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特許7180599信用情報提供サーバ装置、信用情報提供システム、信用情報提供方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】信用情報提供サーバ装置、信用情報提供システム、信用情報提供方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20221122BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019534045
(86)(22)【出願日】2018-07-23
(86)【国際出願番号】 JP2018027494
(87)【国際公開番号】W WO2019026667
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-06-15
(31)【優先権主張番号】P 2017148175
(32)【優先日】2017-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】新井 宏
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-195510(JP,A)
【文献】特開2007-249706(JP,A)
【文献】特開2014-010835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一時的に海外から来た人を対象に行われた手続の情報であり、前記一時的に海外から来た人を特定する情報、及び、前記一時的に海外から来た人が購入した免税品の情報を含む手続情報を端末装置から取得する情報取得処理手段と、
前記手続情報に基づいて、前記一時的に海外から来た人が与える経済的な影響の予測を示す情報であり、前記免税品の転売の可能性を示す情報を含む信用情報を生成する信用情報生成処理手段と、
前記一時的に海外から来た人を特定する情報に基づいて、特定された前記一時的に海外から来た人の前記信用情報を提供する信用情報提供処理手段と、
を備える信用情報提供サーバ装置。
【請求項2】
前記信用情報生成処理手段は、前記手続情報と、前記一時的に海外から来た人の応対者から入力された付加情報とに基づいて、信用情報を生成する、
請求項1に記載の信用情報提供サーバ装置。
【請求項3】
前記信用情報生成処理手段は、業種別の信用情報である業種別信用情報と、各業種に共通の信用情報である共通信用情報とを生成する、
請求項1又は2に記載の信用情報提供サーバ装置。
【請求項4】
前記信用情報生成処理手段は、前記手続情報と、前記付加情報と、前記手続情報と前記付加情報とから前記信用情報を生成するための信用ルールとに基づいて、前記信用情報を生成する、
請求項2に記載の信用情報提供サーバ装置。
【請求項5】
前記付加情報は、前記応対者によって、定められた項目の質問に対する選択肢の中からの選択にて入力される、
請求項2に記載の信用情報提供サーバ装置。
【請求項6】
前記信用情報は、前記一時的に海外から来た人が前記一時的に海外から来た人の応対者に対して、利益または不利益をもたらす可能性を示す、
請求項1乃至5の何れか一項に記載の信用情報提供サーバ装置。
【請求項7】
信用情報提供サーバ装置と、端末装置とを備え、
前記信用情報提供サーバ装置は、
一時的に海外から来た人を対象に行われた手続の情報であり、前記一時的に海外から来た人を特定する情報、及び、前記一時的に海外から来た人が購入した免税品の情報を含む手続情報を前記端末装置から取得する情報取得処理手段と、
前記手続情報に基づいて、前記一時的に海外から来た人が与える経済的な影響の予測を示す情報であり、前記免税品の転売の可能性を示す情報を含む信用情報を生成する信用情報生成処理手段と、
前記一時的に海外から来た人を特定する情報に基づいて、特定された前記一時的に海外から来た人の前記信用情報を提供する信用情報提供処理手段と、
を備える信用情報提供システム。
【請求項8】
一時的に海外から来た人を対象に行われた手続の情報であり、前記一時的に海外から来た人を特定する情報、及び、前記一時的に海外から来た人が購入した免税品の情報を含む手続情報を端末装置から取得し、
前記手続情報に基づいて、前記一時的に海外から来た人が与える経済的な影響の予測を示す情報であり、前記免税品の転売の可能性を示す情報を含む信用情報を生成し、
前記一時的に海外から来た人を特定する情報に基づいて、特定された前記一時的に海外から来た人の前記信用情報を提供する
ことを含む信用情報提供方法。
【請求項9】
コンピュータに、
一時的に海外から来た人を対象に行われた手続の情報であり、前記一時的に海外から来た人を特定する情報、及び、前記一時的に海外から来た人が購入した免税品の情報を含む手続情報を端末装置から取得させ、
前記手続情報に基づいて、前記一時的に海外から来た人が与える経済的な影響の予測を示す情報であり、前記免税品の転売の可能性を示す情報を含む信用情報を生成させ、
前記一時的に海外から来た人を特定する情報に基づいて、特定された前記一時的に海外から来た人の前記信用情報を提供させる
ためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信用情報提供サーバ装置、信用情報提供システム、信用情報提供方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
訪日外国人が、インバウンドサービスと呼ばれる免税品の購入等のサービスを受けることがある。このインバウンドサービスに関連して幾つかの技術が提案されている。例えば、特許文献1には、免税店で非居住者が免税品(免税対象物品)を購入した際に免税関連書類を効率的に作成するための免税関連書類作成装置が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-66261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
訪日外国人による物やサービスの消費は、免税店などのインバウンドサービス事業者に大きな利益をもたらしている。一方、訪日外国人が免税制度を悪用して転売目的で免税を受け、免税店側が追徴課税された事例など、インバウンドサービス事業者に損害が生じた事例が見受けられる。
【0005】
そこで、インバウンドサービス事業者など訪日外国人への応対者に対して、当該訪日外国人によってインバウンドサービス事業者が受ける利益及び損害の可能性を提示できることが好ましい。その際、訪日外国人への応対者に対し、利益及び損害の可能性をより高精度に提示できることが好ましい。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決することのできる信用情報提供サーバ装置、信用情報提供システム、信用情報提供方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、信用情報提供サーバ装置は、一時的に海外から来た人を対象に行われた手続の情報である手続情報を端末装置から取得する情報取得処理部と、前記手続情報に基づいて、前記一時的に海外から来た人が与える経済的な影響の予測を示す信用情報を生成する信用情報生成処理部と、一時的に海外から来た人を特定する情報に基づいて、特定された一時的に海外から来た人の前記信用情報を提供する信用情報提供処理部と、を備える。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、信用情報提供システムは、信用情報提供サーバ装置と、端末装置とを備え、前記信用情報提供サーバ装置は、一時的に海外から来た人を対象に行われた手続の情報である手続情報を端末装置から取得する情報取得処理部と、前記手続情報に基づいて、前記一時的に海外から来た人が与える経済的な影響の予測を示す信用情報を生成する信用情報生成処理部と、一時的に海外から来た人を特定する情報に基づいて、特定された一時的に海外から来た人の前記信用情報を提供する信用情報提供処理部と、を備える。
【0009】
本発明の第3の態様によれば、信用情報提供方法は、一時的に海外から来た人を対象に行われた手続の情報である手続情報を端末装置から取得し、前記手続情報に基づいて、前記一時的に海外から来た人が与える経済的な影響の予測を示す信用情報を生成し、一時的に海外から来た人を特定する情報に基づいて、特定された一時的に海外から来た人の前記信用情報を提供することを含む。
【0010】
本発明の第4の態様によれば、プラグラムは、コンピュータに、一時的に海外から来た人を対象に行われた手続の情報である手続情報を端末装置から取得させ、前記手続情報に基づいて、前記一時的に海外から来た人が与える経済的な影響の予測を示す信用情報を生成させ、一時的に海外から来た人を特定する情報に基づいて、特定された一時的に海外から来た人の前記信用情報を提供させ
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、訪日外国人への応対者に対し、当該訪日外国人によってインバウンドサービス事業者が受ける利益及び損害の可能性を比較的高精度に提示できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る信用情報提供システムの装置構成例を示す概略構成図である。
図2】同実施形態に係る信用情報提供サーバ装置の機能構成を示す概略ブロック図である。
図3】同実施形態にて、免税店に来店した訪日外国人に応対する場合の信用情報提供システムの処理手順の例を示す図である。
図4】同実施形態にて、税関検査を受ける訪日外国人に応対する場合の信用情報提供システムの処理手順の例を示す図である。
図5】本発明に係る信用情報提供サーバ装置の最小構成の例を示す図である。
図6】本発明に係る信用情報提供システムの最小構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る信用情報提供システムの装置構成例を示す概略構成図である。図1に示すように、信用情報提供システム1は、信用情報提供サーバ装置100と複数の端末装置200とを備える。
【0015】
信用情報提供システム1は、例えば免税店の店員及び税関職員など、訪日外国人への応対者に対し、訪日外国人に関する情報を提供する。特に、信用情報提供システム1は、訪日外国人の信用情報を提供する。ここでいう訪日外国人の信用情報は、訪日外国人が優良顧客であるとの情報、又は、訪日外国人が免税品を不正に転売する可能性を示す情報など、訪日外国人がインバウンドサービス事業者(店舗又はホテル)等に対して利益又は損害をもたらす可能性を示す情報である。ここでの利益又は損害は、経済的な影響の例に該当する。
【0016】
訪日外国人を一時的に海外から来た人とも称する。免税手続を受ける訪日外国人を、免税対象者とも称する。
【0017】
信用情報は、訪日外国人に対してインバウンドサービスを提供するか否かの判定を行うために用いられる。例えば免税店の場合、信用情報は、免税対象者に対して免税手続を実施するか否かの判定を行うための情報として用いられる。
【0018】
信用情報提供サーバ装置100は、複数の端末装置200の各々からの情報を集約し、集約した情報に基づいて信用情報を生成する。また、信用情報提供サーバ装置100は、端末装置200からの要求に応じて信用情報を提供する。
【0019】
信用情報提供サーバ装置100は、例えばワークステーションなどのコンピュータを用いて構成される。
【0020】
端末装置200は、信用情報提供システム1におけるユーザインタフェースとして機能する。特に、端末装置200は、信用情報提供サーバ装置100から受信した情報を表示し、また、ユーザが入力した情報を信用情報提供サーバ装置100へ送信する。
【0021】
端末装置200のユーザであるインバウンドサービス事業者が訪日外国人に応対する際、端末装置200は、ユーザ操作に従って訪日外国人の信用情報を信用情報提供サーバ装置100に要求し、得られた信用情報を表示する。
【0022】
また、端末装置200は、ユーザが応対した訪日外国人に関する情報を、ユーザ操作に従って信用情報提供サーバ装置100へ送信する。特に、端末装置200は、インバウンド手続情報と付加情報とを信用情報提供サーバ装置100へ送信する。
【0023】
ここでいうインバウンド手続情報は、訪日外国人を対象に行われた手続の情報である。
例えば免税店の場合、インバウンド手続情報は、免税店の従業員が免税対象者に実施した手続の情報である。免税対象者に実施した手続の情報とは、例えば、購入者情報(免税品を購入する訪日外国人を特定する情報)や購買情報(購入した免税品、その数量及び価格等を示す情報)等、免税書類に記載する情報である。ここでいう免税書類とは、訪日外国人が免税を受けるための手続(免税手続)のために作成される書類である。免税手続の場合のインバウンド手続情報を免税情報とも称する。
【0024】
インバウンド手続情報が、これら購入者情報及び購買情報を含んでいてもよい。インバウンド手続情報が、購入者情報として、例えば国籍及びパスポート番号などのパスポート情報を含むようにしてもよい。また、インバウンド手続情報が、購買情報として、上記のように訪日外国人が購入した免税品、その数量及び価格等を示す情報を含むようにしてもよい。
【0025】
また、ホテルなど宿泊施設の場合、インバウンド手続情報は、宿泊者名簿に記載された情報である。宿泊者名簿に記載された情報とは、例えば、国籍及びパスポート番号である。インバウンド手続情報が、これら国籍及びパスポート番号を含むようにしてもよい。
【0026】
インバウンド手続情報を、単に、手続情報とも称する。
【0027】
また、ここでいう付加情報は、訪日外国人に関する情報であり、インバウンド手続情報が示す内容以外の内容を含む情報である。付加情報は、例えば、提供したサービスの情報、提供サービスに対する反応の情報である。付加情報は、提供したサービスの情報、提供サービスに対する反応の情報の何れか一方又は両方を含んでいてもよい。
【0028】
例えば、免税店の場合、プレミアム会員か否か、ポイントカード利用の有無、転売業者か否か等の情報が、付加情報の例として挙げられる。宿泊施設の場合、備品等の盗難又は破損の有無、無断キャンセルの有無、プレミアム会員か否か、施設内での高額消費の有無等の情報が、付加情報の例として挙げられる。レンタカー業者の場合、事故の有無、備品の破損の有無等の情報が、付加情報の例として挙げられる。税関の場合、税関検査の結果(没収品の有無及び課税徴収の有無)等の情報が、付加情報の例として挙げられる。
【0029】
付加情報は、インバウンド手続情報が示す内容以外の内容を含んでいればよく、付加情報の一部は、インバウンド手続情報の一部又は全部と同じ内容となっていてもよい。
【0030】
なお、付加情報が、予め定められた項目の質問に対して予め定められた回答選択肢の中から選択された情報を含んでいてもよい。
【0031】
例えば訪日外国人への応対終了後に、端末装置200がユーザ操作に応じて業種別の入力画面を表示するようにしてもよい。端末装置200がアプリケーションプログラムの実行にて入力画面を表示するようにしてもよいし、入力画面として作られている信用情報提供サーバ装置100のウェブページを表示するようにしてもよい。そして、端末装置200が、入力画面に表示された回答選択肢の何れかを選択するユーザ操作(例えばマウスクリック又はタッチ操作)を受けることで、付加情報の入力を受けるようにしてもよい。
【0032】
インバウンド手続情報、付加情報ともにパスポート番号を含むなど、インバウンド手続情報と、付加情報とが、情報の対象者である訪日外国人を特定するための情報として同一の情報を含むようにしてもよい。これにより、信用情報提供システム1は、同一人物のインバウンド手続情報と付加情報との対応付けを容易に行える。
【0033】
例えば、インバウンド手続情報、付加情報ともにパスポート番号を含み、信用情報提供サーバ装置100が、インバウンド手続情報及び付加情報をパスポート番号毎に分類するようにしてもよい。そして、信用情報提供サーバ装置100が、パスポート番号毎に分類したインバウンド手続情報及び付加情報に基づいて、パスポート番号が識別する訪日外国人毎に、信用情報を生成及び更新するようにしてもよい。
【0034】
端末装置200が、インバウンドサービス提供用書類作成機能を有し、書類作成のために入力される情報に基づいてインバウンド手続情報を生成するようにしてもよい。あるいは、ユーザが、インバウンドサービス提供用書類を参照して端末装置200に情報を入力するようにしてもよい。あるいは、端末装置200が、インバウンドサービス提供用書類をスキャンして情報を抽出し、インバウンド手続情報を自動生成するようにしてもよい。
【0035】
ここでいうインバウンドサービス提供用書類は、インバウンドサービスの提供のために作成される書類である。免税書類はインバウンドサービス提供用書類の例に該当する。
【0036】
端末装置200としていろいろな情報機器を用いることができる。例えば、端末装置200が、ノートパソコン、ラップトップパソコン、タブレット端末装置、又は、スマートフォンを用いて構成されていてもよい。
【0037】
信用情報を参照するための端末装置200と、訪日外国人に関する情報を送信するための端末装置200とが、1つの端末装置200として構成されていてもよいし、別々の端末装置200として構成されていてもよい。また、訪日外国人に関する情報のうちインバウンド手続情報を送信するための端末装置200と、付加情報を送信するための端末装置200とが、1つの端末装置200として構成されていてもよいし、別々の端末装置200として構成されていてもよい。
【0038】
信用情報提供サーバ装置100と端末装置200との通信の形態は、特定の形態に限定されない。例えば、信用情報提供サーバ装置100と端末装置200とが、有線で通信接続されるようにしてもよいし、無線で通信接続されるようにしてもよい。また、信用情報提供サーバ装置100と端末装置200とがインターネット等の通信ネットワークを介して通信を行うようにしてもよい。
【0039】
図2は、信用情報提供サーバ装置100の機能構成を示す概略ブロック図である。図2に示すように、信用情報提供サーバ装置100は、通信部110と、表示部120と、操作入力部130と、記憶部180と、制御部190とを備える。記憶部180は、手続情報記憶部181と、付加情報記憶部182と、信用ルール記憶部183と、業種別信用情報記憶部184と、共通信用情報記憶部185と、提供ルール記憶部186とを備える。
制御部190は、情報取得処理部191と、信用情報生成処理部192と、信用情報提供処理部193とを備える。
【0040】
通信部110は、他の装置と通信を行う。特に、通信部110は、端末装置200の各々と通信を行う。
【0041】
表示部120は、例えば液晶パネル又はLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)パネル等の表示画面を有し、各種画像を表示する。操作入力部130は、例えばキーボード及びマウス等の入力デバイスを備え、ユーザ操作を受ける。
【0042】
表示部120及び操作入力部130は、例えば、信用情報及び信用ルールなど、信用情報提供サーバ装置100が記憶している情報の修正、追加、及び削除を行うためのユーザインタフェースとして用いられる。また、表示部120及び操作入力部130は、信用情報提供サーバ装置100のシャットダウン等の運用操作、及び、信用情報提供サーバ装置100のメンテナンスを行うためのユーザインタフェースとして用いられる。
【0043】
但し、表示部120及び操作入力部130は、信用情報提供サーバ装置100の本体に必須ではない。例えば、信用情報提供サーバ装置100が信用情報提供サーバ装置100自らへの操作用の端末装置を備えて構成されていてもよい。この場合、信用情報提供サーバ装置100の本体に、表示部120及び操作入力部130が設けられていなくてもよい。
【0044】
記憶部180は、各種情報を記憶する。記憶部180は、信用情報提供サーバ装置100が備える記憶デバイスを用いて構成される。
【0045】
手続情報記憶部181は、インバウンド手続情報を記憶する。
【0046】
付加情報記憶部182は、付加情報を記憶する。
【0047】
信用ルール記憶部183は、信用ルールを記憶する。ここでいう信用ルールは、インバウンド手続情報及び付加情報のいずれか一方又は両方から信用情報を生成するための規則である。
【0048】
上述したように、訪日外国人の信用情報は訪日外国人がインバウンドサービス事業者に対して利益又は損害をもたらす可能性を示す情報である。例えば、信用情報は、「優良」又は「要注意」のいずれかを示す情報であってもよい。
【0049】
信用ルール記憶部183は、業種別の信用情報を生成するための信用ルールである業種別信用ルールと、各業種に共通の信用情報を生成するための信用ルールである共通信用ルールとを記憶している。
【0050】
例えば免税店の場合、業種別の信用情報を生成するための信用ルールの例として、同一人物が短期間で複数の免税店において所定回数(購入者が個人的な範囲で使用するための購入とは思えない回数)以上、免税物品を購入している場合は、信用情報を「要注意」とする、というルールを挙げることができる。この場合、訪日外国人が違法な転売業者である可能性があることから、信用情報を「要注意」としている。この場合の信用情報を「転売業者の可能性有り」など、具体的な注意事項を示す情報にしてもよい。
【0051】
各業種に共通の信用情報を生成するための信用ルールの例として、免税品購入や宿泊に関係なく全体として見た消費額合計が大きい傾向があり、かつ、来日頻度が高い場合、信用情報を「優良」とする、というルールを挙げることができる。ここでいう「消費額合計が大きい傾向」の判定基準は、例えば、消費額合計が所定額以上であってもよいし、1回の来日当たりの消費額合計が所定額以上であってもよい。ここでいう「来日頻度が高い」の判定基準は、例えば、通算来日回数が所定回以上であってもよいし、直近所定期間における来日回数が所定回数以上であってもよい。
【0052】
信用ルール記憶部183が記憶している信用ルールは修正、追加、及び削除可能となっていてもよい。例えば、信用情報提供サーバ装置100の管理者が、信用ルール記憶部183が記憶している信用ルールを定期的に確認し、必要に応じて修正、追加、及び削除するようにしてもよい。
【0053】
あるいは、信用情報提供サーバ装置100の管理者以外の人又は装置が、信用ルールを修正、追加、及び削除可能であってもよい。例えば、信用情報提供システム1から見て外部の装置又はシステムが、信用ルールを修正、追加、及び削除するようにしてもよい。この場合、例えば警察からの注意喚起情報など端末装置200以外からの情報に基づいて、外部の装置又はシステムが自動で又はユーザ操作に従って新たな信用ルールを作成するようにしてもよい。そして、外部の装置又はシステムが、生成した信用ルールを、信用ルール記憶部183が記憶している信用ルールに追加又は差し替えるようにしてもよい。
【0054】
業種別信用情報記憶部184は、業種別の信用情報(業種別信用ルールを用いて生成された信用情報)を記憶する。業種別の信用情報を、業種別信用情報とも称する。
【0055】
業種別信用情報記憶部184が記憶している業種別信用情報は修正、追加、及び削除可能となっていてもよい。例えば、信用情報提供サーバ装置100の管理者が、業種別信用情報記憶部184が記憶している業種別信用情報を定期的にあるいは業種別信用情報が新たに登録されたときに確認し、必要に応じて修正、追加、及び削除するようにしてもよい。
【0056】
あるいは、信用情報提供サーバ装置100の管理者以外の人又は装置が、業種別信用情報を修正、追加、及び削除可能であってもよい。例えば、信用情報提供システム1から見て外部の装置又はシステムが、業種別信用情報を修正、追加、及び削除するようにしてもよい。この場合、例えば警察からの注意喚起情報など端末装置200以外からの情報に基づいて、外部の装置又はシステムが自動で又はユーザ操作に従って新たな業種別信用情報を作成するようにしてもよい。そして、外部の装置又はシステムが、生成した業種別信用情報を、業種別信用情報記憶部184が記憶している業種別信用情報に追加又は差し替えるようにしてもよい。
【0057】
共通信用情報記憶部185は、各業種に共通の信用情報(共通信用ルールを用いて生成された信用情報)を記憶する。各業種に共通の信用情報を、共通信用情報とも称する。
【0058】
共通信用情報記憶部185が記憶している共通信用情報は修正、追加、及び削除可能となっていてもよい。例えば、信用情報提供サーバ装置100の管理者が、共通信用情報記憶部185が記憶している共通信用情報を定期的にあるいは共通信用情報が新たに登録されたときに確認し、必要に応じて修正、追加、及び削除するようにしてもよい。
【0059】
あるいは、信用情報提供サーバ装置100の管理者以外の人又は装置が、共通信用情報を修正、追加、及び削除可能であってもよい。例えば、信用情報提供システム1から見て外部の装置又はシステムが、共通信用情報を修正、追加、及び削除するようにしてもよい。この場合、例えば警察からの注意喚起情報など端末装置200以外からの情報に基づいて、外部の装置又はシステムが自動で又はユーザ操作に従って新たな共通信用情報を作成するようにしてもよい。そして、外部の装置又はシステムが、生成した共通信用情報を、共通信用情報記憶部185が記憶している共通信用情報に追加又は差し替えるようにしてもよい。
【0060】
提供ルール記憶部186は、提供ルールを記憶している。ここでいう提供ルールは、信用情報の要求元に応じて、提供する業種別信用情報を選択するためのルールである。
【0061】
例えば、信用情報の要求元が免税店である場合、提供ルール記憶部186が記憶している提供ルールによれば、免税手続に関する業種別信用情報を選択する。信用情報の要求元がホテルである場合、提供ルール記憶部186が記憶している提供ルールによれば、宿泊手続に関する業種別信用情報を選択する。
【0062】
提供ルール記憶部186が記憶している提供ルールは修正、追加、及び削除可能となっていてもよい。例えば、信用情報提供サーバ装置100の管理者が、提供ルール記憶部186が記憶している提供ルールを定期的に確認し、必要に応じて修正、追加、及び削除するようにしてもよい。
【0063】
また、提供ルール記憶部186が記憶している提供ルールを、ユーザの申告に基づいて修正、追加、及び削除可能となっていてもよい。例えば、ユーザが業種又は具体的な業務内容を自己申告し、信用情報提供サーバ装置100の管理者が、ユーザの自己申告に基づいて提供ルールを修正、追加、及び削除するようにしてもよい。
【0064】
制御部190は、信用情報提供サーバ装置100の各部を制御して各種処理を実行する。制御部190は、例えば信用情報提供サーバ装置100が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が記憶部180からプログラムを読み出して実行することで構成される。
【0065】
情報取得処理部191は、訪日外国人に関する情報を端末装置200から取得する。
【0066】
具体的には、情報取得処理部191は、インバウンド手続情報と付加情報とを取得する。情報取得処理部191は、通信部110が端末装置200から受信したデータからこれらの情報を抽出する。
【0067】
例えば、免税店の端末装置200は、上記のようにインバウンド手続情報として購入者情報及び購買情報を送信し、情報取得処理部191は、これらの情報を抽出する。購入者情報及び購買情報は、訪日外国人の免税品購入状況を示す情報の例に該当する。
【0068】
信用情報生成処理部192は、情報取得処理部191が取得した情報に基づいて訪日外国人の信用情報を生成する。具体的には、信用情報生成処理部192は、情報取得処理部191が端末装置200から取得したインバウンド手続情報及び付加情報の何れか一方又は両方を業種別信用ルールに適用して業種別信用情報を生成する。また、信用情報生成処理部192は、情報取得処理部191が端末装置200から取得したインバウンド手続情報及び付加情報の何れか一方又は両方を共通信用ルールに適用して共通信用情報を生成する。
【0069】
信用情報生成処理部192は、生成した業種別信用情報を業種別信用情報記憶部184に記憶させる。また、信用情報生成処理部192は、生成した共通信用情報を共通信用情報記憶部185に記憶させる。
【0070】
例えば、信用情報生成処理部192は、免税店の端末装置200からの情報に基づいて、訪日外国人による免税品の転売の可能性に応じた信用情報を生成する。
【0071】
信用情報生成処理部192が、個人単位で信用情報を生成するようにしてもよいし、例えば同室に宿泊する家族、又は、国籍や年齢等が同じグループなどグループ単位で信用情報を生成するようにしてもよい。
【0072】
信用情報提供処理部193は、訪日外国人を特定する情報に応じて、特定された訪日外国人の信用情報を提供する。具体的には、信用情報提供処理部193は、端末装置200からの信用情報の照会に対し、照会対象の訪日外国人の業種別信用情報のうち、照会元の業種に応じた業種別信用情報を業種別信用情報記憶部184から読み出し、通信部110を制御して照会元の端末装置200へ送信させる。また、信用情報提供処理部193は、照会対象の訪日外国人の共通信用情報を共通信用情報記憶部185から読み出し、通信部110を制御して照会元の端末装置200へ送信させる。
【0073】
照会元の業種に応じた業種別信用情報の特定については、例えば、提供ルール記憶部186が、照会元の端末装置200の識別情報の入力を受けて業種毎の業種別信用情報を選択する提供ルールを記憶しておく。そして、信用情報提供処理部193は、照会元の端末装置200の識別情報を提供ルールに適用することで、照会元の業種に応じた業種別信用情報を選択する。
【0074】
あるいは、信用情報提供処理部193が、端末装置200の識別情報と業種との対応表を予め記憶しておき、この対応表に基づいて照会元の業種を特定するようにしてもよい。
この場合、提供ルール記憶部186が、業種に基づいて業種別信用情報を選択する提供ルールを記憶しておき、信用情報提供処理部193がこの提供ルールを用いて照会元の業種に応じた業種別信用情報を特定するようにしてもよい。 また、照会対象の訪日外国人の特定については、例えば、端末装置200が信用情報の照会にパスポート情報を含めて送信し、信用情報提供処理部193は、このパスポート情報から照会対象の訪日外国人を特定する。
【0075】
次に、図3及び図4を参照して信用情報提供システム1の動作について説明する。
【0076】
図3は、免税店に来店した訪日外国人に応対する場合の信用情報提供システム1の処理手順の例を示す図である。
【0077】
図3の処理で、訪日外国人910が購入商品を決定して店員920に免税を依頼すると(シーケンスS111)、店員920は、端末装置200を免税店用の端末装置として動作させるためのアプリケーションプログラムを起動させる操作を行う(シーケンスS112)。端末装置200は、店員920の操作に応じてアプリケーションプログラムを起動させる(シーケンスS113)。
【0078】
なお、端末装置200が免税店用の端末装置専用に用いられる場合、端末装置200が免税店用のアプリケーションプログラムを常駐させるようにしてもよい。この場合、シーケンスS112及びS113の処理は不要である。
【0079】
次に、店員920は、訪日外国人910のパスポート情報を端末装置200に入力する(シーケンスS114)。ここでいうパスポート情報は、パスポートに記載ないし記憶されている情報である。パスポート情報には、訪日外国人910を特定する識別情報が含まれる。
【0080】
例えば、端末装置200がパスポート情報を読み取るパスポートリーダを備え、店員920が、訪日外国人910のパスポートにパスポートリーダを当ててパスポート情報を読み取らせるようにしてもよい。
【0081】
パスポート情報の入力を受けた端末装置200は、パスポート情報を信用情報提供サーバ装置100へ送信して信用情報を照会する(シーケンスS115)。
【0082】
端末装置200からの照会を受けた信用情報提供サーバ装置100では、信用情報提供処理部193が照会元の判定を行い(シーケンスS121)、判定結果に応じて業種別信用情報及び共通信用情報を読み出す(シーケンスS122)。
【0083】
例えば上記のように、信用情報提供処理部193は、受信信号から照会元の端末装置200の識別情報を抽出し、得られた識別情報を提供ルールに適用して照会元の業種に応じた業種別信用情報を選択する。さらに、信用情報提供処理部193は、得られた業種別信用情報のうち、パスポート情報で特定される訪日外国人の業種別信用情報を絞り込む。また、信用情報提供処理部193は、共通信用情報記憶部185から、パスポート情報で特定される訪日外国人の共通信用情報を読み出す。
【0084】
信用情報を読み出した信用情報提供処理部193は、通信部110を制御して、得られた信用情報(業種別信用情報及び共通信用情報)を照会元の端末装置200へ送信する(シーケンスS123)。
【0085】
端末装置200は、信用情報提供サーバ装置100から取得した信用情報を表示する(シーケンスS131)。
【0086】
店員920は、端末装置200が表示する信用情報を参照して、訪日外国人910へサービス提供の可否を判定する(シーケンスS132)。
【0087】
図3の例では、店員920は、サービス提供可と判定して訪日外国人910にサービスを提供している(シーケンスS133)。具体的には、店員920は、訪日外国人910の免税依頼に応じて、免税書類を作成し訪日外国人910に渡す。
【0088】
なお、シーケンスS132でサービス提供不可と判定した場合、店員920は、訪日外国人910に対してサービスの提供を行わず、サービスを提供できない旨を回答する。一方、シーケンス S132で信用情報に基づいて訪日外国人910を優良顧客と判定した場合、店員920が、免税書類の作成に加えて、VIPルームへの案内などリピート率を高めるための特別サービスを提供するようにしてもよい。
【0089】
店員920は、訪日外国人910への応対を完了すると、免税情報及び付加情報を端末装置200へ入力する(シーケンスS134)。ここでいう免税情報は、購入者情報及び購入情報など、免税書類に記載した情報である。
【0090】
シーケンスS132でサービス提供不可と判定した場合、店員920は、免税書類を提供しなかった旨及び付加情報を、シーケンスS134で端末装置200に入力する。
【0091】
免税情報及び付加情報の入力を受けた端末装置200は、入力された免税情報及び付加情報を信用情報提供サーバ装置100へ送信する(シーケンスS135)。
【0092】
端末装置200から免税情報及び付加情報を受信した信用情報提供サーバ装置100では、情報取得処理部191が、免税情報を手続情報記憶部181に記憶させ、付加情報を付加情報記憶部182に記憶させる(シーケンスS141)。具体的には、通信部110が端末装置200から受信した受信データから、情報取得処理部191が、免税情報及び付加情報の何れか一方又は両方を抽出する。免税情報を抽出した場合、情報取得処理部191は、抽出した免税情報を手続情報記憶部181に記憶させる。付加情報を抽出した場合、情報取得処理部191は、抽出した付加情報を手続情報記憶部181に記憶させる。
【0093】
また、信用情報生成処理部192が、免税情報及び付加情報を信用ルールに適用して業種別信用情報及び共通信用情報を生成し、業種別信用情報記憶部184及び共通信用情報記憶部185に記憶させる(シーケンスS142)。
【0094】
具体的には、シーケンスS141で手続情報記憶部181が免税情報を新たに記憶した場合、信用情報生成処理部192は、この新たに記憶された免税情報を手続情報記憶部181から読み出す。また、シーケンスS141で付加情報記憶部182が付加情報を新たに記憶した場合、信用情報生成処理部192は、この新たに記憶された付加情報を付加情報記憶部182から読み出す。さらに、信用情報生成処理部192は、信用ルール記憶部183から業種別信用ルールと共通信用ルールとを読み出す。
【0095】
そして、信用情報生成処理部192は、読み出した免税情報及び付加情報の何れか一方又は両方を、読み出した業種別信用ルールに適用して、業種別信用情報を生成する。信用情報生成処理部192は、生成した業種別信用情報を業種別信用情報記憶部184に記憶させる。
【0096】
また、信用情報生成処理部192は、読み出した免税情報及び付加情報の何れか一方又は両方を、読み出した共通信用ルールに適用して、共通信用情報を生成する。信用情報生成処理部192は、生成した共通信用情報を共通信用情報記憶部185に記憶させる。
【0097】
シーケンスS142の後、図3の処理を終了する。
【0098】
図4は、税関検査を受ける訪日外国人に応対する場合の信用情報提供システム1の処理手順の例を示す図である。
【0099】
図4の処理で、訪日外国人910が税関職員930に購入商品を提示して免税書類を提出すると(シーケンスS211)、税関職員930は、端末装置200を税関用の端末装置として動作させるためのアプリケーションプログラムを起動させる操作を行う(シーケンスS212)。端末装置200は、税関職員930の操作に応じてアプリケーションプログラムを起動させる(シーケンスS213)。
【0100】
なお、端末装置200が税関用の端末装置専用に用いられる場合、端末装置200が税関用のアプリケーションプログラムを常駐させるようにしてもよい。この場合、シーケンスS212及びS213の処理は不要である。
【0101】
次に、税関職員930は、訪日外国人910のパスポート情報を端末装置200に入力する(シーケンスS214)。パスポート情報の入力を受けた端末装置200は、パスポート情報を信用情報提供サーバ装置100へ送信して信用情報を照会する(シーケンスS215)。シーケンスS214及びS215の処理は、図3のシーケンスS114及びS115の処理と同様である。
【0102】
端末装置200からの照会を受けた信用情報提供サーバ装置100では、信用情報提供処理部193が照会元の判定を行い(シーケンスS221)、判定結果に応じて業種別信用情報及び共通信用情報を読み出す(シーケンスS222)。信用情報を読み出した信用情報提供処理部193は、通信部110を制御して、得られた信用情報(業種別信用情報及び共通信用情報)を照会元の端末装置200へ送信させる(シーケンスS223)。
【0103】
シーケンスS221~S223の処理は、信用情報提供処理部193が、免税店用の業種別信用情報に代えて税関用の業種別信用情報を選択する点以外は、図3のシーケンスS121~S123の処理と同様である。
【0104】
端末装置200は、信用情報提供サーバ装置100から取得した信用情報を表示する(シーケンスS231)。
【0105】
税関職員930は、端末装置200が表示する信用情報を、税関検査の参考情報として、免税書類及び免税物品の確認を行う(シーケンスS232)。例えば、信用情報が要注意を示す場合、税関職員930が、免税書類及び免税物品を入念に確認するようにしてもよい。
【0106】
訪日外国人910への税関手続を完了した後、税関職員930は、端末装置200に付加情報を入力する(シーケンスS233)。端末装置200は、入力された付加情報を信用情報提供サーバ装置100へ送信する(シーケンスS234)。
【0107】
端末装置200から付加情報を受信した信用情報提供サーバ装置100では、情報取得処理部191が、付加情報を付加情報記憶部182に記憶させる(シーケンスS241)。
【0108】
また、信用情報生成処理部192が、付加情報を信用ルールに適用して業種別信用情報及び共通信用情報を生成し、業種別信用情報記憶部184及び共通信用情報記憶部185に記憶させる(シーケンスS242)。
【0109】
シーケンスS242の後、図4の処理を終了する。
【0110】
以上のように、情報取得処理部191は、インバウンド手続情報を端末装置から取得する。信用情報生成処理部192は、得られた情報に基づいて信用情報を生成する。信用情報提供処理部193は、訪日外国人を特定する情報に応じて、特定された訪日外国人の信用情報を提供する。
【0111】
これにより、信用情報提供システム1は、訪日外国人への応対者に対して当該訪日外国人の信用情報を提示することで、利益及び損害の可能性を提示できる。
【0112】
特に、信用情報提供システム1が、複数の端末装置200から得られた情報に基づく信用情報を提示することができ、訪日外国人への応対者に対し、利益及び損害の可能性を比較的高精度に提示できる。例えば、照会対象の訪日外国人の照会元の店舗への入店履歴が無い場合でも、信用情報提供システム1は、他の店舗におけるこの訪日外国人の情報に基づいて、信用情報を提示することができる。
【0113】
信用情報は、訪日外国人がインバウンドサービス事業者に対して、利益または不利益をもたらす可能性を示す情報であってもよい。
【0114】
免税対象者に応対する応対者は、この信用情報を参照して、免税対象者が店舗に対して利益または不利益をもたらす可能性を把握することができ、この免税対象者に対して免税手続を実施するか否かを決定する参考とすることができる。
【0115】
また、インバウンド手続情報は、免税対象者である訪日外国人が購入した免税品の情報を含んでいてもよい。この場合、情報取得処理部191は、訪日外国人が購入した免税品の情報を含むインバウンド手続情報を取得する。信用情報生成処理部192は、インバウンド手続情報に基づいて、例えば、訪日外国人による免税品の転売の可能性に応じた信用情報を生成する。信用情報は、免税対象者が免税品を転売する可能性を示す情報であってもよい。
【0116】
免税店の店員は、応対中の訪日外国人の信用情報を参照して、この訪日外国人が免税品を転売する可能性を判定し、転売する可能性が高いと判定した場合には免税のサービス提供を行わないことができる。これにより、訪日外国人が商品転売して店舗が追徴課税される又は信用を低下させるなど、店舗に被害が及ぶ可能性を低減させることができる。
【0117】
また、情報取得処理部191は、付加情報を取得する。信用情報生成処理部192は、インバウンド手続情報と付加情報とに基づいて信用情報を生成する。信用情報生成処理部192が、インバウンド手続情報だけでなく付加情報に基づいて信用情報を生成する点で、信用情報生成処理部192は、より精度の高い信用情報を生成することができる。
【0118】
信用情報生成処理部192が、免税対象者への応対者から入力された付加情報に基づいて信用情報を生成するようにしてもよい。
【0119】
信用情報生成処理部192が、実際に免税対象者に対応した応対者から入力された付加情報に基づいて信用情報を生成する点で、より精度の高い信用情報を生成することができる。
【0120】
付加情報の入力の仕方には柔軟性がある。すなわち、付加情報の入力の仕方としていろいろな入力の仕方を用いることができる。例えば、業種に応じてユーザが予め入力項目を定めておくようにしてもよい。あるいは、ユーザが、必須の入力項目を予め定めておき、必須の入力項目以外の入力項目を任意入力としてもよい。また、手書き入力の項目が設けられていてもよいし、画像を入力する項目が設けられていてもよい。
【0121】
また、上記のように、付加情報の入力として選択入力が可能であってもよい。従って、付加情報は、訪日外国人への応対者が、予め定められた項目の質問に対して予め定められた回答選択肢の中から回答を選択して得られた情報を含んでいてもよい。付加情報を入力する応対者(端末装置200のユーザ)は、応対時の事実に基づいて回答選択肢の何れかを回答することで付加情報を入力することができる。この点で、応対者が付加情報を入力する負荷を軽減することができる。
【0122】
また、信用情報生成処理部192は、業種別信用情報と、共通信用情報とを生成する。
【0123】
これにより、信用情報提供システム1は、業種別信用情報のみを提供する場合よりも多様な情報をユーザに提供することができる。この点で、ユーザは、信用情報提供システム1が提供する情報を参照して訪日外国人への応対をより適切に決定することができる。
【0124】
特に、照会対象の訪日外国人が、照会元の店舗の業種の利用履歴が浅い場合でも、信用情報提供システム1は、他の業種に関して得られた共通信用情報をユーザに提供することができる。例えば、ホテル利用回数は多いが免税店を初めて利用する訪日外国人について、免税店が信用情報を照会した場合、信用情報提供システム1は、この訪日外国人のホテル利用にて得られた共通信用情報を免税店の店員に提示することができる。
【0125】
また、端末装置200に訪日外国人の情報を入力するユーザ(端末装置200を使用する者)は、訪日外国人を対象に行われた手続の情報であるインバウンド手続情報を入力すればよい。例えば、ユーザは、手続の際に作成した書類の記載事項をインバウンド手続情報として端末装置200に入力すればよい。ユーザが新たな情報を生成する必要がない点で、ユーザが端末装置200に情報を入力する負荷が軽くて済む。
【0126】
さらに、端末装置200が書類作成用の装置としても機能する場合、書類作成のための入力情報をインバウンド手続情報としても用いることができる。ユーザがインバウンド手続情報の入力操作を別途行う必要がない点で、ユーザの負荷を軽減することができる。
【0127】
次に、図5及び図6を参照して本発明の最小構成について説明する。
【0128】
図5は、本発明に係る信用情報提供サーバ装置の最小構成の例を示す図である。図5に示す信用情報提供サーバ装置10は、情報取得処理部11と、信用情報生成処理部12と、信用情報提供処理部13とを備える。
【0129】
かかる構成にて、情報取得処理部11は、一時的に海外から来た人を対象に行われた手続の情報である手続情報を端末装置から取得する。信用情報生成処理部12は、手続情報に基づいて、一時的に海外から来た人が与える経済的な影響の予測を示す信用情報を生成する。信用情報提供処理部13は、一時的に海外から来た人を特定する情報に基づいて、特定された一時的に海外から来た人の信用情報を提供する。
【0130】
これにより、信用情報提供サーバ装置10は、訪日外国人(一時的に海外から来た人)の信用情報を端末装置に送信して、当該訪日外国人への応対者に対して当該訪日外国人の信用情報を提示させることで、利益及び損害の可能性を応対者に提示できる。
【0131】
特に、信用情報提供サーバ装置10が、複数の端末装置から得られた情報に基づく信用情報を提供することができ、訪日外国人への応対者に対し、利益及び損害の可能性を比較的高精度に提示できる。例えば、照会対象の訪日外国人の照会元の店舗への入店履歴が無い場合でも、信用情報提供サーバ装置10は、他の店舗におけるこの訪日外国人の情報に基づいて、信用情報を提供することができる。
【0132】
図6は、本発明に係る信用情報提供システムの最小構成の例を示す図である。図6に示す信用情報提供システム2は、信用情報提供サーバ装置20と、1つ以上の端末装置24とを備える。信用情報提供サーバ装置20は、情報取得処理部21と、信用情報生成処理部22と、信用情報提供処理部23とを備える。
【0133】
かかる構成にて、情報取得処理部21は、一時的に海外から来た人を対象に行われた手続の情報である手続情報を端末装置24から取得する。信用情報生成処理部22は、手続情報に基づいて、一時的に海外から来た人が与える経済的な影響の予測を示す信用情報を生成する。信用情報提供処理部23は、一時的に海外から来た人を特定する情報に基づいて、特定された一時的に海外から来た人の信用情報を提供する。
【0134】
これにより、信用情報提供システム2は、訪日外国人(一時的に海外から来た人)への応対者に対して当該訪日外国人の信用情報を提示することで、利益及び損害の可能性を応対者に提示できる。
【0135】
特に、信用情報提供システム2が、複数の端末装置24から得られた情報に基づく信用情報を提供することができ、訪日外国人への応対者に対し、利益及び損害の可能性を比較的高精度に提示できる。例えば、照会対象の訪日外国人の照会元の店舗への入店履歴が無い場合でも、信用情報提供システム2は、他の店舗におけるこの訪日外国人の情報に基づいて、信用情報を提供することができる。
【0136】
なお、信用情報提供サーバ装置100の全部または一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System, オペレーティングシステム)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0137】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory, リードオンリメモリ)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory, コンパクトディスク-リードオンリメモリ)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0138】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0139】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0140】
この出願は、2017年7月31日に出願された日本出願特願2017-148175を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0141】
1、2 信用情報提供システム
10、20、100 信用情報提供サーバ装置
11、21、191 情報取得処理部
12、22、192 信用情報生成処理部
13、23、193 信用情報提供処理部
24、200 端末装置
110 通信部
120 表示部
130 操作入力部
180 記憶部
181 手続情報記憶部
182 付加情報記憶部
183 信用ルール記憶部
184 業種別信用情報記憶部
185 共通信用情報記憶部
186 提供ルール記憶部
190 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6