(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221122BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2018162764
(22)【出願日】2018-08-31
【審査請求日】2021-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】淺野 幸平
【審査官】下村 輝秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-082960(JP,A)
【文献】特開2011-147696(JP,A)
【文献】特開平3-183104(JP,A)
【文献】特開昭52-106462(JP,A)
【文献】特開昭62-019188(JP,A)
【文献】特開平6-031035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
DC-DCコンバータと、
遊技の演出のために前記DC-DCコンバータから駆動電圧を受けて駆動され
るソレノイドと、
前記ソレノイドによって第1位置から第2位置へと移動する可動部を備える遊技用電気部品と、を有する遊技機において、
前記DC-DCコンバータが前記
ソレノイドに出力する駆動電圧を、前記可動部が前記第1位置から移動し始める始動時に比べて、その始動後、前記第2位置に向かう移動中に小さくなるように変更する駆動電圧変更手段を有する遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機として、例えば、特許文献1に開示の遊技機のように、駆動源に代表される遊技用電気部品を複数有するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-169261号(段落[0031]、
図5,13)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の遊技機では、遊技用電気部品の駆動電圧を高くすると、発熱によって遊技用電気部品を長時間使用できなくなったり、一度に使用できる遊技用電気部品の数が少なくなったりする、という問題が生じる。このように、従来の遊技機では、遊技用電気部品の使用に制限があり、この制限を緩和することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、DC-DCコンバータと、遊技の演出のために前記DC-DCコンバータから駆動電圧を受けて駆動されるソレノイドと、前記ソレノイドによって第1位置から第2位置へと移動する可動部を備える遊技用電気部品と、を有する遊技機において、前記DC-DCコンバータが前記ソレノイドに出力する駆動電圧を、前記可動部が前記第1位置から移動し始める始動時に比べて、その始動後、前記第2位置に向かう移動中に小さくなるように変更する駆動電圧変更手段を有する遊技機である。
【発明の効果】
【0006】
遊技用電気部品の使用の制限を緩和することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図11】第2実施形態に係る可動役物ユニットが取り付けられた機構枠の正面図
【
図13】(A)可動ベースが第1回転位置に配置されたときの可動役物ユニットの正面図、(B)可動ベースが第2回転位置に配置されたときの可動役物ユニットの正面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
図1に示されるように、本実施形態の遊技機10は、前面枠10Zを前面に備え、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、
図2に示される遊技盤11の前面に形成された遊技領域YRが視認可能になっている。遊技盤11の後側には、
図3に示される機構枠17が取り付けられ、その機構枠17には種々の装置が組み付けられている。
【0009】
図1に示されるように、前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、発射用ハンドル28が備えられている。そして、発射用ハンドル28を回動操作すると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域YRに向けて弾き出される。
【0010】
図2に示されるように、遊技盤11の前面からは、遊技領域YRを包囲するガイドレール12が突出している。ガイドレール12は、遊技盤11の外縁部を周回するように配置されている。
【0011】
遊技盤11のうち遊技領域YRの中央には、表示開口11Hが貫通形成されており、その表示開口11Hに後側から表示装置13が対向している。表示装置13は、例えば、液晶モジュールで構成され、その前面が遊技に関する演出を行う表示画面13Gとなっている。なお、詳細には、表示画面13Gは、機構枠17(
図3参照)の後側から機構枠17の開口部17Kと遊技盤11の表示開口11Hを通して遊技者に視認可能となっている。
【0012】
遊技盤11の前面中央には、表示画面13Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技盤11の前面側から表示開口11Hに嵌め込まれて、表示開口11Hの内側に張り出すと共に、遊技盤11の前面から突出している。そして、遊技領域YRを流下する遊技球が、表示装飾枠23の前側を通過して表示装飾枠23の内側に進入しないように構成されている。
【0013】
表示装飾枠23の横方向中央の下方には、第1の始動入賞口14Aと第2の始動入賞口14Bとが上下2段に並べて配置されている。表示装飾枠23の右側には、始動ゲート18が設けられている。また、表示装飾枠23の右下には、大入賞口15が設けられている。また、第1の始動入賞口14Aの左側と大入賞口15の右側には、ガイドレール12に沿って一般入賞口20が複数設けられている。
【0014】
遊技領域YRには、各入賞口14A,14B,15,20とは別に、特典(賞球)を付与することなく遊技領域YRの外側に排出するためのアウト口16が設けられている。
【0015】
次に、遊技領域YRの各部位についてさらに詳説する。一般入賞口20は、所謂、ポケット構造をなし、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで上方又は側方に開口している。遊技球が一般入賞口20に入球(入賞)すると、例えば、1個の入球につき所定数の賞球が上皿26に払い出される。
【0016】
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われる。
【0017】
第1の始動入賞口14Aは、ポケット構造をなして遊技球が1つずつ入球可能な大きさで上方に開口している。第2の始動入賞口14Bは、遊技球が1つずつ入球可能な大きさで前方に開口し、回動扉14Tによって開閉される。回動扉14Tは、通常は、閉状態となっていて、上述の普通図柄当否判定で当りになったことを契機にして、開状態となる。第1と第2の始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球(入賞)すると、例えば、1個の入球につき所定数の賞球が上皿26に払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。そして、特別図柄当否判定で当りになると、通常の遊技状態から大当り遊技状態へ移行し、大当り遊技が実行される。
【0018】
大入賞口15は、横長矩形状をなし、通常の遊技状態では、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、遊技状態が大当り遊技状態となって大当り遊技が実行されると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒される。すると、大入賞口15が前側に開放し、可動扉15Tを案内にして大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき所定数の遊技球が上皿26に払い出される。
【0019】
図3に示されるように、本実施形態の遊技機10は、上述の入賞口14A,14B,15・・や表示装置13等のほかに、可動演出部材110の動作により遊技に関する演出を行う可動役物装置110Sを機構枠17に固定して備えている。可動役物装置110Sは、可動演出部材110を
図4に示される通常状態と
図7に示される落下状態とに変化させる。可動演出部材110は、通常状態では表示画面13Gの上部前方に寄せて配置され、落下状態では表示画面13Gの全体を前側から覆うように配置される。
【0020】
図4に示されるように、可動役物装置110Sは、上下方向に直線状に延びた1対の昇降ガイド132,132を間隔をあけて横並びにして備え、それら1対の昇降ガイド部材132,132の間に可動演出部材110を差し渡した構造になっている。なお、1対の昇降ガイド部材132,132は、表示画面13Gを左右方向に挟むように機構枠17(
図3参照)の左右の辺部に固定され、遊技盤11及び表示装飾枠23(
図2参照)の後側に隠れるように配置されている。
【0021】
図4及び
図5に示されるように、1対の昇降ガイド部材132,132のうち一方の昇降ガイド部材132には、可動演出部材110を上下動させるための昇降機構130が備えられている。本実施形態では、昇降機構130は、ボール螺子機構によって構成されていて、
図5に示されるように、昇降ガイド部材132内で上下方向に延在するボール螺子133と、ボール螺子133と螺合した図示しないボールナットと、ボール螺子133を回転駆動する昇降用モータ134と、を備えている。
【0022】
図6に示されるように、昇降ガイド部材132には、可動演出部材110が通常状態のときに、落下用駆動源139K(
図9参照)からの駆動力を受けて、可動演出部材110の下方への移動を許容する落下許容位置と、第1可動演出部材110の下方への移動を禁止する落下禁止位置と、に配置される落下用ストッパ139が備えられている。落下用ストッパ139が落下禁止位置に配置されているときには、上述のボールナットがボール螺子133の下端寄り位置に配置される。そして、落下用ストッパ139が落下許容位置に配置されることで、可動演出部材110が自由落下するようになっている。
【0023】
図6及び
図7に示されるように、可動演出部材110は、前後方向にずれて配置された前側落下部材111と後側落下部材121とがシート状の網体141を介して連絡された構造になっている。
図4に示されるように、可動演出部材110が通常状態のとき、前側落下部材111と後側落下部材121は、前後に重ねられて表示画面13Gの上部前方に配置されている。
【0024】
図6及び
図8に示されるように、前側落下部材111は、前後に偏平なプレートの両側部から1対の支持対向壁112T,112Tが後側に張り出した構造を有するフレーム部112と、フレーム部112の前面に固定されたロゴプレート113と、を備え、1対の支持対向壁112T,112T(
図6には、一方の支持対向壁112Tのみが示されている。)が、昇降ガイド部材132,132に上下動可能に支持されている。1対の支持対向壁112T,112Tのうち一方の支持対向壁112Tには、昇降ガイド132に取り付けられた前側スライドレール135を上下動するスライダ136(
図7参照)が固定されていて、そのスライダ136が、上述したボール螺子133(
図5参照)と螺合する図示しないボールナットによって下方から受け止められている。
【0025】
図6に示されるように、後側落下部材121は、前後方向で対向した前面壁121A及び後面壁121Bの上端部同士が天井壁121Cで連絡された構造になっていて、前面壁121Aと後面壁121Bの側部が1対の昇降ガイド部材132,132に上下動可能に支持されている。これにより、後側落下部材121が、昇降ガイド部材132に対し上下動可能となっている。
【0026】
後側落下部材121は、通常は、前側落下部材111に下方から受け止められることで落下が防止されている。具体的には、
図8に示されるように、前側落下部材111の支持対向壁112Tの上端部には、後側落下部材121の前面壁121Aに下方から当接可能な当接部115が設けられている。そして、
図5に示されるように、前側落下部材111の当接部115が後側落下部材121の前面壁121Aを下方から受け止めることで、後側落下部材121の落下が防止されている。
【0027】
また、前側落下部材111が下方へ移動したときに、昇降ガイド部材132に備えられた受止ストッパ137(
図6参照)によって、後側落下部材121の落下が防止される。具体的には、後側落下部材121の後面壁121Bの側部は、昇降ガイド部材132に後側から重ねられ、昇降ガイド部材132の後面に形成された後側スライドレール138に支持されている。受止ストッパ137は、昇降ガイド部材132の後面から突出し、後側落下部材121の後壁121Bに下方から当接する。
【0028】
このように、本実施形態では、後側落下部材121の可動ストロークは、前側落下部材111の可動ストロークよりも小さくなっている。ここで、前側落下部材111の可動ストロークの上端及び下端を「前側上端位置」及び「前側下端位置」と称し、後側落下部材121の可動ストロークの上端及び下端を「後側上端位置」及び「後側下端位置」と称することにすると、可動演出部材110は、前側落下部材111が前側上端位置に配置され且つ後側落下部材121が後側上端位置に配置されたときに通常状態(
図4参照)となり、前側落下部材111が前側下端位置に配置され且つ後側落下部材121が後側下端位置に配置されたときに落下状態(
図7参照)となる。
【0029】
図7に示されるように、網体141は、複数の糸142を格子状に張り巡らせて網地が構成された構造になっていて、四角形状の空洞部である網の目143を有している。網体141は、前側落下部材111の後面側で前側落下部材111に取り付けられた芯材150(
図6参照)にロール状に巻き取られる。芯材150は、前側落下部材111における1対の支持対向壁112T,112Tの間に回転可能に支持されている。芯材150の内部には、芯材150を巻き取り方向へ回転付勢する回転付勢バネ(図示せず)が備えられていて、前側落下部材111が上方へ移動すると、芯材150が網体141を自動的に巻き取るようになっている。なお、
図6では、網体141が省略して示されている。
【0030】
可動役物装置110Sは、通常は、可動演出部材110を通常状態に保持し、所定の落下演出条件が成立すると、後側落下部材121と前側落下部材111を落下させる。具体的には、落下演出条件が成立すると、落下用ストッパ139(
図6参照)が落下許容位置へ移動し、後側落下部材121及び前側落下部材111が昇降ガイド部材132に沿って一体に下降する。このとき、後側落下部材121は、下降の途中で、昇降ガイド部材132に備えられた受止ストッパ137にて下方から受け止められて、後側下端位置に位置決めされる。後側落下部材121が後側下端位置に位置決めされると、前側落下部材111が後側落下部材121から分離して下降し、後側落下部材121と前側落下部材111との間の間隔が広がっていく。
【0031】
前側落下部材111が後側落下部材121から分離して下降すると、芯材150に巻き取られていた網体141が芯材150から繰り出されて、後側落下部材121と前側落下部材111との間に広げられる。そして、前側落下部材111が前側下端位置に配置されると、可動演出部材110が落下状態(
図7参照)となる。
【0032】
可動演出部材110が落下状態となった後、所定の落下演出終了条件が成立すると、可動役物装置110Sは、昇降用モータ134を駆動して前側落下部材111を上昇させる。前側落下部材111は上昇の途中で後側落下部材121を押し上げて後側落下部材121と一体に移動し、前側落下部材111と後側落下部材121とが前側上端位置と後側上端位置とに配置されると、可動演出部材110が通常状態(
図4参照)へと戻る。このとき、網体141は、上述した回転付勢バネの付勢力によって芯材150に巻き取られる。可動演出部材110が通常状態になると、落下用ストッパ139が落下禁止位置に配置され、昇降用モータ134がボールナット(図示せず)をボール螺子133の下端寄り位置まで下降させる。
【0033】
図9には、遊技機10の電気的な構成が示されている。同図における符号50は、主制御回路50であって、CPU51AとRAM51B及びROM51C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータとサブ制御回路52を結ぶ入出力回路と、大入賞口15等が接続された中継回路及び払出制御回路等を結ぶ入出力回路とを備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU51Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特別図柄当りや普通図柄当りに関する乱数等も生成し、制御信号をサブ制御回路52等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM51Bは、CPU51Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU51Aの作業領域を備える。ROM51Cには、CPU51Aが実行するメインプログラムや、制御データ等が書き込まれている他、特別図柄当り及び普通図柄当りの判定値が書き込まれている。
【0034】
サブ制御回路52は、主制御回路50と同様に、CPU52AとRAM52B、ROM52C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータと主制御回路50を結ぶ入出力回路と、表示制御回路54、音声制御回路55、ランプ制御回路56等を結ぶ入出力回路を備えている。後者の入出力回路は、可動役物装置110Sにも接続されている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、制御信号を表示制御回路54、音声制御回路55、ランプ制御回路56等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cには、CPU52Aが実行するメインプログラムや各種演出の制御データ等が記憶されている。
【0035】
なお、主制御回路50、サブ制御回路52、表示制御回路54、音声制御回路55、ランプ制御回路56等は、電源基板60からの電源供給を受けて作動する。
【0036】
図9及び
図10に示されるように、可動役物装置110Sには、落下用駆動源139Kを駆動制御するための駆動回路70が備えられている。本実施形態では、駆動回路70は、落下用駆動源139Kに駆動電圧を供給し、その駆動電圧を遊技の進行に応じて変更する。なお、主制御回路50、サブ制御回路52と同様に、駆動回路70は、電源基板60から電源供給を受けて作動する。また、落下用駆動源139Kは、例えば、ソレノイドで構成され、ソレノイドがオンされたときに、落下用ストッパ139を落下禁止位置から落下許容位置へ移動させる。
【0037】
図10には、駆動回路70の詳細が示されている。駆動回路70は、DC-DCコンバータ71と、出力電圧設定回路72と、回路設定部73と、を備えている。DC-DCコンバータ71の入力端子71Aには、電源基板60が接続される。入力端子71Aと電源基板60との交点には、コンデンサC1の一端が接続されている。コンデンサC1の他端はグランドに接続されている。DC-DCコンバータ71の出力端子71Bには、落下用駆動源139Kが接続されている。出力端子71Bと落下用駆動源139Kの交点には、コンデンサC2の一端が接続されている。コンデンサC2の他端はグランドに接続されている。
【0038】
出力電圧設定回路72は、DC-DCコンバータ71の出力電圧を設定するためのものであって、DC-DCコンバータ71の外部接続端子71Cに接続される。本実施形態では、出力電圧設定回路72は、複数備えられていて、外部接続端子71Cには、1つの出力電圧設定回路72のみが実質的に接続される。複数の出力電圧設定回路72は、互いに、異なる値の出力電圧を設定する。なお、出力電圧設定回路72は、出力電圧の設定値の数だけ備えられればよい。
【0039】
出力電圧設定回路72は、トランジスタ75とPMOSトランジスタ77とを含んでいる。トランジスタ75は、抵抗R3を介してPMOSトランジスタ77のゲート端子に接続されるコレクタと、グランドに接続されるエミッタと、抵抗R1を介して回路設定部73に接続されるベースと、を有している。なお、ベースとエミッタとの間には、ベースに入力がないときにベース-エミッタ間電圧を0Vにするための抵抗R2が接続されている。
【0040】
上述の如く、PMOSトランジスタ77のゲートは、抵抗R3を介してトランジスタ75のコレクタに接続される。PMOSトランジスタ77のソースは、DC-DCコンバータ71の出力端子71BとコンデンサC2の交点に接続される。PMOSトランジスタ77のドレインは、外部抵抗80を介してDC-DCコンバータ71の外部接続端子71Cに接続される。ゲートとソースの間には、ゲートに入力がないときにゲートーソース間電圧を0Vにするための抵抗R4が接続されている。なお、DC-DCコンバータ71の外部接続端子71Cは、DC-DCコンバータ71内でグランド接続端子71Dに接続され、外部抵抗80のドレインと反対側の端部は、間接的にグランドに接続されることになる。
【0041】
複数の出力電圧設定回路72の間では、外部抵抗80の抵抗値が異なっている。従って、DC-DCコンバータ71Cの外部接続端子71Cに実質的に接続される出力電圧設定回路72が変更されると、PMOSトランジスタ77がオン状態となったときにDC-DCコンバータ71の出力端子71BとコンデンサC2の交点に接続される外部抵抗80の抵抗値が変更される。これにより、DC-DCコンバータ71の出力電圧が変更される。なお、外部抵抗80は、1つの抵抗素子で構成されてもよいし、複数の抵抗素子で構成されてもよい。
【0042】
回路設定部73は、複数の出力電圧設定回路72から外部接続端子71Cに接続する出力電圧設定回路72を選択する。具体的には、回路選択部73は、遊技の進行に応じてサブ制御回路52から送信される制御信号に基づいて制御信号を生成し、その制御信号を何れか1つの出力電圧設定回路72に出力する。各出力電圧設定回路72のトランジスタ75は、ベース75Bに制御信号が入力されてベース電流が流れると、オフ状態からオン状態に切り替わる。
【0043】
出力電圧設定回路72では、トランジスタ75がオン状態になると、PMOSトランジスタ77のゲートに電圧がかかる。ゲートに電圧がかかると、PMOSトランジスタ77がオフ状態からオン状態に切り替わり、ソースからドレイン端子77へと電流が流れる。その結果、DC-DC-コンバータ71の外部接続端子71Cに出力電圧設定回路72の外部抵抗80が実質的に接続され、外部抵抗80の抵抗値に対応した電圧値がDC-DCコンバータ71の出力電圧値となる。
【0044】
本実施形態では、DC-DCコンバータ71の出力電圧値は、落下用駆動源139Kが落下用ストッパ139を落下許容位置に保持するときに第1電圧値V1に設定され、落下用駆動源139Kが落下用ストッパ139を落下禁止位置から落下許容位置へ移動させるときに第1電圧値V1より高い第2電圧値V2に設定される。これは、可動演出部材110からの負荷(重力)を受けながら落下用ストッパ139を落下禁止位置から落下許容位置へ移動させるときの落下用駆動源139Kの駆動電圧の方が、可動演出部材110からの負荷(重力)を受けることなく落下用ストッパ139を落下許容位置に保持するときの落下用駆動源139Kの駆動電圧よりも大きいからである。
【0045】
本実施形態の遊技機10では、遊技の進行に応じて落下用駆動源139Kに供給される駆動電圧を変更することが可能となるので、落下用ストッパ139を落下許容位置へ移動させるときの落下用駆動源139Kの駆動電圧を、落下用ストッパ139を落下許容位置に保持するときにも供給することが防がれる。これにより、発熱によって落下用駆動源139Kを長時間使用できなくなることが抑制され、落下用駆動源139Kの使用の制限を緩和することが可能となる。
【0046】
なお、落下用ストッパ139の初動時に落下用駆動源139Kにかかる負荷が、落下用ストッパ139の移動中に落下用駆動源139Kにかかる負荷より大きい場合には、以下の構成が採用されてもよい。即ち、DC-DCコンバータ71の出力電圧値は、落下用ストッパ139を落下禁止位置から落下許容位置へ移動させるときの初動時にのみ第2電圧値V2に設定され、落下用ストッパ139の移動中には第1電圧値V1に設定されてもよい。別の構成としては、落下用ストッパ139を落下禁止位置から落下許容位置へ移動させるときの初動時には第2電圧値V2より高い第3電圧値V3に設定され、落下用ストッパ139の移動中には第2電圧値V2に設定されてもよい。このような構成によれば、落下用ストッパ139の初動時にかかる落下用駆動源139Kの駆動電圧を、落下用ストッパ139の移動中にも供給することが防がれ、落下用駆動源139の発熱が抑制される。
【0047】
[第2実施形態]
図11及び
図12に示されるように、本実施形態では、機構枠17に、可動役物ユニット240が組み付けられている。可動役物ユニット240は、固定ベース241と、可動ベース251と、を備えている。固定ベース241は、略円形の開口部241Aを内側に有する枠状に形成され、機構枠17に前側から重ねて固定されている。可動ベース251は、略円形状をなして、固定ベース241の開口部241Aの内側に嵌め込まれている。
【0048】
図13(A)に示されるように、可動ベース251の外周面の一部には、外歯251Gが形成されている。この外歯251Gには、固定ベース241に回転可能に支持された駆動ギア242が噛み合っている。駆動ギア242は、固定ベース241に備えられたベース駆動源243(
図12参照)によって駆動される。これにより、可動ベース251は、固定ベース241に対して回転可能となっている。
【0049】
可動ベース251は、通常は、
図13(A)に示される第1回転位置に配置されている。可動ベース251は、駆動ギア242の駆動によって、第1回転位置と
図13(B)に示される第2回転位置との間を移動する。第2回転位置は、正面から見て第1回転位置に対して時計方向に約90度ずれている。ここで、可動ベース251の中央部には、矩形状の窓部251Aが形成されていて、可動ベース251が第1回転位置又は第2回転位置に配置されると、該窓部251Aが表示画面13G(
図2参照)の中央部と重なる。
【0050】
図11及び
図12に示されるように、可動ベース251には、互いに対向配置される第1可動部261及び第2可動部262と、第1可動部261及び第2可動部262をその対向方向に接近、離間させる直動駆動機構270と、が搭載されている。なお、第1可動部261と第2可動部262は、通常は、その対向方向で最も離れる待機位置に配置され(
図11及び
図12参照)、直動駆動機構270によって、最も近接する合体位置に配置される(
図13(A)参照)。
【0051】
第1可動部261と第2可動部262のそれぞれには、対向方向の内側に配置される内側可動体261A,262Aと、対向方向の外側に配置される外側可動体261B,262Bと、が備えられている。以下では、第1可動部261の内側可動体261A、外側可動体261Bを第1内側可動体261A、第1外側可動体261Bと適宜称し、第2可動部262の内側可動体262A、外側可動体262Bを第2内側可動体262A、第2外側可動体262Bと適宜称することとする。
【0052】
図14に示されるように、第1可動部261の各可動体261A,261Bと第2可動部262の各可動体262A,262Bには、第1可動部261と第2可動部262の対向方向に延びる第1プレート部264及び第2プレート部265と、第1プレート部264と第2プレート部265の間に差し渡された可動演出部263と、が設けられている。第1プレート部264と第2プレート部265は、可動ベース251の窓部251Aを可動演出部263の延在方向に挟むように配置される。なお、
図14には、第1外側可動体261Bと第2外側可動体262Bのみが示されている。
【0053】
第1可動部261においては、可動演出部263の延在方向の一方側に第1プレート部264が配置され、他方側に第2プレート部265が配置される。一方、第2可動部262においては、可動演出部263の延在方向の一方側に第2プレート部265が配置され、他方側に第1プレート部264が配置される。第1可動部261と第2可動部262の間では、第1プレート部264と第2プレート部265が突き合わされるように配置され、第1可動部261と第2可動部262が最も近接したときに、第1可動部261の第1プレート部264と第2可動部262の第2プレート部265が横並びに配置され、第1可動部261の第2プレート部265と第2可動部262の第1プレート部264が横並びに配置される。
【0054】
また、第1可動部261においては、第1内側可動体261Aの第1プレート部264と第1外側可動体261Bの第1プレート部264が重ねられると共に、第1内側可動体261Aの第2プレート部265と第1外側可動体261Bの第2プレート部265が重ねられる(
図12参照)。同様に、第2可動部262においては、第2内側可動体262Aの第1プレート部264と第2外側可動体262Bの第1プレート部264が重ねられると共に、第2内側可動体262Aの第2プレート部265と第2外側可動体262Bの第2プレート部265が重ねられる。
【0055】
図14に示されるように、第1プレート部264と第2プレート部265には、その延在方向に延びる長孔264N,265Nが形成されている。長孔264N,265Nには、可動ベース251に固定された支持軸部266が挿通されていて、これにより、第1プレート部264と第2プレート部265は、それぞれの延在方向に直動可能となっている。また、第1プレート部264の両側部には、ラック264R,264Rが形成され、第2プレート部265のうち可動ベース251の窓部251Aと反対側を向く部分には、ラック265Rが形成されている。
【0056】
図11,12,14に示されるように、直動駆動機構270は、可動演出部263の延在方向で可動ベース251の窓部251Aを挟むように対をなして設けられている。各直動駆動機構270には、第1内側可動体261Aと第2内側可動体262Aを駆動するための内側可動体用駆動源271Aと、第1外側可動体261Bと第2外側可動体262Bを駆動するための外側可動体用駆動源271Bと、各駆動源271A,271Bによって回転駆動される駆動ギア272,272(
図14には、外側可動体用駆動源271Bにより回転駆動される駆動ギア272のみが示されている。)と、が備えられている。
【0057】
図14に示されるように、駆動ギア272は、第1プレート部264のラック264R,264Rのうち窓部251Aと反対側に臨むラック264Rと噛合する。直動駆動機構270には、第1可動部261の第1プレート部264と第2可動部262の第2プレート部265の間に挟まれて、該第1プレート部264のラック264Rと該第2プレート部265のラック265Rの両方と噛合する中継ギア273が備えられている。
【0058】
1対の直動駆動機構270,270において外側可動体用駆動源271Bにより駆動ギア272が回転駆動されると、
図14の矢印に示されるように、第1外側可動体261Bの第1プレート部264と第2外側可動体262Bの第1プレート部264が長孔264Nに沿って逆方向に移動する。なお、1対の直動駆動機構270,270において駆動ギア272の回転方向は同じになっている。
【0059】
第1外側可動体261Bの第1プレート部264が長孔264Nに沿って移動すると、その移動に伴って中継ギア273が回転し、第2外側可動体262Bの第2プレート部265が該第1プレート部264と逆方向に移動する。ここで、第2外側可動体262Bの第2プレート部265の移動方向は、該可動体262Bの第1プレート部264の移動方向と同じになっているので、第2外側可動体262Bは、2つの外側可動体用駆動源271B,271Bによって駆動されることになる。
【0060】
また、第2外側可動体262Bの第1プレート部264が長孔264Nに沿って移動すると、その移動に伴って中継ギア273が回転し、第1外側可動体261Bの第2プレート部265が該第1プレート部264と逆方向に移動する。ここで、第1外側可動体261Bの第2プレート部265の移動方向は、該可動体261Bの第1プレート部264の移動方向と同じになっているので、第1外側可動体261Bは、2つの外側可動体用駆動源271B,271Bによって第2外側可動体262Bと逆方向に駆動されることになる
【0061】
第1内側可動体261Aと第2内側可動体262Aの駆動は、第1外側可動体261Bと第2外側可動体262Bの駆動と同様になっている。そして、直動駆動機構270は、第1外側可動体261Bと第2外側可動体262Bの駆動と同様にして、第1内側可動体261Aと第2内側可動体262Aを逆方向に駆動する。
【0062】
図12に示されるように、可動演出部263は、角柱状の回転ブロック281と、回転ブロック281をその中心軸方向に挟んで支持する1対の支持体282,282と、回転ブロック281の裏側に配置されて1対の支持体282,282を連絡する連絡部材83と、を有している。一方の支持体282には、回転ブロック281をその中心軸回りに回転させるブロック駆動源281Kが備えられている。
【0063】
図15に示されるように、本実施形態の遊技機の電気的な構成は、上記第1実施形態と同様に構成され、サブ制御回路52が、可動役物ユニット240のベース駆動源243、内側可動体用駆動源271A、外側可動体用駆動源271B、ブロック駆動源281Kを制御することで、可動ベース251と、第1可動部261及び第2可動部262の各可動体261A,261B,262A,262Bと、各可動体261A,261B,262A,262Bにおける回転ブロック281と、を駆動制御する点が異なっている。
【0064】
可動役物ユニット240は、駆動源243、271A,271B,281Kのそれぞれについて、上記第1実施形態と同様の構成の駆動回路70(
図10参照)を有している。従って、可動役物ユニット240では、各駆動源243,271A,271B,281Kの駆動電圧が可変となっている。
【0065】
ところで、可動ベース251の重量が重いと、可動ベース251の始動時又は停止時にベース駆動源243にかかる負荷(トルク)が大きくなることから、ベース駆動源243の駆動電圧を高くすることが求められる。同様に、第1可動部261又は第2可動部262の重量が重いと、第1可動部261又は第2可動部262の初動時又は停止時に駆動源271A,271Bに係る負荷(トルク)が大きくなることから、それら駆動源271A,271Bの駆動電圧を高くすることが求められる。ここで、可動役物ユニット240の各駆動源240の駆動電圧が一定であると、可動ベース240、第1可動部261、第2可動部262及び回転ブロック281の全てを用いて演出を行ったときの遊技機10の消費電流が絶対最大定格を超える場合があり、可動役物ユニット240では、可動ベース240、第1可動部261、第2可動部262及び回転ブロック281を全て用いた演出の実行が困難となる。しかしながら、本実施形態の遊技機10では、各駆動源243,271A,271B,281Kの駆動電圧が可変となっているので、可動ベース240、第1可動部261、第2可動部262及び回転ブロック281の全てを用いた演出を行っても、遊技機10の消費電流が絶対最大定格を超えないようにすることが可能となる。即ち、本実施形態の遊技機10では、複数の駆動役物(具体的には、可動ベース240、第1可動体261、第2可動体261及び回転ブロック281)を用いた駆動演出を実行可能となる。
【0066】
[他の実施形態]
(1)上記第1実施形態において、落下用駆動源139Kは、モータであってもよい。この場合、落下用ストッパ139を移動させるときの駆動電圧よりも、落下用ストッパ139が落下禁止位置又は落下許容位置に保持されているときの駆動電圧を小さくすればよい。
【0067】
なお、上記実施形態において、駆動回路70が駆動電圧を提供する駆動源がソレノイドである場合、プランジャを所定位置の保持するときの駆動電圧を、プランジャを移動させるときの駆動電圧より低くすればよい。また、駆動回路70が駆動電圧を提供する駆動源がモータである場合、そのモータのロータを所定の回転位置に保持するときの駆動電圧を、ロータを回転させるときの駆動電圧よりも低くすればよい。
【0068】
(2)上記第1実施形態において、可動演出部材110は、演出位置に付勢され、ロック部材によって原点位置に保持されるものであればよく、例えば、バネによって演出位置に付勢されてもよい。この場合、ロック部材の駆動源の駆動電圧が変更される。
【0069】
(3)上記実施形態において、駆動回路70をランプ制御回路56に備えて、複数の発光素子(LED)を駆動してもよい。
【0070】
(4)複数の出力電圧設定回路72は、DC-DCコンバータ71の外部接続端子71Cに接続される外部抵抗80の抵抗値が互いに異なるものであれば、
図10に示されるものに限定されない。
【0071】
(5)上記第1実施形態の可動役物装置110Sに、昇降用モータ134に駆動電圧を供給するための駆動回路を備え、その駆動回路を駆動回路70と同様の構成としてもよい。
【0072】
(6)上記第1実施形態の可動役物装置110Sと上記第2実施形態の可動役物ユニット240を両方備える構成としてもよい。その際、可動役物装置110Sの各駆動源(昇降用モータ134と落下用駆動源139K)のそれぞれについて、駆動回路70を備えてもよい。
【0073】
(7)上記第2実施形態において、駆動源243,271A,271B,281Kのうち一部の駆動源について、駆動回路70を備えてもよい。
【0074】
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0075】
以下の特徴A群は、遊技機に関し、「従来の遊技機として、例えば、特許文献A(特開2013-169261号(段落[0031]、
図5、13))に開示の遊技機のように、駆動源に代表される遊技用電気部品を複数有するものが知られている。」という背景技術について、「従来の遊技機では、遊技用電気部品の駆動電圧を高くすると、発熱によって遊技用電気部品を長時間使用できなくなったり、一度に使用できる遊技用電気部品の数が少なくなったりする、という問題が生じる。このように、従来の遊技機では、遊技用電気部品の使用に制限があり、この制限を緩和することが求められている。」という課題をもってなされたものである。
【0076】
[特徴A1]
遊技用電気部品(落下用駆動源139K)に駆動電圧を供給するためのDC-DCコンバータ(DC-DCコンバータ71)を有する遊技機(遊技機10)において、
前記DC-DCコンバータの出力電圧を変更可能な出力変更手段(サブ制御回路52及び回路選択部73)を有する、遊技機。
【0077】
本特徴に示す構成では、遊技の進行に応じて遊技用電気部品に供給される駆動電圧を変更することが可能となるので、遊技用電気部品を長時間使用する場合には、発熱が抑えられ、一度に多数の遊技用電気部品を使用する場合には、一部の遊技用電気部品については駆動電圧を低くすることが可能となる。これにより、遊技用電気部品の使用の制限を緩和することが可能となる。
【0078】
[特徴A2]
前記DC-DCコンバータの出力電圧を設定するための複数種類の出力電圧設定回路(出力電圧設定回路72)を有し、
前記出力変更手段は、遊技の進行に応じて前記複数種類の出力電圧設定回路から1種類の出力電圧設定回路を選択し、その選択した出力電圧設定回路を前記DC-DCコンバータに接続する、特徴A1に記載の遊技機。
【0079】
[特徴A3]
前記複数種類の出力電圧設定回路には、互いに抵抗値の異なる外部抵抗(外部抵抗80)が備えられ、
前記出力変更手段は、前記DC-DCコンバータに接続される前記外部抵抗の抵抗値を変更する、特徴A2に記載の遊技機。
【0080】
特徴A2に示す構成では、DC-DCコンバータに接続される出力電圧設定回路を選択することでDC-DCコンバータの出力電圧を変更することが可能となる。また、出力電圧設定回路がDC-DCコンバータに接続されると、該出力電圧設定回路に対応した電力を遊技用電気部品に供給することが可能となる。具体的には、複数種類の出力電圧設定回路は、特徴A3に示されるように、互いに抵抗値の異なる外部抵抗を備えていればよい。
【0081】
[特徴A4]
前記遊技用電気部品には、第1状態と、前記第1状態よりも駆動電圧が高い第2状態と、に可変な駆動電圧可変部品(落下用駆動源139K)が含まれ、
前記出力変更手段は、前記DC-DCコンバータの出力電圧を第1電圧値に設定することで前記駆動電圧可変部品を前記第1状態にし、前記DC-DCコンバータの出力電圧を前記第1電圧値より高い第2電圧値に設定することで前記駆動電圧可変部品を前記第2状態にする、特徴A1乃至A3のうち何れか1に記載の遊技機。
【0082】
本特徴に示す構成では、遊技用電気部品に含まれる駆動電圧可変部品の状態を第1状態と第1状態より駆動電圧が高い第2状態に変更することが可能となる。
【0083】
[特徴A5]
前記駆動電圧可変部品として、移動部材を所定位置に保持するロック状態と前記移動部材の所定位置からの移動を許容するアンロック状態とに変化するロック部材(落下用ストッパ139)を駆動するロック部材用駆動源(落下用駆動源139K)を有し、
前記ロック部材用駆動源は、前記ロック部材を前記ロック状態から前記アンロック状態に変化させるときに、前記第2状態となる、特徴A4に記載の遊技機。
【0084】
本特徴に示す構成では、常にロック部材用駆動源に一定の駆動電圧が供給される場合と比較して、ロック部材用駆動源に供給される駆動電圧を抑えることが可能となる。
【0085】
[特徴A6]
前記駆動電圧可変部品として、複数の駆動役物(可動ベース240、第1可動部261、第2可動部262及び回転ブロック281)を駆動するための複数の駆動源(ベース駆動源243、内側可動体用駆動源271A、外側可動体用駆動源271B及びブロック駆動源281K)を有し、
前記出力変更手段は、遊技機の消費電流が絶対最大定格を超えないように前記駆動源を前記第1状態又は前記第2状態に制御する、特徴A4に記載の遊技機。
【0086】
本特徴に示す構成では、遊技機の消費電流が絶対最大定格を超えないように複数の駆動源の駆動電圧が制御されるので、複数の駆動役物を一度に用いた駆動演出を実行可能となる。
【0087】
[特徴A7]
遊技用電気部品(落下用駆動源139K)に駆動電圧を供給するためのDC-DCコンバータ(DC-DCコンバータ71)を有する遊技機(遊技機10)において、
前記遊技用電気部品として、駆動役物(落下用ストッパ139)を駆動するための駆動源(落下用駆動源139K)を有し、
前記DC-DCコンバータの出力電圧を変更して、前記駆動役物の非駆動時及び駆動中に前記駆動源に供給する駆動電圧を、前記駆動役物の初動時又は停止時に前記駆動源に供給する駆動電圧よりも小さくする出力変更手段(サブ制御回路52と回路選択部73)を有する、遊技機。
【0088】
本特徴に示す構成では、遊技の進行に応じて遊技用電気部品に供給される駆動電圧を変更することが可能となるので、遊技用電気部品を長時間使用する場合には、発熱が抑えられ、一度に多数の遊技用電気部品を使用する場合には、一部の遊技用電気部品については駆動電圧を低くすることが可能となる。これにより、遊技用電気部品の使用の制限を緩和することが可能となる。
【0089】
なお、特徴A7に示す構成に、特徴A1~A6に示す構成が組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0090】
10 遊技機
52 サブ制御回路
70 駆動回路
71 DC-DCコンバータ
72 出力電圧設定回路
73 回路選択部
80 外部抵抗
110 可動演出部材
139 落下用ストッパ
139K 落下用駆動源