(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/02 20120101AFI20221122BHJP
G06Q 20/40 20120101ALI20221122BHJP
【FI】
G06Q20/02 300
G06Q20/40 320
(21)【出願番号】P 2018145826
(22)【出願日】2018-08-02
【審査請求日】2021-07-30
(73)【特許権者】
【識別番号】515340693
【氏名又は名称】Bank Invoice株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167184
【氏名又は名称】井上 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】手島 太郎
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/208733(WO,A1)
【文献】特開2006-260123(JP,A)
【文献】特開2004-126916(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107341728(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発行者から特定の受取人に向けて端末装置を介して送信され、前記受取人の金銭の支払い先を前記発行者とする請求書データをネットワークを通じて受信すると、受信した前記請求書データを、前記発行者の識別情報と前記受取人の識別情報とを関連づけて記憶する記憶部と、
前記請求書データの受信後に、前記受取人以外の第三者支払機関からの金銭の支払い指示を前記端末装置を介して前記発行者から受け付けると、前記第三者支払機関が前記受取人の情報に基づき算出した支払金額を前記端末装置を介して前記発行者に提示し、前記発行者が前記第三者支払機関から前記支払金額の支払いを受けると、前記請求書データに設定されている前記受取人の金銭の支払い先を前記発行者から前記第三者支払機関に設定する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記第三者支払機関から支払いを受けた前記請求書データを表示部に表示するときに、前記第三者支払機関から支払いを受けたことを示す
第1の識別情報を表示し、前記
第1の識別情報
に対応して画面上に表示される第2の識別情報が選択されると、前記制御部は、前記第三者支払機関から支払いを受けた金額を表示することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記請求書データの概要を示す概要表示部に、前記
第1の識別情報を表示する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記支払金額は、前記受取人の信頼度に基づき算出される請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータが、
発行者から特定の受取人に向けて端末装置を介して送信され、前記受取人の金銭の支払い先を前記発行者とする請求書データをネットワークを通じて受信すると、受信した前記請求書データを、前記発行者の識別情報と前記受取人の識別情報とを関連づけて記憶する記憶部を参照し、
前記請求書データの受信後に、前記受取人以外の第三者支払機関からの金銭の支払い指示を前記端末装置を介して前記発行者から受け付けると、前記第三者支払機関が前記受取人の情報に基づき算出した支払金額を前記端末装置を介して前記発行者に提示し、前記発行者が前記第三者支払機関から前記支払金額の支払いを受けると、前記請求書データに設定されている前記受取人の金銭の支払い先を前記発行者から前記第三者支払機関に設定し、
前記第三者支払機関から支払いを受けた前記請求書データを表示部に表示するときに、前記第三者支払機関から支払いを受けたことを示す
第1の識別情報を表示し、前記
第1の識別情報
に対応して画面上に表示される第2の識別情報が選択されると、前記第三者支払機関から支払いを受けた金額を表示する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータに、
発行者から特定の受取人に向けて端末装置を介して送信され、前記受取人の金銭の支払い先を前記発行者とする請求書データをネットワークを通じて受信すると、受信した前記請求書データを、前記発行者の識別情報と前記受取人の識別情報とを関連づけて記憶する記憶部を参照し、
前記請求書データの受信後に、前記受取人以外の第三者支払機関からの金銭の支払い指示を前記端末装置を介して前記発行者から受け付けると、前記第三者支払機関が前記受取人の情報に基づき算出した支払金額を前記端末装置を介して前記発行者に提示し、前記発行者が前記第三者支払機関から前記支払金額の支払いを受けると、前記請求書データに設定されている前記受取人の金銭の支払い先を前記発行者から前記第三者支払機関に設定し、
前記第三者支払機関から支払いを受けた前記請求書データを表示部に表示するときに、前記第三者支払機関から支払いを受けたことを示す
第1の識別情報を表示し、前記
第1の識別情報
に対応して画面上に表示される第2の識別情報が選択されると、前記第三者支払機関から支払いを受けた金額を表示する、
処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
決済手段の1つとして、請求書等の取引先に対して保有する売掛債権を、第三者機関に譲渡することにより、早期に資金化するサービスが知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】“GMO BtoB早払い”[online]、GMO PAYMENT GATEWAY[平成30年7月24日検索]インターネット<URL:https://www.gmo-pg.com/service/hayabarai/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
請求書を発行する時点では、請求先に支払を受ける口座番号を記載する。前述したシステムを用いて売掛債権の資金化を図る場合、請求書を発行した後に請求先を変更することとなる。請求書の再発行をすると、請求書の発行者および受取人双方にとって処理が煩雑になる。
1つの側面では、本発明は、簡単な手続で柔軟に支払を受けることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、開示の情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、発行者から特定の受取人に向けて端末装置を介して送信され、受取人の金銭の支払い先を発行者とするビジネス文書データをネットワークを通じて受信すると、受信したビジネス文書データを、発行者の識別情報と受取人の識別情報とを関連づけて記憶する記憶部と、ビジネス文書データの受信後に、受取人以外の第三者支払機関からの金銭の支払い指示を端末装置を介して発行者から受け付けると、第三者支払機関が受取人の情報に基づき算出した支払金額を端末装置を介して発行者に提示し、発行者が第三者支払機関から支払金額の支払いを受けると、ビジネス文書データに設定されている受取人の金銭の支払い先を発行者から第三者支払機関に設定する制御部と、を有している。
【0006】
ここで言う発行者とは、実際にビジネス文書データを発行した者に限定されず、ビジネス文書データを発行した者が所属する部署や企業等、ビジネス文書データを発行した発行元全体を含む。また、受取人とは、ビジネス文書データを受信した者に限定されず、ビジネス文書データを受信した者が所属する部署や企業等、ビジネス文書データを受信した受取人全体を含む。
【発明の効果】
【0007】
1態様では、簡単な手続で柔軟に支払を受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態の請求書管理システムを示す図である。
【
図2】ログイン後の端末装置に表示される画面の一例を説明する図である。
【
図3】実施の形態の請求書管理装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図4】実施の形態の請求書管理装置の機能を示すブロック図である。
【
図6】概要表示部に表示される情報を説明する図である。
【
図7】概要表示部に表示される情報を説明する図である。
【
図9】添付ファイルデータの一例を説明する図である。
【
図12】送信済ボタンが選択されたときの管理画面を示す図である。
【
図15】管理画面に表示される支払可能額の一例を示す図である。
【
図16】第三者支払機関から支払いを受けた請求書データを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態の請求書管理システムを、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施の形態の請求書管理システムを示す図である。
【0010】
実施の形態の請求書管理システム10は、請求書管理装置1が、インターネットや専用回線等のネットワークを介して端末装置2a、2b、2cに接続されている。
【0011】
端末装置2aは、A社、端末装置2bはB社、端末装置2cはC社等、端末装置2a、2b、2cは、それぞれ異なる会社の経理部門に配置されている装置である。端末装置2a、2b、2cとしては、例えばデスクトップPC、ノートPC、タブレット端末、スマートフォン等が挙げられる。
【0012】
請求書管理装置1と、端末装置2a、2b、2cはWebプログラムを実装している。端末装置2a、2b、2cは、Webブラウザを介して請求書に関する請求書データを請求書管理装置1とやりとりする。なお、本実施の形態では請求書データのやりとりを例示するが、請求書はビジネス文書の一例であり、本発明は請求書のやりとりに限定されない。ビジネス文書の他の例としては、例えば見積書や注文書等が挙げられる。
以下、請求書管理システム10をA社、B社、C社の各経理担当者が利用するものとして説明する。
【0013】
A社、B社、C社の各経理担当者は、それぞれ自己に割り当てられたEmailアドレス等を用いて請求書管理装置1にユーザ登録を行うことにより、請求書管理装置1が構築する請求書処理システムにアクセスする環境を整える。
【0014】
その後、例えばA社の経理担当者が端末装置2aを操作することにより、請求書管理装置1が端末装置2aに接続されたモニタにログイン画面を表示させる。経理担当者はログイン画面にメールアドレスおよびパスワードを入力することにより、請求書管理装置1が提供するサービスにログインすることができる。なお、メールアドレスは、経理担当者を識別する識別情報の一例である。
【0015】
端末装置2a、2b、2cは、ログイン後に、請求書の原本そのものを電子化した請求書データに関する処理を、請求書管理装置1を介して実行することができる。処理の種別としては、例えば、請求書データの作成、送受信、閲覧、編集等が挙げられる。
【0016】
例えば、A社の経理担当者がB社宛に請求書を発行する際には、A社の経理担当者は、端末装置2aを操作することにより、ログイン後に表示される管理画面にて請求先をB社とする請求書を作成する。そして、作成した請求書の送付先にB社の経理担当者(受取人)のメールアドレスを指定した請求書データを送信する。送信された請求書データは、請求書管理装置1が保管する。
【0017】
すなわち、端末装置2a、2b、2c間で請求書データを直接やりとりするのではなく、端末装置2a、2b、2cで作成され、請求先に送信された全ての請求書データは請求書管理装置1が保管し共有データのような取扱いとなる。そして、請求書管理装置1は、必要に応じて請求書データの閲覧、編集権限を端末装置2a、2b、2cに与える。
このように、電子上で請求書原本そのもの電子化し、処理することができる。従って、紙やPDFによる請求書の管理や保管の手間を省くことができる。
【0018】
なお、前述したように、端末装置2a、2b、2c間で請求書データを直接やりとりするのではないが、以下の説明では、説明を分かり易くするために、例えばA社の経理担当者からB社の経理担当者のメールアドレスを宛先とする請求書データが送信された場合、
一般的な請求書データのやりとりと同じく、「経理担当者が請求書データを受信する」という表現を用いる場合がある。
なお、請求書管理装置1と各端末装置2a、2b、2cとの請求書データのやりとりは暗号化されるのが好ましい。
図2は、ログイン後の端末装置に表示される画面の一例を説明する図である。
図2に示す管理画面110は、端末装置2aに表示される画面の一例である。
図2に示すように、経理担当者は、メールソフトウェアのような感覚で請求書データの作成、発行、閲覧、編集等をすることができる。
なお、管理画面110の詳細については、後に詳述する。
【0019】
ところで、前述した例では、A社の経理担当者は、一度送信した請求書データは書き替えることができない。また、B社の経理担当者も請求書データを書き替えることができない。請求書データに不備がある場合は、版数の異なる請求書データを再発行することになる。また、旧版の請求書データは、破棄されずに請求書管理装置1が保管し、いつでも閲覧できる状態になる。さらに、請求書管理装置1は、請求書データの版数管理も行い、旧版の請求書データから新版の請求書データを検索したり、新版の請求書データから旧版の請求書データを検索したりすることも容易に行うことができる。
再び
図1に戻って説明する。この請求書管理装置1には、第三者支払機関が管理する第三者支払機関管理装置3がネットワークを介して接続されている。
【0020】
引き続き、A社の経理担当者がB社宛に請求書を発行した場合を例示する。請求書管理装置1は、A社の経理担当者が発行した請求書データの受信後に、管理画面110(端末装置2a)を介して当該請求書データに関し発生する金銭の、B社以外の第三者支払機関からの受け取り指示をA社の経理担当者から受け付けることができる。このとき、請求書管理装置1は、第三者支払機関管理装置3に対し、この請求書データへの金銭の支払いが可能か否かを送信する。第三者支払機関管理装置3は、所定の判断基準に基づきこの請求書データへの金銭の支払いが可能か否か(売掛債権の譲渡の受け入れが可能か否か)を判断する。判断基準としては特に限定されないが、例えば、ネットワークを介して第三者支払機関管理装置3に接続される信用調査DB4を参照し、B社が公開する財務指標や、B社の過去の返済履歴(延滞の有無等)、取引事実に関する情報(債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立、債権譲渡)等、B社の信頼度を客観的に評価した指標を参照する方法が挙げられる。また、請求先が個人であれば、信用情報等を判断基準とすることができる。
【0021】
第三者支払機関管理装置3は、支払が可能であると判断した場合、その支払可能額を算出する。そして、第三者支払機関管理装置3は算出した支払可能額を請求書管理装置1に送信する。
【0022】
一般的に、B社の信頼度が高いほど、支払可能額はA社の請求額に近づき、B社の信頼度が低いほど、支払可能額はA社の請求額に遠のく。例えば、請求額が100万円である場合、B社の信頼度が高ければ、第三者支払機関はB社から請求額100万円を受け取る可能性が高い。このため、例えば、第三者支払機関管理装置3は算出した支払可能額として98万円を請求書管理装置1に送信することができる。他方、B社の信頼度が低ければ、第三者支払機関はB社から請求額100万円を受け取る可能性が低い。このため、例えば、第三者支払機関管理装置3は算出した支払可能額として10万円を請求書管理装置1に送信することができる。
請求書管理装置1は、第三者支払機関管理装置3から送られてきた支払可能額を、管理画面110に提示する。
【0023】
支払可能額の支払いを第三者支払機関から受ける場合、支払可能額を閲覧したA社の経理担当者は、管理画面110を操作して、支払可能額の支払いを第三者支払機関から受けることを了承する。了承を受信した請求書管理装置1は、第三者支払機関管理装置3に支払可能額の支払いを依頼する。これにより、第三者支払機関管理装置3は、請求書データに予め設定された、A社の経理担当者が指定した口座に支払可能額を振り込む。その後、第三者支払機関管理装置3は、振込完了通知を請求書管理装置1に送信する。
請求書管理装置1は、振込完了通知を受信すると、請求書データの支払可能額の支払いが完了したことを示す管理画面110を端末装置2aの画面に表示する。
【0024】
また、1つの第三者支払機関を例示した。しかし、これに限らず図示していないが、複数の第三者支払機関同士で競りを実行させ、最も高い支払金額を支払う第三者支払機関の支払可能額を請求書管理装置1に送信するようにしてもよい。また、複数の第三者支払機関の支払可能額を端末装置2aの画面に表示し、A社の経理担当者に支払を受ける第三者支払機関を選択させるようにしてもよい。
以下、開示の請求書管理システムをより具体的に説明する。
図3は、実施の形態の請求書管理装置のハードウェア構成を示す図である。
【0025】
請求書管理装置1は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス108を介してRAM(Random Access Memory)102と複数の周辺機器が接続されている。
【0026】
RAM102は、請求書管理装置1の主記憶装置として使用される。RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に使用する各種データが格納される。
【0027】
バス108には、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、ドライブ装置106、および通信インタフェース107が接続されている。
【0028】
ハードディスクドライブ103は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ハードディスクドライブ103は、請求書管理装置1の二次記憶装置として使用される。ハードディスクドライブ103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、二次記憶装置としては、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置を使用することもできる。
【0029】
グラフィック処理装置104には、モニタ104aが接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ104aの画面に表示させる。モニタ104aとしては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や、液晶表示装置等が挙げられる。
【0030】
入力インタフェース105には、キーボード105aとマウス105bとが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード105aやマウス105bから送られてくる信号をCPU101に送信する。なお、マウス105bは、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、例えばタッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等が挙げられる。
【0031】
ドライブ装置106は、例えば、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された光ディスクや、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の持ち運び可能な記録媒体に記録されたデータの読み取りを行う。例えば、ドライブ装置106が光学ドライブ装置である場合、レーザ光等を利用して、光ディスク200に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク200には、Blu-ray(登録商標)、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等が挙げられる。
【0032】
通信インタフェース107は、ネットワーク50に接続されている。通信インタフェース107は、ネットワーク50を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータを送受信する。
【0033】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、
図3には請求書管理装置1のハードウェア構成を示したが、端末装置2a等、他のコンピュータも同様のハードウェア構成で実現することができる。
図3に示すようなハードウェア構成の請求書管理装置1内には、以下のような機能が設けられる。
図4は、実施の形態の請求書管理装置の機能を示すブロック図である。
【0034】
請求書管理装置1は、データ処理部11と、請求書データ記憶部12と、社外連絡データ記憶部13と、添付ファイルデータ記憶部14と、履歴データ記憶部15と、メモデータ記憶部16とを有している。
【0035】
データ処理部11は、経理担当者の操作に応じて
図2に示す管理画面110を端末装置2a等に表示する。データ処理部11は、管理画面110を介して行われる請求書データのやり取りに応じた処理を実行する。例えば、データ処理部11は、請求書管理装置1が受信した請求書データや、経理担当者が作成した社外連絡(後述)やメモ等を各記憶部に振り分けて記憶させる。
【0036】
請求書データ記憶部12には、請求書管理装置1が受信した請求書データが、経理担当者毎(具体的には、経理担当者のメールアドレス毎)に記憶される。請求書管理装置1が受信する請求書データは、請求元の経理担当者が請求先の経理担当者宛に送信した請求書データや、請求元の経理担当者(発行者)が下書きとして作成した請求書データが含まれる。
図5は、請求書データの一例を説明する図である。
本実施の形態ではデータがテーブル化されて記憶されている。
【0037】
請求書データ管理テーブルT1には、請求書ID、送受信、送受信日時、担当者ステータス、相手ステータス、担当者アドレス、担当者名、相手アドレス、相手担当者名、口座情報、請求額、および受領額の欄が設けられている。横方向に並べられた情報同士が互いに関連づけられている。
【0038】
請求書IDの欄には、請求書データを管理するための請求書データ固有のIDが記憶されている。この請求書IDは、請求書管理装置1が請求書データを受信した時点でデータ処理部11が請求書データに割り振る。
【0039】
送受信の欄には、当該経理担当者から見て当該請求書データが、受信した請求書データなのか送信した請求書データなのかを示す区分が設定される。具体的には、受信した請求書データであれば「受信」、送信した請求書データであれば「送信」が設定される。
送受信日時の欄には、当該請求書データを送受信した日時のうち、最新の日時が格納される。
担当者ステータスの欄には、当該経理担当者から見た請求書データのステータス(処理に関する進捗)が設定される。
相手ステータスの欄には、当該請求書データをやり取りをする相手の経理担当者から見た請求書データのステータスが設定される。
【0040】
担当者ステータスの欄および相手ステータスの欄に設定されるステータスには、「未開封」、「返送中」、「先方破棄」、「確認済」、「支払済」、「保管箱」、「送信済」、「返送戻り」、「破棄済」、「入金済」がある。各ステータスの内容については、後に詳述する。
担当者アドレスの欄には、当該経理担当者のメールアドレスが格納される。
担当者名の欄には、当該経理担当者の氏名が格納される。
相手アドレスの欄には、当該請求書データをやり取りをする相手の経理担当者のメールアドレスが格納される。
相手担当者名の欄には、当該請求書データをやり取りをする相手の名前が格納される。
口座情報の欄には、請求額の振り込みを希望する口座の金融機関名、店番、口座番号等が格納される。
請求額の欄には、当該請求書データの請求額が格納される。
受領額の欄には、第三者支払機関から支払いを受けたときの受領額が格納される。
【0041】
なお、請求書データ管理テーブルT1に記憶される情報としては、図示した情報以外にも、当該経理担当者の会社名および部署名、当該請求書データをやり取りをする相手の経理担当者の会社名および部署名、各会社の郵便番号、住所、請求項目等、請求書に関するデータが含まれる。また、受領額に関し、支払いを行った第三者支払機関等を請求書データ管理テーブルT1に記憶するようにしてもよい。
次に、管理画面を説明する。
<管理画面>
データ処理部11は、経理担当者の操作に応じて
図2に示す管理画面110を端末装置2a等に表示する。
【0042】
管理画面110には、利用者情報表示部111、ステータス表示部112、概要表示部113、請求書表示部114、社外連絡ボタン115、添付ファイルボタン116、履歴ボタン117、メモボタン118、社外連絡一覧ボタン119、メモ一覧ボタン120、情報表示部121、および情報入力部122が表示されている。
【0043】
利用者情報表示部111には、請求書管理システムにログインしている経理担当者に関する情報(利用者情報)が表示される。
図2では一例として経理担当者が所属する会社名、部署名、名字、および経理担当者のメールアドレスが表示されている。
ステータス表示部112には、請求書管理システムにログインしている経理担当者が取り扱う請求書データの数がステータス毎に表示される。
大きく分けて、ステータス表示部112には受信BOX、下書き、送信BOXおよび送受信BOXの欄が設けられている。
データ処理部11は、経理担当者のメールアドレスを宛先とする請求書データを受信BOXに割り振る。
【0044】
経理担当者が受信BOXを選択すると、データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1を参照する。そして、担当者アドレスが「bbb@xxmail.co.jp」に一致する請求書データのうち、送受信の欄が「受信」の請求書データの概要を概要表示部113に表示する。
【0045】
図2に示すように、受信BOXに割り振られた請求書データのステータスの内訳は、「未開封」、「返送中」、「先方破棄」、「確認済」、「支払済」、「保管箱」がある。
【0046】
「未開封」のステータスは、受信BOXに割り振られた請求書データのうち、経理担当者が未確認の請求書データに対してデータ処理部11が、割り振るステータスである。
【0047】
「返送中」のステータスは、受信BOXに割り振られた請求書データのうち、経理担当者が請求元の経理担当者に返送した請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。
【0048】
「先方破棄」のステータスは、受信BOXに割り振られた請求書データのうち、受信した請求書データを経理担当者が請求元の経理担当者に返送した後に、請求元の経理担当者が破棄した請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。
【0049】
「確認済」のステータスは、受信BOXに割り振られた請求書データのうち、経理担当者が閲覧し、確認ボタン(後述)を選択した請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。
【0050】
「支払済」のステータスは、受信BOXに割り振られた請求書データのうち、経理担当者が入金を行い、図示しない支払ボタンを選択した請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。
経理担当者は、支払済のステータスの請求書データを集計することで、入金明細を把握することができる。
【0051】
「保管箱」のステータスは、ステータスが「支払済」の請求書データのうち、経理担当者が任意のタイミングで保管箱に移した請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。
ステータス表示部112に表示される数字は、それぞれ、割り振られたステータスの数が表示されている。
例えば、ステータス表示部112の未開封の欄には、受信した請求書データのうち、経理担当者が未確認の請求書データの数が表示される。
なお、ステータス表示部112の保管箱の欄には、特に数字は表示されない。
【0052】
「未開封」、「返送中」、「先方破棄」、「確認済」、「支払済」、「保管箱」の各BOXに割り振られている請求書データの内容を経理担当者が閲覧する場合には、ステータス表示部112の該当箇所を選択すればよい。
【0053】
例えば、経理担当者が受信BOXを選択すると、データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1を参照する。そして、データ処理部11は、担当者アドレスが「bbb@xxmail.co.jp」に一致する請求書データのうち、担当者ステータスが未開封の請求書データの概要を、概要表示部113に表示する。
データ処理部11は、経理担当者が作成し、保存したが、送信先の経理担当者に未送信の請求書データを下書きに割り振る。
データ処理部11は、経理担当者が発送した請求書データを送信BOXに割り振る。
【0054】
経理担当者が送信BOXを選択すると、データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1を参照する。そして、担当者アドレスが「bbb@xxmail.co.jp」に一致する請求書データのうち、送受信の欄が「送信」の請求書データの概要を概要表示部113に表示する。
【0055】
図2に示すように、送信BOXに割り振られた請求書データのステータスの内訳には、「送信済」、「返送戻り」、「破棄済」、「入金済」、「保管箱」がある。
【0056】
「送信済」のステータスは、送信BOXに割り振られた請求書データのうち、請求先の経理担当者が支払処理を行っていない請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。
【0057】
「返送戻り」のステータスは、送信BOXに割り振られた請求書データのうち、請求先の経理担当者から戻ってきた請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。経理担当者は、請求先から戻ってきた請求書データについての処理が可能となる。
【0058】
「破棄済」のステータスは、請求先の経理担当者から戻ってきた請求書データのうち、請求元の経理担当者が破棄した請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。
【0059】
「入金済」のステータスは、送信BOXに割り振られた請求書データのうち、請求元の経理担当者が入金を確認し、図示しない入金ボタンを選択した請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。
【0060】
「保管箱」のステータスは、ステータスが「送信済」または「入金済」の請求書データのうち、経理担当者が任意のタイミングで保管箱に移した請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。
ステータス表示部112の保管箱の欄には、特に数字は表示されない。
【0061】
「送信済」、「返送戻り」、「破棄済」、「入金済」、「保管箱」の各BOXに入っている請求書データの内容を閲覧する場合には、その箇所を選択すればよい。
【0062】
概要表示部113には、前述したように、経理担当者がステータス表示部112にて選択したステータスに対応する請求書データの概要が表示される。概要としては、受信した請求書データであれば、請求元の会社名、件名、支払期限日、および送信側、受信側のステータスが表示される。
これらのステータスは、請求書データを送受信した双方の経理担当者の管理画面上にそれぞれ同じものが表示される。
図6および
図7は、概要表示部に表示される情報を説明する図である。
【0063】
図6では、請求先の経理担当者が閲覧する管理画面110の概要表示部113に表示される請求書データの概要113aと、請求元の経理担当者が閲覧する管理画面110の概要表示部113に表示される概要113bとを示している。
【0064】
すなわち、
図6に示す請求元が株式会社ABCであり、件名が○○workの請求書データD1については、請求元の経理担当者が操作する端末装置の管理画面上ではステータス表示部の「送信済」に入っている。請求元の経理担当者がステータス表示部の「送信済」を選択した際には、請求書データD1について、請求先が□□株式会社、件名が○○work、請求元の経理担当者のステータスが「送信済」、請求先の経理担当者のステータスが「未開封」である旨が概要表示部113に表示される。
【0065】
また、ステータスの遷移を確認することにより、請求元の経理担当者は容易に請求先の経理担当者の処理の進捗を確認することができる。このため、双方の経理担当者が、各請求書データについて今どのような状態にあるのかを、リアルタイムに確認することができる。
図7(a)に示す概要113c、113d、113eは、いずれも請求書データD2についての概要を示している。
【0066】
請求先の経理担当者が請求書データD2を閲覧し、確認ボタン(後述)を選択すると、データ処理部11は、請求元の経理担当者が操作する端末装置の管理画面110の概要表示部113に表示される情報を概要113cから概要113dに変更する。
【0067】
その後、請求先の経理担当者が請求書データD2の支払処理を行い、図示しない支払済ボタンを選択すると、データ処理部11は、請求元の経理担当者が操作する端末装置の管理画面110の概要表示部113に表示される情報を概要113dから概要113eに変更する。
また、他の例として、
図7(b)に示す概要113f、113gは、いずれも請求書データD3についての概要を示している。
【0068】
請求先の経理担当者が請求書データD3を閲覧し、返送ボタン(後述)を選択すると、データ処理部11は、請求先の経理担当者が操作する端末装置の管理画面の概要表示部113に表示される情報を概要113fから概要113gに変更する。
再び
図2に戻って説明する。
【0069】
概要表示部113に表示された請求書データの概要が経理担当者により選択されると、データ処理部11は、請求書データの詳細を請求書表示部114に表示する。請求書表示部114に表示される請求書の内容は、アドレス表示部114aおよび後述する各種ボタンを供えること以外は、既存の(紙やPDFベースの)請求書と同じである。
【0070】
経理担当者が受信BOXに割り振られた請求書データを閲覧する場合には、データ処理部11は、送信元の経理担当者(from)のメールアドレスをアドレス表示部114aに表示する。
【0071】
また、経理担当者が下書きまたは送信BOXに割り振られた請求書データを閲覧する場合には、データ処理部11は、送信先の経理担当者(to)のメールアドレスを表示する。
なお、データ処理部11は、請求書データの請求書IDを請求書表示部114に表示するようにしてもよい。
経理担当者は、管理画面110上にて請求書表示部114に表示されている請求書の処理が可能である。
具体的には、請求書データのステータスに応じて、請求書を処理するためのボタンが請求書表示部114に表示される。
図2では、ステータスが未開封の請求書データを選択したときに表示されるボタンを示している。
請求書表示部114には、確認ボタン114b、返送ボタン114cおよびコピーボタン114dが設けられている。
【0072】
経理担当者により確認ボタン114bが選択されると、データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1を参照する。そして、請求書表示部114に表示されている請求書データの担当者ステータスを「確認済」に変更する。また、データ処理部11は、ステータス表示部112の「未開封」の数字を1つ減らし、「確認済」の数字を1つ増やす。
【0073】
経理担当者により返送ボタン114cが選択されると、データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1を参照する。そして、請求書表示部114に表示されている請求書データの担当者ステータスを「返送中」に変更し、相手ステータスを「返送戻り」に変更する。また、データ処理部11は、ステータス表示部112の「未開封」の数字を1つ減らし、「返送中」の数字を1つ増やす。
返送された請求書データを受信した経理担当者の管理画面上では、ステータス表示部の返送戻りの数字を1つ増やす。
【0074】
経理担当者によりコピーボタン114dが選択されると、データ処理部11は、当該請求書データの請求元と請求先の社名および住所が入れ替えられた新たな請求書データを作成する。そして、データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1に作成した請求書データに関する情報を格納する。このとき、当該請求書データの担当者ステータスは、「下書き」、相手ステータスは空欄となる。
再び
図2に戻って説明する。
【0075】
送受信BOXには、受信BOXおよび送信BOXに入っている全ての請求書データのうち、破棄された請求書データと保管箱に割り振られた請求書データと下書きに割り振られた請求書データを除くデータが割り振られている。
<社外連絡ボタン>
【0076】
経理担当者により社外連絡ボタン115が選択されると、データ処理部11は、管理画面110を社外連絡入力モードに切り替える。この社外連絡入力モードでは、データ処理部11は、情報入力部122に入力され、キーボードのエンターキーを押す等して確定された文書(テキストデータ)を、社外連絡として、当該経理担当者のメールアドレスおよび請求書表示部114に表示されている請求書データに関連づけて社外連絡データ記憶部13に記憶する。
図8は、社外連絡データの一例を説明する図である。
本実施の形態では社外連絡データがテーブル化されて記憶されている。
【0077】
社外連絡データ管理テーブルT2には、連絡者アドレス、ID、時間、および文言の欄が設けられている。横方向に並べられた情報同士が互いに関連づけられている。
【0078】
IDの欄には、経理担当者が社外連絡データを作成した際に請求書表示部114に表示されていた請求書データ(社外連絡データに関連づけられた請求書データ)の請求書IDが格納されている。
連絡者アドレスの欄には、当該社外連絡データを作成した作成者のメールアドレスが格納されている。
時間の欄には、社外連絡データの作成日時が格納されている。
文言の欄には社外連絡の内容が格納されている。
【0079】
また、社外連絡入力モードでは、データ処理部11は、請求書表示部114に表示されている請求書データに関し、社外連絡データ管理テーブルT2を参照し、これまで入力された社外連絡を時系列で確定日時とともに情報表示部121に表示する。
【0080】
情報表示部121には、請求書データの送信元、送信先双方の経理担当者自身が入力した社外連絡が表示される。このため、この社外連絡入力モードを用いることにより、双方の経理担当者は、チャットのようなやりとりが可能である。
【0081】
なお、経理担当者が請求書データ表示部114に表示されている請求書データに関する他の処理(ダウンロード、pdf化)が、その処理が実行された日時とともに情報表示部121に表示されるようになっていてもよい。これにより、双方の経理担当者の処理の履歴を把握することができる。
<添付ファイルボタン>
【0082】
経理担当者により添付ファイルボタン116が選択されると、データ処理部11は、管理画面110を添付ファイルモードに切り替える。この添付ファイルモードでは、データ処理部11は、情報入力部122にクリック&ドラッグされ、キーボードのエンターキーを押す等して確定された添付データを、当該経理担当者のメールアドレスおよび請求書表示部114に表示されている請求書データに関連づけて添付ファイルデータ記憶部14に記憶する。
図9は、添付ファイルデータの一例を説明する図である。
本実施の形態では添付ファイルデータがテーブル化されて記憶されている。
添付ファイルデータ管理テーブルT3には、ID、時間、および添付データの欄が設けられている。横方向に並べられた情報同士が互いに関連づけられている。
IDの欄には、添付データを添付した際に画面に表示されていた請求書データ(添付データが関連づけられた請求書データ)の請求書IDが格納されている。
時間の欄には、添付データの添付日時が格納されている。
添付データの欄には添付データの名前が格納されている。
【0083】
また、ファイルモードでは、データ処理部11は、請求書表示部114に表示されている請求書データに関し、添付ファイルデータ管理テーブルT3を参照し、これまでに添付された添付ファイルに関する情報を時系列で情報表示部121に表示する。
<履歴ボタン>
データ処理部11は、今までの双方の経理担当者の操作履歴(履歴データ)を履歴データ記憶部15に記憶しておく。
図10は、履歴データの一例を説明する図である。
本実施の形態ではデータがテーブル化されて記憶されている。
データ処理部11は、請求書データ毎に履歴データ管理テーブルT4を作成する。版数が異なれば、履歴データ管理テーブルT4は異なる。
【0084】
履歴データ管理テーブルT4には、請求書ID、操作、送受信日時、担当者ステータス、相手ステータス、担当者アドレス、担当者名、および相手アドレスの欄が設けられている。横方向に並べられた情報同士が互いに関連づけられている。
【0085】
操作の欄には、経理担当者が実行した操作が設定されている。それ以外の欄の内容については、請求書データ管理テーブルT1と同様であるので説明を省略する。
<メモボタン>
【0086】
経理担当者によりメモボタン118が選択されると、データ処理部11は、管理画面110をメモ入力モードに切り替える。このメモ入力モードでは、データ処理部11は、情報入力部122に入力され、キーボードのエンターキーを押す等して確定された文字等を、メモとして、当該経理担当者のメールアドレスおよび請求書表示部114に表示されている請求書データに関連づけてメモデータ記憶部16に記憶する。このメモは、メモを作成した者しか閲覧することができない。
図11は、メモデータの一例を説明する図である。
本実施の形態ではメモデータがテーブル化されて記憶されている。
メモデータ管理テーブルT6には、ID、時間、および文言の欄が設けられている。横方向に並べられた情報同士が互いに関連づけられている。
IDの欄には、経理担当者がメモを作成した際に画面に表示されていた請求書データ(メモが関連づけられた請求書データ)の請求書IDが格納されている。
時間の欄には、メモデータの作成日時が格納されている。
文言の欄にはメモの内容が格納されている。
【0087】
また、メモ入力モードでは、データ処理部11は、メモデータ記憶部16を参照し、請求書表示部114に表示されている請求書データに関し、これまで入力されたメモを時系列で情報表示部121に表示する。
再び
図2に戻って説明する。
<社外連絡一覧ボタン>
【0088】
経理担当者により社外連絡一覧ボタン119が選択されると、データ処理部11は、社外連絡に関するデータが記憶されている社外連絡データ記憶部13を参照し、当該経理担当者が担当する請求書に関する社外連絡の一覧画面(社外連絡一覧画面)を時系列で管理画面110上に表示する。
<メモ一覧ボタン>
【0089】
経理担当者により、メモ一覧ボタン120が選択されると、データ処理部11は、社外連絡に関するデータが記憶されているメモデータ記憶部16を参照し、当該経理担当者が担当する請求書に関するメモの一覧画面(メモ一覧画面)を時系列で管理画面110上に表示する。
次に、実施の形態の債権買い取り処理を説明する。
図12は、送信済ボタンが選択されたときの管理画面を示す図である。
請求書表示部114には、入金済ボタン114e、保管箱ボタン114f、コピーボタン114gおよび債権譲渡ボタン114hが設けられている。
【0090】
経理担当者により入金済ボタン114eが選択されると、データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1を参照する。そして、請求書表示部114に表示されている請求書データの担当者ステータスを「入金済」に変更する。また、データ処理部11は、ステータス表示部112の「送信済」の数字を1つ減らし、「入金済」の数字を1つ増やす。
【0091】
経理担当者により保管箱ボタン114fが選択されると、データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1を参照する。そして、請求書表示部114に表示されている請求書データの担当者ステータスを「保管箱」に変更する。また、データ処理部11は、ステータス表示部112の「送信済」の数字を1つ減らす。
【0092】
経理担当者によりコピーボタン114dが選択されると、データ処理部11は、当該請求書データの請求元と請求先の社名および住所を反映した請求書データを作成する。そして、データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1に作成した請求書データに関する情報を格納する。このとき、当該請求書データの担当者ステータスは、「下書き」、相手ステータスは空欄となる。
経理担当者により債権譲渡ボタン114hが選択されると、データ処理部11は、第三者支払機関管理装置3との間で次に示す債権譲渡処理を実行する。
図13および
図14は、債権譲渡処理を説明する図である。
以下、請求元がA社、請求先が株式会社B社であるものとして説明する。
[ステップS1] データ処理部11は、債権譲渡ボタン114hの選択を受け付ける。その後、ステップS2に遷移する。
【0093】
[ステップS2] データ処理部11は、第三者支払機関管理装置3が、売掛債権の譲渡の受け入れが可能か否かを判断させるための債権譲渡判断用データを生成する。この債権譲渡判断用データとしては、例えば請求書データそのものでもよいし、請求書データのうち請求書IDと請求先の社名(B社)と請求金額等、請求書データの一部であってもよい。
[ステップS3] データ処理部11は、生成した債権譲渡判断用データを第三者支払機関管理装置3に送信する。
[ステップS4] 第三者支払機関管理装置3は、債権譲渡判断用データを受信する。
【0094】
[ステップS5] 第三者支払機関管理装置3は、受信した債権譲渡判断用データを用いて支払可能額を算出する。この判断は、前述したように信用調査DB4を参照し、請求先のB社が公開する財務指標や、B社の過去の返済履歴(延滞の有無等)、取引事実に関する情報(債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立、債権譲渡)等、B社の信頼度を客観的に評価した指標を参照する方法が挙げられる。また、請求先が個人であれば、信用情報等を判断基準とすることができる。
[ステップS6] 第三者支払機関管理装置3は、ステップS5にて算出した支払可能額を請求書管理装置1に送信する。
[ステップS7] 請求書管理装置1は、支払可能額を受信する。
[ステップS8] データ処理部11は、管理画面110に支払可能額を表示する。
図15は、管理画面に表示される支払可能額の一例を示す図である。
【0095】
図15では一例として、B社の信頼度が比較的高く、第三者支払機関管理装置3が支払可能額を請求額(¥500,000)の97%(¥485,000)を示した場合を示している。データ処理部11は、支払可能額とともにはいボタン114iといいえボタン114jを管理画面110に表示する。A社の経理担当者がはいボタン114iを選択すると、データ処理部11は、ステップS9に遷移する。A社の経理担当者がいいえボタン114jを選択すると、データ処理部11は、
図13に示す処理を終了する。
【0096】
[ステップS9] データ処理部11は、はいボタン114iの選択を受け付ける(支払承諾の受付)。このとき、A社の経理担当者は、社外連絡ボタン115を選択して第三者支払機関管理の支払を受けることを情報入力部122に入力することによって請求先B社の経理担当者に通知するようにしてもよい。
[ステップS10] データ処理部11は、支払可能額の支払いを第三者支払機関に依頼する支払依頼を第三者支払機関管理装置3に送信する。
[ステップS11] 第三者支払機関管理装置3は、支払依頼を受信する。
[ステップS12] 第三者支払機関管理装置3は、請求書データの口座情報に設定された指定口座に支払可能額を支払う。
[ステップS13] 第三者支払機関管理装置3は、支払い完了通知を請求書管理装置1に送信する。
[ステップS14] データ処理部11は、支払い完了通知を受信する。
【0097】
[ステップS15] データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1を参照し、当該請求書データの振込口座の口座情報(A社が指定した口座情報)を第三者支払機関管理装置3が指定した口座情報に変更する。また、データ処理部11は、ステップS12にて支払われた支払可能額を受領額の欄に格納する。これにより、A社の経理担当者またはB社の経理担当者の請求書データの閲覧要求に応じて、データ処理部11は、請求書表示部114の金融機関の欄に支払金額を支払った第三者支払機関を表示する。
[ステップS16] データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1を参照し、当該請求書データのステータスを「入金済」に変更する。
以上で
図14に示す処理を終了する。
【0098】
なお、以上の処理は一例であり、ステップ間に別の処理が入っても良いし、一部の処理の順序を入れ替えてもよい。また、一部の処理を他の処理に置換してもよい。例えば、「債権譲渡済」というステータスを新たに設け、ステップS10にてデータ処理部11が、支払可能額の支払いを第三者支払機関に依頼する支払依頼を第三者支払機関管理装置3に送信したときにデータ処理部11がステータスを「債権譲渡済」に変更してもよい。そして、
図14に示すように、データ処理部11が支払い完了通知を受信した後に当該請求書データのステータスを「入金済」に変更するようにしてもよい。
【0099】
ところで、B社が請求金額を支払う際には、ステータスが「未開封」または「確認済」の請求書データを閲覧し、請求書表示部114の金融機関の欄に表示された第三者支払機関管理の口座に入金をする。
図16は、第三者支払機関から支払いを受けた請求書データを説明する図である。
第三者支払機関から支払いを受けた請求書データについては、概要表示部113にその旨が表示される。
図16では一例として「※債権譲渡」が表示される。
【0100】
請求書表示部114には、譲渡確認ボタン114iが設けられている。A社の経理担当者により譲渡確認ボタン114iが選択されると、データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1を参照し、当該請求書データの受領額の欄に格納されている金額を管理画面110に表示する。なお、
図16に示す表示方法は一例である。
【0101】
以上述べたように、請求書管理システム10によれば、A社の経理担当者から特定の受取人であるB社の経理担当者に向けて端末装置2aを介して送信され、B社の金銭の支払い先をA社とする請求書データをネットワークを通じて受信すると、受信した請求書データを、A社の経理担当者の識別情報とB社の経理担当者の識別情報とを関連づけて記憶する請求書データ記憶部12と、請求書データの受信後に、B社以外の第三者支払機関からの金銭の支払い指示を端末装置2aを介してA社の経理担当者から受け付けると、第三者支払機関がB社の情報に基づき算出した支払金額を端末装置2aを介してA社の経理担当者に提示し、A社の経理担当者が第三者支払機関から支払金額の支払いを受けると、請求書データに設定されているB社の金銭の支払い先をA社から第三者支払機関に設定するデータ処理部11と、を有する。
従って、簡単な手続で柔軟に支払を受けることができる。
【0102】
また、データ処理部11は、請求書データの処理の進捗を示すステータスを管理し、A社の経理担当者の指示に応じてA社が第三者支払機関から支払金額の支払いを受けると、請求書データ記憶部12に記憶されている請求書文書データの金銭の受け取りが完了したことを示す画面、すなわち、データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1を参照し、当該請求書データのステータスを「入金済」に変更した画面を端末装置2aを介して表示するようにした。これにより、A社の経理担当者は、手動でステータスを変更しなくてよいため、請求書データの管理が容易になる。
【0103】
また、端末装置2a、2b、2c間で請求書データを直接やりとりするのではなく、端末装置2a、2b、2cで作成され、請求先に送信された全ての請求書データは請求書管理装置1が保管し共有データのような取扱いとなる。このため、請求先の経理担当者は、請求書データをプリントアウトすることで請求書の原本を入手することができる。
また、電子署名処理やタイムスタンプ処理等を施さなくてもよいので、税務調査のために紙の請求書をPDF化する等の手間を削減することができる。
【0104】
情報表示部121には、請求書データの送信元、送信先双方の経理担当者自身が入力した社外連絡が表示される。このため、この社外連絡入力モードを用いることにより、双方の経理担当者は、チャットのようなやりとりが可能である。
【0105】
請求書データを送信した時点で請求書データ管理テーブルT1に情報が記憶され、その後のやり取りのステータスは、この請求書データ管理テーブルT1上で管理される。このため、経理担当者は、手入力により請求書をデータシートにまとめ直す作業から開放される。
なお、請求書管理装置1が行った処理が、複数の装置によって分散処理されるようにしてもよい。
【0106】
また、本実施の形態では、請求書管理装置1が請求書データ記憶部12等各記憶部を備える構成としたが、これに限らず、各記憶部はクラウド化され、データ処理部11と別個の場所に設けられていても良い。
また、実施の形態の金銭は、仮想通貨を含む。
【0107】
また、本実施の形態では、第三者支払機関管理装置3を請求書管理装置1とは別個に設ける場合について説明した。しかし、これに限らず、第三者支払機関管理装置3が備える機能を請求書管理装置1が備えていてもよい。
【0108】
以上、本発明の情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
また、本発明は、前述した各実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0109】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、請求書管理装置1が有する機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等が挙げられる。磁気記憶装置には、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等が挙げられる。光ディスクには、DVD、DVD-RAM、CD-ROM/RW等が挙げられる。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等が挙げられる。
【0110】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0111】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0112】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
【符号の説明】
【0113】
1 請求書管理装置
2a、2b、2c 端末装置
10 請求書管理システム
11 データ処理部
12 請求書データ記憶部
13 社外連絡データ記憶部
14 添付ファイルデータ記憶部
15 履歴データ記憶部
16 メモデータ記憶部
T1 請求書データ管理テーブル
T2 社外連絡データ管理テーブル
T3 添付ファイルデータ管理テーブル
T4 履歴データ管理テーブル
T6 メモデータ管理テーブル