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特許7180804ランプ、及び、UV放射線を生成するための装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】ランプ、及び、UV放射線を生成するための装置
(51)【国際特許分類】
   H01J 61/40 20060101AFI20221122BHJP
   A47K 10/48 20060101ALI20221122BHJP
   A61L 2/10 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
H01J61/40
A47K10/48 A
A61L2/10
A47K10/48 Z
【請求項の数】 5
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022014832
(22)【出願日】2022-02-02
(62)【分割の表示】P 2018194912の分割
【原出願日】2018-10-16
(65)【公開番号】P2022058836
(43)【公開日】2022-04-12
【審査請求日】2022-02-28
(31)【優先権主張番号】10 2017 009 637.6
(32)【優先日】2017-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(72)【発明者】
【氏名】菱沼 宣是
(72)【発明者】
【氏名】若畑 康彦
【審査官】後藤 大思
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-220684(JP,A)
【文献】特開平06-048765(JP,A)
【文献】特開2016-215183(JP,A)
【文献】特開平11-214165(JP,A)
【文献】特開2007-291361(JP,A)
【文献】特開2006-351670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/00- 2/28
11/00-12/14
H01J 61/00-61/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外波長領域の放射線を放射し、228nm未満の主放射波長を有するランプ(50)であって、
電球(51)と、
前記電球(51)上に被覆として被せるか、又は、前記電球(51)の材料に組み込んで形成され、前記紫外波長領域の放射線のうち228nm~380nmの波長領域の割合を少なくするフィルタ材料(53)と、
を備え、
前記フィルタ材料は、酸化ハフニウムと酸化珪素との交互の層を含む、
ランプ(50)。
【請求項2】
前記紫外波長領域の放射線を反射する反射体が前記電球の一部を囲んで備えられ、
前記フィルタ材料は、前記電球のうち前記反射体で囲まれていない領域に形成されている、請求項1に記載のランプ。
【請求項3】
前記反射体は、前記紫外波長領域の放射線を前記反射体で囲まれていない領域に向けて反射するように構成された、請求項2に記載のランプ。
【請求項4】
前記ランプは、誘電性のバリア放電ランプ、又は、蛍光材料を励起する放射線を生成し、前記蛍光材料の励起によって放射される放射線が228nm未満の主放射波長を有するランプである、請求項1~請求項3のいずれか1つに記載のランプ。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1つに記載のランプを備えた、UV放射線を生成するための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプ、及び、UV放射線を生成するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ハンドドライヤ、特に、ハウジング開口を通じて差し込まれた手を空洞内で空気流によって乾燥することのできるハンドドライヤは、先行技術において一般的に知られており、通常は送風機又はファンを備え、これにより空洞内に差し込まれた手に1つ又は複数のノズルを通じて空気が吹き付けられることで、手が乾燥される。例えば、特許文献1には、薄いエアカーテン状の空気流が高速でスリット形状のノズルから手に吹き付けられるハンドドライヤが記載されている。手から吹き飛ばされた液体は捕集領域で捕集される。その一方で、乾燥に用いられた空気は、一部がハンドドライヤの内部で再循環されたり、一部がハンドドライヤの周囲に達したりする。しかしながら、このようにすると、手に付着する汚染物質、特に胞子又はバクテリア等の細菌が、空気によって運ばれ、ひいては周囲空気中に到達し得る。
多くの場所では、空気中において汚染物質及び特に細菌の滞留は望ましくなく、禁止すらされている。これについては、例えば、病院若しくは介護施設、清潔な環境条件に関してより厳しい要求が課される薬品や食料品の生産設備や調理設備に言及することができる。これらの特別な場所とは関係なく、一般的に、良好な衛生状態に対する要求の高まりが見られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2007/015040号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、ユーザの健康負担をもたらすことなく、細菌の総数を減少させる、ランプ、及び、UV放射線を生成するための装置を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載のランプ、及び、このランプを備えた、UV放射線を生成するための装置によって達成される。好適な実施形態は従属する請求項に示される。よって、本発明は、その最も広範な態様においては、紫外波長領域の放射線を放射し、228nm未満の主放射波長を有するランプであって、電球と、電球の上に被覆として被せるか、又は、電球の材料に組み込んで形成され、228nm~380nmの波長領域のUV放射線の割合を少なくするフィルタ材料と、を備えるランプに関する。
【0008】
本発明の実施形態の一例としては、ハウジング開口を通じて外部からアクセス可能な空洞がこの空洞内で空気流によって乾燥されるべき手を収容するように内部に形成されたハウジングと、気流を生成するための装置と、紫外波長領域の放射線を放射する少なくとも1つのランプを含み、少なくとも1つのランプがUV放射線を空洞内へ放射するようにハウジング内に配置された、UV放射線を生成するための装置と、を有するハンドドライヤがある。このUV放射線を生成するための装置は、空洞内へ放射される228nm~380nmの領域の波長を有するUV放射線が、空洞内へ放射される200nm~380nmの領域の波長を有するUV放射線の強度のうち、最大で20%の強度を有するように構成されている。
【0009】
本発明の実施形態の一例であるハンドドライヤはUV放射線の生成のための装置を用い、この装置は特定のスペクトルの放射線を空洞内へ放射する。放射スペクトルは、空洞内に到達する200nm~380nmの波長領域を有するUV放射線の大半、すなわち少なくとも80%が、228nm未満の波長領域にあるように最適化される。空洞内へ放射されるUV放射線(ここでは常に200nm~380nmの領域の放射を表す)の強度の最大で20%のみが、228nm~380nmの波長領域に該当する。好適には、後者の領域のUV放射線の強度は、空洞内へ放射されるUV放射線(200nm~380nm)の強度の最大で15%、特に好適には最大で10%、とりわけ最大で7%となる。
【0010】
本発明の実施形態の一例であるハンドドライヤにおいて使用される、228nm未満の波長領域の放射線の割合を増大させて228nm~380nmの波長領域の強度を減少させたUVスペクトルは、皮膚上にいる細菌の略完全な殺菌、とりわけ多耐性バクテリアをも含むバクテリアの実質的に完全な除去をもたらす。その一方で、空洞内へ放射されるUV放射線は、ヒトDNAによってもヒトRNAによっても吸収されることはなく、したがってヒト細胞に対して突然変異的な影響を与えない。この波長領域においては、眼損傷も発生しない。しかし、UV放射線の全スペクトルが空洞内へ放射される場合には、この限りではないであろう。特に、250nmを上回る波長領域においては、UV放射線は、ヒトRNAによってもヒトDNAによっても吸収され、鎖切断及びその後の二重結合又は二量体の形成をもたらし得る。また、多数のヒトタンパク質も、高いUV-C波長領域のUV放射線を吸収し、ヒトの目と同様、これによって損傷を受け得る。したがって、本発明に従って使用される、UV放射線を生成するための装置は、低いUV-C領域のUV放射線を選択的に放射する一方、特に250nmを上回る臨界波長領域から十分な間隔を維持し、これにより、228nm~380nmの波長領域におけるUV放射線の強度の合計は、200nm~380nmの波長領域の全UV放射線のうち最大で20%である。本発明の実施形態の一例であるハンドドライヤのユーザの健康リスクはこのようにして最小限にまで低減され、その一方で、細菌及びとりわけバクテリアは実質的に完全に殺菌される。これは、ユーザの手にいる細菌のみならず、ハンドドライヤ内の空気流によって混入される細菌にも有効である。
【0011】
前述の放射スペクトルは、本発明によれば、様々な手法で達成され得る。第1の可能性では、ランプとして、228nm未満の主放射波長を有するランプが選択される。ここで好適なのは、さらなる措置を要さずに既にそれ自体で本発明によるUV放射線の強度分布を提供するランプを使用することである。これには、誘電性のバリア放電ランプ、それもKrCl及びKrBrエキシマバリア放電ランプが特に適している。これら2つのエキシマバリア放電ランプの主放射波長は、それぞれ222nm及び207nmである。両タイプのランプとも、228nmよりも上では、ごくわずかな紫外放射線しか放射しない。したがって、これらの2つのエキシマバリア放電ランプは、本発明の実施形態の一例であるハンドドライヤにおける使用に特に適した例である。
【0012】
所望のUVスペクトルの生成のための第2の可能性は、蛍光材料を励起する放射線を生
成するランプを用いることにあり、蛍光材料の励起によって、228nm未満の主波長を
有する放射線が発現する。最初に放射された放射線が蛍光材料を用いて別の波長の放射線
に変換される種類のランプは、一般的に知られている。本発明によれば、励起放射線を生
成するために、好適には希ガスバリア放電ランプが用いられる。これに特に適しているの
は、キセノン、クリプトン、及びアルゴンバリア放電ランプである。蛍光材料(UV-C
放射物質)としては、例えばランタンリン酸塩プラセオジム(Lanthanphosphat-Praseody
m)、LaPO:Prが用いられ得る。
【0013】
所望のUVスペクトルを生成するためのさらなる可能性は、所望の波長領域よりも広い
波長領域を有するUV放射線を生成する少なくとも1つのランプを使用することであり、
その場合、所望でない波長領域は、フィルタ材料によってフィルタ除去される。この種の
フィルタ材料もまた一般的に知られている。228nm~300nm、好適には230n
m~260nmの領域の波長を有するUV放射線をフィルタ除去するフィルタを使用する
ことが好ましい。約254nmのUV放射線のフィルタ除去は特に重要である。なぜなら
、この波長は、多数のヒトタンパク質ならびにヒトRNA及びDNAを損傷し得るからで
ある。
【0014】
所望のUVスペクトルの生成のための前述した可能性は、それだけで又は互いに任意に
組み合わせて使用され得る。よって、説明した第1及び第2の変形例において、放射スペ
クトルに基づいて特に選択されたランプのタイプを、適切なフィルタと組み合わせて用い
ることが、特に可能である。このようにすれば、228nm~380nmの波長領域のU
V放射線の割合をとりわけ少なくすることができる。
【0015】
フィルタ材料は、任意の適切な手法で、UV放射線を生成するための装置内に配置され
得る。1つの可能性は、フィルタ材料を電球の上に被覆として被せるか、又は電球の材料
に組み込むことである。適当なフィルタ材料は、酸化ハフニウム及び酸化珪素の少なくと
も一方を含み得る。好適なのは、酸化ハフニウムと酸化珪素との交互の層を含むフィルタ
材料である。
【0016】
UV放射線を生成するための装置の少なくとも1つのランプは、様々な手法でハンドド
ライヤ内に配置され得る。好適な一変形例においては、ランプの電球は、その一部が空洞
内に突出するが、大部分が空洞の外部に位置するように、ハウジング内に配置される。光
放射窓が空洞を画定する壁と面一であり、その後ろにランプが配置される場合とは異なり
、UV放射線は、空洞全体により良好に到達できるとともに、空洞から細菌を概して除去
できる。しかし、電球の大部分は依然として空洞の外部に配置されたままであり、したが
って、損傷や、汚水による汚染に対して、良好に保護される。「電球の大部分」とは、本
発明の観点からは、電球によって占められる容積(Volumen)であって、電球の全容積の
50%よりも大きいものと理解される。電球容積の30%以下が空洞内に突出していると
、好適である。
【0017】
別の一変形例においては、少なくとも1つのランプは、電球全体が完全に空洞内にある
状態で位置している。この可能性は、空洞が、少なくとも1つのランプを収容してもユー
ザの手のために十分な空間を残しておくのに十分な大きさを有する場合の選択肢である。
この変形例では、直径の小さな管形状の電球を備えたランプを用いることが好都合である
【0018】
基本的には、本発明の実施形態の一例であるハンドドライヤには、1つのUVランプで足りるであろう。しかし、少なくとも2つのランプが空洞の側部に対向して配置されており、ユーザの手を両側からUV放射線で照射すると、好適である。少なくとも1つのランプが管形状の電球を備えている場合には、この電球は好適には、ハウジング開口の開口平面に対して概ね平行に配置される。ここで、「概ね平行」とは、開口平面に対して最大で15°の傾斜を意味する。好適にはこの傾斜は開口平面に対して5°以下、特に2°以下である。代替的には、略球形又は略卵形の電球を備えたランプが使用されてもよい。その場合、空洞の側部毎に複数のランプが隣り合って配置されてもよい。ハウジング開口の開口平面に対するそれらの傾斜に関しては、管形状の電球について述べたことが対応して当てはまる。
【0019】
本発明の好適な一実施形態においては、電球のうち空洞内にある部分は、窓構成部材に
よって、ハンドドライヤの空洞と仕切られている。窓構成部材は、ランプの保護として役
立つとともに、好ましくは、ランプが配置されている空間に対して、空洞を気密且つ湿密
に閉塞する。1つよりも多くのランプが用いられる場合には、各ランプがそれぞれ1つの
窓構成部材によって保護されてもよいし、又は1つの窓構成部材が複数のランプのために
用いられてもよい。望ましくないUV波長領域のフィルタ除去のためにフィルタ材料が用
いられる場合には、このフィルタ材料は例えば、窓構成部材の被覆として備えられてもよ
い。代替的には、窓構成部材の全部又は一部をフィルタ材料で製造することも可能である
。無論、フィルタ材料は、電球及び窓構成部材のそれぞれの外部や内部にも使用され得る
。また、フィルタ材料によって、紫外領域外の他の波長領域がフィルタ除去されてもよい
。適当な材料に関しては、前述したものを参照されたい。
【0020】
UV放射線を生成するための装置によって生成された放射線の大部分が可能な限りハン
ドドライヤの空洞内に到達するように、放射線放射開口を開放した状態の反射体で電球を
囲んで、この反射体が228nm未満の波長のUV放射線を空洞の方向に向かって反射す
ることが好適である。当然、用いられるランプの種類に応じて別の波長の放射線が反射体
により反射されてもよく、必要に応じて、望ましくないUV放射線がフィルタ材料を用い
て分離される。基本的には、反射体として、技術水準から既知のいかなる反射体をも適宜
使用することができる。反射体は、例えば、電球の金属コーティングであってもよい。代
替的には、放射線放射開口を開放した状態で電球の外面上に配置された金属スリーブも考
えられる。誘電性のバリア放電ランプの場合には、金属スリーブは同時にランプの外部電
極としても用いられ得る。反射体は、空洞内へのUV放射線の効果的な放射をもたらすだ
けでなく、ランプの一部が空洞の外部に位置する場合に、UV放射線がハウジングの内部
に到達してそこに配置された構成要素を損傷させるのを阻止する。このようにすれば、ハ
ンドドライヤの寿命を延ばすことができる。
【0021】
放射線放射開口を、放射線が空洞の方向に少なくとも30°の開口角度で放射されるよ
うに構成すると好都合であることが明らかになった。これにより、十分に大きな照射面積
と、ひいては空洞内に差し込まれたユーザの手の略完全な照射と、が図られる。
【0022】
本発明の実施形態の一例としてのハンドドライヤの基本構造は、基本的に従来のハンドドライヤの構造に相当するものでもよく、従来のハンドドライヤとはUV放射線を生成するための装置のみが相違していてもよい。本発明の実施形態の一例としては、基本構造が、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に記載されているものに相当するハンドドライヤを用いることが好ましい。これは特に、乾燥空洞への空気の供給に関係する。したがって、この目的のために、本発明の実施形態の一例としては、フラットノズルを用い、このフラットノズルによって、高速の、好ましくは少なくとも15m/秒の速度のエアカーテンが、乾燥対象の手に吹き付けられる。有利なことには、本発明の実施形態の一例であるハンドドライヤは、ハウジング開口の長手方向の側部に互いに対向して配置された2つのフラットノズルを備え、これらによって空気流が空洞内に吹き込まれる。ここで、ノズル開口がハウジング開口の開口面に対して少なくとも7°の傾斜角を有していると特に好適であることが明らかになった。このようにすれば、空洞内に吹き込まれる空気は、乾燥対象の手に対して斜めに且つ比較的小さな角度で、その手に沿って導かれる。空気流を生成するための装置としては、ファン又は送風機がそれ自体から既知である方法で用いられ得る。
【0023】
空洞内に空気を吹き込むフラットノズルに対して、少なくとも1つのランプが、空洞を
画定する側壁のうちフラットノズルに対向する側壁の帯状領域内にあるように配置される
と好都合である。この帯状領域の上縁又は下縁は、ある角度範囲の境界が側壁を切断する
切断線に対応しており、この角度範囲は、フラットノズルからの空気吐出方向が中央面と
して基準にされて、その中央面の両側にプラスマイナス45°で延びている。よって、ラ
ンプは、ユーザの手から吹き飛ばされた水分及びそれに含まれる細菌がランプに向けて吹
かれて高確度でUV放射線に曝されるように、フラットノズルに対して、空洞の対向する
側部に設けられる。
【0024】
ハンドドライヤにおける空気流の誘導も、基本的に既知の手法で行われ得る。一変形例においては、空洞に流入した空気は再循環されず、空洞からハンドドライヤの周囲へと漏れ出す。別の一変形例においては、手の乾燥のために空洞内に吹き込まれる空気の少なくとも一部が再循環されて空洞内に再度流入する。このために、本発明の実施形態の一例であるハンドドライヤは、少なくとも1つの排気ダクトと少なくとも1つの給気ダクトとを備えており、これらは、空気流が排気ダクト及び給気ダクトならびに空洞を通って循環され得るように、空洞と連結されている。ファン又は送風機のような、空気流を生成するための装置は、原則的に、この換気サイクルの内部の任意の箇所、すなわち排気ダクト内、給気ダクト内、又は空洞の領域内に配置され得る。空気流を生成するための装置は、空洞から引き出される空気流が通る排気ダクトの領域内に配置されるのが好適である。
【0025】
ハンドドライヤの領域から周囲への細菌の漏出を可能な限り回避するためには、本発明の実施形態の一例であるハンドドライヤを可能な限り閉じた構造方式で提供することが有利となり得る(特許文献2及び特許文献3を参照)。これに対し、他の既知のハンドドライヤ、例えば特許文献1に記載されているハンドドライヤは、比較的開いた構造方式を備えており、この構造方式には、動圧を回避するとともに空気を迅速に流れ去らせるという目的がある。こうした理由から、例えば、手の乾燥用の空洞は、側部が開いて形成されている。本発明の観点からは、基本的に、記載された両方の構造タイプを使用することができる。
【0026】
ハンドドライヤの構造方式とは関係なく、本発明の実施形態の一例として、空洞を画定する壁の少なくとも一部が少なくとも部分的に光触媒を備えていることによって、細菌減少に関してさらなる改善がなされ得る。これは、放射線の影響下で有機化合物を分解させることのできる化合物のことである。ここでは具体的に、UV放射線を生成するための装置によって生成された放射線に曝されたときに、空洞内の細菌の殺菌に寄与する光触媒が使用される。この殺菌は、例えば、光触媒が、UV放射線の影響下で、細菌と反応してこれを破壊する、オゾン及びラジカル(例えば水から生じたOHラジカル等)の少なくとも一方を放出することによって行われる。好適な光触媒は二酸化チタンであり、これは例えば、空洞を取り囲む壁の表面上に適用された被覆に含まれているか、又は壁の材料に組み込まれている。空洞壁上の細菌を可能な限り殺菌するためには、壁は可能な限り完全に光触媒を備え、又は光触媒によって被覆される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1ハンドドライヤの一実施例を示す図である。
図2図1に記載のハンドドライヤの線X-X’に沿った断面図である。
図2a図2の領域Yの部分拡大図である。
図2b図1及び2に記載のハンドドライヤにおけるフラットノズルに対するランプの配置を示す図である。
図3図1に記載のハンドドライヤのユーザ使用中における側面図である。
図4a】空洞及び空洞を画定する側壁に対するランプの配置を、ランプの長手軸に垂直な断面で示す図である。
図4b】代替的なランプ配置を図4aに対応して示す図である。
図5図1に記載のハンドドライヤの代替的な一実施形態の線X-X’に沿った断面図である。
図5a図5の部分Zの領域における様々なランプ配置を示す図である。
図5b図5の部分Zの領域における様々なランプ配置を示す図である。
図5c図5の部分Zの領域における様々なランプ配置を示す図である。
図6a】様々な洗浄及び殺菌方法の後で被験者の手から採取された試料が培養されたペトリ皿の上面図である。
図6b】様々な洗浄及び殺菌方法の後で被験者の手から採取された試料が培養されたペトリ皿の上面図である。
図6c】様々な洗浄及び殺菌方法の後で被験者の手から採取された試料が培養されたペトリ皿の上面図である。
図6d】様々な洗浄及び殺菌方法の後で被験者の手から採取された試料が培養されたペトリ皿の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を単に模式的な図面を参照して詳細に説明し、図面では同一の部分を同一の参照符号で示す。
【0029】
図1は、本発明の実施形態の一例であるハンドドライヤ1の大幅に簡略化された斜視図を示しており、このハンドドライヤは、ハウジング2を有する。ハウジング2は、上面にハウジングの全幅にわたって延びるハウジング開口20を備える。このハウジング開口に、ハウジング開口20と同様にハウジングの全幅にわたって延びる空洞21が接続される。空洞21は、ハウジング開口20を通じてユーザがその手3を空洞21内に完全に差し込むことができる十分な大きさを有する。これは図3のハンドドライヤの側面図に示されており、同図ではユーザの腕の一部と部分的に空洞21に差し込まれた手3とが図示されている。
【0030】
図2の断面図において明らかなように、ハウジング2の下方の領域には空洞があり、そ
の中には送風機4が配置されていて、これが高速の空気を、2つの通気ダクト70,70
’を通じて、2つのフラットノズル7,7’に向けて運ぶ。これらのフラットノズルは、
ハウジング開口20に隣接し、空洞21の側部で対向して空洞21に開口している。空気
は、フラットノズル7,7’から、少なくとも15m/秒の速度で、空洞21内に差し込
まれたユーザの手に向かう方向で吹き付けられる。ファン4は、両センサ8,8’がそれ
らの間の間隙において物体(通常はユーザの手)を検出すると、動作を開始する。その後
、ファン4は所定の期間にわたって動作する。また、UV放射線の生成のための装置5の
一部である両ランプ50,50’もオンにされる。装置5は、空洞へ向けて200nm~
380nmの波長のUV放射線を放射し、その強度のうち最大で20%が228nm~3
80nmの波長領域にある。
【0031】
図2aは、UV放射線の生成のための装置5の部分Yを拡大して示す。空洞21の対向
する側部におけるランプの配置は、空洞に対応して構成される。ランプ50は、図示され
る例においては、クリプトンハロゲン化合物エキシマバリア放電ランプ、具体的にはKr
Cl又はKrBrエキシマバリア放電ランプであって、管形状の電球を有している。この
電球は、ハウジング開口20の開口面に平行に延びるとともに、電球とハウジング開口2
0との間に配置される、センサ8及びフラットノズル7の出口開口に平行に延びるように
、配置される。フラットノズルは、本具体例では25cmの長さである。電球51は、空
洞21を画定する側壁23において同じく25cmの長さを有するスリット形状の開口2
30内に、電球によって占められる容積の約3分の1が空洞21の内部に位置し、その一
方で電球容積のおよそ3分の2が空洞21の外部に位置するように、配置されている。電
球51を部分的に空洞21内に差し込むことで、ランプにより放射された放射線は、ユー
ザの手のために利用可能な空間が大幅に縮小し、あるいは、ランプが過度に損傷したり汚
染したりする危険を被ることなく、空洞21のすべての領域に到達できるようになる。窓
構成部材6が、電球51のうち空洞21内に突出している部分を完全に覆い、スリット形
状の開口230を空洞21に対して気密且つ湿密に閉塞することで、ランプの保護がさら
に図られる。
【0032】
電球51のうち空洞21内に突出していない領域は、本具体例ではスリット入りの金属
スリーブ540の形状を有する反射体54によって囲まれており、スリット開口541は
空洞21への放射線放射開口を構成する(図4a及び図4bも参照のこと)。代替的には
、反射体54は、金属コーティングであってもよい。金属スリーブ540が用いられる場
合には、この金属スリーブは同時に、誘電性のバリア放電ランプの外部電極としても機能
し得る。図2の例においては、電球51のうち空洞21内に突出している部分は、空洞に
向けて放射される放射線のうち228nmよりも高い領域の波長を有するUV放射線をフ
ィルタ除去することができるフィルタ材料53によって被覆される。代替的又は追加的に
は、フィルタ材料53は窓構成部材6にも被覆として適用されていてもよく、あるいは、
窓構成部材6が全体としてフィルタ材料から製造されてもよい。
【0033】
図2bは、フラットノズル7に対して反対側のランプ50’の配置を模式的に示す。同じことは、対応するランプ50及びこれに対して反対側のフラットノズル7’にも当てはまる。図から明らかなように、フラットノズル7は空洞21の内側に向かって若干傾斜している。空気は、少なくとも15m/秒の速度で、エアカーテンとして、矢印及びそれに連なる破線で表された流れ方向Rに沿って、空洞21内に入る。断面では線として表されている流れ方向は、フラットノズル7の全幅にわたって見ると平面を成しており、この平面に基づいて、反対側の側壁23’に向かって楔形に開く角度範囲αが本発明の実施形態の一例として規定される。側壁23’に楔形の領域によって形成される交差断面は、上縁220及び下縁220’を有する、横に延びる帯状の領域22を成す。本発明の実施形態の一例として、この帯の内部にランプ50’が配置される。ここで、角度αは90°であって、流れ方向平面Rの両側に均等に分割され、したがって平面Rの上と下とにそれぞれα/2の45°となる。
【0034】
図2図2a及び図2bからさらに明らかなように、空洞を画定する壁23及び空洞床
面は、被覆24を備える。この被覆は光触媒、具体的には二酸化チタンを含む。この光触
媒は、UV放射線に曝されたときには、例えば水からのOHラジカル等といったラジカル
や、オゾンの発生を引き起こす。これらはそれぞれ殺菌作用を呈する。このようにして、
空洞壁への細菌の滞留が阻止される。
【0035】
図4a及び図4bは、側壁23及び空洞21に対する電球51の配置に関する2つの異
なる可能性を示す。図4aにおいては電球51がほんの僅かにしか空洞21内に突出して
いないのに対し、図4bにおいては、電球51の容積の約40%が空洞21内にある。電
球が空洞21内に突き出せば突き出すほど、空洞はより良好にUV放射線で照射され得る
が、損傷及び汚染の危険が高まるとともに、電球及び電球を覆う窓構成部材6のために空
洞内により多くの空間を要する。図4aはさらに、ランプ50の別の一例、つまり、La
PO:Prのような蛍光材料からなる被覆52が、生成された放射線を変換して、22
8nmを下回る波長を有する放射線の割合を高めたUV放射線を空洞21内に放射するラ
ンプを示している。これは例えば、希ガスバリア放電ランプであってもよい。
【0036】
図5は、本発明の実施形態の一例であるハンドドライヤ1の代替的な一実施形態を示す。この実施形態は、基本的にランプ50,50’の配置が、図2の実施形態と異なる。ここではランプは完全に空洞21の内部に配置される。開口20に概ね平行に延びる管形状の電球は、空洞21内にユーザの手のために可能な限り多くの空間を残しておくために、可能な限り小さい直径(例えば15mm)を有することが好都合である。
【0037】
図5a~5cは、ランプ50の配置の様々な可能性を、図5の領域Zについての部分拡
大図で示す。図5aにおいては、ランプ50の電球は、空洞21の方向に向かって放射線
放射開口541が開口する反射体54によって包囲されている。この放射線放射開口は、
30°よりも大きい開口角度θで、本具体例では約80°で、UV放射線が空洞21内に
放射されることを可能にする。この開口角度は、ハンドドライヤ1の寸法に応じて、空洞
の十分な照射とユーザの手の可及的完全な照射とが行われ得るように選択される。
【0038】
図5b及び図5cは代替的なランプ配置を示しており、これらの配置では、ランプ50
はそれぞれ固定部材25を用いて空洞21の側壁23に固定されている。ここでは、開口
角度θは固定部材25の大きさによって定められる。図5bの場合には、固定部材が電球
の周囲の約60°のみを覆うので、開口角度は約300°となる。図5cの場合には、固
定部材が電球の周囲の約半分を覆い、その結果開口角度は概ね180°となる。
【0039】
従来の手の乾燥方法に対する本発明の実施形態の一例による相対的な有効性に関して調査を行った。本発明の実施形態の例では、図1及び図2において説明した構造を有するハンドドライヤが用いられ、ランプ50,50’としては、それぞれ222nmの主波長を有するKrClエキシマバリア放電ランプが使用された。これらのランプはそれぞれ約20Wで運転され、手の表面への放射強度は大体3mW/cmであった。約5秒の乾燥時間における222nmのUV放射線の全線量は、平均で15mJ/cmであった。乾燥時間の終了後、被験者のそれぞれの手から、3M社の市販のペトリフィルム(登録商標)を用いて試料が採取され、同社の指示書に従って培養された。その後、各ペトリフィルム(登録商標)上に見つかったコロニーが集計された。テスト系列毎に2つの試料が採取された。集計の平均から、テスト系列の検査結果が明らかになった。試験は以下のテスト系列を含んでいた。
1)手は石鹸で徹底的に洗浄され、ハンドドライヤにおいて空洞21内でUV放射線を放射せずに乾燥された。
2)手は石鹸で徹底的に洗浄され、ハンドドライヤにおいて空洞21内でUV放射線を放射して乾燥された。
3)手は洗浄されず、ハンドドライヤにおいて空洞21内でUV放射線を放射せずに乾燥された。
4)手は洗浄されず、ハンドドライヤにおいて空洞21内でUV放射線を放射して乾燥された。
【0040】
テスト系列1~4の系列毎に手の表面から採取された2つの試料の写真が図6a~6d
に示されており、図の左の領域にはそれぞれペトリフィルム(登録商標)の半分のみが示
されている。図6aはテスト系列1の2つの試料の結果を示しており、これらについては
ペトリフィルム(登録商標)上のコロニーの集計は24個及び13個、平均で18.5個
のコロニーという結果であった。図6bは、2個及び1個のコロニーを含むテスト系列2
のペトリフィルム(登録商標)を示し、したがって平均では1.5個のコロニーであった
図6cに示されたペトリフィルム(登録商標)のテスト系列3は、480個及び812
個、平均で646個のコロニー、最後に、図6dに図示されたペトリフィルム(登録商標
)のテスト系列4は、32個及び43個のコロニー、したがって平均では37.5個のコ
ロニーという結果であった。
【0041】
上記の結果は、基本的には、単に手を乾燥して滅菌を行わなかったテスト系列3と比較して細菌残存率(Restkeimrate)が約3%に相当する、徹底的な手洗い及び乾燥によって、比較的良好な手の浄化が既に可能であることを示している。テスト系列4は、洗浄されていない手の場合でも、単にUV放射線に曝すだけで、手に存在する細菌の著しい減少、すなわちテスト系列3と比較して細菌残存率が約5%~約8%を達成し得ることを明らかにしている。抜群に良い結果、すなわち、テスト系列3と比較して細菌残存率が約0.2%の細菌が略完全に除去された手が、テスト系列2で達成された。つまり、抜群に良い結果は、手の徹底的な洗浄と、本発明の実施形態の一例であるハンドドライヤで本発明に従って選択された波長領域のUV放射線を放射して行う洗浄後の乾燥と、によって、達成された。なお、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下に記載する。
[1]
ハウジング開口(20)を通じて外部からアクセス可能な空洞(21)が該空洞(21)内で空気流によって乾燥されるべき手(3)を収容するように内部に形成されたハウジング(2)と、気流を生成するための装置(4)と、紫外波長領域の放射線を放射する少なくとも1つのランプ(50)を含み、該少なくとも1つのランプ(50)が、UV放射線を前記空洞(21)内へ放射するように前記ハウジング(2)内に配置された、UV放射線を生成するための装置(5)と、を有するハンドドライヤ(1)であって、
前記UV放射線を生成するための装置(5)は、前記空洞(21)内へ放射される228nm~380nmの領域の波長を有するUV放射線が、前記空洞(21)内へ放射される200nm~380nmの領域の波長を有するUV放射線の強度のうち、最大で20%の強度を有するように構成されていることを特徴とする、ハンドドライヤ。
[2]
前記空洞(21)内へ放射される228nm~380nmの領域の波長を有する前記UV放射線は、前記空洞(21)内へ放射される200nm~380nmの領域の波長を有する前記UV放射線の強度のうち、最大で15%、好適には最大で10%、特に最大で7%の強度を有することを特徴とする、上記[1]に記載のハンドドライヤ。
[3]
前記少なくとも1つのランプ(50)は、
228nm未満の主放射波長を有するランプ(50)、好適には誘電性のバリア放電ランプ、特にKrCl又はKrBrエキシマバリア放電ランプ、
蛍光材料(52)を励起する放射線を生成するランプであって、前記蛍光材料の励起によって放射された放射線が228nm未満の主放射波長を有し、好適には希ガスバリア放電ランプである、ランプ、又は
228nm~300nm、好適には230nm~260nmの領域の波長を有するUV放射線をフィルタ除去するフィルタ材料(53)と組み合わせられたランプ(50)
から選択されることを特徴とする、上記[1]又は[2]に記載のハンドドライヤ。
[4]
前記ランプ(50)の電球(51)は、該電球(51)の一部が前記空洞(21)内に突出するが、該電球(51)の大部分が前記空洞(21)の外部に位置するように、前記ハウジング(2)内に配置されることを特徴とする、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載のハンドドライヤ。
[5]
前記ランプ(50)の電球(51)は完全に前記空洞(21)内に配置されていることを特徴とする、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載のハンドドライヤ。
[6]
前記電球(51)のうち前記空洞(21)内にある部分は、窓構成部材(6)によって前記空洞(21)と仕切られていることを特徴とする、上記[4]又は[5]に記載のハンドドライヤ。
[7]
前記フィルタ材料(53)は、前記電球(51)及び前記窓構成部材(6)の少なくとも一方に取り付けられるか、又は前記窓構成部材(6)が前記フィルタ材料(53)から成ることを特徴とする、上記[3]~[6]のいずれか1つに記載のハンドドライヤ。
[8]
前記電球(51)は、放射線放射開口(541)を開放した状態で、228nm未満の波長を有するUV放射線を前記空洞(21)の方に向かって反射する反射体(54)によって包囲されていることを特徴とする、上記[1]~[7]のいずれか1つに記載のハンドドライヤ。
[9]
前記反射体(54)は、前記電球(51)の金属コーティングであるか又は金属スリーブ(540)であり、前記金属スリーブは、前記放射線放射開口(541)を開放した状態で、前記電球(51)の外面上に配置されており、好適には同時に前記ランプ(50)の外部電極を構成することを特徴とする、上記[8]に記載のハンドドライヤ。
[10]
前記放射線放射開口(541)は、放射線を前記空洞(21)の方向に少なくとも30°の開口角度(θ)で通過させるように形成されていることを特徴とする、請求項8又は上記[9]に記載のハンドドライヤ。
[11]
特に管形状の、2つのランプ(50,50’)が、前記空洞(21)の側部に対向して配置されていることを特徴とする、上記[1]~[10]のいずれか1つに記載のハンドドライヤ。
[12]
少なくとも1つのフラットノズル(7)、特に、前記空洞(21)の対向する側部におけるそれぞれ1つのフラットノズル(7,7’)が、前記ハウジング開口(20)に隣接する領域に設けられ、少なくとも15m/秒の速度で前記空洞(21)内に対して気流を生成するように構成されていることを特徴とする、上記[1]~[11]のいずれか1つに記載のハンドドライヤ。
[13]
前記少なくとも1つのランプ(50,50’)は帯状領域(22)内に配置されており、前記帯状領域は、フラットノズル(7,7’)に対向する、前記空洞(21)を画定する側壁(23)上にあり、前記帯状領域の縁(220,220’)は、前記フラットノズル(7,7’)からの空気吐出方向(R)を基準として±45°の角度範囲(α)の境界が前記側壁(23)を切断する切断線に対応することを特徴とする、上記[12]に記載のハンドドライヤ。
[14]
前記空洞(21)を画定する壁の少なくとも一部が少なくとも部分的に光触媒を備えていることを特徴とする、上記[1]~[13]のいずれか1つに記載のハンドドライヤ。
[15]
前記光触媒は二酸化チタンを含み、該二酸化チタンは、前記壁の表面上に適用された被覆(24)に含まれているか又は前記壁の材料に組み込まれていることを特徴とする、上記[14]に記載のハンドドライヤ。
図1
図2
図2a
図2b
図3
図4a
図4b
図5
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図6c
図6d