(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】箱付き台車
(51)【国際特許分類】
B62B 3/02 20060101AFI20221122BHJP
B62B 5/00 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
B62B3/02 Z
B62B5/00 Z
(21)【出願番号】P 2020166076
(22)【出願日】2020-09-30
【審査請求日】2021-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】592001816
【氏名又は名称】株式会社マルサ
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 一成
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 信輔
【審査官】姫島 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-509341(JP,A)
【文献】特開平08-126555(JP,A)
【文献】特開平05-254444(JP,A)
【文献】特開2020-023318(JP,A)
【文献】特開平09-165848(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0072718(US,A1)
【文献】独国実用新案第202005013114(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 3/02
B62B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪が設けられている台車基体の四隅の支柱間に、それぞれ支柱間架設部が、少なくとも水平状態にして上下に間隔をおいて複数対設けられていて、この対向する各支柱間架設部間に、この支柱間架設部に端部の端部係止部が係止されて水平架設板が水平状態に架設され上下に間隔をおいて複数配設されていて、この台車基体の前記水平架設板間に開閉部付き収納箱部が設けられている箱付き台車であって、
前記収納箱部は、上下の前記水平架設板とこの上下間隔を四方から覆う少なくとも複数の囲い板とからなり、この囲い板の少なくともいずれかには前記支柱間架設部に係止される架設部係止部が設けられている、または前記水平架設板に係止される架設板係止部が設けられていて、この隣り合う囲い板同士が連結され連結後は箱外側からは外せない連結手段が備えられているとともに、一の前記囲い板が開口部を開閉させる前記開閉部として構成または前記囲い板の一部に開口部を開閉させる前記開閉部が設けられている構成とされ、
前記開口部を開閉する前記開閉部には、この開閉部の開放が施錠阻止される鍵が備えられまたはこの鍵を取り付ける鍵取付部が設けられていて、
前記台車基体に設けられている前記開閉部付き収納箱部は、前記囲い板同士の連結を外さない限り前記架設部係止部および前記架設板係止部が係脱できずこの収納箱部は前記台車基体から離脱できない構成とされていて、
この収納箱部内の収納物は、前記開閉部の前記鍵を開錠して開口した前記開口部からしか取り出せない構成とされていることを特徴とする箱付き台車。
【請求項2】
前記台車基体は左右方向に長く前後方向に短い方形状に構成されていて、前後の前記支柱間に前記支柱間架設部が上下に間隔をおいて複数架設されていて、この各左右の前記支柱間架設部間に、左右端部の前記端部係止部を係止して左右方向に長く前後方向に短い方形状に構成されている前記水平架設板が水平状態に架設され上下に間隔をおいて配設されている構成とされ、
この上下の水平架設板の四方を覆うように四体の前記囲い板が立設されてこの水平架設板間が囲い閉塞され、この囲い板の前記架設部係止部が前記支柱間架設部に係止されるとともに前記架設板係止部が前記水平架設板に係止され、前記連結手段でこの囲い板同士が連結されて、前記台車基体に前記収納箱部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の箱付き台車。
【請求項3】
前記四体の囲い板は、上下に配設されている前記水平架設板間の短辺側を覆い閉塞する一対の短辺側囲い板と、前記水平架設板間の長辺側を覆い閉塞する一対の長辺側囲い板とからなり、この長辺側囲い板の少なくとも一方に前記開口部が設けられ、この開口部を閉塞する扉板状の前記開閉部が回動自在に設けられ、この開閉部の端部と前記開口部の開口部周辺部とに前記鍵が取り付けられる前記鍵取付部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の箱付き台車。
【請求項4】
前記短辺側または前記長辺側の囲い板の上下の一方側の端部に前記架設部係止部が設けられ、他方側の端部に前記架設板係止部が設けられていることを特徴とする請求項
3記載の箱付き台車。
【請求項5】
前記連結手段は、前記囲い板同士の一部が重合される重合部に設けられている連結用連通孔に差し込む頭部付き止ピンで、この連結用連通孔への差し込みに際しては没動し貫通することで戻り復帰して係止する突没係止部がピン部に備えられた構成とされ、箱外側から前記連結用連通孔に前記ピン部を差し込み前記頭部および突没係止部を係止させることで前記囲い板同士が連結され、箱内側の前記
突没係止部を押して没動させ外方に抜かない限り連結後は箱外側からは抜けず前記囲い板の連結を箱外側からは外せない構成とされていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の箱付き台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、作業現場で使用されている運搬台車に、部品や資材などの収納物を収納する収納箱部を設けた箱付き台車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築作業現場では、部品や資材などを運ぶための運搬台車が多用されているが、この台車の底板や架設棚板(水平架設板)上に網篭タイプの上部開口形収納ボックスを置いたり、樹脂シートタイプの上部開口形収納ボックスを置いたり、完全閉塞タイプの開閉蓋付き収納箱を置いたりして、作業現場にその部品や資材を収納状態で保管できるようにする場合もある。
【0003】
このように、運搬台車は、部品や資材を運ぶだけでなく、さらに収納部を備えれば現場でその保管にも利用でき便利であるが、夜間の盗難を避けることができず、開閉蓋付きの収納箱を載せこの開閉蓋に鍵を付けても、この収納箱ごと盗難されるおそれもあり、さらにこの収納箱も台車基体に鍵付きの結束具などで連結しなければならず別途厳重な盗難防止を施さなければならず、厄介である。
【0004】
また、このような箱の製作も厄介であるし、市販の大型の鍵付き箱を購入するにしても比較的高価であるし、またこの市販の鍵付き箱を運搬し載置するのも厄介であるし、さらに持ち去り防止のために鍵付き結束具で連結するために箱側に加工を施さなければならない場合も多くコスト高となり実用性に劣る。そのため、このような鍵付き箱にさらに厳重な盗難防止手段を前述のように別途施さないかぎり、貴重なものを大量に現場に置き去り保管することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような問題を見出し、これを解決するもので、多用されている運搬台車の上下の水平架設板間に、簡単な構成材を用いて簡易な組立作業により、鍵で施錠可能な開閉部付き収納箱部を形成できるとともに、これを再びばらすこともこの収納箱部ごと持ち去ることもできない構成の開閉部付き収納箱部を形成でき、しかも既存構成の運搬台車を用いて製作可能な構成であるとともに、簡易な構成材で且つ簡易な組立作業で極めて盗難されにくい構成の収納箱部を容易に製作実現できることとなる実用性に優れた画期的な箱付き台車を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
車輪1が設けられている台車基体2の四隅の支柱3間に、それぞれ支柱間架設部4が、少なくとも水平状態にして上下に間隔をおいて複数対設けられていて、この対向する各支柱間架設部4間に、この支柱間架設部4に端部の端部係止部5が係止されて水平架設板6が水平状態に架設され上下に間隔をおいて複数配設されていて、この台車基体2の前記水平架設板6間に開閉部8付き収納箱部9が設けられている箱付き台車であって、前記収納箱部9は、上下の前記水平架設板6とこの上下間隔を四方から覆う少なくとも複数の囲い板7とからなり、この囲い板7の少なくともいずれかには前記支柱間架設部4に係止される架設部係止部11が設けられている、または前記水平架設板6に係止される架設板係止部12が設けられていて、この隣り合う囲い板7同士が連結され連結後は箱外側からは外せない連結手段10が備えられているとともに、一の前記囲い板7が開口部13を開閉させる前記開閉部8として構成または前記囲い板7の一部に開口部13を開閉させる前記開閉部8が設けられている構成とされ、前記開口部13を開閉する前記開閉部8には、この開閉部8の開放が施錠阻止される鍵14が備えられまたはこの鍵14を取り付ける鍵取付部15が設けられていて、前記台車基体2に設けられている前記開閉部8付き収納箱部9は、前記囲い板7同士の連結を外さない限り前記架設部係止部11および前記架設板係止部12が係脱できずこの収納箱部9は前記台車基体2から離脱できない構成とされていて、この収納箱部9内の収納物は、前記開閉部8の前記鍵14を開錠して開口した前記開口部13からしか取り出せない構成とされていることを特徴とする箱付き台車に係るものである。
【0008】
また前記台車基体2は左右方向に長く前後方向に短い方形状に構成されていて、前後の前記支柱3間に前記支柱間架設部4が上下に間隔をおいて複数架設されていて、この各左右の前記支柱間架設部4間に、左右端部の前記端部係止部5を係止して左右方向に長く前後方向に短い方形状に構成されている前記水平架設板6が水平状態に架設され上下に間隔をおいて配設されている構成とされ、この上下の水平架設板6の四方を覆うように四体の前記囲い板7が立設されてこの水平架設板6間が囲い閉塞され、この囲い板7の前記架設部係止部11が前記支柱間架設部4に係止されるとともに前記架設板係止部12が前記水平架設板6に係止され、前記連結手段10でこの囲い板7同士が連結されて、前記台車基体2に前記収納箱部9が設けられていることを特徴とする請求項1記載の箱付き台車に係るものである。
【0009】
また前記四体の囲い板7は、上下に配設されている前記水平架設板6間の短辺側を覆い閉塞する一対の短辺側囲い板7と、前記水平架設板6間の長辺側を覆い閉塞する一対の長辺側囲い板7とからなり、この長辺側囲い板7の少なくとも一方に前記開口部13が設けられ、この開口部13を閉塞する扉板状の前記開閉部8が回動自在に設けられ、この開閉部8の端部と前記開口部13の開口部周辺部とに前記鍵14が取り付けられる前記鍵取付部15が設けられていることを特徴とする請求項2記載の箱付き台車に係るものである。
【0010】
また前記短辺側または前記長辺側の囲い板7の上下の一方側の端部に前記架設部係止部11が設けられ、他方側の端部に前記架設板係止部12が設けられていることを特徴とする請求項3記載の箱付き台車に係るものである。
【0011】
また前記連結手段10は、前記囲い板7同士の一部が重合される重合部16に設けられている連結用連通孔17に差し込む頭部付き止ピンで、この連結用連通孔17への差し込みに際しては没動し貫通することで戻り復帰して係止する突没係止部18がピン部に備えられた構成とされ、箱外側から前記連結用連通孔17に前記ピン部を差し込み前記頭部および突没係止部18を係止させることで前記囲い板7同士が連結され、箱内側の前記突没係止部18を押して没動させ外方に抜かない限り連結後は箱外側からは抜けず前記囲い板7の連結を箱外側からは外せない構成とされていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の箱付き台車に係るものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上述のように構成したから、多用されている運搬台車の上下の水平架設板間に、簡単な構成材を用いて簡易な組立作業により、鍵で施錠可能な開閉部付き収納箱部を形成できるとともに、これを再びばらすこともこの収納箱部ごと持ち去ることもできない構成の開閉部付き収納箱部を形成でき、しかも既存構成の運搬台車を用いて製作可能な構成であるとともに、簡易な構成材で且つ簡易な組立作業で極めて盗難されにくい構成の収納箱部を容易に製作実現できることとなる実用性に優れた画期的な箱付き台車となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施例の開閉部付き収納箱部を形成する前の既存構成の台車の説明斜視図である。
【
図2】本実施例の短辺側および長辺正面側から見た説明斜視図である。
【
図3】本実施例の短辺側および長辺背面側から見た説明斜視図である。
【
図4】本実施例の開閉部を開放した状態の説明斜視図である。
【
図5】本実施例の鍵を鍵取付部に取り付けて開閉部を施錠した状態の鍵取付部の拡大説明斜視図である。
【
図6】本実施例の収納箱部形成途中の短辺側囲い板を取り付ける途中の説明斜視図である。
【
図7】本実施例の収納箱部形成途中の長辺正面側の囲い板を取り付ける途中の説明斜視図である。
【
図8】本実施例の収納箱部の内部角部の拡大説明斜視図である。
【
図9】本実施例の連結手段の拡大説明斜視図である。
【
図10】本実施例の組立形成前の四枚の囲い板を重ね保管状態または運搬状態とする途中の説明斜視図とこの状態の説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の最適な実施形態を図面に基づいて本発明の作用を示し簡単に説明する。
【0015】
車輪1が設けられている台車基体2の四隅の支柱3間に支柱間架設部4が、水平状態にして上下に間隔をおいて複数対設けられていて、この対向する各支柱間架設部4間に端部係止部5を係止させて水平架設板6が、水平状態にして上下に間隔をおいて複数架設されていている既存構成のこの台車基体2の上下の水平架設板6間に、鍵14で施錠可能な開閉部8付き収納箱部9を設けた構成としている。
【0016】
具体的には、この収納箱部9は、既存構成の上下の前記水平架設板6の上下間隔が収納空間となるように四方から複数の囲い板7で囲い覆う。この際この囲い板7のいずれかに設けた架設部係止部11を前記支柱間架設部4に係止し、またはこの囲い板7のいずれかに設けた架設板係止部12を前記水平架設板6に係止し、さらにこの隣り合う囲い板7同士を、少なくとも連結後は箱外側からは外せない連結手段10で連結して形成している。
【0017】
したがって、既存構成の台車基体2、すなわちこの上下の水平架設板6をこのまま利用して、たとえば4枚の囲い板7、そのうちの一枚を開閉部8としたまたは開閉部8を設けた構成として、上下の水平架設板6間に付設して箱外側からは外せない連結手段10で連結することで、既存構成の台車基体2に開閉部8付き収納箱部9を形成できるため、簡易な構成材で既存構成の台車基体2に形成でき、たとえば市販のこの台車に後付け形成できるようにも設計可能できる。また台車基体2に加工不要な構成で、さらに組立も容易でユーザーが自ら組立形成することも可能な構成で、たとえば前記連結手段10を箱外側からは外せないが、箱内側からは外せる構成の連結手段10とすれば、開閉部8を鍵14を開錠して開けて箱内側から外せば囲い板7をばらすことができ、不要時にはばらして重ね保管しておくこともできることとなる。
【0018】
またこのように、簡易な構成材で簡易に組立形成できるとともに、囲い板7を外すことはできず、また前記架設部係止部11や前記架設板係止部12の係止によりこの連結している囲い板7ごと持ち去ることもできないため、開閉部8の施錠より収納物の盗難を十分に防止することができる。
【0019】
したがって、既存構成の台車基体2に組立形成した開閉部8付き収納箱部9は、囲い板7同士の連結を外さない限り前記架設部係止部11、前記架設板係止部12が係脱できないため、この収納箱部9は前記台車基体2から離脱できず、この収納箱部9内の収納物は、前記開閉部8の前記鍵14を開錠しなければ取り出せないため、比較的安価にして製作容易でありながら十分に盗難を防止できる箱付き台車を製作実現できることとなる。
【実施例1】
【0020】
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
【0021】
本実施例では、下部に車輪1が垂設され四隅の支柱3間に支柱間架設部4が設けられている台車基体2であって、この台車基体2は左右方向に長く前後方向に短い方形状に構成されていて、前後の前記支柱3間に架設されている左右の前記支柱間架設部4間に、左右端部の端部係止部5を係止して左右方向に長く前後方向に短い方形状に構成されている水平架設板6が架設され上下に間隔をおいて配設されている既存構成の台車基体2であり、この既存構成の上下の水平架設板6間に、この水平架設板6をそのまま利用して鍵14で施錠可能な開閉部8付き収納箱部9を設けた構成としている。
【0022】
この本実施例の収納箱部9は、この上下の水平架設板6の四方を覆うように四体の前記囲い板7を立設してこの水平架設板6間を囲い閉塞するが、この際囲い板7の架設部係止部11を支柱間架設部4に係止するとともに、架設板係止部12を水平架設板6に係止し、連結手段10でこの囲い板7同士を、連結後は箱外側からは外せない連結手段10で連結した構成としている。
【0023】
具体的には、前記四体の囲い板7は、上下に配設されている前記水平架設板6間の短辺側を覆い閉塞する一対の短辺側囲い板7と、前記水平架設板6間の長辺側を覆い閉塞する一対の長辺側囲い板7とからなり、この一対の短辺側囲い板7の下部に折り畳み自在なフック状の架設部係止部11を設け、さらに上部に上側の前記水平架設板6の上面端部に重合係止する折り曲げ片状の前記架設板係止部12を設け、下部にも下側の前記水平架設板6の上面端部に重合載置係止する折り曲げ片状の前記架設板係止部12を設けた構成とし、前記長辺側囲い板7の上部および下部にも折り曲げ片状の前記架設板係止部12を設けた構成としている。
【0024】
さらに説明すると、本実施例では、この長辺側囲い板7に開閉部8を設けた構成としていて、この一方(正面側)の囲い板7に前記開口部13を設け、この開口部13を閉塞する扉板状の前記開閉部8を側縁基端部を回動基端部として水平方向に開閉回動自在に設け、この開閉部8の先端部と前記開口部13の開口部周辺部とに互いに重合し連通孔を設けた鍵取付部15を設け、この鍵取付部15の連通孔に鍵14を取り付け施錠可能な構成としている。なお、この開閉部8の閉塞係止手段として逆に箱内側から後述する前記連結手段10を採用しこれを差し込み外側に突出させ、この連結手段10の正面側に突出露出している貫通先端部に、開閉部8の先端部に設けた係止孔を係合させ、この連結手段10の貫通先端部の後述する係止突没部18を係止させる構成としている。
【0025】
したがって、この台車基体2に設けられている開閉部8付き収納箱部9は、囲い板7同士の連結を外さない限り前記架設部係止部11および前記架設板係止部12が係脱できずこの収納箱部9は前記台車基体2から離脱できない構成で、この収納箱部9内の収納物は、開閉部8の鍵14を開錠して開口した開口部13からしか取り出せない構成としている。
【0026】
また、本実施例の前記連結手段10は、前記囲い板7同士の一部が重合される重合部16に設けられている連結用連通孔17に差し込む頭部付き止ピンで、この連結用連通孔17への差し込みに際しては没動し貫通することで戻り復帰して係止する突没係止部18がピン部に備えられた構成とされ、箱外側から前記連結用連通孔17に前記ピン部を差し込み前記頭部および突没係止部18を係止させることで前記囲い板7同士が連結され、箱内側の前記係止突没部18を押して没動させ外方に抜かない限り連結後は箱外側からは抜けず前記囲い板7の連結を箱外側からは外せない構成としている。
【0027】
したがって、本実施例では、既存構成の上下の前記水平架設板6の上下間隔が収納空間となるように四方から指差し孔を用いて複数の囲い板7で囲い覆いながら、架設部係止部11を前記支柱間架設部4に係止し、架設板係止部12を前記水平架設板6に係止し、さらにこの隣り合う囲い板7同士を、連結手段10で連結して収納箱部9を形成している。すなわち、箱外側からこの連結手段10を前記重合部16の連結用連通孔17に差し込み係止することで前記囲い板7同士が連結され、連結後は箱内側の前記係止突没部18を押して没動させ外方に抜かない限り連結後は箱外側からは抜けず前記囲い板7の連結を箱外側からは外せない構成として、破壊などしない限り盗難することができないように構成し、さらに本実施例では、この開閉部8を鍵14を開錠して開けて箱内側から外せば連結手段10を抜き外して囲い板7をばらすことができるため、不要時にはこれらをばらして保管しておくこともできることとなる。
【0028】
この場合、図示したように、長辺側の囲い板7同士を重ね合わせた中に、架設部係止部11を畳んで扁平状とした短辺側の囲い板7を重ね収納し、コンパクトにまとめて保管収納でき、また梱包輸送し易い構成としている。この場合この保管状態を保持させるため、重合する片部に連通孔を設けておき、これに前記連結手段10を差し込み連結するように構成してもよい。
【0029】
したがって、簡易な構成材で既存構成の台車基体2に鍵14付きの開閉部8付き収納箱部9を既存の水平架設板6をそのまま利用して形成でき、たとえば市販のこの台車に後付け形成できる構成で、また既存構成の台車基体2には加工を施す不要がない構成としているから、組立も容易でユーザーが自ら組立形成できる、すなわち係止させつつ囲い板7で覆い前述のように箱外側からは外せないが、箱内側からは外せる構成の連結手段10を差し込んで連結させることで、破壊しなければ盗難できない鍵14付きの開閉部8付き収納箱部9を容易に形成でき、またこの開閉部8を鍵14を開錠して開けて箱内側から外せば囲い板7をばらすことができ、不要時にはばらして保管しておくこともできることとなる。
【0030】
繰り返しとなるが、簡易な構成材で簡易に組立形成できるとともに、箱内側から操作しなければ破壊しない限り囲い板7を外すことはできず、また前記架設部係止部11や前記架設板係止部12の係止によりこの連結している囲い板7ごと持ち去ることもできないため、開閉部8の施錠より収納物の盗難を十分に防止することができる。
【0031】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0032】
1 車輪
2 台車基体
3 支柱
4 支柱間架設部
5 端部係止部
6 水平架設板
7 囲い板
8 開閉部
9 収納箱部
10 連結手段
11 架設部係止部
12 架設板係止部
13 開口部
14 鍵
15 鍵取付部
16 重合部
17 連結用連通孔
18 突没係止部