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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】車載装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20221122BHJP
   H01H 9/04 20060101ALI20221122BHJP
   H01H 9/18 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
H04R1/02 102B
H01H9/04 A
H01H9/18 A
H04R1/02 104Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020522513
(86)(22)【出願日】2018-05-31
(86)【国際出願番号】 JP2018021009
(87)【国際公開番号】W WO2019229944
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2021-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 克海
【審査官】渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-253634(JP,A)
【文献】特開2010-244653(JP,A)
【文献】実開平02-116774(JP,U)
【文献】特開平11-027356(JP,A)
【文献】特開2012-051490(JP,A)
【文献】特開平05-250951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 5/00- 7/02
B60R 3/00- 7/14
B60R 9/00-11/06
H01H 9/00- 9/28
H01H 89/00-89/10
H04M 1/00
H04M 1/02- 1/23
H04M 1/24- 1/82
H04M 99/00
H04R 1/00- 1/08
H04R 1/12- 1/14
H04R 1/42- 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に設置される車載装置であって、前記移動体の搭乗者による操作によって、前記移動体の有する機器に対する操作を入力するスイッチ部と、
前記搭乗者に対して前記スイッチ部の背面側に設置されるスピーカ部と、
前記搭乗者に対して前記スピーカ部の背面側に設置される空間部と、
前記スイッチ部と、前記スピーカ部との間に存在し、かつ、少なくとも1つの開口部を有する基板部と
を有し、
前記スイッチ部は、角部を有する穴と、前記角部に設置されるリフレクタとを有する車載装置。
【請求項2】
移動体に設置される車載装置であって、前記移動体の搭乗者による操作によって、前記移動体の有する機器に対する操作を入力するスイッチ部と、
前記搭乗者に対して前記スイッチ部の背面側に設置されるスピーカ部と、
前記搭乗者に対して前記スピーカ部の背面側に設置される空間部と、
前記スイッチ部と、前記スピーカ部との間に存在し、かつ、少なくとも1つの開口部を有する基板部と
を有し、
前記スイッチ部は、曲率のある形状を有する穴を有する車載装置。
【請求項3】
複数の前記スイッチ部を有し、
前記スピーカ部は、複数の前記スイッチ部に対して1つ設置される
請求項1又は2に記載の車載装置。
【請求項4】
複数の前記スピーカ部を有する、
請求項1又は2に記載の車載装置。
【請求項5】
前記車載装置は、ステアリング装置である
請求項1又は2に記載の車載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スイッチ等の部品の背後にスピーカ等の音響装置を設ける技術が知られている。
【0003】
具体的には、まず、防災装置が、拡散ドームカバーと、拡散ドームカバーを光らせるLED(Light Emitting Diode)とを備える構成である。そして、防災装置は、押圧部材が押圧操作されると、発信する。さらに、防災装置は、表示灯のドーナッツ穴の中に、押圧操作による押圧力に応じて抵抗値が変化する薄膜状の感圧スイッチを備える。このような構成で、防災装置は、感圧スイッチによって、押圧力を検出し、押圧力に応じて変化する感圧検出信号を出力する。このようにすると、防災装置では、表示灯及び発信機の背後に位置するスピーカ収納部に、スピーカが配置できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011‐165114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車載装置では、例えば、ステアリング等に、スピーカ等を設置しようとすると、スペースが限られている場合が多い。また、車載装置は、民生機器等と比較すると、信頼性等の要求が厳しい。そのため、車載装置は、使用できる部品が限られる。
【0006】
本発明の一つの側面では、車載装置において、少ないスペースで音響機器を設置できることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、車載装置は、
移動体に設置される車載装置であって、前記移動体の搭乗者による操作によって、前記移動体の有する機器に対する操作を入力するスイッチ部と、
前記搭乗者に対して前記スイッチ部の背面側に設置されるスピーカ部と、
前記搭乗者に対して前記スピーカ部の背面側に設置される空間部と、
前記スイッチ部と、前記スピーカ部との間に存在し、かつ、少なくとも1つの開口部を有する基板部と
を有し、
前記スイッチ部は、角部を有する穴と、前記角部に設置されるリフレクタとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
車載装置において、少ないスペースで音響機器を設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る車載装置を用いた全体構成例を示す図である。
図2】本発明に係るステアリング装置11を用いた全体構成例を示す図である。
図3】本発明に係るステアリング装置11におけるスピーカ部を設置する位置の例を示す図である。
図4】本発明に係る車載装置の構成例を示す断面図である。
図5】本発明に係る車載装置の構成例を示す平面図である。
図6】本発明に係るスイッチ部SWにある穴の形状例(第1例)を示す断面図である。
図7】本発明に係るスイッチ部SWにある穴の形状例(第2例)を示す断面図である。
図8】本発明に係るスイッチ部SWにある穴の形状例(第3例)を示す断面図である。
図9】本発明に係るスイッチ部SWにある穴の形状例(第4例)を示す断面図である。
図10】本発明に係るスイッチ部SWにある穴の形状例(第5例)を示す断面図である。
図11】本発明に係る車載装置の第1変形例を示す断面図である。
図12】本発明に係る車載装置の第2変形例を示す断面図である。
図13】本発明に係る車載装置の第3変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0011】
<車載装置を用いた全体構成例>
例えば、本発明に係る車載装置を用いると、以下のような全体構成となる。
【0012】
図1は、本発明に係る車載装置を用いた全体構成例を示す図である。図は、移動体の例である車両10の車内を示す。なお、移動体は、搭乗者がいればよく、種類は、車両に限られない。
【0013】
以下、車両10が進行する進行方向(図では、奥行き方向となる。)を「y軸」とする。そして、y軸に対して直交する水平方向(図では、右手方向となる。)を「x軸」とする。さらに、y軸に対して垂直となる垂直方向(図では、縦方向となる。)を「z軸」とする。
【0014】
以下、車載装置がステアリング装置11である場合を例に説明する。
【0015】
図2は、本発明に係るステアリング装置11を用いた全体構成例を示す図である。図示するように、運転手12等の搭乗者は、ステアリング装置11を用いて、車両10の進行方向等を操作する。
【0016】
以下、図示するように、搭乗者に向かう方向を「a軸」とする。
【0017】
図示するように、ステアリング装置11は、運転手12との距離が近い位置に設置される車載装置である。また、ステアリング装置11と、運転手12との間には、音を遮る障害物が少ない。このように、車載装置は、音を聞く者との距離が近く、かつ、障害物が少ない位置に設置される機器であるのが望ましい。
【0018】
なお、車載装置は、ステアリング装置11に限られない。例えば、車載装置は、パネル部分等でもよい。
【0019】
また、車載装置がステアリング装置11の例において、例えば、スピーカ部は、以下のような位置に設置されるのが望ましい。
【0020】
図3は、本発明に係るステアリング装置11におけるスピーカ部を設置する位置の例を示す図である。具体的には、スピーカ部は、図示する左側部分11L及び右側部分11R等に設置されるのが望ましい。
【0021】
中央部分11Cには、エアバッグ(airbag)等の装置が設置される場合が多い。したがって、左側部分11L及び右側部分11R等のように、スピーカ部は、エアバッグ等の設置に影響が少ない部分に設置されるのが望ましい。
【0022】
また、左側部分11L及び右側部分11R等のように、スピーカ部が複数あると、車載装置は、いわゆる立体音響を出力できる。さらに、左側部分11L及び右側部分11Rのような位置であると、スピーカ部は、搭乗者に対して左右対称(この場合では、ステアリング装置11の中心部分を対称軸として左右対称の設置となる。)に設置される位置関係となる。
【0023】
そして、左側部分11L及び右側部分11R等には、図示するように、スイッチ部が設置される。搭乗者は、スイッチ部の操作によって、車両10が有する機器に対する操作を入力する。具体的には、車両10が有する機器は、カーナビゲーション装置又はエアコン装置等である。
【0024】
以下、左側部分11Lに適用させる例で説明する。
【0025】
<車載装置の構成例>
図4は、本発明に係る車載装置の構成例を示す断面図である。図は、図3における断面図A-A'である。なお、図示する例は、スイッチ部SWが3つの例である。以下、スイッチ部SWの構造が同一である例で説明する。なお、スイッチ部SWが複数である場合には、それぞれのスイッチ部SWは、異なる構造であってもよい。
【0026】
スイッチ部SWは、図示するように、表面が押されることを検出する。例えば、スイッチ部SWは、搭乗者によって、押圧操作Pが行われると、押されたことを検出する。具体的には、押圧操作Pが行われると、基板部CIRは、検出結果を示す信号を外部装置に出力する。
【0027】
また、基板部CIRは、図示するように、スイッチ部SWと、スピーカ部SPとの間に存在する。そして、基板部CIRは、図示するように、開口部HLを有する。このような開口部HLがあると、図示するように、スピーカ部SPが出力した音が、搭乗者によく伝わる。すなわち、図示するような構成であると、スイッチ部SWの背面側にスピーカ部SPを設置しても、スピーカ部SPが出力した音が、搭乗者によく伝わる。
【0028】
さらに、図示するような構成であると、スピーカ部SPの背面側に、空間部CVを設置できる。なお、空間部CVは、スピーカ部SPの背面側から出力される音が漏れにくく、スピーカ部SPの正面側から出力される音と干渉されにくい構造であるのが望ましい。このような空間部CVがあると、特に、低音域の音を増強できる。
【0029】
また、空間部CVが大きい空間であるほど、スピーカ部SPが出力する音は、音質を向上できる。したがって、空間部CVは、搭載するスピーカ特性に合致する必要十分な容量を確保することが望ましい。例えば、空間部CVの容量Vは、下記(1)式に示す密閉式エンクロージャの容量計算方法等で計算される程度以上の容量が確保されるのが望ましい。
【0030】
【数1】
なお、上記(1)式において、最低共振周波数は、振動系が共振する周波数のうち、最も低い値となる周波数である。
【0031】
また、上記(1)式において、共振尖鋭度は、最低共振周波数における共振の鋭さを示す指標である。したがって、共振尖鋭度が大きいと低音が出しやすくなり、制動不足になりやすい。ゆえに、共振尖鋭度は、「1」以下の値となる望ましい。
【0032】
さらに、上記(1)式において、等価質量は、振動する部分の質量である。
【0033】
さらにまた、上記(1)式において、実効振動半径は、音を出すために動く部分の半径である。したがって、実効振動半径には、エッジ等が含まれてもよい。
【0034】
そして、上記(1)式における「α」は、内容積係数と呼ばれる場合もある。上記(1)式に示すように、「α」は、例えば、上昇比を二乗した値から「1」を減算して計算される値等である。
【0035】
ほかにも、図示するように、スピーカ部SPは、複数のスイッチ部SWに対して1つ設置される構成であるのが望ましい。具体的には、図示する例では、スピーカ部SPは、3つのスイッチ部SWに対して1つである。このような構成であると、大型のスピーカ部SPが設置できる。
【0036】
大型のスピーカ部SPは、小型のスピーカ部より、高品質な音を出力できる。特に、大型のスピーカ部SPは、低音域において、高品質な音を出力できる。なお、大型のスピーカ部SPは、直径が20 mm(ミリメートル)程度以上であるのが望ましい。
【0037】
<スイッチ部の例>
スイッチ部SWには、音が通過できる穴があるのが望ましい。
【0038】
図5は、本発明に係る車載装置の構成例を示す平面図である。例えば、穴SWHは、図示するように、スイッチ部SWに描かれている絵柄FGを避けるように配置されるのが望ましい。なお、穴SWHの数は、図示する数に限られない。したがって、穴SWHの数は、図示する数より多くてもよいし、少なくてもよい。また、例えば、穴SWHは、図示する以外の位置に設けられてもよい。
【0039】
なお、穴SWHは、例えば、直径が1.0 mm(ミリメートル)乃至2.0 mm程度がよい。ただし、穴SWHが目立つのを避けるため、直径が0.8 mm前後であってもよい。
【0040】
そして、穴SWHは、以下のような形状であるのが望ましい。
【0041】
図6は、本発明に係るスイッチ部SWにある穴の形状例(第1例)を示す断面図である。例えば、スイッチ部SWには、図示するような穴H0があるのが望ましい。なお、穴H0は、水及び埃等が通りにくい程度の大きさであるのがより望ましい。ほかにも、穴は、例えば、以下のような形状であると、より望ましい。
【0042】
図7は、本発明に係るスイッチ部SWにある穴の形状例(第2例)を示す断面図である。図示するように、スイッチ部SWには、例えば、穴H1があるのが望ましい。
【0043】
穴H1は、図示するように、搭乗者に向かう方向に、直線でない形状であるのが望ましい。具体的には、穴H1は、搭乗者に向かう方向において、途中でほぼ直角となる部分がある。このように、穴H1が直線でない形状であると、水分及び埃等が外部からスイッチ部SWの内部に浸入しにくい構造にできる。
【0044】
ほかにも、穴H1のように直線でない形状であると、搭乗者が照明光を眩しく感じるのを防ぐことができる。例えば、図示するように、スイッチ部SWは、まず、LED又は電球等の照明装置LGを有する場合が多い。そして、夜間等の暗い環境下で、照明装置LGは、点灯する。このように、照明装置LGが点灯すると、暗い環境下でも、搭乗者は、スイッチ部SWの位置又は種類等が分かる。一方で、照明装置LGが発する光が、搭乗者に直接当たると、搭乗者は、眩しく感じることが多い。そのため、照明装置LGが発する光が、搭乗者に直接当たると、運転等の妨げとなる場合がある。
【0045】
そこで、図示する穴H1のように、直線でない形状の穴であると、音は、通過できるのに対し、照明光が搭乗者に直接当たらないようにできる。
【0046】
なお、穴H1には、図示するように、リフレクタSRが設置されるのが望ましい。図示するように、例えば、リフレクタSRは、角部等に設置される。また、リフレクタSRは、設置角SRAが45 °程度となるように設置される、又は、設置角SRAが45 °程度となる形状であるのが望ましい。このような設置角SRAであると、音が通過しやすくなる。
【0047】
一方で、リフレクタSRがないと、音は、反射して音源(図示する例では、スピーカ部SPである。)の方に戻ってしまう場合がある。そこで、リフレクタSRを設置すると、音が音源の方に戻る反射を少なくすることができる。
【0048】
さらに、リフレクタSRは、光をあまり反射しないのが望ましい。そのため、リフレクタSRは、例えば、光を反射しにくい色又は素材であるのが望ましい。また、リフレクタSRは、例えば、プラスチック、鉄又はアルミニウム等の素材が望ましい。すなわち、リフレクタSRは、プラスチック、鉄又はアルミニウム等のように、表面が硬くて滑らかである等の音を反射させやすい素材が望ましい。上記の通り、穴H1では、音は、通過しやすく、一方で、光等は、通過しにくいのが望ましい。そこで、リフレクタSRが光を吸収する黒色等であると、音が通過しやすく、かつ、光等が通過しにくい穴H1にすることができる。
【0049】
なお、リフレクタSRは、別の部材でなくともよい。すなわち、リフレクタSRは、穴H1と一体であってもよいし、別の部材であって、図示する例のように、設置される構成であってもよい。また、リフレクタSRの設置位置、設置する数及び設置角は、図示する構成に限られない。
【0050】
なお、直線でない形状は、例えば、以下のような形状でもよい。
【0051】
図8は、本発明に係るスイッチ部SWにある穴の形状例(第3例)を示す断面図である。図7と比較すると、図8は、穴H2の形状が異なる。
【0052】
図示するように、穴H2は、搭乗者に向かう方向に対して、所定の角度ANGがある斜めの形状であってもよい。このような形状でも、水分及び埃等が外部からスイッチ部SWの内部に浸入しにくい構造にできる。
【0053】
なお、角度ANGは、穴内部の表面加工により内部照明の光が反射により到達してしまう事のない程度の角度であり、例えば、30 °乃至60 °程度の角度である。
【0054】
また、直線でない形状は、例えば、以下のような形状でもよい。
【0055】
図9は、本発明に係るスイッチ部SWにある穴の形状例(第4例)を示す断面図である。
【0056】
例えば、図示するように、穴H3は、曲率のある形状でもよい。このような形状でも、水分及び埃等が外部からスイッチ部SWの内部に浸入しにくい構造にできる。
【0057】
ほかにも、直線でない形状は、例えば、以下のような形状でもよい。
【0058】
図10は、本発明に係るスイッチ部SWにある穴の形状例(第5例)を示す断面図である。
例えば、図示するように、穴H4は、直線と、斜めを組み合わせた形状でもよい。このような形状でも、水分及び埃等が外部からスイッチ部SWの内部に浸入しにくい構造にできる。
【0059】
<変形例>
例えば、車載装置は、以下のような構成でもよい。
【0060】
図11は、本発明に係る車載装置の第1変形例を示す断面図である。すなわち、スピーカ部SPは、図4に示すように、スイッチ部SWの真後ろに位置しなくともよい。
【0061】
具体的には、図示するように、スピーカ部SPは、導波管WG等によって接続される構成でもよい。図示するような構成では、スピーカ部SPが出力した音は、導波管WGを介して伝えられる。このような構成でも、図4等の構成と同様に、音を出力できる。
【0062】
また、このような構成であると、スイッチ部SWの背面側にあるスペースをより小さくすることができる。なお、導波管WG及びスピーカ部SPは、図示する以外の位置であってもよい。
【0063】
また、車載装置は、例えば、以下のような構成でもよい。
【0064】
図12は、本発明に係る車載装置の第2変形例を示す断面図である。第1変形例と比較すると、図示する例では、車載装置は、スピーカ部SP1及びスピーカ部SP2を有し、スピーカ部が複数である点が異なる。このような構成でも、スイッチ部SWの背面側にあるスペースをより小さくすることができると同時に2つの同相駆動によるスピーカにより実効振動半径rが2倍となることで、より高い音圧の音を出力できる。
【0065】
なお、スピーカ部の数は、三つ以上であってもよい。また、導波管WG及びスピーカ部SPは、図示する以外の位置であってもよい。
【0066】
さらに、車載装置は、例えば、以下のような構成でもよい。
【0067】
図13は、本発明に係る車載装置の第3変形例を示す断面図である。第2変形例と比較すると、図示する例では、スピーカ部SP1及びスピーカ部SP2の姿勢が異なる。したがって、スピーカ部SP1及びスピーカ部SP2は、図示するような姿勢でもよい。
【0068】
このような構成でも、スイッチ部SWの背面側にあるスペースをより小さくすることができる。また、例えば、スピーカ部SP1及びスピーカ部SP2を同相のスピーカ部とすると、実効振動半径rが2倍となることで、第2変形例と同様に、より高い音圧の音を出力できる。
【0069】
<まとめ>
以上の説明から明らかなように、実施形態に係るステアリング装置11では、
・スイッチ部SWを有し、スイッチ部SWの背面側にスピーカ部SPが設置される。そして、基板部CIRが、スイッチ部SWと、スピーカ部SPとの間に存在し、かつ、少なくとも1つの開口部を有する。
【0070】
以上のような構成であると、スイッチ部SWの下に、スピーカ部SPが設置できる。そのため、スイッチ部SWを削減する等の設計としなくとも、スピーカ部SPをステアリング等に搭載することができる。
【0071】
車載装置は、スペースに制限がある場合が多い。特に、ステアリング装置11には、スイッチ部SWが表面一杯に搭載される場合も多い。ゆえに、音響用の穴及び装置を搭載するスペースを別途確保するのは難しい。一方で、本発明の実施形態のような構成であると、スピーカ部SP等が設置できる、すなわち、車載装置において、少ないスペースで音響機器を設置できる。
【0072】
特に、本発明の実施形態のような構成であると、大型のスピーカ部SPが設置しやすい。ゆえに、車載装置において、特に、低音域の音を高品質に出力できる音響機器が設置できる。
【0073】
また、車載装置は、一般的な音響機器とは規格等が異なる。すなわち、車載装置は、いわゆるオフィス用の機器及び一般家庭用の機器より、厳しい信頼性試験等をクリアした部品等でないと実現が難しい。したがって、本発明に係る実施形態は、車載用の部品等で実現される。
【0074】
なお、上記に説明した構成等に、本発明は、限定されない。すなわち、実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更及び追加することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0075】
10 車両
11 ステアリング装置
12 運転手
SW スイッチ部
CIR 基板部
SP スピーカ部
CV 空間部
HL 開口部
H0、H1、H2、H3、H4 穴
LG 照明装置
ANG 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13