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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】製造管理システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20221122BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20221122BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20221122BHJP
   G05B 19/05 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06Q10/06
G05B23/02 301V
G05B19/05 L
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022001861
(22)【出願日】2022-01-07
【審査請求日】2022-01-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】小河 洋平
(72)【発明者】
【氏名】遠山 健司
(72)【発明者】
【氏名】植田 義広
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-129255(JP,A)
【文献】特開2002-202811(JP,A)
【文献】特開2003-59793(JP,A)
【文献】特開2017-33525(JP,A)
【文献】特開2019-194920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
G05B 23/00 -23/02
G05B 19/04 -19/05
G06Q 10/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工場に備えられる装置ごとに対応して設けられ、対応の装置と通信可能に接続されることで、対応の装置に関する装置対応情報を取得する制御端末と、
前記制御端末のそれぞれと通信可能に接続されることで、前記制御端末から前記装置対応情報を取得する管理装置と、
前記管理装置と通信可能に接続されることで、前記装置対応情報のうちで前記装置ごとの作業対象物の作業結果を示す情報を前記管理装置から取得し、取得した作業結果を示す情報に基づいて前記工場における製品の製造履歴を示す製造履歴情報を記憶するとともに、前記装置対応情報のうちで前記装置ごとに稼働結果の情報を取得し、取得した前記装置ごとの稼働結果の情報に基づいて、現在から第1時間まで遡った期間における前記装置ごとの稼働履歴情報を第1周期で更新するように記憶する第1機能部と、
前記管理装置と通信可能に接続されることで、前記装置対応情報のうちで前記装置ごとに稼働結果の情報を取得し、取得した前記装置ごとの稼働結果の情報に基づいて、現在から前記第1時間より長い第2時間まで遡った期間における前記装置ごとの装置稼働履歴情報を前記第1周期より長い第2周期で更新するように記憶する第2機能部とを有する製造管理サーバとを備え、
前記製造管理サーバは、前記第1機能部に対応する第1サーバと前記第2機能部に対応する第2サーバとに分散され、
前記第1サーバは、前記工場の内部のネットワーク経由で前記管理装置と接続され、前記第2サーバは、前記工場の外部のネットワーク経由で前記管理装置と接続される
製造管理システム。
【請求項2】
工場に備えられる装置ごとに対応して設けられ、対応の装置と通信可能に接続されることで、対応の装置に関する装置対応情報を取得する制御端末と、
前記制御端末のそれぞれと通信可能に接続されることで、前記制御端末から前記装置対応情報を取得する管理装置と、
前記管理装置と通信可能に接続されることで、前記装置対応情報のうちで前記装置ごとの作業対象物の作業結果を示す情報を前記管理装置から取得し、取得した作業結果を示す情報に基づいて前記工場における製品の製造履歴を示す製造履歴情報を記憶するとともに、前記装置対応情報のうちで前記装置ごとに稼働結果の情報を取得し、取得した前記装置ごとの稼働結果の情報に基づいて、現在から第1時間まで遡った期間における前記装置ごとの稼働履歴情報を第1周期で更新するように記憶する第1機能部と、
前記管理装置と通信可能に接続されることで、前記装置対応情報のうちで前記装置ごとに稼働結果の情報を取得し、取得した前記装置ごとの稼働結果の情報に基づいて、現在から前記第1時間より長い第2時間まで遡った期間における前記装置ごとの装置稼働履歴情報を前記第1周期より長い第2周期で更新するように記憶する第2機能部とを有する製造管理サーバとを備え、
前記制御端末は、前記管理装置との通信に対応する制御を行う第1通信制御部を備え、
前記管理装置は、前記制御端末との通信に対応する制御を行う第2通信制御部を備え、
複数の前記制御端末における第1通信制御部のそれぞれは、第2通信制御部との通信にあたり共通の通信仕様に従って通信を行い、
共通の通信仕様として、前記制御端末のそれぞれと前記管理装置は、予め定められたN(Nは2以上の自然数)個の通信機能に応じた通信を行うようにされ、前記N個の通信機能は、当該N個の通信機能の類型に応じて、M(Mは自然数、N≧M)個の通信手順パターンのうちのいずれかが適用されており、
前記第1通信制御部と前記第2通信制御部は、或る1の通信機能に応じた通信が前記制御端末と前記管理装置との間で行われるにあたり、前記1の通信機能に適用されている通信手順パターンにより通信が行われるように制御する
製造管理システム。
【請求項3】
記第2機能部は、装置供給元に対応する装置供給元端末と通信可能に接続され、
装置供給元端末が対応する装置供給元の装置の装置稼働履歴情報へのアクセスを許可し、前記装置供給元端末が対応しない装置供給元の装置の装置稼働履歴情報へのアクセスが制限されるようにするアクセス対応制御部を備える
請求項1または2に記載の製造管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
生産設備ごとに対応する複数のPLCのそれぞれが管理用端末と通信可能に接続され、PLCのそれぞれが、制御対象とする生産設備の稼働状況を示す情報を管理用端末に送信するようにされた生産管理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-106158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば工場における製品の製造にあたっては、工程ごとに対応して装置が設置される。工場に設置される装置は、例えば外部の装置メーカから提供される。工場に対応する製造管理システムとしては、工場における製品の製造に関する管理と、装置の管理とのそれぞれが適切に行われることが求められる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、製造管理システムにおいて製品に関する管理と装置に関する管理とのそれぞれが適切に行われるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、工場に備えられる装置ごとに対応して設けられ、対応の装置と通信可能に接続されることで、対応の装置に関する装置対応情報を取得する制御端末と、前記制御端末のそれぞれと通信可能に接続されることで、前記制御端末から前記装置対応情報を取得する管理装置と、前記管理装置と通信可能に接続されることで、前記装置対応情報のうちで前記装置ごとの作業対象物の作業結果を示す情報を前記管理装置から取得し、取得した作業結果を示す情報に基づいて前記工場における製品の製造履歴を示す製造履歴情報を記憶するとともに、前記装置対応情報のうちで前記装置ごとに稼働結果の情報を取得し、取得した前記装置ごとの稼働結果の情報に基づいて、現在から第1時間まで遡った期間における前記装置ごとの稼働履歴情報を第1周期で更新するように記憶する第1機能部と、前記管理装置と通信可能に接続されることで、前記装置対応情報のうちで前記装置ごとに稼働結果の情報を取得し、取得した前記装置ごとの稼働結果の情報に基づいて、現在から前記第1時間より長い第2時間まで遡った期間における前記装置ごとの装置稼働履歴情報を前記第1周期より長い第2周期で更新するように記憶する第2機能部とを有する製造管理サーバとを備える製造管理システムである。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように、本発明によれば、製造管理システムにおいて製品に関する管理と装置に関する管理とのそれぞれが適切に行われるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態における生産管理システムの構成例を示す図である。
図2】第1実施形態における制御端末の構成例を示す図である。
図3】第1実施形態における管理装置の構成例を示す図である。
図4】第1実施形態のPLC間通信仕様における通信機能と通信手順パターンとの対応関係例を示す図である。
図5】第1実施形態における通信手順パターンごとに対応する通信機能の類型(機能類型)と、通信手順パターンごとにおける具体的な信号発生パターンの例を示す図である。
図6】第1実施形態における通信手順パターン1に対応する信号発生タイミングの具体例を示す図である。
図7】第1実施形態における通信手順パターン2に対応する信号発生タイミングの具体例を示す図である。
図8】第1実施形態における通信手順パターン3に対応する信号発生タイミングの具体例を示す図である。
図9】第1実施形態における通信手順パターン4に対応する信号発生タイミングの具体例を示す図である。
図10】第1実施形態における通信手順パターン5に対応する信号発生タイミングの具体例を示す図である。
図11】第1実施形態における工場サーバの構成例を示す図である。
図12】第1実施形態における製造履歴情報の一例を示す図である。
図13】第1実施形態におけるメーカ対応サーバの構成例を示す図である。
図14】第1実施形態における装置稼働履歴情報の一例を示す図である。
図15】第1実施形態のメーカ対応サーバとメーカ端末とが装置稼働履歴情報画面の表示に関連して実行する処理手順例を示すシーケンス図である。
図16】第2実施形態における生産管理システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
[生産管理システムの構成例]
図1は、本実施形態の(通信システムの一例)の構成例を示している。本実施形態の生産(製造)管理システムは、所定の製品を生産(製造)する工場FCにおいて備えられる。本実施形態の生産管理システムが製造する製品については特に限定されないが、例えば、紙容器やパウチなどの包材に内容物を充填し、包装したもの等であってよい。
【0010】
本実施形態の生産管理システムは、複数の装置100(100-1~100-N)、複数の制御端末200(200-1~200-N)、管理装置300、工場サーバ400(第1サーバの一例)、製造管理端末500、ゲートウェイ600、メーカ対応サーバ700(第2サーバの一例)、及びメーカ端末800(装置供給元端末の一例)を備える。
【0011】
装置100は、工場FCにおいて、それぞれ製品を生産する所定の工程に対応して設置される。装置100は、それぞれ工場FCでの製品の製造にあたって対応の工程にて対象となる物品(ワーク:作業対象物の一例)について所定の加工等の作業を行う。工場FCでは、例えコンベア型のラインにより工程間のワークの運搬が行われる。
装置100を工場FCの提供(納入)するメーカ(装置供給元)は、特に統一されるべきものではなく、それぞれが異なっていてもよい。
【0012】
制御端末200(200-1~200-N)は、それぞれ、対応の装置100と通信可能に接続される。また、制御端末200は、所定のPLC間ネットワークNWPにより管理装置300と通信可能に接続される。
制御端末200は、対応の装置100とともに当該装置100のメーカから提供される。つまり、1の装置100と当該装置100に接続される制御端末200は、同じメーカがセットとして提供するようにされる。1の装置100と当該装置100が対応する制御端末200とは対応のメーカに独自のプロトコルで通信が行われるように構成されてよい。
制御端末200は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)などのコンピュータ装置とされて、対応の装置100の制御を行う。
【0013】
管理装置300は、制御端末200としてのPLCに対するマスタのPLCとして機能する装置である。
管理装置300は、制御端末200のそれぞれと所定のPLC間ネットワークNWPにより通信可能に接続される。管理装置300は、制御端末200との通信により、装置100に関する所定の情報(装置対応情報の一例)を制御端末200から取得する。また、管理装置300は、制御端末200との通信により、制御端末200に装置100の稼働に関する指示や通知を行う。
【0014】
工場サーバ400は、工場FCにおける製品に関する情報を記憶する。製品に関する情報としては、製品ごとの製造履歴情報であってよい。1の製品に対応する製造履歴情報は、製品を製造するラインにおける装置ごとに対応する工程におけるワークに対する作業結果を示すものであってよい。
また、工場サーバ400は、工場FCに導入された装置100の稼働結果を示す装置稼働履歴情報を記憶する。工場サーバ400が記憶する装置稼働履歴情報は、現在から比較的短期の一定時間(第1時間の一例)を遡った期間において取得したものとなる。また、工場サーバ400が記憶する装置稼働履歴情報は、比較的短期の周期(第1周期の一例)により更新される。
工場サーバ400は、例えばEthernet(登録商標)等の所定の工場FC内の工場内ネットワークNWIを介して管理装置300と通信可能に接続されてよい。
【0015】
製造管理端末500は、工場FCにおける製造管理を担当する担当者が使用する端末装置である。製造管理端末500は、工場内ネットワークNWI経由で工場サーバ400と通信可能に接続される。
また、製造管理端末500は、ゲートウェイ600を介して工場FC外部の外部ネットワークNWO上のメーカ対応サーバ700と通信可能に接続されてもよい。
製造管理端末500は、工場サーバ400が記憶する製造履歴情報にアクセスして、製造履歴情報が提示された製造履歴情報画面を表示することができる。また、例えば装置100が異常発生に対応する通知を出力した場合には、管理装置300は、製造管理端末500に対して、装置100にて異常が発生したことの通知(装置異常発生通知)を送信してよい。管理装置300は、工場サーバ400経由で製造管理端末500に装置異常発生通知を送信してもよいし、直接的に製造管理端末500に送信してもよい。製造管理端末500は、異常発生通知の受信に応じて、装置100にて異常が発生したことの報知を担当者に向けて行ってよい。
【0016】
製造管理端末500における製造履歴情報画面の表示にあたっては、例えば、製造管理端末500にインストールされたウェブブラウザまたは製造履歴情報閲覧用のアプリケーションを工場サーバ400にアクセスさせる。アクセスに応じて、工場サーバ400がウェブページとしての製造履歴情報画面を製造管理端末500に送信する。製造管理端末500のウェブブラウザまたは製造履歴情報閲覧用のアプリケーションは、工場サーバ400から送信された製造履歴情報画面を取得(受信)し、取得した製造履歴情報画面を対応のアプリケーション画面上に表示させる。
【0017】
ゲートウェイ600は、工場内ネットワークと工場外ネットワークとの間の通信を中継する。
【0018】
メーカ対応サーバ700は、工場外ネットワーク上に設けられるサーバである。メーカ対応サーバ700は、クラウドサーバとして構築されてよい。
メーカ対応サーバ700は、工場FCに装置100を提供(納入)したメーカごとに対応して、装置100の稼働結果を示す装置稼働履歴情報を記憶する。
メーカ対応サーバ700が記憶する装置稼働履歴情報は、現在から比較的長期の一定時間(第2時間の一例)を遡った期間において取得したものとなる。また、メーカ対応サーバ700が記憶する装置稼働履歴情報は、比較的長期の周期(第2周期の一例)により更新される。
つまり、工場サーバ400が記憶する装置稼働履歴情報とメーカ対応サーバ700が記憶する装置稼働履歴情報とを比較した場合、工場サーバ400が記憶する装置稼働履歴情報よりもメーカ対応サーバ700が記憶する装置稼働履歴情報のほうが過去の長期の期間に対応するものとなる。また、装置稼働履歴情報の更新周期についても、工場サーバ400が記憶する装置稼働履歴情報よりもメーカ対応サーバ700が記憶する装置稼働履歴情報のほうが長い。
【0019】
メーカ端末800(800-1~800-N)は、装置100(100-1~100-N)のメーカごとに対応する端末である。なお、工場FCに備えられる装置100のうち、複数の装置100が同一メーカである場合には、同一メーカの複数の装置100に対応して1つのメーカ端末800が使用されてよい。
メーカ端末800は、メーカにおいて工場FCにて稼働されている自社の装置100の管理を行う担当者が使用する。
メーカ端末800は、メーカ対応サーバ700にアクセスすることで、メーカ対応サーバ700が記憶する装置稼働履歴情報のうち、自社の装置100に対応する装置稼働履歴情報を取得し、取得した装置稼働履歴情報を提示する装置稼働履歴情報画面を表示することができる。
【0020】
メーカ端末800における装置稼働履歴情報画面の表示は、製造管理端末500にインストールされたウェブブラウザまたは装置稼働履歴情報閲覧用のアプリケーションをメーカ対応サーバ700にアクセスさせ、メーカ対応サーバ700がウェブページとしての装置稼働履歴情報画面を製造管理端末500に送信することにより実現されてよい。
【0021】
[制御端末の構成例]
図2は、制御端末200の構成例を示している。制御端末200は、装置対応通信部201、管理装置対応通信部202、制御部203、及び記憶部204を備える。同図に示される制御端末200としての機能は、ハードウェアとしての制御端末200が備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
装置対応通信部201は、制御端末200に対して下位の装置100と所定のPLC間ネットワークNWP経由で通信を行う。
管理装置対応通信部202は、制御端末200に対して上位の管理装置300とPLC間ネットワークNWP経由で通信を行う。
制御部203は、制御端末200における制御を実行する。制御部203は、通信制御部231(第1通信制御部の一例)を備える。通信制御部231は、管理装置対応通信部202を介して行われる管理装置300との通信に対応する制御を実行する。
記憶部204は、制御端末200に対応する各種の情報を記憶する。
【0022】
[管理端末の構成例]
図3は、管理装置300の構成例を示している。管理装置300は、制御端末対応通信部301、ネットワーク対応通信部302、制御部303、及び記憶部304を備える。同図に示される管理装置300としての機能は、ハードウェアとしての管理装置300が備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
制御端末対応通信部301は、制御端末200のそれぞれPLC間ネットワークNWP経由で通信を行う。
ネットワーク対応通信部302は、工場サーバ400とネットワーク(工場内ネットワークNWI、外部ネットワークNWO)経由で通信を行う。
制御部303は、管理装置300における制御を実行する。制御部303は、通信制御部331(第2通信制御部の一例)を備える。通信制御部331は、制御端末対応通信部301を介して行われる制御端末200との通信に対応する制御を実行する。
記憶部304は、管理装置300に対応する各種の情報を記憶する。
【0023】
[共通通信仕様について]
メーカが異なる制御端末200のそれぞれは、管理装置300と通信を行うにあたり、共通の通信仕様(通信規則、通信プロトコル)によるPLC間通信仕様のもとで通信を行うようにされる。
PLC間通信仕様における共通要素としては、通信に使用するネットワークがPLC間ネットワークNWPで共通であることが含まれる。また、PLC間通信仕様における共通要素としては、管理装置300と制御端末200との間の通信を用いて実現される機能(通信機能)が共通化されていることが含まれる。また、PLC間通信仕様における共通要素としては、通信機能のそれぞれに対応して管理装置300と制御端末200との間で行われる通信手順のパターン(通信手順パターン)が共通化されていることが含まれる。
【0024】
図4は、本実施形態のPLC間通信仕様における通信機能と通信手順パターンとの対応関係例を示している。
同図は、本実施形態のPLC間通信仕様のもとで19個の通信機能に対応する通信が定められた例を示している。同図においては、便宜上、19個の通信機能ごとに0~18の番号を付した。
【0025】
同図を参照して、0番~18番の通信機能について説明する。
0番の通信機能は、「装置状態チェック」である。「装置状態チェック」は、管理装置300が、装置100の状態(ステータス)を確認する通信機能である。「装置状態チェック」の通信の発生元は管理装置300となる。
【0026】
1番の通信機能は、「時刻合わせ」である。「時刻合わせ」は、管理装置300が装置100や制御端末200にて計時される時刻を、管理装置300が計時する時刻に合わせるように書き込む(指示する)通信機能である。「時刻合わせ」の通信の発生元は管理装置300となる。
【0027】
2番の通信機能は、「管理装置状態報告」である。「管理装置状態報告」は、管理装置300の状態(ステータス)を装置100(制御端末200でもよい)に書き込む(通知する)通信機能である。「管理装置状態報告」の通信の発生元は管理装置300となる。
【0028】
3番の通信機能は、「ワーク受入」である。「ワーク受入」は、ラインの先頭の装置100にてワークの受け入れが行われたときに、当該ワークの受け入れのあったことを、ワークを受け入れた装置100に対応する制御端末200から管理装置300に通知する通信機能である。「ワーク受入」の通信の発生元は制御端末200となる。
【0029】
4番の通信機能は、「ワーク装置間受渡」である。「ワーク装置間受渡」は、装置100間にてワークの受け渡しが行われたときに、当該ワークの受け渡しのあったことを、対応の制御端末200から管理装置300に通知する通信機能である。「ワーク装置間受渡」の通信の発生元は制御端末200となる。
【0030】
5番の通信機能は、「ワークコード読取報告」である。「ワークコード読取報告」は、装置100がワークに付されているワークコード(製品識別情報)の読み取りを行ったときに、当該ワークコードの読み取りのあったことを、対応の制御端末200から管理装置300に通知する通信機能である。「ワークコード読取報告」の通信の発生元は制御端末200となる。
【0031】
6番の通信機能は、「ワーク払出報告」である。「ワーク払出報告」は、装置100によるワークの外部への払い出しが行われたときに、当該払い出しのあったことを、対応の制御端末200から管理装置300に通知する通信機能である。「ワーク払出報告」の通信の発生元は制御端末200となる。
【0032】
7番の通信機能は、「搬送停止要求」である。「搬送停止要求」は、装置100がワーク受入不可の状態となったときに、ワークの搬送の停止を制御端末200から管理装置300に要求する通信機能である。「搬送停止要求」の通信の発生元は制御端末200となる。
【0033】
8番の通信機能は、「在荷情報追跡」である。「在荷情報追跡」は、装置100内でワークが所定のポジションを移動するごとに、当該ポジションの移動のあったことを対応の制御端末200から管理装置300に通知する通信機能である。「在荷情報追跡」の通信の発生元は制御端末200となる。
【0034】
9番の通信機能は、「定期データ報告」である。「定期データ報告」は、例えば1秒程度による一定の時間間隔により定期的に、装置100についての所定の定期データ(例えば温度等)を管理装置300に書き込む(通知する)通信機能である。「定期データ報告」の通信の発生元は制御端末200となる。
【0035】
10番の通信機能は、「装置内ワーク払出」である。「装置内ワーク払出」は、作業員の操作によって装置100内のポートよりワークの払い出しが行われたときに、当該ワークの払い出しのあったことを対応の制御端末200から管理装置300に通知する通信機能である。「装置内ワーク払出」の通信の発生元は制御端末200となる。
【0036】
11番の通信機能は、「装置内ワーク投入」である。「装置内ワーク投入」は、作業員の操作によって装置100のポートへのワークの投入が行われたときに、当該ワークの投入のあったことを対応の制御端末200から管理装置300に通知する通信機能である。「装置内ワーク投入」の通信の発生元は制御端末200となる。
【0037】
12番の通信機能は、「共通データ報告」である。「共通データ報告」は、装置100の稼働状態を示すデータとして、装置100間で共通に定められたデータ(共通データ)を制御端末200から管理装置300に書き込む(通知する)通信機能である。「共通データ報告」の通信の発生元は制御端末200となる。
【0038】
13番の通信機能は、「カウンタリセット要求」である。「カウンタリセット要求」は、管理装置300が装置100(または制御端末200)における所定のカウンタをリセットさせるべきタイミングで、カウンタリセットを制御端末200に要求する通信機能である。「カウンタリセット要求」の通信の発生元は管理装置300となる。
【0039】
14番の通信機能は、「装置アラーム報告」である。「装置アラーム報告」は、装置100がアラームを出力したときに、制御端末200が管理装置300にアラーム発生を報告する通信機能である。「装置アラーム報告」の通信の発生元は制御端末200となる。
【0040】
15番の通信機能は、「製品制御」である。「製品制御」は、製品制御を行う装置100がワークコードの読み取りを行ったときに、対応の制御端末200から管理装置300に製品制御の実行を要求する通信機能である。「製品制御」の通信の発生元は制御端末200となる。
【0041】
16番の通信機能は、「ポート状態報告」である。「ポート状態報告」は、装置100においてパレットの排出が行われたときに、対応の装置100におけるポート状態を制御端末200から管理装置300に報告(通知)する通信機能である。「ポート状態報告」の通信の発生元は制御端末200となる。
【0042】
17番の通信機能は、「レシピ変更指示」である。「レシピ変更指示」は、装置100にて流動品種の切り替えが行われるときに、対象の装置100に対応する管理装置300が制御端末200に対し管理装置300がレシピ変更を指示する通信機能である。「レシピ変更指示」の通信の発生元は管理装置300となる。
【0043】
18番の通信機能は、「装置パラメータ変更指示」である。「装置パラメータ変更指示」は、装置100のパラメータ設定を変更すべきタイミングにて、対象の装置100に対応する管理装置300が制御端末200に対し管理装置300が装置パラメータの変更を指示する通信機能である。「装置パラメータ変更指示」の通信の発生元は管理装置300となる。
【0044】
上記の19個の通信機能に対して、PLC間ネットワークNWPにおける、通信手順パターンは、通信機能の類型(タイプ)に応じて5つが定められる。通信手順パターンの数は、通信機能の数以下となるが、ここでは、通信手順パターンの数が通信機能の数よりも少ない場合を例に挙げている。
図5は、5つの通信手順パターンごとに対応する通信機能の類型(機能類型)と、5つの通信手順パターンごとにおける具体的な信号発生パターンを示している。1の通信手順パターンに対応する信号発生パターンは、当該1の通信手順パターンの機能類型に該当する通信機能の通信で共通となる。
図5においては、通信手順パターン1~5ごとの通信機能の機能類型と信号発生パターンとが示されている。
【0045】
通信手順パターン1が対応する通信機能の機能類型は「同期通信」である。「同期通信」は、制御端末200と管理装置300とが定期的に同期して情報を授受する機能類型である。通信手順パターン1の信号発生パターンは、発生元からの処置トリガの発生となる。
【0046】
通信手順パターン2が対応する通信機能の機能類型は「データ送信」である。「データ送信」は、通信装置である制御端末200と管理装置300のうちの一方の通信装置が他方の通信装置に対してデータを送信する機能類型である。通信手順パターン2の信号発生パターンは、発生元からのデータセットと読み取り可能トリガの発生となる。
【0047】
通信手順パターン3が対応する通信機能の機能類型は「データ収集」である。「データ収集」は、制御端末200と管理装置300のうちの一方の通信装置が他方の通信装置にて定常的にセットしているデータを取り込む機能類型である。通信手順パターン3の信号発生パターンは、発生元による常時データセットとなる。
【0048】
通信手順パターン4が対応する通信機能の機能類型は「データ問合せ/指示(相互データ送受信の一例)」である。「データ問合せ/指示」は、制御端末200と管理装置300とのうちの一方の通信装置が他方の通信装置に対して問合せまたは指示のリクエスト等をはじめとするデータを送信し、他方の通信装置は一方の通信装置からのデータの受信に応答して一方の通信装置にデータを送信する機能類型である。通信手順パターン4の信号発生パターンは、送信(要求)側のデータセットと読み取り可能トリガの発生と、応答側によるデータセットと読み取り可能トリガの発生となる。
【0049】
通信手順パターン5が対応する通信機能の機能類型は「カウンタリセット」である。「カウンタリセット」は、制御端末200と管理装置300とのうちの一方の通信装置が他方の通信装置にカウンタのカウント値をリセットさせる制御を行う機能類型である。通信手順パターン5の信号発生パターンは、送信(要求)側の処理トリガとの発生と、応答側によるデータセットと読み取り可能トリガの発生となる。
【0050】
再度、図4を参照して、19個の通信機能のそれぞれが対応する通信手順パターンについて説明する。
通信機能として、0番の「装置状態チェック」は、「同期通信」の機能類型に該当することから、通信手順パターン1が適用される。
1番の「時刻合わせ」は、「データ送信」の機能類型に該当することから、通信手順パターン2が適用される。
2番の「管理装置状態報告」は、「データ収集」の機能類型に該当することから、通信手順パターン3が適用される。
3番~6番の「ワーク受入」、「ワーク装置間受渡」、「ワークコード読取報告」、「ワーク払出報告」は、それぞれ「データ送信」の機能類型に該当することから、通信手順パターン2が適用される。
7番の「搬送停止要求」は、「同期通信の」機能類型に該当することから、通信手順パターン1が適用される。
8番、9番の「在荷情報追跡」、「定期データ報告」は、「データ収集」の機能類型に該当することから、通信手順パターン3が適用される。
10番の「装置内ワーク払出」は、「データ送信」の機能類型に該当することから、通信手順パターン2が適用される。
11番の「装置内ワーク投入」は、「データ問合せ/指示」の機能類型に該当することから、通信手順パターン4が適用される。
12番の「共通データ報告」は、「データ収集」の機能類型が該当することから、通信手順パターン3が適用される。
13番の「カウンタリセット要求」は、「カウンタリセット」の機能類型が該当することから、通信手順パターン5が適用される。
14番の「装置アラーム報告」は、「データ収集」の機能類型が該当することから、通信手順パターン3が適用される。
15番の「製品制御」は、「データ問合せ/指示」の機能類型が該当することから、通信手順パターン4が適用される。
16番の「ポート状態報告」は、「データ送信」の機能類型が該当することから、通信手順パターン2が適用される。
17番、18番の「レシピ変更指示」、「装置パラメータ変更指示」は、「データ問合せ/指示」の機能類型が該当することから、通信手順パターン4が適用される。
【0051】
通信機能の通信に用いるアドレスは、通信機能と制御端末200との組み合わせごとに異なるようにして予め定められる。通信機能に対応する通信にあたり、制御端末200と管理装置300は、共通のアドレスごとに対応する記憶領域を利用して信号、データの授受を行う。このような制御端末200と管理装置300との通信は、アドレスごとに対応する共通の記憶領域を介して行われるものとしてみることができる。
【0052】
以下、図6図10を参照して、通信手順パターン1~5ごとにおける信号発生タイミングの具体例について説明する。
図6は、「同期通信」の機能類型に対応する通信手順パターン1の信号発生タイミングを示すタイミングチャートである。同図において、デバイスAは、制御端末200と管理装置300のデバイスのうち発生元(送信側、要求側)となるデバイスであり、デバイスBは、受信応答側となるデバイスである。通信手順パターン1が適用される0番の通信機能の「装置状態チェック」の場合には、デバイスAが管理装置300でデバイスBが制御端末200となる。
デバイスAは、時間T1(一例として、5秒)の一定の時間間隔ごとに、所定のアドレス(RXYxxxx)によりHレベルの確認要求信号を送信する。デバイスBは、Hレベルの確認要求信号の発生に応じて、所定のアドレス(RXYxxxx)によりHレベルの確認応答信号を送信する。なお、アドレスにおける「xxxx」には対応の機能類型に応じて定められた所定の値が割り当てられる。
【0053】
図7は、「データ送信」の機能類型が対応する通信手順パターン2の信号発生タイミングを示すタイミングチャートである。
デバイスAは、所定のアドレスRXYxxxxにHレベルの読取要求ビット(読取可能トリガ)をセットするとともに、アドレスRWxxxxにデータをセットすることで、読取要求ビットとデータの送信を行う。
デバイスBは、読取要求ビットの受信に応じて、読取要求ビットとともにアドレスRWxxxxで送信されたデータの読み取りを実行する。デバイスBは、データの読み取りの完了に応じて、所定のアドレスRXYxxxxにてHレベルの読取完了ビットを送信することで、読取完了ビットの送信を行う。
【0054】
図8は、「データ収集」の機能類型が対応する通信手順パターン3の信号発生タイミングを示すタイミングチャートである。
デバイスBは、所定のアドレスRWxxxxにてデータをセットすることで、データを定常的に送信している。データは、適宜あるタイミングで更新される。
デバイスAは、所定の時間T2(例えば、1秒)ごとの読み取りタイミングにより、デバイスBから送信されるデータを読み込む。
【0055】
図9は、「データ問合せ/指示」の機能類型が対応する通信手順パターン4の信号発生タイミングを示すタイミングチャートである。
デバイスAは、データ問合せまたは指示を行うにあたり、所定のアドレスLBxxxxによりHレベルの読取要求信号(読取可能トリガ)を送信する。また、デバイスAは、Hレベルの読取要求信号の送信に対応したタイミングで、所定のアドレスLWxxxxにてデータ問合せまたは指示の内容を示すデータをセットすることで、データの送信を行う。
デバイスBは、デバイスAから送信されたHレベルの読取要求信号の受信に応じて、デバイスAがセットしたデータの読み込みを実行し、データの読み込みを完了したことに応じて、所定のアドレスLBxxxxによりHレベルの読取完了信号を送信する。ここまでの段階によりデバイスBは、デバイスAからの問合せ/指示を受け付けたことになる。
デバイスBは、デバイスAからの問合せ/指示に対する応答の読み取りをデバイスAに要求するためのHレベルの読取要求信号(読取可能トリガ)を所定のアドレスLBxxxxにより送信する。また、デバイスBは、Hレベルの読取要求信号を送信したタイミングに対応させて、所定のアドレスLWxxxxにて問合せ/指示に対する応答としてのデータをセットする。
デバイスAは、デバイスBから送信されたHレベルの読取要求信号の受信に応じて、デバイスBがセットしたデータの読み込みを実行し、データの読み込みを完了したことに応じて、所定のアドレスLBxxxxによりHレベルの読取完了信号を送信する。
【0056】
図10は、カウンタリセットの機能類型が対応する通信手順パターン5の信号発生タイミングを示すタイミングチャートである。
デバイスAは、アドレスRWxxxxによりHレベルのカウンタリセット要求信号を送信する。
デバイスBは、カウンタリセット要求信号の受信に応じて所定のアドレスRWxxxxにてカウンタをリセットする。デバイスBは、カウンタのリセットに応じた処理結果を所定のアドレスRWxxxxにてセットする。デバイスBは、処理結果のセットに応じて、所定のアドレスRXYxxxxによりHレベルのカウンタリセット応答信号を送信する。
【0057】
前述のように、本実施形態の制御端末200は、対応の装置100とともに当該装置100のメーカから提供されるものである。このため、制御端末200は、上位の管理装置300と通信する通信仕様について、元来は提供元のメーカが独自に採用する通信仕様に対応するよう構成されている。この場合、管理装置300については、制御端末200のそれぞれにて採用される通信仕様のそれぞれに対応して通信が可能なように構成する必要がある。しかしながら、管理装置300について制御端末200間で異なる通信仕様のそれぞれに対応して通信可能な構成は複雑となる。このため、生産管理システムの開発、仕様変更、機能追加などに対応することが容易でない。
そこで、本実施形態では、制御端末200のそれぞれが管理装置300と通信するPLC間通信を共通化するようにされている。これにより、管理装置300は、1のPLC間通信により複数の制御端末200と通信を行うことが可能となる。この場合、PLC間通信仕様に変更を与えるにあたってはメーカごとに対応して変更する必要がないことから、生産管理システムの開発等も容易となる。
【0058】
なお、PLC間ネットワークNWPでの通信に対応して定められる通信機能は、上記の19個に限定されない。本実施形態における通信機能は、必要に応じて19個より多く定められてもよいし、19個よりも少なく定められてもよい。また、通信手順パターンの数についても、通信機能の数に応じた機能類型に応じて変更されてよい。
なお、本実施形態の構成は、図1に例示した生産管理システム以外のシステムであって、1の第2通信装置が複数の第1通信装置と通信するようにされた通信システムに適用されてよい。
【0059】
[工場サーバの構成例]
図11は、工場サーバ400の構成例を示している。同図に示される工場サーバ400としての機能は、ハードウェアとしての工場サーバ400において備えられるCPUがプログラムを実行することにより実現される。工場サーバ400は、通信部401、制御部402(第1機能部の一例)、及び記憶部403を備える。
通信部401は、工場内ネットワークNWI経由で通信を行う。
【0060】
制御部402は、工場サーバ400における制御を実行する。制御部402は、製造履歴情報の管理を行う。つまり、制御部402は、管理装置300から送信される製品の製造に関する情報に基づいて生成した製造履歴情報を、製造履歴情報記憶部431に記憶させる。
また、制御部402は、製造管理端末500からのアクセスに応じて、製造履歴情報記憶部431に記憶される製造履歴情報を提示する画面(製造履歴情報画面)を製造管理端末500に送信する。これにより、製造管理端末500の表示部にて製造履歴情報画面が表示される。
【0061】
記憶部403は、工場サーバ400が対応する情報を記憶する。記憶部403は、製造履歴情報記憶部431と装置稼働履歴情報記憶部432とを備える。製造履歴情報記憶部431は製造履歴情報を記憶する。製造履歴情報は、工場にて製造された製品ごとについての工程ごとの作業履歴を示す情報である。
【0062】
図12は、製造履歴情報記憶部431が記憶する製造履歴情報の一例を示している。1の製品に対応する製造履歴情報は、製品識別子にワーク履歴情報を対応付けた構造である。
製品識別子は、対応の製品を一意に示すようにして製品に付される識別子である。製品識別子は、工場FCにて、例えば製品に対応するワークが先頭の工程に投入されたことに応じて管理装置300等が生成するようにされてよい。
ワーク履歴情報は、対応の製品を製造した工程ごとにおける作業結果の履歴を示す情報である。
ワーク履歴情報は、図4に示した通信機能との対応では、3番のワーク受入、4番のワーク装置間受渡、5番のワークコード読取報告、6番のワーク払出、8番の在荷情報追跡、10番の装置内ワーク払出、11番の装置内ワーク投入等に応じて制御端末200から送信された情報に基づいて制御部402が生成するものであってよい。
【0063】
上記のようにして生成されるワーク履歴情報に基づいて製造管理端末500にて表示される製造履歴情報画面によっては、製品単位で、ワークごとにどのような作業結果が得られたのかが示される。これにより、ある製品について不良品が発生した場合には、担当者は、製造履歴情報画面において表示される製造履歴情報から、不良品発生の調査を行ったり、不良品と同様の不良が発生している可能性のあるロット、製造時期などの不良発生の波及範囲の特定を行うことができる。また、製造履歴情報を出荷情報と対応付けることで、製品ごとの流通を追跡することも可能となる。
【0064】
説明を図11に戻す。装置稼働履歴情報記憶部432は、装置稼働履歴情報を記憶する。装置稼働履歴情報記憶部432が記憶する装置稼働履歴情報の構造については、後述の図14と同様でよい。
【0065】
また、管理装置300は、例えば図4における8番の搬送停止要求や14番の装置アラーム報告などの装置100の異常発生に応じた通信機能に応じた通信が行われた場合には、異常が発生したことの通知(装置異常発生通知)を工場サーバ400経由、または直接的に製造管理端末500に送信してよい。装置異常発生通知を受信した製造管理端末500は、装置100に異常が発生したことの報知を行ってよい。製造管理端末500は、表示、音、ランプの点灯等により異常が発生したことの報知を行ってよい。つまり、製造管理端末500は、装置100の稼働状態についてリアルタイムで監視することができる。
【0066】
[メーカ対応サーバの構成例]
図13は、メーカ対応サーバ700の構成例を示している。同図に示されるメーカ対応サーバ700としての機能は、ハードウェアとしてのメーカ対応サーバ700において備えられるCPUがプログラムを実行することにより実現される。
メーカ対応サーバ700は、通信部701、制御部702(第2機能部の一例)、及び記憶部703を備える。
通信部701は外部ネットワークNWO経由で通信を行う。
【0067】
制御部702は、メーカ対応サーバ700における制御を実行する。制御部702は、装置稼働履歴情報の管理を行う。つまり、制御部702は、管理装置300から送信される装置の稼働状態に関する情報に基づいて生成した装置稼働履歴情報を、装置稼働履歴情報記憶部731に記憶させる。
【0068】
制御部702は、アクセス対応制御部721を備える。アクセス対応制御部721は、メーカ端末800からのアクセスに応じて装置稼働履歴情報を提示する装置稼働履歴情報画面をアクセス元のメーカ端末800に表示させる。つまり、制御部702は、メーカ端末800からの制御に応じて、装置稼働履歴情報記憶部731に帰欧される装置稼働履歴情報を利用して装置稼働履歴情報画面を生成する。制御部702は、生成した装置稼働履歴情報画面をアクセス元のメーカ端末800に送信する。これにより、アクセス元のメーカ端末800においては、送信された装置稼働履歴情報画面が表示される。
そのうえで、アクセス対応制御部721は、1のメーカ端末800のアクセスに応じて、当該メーカ端末800が対応するメーカの装置100についての装置稼働履歴情報のみにアクセスを許可し、当該メーカ端末800が対応しない他メーカの装置100についての装置稼働履歴情報へのアクセスが制限されるようにする。つまり、1のメーカ端末800にて表示される装置稼働履歴情報画面は、自メーカの装置100についての装置稼働履歴情報のみを提示し、他メーカの装置100についての装置稼働履歴情報は提示しないようにされる。
【0069】
記憶部703は、メーカ対応サーバ700に対応する情報を記憶する。記憶部703は、装置稼働履歴情報記憶部731を備える。装置稼働履歴情報は、工場FCにおける装置100ごとの稼働に関する履歴を示す情報である。
【0070】
図14は、装置稼働履歴情報記憶部731が記憶する装置稼働履歴情報の一例を示している。同図に示されるように1の装置100に対応する装置稼働履歴情報は、装置識別子に稼働履歴情報とメーカアカウントとを対応付けた構造である。
装置識別子は対応の装置100を一意に示す識別子である。
【0071】
稼働履歴情報は、対応の装置100についての稼働に関する履歴を示す情報である。
稼働履歴情報は、図4に示した通信機能との対応では、0番の装置状態チェック、9番の定期データ報告、12番の共通データ報告、15の製品制御に対応する通信に応じて管理装置300が取得し、メーカ対応サーバ700に送信した情報に基づいて制御部402が生成してよい。また、稼働履歴情報は、例えば番号3~6、10、11等のワークに関連する情報に基づく情報も含まれてよい。このようなワークに関連する情報に基づく稼働履歴情報によっては、ワークに対応する作業回数、ワークに対応する作業の状態等を示すことができる。
【0072】
メーカアカウントは、対応の装置100のメーカにより登録されたアカウントである。メーカアカウントは、例えばメーカ識別子とパスワード等を含む。装置稼働履歴情報に含まれるメーカアカウントは、アクセス対応制御部721が、アクセス元のメーカ端末800が対応するメーカの装置100に制限した装置稼働履歴情報を提示するのに用いられる。
【0073】
[処理手順例]
図15のシーケンス図を参照して、本実施形態のメーカ対応サーバ700とメーカ端末800とが装置稼働履歴情報画面の表示に関連して実行する処理手順例について説明する。
ステップS100:メーカの装置管理の担当者は、メーカ端末800により装置稼働履歴情報画面を表示させるにあたり、メーカ端末800をメーカ対応サーバ700の装置稼働履歴情報提供用のウェブサイトにアクセスさせる操作を行う。メーカ端末800は、操作に応じてメーカ対応サーバ700にアクセスし、装置稼働履歴情報提供用のウェブサイトにログインするためのログイン要求を送信する。ログイン要求には、メーカが事前に登録したメーカアカウント(メーカ識別子、パスワード等)が含まれる。
【0074】
ステップS102:メーカ対応サーバ700は、ステップS100により送信されたログイン要求を受信すると、受信したログイン要求に含まれるメーカアカウントを利用して認証処理を実行する。
【0075】
ステップS104:ステップS104による認証処理が成立したことに応じて、メーカ対応サーバ700のアクセス対応制御部721は、認証処理に用いたのと同じメーカアカウントを格納する装置稼働履歴情報を装置稼働履歴情報記憶部731から検索する。
【0076】
ステップS106:アクセス対応制御部721は、ステップS104により検索された装置稼働履歴情報における稼働履歴情報を利用して装置稼働履歴情報画面を生成する。
ステップS108:アクセス対応制御部721は、ステップS106により生成された装置稼働履歴情報画面を、ステップS100によりログイン情報を送信してきたメーカ端末800に送信する。
【0077】
ステップS110:メーカ端末800は、ステップS106により送信された装置稼働履歴情報画面を、当該メーカ端末800の表示部にて表示させる。このように表示される装置稼働履歴情報画面は、今回のログインに用いられたメーカアカウントが対応するメーカ(即ち、メーカ端末800が対応するメーカ)の稼働履歴情報を提示するが、他メーカの稼働履歴情報については提示しないものとなる。
【0078】
メーカの担当者は、装置稼働履歴情報画面にて提示される稼働履歴情報を確認することにより、工場FCに赴かなくとも、装置100の過去の稼働状況がどのようになっているのかを確認できる。また、過去の稼働状況により、故障や異常等の兆候を監視したり、必要なメンテナンスの判断などを適切に行うことができる。このようにメーカ対応サーバ700が記憶する稼働履歴情報は、メーカが長期的視点で装置の保全を行うのに用いられる。
【0079】
なお、同じメーカの複数の装置100が工場FCに配置される場合において、メーカアカウントは、複数の装置100ごとに共通のものが登録されてもよいし、複数の装置100ごとに異なるものが登録されてもよい。
複数の装置100ごとに共通のメーカアカウントが登録される場合、ステップS104によっては、共通のメーカアカウントに対応付けられた複数の稼働履歴情報を検索してよい。この場合には、装置稼働履歴情報画面にて、同じメーカの複数の装置100の稼働履歴情報を提示することができる。
また、同じメーカのもとで、複数の装置100ごとに異なるメーカアカウントをログインに用いるようにされている場合には、装置稼働履歴情報画面にて、ログインに用いたのと同じメーカアカウントに対応付けられた装置100のみの稼働履歴情報が提示されてよい。
【0080】
なお、製造管理端末500は、図15に準じた処理によって工場サーバ400にアクセスすることで、工場サーバ400が記憶する装置稼働履歴情報の内容が反映された装置稼働履歴情報画面を表示させることができる。
【0081】
前述のように、工場サーバ400が記憶する装置稼働履歴情報は、メーカ対応サーバ700が記憶する装置稼働履歴情報よりも短い過去の期間に対応するものであり、更新周期も短い。このような装置稼働履歴情報の内容が反映された装置稼働履歴情報画面は、ラインにおける装置の状況をリアルタイムに提示するものとなる。つまり、製造管理端末500は、工場サーバ400が記憶する装置稼働履歴情報を表示すことで、工場FCにてラインの稼働状態をリアルタイムに監視したり、ラインにおける装置ごとのプロセスをリアルタイムに監視することができる。また、このようにラインの状況の監視がリアルタイムに行われることで、ラインにおける異常発生の兆候を検知することが可能となる。
【0082】
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態について説明する。本実施形態の生産管理システムにおいては、第1実施形態における工場サーバ400とメーカ対応サーバ700とが1つのサーバ(製造管理サーバ)に統合された構成を有する。
図16は本実施形態の生産管理システムの全体的な構成例を示している。同図において、図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
同図の工場FCにおいては、複数の単位管理システムUN(UN-1~UN-n)が設けられた例が示されている。1つの単位管理システムUNは、1つの管理装置300と、当該管理装置300とLC間ネットワークNWPを介して接続される複数の制御端末200(200-1~200-N)と、制御端末200のそれぞれに接続される複数の装置100(100-1~100-N)を備える。例えば工場FCにおいては複数の製造ラインが設けられてよく、複数の単位管理システムUNのそれぞれは、複数の製造ラインにおける1の製造ラインごとに対応して設けられてよい。
1つの単位管理システムUNにおいて、管理装置300は、工場FC外の製造管理サーバ700Aと通信可能に接続される。管理装置300と製造管理サーバ700Aとはネットワークを介して接続されてよい。
製造管理サーバ700Aは、図1における工場サーバ400の機能とメーカ対応サーバ700の機能とを統合したサーバである。即ち、製造管理サーバ700Aは、図11の工場サーバ400の構成と図13のメーカ対応サーバ700の構成とを含む。
第1実施形態の工場サーバ400とメーカ対応サーバ700は、製造管理サーバ700Aとしての機能を、工場FCにおける製造履歴及び装置の稼働履歴を管理する機能と、メーカごとに対応して装置の稼働履歴を管理する機能とに分散させるように構成したサーバとして捉えることができる。
【0083】
製造管理サーバ700Aは、ネットワーク経由で複数の情報管理端末800A(情報管理端末800A-1~800A-N)と接続される。
1つの情報管理端末800Aは、第1実施形態における製造管理端末500としての機能とメーカ端末800-Nとしての機能とのいずれかを有するものであってよい。あるいは、情報管理端末800Aは、製造管理端末500としての機能とメーカ端末800-Nとしての機能とのそれぞれを有するように構成されてもよい。
【0084】
なお、上述の装置100、制御端末200、管理装置300、工場サーバ400、製造管理端末500、メーカ対応サーバ700、メーカ端末800等の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の装置100、制御端末200、管理装置300、工場サーバ400、製造管理端末500、メーカ対応サーバ700、メーカ端末800等の処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0085】
100(100-1~100-N) 装置、200(200-1~200-N) 制御端末、201 装置対応通信部、202 管理装置対応通信部、203 制御部、204 記憶部、231 通信制御部、300 管理装置、301 制御端末対応通信部、302 ネットワーク対応通信部、303 制御部、304 記憶部、331 通信制御部、400 工場サーバ、401 通信部、402 制御部、403 記憶部、431 製造履歴情報記憶部、432 装置稼働履歴情報記憶部、500 製造管理端末、600 ゲートウェイ、700 メーカ対応サーバ、700A 製造管理サーバ、701 通信部、702 制御部、703 記憶部、721 アクセス対応制御部、731 装置稼働履歴情報記憶部、800(800-1~800-N) メーカ端末、800A(800A-1~800A-N) 情報管理端末
【要約】
【課題】製品に関する管理と装置に関する管理とが適切に行われるようにする。
【解決手段】工場の装置ごとに対応して設けられ、対応の装置と通信可能に接続され、対応の装置に関する装置対応情報を取得する制御端末と、制御端末のそれぞれと通信可能に接続されることで、制御端末から装置対応情報を取得する管理装置と、管理装置と通信可能に接続されることで、装置対応情報のうちで装置ごとの作業対象物の作業結果を示す情報を管理装置から取得し、取得した作業結果を示す情報に基づいて工場における製品の製造履歴を示す製造履歴情報を記憶し、装置対応情報のうちで装置ごとの稼働結果の情報を取得し、取得した装置ごとの稼働結果の情報に基づいて装置ごとの装置稼働履歴情報を記憶する製造管理サーバとを備えて製造管理システムを構成する。
【選択図】図16
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16