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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】欠陥検出装置、および、製袋機
(51)【国際特許分類】
   B31B 70/60 20170101AFI20221122BHJP
   B65B 57/02 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
B31B70/60
B65B57/02 B
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021535002
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(86)【国際出願番号】 JP2021016312
(87)【国際公開番号】W WO2022004102
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】P 2020112435
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000110192
【氏名又は名称】トタニ技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大西 祐司
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-231204(JP,A)
【文献】国際公開第2018/012542(WO,A1)
【文献】特開2008-051602(JP,A)
【文献】特開2008-207916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/00- 7/20
B65H 43/00-43/08
B65B 57/02
B31B 70/10
B31B 70/60
G01N 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブ状の胴材をその長さ方向に間欠搬送する製袋機に設けられ、製袋における欠陥を検出するための欠陥検出装置であって、
前記欠陥検出装置は、
検出ユニットを備え、
前記検出ユニットは、
支持体と、
揺動軸の周りに揺動可能に前記支持体に支持されたアームと、
前記アームの前記支持体に対する相対変位を検出するためのセンサと、を備え、
前記アームは、
前記揺動軸を中心に互いに所定の角度間隔をあけて設けられた第1接触子および第2接触子を備え、
前記欠陥検出装置は、さらに、
前記検出ユニットを、前記第1および第2接触子が前記胴材の搬送平面から離された第1位置と、前記第1および第2接触子が前記搬送平面に達する第2位置との間で移動させるための移動機構を備え、前記移動機構は、前記胴材の搬送の間、前記検出ユニットを前記第1位置に位置させておき、前記胴材の停止の間に、前記検出ユニットを前記第2位置に移動させ、そして、前記第2位置から前記第1位置へ移動させ、
前記欠陥検出装置は、さらに、
前記検出ユニットが前記第2位置に位置しているときに得られた前記センサからのデータに少なくとも基づいて、前記欠陥があるか否かを判定する判定部と、を備える、
ことを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項2】
前記判定部は、
前記検出ユニットが前記第2位置に位置しているときに前記センサによって得られた検出値が基準値と一致する場合、前記欠陥がないと判定し、前記検出値が前記基準から外れている場合、前記欠陥があると判定する、
または、
前記検出値が基準範囲内にある場合、前記欠陥がないと判定し、前記検出値が前記基準範囲外にある場合、前記欠陥があると判定する、
請求項1に記載の欠陥検出装置。
【請求項3】
前記センサは、前記アームと前記支持体との間の距離を測定するように設けられた測距センサであり、
前記判定部は、
前記検出ユニットが前記第2位置に位置しているときに測定された距離が前記基準値と一致する場合、前記欠陥がないと判定し、前記測定された距離が前記基準から外れている場合、前記欠陥があると判定する、
または、
前記測定された距離が前記基準範囲内にある場合、前記欠陥がないと判定し、前記測定された距離が前記基準範囲外にある場合、前記欠陥があると判定する、
請求項2に記載の欠陥検出装置。
【請求項4】
前記判定部が前記欠陥があると判定したときに警告を出力する警告装置をさらに備える、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の欠陥検出装置。
【請求項5】
前記第1および第2接触子は、前記胴材の幅方向に互いに間隔をあけて設けられている、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の欠陥検出装置。
【請求項6】
前記第1および第2接触子は、それぞれ、転動体である、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の欠陥検出装置。
【請求項7】
前記検出ユニットは、さらに、
当該検出ユニットが前記第2位置に位置しているときに前記第1および第2接触子を前記搬送平面上の前記胴材に向かって付勢するように設けられた付勢部材を備える、
請求項1または請求項6のいずれか1項に記載の欠陥検出装置。
【請求項8】
ウェブ状の胴材および附属の構成要素から袋を順次製造する製袋機であって、
前記胴材をその長さ方向に間欠搬送する搬送装置と、
前記附属の構成要素を前記胴材に供給する供給装置と、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の欠陥検出装置と、を備える、
製袋機。
【請求項9】
前記欠陥検出装置は、前記附属の構成要素の前記胴材に対するずれを検出するように配置されている、
請求項8に記載の製袋機。
【請求項10】
前記供給装置は、ガセット材を前記附属の構成要素として供給するものであり、
前記欠陥検出装置は、前記ガセット材の折曲げ不良を検出するように配置されている、
請求項8に記載の製袋機。
【請求項11】
前記供給装置は、2つ折りされたサイドガセット材を、前記ガセット材として、前記胴材の間欠搬送の度に、前記胴材に供給するものである、
請求項10に記載の製袋機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、製袋における欠陥を検出するための欠陥検出装置、および、当該欠陥検出装置を備える製袋機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、製袋機は、2枚以上のウェブ状の胴材(袋の主たる構成要素)を搬送し、例えばサイドガセット材、底ガセット材といった附属の構成要素を胴材の所定の位置に供給し、胴材および附属の構成要素から、袋を順次製造する。
【0003】
附属の構成要素が胴材の適切な位置に適切な状態で存在しているかどうかは、構成要素の厚みの変化を利用して判定することができる。一例として、サイドガセット材が胴材に対して所定の位置に適切に配置されていると、前記所定の位置では、胴材およびサイドガセット材の厚みが検出される。一方、サイドガセット材が胴材に対してずれて配置されていると、前記所定の位置では胴材の厚みが検出される。このように、製袋における欠陥は、特定の位置における厚みを変化せしめるので、これを利用することで当該欠陥を検出することができる。
【0004】
このような技術は、製袋機において広く応用されている。特許文献1では、厚みの変化の検出が、袋に付着した異物の検出のために利用されている。特許文献2では、厚みの変化の検出が、胴材の継ぎ目を検出するために利用されている。
【0005】
特許文献1および特許文献2の装置は、いずれも、胴材が搬送されている間に検出が実施されている。これらの装置では、例えばローラのような、検出のために必須の接触子を常に胴材に当接させる必要があり、胴材を傷つけやすい。
【0006】
本願は、胴材などの袋の構成要素を傷つけにくい、製袋における欠陥を検出するための欠陥検出装置および製袋機を提供することを目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2008-207916号公報
【文献】特開平10-19557号公報
【発明の概要】
【0008】
本願の一態様によれば、ウェブ状の胴材をその長さ方向に間欠搬送する製袋機に設けられ、製袋における欠陥を検出するための欠陥検出装置が提供され、
前記欠陥検出装置は、
検出ユニットを備え、
前記検出ユニットは、
支持体と、
揺動軸の周りに揺動可能に前記支持体に支持されたアームと、
前記アームの前記支持体に対する相対変位を検出するためのセンサと、を備える。
前記アームは、
前記揺動軸を中心に互いに所定の角度間隔をあけて設けられた第1接触子および第2接触子を備える。
前記欠陥検出装置は、さらに、
前記検出ユニットを、前記第1および第2接触子が前記胴材の搬送平面から離された第1位置と、前記第1および第2接触子が前記搬送平面に達する第2位置との間で移動させるための移動機構を備える。前記移動機構は、前記胴材の搬送の間、前記検出ユニットを前記第1位置に位置させておき、前記胴材の停止の間に、前記検出ユニットを前記第2位置に移動させ、そして、前記第2位置から前記第1位置へ移動させる。
前記欠陥検出装置は、さらに、
前記検出ユニットが前記第2位置に位置しているときに得られた前記センサからのデータに少なくとも基づいて、前記欠陥があるか否かを判定する判定部と、を備える。
【0009】
前記判定部は、
前記検出ユニットが前記第2位置に位置しているときに前記センサによって得られた検出値が基準値と一致する場合、前記欠陥がないと判定し、前記検出値が前記基準から外れている場合、前記欠陥があると判定してよい。
若しくは、前記判定部は、
前記検出値が基準範囲内にある場合、前記欠陥がないと判定し、前記検出値が前記基準範囲外にある場合、前記欠陥があると判定してもよい。
【0010】
前記センサは、前記アームと前記支持体との間の距離を測定するように設けられた測距センサでよい。
前記判定部は、この実施形態では、
前記検出ユニットが前記第2位置に位置しているときに測定された距離が前記基準値と一致する場合、前記欠陥がないと判定し、前記測定された距離が前記基準から外れている場合、前記欠陥があると判定してよい。
若しくは、前記判定部は、
前記測定された距離が前記基準範囲内にある場合、前記欠陥がないと判定し、前記測定された距離が前記基準範囲外にある場合、前記欠陥があると判定してもよい。
【0011】
前記測距センサに代えて、例えば、前記アームの前記支持体に対する揺動角度を測定するように設けられた角度センサが用いられてもよい。そして、前記判定部は、前記検出値としての測定された角度、及び、所定の前記基準値/前記基準範囲を用いて、前記欠陥の有無を判定してよい。
【0012】
前記欠陥検出装置は、前記判定部が前記欠陥があると判定したときに警告を出力する警告装置をさら備えてよい。
【0013】
前記第1および第2接触子は、前記胴材の幅方向に互いに間隔をあけて設けられてよい。
【0014】
前記第1および第2接触子は、それぞれ、転動体でよい。
【0015】
前記検出ユニットは、さらに、
当該検出ユニットが前記第2位置に位置しているときに前記第1および第2接触子を前記搬送平面上の前記胴材に向かって付勢するように設けられた付勢部材を備えてよい。
【0016】
本願の別の態様によれば、ウェブ状の胴材および附属の構成要素から袋を順次製造する製袋機が提供され、
前記製袋機は、
前記胴材をその長さ方向に間欠搬送する搬送装置と、
前記附属の構成要素を前記胴材に供給する供給装置と、
上記の欠陥検出装置と、を備える。
【0017】
前記欠陥検出装置は、前記附属の構成要素の前記胴材に対するずれを検出するように配置されてよい。
【0018】
前記供給装置は、ガセット材を前記附属の構成要素として供給してよい。前記欠陥検出装置は、前記ガセット材の折曲げ不良を検出するように配置されてよい。
【0019】
前記供給装置は、2つ折りされたサイドガセット材を、前記ガセット材として、前記胴材の間欠搬送の度に、前記胴材に供給してよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1Aは、例示の製袋機の概略平面図であり、図1Bは、図1Aの正面図である。
図2図2Aは、例示の欠陥検出装置の概略正面図であり、図2Bは、図2Aの側面図である。
図3図3A図3Bは、移動機構の動作を説明するための図である。
図4図4は、欠陥検出方法を説明するための図である。
図5図5は、欠陥検出を例示する図である。
図6図6A図6Bは、欠陥検出を例示する図である。
図7図7A図7Bは、欠陥検出を例示する図である。
図8図8A図8Bは、欠陥検出を例示する図である。
図9図9は、欠陥検出を例示する図である。
図10図10は、欠陥を例示する。
図11図11A図11Bは、欠陥検出を例示する図である。
図12図12は、欠陥検出を例示する図である。
図13図13は、他の例示のアームを示す。
図14図14は、下台用の例示の昇降機構の概略平面図である。
図15図15A図15Bは、図14の昇降機構の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、実施形態に係る欠陥検出装置および製袋機が説明される。
【0022】
[製袋機]
図1A図1Bは、例示の製袋機を概略的に示す。製袋機は、胴材10,11および附属の構成要素2(図1A)から、袋を順次製造する。胴材10,11は、袋の主たる構成要素である。附属の構成要素は、実施形態では、サイドガセット材2である。胴材10,11およびサイドガセット材2は、プラスチックのフィルムである。したがって、袋は、プラスチック袋である。これらの構成要素10,11,2は、プラスチックのフィルムに代えて、例えば、紙のベースと、当該ベースに部分的にまたは全体的にラミネートされたフィルムまたは樹脂材とからなってもよい。
【0023】
製袋機は、少なくとも2枚のウェブ状の胴材10,11をその長さ方向に間欠搬送する搬送装置30を備える。したがって、胴材10,11は、搬送と停止を繰り返す。符号Xは、胴材10,11の搬送方向を示す。搬送装置30は、2枚の胴材10,11を挟み、方向Xに間欠搬送するように駆動される搬送ローラ対300を含む。
【0024】
実施形態では、1枚の大幅のウェブが連続的に原反1から繰り出され、アキューム装置31を経て、不図示のスリッターによってその長さ方向にスリットされて胴材10,11に分割され、不図示のガイド装置によって互いに上下に重ね合わされる。そして、胴材10,11は、ダンサー装置32を経る。ダンサー装置32は、胴材10,11の搬送を、連続搬送から間欠搬送に適切に変換する。
【0025】
搬送装置30は、ダンサー装置32の下流に設けられた複数のガイドローラ301,302をさらに含む。ガイドローラ301によって上側の胴材11が下側の胴材10から離され、ガイドローラ302によって胴材10,11が再び互いに重ね合わされる。
【0026】
製袋機は、サイドガセット材2を胴材10または11に供給する供給装置33(図1A)をさらに備える。実施形態の供給装置33は、胴材10,11の間欠搬送の度に、サイドガセット材2を下側の胴材10に供給する周知のサイドガセット材供給装置である。
【0027】
サイドガセット材2は、予めその長さ方向中心線に対して両側で2つ折りされている。供給装置33は、ガイドローラ301の下流でガイドローラ302の上流において、サイドガセット材2を胴材10の上面に胴材10の幅方向に配置する。したがって、その後、胴材10,11が搬送装置30(そのガイドローラ302)によって互いに重ね合されると、サイドガセット材2は、胴材10,11の間に配置される。
【0028】
製袋機は、サイドガセット材2が胴材10に供給された後に、サイドガセット材2を胴材10に仮止めする仮止装置34(図1B)をさらに備える。仮止装置34は、胴材10,11の間欠搬送の度に、サイドガセット材2を、例えば超音波シールまたはヒートシールの形式で胴材10に付着させ、仮止めする。具体的には、胴材10,11の停止の間に、供給装置33がサイドガセット材2を胴材10上に配置し、それに続いて、仮止装置34がサイドガセット材2を胴材10に仮止めする。このような仮止装置34は周知である。仮止めの位置は、サイドガセット材2の長さ方向中心線である。
【0029】
製袋機は、サイドガセット材2の第1端を折り曲げて三角フラップ20(図1A)を形成する折曲装置35をさらに備える。折曲装置35は、仮止装置34の下流で胴材10,11が互いに重ね合わされる位置の上流に配置されている。折曲装置35は、胴材10,11の間欠搬送の度に、サイドガセット材2の第1端の両角部を45度の角度で折り曲げることで、三角フラップ20を形成する。このような折曲装置35は周知である。
【0030】
製袋機は、開き面21(図1A)を後述の通り形成するために、サイドガセット材2を胴材10,11にシールする仮シール装置36をさらに備える。仮シール装置36は、サイドガセット材2を胴材10,11に、少なくともサイドガセット材2の第2端(三角フラップ20と反対側の端)においてシールする。このシールは、ヒートシールの形式でよい。このような仮シール装置36は周知である。
【0031】
製袋機は、開き面21をサイドガセット材2に形成する第1形成装置37をさらに備える。第1形成装置37は、ガイドローラ、プレート、ピンチローラなどのガイド部材を含む周知のガイド装置でよい。第1形成装置37は、胴材10,11の送りに伴い上側の胴材11を案内して、胴材11を折曲線110に沿って折り曲げる。折曲線110は、胴材11の長さ方向にのびる。サイドガセット材2は、その第2端において胴材10,11の双方に仮シール装置36によってシールされているので、胴材11が第1形成装置37によって捲り上げられて折り曲げられるとき、サイドガセット材2の上層も一緒に引き上げられる。それによって、略菱形形状の開き面21が形成される。
【0032】
製袋機は、第1形成装置37の下流に配置され、胴材10,11の間欠搬送の度に、開き面21を胴材10,11にシールする周知の開き面シール装置38をさらに備える。
【0033】
製袋機は、開き面21によって補助ガセット22(図1A)を形成する第2形成装置39をさらに備える。第2形成装置39は、開き面シール装置38の下流に配置されている。第2形成装置39は、ガイドローラ、プレート、ピンチローラなどのガイド部材を含む周知のガイド装置でよい。第2形成装置39は、胴材10,11の送りに伴い上側の胴材11を案内して、胴材11を折曲線110に沿って折り戻す。この折戻しによって、開き面21が折曲線110に沿って2つ折りされ、補助ガセット22が開き面21によって形成される。
【0034】
製袋機は、第2形成装置39の下流に設けられて、胴材10,11の間欠搬送の度に、サイドガセット材2を胴材10,11に胴材10,11の幅方向においてヒートヒートシールする周知の横シール装置40をさらに備える。さらに、製袋機は、横シール装置40の下流に設けられ、胴材10,11の間欠搬送の度に、胴材10,11およびサイドガセット材2を胴材10,11の幅方向においてクロスカットする周知のクロスカット装置41を備える。クロスカットの度に、袋が製造される。その他、製袋機は、胴材10,11の搬送方向に平行なシール加工を施す公知の縦シール装置等も備えているが、詳細な説明は省略する。
【0035】
[欠陥検出装置]
図2A図2Bの例示の通り、製袋機は、さらに、製袋における欠陥を検出するための欠陥検出装置5を備える。
【0036】
欠陥検出装置5は、検出ユニット6、および、移動機構7を備える。
【0037】
図2Aの通り、検出ユニット6は、支持体60、揺動軸61、アーム62、および、センサ63を含む。アーム62は、揺動軸61の周りに揺動可能に支持体60に揺動軸61を介して支持されている。アーム62は、揺動軸61を中心に互いに所定の角度間隔をあけて設けられた第1接触子620および第2接触子621を備える。センサ63は、アーム62の支持体60に対する相対変位を検出するように構成されている。
【0038】
図2Bの通り、支持体60は、2つのサイドプレート600と、上側スライダ601と、下側スライダ602とを含んでよい。2つのサイドプレート600は、上側および下側スライダ601,602によって互いに連結されている。揺動軸61は、胴材10,11の搬送平面12に平行にのびている。
【0039】
なお、下台50が設けられてよい。下台50の上面と搬送平面12とが同じ高さにある。したがって、下台50は、搬送装置30によって間欠搬送されている胴材10または11を受ける。
【0040】
アーム62は、揺動軸61を中心に図2Aにおける反時計回り(検出チップ631がセンサヘッド630に近づく方向)に付勢されていてよい。アーム62は、両サイドプレート600のそれぞれに対して設けられてよい。図2Aの通り、アーム62は、揺動軸61から、揺動軸61の互いに異なる3つの径方向にのびる第1、第2、および第3延設部622,623,624を含む。そして、第1および第2接触子620,621は、それぞれ、搬送平面12に対向している第1および第2延設部622,623の先端に設けられている。実施形態の接触子620,621は、それぞれ、転動可能に設けられた転動体であり、具体的には、回転可能に設けられたローラでよい。
【0041】
センサ63は、所定の場所で、支持体60とアーム62との間の距離を測定する測距センサでよい。センサ63は、例えば渦電流式の変位センサであり、支持体60/アーム62に取り付けられたセンサヘッド630と、アーム62/支持体60に取り付けられてセンサヘッド630と対向する金属性の検出チップ631とを備え、センサヘッド630から検出チップ631までの距離を測定してよい。複数のアーム62が設けられるとき、センサ63はアーム62のそれぞれに対して設けられる。
【0042】
実施形態では、センサヘッド630が、サイドプレート600に取り付けられ、検出チップ631が、接触子620,621とは反対側にある第3延設部624の先端部分に取り付けられている。したがって、アーム62が支持体60に対して揺動したとき、センサヘッド630と検出チップ631との間の距離が変化し、変化した距離がセンサによって測定される。こうして、アーム62の支持体60に対する相対変位を検出することができる。これに代えて、測距センサは、光学式などでもよい。
【0043】
図3A図3Bの通り、移動機構7は、検出ユニット6を、第1および第2接触子620,621が搬送平面12から離された第1位置(図3A)と、第1および第2接触子620,621が搬送平面12に達する第2位置(図3B)との間で移動させるように構成されている。したがって、検出ユニット6が第1位置に位置するとき、接触子620,621は、搬送平面12上の胴材10,11およびサイドガセット材2といった袋の構成要素に当接しない。一方、検出ユニット6が第2位置に位置するとき、接触子620,621は、搬送平面12上のいずれかの構成要素、つまり、胴材10,11またはサイドガセット材2に当接する。
【0044】
移動機構7は、例えば、検出ユニット6を上下方向に移動可能に支持しかつ案内する支持ガイド70と、支持ガイド70を検出ユニット6と共に搬送平面12に対して上下方向に移動させるために製袋機のフレーム42に取り付けられたアクチュエータ71(例えばシリンダ)とを含んでよい。欠陥検出装置5は、検出ユニット6が第2位置に位置するときに第1および第2接触子620,621を搬送平面12上の胴材10,11に向けて付勢するように設けられた付勢部材51をさらに備えてよい。
【0045】
図2Bの通り、支持ガイド70は上下方向にのび、上側および下側スライダ601,602は支持ガイド70に沿って摺動可能に設けられている。支持ガイド70の下端にはストッパ72が設けられている。ストッパ72によって支持体60(その下側スライダ602)が係止されることとなる。検出ユニット6が第2位置にありその接触子620,621が胴材10,11またはサイドガセット材2や下台50と当接するとき、下側スライダ602とストッパ72との係止が解除されて、下側スライド602とストッパ72との間に間隔d1が設けられる。
【0046】
付勢部材51は、例えばコイルバネでよい。円柱状の支持ガイド70が付勢部材51に挿通されている。付勢部材51は、調整ナット52と検出ユニット6との間でこれらに渡って設けられ、それにより検出ユニット6を下方に付勢している。調整ナット52は、支持ガイド70のねじが形成された外周面に外嵌めされ、ねじ係合している。調整ナット52を操作して支持ガイド70に沿って支持ガイド70に対して移動させ、それによって付勢部材51の付勢力を調整することができる。
【0047】
この構成によれば、検出ユニット6が移動機構7によって第1位置から第2位置に移動して間隔d1があくと、付勢部材51が間隔d1圧縮されて所定の付勢力を生じさせる。それによって、接触子620,621が、搬送平面12上の胴材10,11に向かって付勢される。したがって、接触子620,621が袋の構成要素10,11または2に密着することが保障される。
【0048】
図2Bの状態から、移動機構7がアクチュエータ71により支持ガイド70を間隔d1だけ持ち上げると、ストッパ72が下側スライダ602に係止される。したがって、移動機構7がさらに支持ガイド70を持ち上げると、検出ユニット6は支持ガイド70と共に上方に移動し、接触子620,621は搬送平面12から離れる。したがって、付勢力が構成要素10,11または2に印加されない。
【0049】
移動機構7は、胴材10,11の搬送の間、検出ユニット6を第1位置に位置させておく。そして、移動機構7は、胴材10,11の停止の間に、検出ユニット6を第1位置から第2位置に移動させ、そして、第2位置から第1位置へ移動させる。
【0050】
図2Aのみに示される通り、欠陥検出装置5は、判定部53と警告装置54とをさらに備える。判定部53は、検出ユニット6が第2位置に位置しているときに得られたセンサ63からのデータに少なくとも基づいて、製袋における欠陥があるか否かを後述の通り判定するように構成されている。以下、図4を参照して、欠陥検出の動作が説明される。
【0051】
図4の通り、移動機構7が、胴材10,11の停止の間に、検出ユニット6を第1位置から第2位置に位置させて、接触子620,621を胴材10,11またはサイドガセット材2に当接させる。図4は、欠陥がないときに、接触子620,621が袋の構成要素10,11または2に当接した状態を示す(構成要素の図示は省略される)。符号C1,C2は、それぞれ、接触子620,621の構成要素10,11または2との接触点を示す。符号Hrは、欠陥がないときの接触子620,621間の相対高さを示す。図4の例示では、Hrがゼロではないが、欠陥がないときにHrがゼロになる場合もある。
【0052】
欠陥がないときのセンサ63からの出力、すなわち実施形態では距離Lrが、この検出ユニット6における基準値として記憶媒体に記憶される。欠陥がない場合、第2位置に位置する検出ユニット6のセンサ63は、基準値Lrと同じ距離を測定する。
【0053】
欠陥がある場合、当該欠陥はその位置における厚みを変化せしめる。したがって、接触子620または621のどちらか一方が当該欠陥箇所に当接すると、接触子620,621間の相対高さはHrと異なり、アーム62の支持体60に対する変位(揺動)をもたらす。したがって、欠陥がある場合、第2位置に位置する検出ユニット6のセンサ63は、基準値Lrと異なる距離を測定する。なお、基準値Lrは、検出すべき欠陥に応じて異なり得る。
【0054】
判定部53は、したがって、検出すべき欠陥に応じて予め決定された基準値Lr、及び、検出ユニット6が第2位置に位置しているとき(すなわち、接触子620,621が胴材10,11またはサイドガセット材2に当接しているとき)にセンサ63によって得られた検出値に基づいて、欠陥の有無を検出することができる。
【0055】
具体的には、判定部53は、検出ユニット6が第2位置に位置しているときに測定された距離と基準値Lrとを比較する。判定部53は、測定された距離が基準値Lrと一致するとき、欠陥がないと判定する。一方、判定部53は、測定された距離が基準値Lrから外れているとき、欠陥があると判定する。
【0056】
その後、移動機構7は、検出ユニット6を第2位置から第1位置に移動させて接触子620,621を胴材10,11またはサイドガセット材2から離す。それから、胴材10,11の搬送が搬送装置30によって再開される。このような欠陥検出の動作が、間欠搬送の度に繰り返される。
【0057】
判定部53は、例えば、プロセッサが、記憶媒体に記憶されたプログラムを実行することによって実現されてよい。
【0058】
警告装置54は、判定部53が欠陥があると判定したとき警告を出力するように構成されている。警告装置54は、LED、ランプ、ディスプレイなどの視覚装置、及び/又は、スピーカーなどの聴覚装置を含んでよい。したがって、警告の出力は、光の放射、及び/又は、音の発生によって実行されてよい。警告装置54は、欠陥箇所をディスプレイに表示するように構成されてもよい。
【0059】
[欠陥検出の例示]
以下、製袋における欠陥の検出例が示される。図1Aの通り、製袋機中に、複数の検出ユニット6a~6eが設けられている。移動機構7、付勢部材51および調整ナット52(図2A等)は、検出ユニット6a~6eのそれぞれに対して設けられている。
【0060】
検出ユニット6a~6dは、第1形成装置37の上流において、胴材10,11の停止の間にサイドガセット材2と対向するように置かれる。欠陥検出装置5は、検出ユニット6a~6dを用いて複数の箇所における欠陥の有無を一斉に判定する。図5は、各検出ユニット6a~6dの接触子620,621の接触点Ca1,Ca2,Cb1,Cb2,Cc1,Cc2,Cd1,Cd2の設定をそれぞれ例示する。
【0061】
検出ユニット6aは、サイドガセット材2の捲れ部分(折曲げ不良の一例)の有無を欠陥として検出するために用いられる。図6Aの通り、捲れ部分がないとき、接触点Ca1,Ca2は、高さが互いに一致する。一方、図6Bの通り、捲れ部分があるとき、接触点Ca1,Ca2は、高さが互いに異なる。したがって、捲れ部分があるとき、センサ63により測定された距離が基準値Lrから外れる。ゆにえ、判定部53は、センサ63からのデータに基づいて、捲れ部分があるか否かを判定することができる。
【0062】
図7A図7Bの通り、異なる2箇所で捲れ部分の有無を検出してよい。この場合、2つの検出ユニット6aが設けられるか、1つの検出ユニット6aが2つのアーム62を備える。接触点Ca1,Ca2が対をなし、接触点Ca1’,Ca2’が対をなす。図7A図7Bから明らかな通り、接触点Ca2/Ca2’の高さが、捲れ部分(欠陥)があるときと、捲れ部分(欠陥)がないときとで異なる。したがって、判定部53は複数の箇所で捲れ部分の有無を検出することができる。なお、このように、複数の検出箇所が設定されているとき、警告装置54は、いずれか1つの検出箇所において欠陥があれば、警告を出力してよい。
【0063】
図8A図8Bの通り、サイドガセット材2の両側の角部において発生し得る捲れ部分の有無も検出することができる。図8Aの通り、捲れ部分がないとき、接触点Ca1,Ca2は高さが互いに異なる。一方、図8Bの通り、捲れ部分があるとき、接触点Ca1,Ca2は高さが互いに一致する。接触点Ca1’,Ca2’についても同様である。
【0064】
検出ユニット6b,6cは、それぞれ、サイドガセット材2の三角フラップ20の形成(折曲げ不良の一例)の有無を欠陥として検出するために用いられる。すなわち、図9の通り、三角フラップ20が適切に形成されているとき(欠陥がないとき)、接触点Cb1,Cb2は、高さが互いに異なる。一方、三角フラップ20が形成されてないとき、接触点Cb1,Cb2は、互いに高さが一致する(図示略)。接触点Cc1,Cc2についても同様である。したがって、判定部53は、センサ63からのデータに基づいて、三角フラップ20の形成の有無を判定することができる。
【0065】
なお、2つのアーム62を備える1つの検出ユニット6を用いて、両三角フラップ20の形成の有無を検出してもよい。
【0066】
検出ユニット6dは、サイドガセット材2の胴材10,11に対する胴材の第1側縁13(図5)寄りのずれを、欠陥として検出するために用いられる。図10は、開き面21(図1A)が形成される側の端縁23が、許容限界ライン152に対して、第1側縁13寄りにずれたサイドガセット材2の配置を示す(矢印S参照)。符号14は、胴材の第2側縁を示し、符号15は、仮シール装置36(図1A)によって形成される仮シール部を示す。仮シール部15は、矩形シール部分150とその一端に位置する三角シール部分151とを含み、図10では便宜上、実際よりも大きな縮尺で描画している。許容限界ライン152は、仮シール部15(三角シール部分151)の先端を通り、胴材10,11の長さ方向にのびる仮想的なラインである。
【0067】
図10の通り、端縁23が許容限界ライン152に対して第1側縁13寄りにずれていると、三角シール部分151の先端部分によって胴材10,11が互いにシールされるので、第1形成装置37は、開き面21(図1A)の加工ができない。
【0068】
検出ユニット6dの接触点Cd1,Cd2は、図5の通り、第1側縁13の寄りの位置に設定されている。図5の通り、端縁23が許容限界ライン152に対して第2側縁14寄りにまたは許容限界ライン152上に位置するようにサイドガセット材2が配置されているとき(欠陥がないとき)、接触点Cd1,Cd2は、高さが互いに一致する。一方、図10の通り、端縁23が許容限界ライン152に対して第1側縁13寄りに位置するようにサイドガセット材2が配置されているとき(欠陥があるとき)、接触点Cd1,Cd2は、高さが互いに異なる(欠陥があるときの接触点Cd1の高さが、欠陥がないときよりも高くなるため)。したがって、判定部53は、センサ63からのデータに基づいて、サイドガセット材2の胴材10,11に対するずれの有無を判定することができる。
【0069】
図11A,11Bの通り、検出ユニット6dに代えて、検出ユニット6aが用いられてよい。一方の接触点Ca1は、許容限界ライン152に対して第1側縁13(図5)寄りに設定される。他方の接触点Ca2は、許容限界ライン152上に設定される。図11Aの通り、端縁23が許容限界ライン152に対して第2側縁14寄りにまたは許容限界ライン152上に位置するようにサイドガセット材2が配置されているとき(欠陥がないとき)、接触点Ca1,Ca2は、高さが互いに一致する。一方、図11Bの通り、端縁23が許容限界ライン152に対して第1側縁13寄りに位置するようにサイドガセット材2が配置されているとき(欠陥があるとき)、接触点Ca1,Ca2は、高さが互いに異なる(欠陥があるときの接触点Ca2の高さが、欠陥がないときよりも低くなるため)。
【0070】
図1Aの検出ユニット6eは、第2形成装置39の下流に設けられて、補助ガセット22の形成不良(折曲げ不良の一例)の有無を判定するために用いられる。図12は、検出ユニット6eの接触点Ce1,Ce2の設定を示す。図12のように補助ガセット22が適切に形成されていると(欠陥がないと)、接触点Ce1,Ce2は、高さが互いに一致する。一方、補助ガセット22が適切に形成されていないと(欠陥があると)、接触点Ce1,Ce2は、高さが互いに一致しない。したがって、判定部53は、センサ63からのデータに基づいて、補助ガセット22の形成不良を判定することができる。
【0071】
欠陥検出装置5は、以上の通り、検出ユニット6を用いることで製袋における様々な欠陥を検出することができる。実施形態の通り、移動機構7が、胴材10,11の停止中にだけ、接触子620,621を袋の構成要素10,11または2に接触させるので、構成要素10,11または2を傷つけにくい。
【0072】
さらに、測定面に接触子620,621が常時当接している訳では無い為、連続な測定面のみならず、段差のある不連続な測定面でも問題なく測定を実施できる。例えば、図1Bにおける胴材10,11が互いに離されている区間において、胴材10上に配置されたサイドガセット材2の縁(境界)により生じる段差を測定してもよい。
【0073】
胴材10,11の搬送中ではなく停止中に、接触子620,621が構成要素10,11または2に当接するので、付勢部材51の付勢力が弱くても、接触子620,621の袋の構成要素10,11または2への密着が保障される。これは、検出ユニット6の軽量化や低コストに貢献する。
【0074】
製袋機は、例示にすぎない。付属の構成要素は、サイドガセット材の他、底ガセット、天ガセットなどのガセット材でもよい。付属の構成要素は、ガセットとして機能しない天面部や底面部であってもよい。付属の構成要素は、袋を開閉するためのジッパーであってもよい。したがって、サイドガセット材供給装置に加えて、または、これに代えて、他の付属の構成要素を供給する供給装置が設けられてよい。また、製袋機は、多列製袋を提供するものでもよい。
【0075】
接触子620,621が胴材10,11の長さ方向および幅方向のどちらにも互いに間隔をあけて設けられるように、検出ユニット6を配向させることができる。検出ユニット6の配向の自由度は高く、製袋における様々な欠陥の検出のために用いることができる。
【0076】
図13の通り、第1および第2接触子620,621は、それぞれ、ローラよりも小さな、第1および第2延設部622,623の先端に転動可能に設けられたボールでもよい。このようなボールを用いれば、狭い領域でも欠陥検出が可能である。第1および第2接触子620,621は、袋の構成要素10,11または2の傷つけ防止の観点から、ローラやボールのような転動体であるとよいが、第1および第2延設部622,623の先端で構成されてもよい。
【0077】
接触点C1,C2は、図2Bの寸法d2を調整することにより調整されてもよい。
【0078】
欠陥があるときにセンサヘッド630と検出チップ631との間の距離が大きくなるように、検出ユニット6が構成されるとよい。これにより、これら630,631の衝突が回避される。
【0079】
移動機構7について、支持ガイド70が省略され、支持体60がアクチュエータ71に直接連結されてアクチュエータ71によって移動されてもよく、アーム62が、搬送平面12上の胴材10,11に向かって付勢力を印加されつつ支持体60に対して上下動可能にかつ揺動可能に設けられてもよい。
【0080】
センサ63として、測距センサに代えて、アーム62の支持体60に対する揺動角度を測定するように設けられた角度センサが用いられてもよい。角度センサは、例えばロータリーエンコーダである。この場合、欠陥の検出に用いられる基準値は、距離ではなく角度となる。
【0081】
判定部53は、検出値(例えば、測定された距離または角度であり、検出ユニット6が第2位置にあるときに得られる)と基準値とに基づいて、欠陥の有無を判定していた。許容誤差などを考慮して、判定部53は、検出値と予め決められた基準範囲とに基づいて欠陥の有無を判定してよい。基準範囲は、基準値を含む一定の範囲である。判定部53は、検出値が基準範囲内にある場合、欠陥がないと判定し、検出値が基準範囲外にある場合、欠陥があると判定する。
【0082】
基準値は、検出すべき欠陥、構成要素10,11または2の厚み、及び、検出ユニット6の構造などに基づいて、ユーザーや製袋機のプロセッサによって予め算出されてよい。若しくは、基準値は、稼働(製袋加工)前の準備段階にて、予め実際に測定して取得してもよい。準備段階で、接触子620,621が、検出すべき箇所にて、欠陥のない状態の構成要素10,11または2に、接触させられる。そして、この接触の際にセンサ63によって得られた検出値(例えば、測定された距離または角度)が、基準値(正常値)として、欠陥検出装置5または製袋機の記憶媒体に記憶される。欠陥検出装置5は、製袋機の稼働中に、かくして得られた基準値、または、当該基準値によって決められる基準範囲を用いて、欠陥を上述のように検出する。
【0083】
欠陥検出のために接触子620,621を構成要素10,11または2に接触させるタイミングは、製造する袋の種類によって予め決められてよい。例えば、一実施形態では、アクチュエータ71や支持ガイド70は、製袋機のシール加工の動作に連動する構造部材に配置される。この実施形態では、製袋機が稼働して構造部材が動いているときだけ、接触子620,621を構成要素10,11または2に接触させて欠陥を検出することができる。製袋機の非稼働時には、構造部材が上死点にあり、結果、アクチュエータ71および支持ガイド70が搬送平面12から離れすぎ、接触子620,610を構成要素10,11または2に接触させることができない。すなわち、この実施形態では、稼働前の準備段階で、基準値を測定することができない。
【0084】
そこで、この実施形態の変形例は、稼働(製袋加工)前に、下台50を上昇させて、構成要素10,11または2を接触子620,621に接触させることで、基準値を予め測定できるように構成された例示の欠陥検出装置5を提供する。
【0085】
図14図15A図15Bの通り、欠陥検出装置5は、さらに、下台50を昇降させるための昇降機構8を備える。昇降機構8は、下台50の下方に位置し、胴材10,11の幅方向に延在し、その軸線の周りに回動可能に不図示のフレームに支持された回動軸80と、回動軸80と一体的に回動するように回動軸80に取り付けられた少なくとも1つのリフトアーム81と、回動軸80に連結された少なくとも1つの操作用のレバー82とを備える。例示では、2つのリフトアーム81が回動軸80の軸方向に間隔をあけて設けられ、1つのレバー82が回動軸80の一端に設けられている。
【0086】
さらに、図15A図15Bの通り、昇降機構8は、下台50の下面から下方に延在する柱状のスライダ83と、スライダ83を上下方向に案内するためにスライダ83を挟持するように配置された複数のガイドローラ84と、を備える。各リフトアーム81は、その先端にリフトローラ85を備える。リフトローラ85は下台50の下面に当接して下台50を支持している。ゆえに、リフトローラ85は、好ましくは、耐摩耗性が高く、なめらかな表面を有する。
【0087】
上記構成によれば、レバー82の操作によってリフトアーム81が回動軸80の周りに回動軸80と共に一体的に回動する。これにより、下台50は、ガイドローラ84およびリフトローラ85によって、その上面を水平に維持しながら昇降できる。他の構成の昇降機構が、下台50の昇降のために用いられてもよい。
【0088】
ユーザーは、昇降機構8のレバー82を図15Aに示されるように操作して下台50を上昇させれば、図15Bに示されるように下台50上に載置された欠陥のない状態の構成要素10,11または2を、アーム62の接触子620,621に接触させることができ、それにより、製袋機の稼働前でも、基準値(正常値)をセンサ63(図14図15A図15Bでは図示略)で測定することができる。その後、ユーザーは、昇降機構8を操作して、下台50を元の位置まで下降させる。下台50の上昇量は、例えば、数十mm程度、例えば12mm程度でよく、製袋機中の胴材10,11の長いパスラインからすれば無視できるほどに小さく、製袋に対して影響を及ぼさない。
【符号の説明】
【0089】
10,11 胴材(袋の主たる構成要素)
12 搬送平面
2 サイドガセット材(袋の付属構成要素の一例)
30 搬送装置
33 供給装置
5 欠陥検出装置
51 付勢部材
53 判定部
54 警告装置
6(6a~6e) 検出ユニット
60 支持体
61 揺動軸
62 アーム
620,621 接触子
63 センサ
7 移動機構
8 昇降機構
Lr 基準値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15