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  • 特許-オートサンプラ用のプレートチェンジャ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】オートサンプラ用のプレートチェンジャ
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/04 20060101AFI20221122BHJP
   G01N 1/10 20060101ALI20221122BHJP
   G01N 30/24 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
G01N35/04 G
G01N1/10 N
G01N30/24 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020546634
(86)(22)【出願日】2018-09-13
(86)【国際出願番号】 JP2018034027
(87)【国際公開番号】W WO2020054033
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2020-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100205981
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 大輔
(72)【発明者】
【氏名】今枝 航大
(72)【発明者】
【氏名】沢田 拓也
【審査官】北条 弥作子
(56)【参考文献】
【文献】特表昭63-500538(JP,A)
【文献】特表平06-504134(JP,A)
【文献】特表2008-506607(JP,A)
【文献】国際公開第2007/132526(WO,A1)
【文献】実開平05-065913(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-35/10
G01N 1/10
G01N 30/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルプレートを設置するためのプレート設置台を内部に有し、前記サンプルプレートを水平面内における一方向へ挿入して前記プレート設置台に設置するための設置用窓部、及び前記設置用窓部とは前記プレート設置台を挟んで反対側に設けられて前記プレート設置台に設置された前記サンプルプレートを前記一方向へ取り出すための搬送用窓部が設けられているプレート保管庫と、
サンプルプレートを把持する把持部を有し、前記プレート設置台に設置されているサンプルプレートを前記把持部で把持して搬送する搬送機構と、を備え、
前記プレート保管庫は、前記設置用窓部から挿入されるサンプルプレートが前記一方向における前記プレート設置台上の所定の位置まで到達したときに前記サンプルプレートの前記搬送用窓部側の端面に接する干渉位置に配置されて前記サンプルプレートを停止させるプレートストッパを前記搬送用窓部に有し、
前記プレートストッパは、鉛直方向へ延びる鉛直棒、前記鉛直棒の一端を保持しながら水平面内において回転可能な回転板、及び前記鉛直棒を前記干渉位置に配置する方向に前記回転板を付勢する弾性体を備え、前記回転板が水平面内において回転することにより前記鉛直棒が前記把持部及び前記サンプルプレートに干渉しない非干渉位置と前記干渉位置の間で移動するように構成されており、
前記プレート保管庫が、前記設置用窓部を開閉するための開閉扉、及び前記一方向へ延び、前記開閉扉が閉じられるときの動作に連動して前記搬送用窓部側へ移動するシャフトを備え、前記プレートストッパの前記回転板を前記開閉扉の開閉状態に連動させ、前記開閉扉が閉じられると前記シャフトが前記搬送用窓部側へ移動して前記プレートストッパの前記回転板の一部を押圧して前記回転板を回転させ、それによって前記鉛直棒を前記非干渉位置に配置するように構成されているか、又は、
前記搬送機構が前記プレート保管庫内に進入してきたときに、前記プレートストッパの一部が前記搬送機構と接触することによって前記搬送機構の移動に連動して前記鉛直棒が前記干渉位置から前記非干渉位置へ移動するように構成されている、オートサンプラ用のプレートチェンジャ。
【請求項2】
サンプルプレートを設置するためのプレート設置台を内部に有し、前記サンプルプレートを水平面内における一方向へ挿入して前記プレート設置台に設置するための設置用窓部、及び前記設置用窓部とは前記プレート設置台を挟んで反対側に設けられて前記プレート設置台に設置された前記サンプルプレートを前記一方向へ取り出すための搬送用窓部が設けられているプレート保管庫と、
サンプルプレートを把持する把持部を有し、前記プレート設置台に設置されているサンプルプレートを前記把持部で把持して搬送する搬送機構と、を備え、
前記プレート保管庫は、前記設置用窓部から挿入されるサンプルプレートが前記一方向における前記プレート設置台上の所定の位置まで到達したときに前記サンプルプレートの前記搬送用窓部側の端面に接する干渉位置に配置されて前記サンプルプレートを停止させるプレートストッパを前記搬送用窓部に有し、
前記プレートストッパは、鉛直方向へ延びる鉛直棒と、前記鉛直棒の一端を保持しながら水平面内において回転可能な回転板と、を備えており、前記回転板が水平面内において回転することにより前記鉛直棒が前記把持部及び前記サンプルプレートに干渉しない非干渉位置と前記干渉位置との間で移動するように構成されており、
前記プレート保管庫が前記回転板を駆動するためのモータを備え、前記モータが前記搬送機構の動作に応じて前記回転板を駆動することにより前記鉛直棒が前記干渉位置と前記非干渉位置との間で移動するように構成されている、プレートチェンジャ。
【請求項3】
前記プレートストッパは、2つの前記回転板を備え、それらの前記回転板が前記鉛直棒の上端及び下端をそれぞれ保持している、請求項1又は2に記載のプレートチェンジャ。
【請求項4】
前記弾性体はトーションバネである、請求項1に記載のプレートチェンジャ。
【請求項5】
前記回転板が前記シャフトにより押圧されていない状態で、前記鉛直棒が前記干渉位置に配置された状態で停止するように、前記回転の回転動作を停止させるストッパをさらに備えている、請求項1又は4に記載のプレートチェンジャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体クロマトグラフなどの分析装置で分析するサンプルを保持する複数のサンプルプレートが設置されるプレート保管庫、及びそのプレート保管庫に格納された任意のサンプルプレートを取り出すように構成された搬送機構を有するプレートチェンジャに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフによる分析では、複数のサンプルを液体クロマトグラフの分析流路中に注入するためにオートサンプラが用いられる場合がある。オートサンプラは、複数のサンプルバイアルやサンプルそのものを保持したサンプルプレートが所定位置に設置されるようになっており、サンプルプレートに保持されているサンプルを自動的に採取し、液体クロマトグラフの分析流路中に注入するように構成されている(特許文献1参照。)。
【0003】
液体クロマトグラフで分析するサンプルが多数存在する場合には、オートサンプラに設置するサンプルプレートを自動的に交換するプレートチェンジャがさらに用いられることがある。プレートチェンジャは、複数のサンプルプレートを格納するプレート保管庫と、プレート保管庫に格納されたサンプルプレートの搬送を行なう搬送機構と、を備えている。搬送機構は、プレート保管庫からサンプルプレートを取り出してオートサンプラへ設置したり、オートサンプラに設置されていたサンプルプレートをプレート保管庫へ格納したりするようになっている。
【0004】
上記のプレートチェンジャを使用することにより、ユーザは分析対象のサンプルを保持させた複数のサンプルプレートをプレートチェンジャのプレート保管庫に格納しておくだけでよく、ユーザによってプレート保管庫に格納された各サンプルプレートは、搬送機構によって順次オートサンプラへ搬送されて設置され、各サンプルの分析が順次自動的に行なわれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-70695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようなプレートチェンジャでは、プレート保管庫の前面側の窓部(設置用窓部)からユーザがサンプルプレートを挿入してプレート保管庫内のプレート設置台上に設置する。その際、ユーザがサンプルプレートをプレート保管庫の奥まで押し込み過ぎてプレート設置台から落下させてしまうことがある。そのような事態を防止するために、プレート保管庫の背面側にサンプルプレートの落下を防止するストッパを設けることが考えられる。しかし、そのようなストッパを設けると、搬送機構がプレート保管庫内のサンプルプレートを取り出す際に搬送機構やサンプルプレートとストッパが干渉し、搬送機構によるサンプルプレートの取出しに支障をきたす。
【0007】
そこで、本発明は、搬送機構によるプレート保管庫からのサンプルプレートの取出しに支障をきたすことなく、サンプルプレートをプレート保管庫内に挿入する際のサンプルプレートの落下を防止することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るオートサンプラ用のプレートチェンジャは、プレート保管庫及び搬送機構を備えている。前記プレート保管庫は、サンプルプレートを設置するためのプレート設置台を内部に有し、前記サンプルプレートを水平面内における一方向へ挿入して前記プレート設置台に設置するための設置用窓部、及び前記設置用窓部とは前記プレート設置台を挟んで反対側に設けられて前記プレート設置台に設置された前記サンプルプレートを前記一方向へ取り出すための搬送用窓部が設けられているものである。前記搬送機構は、サンプルプレートを把持する把持部を有し、前記プレート設置台に設置されているサンプルプレートを前記把持部で把持して搬送する。さらに、前記プレート保管庫は、前記設置用窓部から挿入されるサンプルプレートが前記一方向における前記プレート設置台上の所定の位置まで到達したときに前記サンプルプレートの前記搬送用窓部側の端面に接する干渉位置に配置されて前記サンプルプレートを停止させるプレートストッパを前記搬送用窓部に有し、前記プレートストッパは、前記把持部によって前記プレート設置台上のサンプルプレートが前記搬送用窓部から取り出される際に、前記把持部及び前記サンプルプレートに干渉しない非干渉位置に配置されるように構成されている。
【0009】
本発明の好ましい実施形態では、前記プレートストッパは、鉛直方向へ延びる鉛直棒と、前記鉛直棒の一端を保持しながら水平面内において回転可能な回転板と、を備えており、前記回転板が水平面内において回転することにより前記鉛直棒が前記干渉位置と前記非干渉位置との間で移動するように構成されている。
【0010】
上記の場合、前記プレートストッパは、2つの前記回転板を備え、それらの前記回転板が前記鉛直棒の上端及び下端をそれぞれ保持していてもよい。
【0011】
本発明に係るプレートチェンジャは、前記設置用窓部を開閉するための開閉扉を備えていてもよい。その場合、前記プレート設置台にサンプルプレートを設置する際には前記開閉扉が開けられ、その後は前記開閉扉が閉じられることになる。すなわち、前記搬送機構によって前記プレート設置台上のサンプルプレートが取り出される際には前記開閉扉が閉じられた状態となる。そこで、前記プレートストッパの前記鉛直棒は、前記開閉扉が開いているときに前記干渉位置に配置され、前記開閉扉が閉じられると前記非干渉位置に配置されるように構成されていることが好ましい。そうすれば、前記搬送機構によって前記プレート設置台上のサンプルプレートが取り出される際に前記プレートストッパの前記鉛直棒が前記非干渉位置に配置されるので、前記鉛直棒が前記搬送機構によるサンプルプレートの取出し動作を邪魔することはない。
【0012】
前記開閉扉の開閉動作に前記プレートストッパを連動させるための機構としては、前記一方向へ延び、前記開閉扉が閉じられるときの動作に連動して前記搬送用窓部側へ移動するシャフトを備え、前記開閉扉が閉じられるときに前記シャフトが前記搬送用窓部側へ移動して前記プレートストッパの前記回転板の一部を押圧して前記回転板を回転させ、前記鉛直棒を前記非干渉位置へ移動させるように構成されているものが挙げられる。
【0013】
前記プレートストッパの前記回転板は弾性体によって前記鉛直棒を前記干渉位置に配置する方向に付勢されていることが好ましい。そうすれば、前記回転板に対して外力が作用しない限り前記鉛直棒が前記干渉位置に配置されるので、前記鉛直棒を前記非干渉位置へ配置するときのみ前記回転板に対して外力を作用させればよいことになり、前記プレートストッパを動作させるための機構が簡単になる。
【0014】
前記弾性体の一例はトーションバネである。
【0015】
また、好ましい実施形態では、前記回転板が前記シャフトにより押圧されていない状態で、前記鉛直棒が前記干渉位置に配置された状態で停止するように、前記回転体の回転動作を停止させるストッパをさらに備えている。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るオートサンプラ用のプレートチェンジャは、プレート保管庫が、設置用窓部から挿入されるサンプルプレートがプレート設置台上の所定の位置まで到達したときに当該サンプルプレートの搬送用窓部側の端面に接する干渉位置に配置されて当該サンプルプレートを停止させるプレートストッパを搬送用窓部に設けられているので、プレート保管庫の設置用窓部からサンプルプレートが挿入される際にユーザがサンプルプレートを押し込み過ぎてプレート設置台から落下する事態を防止できる。そして、搬送機構の把持部によってプレート設置台上のサンプルプレートが搬送用窓部から取り出される際に、当該プレートストッパが把持部及びサンプルプレートに干渉しない非干渉位置に配置されるように構成されているので、プレートストッパが搬送機構によるサンプルプレートの取出し動作に支障をきたすこともない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】プレートチェンジャの一実施例の正面側からみた斜視図である。
図2】同実施例のプレートチェンジャのプレート保管庫を背面側からみた斜視図である。
図3】プレートストッパを移動させるための機構を上方からみたプレート保管庫の断面図であって、開閉扉が開いている状態の図である。
図4】プレートストッパを移動させるための機構を上方からみたプレート保管庫の断面図であって、開閉扉が閉じている状態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明のプレートチェンジャの一実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1に示されているように、プレートチェンジャ1はプレート保管庫2と搬送機構4を備えている。プレート保管庫2は筐体6の内部に複数のサンプルプレートPを格納して保管しておくためのものである。サンプルプレートPとしては、サンプルを収容する複数のウェルが上面に設けられたウェルプレートや、サンプルの入った複数のサンプルバイアルを収容する複数の穴が上面に設けられたバイアルプレートなど、分析装置のオートサンプラで用いられるプレートであればいかなるものであってもよい。
【0020】
プレート保管庫2は、サンプルプレートPを設置するためのプレート設置台8を複数備えている。プレート設置台8は鉛直方向に並んで配列されており、各プレート設置台8に1つのサンプルプレートPが設置されるようになっている。プレート保管庫2は、前面側に設置用窓部10、背面側に搬送用窓部12を備えている。設置用窓部10と搬送用窓部12は筐体6の互いに対向する位置に設けられた開口である。
【0021】
設置用窓部10は、ユーザがサンプルプレートPを所望のプレート設置台8上へ設置したり、プレート設置台8上に設置されているサンプルプレートPを取り出したりするためのものである。プレート保管庫2の前面には、設置用窓部10を開閉するための開閉扉14が設けられている。プレート設置台8上へのサンプルプレートPの設置は、図において矢印で示されている水平面内における一方向、すなわち設置用窓部10側から搬送用窓部12側へ向かう方向へサンプルプレートPをプレート設置台8上でスライドさせることにより行なう。プレート設置台8からのサンプルプレートPの取出しは、設置時の方向とは反対の方向、すなわち搬送用窓部12側から設置用窓部10側へ向かう方向へサンプルプレートPをスライドさせることにより行なう。
【0022】
搬送用窓部12は、搬送機構4がサンプルプレートPを所定のプレート設置台8上へ設置したり、プレート設置台8上に設置されているサンプルプレートPを取り出したりするためのものである。
【0023】
搬送機構4は、図示されていない駆動機構によって、プレート保管庫2の背面側で水平面内方向と鉛直方向へ移動させられる。搬送機構4は互いに平行にかつ水平に伸びた一対のアーム16を備えている。2本のアーム16は、プレート保管庫2内におけるサンプルプレートPのスライド方向と平行に伸びている。搬送機構4は2本のアーム16の間隔を可変に調節できるようになっており、2本のアーム16の間にサンプルプレートPを挟み込んでサンプルプレートPの側面を把持することができる。2本のアーム16はサンプルプレートPの側面を把持するための把持部を構成している。
【0024】
搬送機構4は、プレート保管庫2の搬送用窓部12側からプレート保管庫2内へ2本のアーム16を挿入し、プレート保管庫2内のプレート設置台8上に設置されているサンプルプレートPの側面を把持し、サンプルプレートPをスライドさせることによってプレート保管庫2から取り出し、所定の搬送先へ搬送する。サンプルプレートPの搬送先は、例えば液体クロマトグラフに用いられるオートサンプラである。また、搬送機構4は、サンプル処理の終了したサンプルプレートPをプレート保管庫2まで搬送してきて、プレート保管庫2内の所定のプレート設置台8上に、そのサンプルプレートPを搬送用窓部12から挿入して設置する。
【0025】
なお、この実施例では詳述しないが、プレート保管庫2は、筐体6の内部に格納されたサンプルプレートPの温度を予め設定された温度に調節するためのヒータやペルチェ素子などの温調機構(図示は省略)を備えていてもよい。
【0026】
図2に示されているように、プレート保管庫2は、設置用窓部10からプレート設置台8上にサンプルプレートPが挿入される際に、サンプルプレートPの搬送用窓部12側の端面に接してサンプルプレートPがプレート設置台8から落下することを防止するためのプレートストッパ24を、搬送用窓部12に備えている。プレートストッパ24は、プレート保管庫2の上端部と下端部の間において鉛直方向に伸びる鉛直棒26と、プレート保管庫2の上端部と下端部のそれぞれに設けられて鉛直棒26の上端部と下端部をそれぞれ保持して水平面内において回転可能な回転板28(図2では下端部側の回転板28のみが示されている。)によって構成されている。
【0027】
プレートストッパ24は、プレート保管庫2の設置用窓部10の開閉扉14の開閉動作に連動して鉛直棒26が移動させられるように構成されている。プレート保管庫2の上端部と下端部にはそれぞれ、設置用窓部10から搬送用窓部12へ水平方向に延びるシャフト20,22(図1を参照。)が設けられている。設置用窓部10の開閉扉14が開いている状態(図1の状態)では、シャフト20,22の設置用窓部10側の端部がプレート保管庫2の正面側へ突出しており、開閉扉14が閉じられることによってシャフト20,22が開閉扉14によって搬送用窓部12側へ押されて移動し、それによって開閉扉14が開いているときの位置とは別の位置へ鉛直棒26が配置されるように構成されている。
【0028】
プレートストッパ24の鉛直棒26は、設置用窓部10の開閉扉14が開いているときは、プレート設置台8上の所定の位置まで挿入されたサンプルプレートPの搬送用窓部12側の端面に接する位置(以下、干渉位置)に配置され、開閉扉14が閉じられると、プレート設置台8上のサンプルプレートPを取り出そうとする搬送機構4のアーム16の動作に干渉しない位置(以下、非干渉位置)に配置される。
【0029】
図3及び図4を参照して、プレートストッパ24の動作原理について説明する。なお、図3及び図4では、プレート保管庫2の下端部側の構造を示しているが、プレート保管庫2の上端部側の構造も同じである。
【0030】
鉛直棒26を保持する回転板28は軸30によって水平面内において回転可能に軸支されている。軸30には弾性体であるトーションバネ32が取り付けられており、トーションバネ32によって回転板28が鉛直棒26を干渉位置へ配置する方向(図において時計回りの方向)へ付勢されている。回転板28の配置されている床面には、鉛直棒26が干渉位置に配置される位置で回転板28の回転を停止させるストッパ34が設けられている。これにより、回転板28に外力が作用しない状態、すなわち、開閉扉14が開いている状態(図3の状態)では、鉛直棒26が干渉位置に常に配置される。これにより、設置用窓部10からプレート設置台8上に挿入されるサンプルプレートPが所定の位置まで到達したときに鉛直棒26がサンプルプレートPと干渉し、サンプルプレートPが搬送用窓部12側(図において上側)へ落下することが防止される。
【0031】
ところで、破線で示されている8aはプレート設置台8に設けられているプレートガイドである。プレートガイド8aは、設置用窓部10から挿入されるサンプルプレートPが正しい姿勢で配置されるようにサンプルプレートPの両側面を支持するためのものである。プレートガイド8aは、搬送機構4のアーム16(図1を参照。)がサンプルプレートPを取り出すために搬送用窓部12からプレート設置台8上へ進入してきたときに、アーム16と接することによってアーム16の動作に干渉しない位置、例えばプレート設置台8の上面よりも下方の位置、へ移動するように構成されている。
【0032】
回転板28には、シャフト22の搬送用窓部12側の端部と常に接するシャフト接触部36が設けられている。図4のように、設置用窓部10の開閉扉14が閉じられると、開閉扉14によってシャフト22が搬送用窓部12側(図において上側)へ移動し、シャフト接触部36がシャフト22によって搬送用窓部12側へ押圧されて移動する。これにより、回転板28が回転して鉛直棒26がプレート保管庫2内の側面近傍の位置、すなわち、非干渉位置まで移動する。このときの鉛直棒26の位置は、サンプルプレートPをプレート保管庫2から取り出そうとする搬送機構4のアーム16の動作やプレート保管庫2から取り出されるサンプルプレートPに干渉しない位置である。
【0033】
なお、サンプルプレートPの落下を防止するプレートストッパの構造は、上記実施例のものに限定されない。例えば、上記実施例におけるプレートストッパ24の回転板28をモータによって駆動するようにし、搬送機構4の動作に応じてプレートストッパ24を動作させてもよいし、開閉扉14の開閉状態を検知するセンサを設けてプレートストッパ24の動作を開閉扉14の開閉状態に連動させるようにしてもよい。また、搬送機構4のアーム16がプレート保管庫2内に進入してきたときに、プレートストッパの一部がアーム16と接触するようにして、アーム16の移動に連動してプレートストッパが干渉位置から非干渉位置へ移動するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 プレートチェンジャ
2 プレート保管庫
4 搬送機構
6 筐体
8 プレート設置台
10 設置用窓部
12 搬送用窓部
14 開閉扉
16 アーム
20,22 シャフト
24 プレートストッパ
26 鉛直棒
28 回転板
30 軸
32 トーションバネ
34 ストッパ
36 シャフト接触部
P サンプルプレート
図1
図2
図3
図4