42gには、チャット端末装置40の操作者の属するグループの情報が表示される。また、サーバメッセージ88、他者メッセージ89及び自己メッセージ90は、吹き出し等の枠内に表示される。この吹き出しは、例えば文字数が多いほどチャット表示領域42b内の左右及び上下に大きく表示される。
【0048】
入力部41は、タッチパネルの表面のうち所定の領域に対してタッチ操作、スクロール操作等の操作が行われた場合、操作が行われた領域の位置情報及び操作内容を含む所定の指示信号を出力する。当該位置情報は、例えば表示部42の位置に対応して設定されている。なお、入力部41及び表示部42の構成は、上記構成に限定するものではない。
【0049】
通信部43は、有線又は無線によって外部機器との間で情報の通信を行う。通信部43は、例えば外部のサーバ30との間で映像データ、チャットデータ、スコアデータ等の送受信を行う。
【0050】
記憶部44は、例えばハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等のストレージを有している。なお、記憶部44として、リムーバブルディスク等の外部記憶媒体が用いられてもよい。記憶部44は、チャット端末装置40のオペレーティングシステムや、入力部41、表示部42及び通信部43の動作を制御するための各種プログラム、チャットを行うためのチャットアプリケーション、各種プログラム、及びデータ等を記憶する。例えば、記憶部44は、表示部42に表示させる映像表示領域42a、チャット表示領域42b、グループ表示領域42g等のフレームデータ等が記憶されてもよい。
【0051】
制御部45は、入力部41、表示部42及び通信部43の各部の制御を行う。また、制御部45は、入力部41による指示信号に応じた演算、処理等を行う。制御部45は、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置や、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の記憶装置を有している。制御部45は、データ取得制御部54と、記憶制御部55と、表示制御部56とを有する。
【0052】
データ取得制御部54は、通信部43を介してサーバ30にアクセスし、サーバ30の記憶部39に保存されているチャットデータ、映像データ、ダイジェストデータ等を取得する。
【0053】
記憶制御部55は、サーバ30から取得した映像データ及びチャットデータを、撮影時刻と処理時刻とに基づいて、対応付けて記憶部44に記憶させる。
【0054】
表示制御部56は、表示部42に表示される表示内容を制御する。表示制御部56は、通信部43で取得される映像データに基づいて、映像表示領域42aの表示内容を制御する。また、表示制御部56は、映像表示領域42aに再生時刻を指定するためのスクロールバーが表示される場合、スクロールバーで指定された再生時刻からの映像データを映像表示領域42aに表示させる。
【0055】
また、表示制御部56は、通信部43で取得されるチャットデータに基づいて、チャット表示領域42bの表示内容を制御する。表示制御部56は、チャットデータをチャット表示領域42bに表示する際、当該チャット表示領域42bに表示可能な数のチャットデータをアップロード時刻に基づいて時系列で一方向に並べて表示する。本実施形態では、例えば
図5に示すように、チャットデータが時系列でチャット表示領域42bの図中の上方から下方に並んで表示される。
【0056】
また、表示制御部56は、サーバ30の記憶部39に新たなチャットデータが記憶された場合、通信部43を介して記憶部39に記憶された最新のチャットデータを取得し、チャット表示領域42bの表示内容を更新する。この場合、表示制御部56は、チャット表示領域42bにおいて時系列的に直近に表示されたチャットデータの下方に新たなチャットデータを表示させるスペースがあるか否かを判断する。新たなチャットデータを表示させるスペースがある場合、表示制御部56は、当該スペースに新たなチャットデータを表示させる。また、新たなチャットデータを表示させるスペースが無い場合、表示制御部56は、チャット表示領域42bに表示されている中で時系列的に最も古いチャットデータ、つまり、チャット表示領域42bに表示される最も上側のチャットデータを、チャット表示領域42bの上方に押し出す方向にチャット表示領域42b全体をスクロールさせる。そして、表示制御部56は、スクロールによって空いた下部のスペースに新たなチャットデータを表示させる。これにより、表示制御部56は、サーバ30に新たなチャットデータがアップロードされ、記憶部44に記憶される毎に、チャット表示領域42bに表示されるチャットデータをリアルタイムで更新することが可能である。
【0057】
また、表示制御部56は、記憶部44に記憶される過去のチャットデータに基づいて、チャット表示領域42bの表示内容を制御可能である。例えば、操作者が入力部(タッチパネル)41のチャット表示領域42b内をタッチした状態でタッチ位置を上方又は下方にスライドさせる場合、つまり、チャット表示領域42bを手動でスクロールさせる操作を行う場合、表示制御部56は、スクロール方向及びスクロール量に応じて、チャット表示領域42bに表示させるチャットデータを変更する。例えば、操作者が当該タッチ位置を上方にスライドさせた場合には、それまで表示されていたチャットデータよりも時間的に後にアップロードされたチャットデータがチャット表示領域42bに表示される。また、操作者が当該タッチ位置を下方にスライドさせた場合には、それまで表示されていたチャットデータよりも時間的に前にアップロードされたチャットデータがチャット表示領域42bに表示される。なお、チャット表示領域42bに表示されるチャットデータを変更する手法は上記に限定されず、例えばボタンやキーボード、マウス等、他の手法により行ってもよい。
【0058】
また、本実施形態において、表示制御部56は、チャット表示領域42bに表示されたチャットデータのうち、1つのサーバメッセージが入力部41により指定された場合に、当該サーバメッセージが指定された旨の情報をサーバ30に送信する。なお、この場合、サーバ30では、上記したように、映像データ選択部36においてタグ範囲の評価点に基づいて映像データが選択され、選択された映像データがチャット端末装置40に送信される。チャット端末装置40では、送信された映像データを通信部43で受信する。表示制御部56は、受信した映像データを映像表示領域42aに表示させることができる。
【0059】
次に、上記のように構成されたチャットシステム100の動作を説明する。
図6は、第1実施形態に係るチャット表示方法の一例を示すフローチャートである。
図6では、サーバ30側とチャット端末装置40側のそれぞれについてフローチャートを別個に示している。
【0060】
図6に示すように、サーバ30において、映像データ取得部31は、複数のカメラ10から入力される複数の映像データを取得し、記憶部39に記憶させる(ステップS010)。また、スコアデータ取得部32は、スコア入力部20から入力されるスコアデータを取得し、記憶部39に記憶させる(ステップS020)。チャットデータ処理部33は、スコアデータが入力される毎に、スコアデータに対応する内容のチャットデータを生成して、記憶部39に記憶させる(ステップS030)。また、スコアデータが取得された場合、タグ情報設定部34は、タグ情報としてタグ範囲及び評価点を設定する(ステップS040)。サーバ側通信部35は、記憶部39に記憶されたチャットデータ及び映像データを送信する(ステップS050)。
【0061】
チャット端末装置40側では、サーバ30から送信されるチャットデータ及び映像データを受信し、表示部42に表示する(ステップS060)。表示制御部56は、表示部42に表示されるサーバメッセージが指定されたか否かを判定する(ステップS070)。表示部42に表示されるサーバメッセージが指定されないと判定される場合(ステップS070のNo)、ステップS060以降の処理を繰り返し行う。表示部42に表示されるサーバメッセージが指定されたと判定される場合(ステップS070のYes)、表示制御部56は、サーバメッセージが指定された旨をサーバ30に送信する(ステップS080)。
【0062】
サーバ30側では、サーバメッセージが指定された旨を受信したか否かを判定する(ステップS090)。サーバメッセージが指定された旨を受信しないと判定された場合(ステップS090のNo)、ステップS010以降の処理を繰り返し行う。サーバメッセージが指定された旨を受信したと判定された場合(ステップS090のYes)、映像データ選択部36は、指定されたサーバメッセージに相当するチャットデータのタグ範囲を検出し、当該タグ範囲に設定された評価点に基づいて、複数の映像データの中からチャット端末装置40に送信する映像データを選択する(ステップS100)。映像データ選択部36は、選択した映像データのうち、指定されたチャットデータに対応するタグ範囲の開始時刻からの映像データを、サーバ側通信部35からチャット端末装置40に送信させる(ステップS110)。
【0063】
チャット端末装置40側では、サーバ30から送信される映像データにより表示部42の映像表示領域42aの表示を更新する(ステップS120)。
【0064】
以上のように、第1実施形態に係るチャットシステム100は、複数のカメラ10で試合を撮影した複数の映像データを取得する映像データ取得部31、試合のスコアデータを取得するスコアデータ取得部32、スコアデータが取得された場合、スコアデータに応じた内容のチャットデータを生成するチャットデータ処理部33、取得された複数の映像データのそれぞれに対して、スコアデータが入力された入力時刻に対応する時間の範囲であるタグ範囲と、当該タグ範囲ごとの評価点とをタグ情報として設定するタグ情報設定部34、チャットデータとタグ情報を設定した複数の映像データとを記憶する記憶部39、記憶部39に記憶されたチャットデータ及び映像データをチャット端末装置40に送信可能なサーバ側通信部35、及び、チャットデータ処理部33によって生成されたチャットデータの1つがチャット端末装置40において指定された場合、指定されたチャットデータに対応するタグ範囲について設定された評価点に基づいて、記憶部39に記憶された複数の映像データから1つの映像データを選択し、サーバ側通信部からチャット端末装置40に送信させる映像データ選択部36、を有するサーバ30と、サーバ30からチャットデータ及び映像データを取得する通信部、及び、取得した映像データ及びチャットデータを表示部42の異なる領域に表示させ、チャットデータ処理部33で生成され表示部42に表示されたチャットデータの1つが入力部41によって指定された場合に、チャットデータが指定された旨をサーバ30に送信し、映像データ選択部36で選択された映像データをサーバ30から受信して表示部42に表示させる表示制御部56、を有するチャット端末装置40とを備える。
【0065】
本実施形態によれば、サーバ30において、複数のカメラ10から取得した複数の映像データのうち、当該映像データ毎に設定されるタグ範囲の評価点が高い映像データを選択して送信するため、ユーザにとって価値の高い映像を供給することができる。
【0066】
本実施形態に係るチャットシステム100において、タグ情報設定部34は、チャット端末装置40のユーザに関するユーザ関連情報に基づいて評価点を設定する。これにより、ユーザに応じた評価点を設定することが可能となる。このため、映像データ選択部36において、よりユーザに応じた映像データが選択されやすくなる。
【0067】
本実施形態に係るチャットシステム100において、タグ情報設定部34は、チャット表示端末の位置と、複数の撮影装置の位置とに応じて評価点を設定する。これにより、映像データ選択部36において、ユーザの視点とは異なる視点から撮影された映像データが選択されやすくなる。
【0068】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。本実施形態では、チャットシステム100の概略的な構成については、
図1に示すように第1実施形態と同様である。本実施形態では、チャットデータ処理部33によって生成されるチャットデータについて、チャット端末装置40における表示態様が上記実施形態とは異なる。
【0069】
チャットデータ処理部33は、スコアデータが取得された場合、スコアデータに応じた内容のチャットデータを生成すると共に、チャット端末装置40におけるチャットデータであるサーバメッセージ88の表示態様を評価点に応じて設定する。チャットデータ処理部33は、設定した表示態様をチャットデータと対応付けて記憶部39に記憶させる。
【0070】
記憶部39は、チャットデータ処理部33によって設定された表示態様をチャットデータと関連付けて記憶する。また、記憶部39は、カメラ10で試合を撮影した複数の映像データを取得する処理と、試合のスコアデータを取得する処理と、取得された複数の映像データのそれぞれに対して、スコアデータが入力された入力時刻に対応する時間の範囲であるタグ範囲と、当該タグ範囲ごとの評価点とをタグ情報として設定する処理と、スコアデータが取得された場合、スコアデータに応じた内容のチャットデータを生成し、チャット表示端末におけるチャットデータの表示態様を評価点に応じて設定する処理と、チャットデータとタグ情報を設定した複数の映像データとを記憶する処理と、チャットデータと、選択された映像データとをチャット端末装置40に送信する処理と、スコアデータに応じて生成されたチャットデータの1つがチャット端末装置40において指定された場合、指定されたチャットデータに対応するタグ範囲について設定された評価点に基づいて、記憶された複数の映像データから1つの映像データを選択し、サーバ30側通信部からチャット端末装置40に送信させる処理と、を実行させるチャットデータ処理プログラムを記憶する。
【0071】
チャット端末装置40において、表示制御部56は、サーバ30から送信されるチャットデータ及び映像データを受信し、表示部42に表示する。このとき、表示制御部56は、チャット表示領域42bには、サーバ30において設定された表示態様でチャットデータを表示する。
【0072】
また、表示制御部56は、チャット表示領域42bに表示されたチャットデータのうち、1つのサーバメッセージが入力部41により指定された場合に、当該サーバメッセージが指定された旨の情報をサーバ30に送信する。なお、この場合、サーバ30では、映像データ選択部36により映像データが選択され、選択された映像データがチャット端末装置40に送信される。この場合、映像データ選択部36は、タグ範囲の評価点に基づいて選択する場合に限られず、他の基準で映像データを選択することができる。チャット端末装置40では、送信された映像データを通信部43で受信する。表示制御部56は、受信した映像データを映像表示領域42aに表示させることができる。なお、受信する映像データが変更される場合、映像データに設定されるタグ範囲の評価点も変更される。したがって、表示制御部56は、変更後の映像データに設定されるタグ範囲の評価点に基づいた表示態様となるように、チャット表示領域42bの表示を更新する。
【0073】
サーバメッセージ88は、スコアデータの内容を記載したテキストについてのテキストデータと、当該テキストを囲う吹き出しについての吹き出しデータとを含む(
図5参照)。サーバメッセージ88の表示態様としては、例えばメッセージ内容を示すテキスト自体の色、字体、大きさ等の表示を変更する態様、吹き出しの色、形状、大きさ等の表示、の少なくとも1つを変更する態様等が挙げられる。また、例えばチャット表示領域42bをスクロールさせた場合に、特定のサーバメッセージ88が表示されると、スクロールを自動的に停止させるようにしてもよい。
【0074】
図7は、第2実施形態に係るチャット表示方法の一例を示すフローチャートである。
図7では、
図6と同様に、サーバ30側とチャット端末装置40側のそれぞれについてフローチャートを別個に示している。
【0075】
図7に示すように、第1実施形態と同様、サーバ30において、映像データ取得部31は、複数のカメラ10から入力される複数の映像データを取得し、記憶部39に記憶させる(ステップS010)。また、スコアデータ取得部32は、スコア入力部20から入力されるスコアデータを取得し、記憶部39に記憶させる(ステップS020)。チャットデータ処理部33は、スコアデータが入力される毎に、スコアデータに対応する内容のチャットデータを生成し、チャット端末装置40におけるチャットデータの表示態様を評価点に応じて設定して、記憶部39に記憶させる(ステップS031)。その後、タグ情報設定部34は、タグ情報としてタグ範囲及び評価点を設定する(ステップS040)。また、サーバ側通信部35は、記憶部39に記憶されたチャットデータ及び映像データを送信する(ステップS050)。
【0076】
チャット端末装置40側では、サーバ30から送信されるチャットデータ及び映像データを受信し、表示部42に表示する。この場合、表示制御部56は、チャットデータについては、設定された表示態様でチャット表示領域42bに表示を行う(ステップS061)。その後、第1実施形態と同様に、表示制御部56は、表示部42に表示されるサーバメッセージが指定されたか否かを判定する(ステップS070)。表示部42に表示されるサーバメッセージが指定されないと判定される場合(ステップS070のNo)、ステップS061以降の処理を繰り返し行う。表示部42に表示されるサーバメッセージが指定されたと判定される場合(ステップS070のYes)、表示制御部56は、サーバメッセージが指定された旨をサーバ30に送信する(ステップS080)。
【0077】
サーバ30側では、第1実施形態と同様、サーバメッセージが指定された旨を受信したか否かを判定する(ステップS090)。サーバメッセージが指定された旨を受信しないと判定された場合(ステップS090のNo)、ステップS010以降の処理を繰り返し行う。サーバメッセージが指定された旨を受信したと判定された場合(ステップS090のYes)、映像データ選択部36は、指定されたサーバメッセージに相当するチャットデータのタグ範囲を検出し、複数の映像データの中からチャット端末装置40に送信する映像データを選択する(ステップS101)。ステップS101において、本実施形態では、評価点に限定されず、任意の手法で映像データを選択してもよい。なお、評価点に基づいて映像データを選択してもよい。ステップS110は、第1実施形態と同様である。
【0078】
チャット端末装置40側では、サーバ30から送信される映像データにより表示部42の映像表示領域42aの表示を更新する。また、サーバから送信される映像データのタグ範囲の評価値が変更された場合、チャット表示領域42bにおけるチャットデータの表示態様を更新する(ステップS121)。
【0079】
本実施形態に係るチャットシステム100は、カメラ10で試合を撮影した複数の映像データを取得する映像データ取得部31、試合のスコアデータを取得するスコアデータ取得部32、取得された複数の映像データのそれぞれに対して、スコアデータが入力された入力時刻に対応する時間の範囲であるタグ範囲と、当該タグ範囲ごとの評価点とをタグ情報として設定するタグ情報設定部34、スコアデータが取得された場合、スコアデータに応じた内容のチャットデータを生成し、チャット表示端末におけるチャットデータの表示態様を評価点に応じて設定するチャットデータ処理部33、チャットデータとタグ情報を設定した複数の映像データとを記憶する記憶部39、及び、記憶部39に記憶されたチャットデータ及び映像データをチャット端末装置40に送信可能なサーバ側通信部、及び、チャットデータ処理部によって生成されたチャットデータの1つがチャット端末装置40において指定された場合、記憶部39に記憶された複数の映像データから1つの映像データを選択し、サーバ側通信部からチャット端末装置40に送信させる映像データ選択部、を有するサーバ30と、サーバ30からチャットデータ及び映像データを取得する通信部43、及び、取得した映像データ及びチャットデータを表示部42の異なる領域に表示させ、チャットデータ処理部で生成されたチャットデータについては設定された表示態様で表示部42に表示させ、チャットデータ処理部で生成され表示部42に表示されたチャットデータの1つが入力部41によって指定された場合に、チャットデータが指定された旨をサーバ30に送信し、映像データ選択部で選択された映像データをサーバ30から受信して表示部42に表示させる制御部、を有するチャット端末装置40とを備える。
【0080】
本実施形態によれば、評価点に応じてチャットデータ(サーバメッセージ)の表示態様が異なるため、評価点がユーザごとに異なる場合、ユーザごとに異なる表示態様となる。したがって、よりユーザの要求に適した表示態様を実現することができる。
【0081】
本実施形態に係るチャットシステム100において、チャットデータは、スコアデータに応じた内容を記載したテキストについてのテキストデータ及びテキストデータを囲んで表示される吹き出しについての吹き出しデータを含み、チャットデータ処理部33は、表示態様として、テキスト及び吹き出しの色、形状、及び大きさの少なくとも1つの態様が他のチャットデータと異なるように設定する。これにより、ユーザの要求に適した表示態様を容易に実現することができる。
【0082】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を説明する。
図8は、本実施形態に係るチャットシステム(映像データ処理システム)300の一例を示す概略図である。
図8に示すように、チャットシステム300は、サーバ(映像データ処理装置)230と、チャット端末装置(端末装置)40とを備える。チャット端末装置40の構成については、上記実施形態と同様である。本実施形態において、サーバ230は、第1実施形態の各構成に加えて、ダイジェスト生成部37を有している。サーバ230の他の構成については、第1実施形態と同様である。なお、本実施形態では、チャットデータ処理部33及び映像データ選択部36については、設けられなくてもよい。
【0083】
ダイジェスト生成部37は、映像データ取得部31で取得される複数の映像データに設定されるタグ範囲を評価点に基づいて選択し、選択したタグ範囲同士を時系列順に接続して1つのダイジェストデータを生成する。
【0084】
図9は、ダイジェストデータの一例を模式的に示す図である。
図9では、映像データC及び映像データDを取得した場合を例に挙げて説明する。
図9に示すように、映像データC及び映像データDにおいて、スコアデータが入力された入力時刻t5、t6、t7を終了時刻とするタグ範囲CT1、CT2、CT3、DT1、DT2、DT3が設定されている。タグ範囲CT1、CT2、CT3は、終了時刻t5、t6、t7から所定時間遡った時刻t8、t9、t10を開始時刻として設定される。また、映像データCにおいて、タグ範囲CT1には、評価点が30点と設定され、タグ範囲CT2には、評価点が70点と設定され、タグ範囲CT3には、評価点が20点と設定される。一方、映像データDにおいて、タグ範囲DT1には、評価点が60点と設定され、タグ範囲DT2には、評価点が50点と設定され、タグ範囲DT3には、評価点が40点と設定される。
【0085】
ダイジェスト生成部37は、例えば、複数の映像データのうち、同一のスコアデータに対応する複数のタグ範囲同士の中から1つを評価点に基づいて選択する。例えば、
図9に示すように、ダイジェストデータEを生成する際、ダイジェスト生成部37は、同一のスコアデータに対応する2つのタグ範囲CT1、DT1の評価値を比較し、評価値の高いタグ範囲DT1を選択する。また、ダイジェスト生成部37は、同一のスコアデータに対応する2つのタグ範囲CT2、DT2の評価値を比較し、評価値の高いタグ範囲CT2を選択する。また、ダイジェスト生成部37は、同一のスコアデータに対応する2つのタグ範囲CT3、DT3の評価値を比較し、評価値の高いタグ範囲DT3を選択する。ダイジェスト生成部37は、選択した各タグ範囲を接続する。これにより、タグ範囲DT1、CT2、DT3が接続された状態のダイジェストデータEが生成される。
【0086】
また、ダイジェストデータFを生成する際、ダイジェスト生成部37は、評価点が所定値以上であるタグ範囲を選択する。例えば、
図9に示すように、ダイジェストデータFを生成する際、ダイジェスト生成部37は、例えば評価点が50点以上のタグ範囲を選択する。映像データC及び映像データDにおいて、評価値が50点以上であるタグ範囲DT1、CT2、DT2を選択することができる。ダイジェスト生成部37は、選択した各タグ範囲を接続する。これにより、タグ範囲DT1、DT2、CT2が接続された状態のダイジェストデータFが得られる。
【0087】
また、ダイジェスト生成部37は、例えば、複数の映像データのうち、同一のスコアデータに対応する複数のタグ範囲同士の中から1つを評価点に基づいて選択し、選択したタグ範囲の中から更に評価点が所定値以上であるタグ範囲を選択する。例えば、
図9に示すように、ダイジェストデータGを生成する際、ダイジェスト生成部37は、同一のスコアデータに対応する2つのタグ範囲の評価値を比較し、評価値が高いタグ範囲DT1、CT2、DT3を選択することができる。この状態で、タグ範囲DT1、CT2、DT3が選択される。次に、ダイジェスト生成部37は、選択したタグ範囲の中から更に評価点が50点以上であるタグ範囲を選択する。この場合、タグ範囲DT1、CT2が選択される。ダイジェスト生成部37は、選択した各タグ範囲を接続する。これにより、タグ範囲DT1、CT2が接続された状態のダイジェストデータGが生成される。
【0088】
また、本実施形態において、記憶部39は、カメラ10で試合を撮影した複数の映像データを取得する処理と、試合のスコアデータを取得する処理と、取得された複数の映像データのそれぞれに対して、スコアデータが入力された入力時刻に対応する時間の範囲であるタグ範囲と、当該タグ範囲ごとの評価点とをタグ情報として設定する処理と、複数の映像データに設定されるタグ範囲を評価点に基づいて選択し、選択したタグ範囲同士を時系列順に接続して1つのダイジェストデータを生成する処理と、タグ情報を設定した複数の映像データと、ダイジェストデータとを記憶する処理と、記憶部39に記憶されるダイジェストデータ及び映像データを送信する処理と、を実行させる映像データ処理プログラムを記憶する。
【0089】
次に、上記のように構成されたチャットシステム300の動作を説明する。
図10は、第3実施形態に係るチャット表示方法の一例を示すフローチャートである。
図10に示すように、サーバ30において、映像データ取得部31は、複数のカメラ10から入力される複数の映像データを取得し、記憶部39に記憶させる(ステップS210)。また、スコアデータ取得部32は、スコア入力部20から入力されるスコアデータを取得し、記憶部39に記憶させる(ステップS220)。チャットデータ処理部33は、スコアデータが入力される毎に、スコアデータに対応する内容のチャットデータを生成して、記憶部39に記憶させる。また、スコアデータが取得された場合、タグ情報設定部34は、タグ情報としてタグ範囲及び評価点を設定する(ステップS230)。
【0090】
ダイジェスト生成部37は、複数の映像データに設定されるタグ範囲を評価点に基づいて選択し、選択したタグ範囲同士を時系列順に接続して1つのダイジェストデータを生成して、記憶部39に記憶させる(ステップS240)。サーバ側通信部35は、記憶部39に記憶されたチャットデータ、映像データ及びダイジェストデータを送信する(ステップS250)。
【0091】
本実施形態に係るチャットシステム300は、カメラ10で試合を撮影した複数の映像データを取得する映像データ取得部31、試合のスコアデータを取得するスコアデータ取得部32、取得された複数の映像データのそれぞれに対して、スコアデータが入力された入力時刻に対応する時間の範囲であるタグ範囲と、当該タグ範囲ごとの評価点とをタグ情報として設定するタグ情報設定部34、複数の映像データに設定されるタグ範囲を評価点に基づいて選択し、選択したタグ範囲同士を時系列順に接続して1つのダイジェストデータを生成するダイジェスト生成部37、タグ情報を設定した複数の映像データと、ダイジェストデータとを記憶する記憶部39、及び、記憶部39に記憶されるダイジェストデータ及び映像データを送信可能なサーバ側通信部35、を備えるサーバ230と、サーバ230からダイジェストデータ及び映像データを取得する通信部43、及び、取得したダイジェストデータ及び映像データを表示部42に表示させる表示制御部56、を有するチャット端末装置40とを備える。
【0092】
本実施形態によれば、評価点がユーザごとに異なる場合、ユーザごとに異なるダイジェスト映像を提供することができる。したがって、ユーザが指定したスコアに対応する映像の中から、よりユーザの要求に適した映像を供給することができる。
【0093】
本実施形態に係るチャットシステム300において、タグ情報設定部34は、スコアデータの内容と撮像装置の位置とに基づいて評価点を設定する。したがって、ユーザの視点とは異なる映像データについて高い評価点が設定される。
【0094】
本実施形態に係るチャットシステム300において、ダイジェスト生成部37は、評価点が所定値以上であるタグ範囲を選択する。したがって、評価点が高い映像を供給することができる。
【0095】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態を説明する。
図11は、本実施形態に係るチャットシステム400の一例を示す概略図である。
図11に示すように、チャットシステム400は、サーバ330と、チャット端末装置40とを備える。チャット端末装置40の構成については、上記実施形態と同様である。本実施形態において、サーバ330は、第1実施形態の各構成に加えて、タグ情報編集部38を有している。サーバ230の他の構成については、第1実施形態と同様である。
【0096】
タグ情報編集部38は、チャットデータ処理部33によって生成されたチャットデータであるサーバメッセージに対してタグ情報の設定を変更する旨の要求があった場合、要求に基づいてタグ情報を編集する。タグ情報の編集内容としては、例えばタグ情報の削除、タグ範囲の変更、評価点の変更等が挙げられる。
【0097】
タグ情報の削除については、映像データに設定されるタグ情報を削除する。タグ情報を削除することにより、当該タグ情報に対応するスコアデータに関するタグ範囲及び評価点が無効になる。なお、削除したタグ情報を復活させることができる態様であってもよい。つまり、タグ情報の有効及び無効を切り替える設定であってもよい。タグ範囲の変更については、タグ範囲の開始時刻及び終了時刻を変更することが挙げられる。また、評価点の変更については、タグ範囲に設定される評価点を高くする又は低くすることが挙げられる。
【0098】
タグ情報の変更の要求は、チャット端末装置40側で行うことができる。
図12は、本実施形態に係るチャット端末装置40の入力部41及び表示部42の一例を示す図である。
図12に示すように、表示部42の映像表示領域42aには、映像データのうちサーバメッセージ88aに対応する場面が表示されている。映像表示領域42aには、削除操作部91と、範囲変更操作部92と、評価点変更操作部93とが設けられる。
【0099】
削除操作部91は、例えばユーザがタッチすることにより、サーバ330に対して当該タグ情報の削除を要求する。範囲変更操作部92は、例えばユーザが左右に移動させることにより、サーバ330に対してタグ範囲の変更を要求する。評価点変更操作部93は、例えばユーザがゲージを左右に増減させることにより、サーバ330に対して評価点の変更を要求する。
【0100】
タグ情報編集部38は、タグ情報の設定を変更する旨の要求があった場合、当該要求を送信したチャット端末装置40が要求の権限を有する場合に、要求に基づいてタグ情報を編集するようにしてもよい。この場合、権限を有するチャット端末装置40としては、例えば試合を撮影したカメラ10の所有者が所有するチャット端末装置40、又はチームの管理者、システム管理者の所有するチャット端末装置40等が挙げられる。
【0101】
図13は、タグ情報の一例を模式的に示す図である。
図13では、カメラ10で撮影された映像データHを取得した場合を例に挙げて説明する。
図13に示すように、映像データHにおいて、スコアデータが入力された入力時刻t11、t12を終了時刻とするタグ範囲HT1、HT2が設定されている。タグ範囲HT1、HT2は、終了時刻t11、t12から所定時間遡った時刻t13、t14を開始時刻として設定される。これに対して、例えばタグ範囲HT1を削除するように要求することにより、当該タグ範囲HT1が削除されて無効になる。また、タグ範囲HT2の開始時刻をt14に対して遡ったt15に変更するように要求することにより、タグ範囲Ht2の開始時刻がt15に変更される。
【0102】
なお、本実施形態において、記憶部39には、サーバ30に対して、カメラ10で試合を撮影した複数の映像データを取得する処理と、試合のスコアデータを取得する処理と、スコアデータが取得された場合、スコアデータに応じた内容のチャットデータを生成する処理と、取得された複数の映像データのそれぞれに対して、少なくともスコアデータが入力された入力時刻に対応する時間の範囲であるタグ範囲をタグ情報として設定する処理と、チャットデータとタグ情報を設定した複数の映像データとを記憶する処理と、記憶部に記憶されたチャットデータをチャット端末装置に送信する処理と、チャットデータ処理部によって生成されたチャットデータに対してタグ情報の設定を変更する旨の要求があった場合、要求に基づいてタグ情報を編集する処理と、を実行させるチャットデータ処理プログラムが記憶される。
【0103】
次に、上記のように構成されたチャットシステム400の動作を説明する。
図14は、第4実施形態に係るチャット表示方法の一例を示すフローチャートである。
図14では、サーバ30側とチャット端末装置40側のそれぞれについてフローチャートを別個に示している。
【0104】
図14に示すように、サーバ30において、タグ情報編集部38は、チャット端末装置40からタグ情報の編集の要求があるか否かを判定する(ステップS310)。タグ情報の編集の要求が無いと判定した場合(ステップS310のNo)、ステップS310の処理を繰り返し行う。
【0105】
チャット端末装置40において、ユーザが上記した所定の操作を行うことにより、タグ情報の編集をサーバ30に対して要求することができる(ステップS320)。
【0106】
サーバ30側において、タグ情報の編集の要求があったと判定した場合(ステップS310のYes)、タグ編集部38は、要求を送信したチャット端末装置40が権限を有するか否かを判定する(ステップS330)。権限を有すると判定した場合(ステップS330のYes)、タグ情報編集部38は、要求に応じてタグ情報を編集する(ステップS340)。一方、権限を有しないと判定した場合(ステップS340のNo)、タグ情報編集部38は、編集を行うことなく処理を終了する。この場合、当該チャット端末装置40に対して、「権限がありません」等のメッセージを送信してもよい。
【0107】
チャット端末装置40において、表示制御部56は、編集後のタグ情報を反映させた内容を表示部42に表示させる(ステップS350)。
【0108】
本実施形態に係るチャットシステム300は、カメラ10で試合を撮影した複数の映像データを取得する映像データ取得部31、試合のスコアデータを取得するスコアデータ取得部32、スコアデータが取得された場合、スコアデータに応じた内容のチャットデータを生成するチャットデータ処理部33、取得された複数の映像データのそれぞれに対して、少なくともスコアデータが入力された入力時刻に対応する時間の範囲であるタグ範囲をタグ情報として設定するタグ情報設定部34、チャットデータとタグ情報を設定した複数の映像データとを記憶する記憶部39、記憶部に記憶されたチャットデータをチャット端末装置に送信可能なサーバ側通信部35、チャットデータ処理部によって生成されたチャットデータに対してタグ情報の設定を変更する旨の要求があった場合、要求に基づいてタグ情報を編集するタグ情報編集部38、を有するサーバ30と、サーバ30からチャットデータを取得する通信部43、及び、取得したチャットデータを表示部42に表示させ、チャットデータ処理部で生成され表示部42に表示されたチャットデータに対してタグ情報の設定の変更を要求する旨の操作が入力部41によって入力された場合に、要求をサーバ30に送信する制御部、を有するチャット端末装置40とを備える。
【0109】
本実施形態によれば、不要なタグ情報を削除し、より有効なタグ情報を生成することができるため、よりユーザの要求に適した映像を供給することができる。
【0110】
本実施形態に係るチャットシステム300において、タグ情報設定部34は、更に当該タグ範囲ごとの評価点をタグ情報として設定し、タグ情報の編集は、タグ情報の削除、タグ範囲の変更、及び評価点の変更の少なくとも1つを含む。これにより、評価点の変更を含めて、よりユーザの要求に適した映像を供給することができる。
【0111】
本実施形態に係るチャットシステム300において、タグ情報編集部38は、タグ情報の編集の要求を送信したチャット端末装置40が権限を有する場合に、タグ情報の編集を行う。これにより、タグ情報が無制限に変更されることを防ぐことができる。
【0112】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態を説明する。本実施形態に係るチャットシステム400の全体構成については、第4実施形態と同様である。本実施形態では、タグ情報設定部34がチャット端末装置40毎にタグ情報の設定を行い、タグ情報編集部38がチャット端末装置40ごとにタグ情報の編集を行う点で、第4実施形態とは異なっている。なお、他の構成については、第4実施形態と同様である。
【0113】
タグ情報設定部34は、チャット端末装置40毎にタグ情報の設定を行うことが可能である。
【0114】
図15は、タグ情報の一例を模式的に示す図である。
図15では、カメラ10で撮影された映像データIを取得した場合を例に挙げて説明する。
図15に示すように、映像データIついて、チャット端末装置40に対しては、スコアデータが入力された入力時刻t16、t17を終了時刻とするタグ範囲JT1、JT2が設定されている。タグ範囲JT1、JT2は、終了時刻t16、t17から所定時間遡った時刻t18、t19を開始時刻として設定される。なお、
図15に示す例では、初期状態において、時刻t16と時刻t21とが同じ値であり、時刻t17と時刻t22とが同じ値であり、時刻t18と時刻t23とが同じ値であり、時刻t19と時刻t24とが同じ値である。
【0115】
一方、チャット端末装置40Aに対しては、スコアデータが入力された入力時刻t21、t22を終了時刻とするタグ範囲KT1、KT2が設定されている。タグ範囲KT1、KT2は、終了時刻t21、t22から所定時間遡った時刻t23、t24を開始時刻として設定される。
【0116】
タグ情報編集部38は、チャットデータ処理部33によって生成されたチャットデータであるサーバメッセージに対してタグ情報の設定を変更する旨の要求があった場合、要求に基づいてタグ情報を編集する。タグ情報の編集内容としては、第4実施形態と同様、例えばタグ情報の削除、タグ範囲の変更、評価点の変更等が挙げられる。タグ情報の変更の要求は、第4実施形態と同様、チャット端末装置40側で行うことができる。
【0117】
チャット端末装置40からサーバ30においてタグ情報の変更の要求を行い、チャット端末装置40Aからは要求を行わない場合、
図15に示すように、例えばタグ範囲JT1を削除するように要求することにより、当該タグ範囲JT1が削除されて無効になる。また、タグ範囲JT2の開始時刻をt19に対して遡ったt20に変更するように要求することにより、タグ範囲JT2の開始時刻がt20に変更される。一方、チャット端末装置40Aに対しては、変更が要求されていないため、タグ情報は変更されない。
【0118】
なお、本実施形態において、記憶部39には、カメラ10で試合を撮影した複数の映像データを取得することと、試合のスコアデータを取得する処理と、スコアデータが取得された場合、スコアデータに応じた内容のチャットデータを生成する処理と、取得された複数の映像データのそれぞれに対して、少なくともスコアデータが入力された入力時刻に対応する時間の範囲であるタグ範囲をタグ情報として、チャット端末装置40ごとに異なる態様で設定する処理と、チャットデータとタグ情報を設定した複数の映像データとを記憶する処理と、記憶されたチャットデータをチャット端末装置に送信する処理と、スコアデータに応じて生成されたチャットデータに対してチャット端末装置からタグ情報の設定を変更する旨の要求があった場合、要求に基づいてチャット端末装置に対応するタグ情報を編集する処理と、を実行させるチャットデータ処理プログラムが記憶される。
【0119】
次に、上記のように構成されたチャットシステム400の動作を説明する。
図16は、第5実施形態に係るチャット表示方法の一例を示すフローチャートである。
図16では、サーバ30側とチャット端末装置40側のそれぞれについてフローチャートを別個に示している。
【0120】
図16に示すように、サーバ30において、タグ情報編集部38は、チャット端末装置40からタグ情報の編集の要求があるか否かを判定する(ステップS410)。タグ情報の編集の要求が無いと判定した場合(ステップS410のNo)、ステップS410の処理を繰り返し行う。
【0121】
チャット端末装置40において、ユーザが上記した所定の操作を行うことにより、タグ情報の編集をサーバ30に対して要求することができる(ステップS420)。
【0122】
サーバ30側において、タグ情報の編集の要求があったと判定した場合(ステップS410のYes)、タグ情報編集部38は、要求に応じてタグ情報を編集する(ステップS440)。チャット端末装置40において、表示制御部56は、編集後のタグ情報を反映させた内容を表示部42に表示させる(ステップS450)。
【0123】
本実施形態に係るチャットシステム400は、カメラ10で試合を撮影した複数の映像データを取得する映像データ取得部31、試合のスコアデータを取得するスコアデータ取得部32、スコアデータが取得された場合、スコアデータに応じた内容のチャットデータを生成するチャットデータ処理部33、取得された複数の映像データのそれぞれに対して、少なくともスコアデータが入力された入力時刻に対応する時間の範囲であるタグ範囲をタグ情報として、チャット端末装置ごとに異なる態様で設定するタグ情報設定部34、チャットデータとタグ情報を設定した複数の映像データとを記憶する記憶部39、記憶部に記憶されたチャットデータをチャット端末装置に送信可能なサーバ側通信部35、及び、チャットデータ処理部によって生成されたチャットデータに対してチャット端末装置からタグ情報の設定を変更する旨の要求があった場合、要求に基づいてチャット端末装置に対応するタグ情報を編集するタグ情報編集部38、を有するサーバ30と、サーバ30からチャットデータを取得する通信部43、及び、取得したチャットデータを表示部42に表示させ、チャットデータ処理部で生成され表示部42に表示されたチャットデータに対してタグ情報の設定の変更を要求する旨の操作が入力部41によって入力された場合に、要求をサーバ30に送信する制御部、を有するチャット端末装置40とを備える。
【0124】
本実施形態によれば、ユーザが独自にタグ情報を編集することができるため、よりユーザの要求に適した映像を供給することができる。
【0125】
本実施形態に係るチャットシステム400において、タグ情報設定部34は、更に当該タグ範囲ごとの評価点をタグ情報としてチャット端末装置40ごとに異なる態様で設定し、タグ情報の編集は、タグ情報の削除、タグ範囲の変更、及び評価点の変更の少なくとも1つを含む。これにより、評価点の変更を含めて、よりユーザの要求に適した映像を供給することができる。
【符号の説明】
【0126】
A,B,C,D,H,I…映像データ、E,F,G…ダイジェストデータ、AT1,AT2,BT1,BT2,CT1,CT2,DT1,CT3,DT2,DT3,HT1,HT2,JT1,JT2,KT1,KT2,Ht2…タグ範囲、10…カメラ、20…スコア入力部、30,230,330…サーバ、31…映像データ取得部、32…スコアデータ取得部、33…チャットデータ処理部、34…タグ情報設定部、35,36…映像データ選択部、35…サーバ側通信部、37…ダイジェスト生成部、38…タグ情報編集部,タグ編集部、39,44…記憶部、40,40A…チャット端末装置、41…入力部、42…表示部、42a…映像表示領域、42b…チャット表示領域、42g…グループ表示領域、43…通信部、45…制御部、54…データ取得制御部、55…記憶制御部、56…表示制御部、77…入力内容、78,79…タグ情報、88,88a,88b…サーバメッセージ、89…者メッセージ,他者メッセージ、90…自己メッセージ、91…削除操作部、92…範囲変更操作部、93…評価点変更操作部、100,300,400…チャットシステム