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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】商品販売処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20221122BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20221122BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20221122BHJP
【FI】
G07G1/12 361E
G07G1/01 301E
G06Q30/02 376
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017250181
(22)【出願日】2017-12-26
(65)【公開番号】P2019117468
(43)【公開日】2019-07-18
【審査請求日】2020-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(74)【代理人】
【識別番号】100159547
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴谷 裕二
(72)【発明者】
【氏名】三浦 学
(72)【発明者】
【氏名】宮下 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】和田 慎一
(72)【発明者】
【氏名】水谷 善弘
【審査官】葛原 怜士郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-073567(JP,A)
【文献】特開平07-037163(JP,A)
【文献】特開平02-204897(JP,A)
【文献】特開2005-322038(JP,A)
【文献】特開平07-021467(JP,A)
【文献】特開2004-252548(JP,A)
【文献】特開平02-044495(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0236703(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/00- 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が購入する商品を登録して販売する商品販売処理装置であって、
前記商品を登録する登録手段と、
前記商品の登録操作中において、前記登録手段が登録した複数の商品をまとめ売りとして設定する特別販売設定手段と、
前記特別販売設定手段により設定されたまとめ売りの販売価格を指定する販売価格指定手段と、
前記特別販売設定手段がまとめ売りとして設定した複数の商品の合計金額が前記販売価格指定手段により指定されたまとめ売りの販売価格以下であるか否かを判断、もしくはまとめ売りの販売価格未満であるか否かを判断し、前記合計金額が前記まとめ売りの販売価格以下であると判断、もしくは前記合計金額が前記まとめ売りの販売価格未満であると判断した場合には、前記まとめ売りの販売価格での販売を禁止する特別販売禁止手段と、
を備える商品販売処理装置。
【請求項2】
前記特別販売設定手段がまとめ売りとして設定した複数の商品の合計金額が前記販売価格指定手段により指定されたまとめ売りの販売価格以下である、もしくは前記合計金額が前記まとめ売りの販売価格未満であると前記特別販売禁止手段により判断された場合に、買い上げ内容の確認を促す情報を報知する報知手段を備える
請求項1に記載の商品販売処理装置。
【請求項3】
前記販売価格指定手段は、前記販売価格の設定を促す実行キーを備え、
前記特別販売設定手段は、前記実行キーが操作された以降に登録された複数の商品をまとめ売りとして設定する
請求項1又は2に記載の商品販売処理装置。
【請求項4】
前記登録手段により登録された前記複数の商品を一覧表示させる表示手段を備え、
前記特別販売設定手段は、前記表示手段に表示された前記複数の商品から任意の商品を選択する操作を受け付け、当該操作に基づいて選択された商品を前記まとめ売りとして設定する
請求項1ないし3のいずれかに記載の商品販売処理装置。
【請求項5】
販売する店員によって割り当てられた割引可能な割引率を記憶する割引率記憶手段を備え、
前記特別販売禁止手段は、前記販売価格指定手段により指定されたまとめ売りの販売価格が、前記割引率記憶手段に記憶された割引率以上の割引であるか否かを判断し、前記まとめ売りの販売価格が前記割引率以上の割引であると判断した場合には、前記まとめ売りの販売金額での販売を禁止する
請求項1ないしのいずれかに記載の商品販売処理装置。
【請求項6】
顧客が購入する商品を登録して販売する商品販売処理装置を機能させるプログラムであって、
前記商品を登録する登録手段と、
前記商品の登録操作中において、前記登録手段が登録した複数の商品をまとめ売りとして設定する特別販売設定手段、
前記特別販売設定手段により設定されたまとめ売りの販売価格を指定する販売価格指定手段、
前記特別販売設定手段がまとめ売りとして設定した複数の商品の合計金額が前記販売価格指定手段により指定されたまとめ売りの販売価格以下であるか否かを判断、もしくはまとめ売りの販売価格未満であるか否かを判断し、前記合計金額が前記まとめ売りの販売価格以下であると判断、もしくは前記合計金額が前記まとめ売りの販売価格未満であると判断した場合には、前記まとめ売りの販売価格での販売を禁止する特別販売禁止手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量販店やスーパーマーケットなどの商品登録及び精算を行う商品販売処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
量販店などの小売業では、複数の商品をまとめて購入する場合に、通常の価格とは異なる特別な価格で販売することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-124757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
商品をまとめて販売する場合には予め価格が決まっておらず、購入する客との交渉によって、販売員の判断による通常の割引とは異なる特別な割引を適用して販売することがある。
【0005】
上記特許文献1の商品販売装置においては、上記販売員の判断などによる特別な割引を想定しておらず、販売するたびに各商品の販売価格や割引率を計算してPOSレジスタ等に打ち込んだりする必要があった。
【0006】
本発明は、上記の事情を鑑み、より柔軟な販売を行うことができる商品販売処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、顧客が購入する商品を登録して販売する商品販売処理装置であって、前記商品を登録する登録手段と、前記商品の登録操作中において、前記登録手段が登録した複数の商品をまとめ売りとして設定する特別販売設定手段と、前記特別販売設定手段により設定されたまとめ売りの販売価格を指定する販売価格指定手段と、前記特別販売設定手段がまとめ売りとして設定した複数の商品の合計金額が前記販売価格指定手段により指定されたまとめ売りの販売価格以下であるか否かを判断、もしくはまとめ売りの販売価格未満であるか否かを判断し、前記合計金額が前記まとめ売りの販売価格以下であると判断、もしくは前記合計金額が前記まとめ売りの販売価格未満であると判断した場合には、前記まとめ売りの販売価格での販売を禁止する特別販売禁止手段と、を備える商品販売処理装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、より柔軟にまとめ売り等の特別販売を行うことができる商品販売処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)は、一実施形態のPOSレジスタの機能ブロック図であり、(b)は、ハード構造図である。
図2】(a)は、本発明の一実施形態のPOSレジスタの割引率テーブルの図であり、(b)は、商品を登録した登録データ図である。
図3】本発明の一実施形態のPOSレジスタの商品登録画面の一例である。
図4】本発明の一実施形態のPOSレジスタの商品登録画面の一例である。
図5】本発明の一実施形態のPOSレジスタの商品登録画面の一例である。
図6】本発明の一実施形態のPOSレジスタの商品登録画面の一例である。
図7】本発明の一実施形態のPOSレジスタの商品登録画面の一例である。
図8】本発明の一実施形態のPOSレジスタの登録処理のフローチャートの一例である。
図9】本発明の一実施形態のPOSレジスタの商品登録画面の一例である。
図10】本発明の一実施形態のPOSレジスタの商品登録画面の一例である。
図11】本発明の一実施形態のPOSレジスタの商品登録画面の一例である。
図12】本発明の一実施形態のPOSレジスタの登録処理のフローチャートの一例である。
図13】本発明の一実施形態のPOSレジスタの商品登録画面の一例である。
図14】本発明の一実施形態のPOSレジスタの商品登録画面の一例である。
図15】本発明の一実施形態のPOSレジスタの商品登録画面の図である。
図16】(a)は、本発明の一実施形態のPOSレジスタによって印刷されたレシートの一例であり、(b)は、同電子ジャーナルの表示画面の一例である。
図17】本発明の一実施形態のPOSレジスタの商品登録画面の一例である。
図18】本発明の一実施形態のPOSレジスタの登録処理のフローチャートの一例である。
図19】本発明の一実施形態のPOSレジスタの登録処理のフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態の商品販売処理装置は、図示しない上位サーバーなどの上位システムと連携することで、店舗における商品販売処理システムを構築している。なお、商品販売処理装置であるPOSレジスタ単独で商品販売処理システムとして機能してもよい。
以下に説明する各実施形態においては、商品販売処理装置としてPOSレジスタ2の例を用いて説明する。
【0011】
本実施形態のPOSレジスタ2は、量販店などの店舗において、顧客が購入する商品の登録処理をする。商品の登録は、例えば、店員がスキャナ等の入力手段によって商品に付されているバーコードを読み取る操作や表示手段に表示される商品登録画面に配置されたプリセットボタンに対する操作などにより行われる。
【0012】
商品の登録によって、POSレジスタ2は、購入する各商品の商品識別情報を入力し、入力した商品識別情報に対応する商品情報を取得して登録情報(精算情報)を生成する。そして、POSレジスタ2は、生成した登録情報に基づいて決済処理を行うことで、顧客に対して前記商品を販売する。
【0013】
POSレジスタ2は、登録処理及び決済処理を行うための制御部を有しており、商品に付されているバーコードを読み取るスキャナ等の入力手段、タッチパネル等からなる表示手段、レシート等を印刷する印刷手段などを備えている。なお、タッチパネルからなる表示手段は、入力手段としても機能する。
【0014】
また、本実施形態のPOSレジスタ2は、商品等の価格を入力するための置数キー等の金額入力キーと、販売を実行するための小計キーを備えており、店員等がスキャナや置数キー等の入力手段によって商品を登録し、小計キーを操作することで、店員が登録した商品を確定して、合計金額を算出する。
【0015】
そして、本実施形態のPOSレジスタ2は、複数の商品の登録処理を行う際に、複数の商品のうちのいくつかもしくはすべてを一つのまとめとして設定する特別販売設定手段を備えている。
【0016】
また、POSレジスタ2は、前記特別販売設定手段によって一つのまとめとして設定された商品に対して通常販売による合計価格とは異なる特別価格を設定する販売価格指定手段を備えている。
POSレジスタ2は、前記特別販売設定手段によってまとめとして設定された商品を、前記販売価格指定手段によって指定された特別価格によって、まとめ売り(特別販売)することができる。
【0017】
(機能ブロック図)
本実施形態のPOSレジスタ2の機能ブロック図を図1(a)に示す。本実施形態のPOSレジスタ2は、該POSレジスタ2を制御する、商品販売制御手段(登録手段)201と、特別販売設定手段202と、販売価格指定手段203と、特別販売禁止手段204と、を有し、記憶手段として、割引率記憶手段211等を有している。
そして、入力手段221、表示手段222、印刷手段223等を備えている。
【0018】
前記商品販売制御手段201は、販売員等の操作によって入力手段221により入力された情報に基づいて顧客が購入する商品を登録して記憶したり、前記登録した商品の情報を表示手段222に表示したり、前記登録した商品の合計金額等の精算情報を算出したり、精算情報に基づいて決済処理を行うなど、POSレジスタ2を総括して制御する。
【0019】
特別販売設定手段202は、複数の商品をまとめ販売する時に、顧客が購入する複数の商品について、一つのまとめとして設定する。
販売価格指定手段203は、まとめ売り商品に対して、予め設定されている価格とは異なる特別な価格を指定する。
特別販売禁止手段204は、特別販売設定手段202によって設定された一つのまとめ商品が、販売価格指定手段203によって指定された販売価格によって販売されることが適切であるか否かを判断し、適切でないと判断した場合に、まとめ売り等の特別販売を禁止する。
【0020】
割引率記憶手段211は、例えばPOSレジスタ2を扱う販売員毎や季節のセール毎に許容された割引率を対応させた割引率テーブル400等を記憶する。
割引率テーブルの一例として、販売員IDと許容割引率(Kn)とを対応させて記憶する割引率テーブルを図2(a)に示す。
図2(a)に示す例では、POSレジスタ2を扱う販売員IDがY001の店長は、30%の割引率Knが設定されているのに対して、販売員IDがY013の店員Cは、15%の割引率Knが設定されている。
【0021】
次に、本実施形態のPOSレジスタ2のブロック図を図1(b)に示す。
本実施形態のPOSレジスタ2は、CPU21、ROM22,RAM23、メモリ24、ネットワークI/F35、入力手段I/F36、表示手段I/F37などを有している。
【0022】
CPU21は、ソフトウエアプログラムの命令を実行する。ROM22は、CPU21上で動作するためのプログラム等を予め記憶している。なお、プログラム等は、CD-ROMなどの可搬型記憶媒体に記憶させ、CD-ROMドライブなどの外部装置により読み取るように構成してもよい。
【0023】
RAM23は、プログラムの記憶及びソフトウエアが動作するために必要なワーク記憶エリアとして使用される。
メモリ24は、ハードディスク装置等から構成され商品マスタ等の情報を記憶している。
【0024】
ネットワークI/F25は、ネットワーク40上に接続された手段とデータのやり取りを行うための回路である。
入力手段I/F26は、バーコードスキャナ等の入力手段221との入出力を行うための回路である。
表示手段I/F27は、タッチパネル等の表示手段222との入出力を行うための回路である。
【0025】
以下、本発明の一実施形態のPOSレジスタ2について、実際に使用する販売員nの作業に関連させて、さらに具体的に説明する。
【0026】
まず、販売員nは、該商品の登録をするに先立って、POSレジスタ2に自分のIDカードを読み取らせるなどして登録精算処理を行う販売員IDをPOSレジスタ2に入力する。販売員IDが入力されることにより、商品販売制御手段201は、商品を登録するための商品登録画面5を表示手段222に表示する。
【0027】
商品登録画面5の一例を図3に示す。商品登録画面5は、商品登録欄501、合計表示欄502、登録商品一覧欄503、小計キー511、特別販売キー512等を有している。
【0028】
商品登録欄501は、販売員nにより登録された顧客が購入する商品のうち直近に登録された商品を表示する。合計表示欄502は、当該登録処理において登録された商品の点数及び合計金額Sを表示する。登録商品一覧欄503は、当該登録処理において入力された商品を一覧表示する。
【0029】
販売員nによる商品の登録は、例えば、商品に添付されているバーコードや複数のタイヤ及びホイールが一覧で表示された一覧表に記載されたバーコードをバーコードリーダー等の入力手段221で読込んだり、タッチパネルの置数キー等の入力手段221により直接打ち込むことによって行う。
【0030】
図3に示す例では、商品登録欄501に、直近で登録された「芳香剤」の商品名及び価格が表示されており、登録商品一覧欄503には、当該登録作業で登録された「ホイール」、「タイヤ」、「P(ピット)作業」、「バッテリー」及び「芳香剤」の商品名、単価、数量及び金額が一覧表示されている。合計表示欄502には、P(ピット)作業を含めた5点の購入で、合計49,596円であることが表示されている。
【0031】
図3に示す状態で、販売員nが小計キー511を操作することで、POSレジスタ2は、当該登録処理において登録された商品についての登録を完了し、商品の合計金額を算出する。
【0032】
ここで、顧客と販売員nとの交渉によって、図3に示す商品のうち、ホイール、タイヤ、P作業、バッテリーについて、通常の合計金額である49,000円とは異なる40,000円でまとめ売り(特別販売)することになったとする。本実施形態のPOSレジスタ2は、そのような場合にまとめ売り(特別販売)を容易に登録することができる。
以下に、本実施形態のPOSレジスタ2における、まとめ売り(特別販売)の登録処理について説明する。
【0033】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態のPOSレジスタ2は、まとめ売りを実行する実行キーとして特別販売キー512を操作することによって、その後に登録した商品についてひとつのまとめとして設定することで、まとめ売り(特別販売)の設定を容易に行うことができる。以下、説明する。
【0034】
本実施形態のPOSレジスタ2は、商品の登録に先立って、置数キー等の金額入力キーで特別販売する金額を入力した後に特別販売キー512を操作することによって、または、単に特別販売キー512を操作することで、表示手段222に特別販売価格指定ウインドウ6を表示する。特別販売価格指定ウインドウ6の一例を図4に示す。
【0035】
特別販売価格指定ウインドウ6は、例えば商品登録画面5上にポップアップウインドウとして表示され、価格指定欄601と、確定キー611と、解除キー612を有している。
図4に示す例では、特別販売する金額を入力した後に特別販売キー512を操作したことで、特別販売価格指定ウインドウ6の価格指定欄601に、販売員nが入力した特別販売する金額(40,000円)が表示されている。なお、価格指定欄601に表示された金額は、特別販売価格指定ウインドウ6において、修正できるようにしてもよい。
【0036】
特別販売する金額を入力する前に特別販売キー512を操作した場合には、価格指定欄601に金額を入力することができるように表示される。
なお、販売員が先に金額を入力しないで特別販売キー512を操作すると「金額を入力してください。」等のエラー表示を行うようにしてもよい。
【0037】
価格指定欄601に金額が表示された状態で販売員が確定キー611を操作すると、POSレジスタ2は、価格指定欄601に入力された金額を特別販売価格Mとして指定する。
そして、特別販売価格指定ウインドウ6を閉じるとともに、表示手段222に、まとめ売り(特別販売)による商品登録画面5を表示する。
【0038】
なお、販売員が解除キー612を操作することでPOSレジスタ2は、特別販売価格指定ウインドウ6を閉じて、まとめ売り(特別販売)による商品の登録を中止する。
前記のまとめ売り(特別販売)による商品登録画面5の一例を図5に示す。
【0039】
該商品登録画面5は、通常の商品登録画面とほぼ同様であり、商品登録欄501、合計表示欄502、登録商品一覧欄503を有する。画面上方位置に当該登録画面がまとめ売り(特別販売)による商品登録画面5であることを示す「まとめ売り(特別販売)登録中」等の表示5a等をしてもよい。
まとめ売り(特別販売)による商品の登録は、通常の商品の登録と同様に商品に添付されたバーコードを読み取ることなどによって行うことができる。
そして、まとめ売り(特別販売)の対象として設定された商品の登録商品一覧欄503には「(まとめ商品)」等の表示503aをするなどで、登録された商品がまとめ売り(特別販売)の対象商品であることが分かるように表示してもよい。
【0040】
なお、図5に示す例では、商品登録欄501、合計表示欄502、登録商品一覧欄503に通常の販売金額が表示されているが、まとめ売りである場合には金額等は表示されなくてもよいし、登録商品一覧欄503には価格は表示せずに合計表示欄502に指定した特別販売価格Mのみを表示してもよい。
【0041】
販売員nがまとめ売り(特別販売)の対象となる商品を登録した後に、再度、特別販売キー512を操作すると、POSレジスタ2は、前回、商品登録画面5の特別販売キー512が操作されてから、今回商品登録画面5の特別販売キー512が再度操作されるまでの間に登録された商品について、一つのまとめ売り(特別販売)対象商品として設定する。一つのまとめ売り(特別販売)対象商品を登録した商品登録画面5の一例を図6に示す。
【0042】
図6に示す例では、登録商品一覧欄503に、まとめ売り(特別販売)対象商品として設定した商品が、まとめ販売1(503b)としてまとめられており、まとめ販売1の金額が40,000円であることが、表示されている。
【0043】
ここで、販売員nが小計キー511を操作することにより、まとめ販売1(503b)についての登録を完了して、一取引の合計金額(40,000円)を確定することもできるが、さらに他の商品を登録することもできる。
まとめ販売1と通常の商品を登録した商品登録画面5の一例を図7に示す。
図7に示す例では、登録商品一覧欄503に、まとめ売り(特別販売)対象商品として設定したまとめ販売1(503b)と通常の商品である芳香剤503cが併せて登録されている。
【0044】
そして、ここで、販売員nが小計キー511を操作することにより、POSレジスタ2は、まとめ売り(特別販売)の対象商品を含めて、顧客が購入する商品の登録を完了して、合計金額を算出する。
その後、販売員nが顧客からお金を受け取り、顧客から受け取った金額を入力するとともに、現計キーを操作することで、POSレジスタ2は、お釣りを算出するなど精算処理を実行する。
なお、上記の小計キーや現計キーは、図示しない機械式キーでもよい。また、上記精算処理は、現金による精算処理に限らない。
【0045】
なお、POSレジスタ2は、例えば、まとめ売り(特別販売)対象商品の通常価格の合計金額Sが、入力した特別販売価格Mに満たない状態で、販売員nが再度、特別販売キー512を操作された場合、すなわち通常価格よりも特別販売価格Mよりの方が高い場合など、不適切な特別販売の設定が成された場合には、「お買い上げ内容を確認してください。」等のエラーを報知するなどして、特別価格による販売を禁止することが好ましい。
これによって、顧客に不利益となる特別販売を防止することができる。
【0046】
次に、本実施形態のPOSレジスタ2における処理を、図8のフローチャートを用いて説明する。
【0047】
ステップs101において、POSレジスタ2は、販売員nによって商品登録画面5等の特別販売キー512が操作されたか、特別販売キー512が操作されることなく商品の登録操作がなされたか否かを判断する。
POSレジスタ2は、特別販売キー512が操作されたと判断した場合には、まとめ売り(特別販売)による特別販売価格Mを指定するとともに、特別販売フラグfに「1」を代入する(ステップs102)。
【0048】
具体的には、POSレジスタ2は、表示手段212に特別販売価格指定ウインドウ6を表示して、販売員nに特別販売価格の入力を促す。なお、特別販売キー512が操作される前に金額の入力操作がされていれば、該入力された金額を特別販売価格指定ウインドウ6の価格指定欄601に表示して、確認を促すようにしてもよい。
販売員nによって、特別販売価格指定ウインドウ6の価格指定欄601に金額が入力され、確定キー611が操作されたら、POSレジスタ2は、入力された金額を特別販売価格Mとして指定し、特別販売販売フラグfに「1」を代入する。
【0049】
一方、ステップs101において、POSレジスタ2は、特別販売キー512が操作されずに商品の登録がなされたと判断したら、ステップs103に進み、商品登録画面5を表示して商品の登録処理を行う。
【0050】
ステップs102において、POSレジスタ2は、特別販売価格Mを指定するとともに、特別販売フラグfに「1」を代入したら、ステップs103に進み、まとめ売り(特別販売)による商品登録画面5を表示して商品の登録処理を行う。
【0051】
POSレジスタ2は、ステップs103で、販売員n等により商品が登録される毎に特別販売フラグfに「1」が代入されているか否か、すなわちまとめ売り(特別販売)による商品登録であるか否かを判断し(ステップs104)、特別販売フラグfに「1」が代入されていると判断すれば、ステップs105に進んで、販売員n等によって特別販売キー512の再操作がなされたか否かを判断する。
【0052】
POSレジスタ2は、ステップs105で、特別販売キー512の再操作がなされたと判断したら、ステップs106に進み、前回商品登録画面5等の特別販売キー512が操作されてから、今回特別販売キー512が再操作されるまでに登録された商品をまとめ売り(特別販売)の対象商品として設定し、それらの商品の通常価格での合計金額Sを算出する。
【0053】
一方、ステップs105で、特別販売キー512の再操作がなされていないと判断したら、POSレジスタ2は、ステップs103に戻って、販売員n等によって特別販売キー512の再操作がなされるまで、商品の登録を続ける。
【0054】
戻ってステップs104において、POSレジスタ2は、特別販売フラグfに「1」が代入されていないと判断したら、ステップs103における商品の登録は通常の商品の登録処理であるので、ステップs109に進んで、販売員nによって小計キーの操作がなされたか否かを判断する。
【0055】
ステップs106において、まとめ売り(特別販売)の対象商品を設定し、それらの商品の通常価格での合計金額Sを算出したPOSレジスタ2は、今回のまとめ売り(特別販売)が、適切な販売であるか否かを判断して、適切な特別販売でない場合にその旨を報知もしくは特別販売を禁止する(ステップs107)。
例えば、POSレジスタ2は、指定した特別販売価格Mが前記合計金額S以下であるか否かを判断し、前記特別販売価格Mが前記合計金額S以下であれば、今回のまとめ売り(特別販売)が適切な販売であると判断し、前記特別販売価格Mが前記合計金額S以上であれば、今回のまとめ売り(特別販売)が不適切な販売であると判断し、その旨報知する。
【0056】
ステップs107において、まとめ売り(特別販売)が適切であると判断したPOSレジスタ2は、ステップs108に進み、特別販売による登録処理を完了し、特別販売フラグfの「1」を「0」にリセットする。
【0057】
まとめ売り(特別販売)による登録処理を完了したら、POSレジスタ2は、ステップs109に進んで、販売員nによって小計キーの操作がなされたか否かを判断する。
【0058】
ステップs109において、POSレジスタ2は、販売員nによって小計キー511の操作がされたと判断したら、ステップs110に進んで、一取引における商品の登録を完了し、登録した商品の合計金額を算出する。その後、現計キー等の操作によって顧客から受け取った現金やクレジットカード等の決済手段に応じた決済処理を行い、処理を終了する。
一方、小計キー511の操作がなされていないと判断したら、ステップs101に戻って、商品の登録を繰り返す。
【0059】
以上のように、本実施形態のPOSレジスタ2においては、販売員nの判断等による任意の商品に対する任意の価格でのまとめ売り(特別販売)を、実行キーとしての特別販売キー512の単純な操作によって簡単に行うことができ、顧客の要望に対して柔軟に、効率的に対応することができる。
【0060】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態においては、特別販売キー512を操作した後に登録した商品について一つのまとめ売り(特別販売)の対象商品として設定しているが、第2の実施形態のPOSレジスタ2においては、商品登録画面5において通常に登録された複数の商品のうちから、任意の商品を一つのまとめ売り(特別販売)の対象商品として設定できるようにまとめ売り(特別販売)の対象商品を選択する選択手段を備えている。以下、説明する。
【0061】
本実施形態のPOSレジスタ2は、複数の商品が登録された通常の商品登録画面5において、販売員nが特別販売キー512を操作することで、商品登録画面5の登録商品一覧欄503に表示された各商品名に、まとめ売り(特別販売)の対象商品として設定するための選択ボックス503dを表示する。選択ボックス503dが表示された商品登録画面5の一例を図9に示す。
【0062】
そして、販売員nが、登録商品一覧欄503に表示された商品の中から一つのまとめ売り(特別販売)の対象として設定したい商品の選択ボックス503dにチェックを入れて、特別販売キー512を再度操作すると、POSレジスタ2は、選択ボックス503dにチェックの入った商品をまとめ売り(特別販売)の対象商品として設定すると共に、まとめ売り(特別販売)の対象商品の通常価格での合計金額Sを算出する。
そして、POSレジスタ2は、表示手段222に、特別販売価格指定ウインドウ6を表示する。特別販売価格指定ウインドウ6が表示された商品登録画面5を図10に示す。
【0063】
販売員nが、特別販売価格指定ウインドウ6の価格指定欄601に置数キー等の金額入力キーによって特別販売する金額を入力した後に確定キー611を操作すると、POSレジスタ2は、価格指定欄601に入力された金額をまとめ売り(特別販売)の特別販売価格Mとして指定する。そして、特別販売価格指定ウインドウ6を閉じる。
【0064】
なお、販売員n等が金額を置数しないで確定キー611を操作すると「金額を入力して下さい。」等のエラー表示がされるようにしてもよい。また、販売員等が解除キー612を操作すると、POSレジスタ2は、まとめ売り(特別販売)の対象商品の設定を中止する。
【0065】
なお、第1の実施形態と同様に、POSレジスタ2は、例えば、まとめ売り(特別販売)について、不適切な特別販売の設定が成された場合には特別価格による販売を禁止することが好ましい。
【0066】
そして、POSレジスタ2は、商品登録画面5において、今回、まとめ売り(特別販売)の対象商品として設定された複数の商品についての価格を変更して、全ての商品の合計金額等を再計算するとともに、商品登録画面5の合計表示欄502等の表示を、変更する。変更した商品登録画面5を図11に示す。
【0067】
図11に示す商品登録画面5においては、登録商品一覧欄503において、まとめ売り(特別販売)対象商品として選択した商品がまとめ販売1(503b)としてまとめられており、合計表示欄502には、特別販売価格Mの40,000円とセット商品以外の芳香剤の価格596円を合計した40,596円が表示されている。なお、この商品登録画面5は、図7に示す第1の実施形態のPOSレジスタ2で表示される商品登録画面5と概ね同じ画面である。
【0068】
その後、販売員nが小計キー511を操作することにより、POSレジスタ2は、まとめ売り(特別販売)の対象商品を含めて、顧客が購入する商品の登録を完了して、合計金額を算出する。
その後の精算処理については、上記の実施形態と同様である。
【0069】
なお、本実施形態において、販売員nが小計キー511を操作することで登録された商品登録データを図2(b)に示す。
商品登録データは、品番、商品名、単価、数量、まとめフラグ等の項目を有しており、まとめ売り(特別販売)の対象商品であることをまとめフラグによって管理している。
品番0001のホイール、品番0002のタイヤ及び品番0003のP作業については、まとめフラグに1が代入されており、それらがまとめ売り(特別販売)の対象商品であることが設定されている。
【0070】
次に、本実施形態のPOSレジスタ2における処理を、図12のフローチャートを用いて説明する。
【0071】
ステップs201において、POSレジスタ2は、商品登録画面5における販売員n等の操作に応じて、商品の登録を行う。POSレジスタ2は、ステップs201で商品の登録を行う毎に、ステップs202に進み、特別販売キー512が操作されたか否かを判断する。
POSレジスタ2は、特別販売キー512が操作されたと判断した場合には、商品登録画面5に選択ボックス503bを表示して、ステップs201において登録した商品の中からまとめ売り(特別販売)の対象とする商品の選択を促す(ステップs203)。
【0072】
一方、ステップs202において、POSレジスタ2は、特別販売キー512が操作されていないと判断したら、ステップs208に進み、小計キーが操作されたか否かの判断を行う。
【0073】
POSレジスタ2は、ステップs203で、販売員n等により選択ボックス503bにチェックが入れられ、商品の選択がなされる毎に、ステップs204に進んで、販売員n等によって特別販売キー512の再操作がなされたか否かを判断する。
POSレジスタ2は、販売員n等によって特別販売キー512の再操作がなされていないと判断したら、ステップs203に戻り、販売員n等によって特別販売キー512の再操作がなされるまで、まとめ売り(特別販売)の対象とする商品の選択を繰り返す。
【0074】
一方、POSレジスタ2は、ステップs204で、特別販売キー512の再操作がなされたと判断したら、ステップs205に進み、販売員n等により選択ボックス503bにチェックが入れられて選択された商品をまとめ売り(特別販売)の対象商品として設定し、それらの商品の通常価格での合計金額Sを算出する。
【0075】
ステップs206において、POSレジスタ2は、表示手段222に特別販売価格指定ウインドウ6を表示するなどして、販売員nに対して今回のまとめ売り(特別販売)の販売価格の入力を促し、販売員nによって入力された入力金額を特別販売価格Mとして指定する。
【0076】
ステップs205において、まとめ売り(特別販売)の対象商品を設定し、それらの商品の通常価格での合計金額Sを算出し、ステップs206において、特別販売価格Mを指定したPOSレジスタ2は、今回のまとめ売り(特別販売)が、適切な販売であるか否かを判断し、適切な販売出ない場合には、当該特別販売を禁止する(ステップs207)。
【0077】
ステップs207において、まとめ売り(特別販売)が適切であると判断したPOSレジスタ2は、特別販売による登録処理を完了し、ステップs208に進んで、販売員nによって小計キーの操作がなされたか否かを判断する。
【0078】
ステップs208において、POSレジスタ2は、販売員nによって小計キー511の操作がされたと判断したら、ステップs209に進んで、一取引における商品の登録を完了し、登録した商品の合計金額を算出する。その後、現計キー等の操作によって顧客から受け取った現金やクレジットカード等の決済手段に応じた決済処理を行い、処理を終了する。
一方、小計キー511の操作がなされていないと判断したら、ステップs201に戻って、商品の登録を繰り返す。
【0079】
以上、本実施形態のPOSレジスタ2によれば、購入する商品の登録を行った後であってもまとめ売り(特別販売)の対象商品を設定することができ、特別販売とする商品と特別販売としない商品を併せて購入する場合などにも効率的にまとめ売り(特別販売)の登録設定を行うことができる。
【0080】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態のPOSレジスタ2は、例えば、タイヤとホイールを購入して店舗のピット等において取付作業を依頼される顧客に対して、ピット作業の工賃をサービスするなどの特別販売に対応したものである。以下、説明する。
【0081】
本実施形態のPOSレジスタ2は、商品の登録に先立って、販売員nが商品登録画面5の特別販売(P作業)キー512を操作することによって、表示手段222に、P作業サービス(特別販売)の商品登録画面5を表示する。
P作業サービス(特別販売)の商品登録画面5の一例を図13に示す。
【0082】
P作業サービス(特別販売)の商品登録画面5は、通常の商品登録画面5とほぼ同様に、商品登録欄501、合計表示欄502、登録商品一覧欄503、小計キー511、特別販売(P作業)キー512を有しており、商品登録欄501及び登録商品一覧欄503にピット(P)作業が売価0円の商品として登録されている。なお、このとき画面上方位置に当該登録画面がP作業サービス(特別販売)による商品登録画面5であることを示す「P作業サービス(特別販売)登録中」等の表示5a等をしてもよいが、表示5a等をせずに通常の商品登録画面5であってもよい。
【0083】
P作業サービス(特別販売)による商品の登録は、通常の商品の登録と同様に商品に添付されたバーコードを読み取ることなどによって行うことができる。
そして、POSレジスタ2は、P作業サービス(特別販売)の対象として登録された商品について、図14に示すように、商品登録欄501及び登録商品一覧欄503に表示される商品名称の前に「P」の文字503eを表示することなどで、登録された商品がP作業サービス(特別販売)の対象商品であることが分かるように表示してもよい。
【0084】
P作業サービス(特別販売)の商品の設定した後に、販売員nが再び特別販売(P作業)キー512を操作すると、POSレジスタ2は、前回、商品登録画面5の特別販売(P作業)キー512が操作されてから、今回商品登録画面5の特別販売(P作業)キー512が再度操作されるまでの間に登録された商品について、売価0円のピット作業を含めてP作業サービス(特別販売)対象商品として設定するとともに、前記設定した商品の通常価格を合計して特別販売価格Mとして指定する。
【0085】
その後、販売員nが、小計キー511を操作することで、POSレジスタ2は、P作業サービス(特別販売)の対象商品の特別販売価格Mと他の登録商品の価格とを合計して一取引の合計金額を算出する。その後の精算処理については、上記の実施形態と同様である。
【0086】
なお、本実施形態においては、P作業サービス(特別販売)対象商品として設定した商品を、ピット作業の売価は0円として、その合計金額を特別販売価格Mとして指定しているので、不適切な特別販売が生じることは少ないが、本実施形態においても、必要に応じて、特別販売の禁止処理を設けることができる。
【0087】
次に、本実施形態のPOSレジスタ2における処理を、図15のフローチャートを用いて説明する。
【0088】
ステップs301において、POSレジスタ2は、販売員nによって商品登録画面5等の特別販売(P作業)キー512が操作されたか、特別販売(P作業)キー512が操作されることなく商品の登録操作がなされたか否かを判断する。
POSレジスタ2は、特別販売(P作業)キー512が操作されたと判断した場合には、ピット作業を売価0円で登録するとともに、特別販売フラグfに「1」を代入する(ステップs302)。
【0089】
一方、ステップs301において、POSレジスタ2は、特別販売(P作業)キー512が操作されずに商品の登録がなされたと判断したら、ステップs303に進み、商品の登録処理を行う。
【0090】
ステップs302において、POSレジスタ2は、特別販売フラグfに「1」を代入したら、ステップs303に進み、商品の登録処理を行う。
【0091】
ステップs303において、POSレジスタ2は、販売員n等により商品が登録される毎に特別販売フラグfに「1」が代入されているか否かを判断し(ステップs304)、特別販売フラグfに「1」が代入されていると判断すれば、ステップs305に進んで、販売員n等によって特別販売(P作業)キー512の再操作がなされたか否かを判断する。
【0092】
POSレジスタ2は、ステップs305で、特別販売(P作業)キー512の再操作がなされたと判断したら、ステップs306に進み、前回商品登録画面5等の特別販売(P作業)キー512が操作されてから、今回特別販売(P作業)キー512が再操作されるまでに登録された商品をP作業サービス(特別販売)の対象商品として設定し、ピット作業を売価0円として他の各商品の通常価格での合計金額を特別販売価格Mに指定する。
【0093】
一方、ステップs305で、特別販売(P作業)キー512の再操作がなされていないと判断したら、POSレジスタ2は、ステップs303に戻って、販売員n等によって特別販売(P作業)キー512の再操作がなされるまで、商品の登録を続ける。
【0094】
戻ってステップs304において、POSレジスタ2は、特別販売フラグfに「1」が代入されていないと判断したら、ステップs303における商品の登録は通常の商品の登録処理であるので、ステップs307に進んで、販売員nによって小計キーの操作がなされたか否かを判断する。
【0095】
ステップs306において、P作業サービス(特別販売)の対象商品を設定を完了し、特別販売価格Mを指定したPOSレジスタ2は、ステップs307に進んで、販売員nによって小計キーの操作がなされたか否かを判断する。
【0096】
ステップs307において、POSレジスタ2は、販売員nによって小計キー511の操作がされたと判断したら、ステップs308に進んで、一取引における商品の登録を完了し、登録した商品の合計金額を算出する。その後、現計キー等の操作によって顧客から受け取った現金やクレジットカード等の決済手段に応じた決済処理を行い、処理を終了する。
一方、小計キー511の操作がなされていないと判断したら、ステップs301に戻って、商品の登録を繰り返す。
【0097】
ここで、本実施形態のPOSレジスタ2において出力されるレシート500の一例を図16(a)に示し、電子ジャーナルの表示600の一例を図16(b)に示す。
レシートには、商品の分類コードの前に「P」の文500a字が印刷されており、電子ジャーナルでは、商品名の前に「P」の文字600aが印刷されている。
【0098】
なお、本実施形態のPOSレジスタ2のP作業サービス(特別販売)は、工賃をサービスする際だけでなく、例えば、洋服の直しをサービスしたり、商品のラッピングをサービスしたりするなど、商品に付随したものをサービスする時に用いることができる。
【0099】
本実施形態のPOSレジスタ2によれば、タイヤとホイールを購入した際のタイヤ交換等のピット作業の工賃、洋服店における直し、商品のラッピング等の商品の付属的なものについて、簡単な操作でサービスとして設定することができる。また、工賃等がサービスされていることをレシート等に示すことで、顧客に対して特別販売であることを印象付けることができる。
【0100】
(第4の実施形態)
第4の実施形態のPOSレジスタ2は、例えば、ゴルフのアイアンを4本購入した顧客に対して、その中の1本をおまけする(4本のゴルフクラブを3本分の金額で販売する)などの特別販売に対応したものである。以下、説明する。
【0101】
本実施形態のPOSレジスタ2は、商品の登録に先立って、販売員nが商品登録画面5の特別販売(おまけ)キー512を操作することによって、表示手段222に、おまけ販売(特別販売)の商品登録画面5を表示する。おまけ販売(特別販売)の商品登録画面5の一例を、図17に示す。
【0102】
おまけ販売(特別販売)の商品登録画面5は、通常の商品登録画面5とほぼ同様であり、商品登録欄501、合計表示欄502、登録商品一覧欄503、小計キー511、特別販売(おまけ)キー512を有するが、登録商品一覧欄503に表示される商品の前位置に、当該商品をおまけ商品として設定する選択ボックス503fが表示されており、販売員nの操作により選択(チェック)可能となっている。
【0103】
販売員nは、商品登録画面5において、おまけ販売(特別販売)を行う商品を登録するとともに、登録した商品のなかからおまけ商品として設定する一つもしくはいくつかの商品の選択ボックス503fにチェックを入れて、おまけ商品を選択する。
おまけ販売(特別販売)を行う商品の登録およびおまけとする商品の選択が完了したら、再度、特別販売(おまけ)キー512を操作する。
POSレジスタ2は、前回、特別販売(おまけ)キー512が操作されてから、今回、特別販売(おまけ)キー512が再操作されるまでの間に登録された商品について、一つのおまけ販売(特別販売)の対象商品として設定するとともに、おまけ商品として設定した商品の売価を0円としてすべての商品の通常価格を合計して特別販売価格Mとして指定する。
【0104】
そして、販売員nが小計キー511を操作することにより、POSレジスタ2は、おまけ販売(特別販売)の対象商品を含めて、顧客が購入する商品の登録を完了して、合計金額を算出する
その後、販売員nが顧客からお金を受け取り、顧客から受け取った金額を入力するとともに、現計キーを操作することで、POSレジスタ2は、お釣りを算出するなど精算処理を実行する。
【0105】
次に、本実施形態のPOSレジスタ2における処理を、図18のフローチャートを用いて説明する。
【0106】
ステップs401において、POSレジスタ2は、販売員nによって商品登録画面5等の特別販売(おまけ)キー512が操作されたか、特別販売(おまけ)キー512が操作されることなく商品の登録操作がなされたか否かを判断する。
POSレジスタ2は、特別販売(P作業)キー512が操作されたと判断した場合には、特別販売フラグfに「1」を代入する(ステップs402)。
【0107】
一方、ステップs401において、POSレジスタ2は、特別販売(おまけ)キー512が操作されずに商品の登録がなされたと判断したら、ステップs403に進み、商品の登録処理を行う。
【0108】
ステップs402において、POSレジスタ2は、特別販売フラグfに「1」を代入したら、ステップs403に進み、販売員nの操作にしたがって、商品の登録処理及びおまけ商品の選択処理を行う。
【0109】
ステップs403において、POSレジスタ2は、商品の登録処理もしくはおまけ商品の選択処理をする毎に特別販売フラグfに「1」が代入されているか否かを判断し(ステップs404)、特別販売フラグfに「1」が代入されていると判断すれば、ステップs405に進んで、販売員n等によって特別販売(おまけ)キー512の再操作がなされたか否かを判断する。
【0110】
POSレジスタ2は、ステップs405で、特別販売(おまけ)キー512の再操作がなされたと判断したら、ステップs406に進み、前回商品登録画面5等の特別販売(おまけ)キー512が操作されてから、今回特別販売(おまけ)キー512が再操作されるまでに登録された商品をおまけ販売(特別販売)の対象商品として設定し、おまけ商品として選択された商品の売価0円としてすべての商品の通常価格での合計金額を特別販売価格Mとして指定する。
【0111】
一方、ステップs405で、特別販売(おまけ)キー512の再操作がなされていないと判断したら、POSレジスタ2は、ステップs403に戻って、販売員n等によって特別販売(おまけ)キー512の再操作がなされるまで、商品の登録を続ける。
【0112】
戻ってステップs404において、POSレジスタ2は、特別販売フラグfに「1」が代入されていないと判断したら、ステップs403における商品の登録は通常の商品の登録処理であるので、ステップs407に進んで、販売員nによって小計キーの操作がなされたか否かを判断する。
【0113】
ステップs406において、おまけ販売(特別販売)の対象商品を設定を完了し、特別販売価格Mを指定した、POSレジスタ2は、ステップs407に進んで、販売員nによって小計キーの操作がなされたか否かを判断する。
【0114】
ステップs407において、POSレジスタ2は、販売員nによって小計キー511の操作がされたと判断したら、ステップs408に進んで、一取引における商品の登録を完了し、登録した商品の合計金額を算出する。
一方、小計キー511の操作がなされていないと判断したら、ステップs101に戻って、商品の登録を繰り返す。
その後、現計キー等の操作によって顧客から受け取った現金やクレジットカード等の決済手段に応じた決済処理を行い、処理を終了する。
【0115】
本実施形態のPOSレジスタ2によれば、購入を希望する商品として登録した商品のなかから、任意の商品について、おまけ商品として売価0円での登録を可能とすることができ、より柔軟な特別販売を設定することができる。
また、商品がおまけされていることをレシート等に示すことで、顧客に対して特別販売であることを印象付けることができる。
【0116】
以上、図面を参考に、第1ないし第4の実施形態について、説明した。ここで、第1の実施形態のPOSレジスタ2において、不適切な特別販売を設定した場合に、特別販売を禁止してもよいことを記載したが、特別販売の禁止の条件は、上記の通常価格よりも特別販売価格Mよりの方が高い場合に限るものではない。
【0117】
例えば、入力した特別販売価格Mをまとめとして登録された商品の通常価格の合計金額Sで割った値が、所定の割引率以下である場合、例えば特別価格による販売が粗利を得られない原価以下での販売となる場合にも、エラー報知するなどして、特別販売を禁止することが好ましい。
【0118】
また、例えば、販売員ごとに、販売員の判断によって許される割引率Knを決めておき、入力した特別販売価格Mをまとめとして登録された商品の通常価格の合計金額Sで割った値が、割引率Knによる割引以上の割引となる場合には、特別販売を禁止するようにしてもよい。このようにすることで、経験不足等を原因とした過剰な値引き等を防止することができる。
【0119】
以下に、特別販売を禁止する例として、販売員nごとに許容割引率Knが設定されており、許容割引率Kn以上の割引率となった場合に、特別販売を禁止する実施形態について、さらに図19のフローチャートを参考にして説明する。
【0120】
本実施形態のPOSレジスタ2は、まず、販売員nによる販売員IDの入力があるまで待機している(ステップs501)。
【0121】
販売員nによって販売員IDの入力がされたら、POSレジスタ2は、割引率記憶手段211に記憶された割引率テーブル400から、入力された販売員IDに対応する割引率Knを取得する(ステップs502)。
【0122】
次に、POSレジスタ2は、、販売員nによって特別販売キー512が操作されたか否かを判断する(ステップs503)。
特別販売キー512が操作されたと判断した場合には、特別販売価格指定ウインドウ6を表示して、販売員nに特別販売価格Mの入力を促す(ステップs504)。
ステップs504において、販売員nによって特別販売価格指定ウインドウ6の価格指定欄601に金額が入力され、確定キーが操作されたら、、POSレジスタ2は、特別販売フラグfに「1」を代入するとともに、前記入力された金額を特別販売価格Mとして指定する。
【0123】
一方、ステップs503において、POSレジスタ2は、特別販売キー512が操作されていないと判断した場合には、ステップs504をスキップして、ステップs505に進む。
【0124】
その後、ステップs505において、POSレジスタ2は、販売員nによって入力された顧客が購入する商品を順次登録する。
【0125】
POSレジスタ2は、販売員n等により商品が登録される毎に特別販売フラグfに「1」が代入されているか否か、すなわちまとめ売り(特別販売)による商品登録であるか否かを判断し(ステップs506)、特別販売フラグfに「1」が代入されていると判断すれば、ステップs507に進んで、販売員n等によって特別販売キー512の再操作がなされたか否かを判断する。
【0126】
POSレジスタ2は、ステップs507で、特別販売キー512の再操作がなされたと判断したら、ステップs508に進み、前回商品登録画面5等の特別販売キー512が操作されてから、今回特別販売キー512が再操作されるまでに登録された商品をまとめ売り(特別販売)の対象商品として設定し、それらの商品の通常価格での合計金額Sを算出する。
【0127】
一方、ステップs507で、特別販売キー512の再操作がなされていないと判断したら、POSレジスタ2は、ステップs505に戻って、販売員n等によって特別販売キー512の再操作がなされるまで、商品の登録を続ける。
【0128】
戻ってステップs506において、POSレジスタ2は、特別販売フラグfに「1」が代入されていないと判断したら、ステップs505における商品の登録は通常の商品の登録処理であるので、ステップs512に進んで、販売員nによって小計キーの操作がなされたか否かを判断する。
【0129】
ステップs508において、まとめ売り(特別販売)の対象商品を設定し、それらの商品の通常価格での合計金額Sを算出したPOSレジスタ2は、ステップs509に進んで、指定した特別販売価格Mが前記合計金額S以下であるか否かを判断する。
前記特別販売価格Mが前記合計金額S以下であると判断すれば、ステップs510に進む。
一方、前記特別販売価格Mが前記合計金額S以下でないと判断すれば、ステップs514に進み今回の特別販売は、不適当なものとして、販売を禁止し、その旨報知する。
【0130】
ステップs510において、POSレジスタ2は、前記特別販売価格Mを前記合計金額Sで除算した値M/Sを100(%)から引いた値(100-M/S)が、ステップs502において取得した割引率Kn以下であるか否かを判断する。
値(100-M/S)が、割引率Kn以下であれば、ステップS511に進み、特別販売による商品登録を完了し、特別販売フラグに0を代入してリセットする。
一方、値(100-M/S)が、割引率Kn以上であれば、ステップs514に進み今回の特別販売は、不適当なものとして、販売を禁止し、その旨報知する。
【0131】
ステップs511で、特別販売による商品登録を完了し、特別販売フラグに0を代入してリセットしたPOSレジスタ2は、まとめ売り(特別販売)による登録処理を完了したら、POSレジスタ2は、ステップs512に進んで、販売員nによって小計キーの操作がなされたか否かを判断する。
【0132】
ステップs512において、POSレジスタ2は、販売員nによって小計キー511の操作がされたと判断したら、ステップs513に進んで、一取引における商品の登録を完了し、登録した商品の合計金額を算出する。その後、現計キー等の操作によって顧客から受け取った現金やクレジットカード等の決済手段に応じた決済処理を行い、処理を終了する。
【0133】
以上の実施形態において、前記所定の割引率は、季節など時期的なセール等によって設定されていてもよい。
また、商品の登録に際して、販売員nによる販売員IDを入力することで、各販売員による特別販売の情報を集計して記憶可能とすることもできる。
それによって、各販売員が、どのような商品に対してどの程度の割引率で販売したのか、また、顧客がどのような割引を求めているのかを把握することができ、セール等におけるまとめ商品の設定や、割引率の設定に利用することができる。
【0134】
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではない。
例えば、特別販売の対象商品の設定の方法や、特別販売価格の指定の方法についても何ら限定されるものではない。また、商品の特別販売設定する価格についても、内税でも外税でもよい。
【0135】
なお、上記説明では、第1ないし第4の実施形態のPOSレジスタ2が備えるのはいずれも特別販売キー512として、説明したが、第1ないし第4の実施形態のPOSレジスタ2の特別販売キーをそれぞれ異なる名称にして、複数のキーを併設するようにしてもよく、すなわち第1から第4の実施形態のすべてもしくは一部の機能を有するように構成してもよい。また、特別販売キー等は、機械式のキーにしてもよく、操作手段については何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0136】
2 :POSレジスタ
201 :商品販売制御手段
202 :特別販売設定手段
203 :特別販売価格指定手段
204 :特別販売禁止手段
211 :割引率記憶手段
400 :割引率テーブル
Kn :割引率
M :特別販売価格
S :合計金額
f :特別販売フラグ
n :販売員
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19