(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】研磨パッドの製造方法
(51)【国際特許分類】
B24B 37/20 20120101AFI20221122BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20221122BHJP
B29C 59/02 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
B24B37/20
H01L21/304 622F
B29C59/02 B
(21)【出願番号】P 2017249202
(22)【出願日】2017-12-26
【審査請求日】2020-09-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000005359
【氏名又は名称】富士紡ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】中瀬 恵介
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-121565(JP,U)
【文献】特公昭48-028786(JP,B1)
【文献】特開平05-309682(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1579743(CN,A)
【文献】特開2016-179667(JP,A)
【文献】特開2006-169688(JP,A)
【文献】特開2016-095955(JP,A)
【文献】特開2011-177884(JP,A)
【文献】特開2000-263423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 37/20 - 37/26
B24D 3/00 - 99/00
H01L 21/304
B29C 59/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無発泡の樹脂シートの表面とメッシュの表面とを圧接させて、前記樹脂シートの表面に前記メッシュの表面の凹凸形状に対応する凸凹形状を形成する圧接工程と、
前記樹脂シートと前記メッシュとを分離
して研磨面を有する前記樹脂シートを得る分離工程と、を有し、
前記研磨面は前記凸凹形状を有し、
前記メッシュに圧接される直前の前記樹脂シートの温度T
1が、下記条件(1)を満たし、
前記メッシュが織物であり、
前記織物を構成する繊維径が、20~1000μmであり、
前記織物の経糸及び緯糸の打ち込み本数が、5~800本/inchである、
前記樹脂シートを備える研磨パッドの製造方法。
Tm≦T
1≦Tm+70℃ ・・・ (1)
Tm:前記樹脂シートを構成する樹脂の融点
【請求項2】
前記メッシュが、金属製又は樹脂製の、前記織物である、
請求項1に記載の研磨パッドの製造方法。
【請求項3】
前記メッシュが、樹脂製の前記織物である、
請求項1又は2に記載の研磨パッドの製造方法。
【請求項4】
前記織物が、平織組織、綾織組織、又は朱子織組織を有するものである、
請求項1~3のいずれか一項に記載の研磨パッドの製造方法。
【請求項5】
前記樹脂シートを構成する樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂、及びポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の研磨パッドの製造方法。
【請求項6】
前記樹脂シートのASTM D570に基づく吸水率が、0.050%以下である、
請求項1~5のいずれか一項に記載の研磨パッドの製造方法。
【請求項7】
前記圧接工程及び前記分離工程を連続的に行う連続成形法である、
請求項1~6のいずれか一項に記載の研磨パッドの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨パッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学材料、半導体デバイス、ハードディスク用のガラス基板等のラッピングや研磨では、研磨パッドを使用した研磨加工が行われている。研磨パッドとしては、不織布を用いた研磨パッド、発泡又は無発泡ポリウレタンを用いた研磨パッド、固定砥粒を有する研磨パッド、凹凸パターンを有する樹脂層を研磨面として用いた研磨パッドなど、様々な種類のものが知られている。
【0003】
このなかでも凹凸パターンを有する樹脂層を研磨面として用いた研磨パッドは、凹凸パターンが形成する溝が、スラリーの流動性に作用し、結果として被研磨物を均一に研磨できるという利点を有する。このような研磨パッドの製造方法としては、平板状の母材の表面を切削加工して溝を形成する方法や、スクリーン印刷法を応用して基材上の凹凸パターンを形成する方法、凹凸パターンを有する金型を作製し、作製した金型を用いてモールド成形する方法が挙げられる。
【0004】
たとえば、特許文献1には、切削加工して溝を形成する方法においては溝幅や溝の深さなどの寸法の微細化に対して限界があるとし、金属からなるマスター金型を用いてマイクロモールディング法により表面に微細加工を施す研磨パッドの製造方法が開示されている。このようなモールド法を用いる手法では、細かい凹凸パターンを有する金型を用いることにより、従来の切削加工などでは加工困難な微細加工の必要な細かい凹凸パターンを形成することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のように金属製の金型を用いる場合には、その金型を作製する際において切削加工などの微細加工を行わなければならず、結局、切削加工を完全に排除するような方法は提供されていない。また、金型は高価であるため、使用しにくいというデメリットのほか、例えば溝の幅や深さなどの凹凸パターンを適宜変更したいような場合には、改めて高価な金型を作製しなおす必要があるため、現実性に欠ける。
【0007】
また、金型を用いる成形法に代えてスクリーン印刷法により基材上に凹凸パターンを形成する方法も考えられる。スクリーン印刷法は、切削工程を経ることなく凹凸パターンを形成することが可能であるが、スクリーン印刷によって基材上に形成されたドット状の樹脂(凸部)はその自重と粘度により基材上に広がる傾向にあるため、高さの高い凸部を有する凹凸パターンを得るには限界がある。凸部の高さが低い(溝の深さが浅い)場合には、研磨とともに凸部がすぐに削れて研磨レートが低下するため、研磨パッドの製品寿命を十分に確保できないという問題がある。さらに、用いる樹脂の粘度等を考慮すると、スクリーン印刷で形成できる凹凸パターンの微細さには限界があり、このことも研磨レートの低下を招来し得る。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、容易に、微細な凹凸パターンを形成することができる研磨パッドの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記問題点について鋭意検討した。その結果、所定の条件下で無発泡樹脂シートの表面にメッシュ表面の凹凸形状を転写させることにより、上記問題点を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
無発泡の樹脂シートの表面とメッシュの表面とを圧接させて、前記樹脂シートの表面に前記メッシュの表面の凹凸形状に対応する凸凹形状を形成する圧接工程と、
前記樹脂シートと前記メッシュとを分離する分離工程と、を有し、
前記メッシュに圧接される直前の前記樹脂シートの温度T1が、下記条件(1)を満たす、
研磨パッドの製造方法。
Tm-10℃≦T1≦Tm+70℃ ・・・ (1)
Tm:前記樹脂シートを構成する樹脂の融点
〔2〕
前記メッシュが、金属製又は樹脂製の、織物又は編物である、
〔1〕に記載の研磨パッドの製造方法。
〔3〕
前記メッシュが、樹脂製の織物である、
〔1〕又は〔2〕に記載の研磨パッドの製造方法。
〔4〕
前記織物が、平織組織、綾織組織、又は朱子織組織を有するものである、
〔2〕又は〔3〕に記載の研磨パッドの製造方法。
〔5〕
前記樹脂シートを構成する樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂、及びポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、
〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の研磨パッドの製造方法。
〔6〕
前記樹脂シートのASTM D570に基づく吸水率が、0.050%以下である、
〔1〕~〔5〕のいずれか一項に記載の研磨パッドの製造方法。
〔7〕
前記圧接工程及び前記分離工程を連続的に行う連続成形法である、
〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載の研磨パッドの製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、切削工程等を経ることなく、容易に、微細な凹凸パターンを形成することができる研磨パッドの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態の研磨パッドの製造方法を説明するための概略図である。
【
図2】本実施形態の研磨パッドの製造方法を説明するための他の概略図である。
【
図3】本実施形態の研磨パッドの製造方法により得られた研磨パッドの表面を表す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0014】
〔研磨パッド〕
本実施形態の研磨パッドの製造方法は、無発泡の樹脂シートの表面とメッシュの表面とを圧接させて、前記樹脂シートの表面に前記メッシュの表面の凹凸形状に対応する凸凹形状を形成する圧接工程と、前記樹脂シートと前記メッシュとを分離する分離工程と、を有し、前記メッシュに圧接される直前の前記樹脂シートの温度T1が、下記条件(1)を満たす。
Tm-10℃≦T1≦Tm+70℃ ・・・ (1)
Tm:樹脂シートを構成する樹脂の融点
【0015】
〔成形工程〕
本実施形態の研磨パッドの製造方法は、圧接工程の前に、無発泡の樹脂シートを得る成形工程を有していてもよい。樹脂シートを得る成形方法としては、樹脂をシート状に成形できる方法であれば特に制限されず、従来から公知の方法を用いることができ、例えば、押出成形法、カレンダー成形法などが挙げられる。なお、本実施形態において「無発泡」とは、樹脂シートの内部及び表面に気泡を有しないことをいう。樹脂シートが発泡を有すると圧接工程において発泡が密な部分は凹部が深く形成されやすく、発泡が疎な部分は凹部が浅く形成されやすくなり、研磨面に形成される凸凹形状の均一性が損なわれ得る。この点、無発泡の樹脂シートを用いることにより、このような問題を回避することが可能となる。
【0016】
図1に、本実施形態の研磨パッドの製造方法を説明するための概略図を示す。樹脂シート2は成形機1により成形される。樹脂シート2は、任意の大きさ及び形状の複数の研磨パッドを切りだすことができるような長尺な一枚のシートであっても、又は、複数枚のシートであってもよい。成形機1から順次送り出された樹脂シート2は、ローラー4とローラー5に挟み込まれながらそれらのローラーの間を通過することにより、その温度が調整される。ローラー4とローラー5は、例えば金属製のローラーとすることができ、その内部に冷却媒体を循環させるなどの公知の手段によりローラーの温度を調整できる温度調節機構(不図示)によりそれぞれ独立して温度が調整されるものである。これにより、成形機1から押し出された比較的高温の樹脂シート2をメッシュ3と圧接するまでに適温に調整することができる。
【0017】
樹脂シートを構成する樹脂としては、特に制限されないが、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。このような樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体及びエチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリ(メタ)アクリレート、ポリアクリロニトリル、及びこれらの共重合体等のポリアクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂:又はアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体などの上記樹脂を構成するモノマー同士の共重合体が挙げられる。このなかでも、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体が好ましく、ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体がより好ましい。このような樹脂を用いることにより、樹脂の融点などの諸物性から凸凹形状の成形性がより向上する傾向にある。また、このような樹脂を用いて得られた研磨パッドは、研磨スラリーに対する耐薬品性や、研磨レートにも優れる傾向にある。なお、これらの樹脂は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0018】
また、樹脂シートが複数の樹脂層からなる多層樹脂シートである場合には、凸凹形状を形成する最表面が上記樹脂で構成されることが好ましい。
【0019】
樹脂シートを構成する樹脂の融点は、好ましくは100~265℃であり、より好ましくは105~255℃であり、さらに好ましくは110~200℃である。樹脂の融点が100℃以上であることにより、耐熱性に優れ、研磨中において研磨パッドが物理的な安定性がより向上する傾向にある。また、樹脂の融点が265℃以下であることにより、凸凹形状の成形性がより向上する傾向にある。
【0020】
樹脂シートのASTM D570に基づく吸水率は、好ましくは0.050%以下であり、より好ましくは0.045%以下であり、さらに好ましくは0.040%以下である。吸水率の下限は、特に制限されないが、検出限界まで含むものとする。樹脂シートのASTM D570に基づく吸水率が上記範囲内であることにより、研磨スラリーによる研磨パッドの浸潤が抑制され又研磨パッドの洗浄性にも優れるため、得られる研磨パッドの耐劣化性がより向上する傾向にある。また、吸水率が低く比較的疎水傾向の樹脂を用いた場合、得られる研磨パッドの研磨スラリーの保持力は低下する傾向にあるが、本実施形態の凸凹形状を有する研磨面であれば研磨スラリーの保持力を維持することが可能となる。なお、樹脂シートのASTM D570に基づく吸水率は、例えば、樹脂シートを構成する樹脂の選択により調整することができる。また、ASTM D570に基づく吸水率は、3.18mm厚に成形した樹脂シートの試験片を、室温(23℃)、24時間水中に浸漬し、浸漬前の試験片の重量および24時間浸漬後の試験片の重量を測定し、以下式に従い算出することができる。
吸水率(%)=(24時間浸漬後の試験片の重量-浸漬前の試験片の重量)/浸漬前の試験片の重量×100
【0021】
樹脂シートのD硬度は、好ましくは20~60度であり、より好ましくは25~55度であり、さらに好ましくは30~50度である。D硬度が20度以上であることにより、研磨レートがより向上する傾向にある。また、D硬度が60度以下であることにより、被研磨物との密着性がより向上する傾向にある。なお、D硬度は、JIS K 6253に準じて測定することができる。また、D硬度は、例えば、樹脂シートを構成する樹脂の選択により、調整することができる。
【0022】
なお、ここでいう吸水率及びD硬度は、樹脂種及びその組み合わせに依存するものであるから、当該値を特定するに際し測定する対象は凸凹形状の形成前の樹脂シートであっても形成後の樹脂シートであってもよい。
【0023】
〔圧接工程〕
圧接工程は、樹脂シートの表面とメッシュの表面とを圧接させて、樹脂シートの表面にメッシュの表面の凹凸形状に対応する凸凹形状を形成する工程である。ローラー4とローラー5の間を通過した樹脂シート2は、ローラー5の外周に沿ってローラー5の回転方向に送られる。一方、メッシュ3は、ローラー6の外周に沿ってローラー6の回転方向に送られる。樹脂シート2の表面とメッシュ3の表面との圧接は、樹脂シート2を搬送するローラー5と、メッシュ3を搬送するローラー6との回転軸間の距離を縮めることにより行うことができる。
【0024】
樹脂シート2とメッシュ3は互いの表面が接した状態でローラー5とローラー6の間を通過することで、メッシュ3の表面の凹凸形状が樹脂シート2の表面に凸凹形状として転写される。この際に、圧接の圧力を大きくすること(ローラー5とローラー6との回転軸間の距離を縮めること)により、メッシュ3の表面の凹凸形状に対応する凸凹形状をより深く樹脂シート2の表面に形成することができる。
【0025】
このとき、凸凹形状の形成の観点から樹脂シート表面は柔らかいことが好ましいが、樹脂シート表面が柔らかすぎることにより形成した直後の凸凹形状が再度平坦な形状に戻らないようにする必要がある。このような観点から、メッシュに圧接される直前の樹脂シートの温度T1は、下記条件(1)を満たすことを要する。
Tm-10℃≦T1≦Tm+70℃ ・・・ (1)
Tm:樹脂シートを構成する樹脂の融点
【0026】
上記条件(1)における温度T1の下限は、Tm-10℃以上であり、好ましくはTm-5℃以上であり、より好ましくはTm℃以上である。温度T1がTm-10℃以上であることにより、凸凹形状の成形性がより向上する傾向にある。また、上記条件(1)における温度T1の上限は、Tm+70℃以下であり、好ましくはTm+60℃以下であり、より好ましくはTm+50℃以下である。温度T1がTm+70℃以下であることにより、成形した直後の凸凹形状の維持性がより向上する傾向にある。なお、樹脂シートの温度T1は、例えば接触式あるいは非接触式の温度計を用いて測定することができる。
【0027】
上記条件(1)の範囲を満たすように樹脂シートの温度T
1を調整する方法としては、樹脂シート2を送る(搬送する)ためのローラーであって、樹脂シート2の表面とメッシュ3の表面とが圧接する際に樹脂シート2と接触しているローラー(
図1におけるローラー5)の温度を調節する方法や、樹脂シート2を送るためのローラーであって、樹脂シート2の表面とメッシュ3の表面とが圧接するよりも前に、ローラー5と共に樹脂シート2を挟み込みながら送るローラー(
図1におけるローラー4)の温度を調整する方法、これらを組み合わせる方法が挙げられる。圧接工程において、樹脂シート2が接するローラー(ローラー5)の温度は、好ましくは50~120℃であり、より好ましくは60~110℃であり、さらに好ましくは70~100℃である。なお、本実施形態においてローラーの温度とは、そのローラーの設定温度を言う。また、上記条件(1)の範囲を満たすように樹脂シートの温度T
1を調整するその他の方法としては、成形機1から樹脂シート2を送り出す速度を調整する方法や、樹脂シート2の厚みを調整する方法が挙げられる。
【0028】
また、比較的に高温で表面が柔らかい樹脂シートは、メッシュと圧接された直後からその凸凹形状が維持されるよう表面温度が低下することが好ましい。このような手段としては、例えば、樹脂シートに圧接される直前のメッシュの温度T2を調整することが考えられる。具体的には、圧接される直前のメッシュの温度T2が相対的に低いことで、圧接時において、メッシュと接している樹脂シートの部分、即ち凸凹形状が形成されたばかり樹脂シートの表面からメッシュへと移動する熱量が多くなる。熱量が奪われる側の樹脂シートの表面では温度低下による粘度の低下が促進され、形成された凸凹形状が維持されやすくなる傾向にある。
【0029】
このような観点から、樹脂シートに圧接される直前のメッシュの温度T2は、下記条件(2)を満たすことが好ましい。
T2≦Tm-30℃ ・・・ (2)
Tm:樹脂シートを構成する樹脂の融点
【0030】
上記条件(2)における温度T2の上限は、Tm-30℃以下であり、好ましくはTm-40℃以下であり、より好ましくはTm-50℃以下である。温度T2がTm-30℃以下であることにより、成形した直後の凸凹形状の維持性がより向上するほか、メッシュの熱による劣化又は変形がより抑制される傾向にある。また、上記条件(2)における温度T2の下限は、特に制限されないが、10℃以上であり、好ましくは15℃以上であり、より好ましくは20℃以上である。温度T2が10℃以上であることにより、メッシュの凹凸形状が樹脂シートにうまく転写される傾向にある。なお、メッシュの温度T2は、樹脂シートの温度T1と同様に、例えば接触式あるいは非接触式の温度計を用いて測定することができる。
【0031】
上記条件(2)の範囲を満たすようにメッシュの温度T
2を調整する方法としては、メッシュ3を送るためのローラーであって、樹脂シート2の表面とメッシュ3の表面とが圧接する際にメッシュ3と接触しているローラー(
図1におけるローラー6)の温度を調節する方法が挙げられる。圧接工程において、メッシュ3が接するローラー(ローラー6)の温度は、好ましくは10~Tm-30℃であり、より好ましくは20~Tm-40℃であり、さらに好ましくは20~Tm-50℃である。なお、ローラー6も、例えば金属製のローラーとすることができ、温度調節機構(不図示)により温度が調整されるよう構成することができる。
【0032】
樹脂シートの表面にメッシュの表面の凹凸形状に対応する凸凹形状を形成する観点から、圧接時における、樹脂シート2の搬送速度(ローラー5の周速度)とメッシュ3の搬送速度(ローラー6の周速度)は同程度であることが好ましい。
【0033】
用いるメッシュとしては、特に制限されないが、例えば、樹脂又は金属の繊維から構成される織物及び編物、又は、樹脂又は金属の板を打ち抜いて構成されるパンチングメッシュが挙げられる。このなかでも、金属製又は樹脂製の、織物又は編物が好ましく、樹脂製の織物がより好ましい。このようなメッシュを用いることにより、凸凹形状が規則的に研磨面に形成されることにより研磨スラリーの排出と保持のバランスがより向上する傾向にある。
【0034】
織物及び編物に用いられる樹脂製の繊維としては、特に制限されないが、例えば、ナイロン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、フッ素系繊維が挙げられる。また、織物及び編物に用いられる金属製の繊維としては、特に制限されないが、例えば、ステンレス鋼繊維、銅繊維、アルミニウム繊維が挙げられる。これら繊維を用いることにより、メッシュの耐熱性及び耐久性がより向上するため、メッシュを複数回再利用することが可能となり、製造コストの点に優れる傾向にある。以下、織物及び編物について説明する。
【0035】
織物は、緯糸及び経糸で構成されたものであり、特に限定されないが、基本的には張った経糸に緯糸を通すことにより構成され、この緯糸の通し方が即ち織り方となる。織物を構成する組織としては、経糸と緯糸が1本おき(もしくは同数おき)に交差する平織組織;経糸と緯糸のいずれかが他方の上を1本、下を複数本通過させることを繰り返し、経糸と緯糸の交差する組織点が斜めの文様を形成する綾織組織;経糸か緯糸のいずれかがもっぱら表面に出るとともに、組織点が連続しないように計算された朱子織組織;平織組織、綾織組織、及び朱子織組織(三原組織)を変化させた変化組織及び特別組織が挙げられる。また、織り方は、これら組織を単体又は組み合わせて構成するものであれば制限されない。このなかでも、織物が、平織組織、綾織組織、又は朱子織組織を有するものであることが好ましい。織物がより規則的な組織構成である平織組織、綾織組織、又は朱子織組織を有することにより、研磨面の凸凹形状(特に凹部)がより規則的に構成され、結果として研磨レート及び得られる研磨物の面品位がより向上する傾向にある。
【0036】
編物は、経編又は緯編で構成されたものであり、表裏面を形成する表裏面繊維と前記表裏面を連結する中間繊維とを有するものである。経編としては、特に限定されないが、例えば、シングルトリコット、ダブルトリコット等のトリコット;シングルラッセル、ダブルラッセル等のラッセル;及びミラニーズが挙げられる。また、緯編としては、特に限定されないが、例えば、シングル編、ダブル編等の丸編;リブ編、両面編、両頭編等の横編が挙げられる。また、シングル編としては、特に限定されないが、例えば、シンカー台丸編、吊り編、トンプキン編が挙げられる。ダブル編としては、特に限定されないが、例えば、フライス編、スムース編、ダンボール編が挙げられる。
【0037】
上記のなかでも、比較的伸縮性がなく製造上有利であることから、研磨面は織物の表面の凹凸形状に対応する凸凹形状を有するものであることが好ましい。このような研磨面を備えることにより、研磨レート及び得られる研磨物の面品位がより向上する傾向にある。
【0038】
織物の経糸間及び緯糸間の目開きは、それぞれ、好ましくは100~5000μmであり、より好ましくは200~3000μmであり、さらに好ましくは300~1000μmである。織物の経糸間又は緯糸間の目開きが100μm以上であることにより、研磨面の凸部(被研磨物に接触する部分)の面積がより向上し、得られる研磨パッドの研磨レートがより向上する傾向にある。また、織物の経糸間又は緯糸間の目開きが5000μm以下であることにより、研磨面の凹部の密度(単位面積当たりの数)がより向上し、得られる研磨パッドの研磨スラリーの保持性能及び排出性能がより向上するとともに、研磨レートがより向上する傾向にある。織物の経糸間及び緯糸間の目開きは、下記式により算出することができる。
織物の経糸間又は緯糸間の目開き(μm)=25400/(1inchあたりの経糸又は緯糸の数)-(1inchあたりの経糸又は緯糸の総径)
【0039】
編物のカバーファクターは、好ましくは35~75であり、より好ましくは40~70であり、さらに好ましくは45~65である。編物のカバーファクターが35以上であることにより、研磨面の凸部(被研磨物に接触する部分)の面積がより向上し、研磨レートがより向上する傾向にある。また、編物のカバーファクターが75以下であることにより、研磨面の凹部の密度(単位面積当たりの数)がより向上し、研磨スラリーの保持及び排出がより適切に行われ、結果として研磨レートがより向上する傾向にある。編物のカバーファクターは、編物をフラットベッドスキャナーあるいはデジタルカメラにより画像データを取得し、得られた画像データに二値化処理をし、糸部分に相当する面積の割合を求めて算出した。なお、二値化処理は、一般的な二値化処理ソフトを用いて算出することができるが、例えば、「PickMap Version2.4」を用いて閏値を170に設定することで算出することができる。
【0040】
織物の経糸間及び緯糸間の目開き率は、好ましくは30~80%であり、より好ましくは35~75%であり、さらに好ましくは40~70%である。織物の目開き率が30%以上であることにより、研磨面の凸部(被研磨物に接触する部分)の面積がより向上し、得られる研磨パッドの研磨レートがより向上する傾向にある。また、織物の目開き率が80%以下であることにより、研磨面の凹部の密度(単位面積当たりの数)がより向上し、得られる研磨パッドの研磨スラリーの保持性能及び排出性能がより向上するとともに、研磨レートがより向上する傾向にある。織物の経糸間及び緯糸間の目開き率は、下記式により算出することができる。
織物の目開き率(%)=(経糸間及び緯糸間の目開き)2/(目経糸間及び緯糸間の目開き+経糸又は緯糸の総径)2×100
【0041】
織物又は編物の繊維径は、好ましくは20~1000μmであり、より好ましくは30~800μmであり、さらに好ましくは40~500μmである。繊維径が20μm以上であることにより、研磨面の凹部の短径方向D2の長さがより長く、凹部の最大深さHがより深くなり、得られる研磨パッドの研磨スラリーの保持性能及び排出性能がより向上するとともに、研磨レートがより向上する傾向にある。また、繊維径が1000μm以下であることにより、研磨面の一つ一つの凹部が相対的に小さくなるが、単位面積当たり相対的に小さい凹部をより多く形成でき、研磨パッドを用いて得られる被研磨物の面品位がより向上する傾向にある。
【0042】
織物の経糸及び緯糸の打ち込み本数は、それぞれ、5~800本/inchであり、より好ましくは20~500本/inchであり、さらに好ましくは30~300本/inchである。打ち込み本数が5本/inch以上であることにより、単位面積当たりの研磨面の凹部の数が多くなり、得られる研磨パッドの研磨スラリーの保持性能及び排出性能がより向上するとともに、研磨レートがより向上する傾向にある。また、打ち込み本数が800本/inch以下であることにより、研磨面の凸部(被研磨物に接触する部分)の面積がより向上し、得られる研磨パッドの研磨レートがより向上する傾向にある。
【0043】
また、樹脂又は金属の板を打ち抜いて構成されるパンチングメッシュとしては、特に制限されず、従来公知のものを使用することができる。
【0044】
〔分離工程〕
分離工程は、樹脂シートと前記メッシュとを分離する工程である。ローラー5とローラー6の間を通過した樹脂シート2とメッシュ3は、その後分離(剥離)され、樹脂シート2は引き続きローラー5の外周に沿ってローラー5の回転方向に送られ、ローラー5とローラー7の間を通過して、巻き取られる。また、メッシュ3は、ローラー6の外周に沿ってローラー6の回転方向に送られ、回収される。ローラー7も、金属製のローラーとすることができ、温度調節機構(不図示)により温度が調整されるよう構成することができ、ローラー7により樹脂シート2が冷やされることで、形成された凸凹形状がその後の巻取りなどにより変形することを抑制できる。
【0045】
〔その他〕
以上のとおり、
図1を参照しつつ本実施形態の研磨パッドの製造方法について説明した。本実施形態の研磨パッドの製造方法は、
図1に示されるように、樹脂シート2の表面とメッシュ3の表面との圧接(圧接工程)、及び樹脂シート2とメッシュ3との分離(分離工程)を連続的に行う連続成形法とすることで、巾広かつ長尺な研磨パッドの原反を連続して製造する方法として優れるものである。なお、このような連続成形法により得られた研磨パッド(原反)は、その後、捲回体として巻き取り、必要に応じて切断して、用いてもよい。
【0046】
また、本実施形態の研磨パッドの製造方法は、
図1のように複数のロールを用いた連続成形法に限られるものではない。
図2に、本実施形態の研磨パッドの製造方法を説明するための他の概略図を示す。
図2は、枚葉成形法による研磨パッドの製造方法を示すものであり、A-A’は、メッシュ3の切断面を示すものである。このように、特定の温度条件下、一枚の無発泡の樹脂シート2に対してメッシュ3を圧接する圧接工程と、樹脂シート2とメッシュ3とを分離する分離工程を有するものであれば、本発明の範囲内であるといえる。
【0047】
さらに、以上説明した本実施形態の研磨パッドの製造方法は、その要旨を逸脱しない範囲内において様々な変形が可能である。すなわち、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、
図1において、ローラー6を用いずに、メッシュ3をローラー4の外周に沿ってローラー4の回転方向に送りながらローラー4及びローラー5の間を通過するように構成してもよい。この場合、樹脂シート2の表面とメッシュ3の表面との圧接は、樹脂シート2を搬送するローラー5と、メッシュ3を搬送するローラー4との回転軸間の距離を縮めることにより行うことができる。樹脂シート2とメッシュ3は互いの表面が接した状態でローラー5とローラー4の間を通過することで、メッシュ3の表面の凹凸形状が樹脂シート2の表面に凸凹形状として転写される。あるいは、ローラー6を用いずに、メッシュ3をローラー7の外周に沿ってローラー7の回転方向に送りながらローラー5及びローラー7の間を通過するように構成してもよい。この場合、樹脂シート2の表面とメッシュ3の表面との圧接は、メッシュ3を、ローラー7の外周に沿って送りながら、ローラー7と樹脂シート2とに挟み込むことにより行うことができる。これにより、メッシュ3の表面の凹凸形状が樹脂シート2の表面に凸凹形状として転写される。あるいは、ローラー7は設けなくてもよい。
【0048】
〔研磨パッド〕
上記のようにして得られた研磨パッドは、被研磨物を研磨するための研磨面を有する樹脂シートを備え、その研磨面は、メッシュの表面の凹凸形状に対応する凸凹形状を有する。凸凹形状は、これに対応する凹凸形状を備えるメッシュの特性(例えば、織物の織り方や編物の編み方の種類、繊維の太さ、織物の目開き(織物の経糸間又は緯糸間の目開き)及び目開き率、編物のカバーファクター、度目、編み込み長、ゲージや密度、並びに、1inch当たりの打ち込み本数)により調整することができる。
【0049】
上記製造方法からわかるように、樹脂シートの研磨面に形成される凸凹形状とは、凹凸形状の凸部に対応する箇所が凹部として形成されていることにより、凹凸形状の凸部を凸凹形状の凹部に嵌めあわせた時に、凹凸形状と凸凹形状とが嵌合する形状をいう。言い換えると、凹凸形状の凸部と凸凹形状の凹部とは、互いに補完し合う形状(研磨面の凹形状がメッシュの表面の凸形状に対応する形状)であり、一方の凹凸が他方に凸凹として転写された形状ということもできる。なお、本実施形態においては、凹凸形状の凹部と、凸凹形状の凸部とが完全に補完し合う形状であることまでは要しない。
【0050】
また、樹脂シートに形成される凸凹形状の凹部の一つ一つは、一本の繊維の起伏に対応する形状となり、略半楕円体を有する溝と理解することができる(
図2)。略半楕円体は、研磨面から凹部の最大深さとなる点に向かって傾斜が設けられている。略半楕円体の短径方向における傾斜は、略半楕円体の短径を結ぶ2点と凹部の最大深さとなる点を結んで得られる三角形の斜辺に近似する。また、略半楕円体における長径方向の傾斜は、略半楕円体の長径を結ぶ2点と凹部の最大深さとなる点を結んで得られる三角形の斜辺に近似する。凹部が上記形状を有することにより、研磨スラリーの保持と排出のバランスが良くなり、研磨レート、及び得られる研磨物の面品位がより向上する傾向にある。なお、
図3に本実施形態の研磨パッドの製造方法により得られた研磨パッドの表面を表す写真を示す。
図3における研磨パッドの表面は、一度研磨試験に供したのち、試験により付着したスラリーを洗浄した後のものであるが、研磨試験に供する前の状態と外観上相違するものではない。
【実施例】
【0051】
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0052】
〔凸凹形状評価〕
凸凹形状評価は、メッシュが樹脂シートに対して十分に圧接されて凸凹形状が形成されたかを目視で確認して評価した。
○:樹脂シートに形成された凸凹形状が均一である。
×:樹脂シートに形成された凸凹形状が凹の深さにばらつきがあるなど不均一である、あるいは、凸凹形状が形成されない。
【0053】
〔実施例1〕
成形機にポリエチレン(融点Tm:108℃)を投入し、溶融したポリエチレンを押出成形より無発泡の樹脂シートを成形した。成形機から送り出された樹脂シートは1対のローラーに挟み込みながらそれらの間を通過させ、その温度T1を100℃に調整した。温度を調整した樹脂シートの表面とポリエチレンのメッシュ(PE14目、T2:25℃)とを圧接させた後、樹脂シートとメッシュPE14目とを分離することにより、樹脂シートの表面にメッシュPE14目の表面の凹凸形状に対応する凸凹形状を形成した。その後、樹脂シートの研磨面と反対側に接着層として両面テープ(3M社、フィルム基材両面粘着テープ 442JS)を貼り付けて、実施例1の研磨パッドを得た。なお、ポリエチレンのメッシュは、平織組織を有し、目開きが1572μm、繊維径が545μm、目開き率が55%、メッシュが12本/inchのものを使用した。
【0054】
〔実施例2〕
樹脂シートの温度を150℃に調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で研磨パッドを得た。
【0055】
〔比較例1〕
樹脂シートの温度を70℃に調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で研磨パッドを得た。
【0056】
〔比較例2〕
樹脂シートの温度を250℃に調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で研磨パッドを得た。
【0057】
〔比較例3〕
成形機に熱可塑性ポリウレタン(融点Tm:130℃)を投入し、溶融した熱可塑性ポリウレタンに所定の温度及び圧力下で二酸化炭素ガスを注入し押出成形より樹脂シートを成形した(超臨界ガス発泡法)。成形した樹脂シートの表面とポリエチレンのメッシュ(PE14目、T
2:25℃)とを圧接させた後、樹脂シートとメッシュPE14目とを分離することにより、樹脂シートの表面にメッシュの表面の凹凸形状に対応する凸凹形状を形成した。その後、樹脂シートの研磨面と反対側に接着層として両面テープ(3M社、フィルム基材両面粘着テープ 442JS)を貼り付けて、比較例3の研磨パッドを得た。
【表1】
【0058】
比較例1は、樹脂シートの温度が低かったため、メッシュが樹脂シートに十分に圧接されず、凸凹形状がうまく形成されなかった。また、比較例2は、樹脂の温度が高かったため、樹脂シートがうまく形成されず、圧接もうまくいかなかった。さらに、比較例3は、樹脂シートが発泡を有していたため、樹脂シートの凸凹形状が不均一であった。一方、実施例1及び2は、樹脂シートの温度が温度条件の範囲内に調整されたため、メッシュの凹凸形状に対応する凸凹形状が樹脂シートに均一に形成されていた。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の研磨パッドは、光学材料、半導体デバイス、ハードディスク用のガラス基板等のラッピングや研磨、特に炭化珪素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)などのラッピングや研磨用の研磨パッドを製造する方法として産業上の利用可能性を有する。