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  • 特許-調整可能なバーガイド装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】調整可能なバーガイド装置
(51)【国際特許分類】
   B23B 13/02 20060101AFI20221122BHJP
【FI】
B23B13/02 J
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020526022
(86)(22)【出願日】2017-12-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 IT2017000293
(87)【国際公開番号】W WO2019123495
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】519445897
【氏名又は名称】ブッチ オートメーションズ エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】BUCCI AUTOMATIONS S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ジナッシ, アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】マルセリ, マルコ
(72)【発明者】
【氏名】フラッティーニ, アンドレア
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3146667(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第00384344(EP,A2)
【文献】特開2002-018602(JP,A)
【文献】実開昭59-090594(JP,U)
【文献】特開昭61-168482(JP,A)
【文献】特開昭57-156187(JP,A)
【文献】特開2017-078507(JP,A)
【文献】特開2017-048842(JP,A)
【文献】特開平11-182417(JP,A)
【文献】特開昭55-031538(JP,A)
【文献】特開2009-006474(JP,A)
【文献】実開平05-026526(JP,U)
【文献】米国特許第04647100(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 13/00、02
B25J 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整可能なバーガイド装置であって、少なくとも1つの流体シリンダ(6)によって作動する少なくとも1つの移動レバー機構(5)を介して固定フレーム(4)に摺動可能に関連付けられた、相補的形状の少なくとも1対のジョー(2、3)を備え、前記ジョー(2、3)が、前記ジョー(2、3)のそれぞれの表面(7、8)が実質的に並置される第1の構成と、前記表面(7、8)がバーを封じ込めるための所定の距離で配置される第2の構成との間で、相互の接近/離間のストロークによって並進運動を行い、
前記少なくとも1つの流体シリンダ(6)が、前記ジョー(2、3)の一方に結合された移動ピストンを有する空気圧シリンダであり、
前記空気圧シリンダ(6)が、複動式シリンダであり、圧縮ガスを第1のチャンバに導入することにより、対応する前記移動ピストンの前進ストロークが決定され、圧縮ガスを第2のチャンバに導入することにより、対応する前記移動ピストンの後退ストロークが決定され、両方のチャンバ内で同一の圧力状態を作り出すことにより、ガス作動式ばねと同様の挙動によって外部強制力に対応する動きを可能にしながら、前記移動ピストンの固定が決定され、前記空気圧シリンダが貫通ステムを有することで、前記両方のチャンバ内で前記圧縮ガスが作用する表面が相等しくなり、前記両方のチャンバ内の前記圧縮ガスが同一の圧力にあるときに力の完全なつり合いを確実にすること、かつ
前記ジョー(2、3)のそれぞれが、潤滑流体を供給するように設計されたチャネル(23)を備えたそれぞれの支持体(22)を備え、前記固定フレーム(4)が、前記チャネル(23)を摺動可能に収容するための穴(24)を備えることを特徴とする、調整可能なバーガイド装置。
【請求項2】
前記ジョー(2、3)が、少なくとも部分的にポリマー材料で作られていることを特徴とする、請求項1に記載の調整可能なバーガイド装置。
【請求項3】
互いに向かい合い、それぞれのバーに当接するように設計された少なくとも前記ジョー(2、3)の前記表面(7、8)が、ポリマー材料で作られていることを特徴とする、請求項2に記載の調整可能なバーガイド装置。
【請求項4】
互いに向かい合い、それぞれのバーに当接するように設計された前記ジョー(2、3)の前記表面(7、8)が、長手方向凹面を有することを特徴とする、請求項1に記載の調整可能なバーガイド装置。
【請求項5】
前記長手方向凹面が、半円筒形、半プリズム形、V字形から選択される形状構造を備えることを特徴とする、請求項4に記載の調整可能なバーガイド装置。
【請求項6】
互いに向かい合い、それぞれのバーに当接するように設計された前記ジョー(2、3)の前記表面(7、8)が、起伏のある複数の歯(9、10)を備え、前記歯が、それぞれのくぼみ(11、12)によって隔てられ、実質的に線対称および鏡面対称の2つの列に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の調整可能なバーガイド装置。
【請求項7】
第1のジョー(2)の前記起伏のある歯(9)が、第2のジョー(3)の対応するくぼみ(12)と位置合わせされており、第2のジョー(3)の前記起伏のある歯(10)が、第1のジョー(2)の対応するくぼみ(11)と位置合わせされており、前記ジョー(2、3)のそれぞれの表面(7、8)が実質的に並置される前記第1の構成では、一方の前記ジョー(2、3)の前記歯(9、10)が、他方の前記ジョー(3、2)の前記くぼみ(11、12)内に収容されることを特徴とする、請求項6に記載の調整可能なバーガイド装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの移動レバー機構(5)が、前記固定フレーム(4)に枢着されるロッカーアーム(13)を備え、前記ロッカーアーム(13)の第1の端部(14)が、第1のジョー(2)の突起部のための第1の溝付きガイド(15)を備え、前記第1のジョーの突起部が、使用構成において前記第1の溝付きガイド内に収容され、前記ロッカーアーム(13)の第2の端部(16)が、第2のジョー(3)の突出部のための第2の溝付きガイド(17)を備え、前記第2のジョーの突出部が、使用構成において前記第2の溝付きガイド内に収容され、前記第1のジョー(2)の並進時に、前記第1の溝付きガイド(15)内で前記突起部が摺動することにより、前記ロッカーアーム(13)の回転および前記第2の溝付きガイド(17)内での前記突出部の摺動が決定され、その結果、前記第2のジョー(3)が、前記第1のジョー(2)と同じであるが、反対の方向のベクトルに沿って並進することを特徴とする、請求項1に記載の調整可能なバーガイド装置。
【請求項9】
前記固定フレーム(4)が、前記ジョー(2、3)の移動方向に沿って配置されたコンベヤバンド(19)を備え、各ジョー(2、3)が、前記コンベヤバンド(19)の幅に対応する相互距離で配置されたそれぞれの相互に対向するローラ(20、21)を備え、使用構成では、各ジョー(2、3)をそれぞれの予め設定された前記ストロークに沿って搬送するために、前記コンベヤバンド(19)が、前記ローラ(20、21)間に挿入されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の調整可能なバーガイド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調整可能なバーガイド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動バーローダは、旋盤に適用できるアクセサリーであり、その機能は、工作機械への材料の流れを一定に保ち、それによって工作機械がそれぞれの機械加工作業を継続して実行できることを確実にすることである。
【0003】
このような原料の連続的な供給は、旋盤によって機械加工されているバーが使い果たされたときに瞬時に取り出される、バー用の保管マガジンによって達成される。
【0004】
ローダはまた、高い角速度で回転するように作られた、かなりの長さ(最大6メートル)の細長いバーの使用に起因するすべての問題の取り扱いも処理する。
【0005】
さらに、バーローダは、関連する旋盤の生産性を決して制限してはならず、セットアップ時間およびメンテナンス作業による機械のシャットダウン時間を最小限に抑えなければならないことにも留置されたい。
【0006】
しかし、設計を推進する2つの要件は、高い生産性と最終顧客が望む多様性および柔軟性を容易に両立させることができないという点で対立する場合がある。
【0007】
現在、マシンには2つの別個のカテゴリーがある。第1のカテゴリーは、連続チャネルで構成されるガイドを採用し、第2のカテゴリーは、直列に配置された個別の支持手段を採用する。
【0008】
どちらの場合も、パフォーマンスおよび柔軟性を完全に両立させることは困難である。
【0009】
1つの広範な実施解決策では、ローダには、金属またはプラスチック材料で作られた半円形セクタで構成される連続ガイドチャネルが取り付けられている。
【0010】
このタイプのガイドの特徴は、フォーマットの変更(再セットアップ)の迅速さを犠牲にして、かなり高いレベルのパフォーマンスを確実にすることである。
【0011】
この場合、実際には、直径を変更する操作には、チャネル全体を新しいバーに適した直径を有するガイドセクタに置き換えることを伴う。
【0012】
この操作の後、プッシャワンドも交換しなければならず、オペレータによる時間およびエネルギーの面で対応するコストがかかる。
【0013】
さらに、機械加工後のピースの結合および回収を確実にするために、グリッパも変更する必要があり、そのサイズはバーに対応しなければならない。
【0014】
近年、一部のメーカーは、達成されたパフォーマンスレベルを失わないように努めるのと同時に、マシンの柔軟性をより重視するようになってきた。
【0015】
この目的を達成するために、ローダ内には、バーのガイド専用の一連の可動ブッシングが挿入されている。
【0016】
これにより、ガイドチャネル全体およびプッシャの交換を回避することが可能になるため、再設定操作をプッシャのヘッドのグリッパ、および任意選択により移動ブッシングを構成するシェルの置き換えのみに制限する。
【0017】
最も極端な用途では、可動ブッシングは置き換えさえも必要としない。
【0018】
これは、すべてのバーの直径上で接触することを可能にするためにジオメトリの交差を可能にするオフセット配置によって可能となる。
【0019】
この実施解決策により、オペレータは、加工されるバーの直径を変更するとき、コントロールパネルからの新しい値のみを設定することができる。この操作では、ブッシングの正しい閉鎖配置を可能にするために、最終位置でのストロークリミットの機械的ロックを構成するようにカムのセットが調整される。機械的ロックは、回転バーと封じ込めブッシングとの間の直接的摺動が、ガイド要素の寿命を大幅に短縮することに加えて、材料の表面品質を変化させるリスクを与えるため、有用である。
【0020】
機械的ロックのストロークリミットが存在すると、ガイドの構造が複雑になると同時に、オペレータがバーの直径を非常に正確に調整する必要がある。
【0021】
複雑なローダは誤動作を起こしやすく、加えてその正しい操作は常に専門的技術および専門のオペレータの専門知識の影響を受けるため、このような特性はどちらも否定的なものである。
【発明の概要】
【0022】
本発明の目的は、フォーマットを変更する操作のためにオペレータの介入を必要としない調整可能なバーガイド装置を提供することにより、上記の欠点を解決することである。
【0023】
この目的の範囲内で、本発明の目的は、単純な構造を有する調整可能なバーガイド装置を提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、市販の構成要素および/または容易に調達される構成要素によって構成される調整可能なバーガイド装置を提供することである。
【0025】
本発明のさらに別の目的は、低コストであり、容易かつ実用的に実施され、安全に適用される調整可能なバーガイド装置を提供することである。
【0026】
この目的、および以下でより明らかになるこれらおよび他の目的は、調整可能なバーガイド装置であって、少なくとも1つの流体シリンダによって作動される少なくとも1つの移動レバー機構を介して固定フレームに摺動可能に関連付けられた相補的形状のジョーの少なくとも1つの対を備え、前記ジョーは、前記ジョーのそれぞれの表面が実質的に並置される第1の構成と、前記表面がバーを封じ込める(containing)ための所定の距離で配置される第2の構成との間で、相互の接近/離間のストロークによって並進運動を行うことを特徴とする、調整可能なバーガイド装置によって達成される。
【0027】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図において非限定的な例として示す、本発明による調整可能なバーガイド装置の好ましいが限定的ではない実施形態の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明による調整可能なバーガイド装置の分解斜視図である。
図2】代替の形状のジョーを示す、図1の装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
特に図を参照すると、参照番号1は、調整可能なバーガイド装置を全体的に示す。
【0030】
本発明による装置1は、少なくとも1つの流体シリンダ6によって作動される少なくとも1つの移動レバー機構5を介して固定フレーム4に摺動可能に関連付けられる、相補的形状のジョー2、3の少なくとも1対を備える。
【0031】
ジョー2および3は、相互の接近/離間のストロークに応じて並進することができる。
【0032】
この予め設定されたストロークは、ジョー2および3のそれぞれの表面7および8が実質的n並置される第1の構成と、そのような表面7および8がバーを封じ込めるための所定の距離で配置される第2の構成との間で生じる。
【0033】
疑いの余地のない実用的および応用的関心の特定の実施形態によれば、ジョー2および3は、少なくとも部分的にポリマー材料で作られる。
【0034】
特に、互いに向かい合い、それぞれのバーに当接するように設計された、ジョー2および3の少なくとも表面7および8は、ポリマー材料で作られる。
【0035】
これにより、各ジョー2および3とバーとの間の接触は、ポリマー-金属インターフェース(ポリマーがジョー2または3の表面7または8を構成する材料であり、金属はバーを構成する材料である)を伴うことを確実にし、それによってバーがガイドされている間損傷または磨耗を受けないことを確実にする。
【0036】
さらに、互いに向かい合い、それぞれのバーに当接するように設計されたジョー2および3の表面7および8は、好ましくは半円筒形、半プリズム形、V字形などから選択される形状構造を備えた長手方向凹面を有することに留意されたい。
【0037】
このようにして、ジョー2および3の相互の接近は、ガイドされるバーのものに対応する形状および寸法のシートの形成を決定する。
【0038】
円形の断面を持つバーの場合、V字形の長手方向凹面(すなわち、所定の範囲の角度を規定する入射面によって構成される空洞)を有する実施形態が好ましいことに留意されたい。このバージョンが多くの異なるバー直径を効果的にクランプし、ガイドすることを可能にするからである。
【0039】
しかし、多角形の断面を備えたバーをガイドする場合、半円筒形の長手方向凹面を備えたジョー2および3を採用することが通常好ましく、これにより、この種のバーのより安定した固定が可能になる。
【0040】
バーのさらに特定の形状構造が、異なる形状の長手方向凹面を備えたジョー2および3の採用を必要とする場合があり、これらも本発明によって定義される保護の範囲に含まれる。
【0041】
疑いのない効果性および特定の実用的な用途のバージョンを参照すると、互いに向かい合い、それぞれのバーに当接するように設計されたジョー2および3の表面7および8は、起伏のある複数の歯9および10を確実に備えることができ、これらの歯は、それぞれのくぼみ11および12によって隔てられ、2つの実質的に線対称および鏡面対称の列に配置される。
【0042】
そのようなバージョンを特に参照すると、第1のジョー2の起伏のある歯9は、第2のジョー3の対応するくぼみ12と好都合に位置合わせされ、第2のジョー3の起伏のある歯10は、第1のジョー2の対応するくぼみ11と確実に位置合わせされる。
【0043】
そのような実施構造は、ジョー2および3のそれぞれの表面7および8が実質的に並置される第1の構成において、一方のジョー2または3の歯9または10が他方のジョー3または2のくぼみ11または12に収容されることを確実にする。
【0044】
最適かつ特に効率的な操作を可能にするために、少なくとも1つの流体シリンダ6は、好適には、ジョー2および3の1つと結合された運動ピストンを有する空気圧シリンダであることができる。
【0045】
このような空気圧シリンダは、好都合には、複動式シリンダであることができる。圧縮ガスを第1のチャンバに導入すると、対応するピストンの前進ストロークが決定され、圧縮ガスを第2のチャンバに導入すると、対応するピストンの後退ストロークが決定される。しかし、両方のチャンバ内で同一の圧力状態が作り出された場合、これは、外部強制力に対応する動きを可能にしながら、ピストンの固定を決定する。したがって、この後者の場合のピストンは、ガス作動式ばねと非常によく似た挙動を示す。
【0046】
使用中の空気圧シリンダは貫通ステムを有するため、2つのチャンバで空気が作用する表面は、相互に同一である。この特定の実施アーキテクチャは、空気が両方のチャンバ内で同じ圧力にあるときに力の完全な釣り合いを確実にする。
【0047】
空気圧シリンダをガス作動式ばねとして使用するこの特別な機会は、軸方向の回転中に振動を引き起こすバーをガイドするときに特に有用となる。したがって、シリンダは、弾性ダンパとしての挙動により、そのような振動を減衰させる。
【0048】
実施の観点から、少なくとも1つの移動レバー機構5は、固定フレーム4に枢着されるロッカーアーム13を確実に備えることができることに留意されたい。
【0049】
ロッカーアーム13の第1の端部14は、第1のジョー2の突起部のための第1の溝付きガイド15を好都合に備えることができる。そのような突起部(添付の図では見えない)は、装置1が使用構成にあるとき、第1の溝付きガイド15内に収容される。
【0050】
ロッカーアーム13の第2の端部16は、第2のジョー3の突出部(端部18と一体)のための第2の溝付きガイド17を好都合に備えることができる。そのような突出部(添付の図では見えない)は、装置1が使用構成にあるとき、第2の溝付きガイド17内に収容される。
【0051】
第1のジョー2の並進時、第1のガイド15内の突起部の摺動は、ロッカーアーム13の回転および第2のガイド17内の突出部の摺動を決定し、その結果、第2のジョー3は、第1と同じであるが、反対の方向のベクトルに沿って並進する。
【0052】
したがって、空気圧シリンダ6の単一の動作は、ジョー2および3の同時閉鎖または同時開放に対応する。
【0053】
さらに、フレーム4は、ジョー2および3の運動方向に沿って配置されたコンベヤバンド19を好適に備えることができることに留意されたい。
【0054】
そのような実施形態を特に参照すると、各ジョー2および3は、バンド19の幅に対応する相互距離で配置されたそれぞれの相互に対向するローラ20および21を好都合に備える。
【0055】
したがって、使用の構成では、バンド19は、それぞれの事前設定されたストロークに沿って各ジョー2および3を搬送するために、ローラ20と21との間に挿入される。
【0056】
ここでも、ジョー2および3の正しい操作(およびバーを理想的な方法で支持するその適正)を確実にするために、ジョーの少なくとも1つが、潤滑流体を供給するように設計されたチャネル23を備えたそれぞれの支持体22を好都合に備えることができることに留意されたい。正しい結合のために、そのような場合、フレーム4は、そのようなチャネル23およびこれに接続されたチューブの摺動可能な収容のためのそれぞれの穴24を備える。
【0057】
ロッカーアーム13は、同期リンクロッドのように挙動し、すなわち、ガイドチャネルに対して、閉じている間ジョー2および3の表面7と8との間に画定されるシートの中心点を確実にするように設計されることに留意されたい。
【0058】
説明する本発明は、バーの表面とジョー2および3の表面7および8の(ポリマー材料で作られている)表面との間の相対的な摺動の上述の問題の影響を受ける。
【0059】
このような欠点を克服するために、シリンダ6の空気圧固定が採用され、それにより、機械加工中にバーにゼロの押す力がかかる条件下に装置1を置くことが可能になる。
【0060】
このような使用モードは、次の使用順序によって得られる。
【0061】
シリンダ6のピストンが下降し、その結果ジョー2および3の表面7および8がバーの外面に接近し、その結果これに接触し、
バーがクランプされる構成に到達すると、シリンダ6の後方チャンバへの圧縮ガスの導入を中断し、
両方のチャンバ内に同じ圧力が存在する状態に到達するまでピストンの前方チャンバ内の圧力を補償し(このような状態のシリンダ6のピストンは、バーにゼロの押す力を及ぼすことになる)、
バーを機械加工し、
シリンダ6の後方チャンバを解放し、その結果開く(ジョー2および3の相互の離間)。
【0062】
説明した一連の操作により、シリンダ6のピストンは、機械加工中、到達した最終位置に依然としてロックされたままで、バーに推力を及ぼせないようになり、それによってその効果的なクランプを確実にする。
【0063】
この結果は、たとえば、異なる瞬間にシリンダ6の2つのチャンバに供給する、クローズドセンタを備えた5/3空気圧バルブを使用して得ることができる。
【0064】
非限定的な例として上記で説明したバージョンの範囲内で、「補償」の前方チャンバに供給されるとき、シリンダ6の後方チャンバ(プッシャチャンバ)のためのストッパとして作用する3/2弁をさらに使用することも可能であることに留意されたい。
【0065】
この固定化基準により、シリンダ6のピストン内で、機械式タイプのステム固定装置によく起こるような、無限になりにくい固定化力を維持することが可能になる。
【0066】
(圧縮ガスの)空気の使用およびガスの圧縮性の特性の利用により、シリンダ6のピストンは、規定されたレベルの応力に耐えることが可能になり、このレベルを超えると固定化は堅固でなくなり振動を可能にし、それによって回転バーによって生成される振動のダンパとして作用する。
【0067】
(機械加工中に)振動をトリガするこの傾向は、バーの質量が大きいために生成される力がはるかに大きくなる、大きい直径のバーでかなり発生しやすくなる。
【0068】
前述のように、機械加工されるバーのタイプに応じて、異なるタイプのジョー2および3が開発されている。
【0069】
最大の柔軟性のある解決策には、V字型の断面を有するポリマー材料(通常はポリウレタンT5)で作られたジョー2および3が伴われ、これらのジョーは、(作業するバーの直径の変化に応じた)取り換えを必要とせず、丸棒のすべての直径で接触の一貫性を維持する。
【0070】
起伏のあるバーの場合、または最大のパフォーマンスの理由でいずれの場合でも、V字形のジョー2および3を、バーの面とジョー2および3のものとの間の衝撃を最小限にするように設計された、より明確な円形(半円筒形)の断面に置き換えることを選択する可能性も存在する。
【0071】
所定の直径の半円筒形シートを有するジョー2および3が使用される場合、再セットアップ(フォーマットを変更する操作)時に、バーの寸法に従ってジョー2および3を置き換える操作を実行することが必要になる。
【0072】
一例として、置き換え時間を短縮する目的で、ジョー2および3の固定は、スナップフィット(すなわち、ポリマー材料の変形性を利用する形状インターロック)によって行われ、固定機構に潤滑回路を有することに留意されたい。
【0073】
開発中、(貫通ステムではなく)通常のステムを備えたシリンダ6を使用することが計画されていたが、シリンダ6の一端のみにステムが存在することによって引き起こされる表面の相違により、固定の一貫性が確実にならず、特に、バーに対するジョー2および3の押し力は相殺されない。
【0074】
この装置は、それがどのように考案および開発された結果であっても、バーが使い果たされ、プッシャワンドが前進しているときでも、ジョー2および3の使用を可能にする。
【0075】
この場合、ジョー2および3の機能は、それぞれのグリッパによって保持されるバーから到達し得る振動の伝達を制限するために、バープッシャを固定することである。
【0076】
上記の説明に基づいて、本発明による調整可能なバーガイド装置1は、(それが作用しているバーに従って理想的なクランプを適用する)自己調整能力を有することが明らかである。この特性は、機械加工されるバーの直径を変更する必要がある場合に、設定を変更するためにオペレータがコントロールパネルに介入する必要がある従来のすべてのバーガイド装置とは異なり、これより良好である。
【0077】
好適には、本発明は、フォーマットを変更するための操作のためにオペレータの介入を必要としない(またはいずれの場合もそのような介入を最小化する)調整可能なバーガイド装置1を提供することによって、上述の問題を解決する。確実には、そのような調整は、自動である。
【0078】
好都合には、本発明による装置1は、単純な構造を有する。
【0079】
好都合には、本発明による装置1は、市販の構成要素および/または容易に調達される構成要素によって構成される。
【0080】
確実には、本発明は、容易に実用的に実装され、低コストである調整可能なバーガイド装置1を提供することを可能にする。これらの特性は、本発明による装置1を使用において安全である革新的なものにする。
【0081】
このように考案された本発明は、数多くの改変形態および変形形態が可能であり、そのすべては、添付の特許請求の範囲内にある。さらに、すべての詳細は、他の技術的に同等の要素で置き換えることができる。
【0082】
図示する実施形態では、特有の例に関連して示す個々の特性は、実際には、他の実施形態内に存在する他の異なる特性と交換することができる。
【0083】
実際には、使用される材料および寸法は、要件および技術水準に応じて任意であり得る。
【0084】
特許請求の範囲に述べる技術的特徴の後に参照番号および/または記号を付した場合、これらの参照番号および/または記号は、特許請求の範囲の明瞭性を高める目的のためにのみ含まれており、したがって、そのような参照番号/記号は、そのような参照番号および/または記号によって例として特定する各要素の解釈に対するいかなる制限効果も有さない。
図1
図2