(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】均一な熱交換および改良された洗浄アクセスを有するガスフライヤおよび方法
(51)【国際特許分類】
A47J 37/12 20060101AFI20221122BHJP
【FI】
A47J37/12 321
(21)【出願番号】P 2018548679
(86)(22)【出願日】2017-03-17
(86)【国際出願番号】 US2017022997
(87)【国際公開番号】W WO2017161290
(87)【国際公開日】2017-09-21
【審査請求日】2020-03-12
【審判番号】
【審判請求日】2022-01-13
(32)【優先日】2016-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594136516
【氏名又は名称】ヘニー・ペニー・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Henny Penny Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・ジェイ・フローキー
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ゴーゲル
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・グロール
【合議体】
【審判長】西村 泰英
【審判官】マキロイ 寛済
【審判官】平城 俊雅
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4848318号明細書(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0020568号明細書(US,A1)
【文献】特開2002-65475号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を調理するために加熱される調理媒体を受け入れるように構成された調理チャンバを画定する内装ケーシング(210)であって、底壁(222)と、前記底壁(222)から延びる前端壁(226)および後端壁(228)と、前記前端壁(226)および前記後端壁(228)に接続されて前記底壁(222)から延びる対向する側壁(224)と、を含む内装ケーシング(210)を含んでなるフライポット(12)であって、前記内装ケーシング(210)の外面(234)の周りの空気流のためのプレナム(238)を画定するためにいくつかの位置で前記内装ケーシング(210)から離間された外装ケーシング(212)を含むフライポット(12)と、
対向する前記側壁(224)および前記後端壁(228)の部分で前記内装ケーシング(210)に接続された複数の熱交換フィン(236)であって、前記内装ケーシング(210)と前記外装ケーシング(212)との間に延在して前記プレナム(238)内の前記空気流のための流路を形成する複数の熱交換フィン(236)と、
前記フライポット(12)内の前記調理媒体を加熱するためにガス燃焼によって熱エネルギーを発生させる少なくとも1つの赤外線バーナー(218)と、
を含んでなる、食品を調理するためのガスフライヤ(10)であって、
少なくとも1つの前記赤外線バーナー(218)からの熱エネルギーが、放射によって前記内装ケーシング(210)内に伝達され、さらに、少なくとも1つの前記赤外線バーナー(218)によって加熱される前記プレナム(238)を通る空気流に基づく前記内装ケーシング(210)内への対流によっても伝達され、
複数の前記熱交換フィン(236)が、少なくとも対向する前記側壁(224)および前記後端壁(228)を横切って前記内装ケーシング(210)および前記調理媒体へのほぼ均一な熱エネルギーの伝達を前記空気流が行うことを導くような構成に配置され、
前記内装ケーシング(210)の対向する前記側壁(224)のそれぞれが、
開口部から前記調理チャンバ内に略垂直に延びる上部側壁パネル(264)と、
前記上部側壁パネル(264)に接続され前記上部側壁パネル(264)から角度を付けて延び、それによって前記調理チャンバのフランクを画定する中央側壁パネル(262)と、
前記底壁(222)および前記中央側壁パネル(262)のそれぞれに接続され、前記
中央側壁パネル(262)から角度を付けて延び、それによって前記調理チャンバのウエルを画定する下部側壁パネル(260)と、
を含んでおり、
前記熱交換フィン(236)が、対向する前記側壁(224)の前記中央側壁パネル(262)および前記上部側壁パネル(264)に沿って配置されており、
前記熱交換フィンの少なくとも一部は、ステンレス鋼から形成されたU字形要素によって画定され、対向する前記側壁および前記後端壁に固定されて結合され、それによって空気流からの対流熱伝達の表面積を増加させて
おり、
前記熱交換フィンが前記プレナムを流路に分割し、前記プレナムを通る前記空気流によって生じる圧力降下を最小限にするように構成された流路のフロー断面を画定するように前記熱交換フィンが互いに離間されていることを特徴とするガスフライヤ。
【請求項2】
少なくとも1つの前記赤外線バーナーが、対向する前記側壁の前記下部側壁パネルに近接して配置された第1および第2の赤外線バーナーを含み、前記下部側壁パネルに沿った放射および対流と、前記中央側壁パネルおよび前記上部側壁パネルに沿った前記熱交換フィンによってもたらされる表面積の増加による対流と、によって、前記内装ケーシングおよび前記調理媒体への熱エネルギーの均一な伝達がされることを特徴とする、請求項
1に記載のガスフライヤ。
【請求項3】
前記下部側壁パネルが垂直方向からウエル角だけ傾斜し、前記中央側壁パネルが水平方向からフランク角だけ傾斜し、前記ウエル角と前記フランク角は両方とも鋭角であって、前記調理チャンバのフランクとウエルとが、前記内装ケーシングの前記底壁に向かって幅が狭くなるテーパ状の輪郭を画定することを特徴とする、請求項1
または2に記載のガスフライヤ。
【請求項4】
前記ウエル角が約8度で、前記フランク角が約19度であることを特徴とする、請求項
3に記載のガスフライヤ。
【請求項5】
前記下部側壁パネルが、前記ウエルの頂部におけるウエル幅と、前記ウエルの底部における底壁幅とを画定するように互いに離間して配置され、前記ウエル幅が前記底壁幅の寸法の少なくとも1.3倍であることを特徴とする、請求項1~
4のいずれか一項に記載のガスフライヤ。
【請求項6】
前記ウエル幅が、前記底壁幅の寸法の少なくとも1.6倍であることを特徴とする、請求項
5に記載のガスフライヤ。
【請求項7】
前記下部側壁パネルが、前記ウエルの頂部におけるウエル幅を画定するように互いに離間して配置され、前記下部側壁パネルはまた、前記中央側壁パネルと前記底壁との間の垂直方向のウエル深さを画定し、前記ウエル深さが前記ウエル幅の寸法の1.5倍以下であることを特徴とする、請求項1~
6のいずれか一項に記載のガスフライヤ。
【請求項8】
前記フライポットが、前記調理チャンバの前記ウエルと連通する排出ポートをさらに含み、前記排出ポートが、前記底壁に接続され、略垂直に配向されていることを特徴とする、請求項1~
7のいずれか一項に記載のガスフライヤ。
【請求項9】
前記下部側壁パネルのウエル角と前記中央側壁パネルのフランク角とが、前記調理チャンバ内の固形粒状物またはデブリが前記調理チャンバの前記ウエルの前記底壁に落下するように構成され、ウエル深さおよびウエル幅が、洗浄サイクルにおいて前記ウエルおよび排出ポートにアクセスするのに十分なスペースを提供していることを特徴とする、請求項1~
8のいずれか一項に記載のガスフライヤ。
【請求項10】
前記内装ケーシングが、前記前端壁と前記後端壁との間に延在して前記調理チャンバを第1および第2のサブフライポットに分離する仕切り壁をさらに含むことを特徴とする、請求項1~
9のいずれか一項に記載のガスフライヤ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のガスフライ
ヤを用いて食品を調理する方法であって、
前記ガスフライヤ(10)のフライポット(12)を調理媒体で満たすステップであって、前記フライポット(12)が前記調理媒体を受けるための調理チャンバを画定する内装ケーシング(210)を含み、前記内装ケーシング(210)が、底壁(222)と、前記底壁(222)から延びる前端壁(226)および後端壁(228)と、前記底壁(222)から延びる対向する側壁(224)と、によって画定された、フライポット(12)を調理媒体で満たすステップと、
ガスの燃焼によって熱エネルギーを発生させる少なくとも1つの赤外線バーナー(218)を作動させるステップと、
温度を上昇させるために、前記内装ケーシング(210)および前記調理媒体に、少なくとも1つの前記赤外線バーナー(218)から発生した熱エネルギーを伝達するステップであって、前記熱エネルギーの伝達は、少なくとも1つの前記赤外線バーナー(218)からの放射と、前記内装ケーシング(210)の外面(234)に沿って形成されたプレナム(238)を通って流れ、少なくとも1つの前記赤外線バーナー(218)によって加熱される空気流を使った対流と、を含み、前記フライポット(12)がまた、対向する前記側壁(224)および前記後端壁(228)の部分で前記内装ケーシング(210)に接続された複数の熱交換フィン(236)を含む、熱エネルギーを伝達するステップと、
前記食品を調理する時間、少なくとも1つの前記赤外線バーナー(218)からの熱エネルギーによって加熱された前記調理媒体中に食品を配置するステップと、
少なくとも対向する前記側壁(224)および前記後端壁(228)を横切って前記内装ケーシング(210)に、少なくとも1つの前記赤外線バーナー(218)からの熱エネルギーをほぼ均一に伝達するステップと、
を含んでおり、
前記内装ケーシング(210)の対向する前記側壁(224)のそれぞれが、開口部から前記調理チャンバ内に略垂直に延びる上部側壁パネル(264)と、前記上部側壁パネル(264)に接続され前記上部側壁パネル(264)から角度を付けて延びる中央側壁パネル(262)と、前記中央側壁パネル(262)に接続され前記中央側壁パネル(262)から角度を付けて延びる下部側壁パネル(260)と、を含み、前記内装ケーシング(210)に少なくとも1つの前記赤外線バーナー(218)からの熱エネルギーをほぼ均一に伝達する前記ステップが、
前記下部側壁パネル(260)に沿った放射および対流によって前記熱エネルギーを伝達するステップと、
前記中央側壁パネル(262)および前記上部側壁パネル(264)に沿った対流によって前記熱エネルギーを伝達するステップであって、前記熱交換フィン(236)が前記中央側壁パネル(262)および前記上部側壁パネル(264)に沿って配置され、これらの領域での対流熱伝達のための表面積を増加させている、対流によって前記熱エネルギーを伝達するステップと、
を含み、
前記中央側壁パネルおよび前記上部側壁パネルに沿った対流によって前記熱エネルギーを伝達するステップが、前記熱交換フィンの少なくとも一部を、ステンレス鋼から形成され、対向する前記側壁および前記後端壁に固定されて結合されたU字形要素に設けることによって促進されることを特徴とする食品を調理する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2016年3月17日に出願された仮出願第62/309,650号(係属中)の利益を主張し、その開示は参照によって本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本発明は、一般に、食品を調理するためのオイルフライヤ(油揚器)、特に、フライヤの定期的な保守を改善し、熱エネルギーをフライヤの調理媒体に効率的に伝達するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
油性フライは、家禽、魚、ジャガイモ製品などの広範な食品の調理方法として一般に使用されている。商業上のフライヤは、油または固形油脂などの調理媒体で満たされた1つまたは複数のフライポット(調理チャンバとも呼ばれる)を含む。加熱は、典型的には、調理媒体に浸漬された電気加熱エレメント、またはフライポットの壁を通って調理媒体に熱的に結合されたガスバーナーを使用して、調理媒体にもたらされる。調理媒体が予め設定された調理温度に達すると、調理媒体からの熱によって食品が調理される所定の時間、調理媒体内に調理物が置かれる。食品の挿入および取り出しを容易にするために、典型的には、食品はワイヤバスケットのような容器の内部に置かれ、容器は、所定の時間、調理媒体内に降ろされる。
【0004】
調理媒体は通常、複数の調理サイクルに再使用され、これは異なる食品の調理サイクルを含み得る。しかしながら、調理媒体は経時的に劣化する。この劣化は、調理される食品によって放出される粒子による汚染、熱、酸化、および食品との反応による化学的劣化に起因し得る。さらに、食品粒子が調理媒体中に蓄積すると、食品粒子の風味特性が調理媒体内に染み込む可能性が生じる。この染み込みは、調理された食品の品質に悪影響を与える可能性がある。少なくともこれらの理由から、調理媒体はときどき交換および/または濾過されなければならない。同様に、調理チャンバ自体も、より多くの調理サイクルのために、濾過された又は新たな調理媒体を調理に戻す前に、調理チャンバの表面上に残っている粒状物(ひび割れ、くず、及び/又は小さな食品片)やデブリを除去するために定期的な洗浄を必要とすることがある。
【0005】
調理チャンバの内面の手作業による洗浄は、通常、ガスフライヤの従来の設計では困難である。この目的のために、ガス加熱されたフライヤは、典型的には、調理媒体の温度を制御するため、熱エネルギーをもたらすために調理チャンバの外側に配置されなければならないバーナーのサイズに少なくとも部分的に基づいて、所定の内部形状を画定する。典型的な従来のガスフライヤの一例を
図17に示す。このフライヤ800は、対向する側壁804および端壁によって画定された調理チャンバ802を含む。調理チャンバ802は、加熱された調理媒体によって調理される食品の容器を受け入れる大きな上部802aと、上部802aから延びて狭められた下部802bとを有する。下部802bは、ガス加熱エレメント806が、調理チャンバ802の外側の対向する側壁804に沿って取り付けられるようなサイズである。下部802bに含まれる油または調理媒体は、フライヤ800の動作中に熱エネルギーを上方の調理チャンバ802の残りの部分に運ぶのを助ける。
【0006】
しかしながら、下部802bは熱交換の有効性のために寸法決めされているが、この幾何形状のおかげで、トップ開口部から調理チャンバ802に到達するときにそのような細長い領域の洗浄が非常に困難になる。フライヤ800は、しばしば、ダウンタイム(不使用時間)を減少させるためにまだ熱いうちに洗浄され、下部802bの狭い幾何学的形状は、高温であり得る側壁804とのユーザ接触をもたらし得る。さらに、フライヤ800のドレン(drain)は、典型的には水平に向けられ、下部802bの一番底に位置しており、このような位置決めによって、特にフライヤ800がまだ熱いときにドレンをきれいにすることが困難になる。したがって、特殊な設備を設けることなくこれらの領域を徹底的に洗浄することは困難であり、洗浄が容易でないと、フライヤ内に粒状物や残渣が残ることがあり、将来の調理サイクルにおいて上述した悪影響を引き起こす。
【0007】
さらに、これらの従来の設計で使用されるガス加熱エレメントのサイズおよび構成は、しばしば、「ホットスポット」、例えば他の領域よりもはるかに高温の調理チャンバの領域の発生をもたらす。これらのホットスポットは、調理媒体への非常に不均一な熱伝達を導き、これは調理媒体のより速い劣化に寄与することが知られている。したがって、従来のガスフライヤの設計は、調理媒体のより頻繁な交換を必要とする傾向があって、フライヤを操作するコスト効率を低下させていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、フライヤに使用される調理媒体の寿命を改善するのを助ける1つ以上の特徴を備えた調理チャンバまたはフライポットを提供することが望ましい。より具体的には、フライヤにおける調理作業中の熱交換の均一性を改善する一方で、チャンバの定期的な洗浄をより容易にすることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの例示的な実施形態では、食品を調理するために加熱される調理媒体を受けるように構成された調理チャンバを画定する内装ケーシングを備えたフライポットを含むようにガスフライヤが提供される。内装ケーシングは、底壁と、底壁から延在する前後端壁と、前端壁および後端壁に接続されかつ底壁から延びる対向する側壁とを含む。フライポットは、内装ケーシングの外面の周りの空気流のためのプレナムを画定するために、いくつかの位置で内装ケーシングから離間した外装ケーシングを含む。フライヤはまた、対向する側壁および後端壁の部分で内装ケーシングに接続された複数の熱交換フィンを含み、熱交換フィンは、内装ケーシングと外装ケーシングとの間に延在し、空気流のための流路をプレナムに形成する。フライヤは、フライポット内の調理媒体を加熱するためにガスの燃焼によって熱エネルギーを発生させる少なくとも1つの赤外線バーナーをさらに含む。赤外線バーナーからの熱エネルギーは、放射によって内装ケーシングに伝達され、また、赤外線ヒーターによって加熱されるプレナムを通る空気流に基づいて内装ケーシング内への対流によって伝達される。さらに、複数の熱交換フィンは、空気流を案内して、少なくとも対向する側壁および後端壁を横切って内装ケーシングおよび調理媒体に熱エネルギーを伝達するような構成で配置される。均一な加熱は、有利には、調理媒体を分解し、さもなければその寿命を短縮する可能性がある調理媒体内の高温のホットスポットの形成を回避する。
【0010】
本発明の別の実施形態では、食品を調理するためのガスフライヤは、フライポットと、熱エネルギーを生成する少なくとも1つの赤外線バーナーとを含む。フライポットは、食品を調理するために加熱される調理媒体を受け入れるように構成された調理チャンバを画定する内装ケーシングを含み、内装ケーシングは、底壁と、底壁から延びる対向する側壁とを含む。対向するそれぞれの側壁は、開口部から調理チャンバ内にほぼ垂直に延びる上部側壁パネルと、上部側壁パネルに接続され上部側壁パネルから斜めに延びて調理チャンバのフランク(flank)を画定する中央側壁パネルと、中央側壁パネルに接続され中央側壁パネルから斜めに延びて調理チャンバのウエル(well)を画定する下部側壁パネルと、をさらに含む。下部側壁パネルは、ウエル角(well angle)によって垂直方向から傾斜しており、中央側壁パネルは、水平方向からフランク角(flank angle)で傾斜している。ウエル角およびフランク角は両方とも、鋭角であって、その結果、調理チャンバのフランク(脇腹部)およびウエル(井戸部)が、底壁に向かって幅が狭くなるテーパ形状を画定する。したがって、ウエル頂部のウエル幅は、ウエル底部の底壁の幅よりも大きいので、ウエルおよび調理チャンバがそのプロセスが必要とされるときに洗浄するアクセスおよび可視性が向上する。
【0011】
さらなる実施形態では、食品を調理する方法が提供される。この方法は、外面に設けられた複数の熱交換フィンによって支援される対流による放射および対流を介して、少なくとも1つの赤外線バーナーからフライポットへの熱エネルギーのほぼ均一な伝達を含む、上述したフライヤと類似の特徴を含む。
【0012】
フライポットの外部に設けられた熱交換特徴と、内装ケーシング内の壁の角度付けおよび輪郭とは、まとめていくつかの利点をもたらす。これに関して、ウエルのより浅い深さとテーパ状の設計は、洗浄のためのより容易なアクセスと、洗浄が容易な垂直排出ポートの使用を可能にし、使用される必要のある赤外線バーナーのサイズおよび空気流を減少させる。調理チャンバのこれらの部分におけるより浅い深さのおかげで、調理チャンバは、全体的に少ない調理媒体を収容する。さらに、固形の粒状物および他のデブリが、下部および中央の側壁などの加熱された表面に付着して燃焼するのではなく、内装ケーシングの形状によって底壁に沿って移動してフランクの底部に移動するように推奨される。このような焼けたクラムやパチパチ燃焼の低下が、調理媒体の使用可能寿命を増加させる。さらに、プレナムや熱交換フィンを通る空気流と組み合わされたより小さいバーナーの使用が、熱交換を広げて、フライポットの外面のかなりの部分にわたって全体的に均一にする。この均一な熱交換は、調理媒体を制御された均一な方法で加熱し、調理媒体の品質を急速に低下させる可能性のある過熱(overheating)およびホットスポットを回避する。組み合わせると、より均一な加熱および粒状物のより簡単な洗浄/除去によって可能となる調理媒体の全体的な容積の減少や調理媒体の寿命の増加は、集合的に、従来のフライヤ設計と比較して調理媒体の使用の減少をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の様々な追加の特徴および利点は、添付の図面と関連させた1つまたは複数の例示的な実施形態に関する以下の詳細な説明を検討することによって、当業者にはより明らかになるであろう。添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成するものであって、本発明の1つ以上の実施形態を示し、上述した一般的な説明および以下の詳細な説明と共に、本発明の説明に役立つものである。
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態によるガスフライヤの上面斜視図で、ガスフライヤは、調理チャンバを画定する2つのフライポットを含む。
【
図2】
図1のフライヤの概略的な概要図であって、複数のフライポット、濾過/再循環システム、およびコントローラが示されている。
【
図3】外側に配置された熱交換機構を示すために、
図1のフライヤの外装ケーシングから取り外されたフライポットの1つを示す正面斜視図である。
【
図5】
図4のフライポットの部分分解斜視図であって、フライポットの内装ケーシングの外面に取り付けられた複数の熱交換フィンが露出される。
【
図6】
図3のフライポットのフロント部の断面斜視図であって、送風機と加熱エレメントとの間の空気流路を明らかにするために、フライポットの外装ケーシングの下の位置で切った横断面である。
【
図7】
図6と同様の断面斜視図であって、フライポットの中央部分に沿って切った横断面である。
【
図8】
図3のフライポットの背面斜視図であって、外装ケーシングを取り外して、熱交換フィンおよび内装ケーシングのさらなる詳細を示している。
【
図9】
図3のフライポットの側断面図であって、
図4の断面線9-9に沿って切られている。
【
図10】
図9のフライポットの正面断面図であって、
図4の断面線10-10に沿って切られている
【
図11】
図10と同様のフライポットの正面断面図であって、しかしながら、外装要素を大部分取り外して、調理チャンバを画定する内装ケーシングの追加の寸法および外形を明らかにしている。
【
図12】
図1のフライヤと共に使用することができるフライポットの別の1つの実施形態を示す上部正面斜視図であって、このフライポットはスプリットバット(vat)調理チャンバを含む。
【
図13】
図12のフライポットの斜視図であって、いくつかの外部機構を取り外して、その外部に沿って熱交換特徴を明らかにしている。
【
図14】
図13のフライポットの背面斜視図であって、熱交換フィン及び内装ケーシングの更なる詳細を示すために、外装ケーシングを取り外した状態を示す。
【
図15】
図12のフライポットの正面図であって、外装要素がほとんど取り外されて、調理チャンバを画定する内装ケーシングの輪郭形状を明らかにしている。
【
図16】
図12のフライポットの中央部分の断面斜視図である。
【
図17】従来のガスフライヤのフライポットの正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態は、フライヤおよびフライヤを制御する方法に関し、特に、フライヤの操作効率を改善するとともに、フライヤ内で使用される調理媒体の寿命を改善することに関する。この目的のために、すべての実施形態におけるフライヤの調理チャンバは、熱源と調理媒体との間の均一な熱交換を促進するのを助けるために、その外側に沿っていくつかの熱交換要素を備えるように設計される。さらに、フライヤと共に使用される特定の熱交換要素は、調理媒体の使用を最少にするように構成された、調理チャンバの内部プロファイルおよび形状の再設計を可能にする一方で、手動での深部清浄化が定期的に必要な場合にも洗浄が容易である。本明細書に記載された実施形態によるフライヤは、調理チャンバからの粒状物やデブリの洗浄の信頼性を改善し、調理サイクル中の均一な加熱を保証することによって、調理媒体の使用可能な寿命を最大化し、これにより従来のフライヤ設計よりも効果的な動作をもたらす。
【0016】
図面、特に
図1を参照すると、本発明の一実施形態による例示的なフライヤ10が示される。フライヤ10は、フライポット12、14(本明細書では調理チャンバとも呼ばれる)、キャビネット16、制御パネル18、20、アクセスパネル22、24、車輪26、バスケットハンガー28、およびバックスラッシュ30を含む。フライポット12、14、キャビネット16、アクセスパネル22、24、バスケットハンガー28、およびバックスラッシュ30の各々は、ステンレス鋼、軟鋼、または他の何らかの適切な材料から構成され得る。それぞれのフライポット12、14は、それぞれの開口部13、15を有し、それを介して食品はフライヤ10内に入れられる。
【0017】
食品を含むバスケットをフライポット12、14内に降下させることによって、食品をフライポット12、14内に配置することができる。調理サイクルの完了時に、バスケットをフライポット12、14から取り出してバスケットハンガー28から吊り下げ、余分な調理媒体がフライポット12、14内に流れて戻る。フライポット12、14のそれぞれは、フライヤ10を操作するためのヒト機械間のインタフェースを提供する制御パネル18、20のうちの対応する1つに関連付けられ得る。制御パネル18、20は、オペレータからの指令を受け、フライヤ10の状態をオペレータに知らせることができる。アクセスパネル22、24は、例えば、フライヤ10のコンポーネントにサービスを提供するために、キャビネット16の内部へのアクセスを提供することができる。
【0018】
例示的なフライヤ10は、フライポット12、14ごとに別々の制御パネル18、20を有するものとして示されている。しかし、1つの制御パネルを複数のフライポットを制御するように構成することができ、本発明の実施形態では、フライポットごとに別個の制御パネルを有するフライヤに限定されない。さらに、
図1には、2つのフライポットを有するガス加熱式のオープンフライヤであるフライヤ10が示されているが、本発明の実施形態は、圧力フライヤおよび/または電気加熱フライヤ、ならびに異なる数のフライポットを有するフライヤとともに使用することができることを理解されたい。
【0019】
ここで、
図2のフライヤ10の概略図を参照し、フライポット12、14に加えて、フライヤ10は、調理媒体処理システム100とコントローラ200とを含み得る。調理媒体処理システム100の要素の多く(濾過または再循環システムとも呼ばれる)は、フライヤの分野ではよく理解されているが、フライヤ10全体の環境を完全に説明するために、これらの要素のいくつかの簡単な説明が続く。それぞれのフライポット12、14は、概略的に示される加熱エレメント32、温度センサ34、充填ポート36、および、排出ポート38を含み、少なくとも部分的に調理媒体40で満たされ得る。適切な調理媒体は、植物性の油脂、動物性の油脂および/または合成(例えば、水素化)油脂を含む。本発明の加熱エレメント32は、ガス加熱エレメント(例えば、バーナーから調理媒体40に熱を伝達するガスバーナー及び熱交換器)を含む。加熱エレメント32及び他の関連する熱交換機構に関する更なる詳細は、非概略図である
図3~10を参照して以下に記載される。いずれにしても、
図2のフライポット12、14および加熱エレメント32は、再循環および濾過の配管をより詳細に示す目的での単純化された表現に過ぎない。
【0020】
調理媒体処理システム100は、排出バルブ102、104、排出マニホールド106、排出パン108、フィルタアセンブリ110、フィルタポンプ112、新鮮な調理媒体のリザーバ114、リザーバポンプ116、選択バルブ118を含み得る。選択バルブ118は、複数の入力ポート120~122と、複数の出力ポート124~127とを含み得る。コントローラ200が調理媒体処理システム100を通過する調理媒体の温度を決定することを可能にするために、温度センサ128が選択バルブ118または他の適切な位置に配置され得る。
【0021】
選択バルブ118は、1つまたは複数の入力ポート120~122を1つまたは複数の出力ポート124~127に選択的に流体結合するように構成される。この目的のために、選択バルブ118は、モータ130に結合された横方向プラグ(図示せず)を有する回転バルブを含み得る。横方向プラグを複数の所定の位置の1つに回転させることによって、モータ130が、選択バルブ118に選択された入力ポートを選択された出力ポートに流体結合させることができる。本発明の別の実施形態では、選択バルブ118は、コントローラ200からの信号に対応して所望の選択的な流体結合を提供するように構成されたバルブの組立体(アセンブリ)を含み得る。この別の実施形態では、選択バルブ118は、マニホールドに接続された複数のバルブを含み得る。
【0022】
フィルタポンプ112およびリザーバポンプ116はそれぞれ、ポンプの吸入側の入口132、134と、ポンプの圧力側の出口136、138とを含み得る。フィルタポンプ112の入口132は、フィルタアセンブリ110によって排出パンに流体結合されてもよく、フィルタポンプ112の出口136は、選択バルブ118の入力ポート120に流体結合されてもよい。フィルタポンプ112を作動させると、調理媒体40は、排出パン108からフィルタアセンブリ110を介して引き出され、選択バルブ118に供給される。選択バルブ118は、濾過された調理媒体40を再利用のためにフライポット12、14のうちの1つに、さらに/或いは、処分のために廃棄ポート140に供給される。
【0023】
図2に示す例示的な実施形態では、フィルタアセンブリ110は、フィルタポンプ112の入口132に連結されているものとして示されているが、調理媒体処理システム100は、示された構成要素の特定の配置に限定されないことを理解されたい。例えば、フィルタアセンブリ110は、入口132ではなくフィルタポンプ112の出口136に結合され得るので、調理媒体40が、フィルタアセンブリ110を通って引き込まれるのではなく、フィルタアセンブリ110を通って押し出される。いずれの場合も、フィルタアセンブリ110は、調理媒体40を濾過するためのフィルタを受け入れるように構成されたハウジングを含み得る。調理媒体40を洗浄するための濾過サイクルの定期的な使用は、調理媒体40の消費を低減し、フライポット12、14に高温濾過された調理媒体40をもたらすことによって、フライヤ10の利用可能性を高めることができる。
【0024】
リザーバポンプ116の入口134は、リザーバ114に流体結合され、リザーバポンプ116の出口138は、選択バルブ118の入力ポート121に流体結合され得る。リザーバポンプ116の作動は、媒体40をリザーバ114から引き出して選択バルブ118に供給する。選択バルブ118は、新しい調理媒体40をフライポット12、14のうちの1つに供給して、調理媒体40を再充填または補充する。充填ポート142は、選択バルブ118の入力ポートに結合されて、リザーバ114への調理媒体40の追加を促進する。調理媒体処理システム100は、調理媒体40がフライポット12、14から選択バルブ118への逆流、或いは、選択バルブ118からフィルタポンプ112のリザーバポンプ116または充填ポート142のいずれかへの逆流を防止するチェックバルブ143~147をさらに含み得る。
【0025】
コントローラ200は、それぞれのフライポット12、14の加熱エレメント32および温度センサ34と、排出バルブ102、104と、フィルタポンプ112と、リザーバポンプ116と、選択バルブ118の温度センサ128およびモータ130と通信することができる。コントローラ200は、フライヤ10のこれらの構成要素に信号を送信、且つ、これらの構成要素から信号を受信することによって、フライヤ10の様々な調理および保守サイクルを制御することができる。コントローラ200はまた、制御パネル18、20に結合されて、フライヤ10の操作者に操作情報をもたらし、フライヤ10の操作者からの入力を受け取ることができる。コントローラ200は、それぞれの加熱エレメント32を選択的に作動させることによって、それぞれのフライポット12、14内の調理媒体40の温度を制御することができ、さらに、選択バルブ118の排出バルブ102、104、フィルタポンプ112、リザーバポンプ116、およびモータ130を選択的に作動させることによって、調理油の濾過および追加を制御することができる。
【0026】
図3~11を参照すると、調理チャンバを画定するフライポット12の1つがさらに詳細に示されている。フライポット12は、内装ケーシング210と、外装ケーシング212とを含み、
図5では、外装ケーシング212が内装ケーシング210とは別に分解されて示されている。内装ケーシング210は、調理サイクルのために加熱されるべき調理媒体40を受け入れる調理チャンバを画定する。以下でさらに詳細に説明するように、内装ケーシング210は、チャンバを集合的に構成する側壁、端壁、および底壁によって画定され、洗浄が容易で調理媒体の使用を最小限にする。この実施形態による外装ケーシング212は、最も外側のケーシングパネル214と、このケーシングパネル214と内装ケーシング210との間に配置され、それらの間に配置された空気プレナムケーシングパネル216とによって画定される二重壁構造で形成される。以下でさらに説明するように、空気プレナムケーシングパネル216および内装ケーシング210は、赤外線バーナー218(前述した加熱エレメント32として機能する)からの熱エネルギーを内装ケーシング210およびフライポット12内の調理媒体に伝達する強制空気が流れる空気流路を集合的に囲んでいる。しかしながら、外装ケーシング212の特定の構造は、本発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態において変更され得ることが理解されるであろう。
【0027】
連続する
図3~
図5に示すように、フライポット12の内装ケーシング210は、特に、底壁222(以下に説明する断面まではっきりと見えない)と、底壁222から上方に延びる対向する側壁224と、底壁222から対向する側壁224の間に上方に延びて、調理チャンバを実質的に囲むようになっている前端壁226および後端壁228と、によって画定される。対向する側壁224は、この実施形態では互いに実質的に同一の鏡像であって、対向する側壁224の各々は、調理チャンバを底壁222に向かって内向きに先細りさせるように角度付けされた複数の側壁部分を含む。
図1を参照して前述した調理チャンバ内の開口部13は、対向する側壁224の頂部と前端壁226および後端壁228の頂部とに沿って画定されており、開口部13が調理チャンバの最大部分であることは容易に理解される。調理媒体40に加えて、内装ケーシング210は、本発明の範囲から逸脱することなく、(調理媒体内の所定位置に食品のワイヤバスケットを保持するのに有効な)ラック230のような追加の要素を受け入れることができる。要するに、このフライヤ10の調理チャンバを画定する内装ケーシング210は、その上面または底面から見たときに略長方形を形成し、これによって、内装ケーシング210に対する外装ケーシング212の構成および組み立てが簡単になる。
【0028】
内装ケーシング210の様々な要素は、調理チャンバ内の調理媒体に向かって面する内面232と、フライヤ10の外部キャビネット16に向かって外向きに面する外面234(
図3~
図5には示されていない)とを集合的に画定する。複数の熱交換フィン236が、外面234に結合され、内装ケーシング210によって画定された調理チャンバの周囲の実質的な部分の周りの加熱された空気流のための通路をもたらす。より具体的には、対向する側壁224および後端壁228は、溶接されているか、さもなければその外面234にしっかりと固定されている熱交換フィン236を有する。熱交換フィン236およびその通路の具体的な構成および機能は、以下でさらに詳細に説明されるが、一般に、これらの熱交換フィン236は、IRバーナー218からの加熱された排気空気とフライポット12内の調理媒体40との間の均一な熱交換の推進に役立つ。さらに、内装ケーシング210による調理チャンバ内に画定された特定のプロファイルおよび寸法は、少なくとも
図11を参照してさらに詳細に説明される。
【0029】
内装ケーシング210をある程度詳細に説明したので、
図3~5に詳細に示す次の要素は、外装ケーシング212の空気プレナムケーシングパネル216である。空気プレナムケーシングパネル216は、内装ケーシング210の対向するそれぞれの側壁224および後端壁228に沿って延びるように示されている。この目的のために、空気プレナムケーシングパネル216は、これらの要素に画定された外面234に沿って配置された熱交換フィン236の最も外側の端部と係合するかまたは隣接するように取り付けられる。その結果、内装ケーシング210の周りの空気流のためのギャップまたはプレナム238が、空気プレナムケーシングパネル216と、対向する側壁224および後端壁228の対応する部分との間に画定される。この「プレナム」238は、内装ケーシング210と空気プレナムケーシングパネル216との間に効果的に閉じ込められ、後端壁228に沿って配置された空気プレナムケーシングパネル216に結合された排気チムニ240を介して排出される前に、システムを通る空気流が、内装ケーシング210に隣接する所望の位置に維持される。典型的には、排気チムニ240は、レストランの設定において典型的であるように、高温の排気を換気フードまたはフライヤ10の上に位置する他の換気システムに供給するように配置される。より具体的には、この実施形態では、使用中にオペレータを配置することができるフライヤ10の前端付近のような望ましくない場所での熱い排気を避けるために、プレナム238からの流出口のみが排気チムニ240に配置される。
【0030】
同様に、プレナム238への入口は、対向する側壁224に沿って配置された空気プレナムケーシングパネル216に取り付けられたIRバーナー218の出口(図示せず)によって画定される。それぞれの空気プレナムケーシングパネル216は、ネジ留め具などによって、内装ケーシング210の対応する部分に取り外し可能に取り付けられる。したがって、空気プレナムケーシングパネル216上に取り付けられたIRバーナー218を有することによって、これらのケーシングパネル216の内装ケーシング210への接続は、IRバーナー218をその下端の対向する側壁224に近接した正確な位置に自動的に位置決めする。より詳細には、IRバーナー218は、対向する側壁224から小さな隙間に配置され、この隙間は、その入口端でプレナム238によって画定される。この配置により、対流だけでなく放射によって熱エネルギーが調理媒体40に伝達される。IRバーナー218は、本発明の範囲から逸脱することなく、別の実施形態において、別個に取り付けられるか、或いは、別の方法で所望の位置に設けられ得ることが理解される。
【0031】
IRバーナー218は、これらの図に示すように空気プレナムケーシングパネル216に設置された市販の加熱エレメントであってもよい。IRバーナー218は、殆どの従来のガス加熱フライヤ設計(又はWCF又はタイルバーナのような代替)と比較してより小さいサイズ及びより高密度のワット数であることで有利であるが、調理作業のための調理媒体40への十分な熱エネルギー移動は、IRバーナー218の配置およびプレナム238を通る空気流によって可能となり、これによって、内装ケーシング210の外面234のいくつかの主面にわたってほぼ均一な熱交換が生じる。この目的のために、本出願に開示されたフライヤ10及びフライポット12の設計における有利な新機能とともに使用できるのは、これらの図面に示されたIRバーナー218の特定の構成に限定されない。同様に、IRバーナー218の特定の動作は、この技術分野でよく理解されているものと同じなので、ここでは詳細には説明しない。
【0032】
図3~
図5はまた、最も外側のケーシングパネル214をさらに詳細に示している。空気プレナムケーシングパネル216と同様に、最も外側のケーシングパネル214は、内装ケーシング210の対向するそれぞれの側壁224および後端壁228に沿って配置される。最も外側のケーシングパネル214はまた、ネジ留め具などによって内装ケーシング210の対応する側面に取り外し可能に固定される。最も外側のケーシングパネル214は、一般に、空気バーナー218を通って流れる加熱空気の流れを受ける区域からのさらなる隙間を設けるように、空気プレナムケーシングパネル216から間隔を置かれている。このために、最も外側のケーシングパネル214は、フライポット12のより熱いゾーンまたはコンポーネントを、フライヤ10のキャビネット16内の他のコンポーネントから隔離するのに役立つ。最も外側のケーシングパネル214は、一般に、空気流路またはプレナム238の一部を形成しないため、フライポット12に設けられた主要な熱交換機構および要素からいくらか隔離されている。これらの最も外側のケーシングパネル214は、フライポット12の残りの部分と同じ種類の材料(例えば、ステンレス鋼など)から形成されるか、あるいは代替的に、本明細書に記載される実施形態の範囲から逸脱することなく、絶縁材料または他の何らかの材料から形成され得る。
【0033】
例えば、
図3に示すように、フライポット12およびその構成要素は、コントローラ200および様々なコードおよび導管によって電気エネルギーの供給源(またはIRバーナ218の場合にはガス)に結合され、そのいくつかはこの図に示されている。しかしながら、これらの要素は、従来のものであると十分に理解されているので、ここではさらに詳細には説明しない。
【0034】
図3に示すように、送風機244は、前端壁226の領域に隣接するように、フライポット12の外側に取り付けられ得る。送風機244は、典型的には、IRバーナーおよびプレナム238を介して移動する空気流を生成するモータ駆動ファン要素であって、外面234の大部分の周りの対流によって熱エネルギーを拡散させるのを助ける。予想されるように、送風機244は、外装ケーシング212に沿って、またはフライポット12の他の部分に沿って設置された市販の装置である。もちろん、送風機244の特定のタイプおよび配置、さらには送風機の数は、プレナム238を通る空気流を生成するために設けられた何らかの機構が存在する限り、他の実施形態では変更され得る。
【0035】
空気流を外面234の周りに導くための、上述したプレナム238およびコンポーネントの追加の特徴は、
図6~
図10にさらに詳細に示されている。この目的のために、
図6は、調理チャンバの下端の前端壁226の外側で、フライポット12のフロント部で切った部分断面図を示す。送風機244によって生成されて入ってくる空気流は矢印246で示され、この空気流は分流し、送風機244とIRバーナー218との間で前端壁226に沿って配置された前部ケーシングパネル要素250によって規定される給送プレナム248の2つのブランチ(枝分れ)内に移動する。供給プレナム248を通るこの更なる空気流は、
図6の矢印252で示される。供給プレナム248から、供給プレナム248と連通するIRバーナー218の入口254内に空気流が継続する。記載された実施形態では、単一の送風機244が、対向する側壁に沿ってIRバーナー218およびプレナム238に空気流を供給するように構成されているが、本発明の他の実施形態では、個々のIRバーナー218および側面に流れを発生させるために別個の送風機を設けてもよいし、接続してもよいことが理解されよう。
【0036】
IRバーナー218の入口254を通って供給された空気流の一部または全部を燃焼プロセスで使用して、フライポット12内の調理媒体40に伝達される熱エネルギーを生成することができる。特定の内部要素およびIRバーナー218の動作上の特徴は、これらの図には示されていない。次にフライポット12の中央部分で切った断面図を示した
図7を参照し、IRバーナー218を出るときの空気のさらなる流れをさらに詳細に明らかにする。これに関して、内装ケーシング210、最も外側のケーシングパネル214、および空気プレナムケーシングパネル216は、この断面において完全に組み立てられた状態で示され、熱交換フィン236と外面234の周りに画定されたプレナム238との両方を示すのに役立つ。
【0037】
IRバーナー218からの空気流または燃焼生成物は、その底部において内装ケーシング210に面するように向けられた出口256を介して排出される。空気流はプレナム238の入口端部に入り、対流によって熱エネルギーを運び始め、内装ケーシング210を通って調理媒体40に伝達される。
図7はまた、最初に底壁222と、調理チャンバの輪郭と輪郭を画定する対向する側壁224の部分とを示す。より具体的には、対向するそれぞれの側壁224は、底壁222に接続してこれから上向きに延びる下部側壁パネル260と、底壁222から反対側の端部で下部側壁パネル260に接続してこれから延びる中央側壁パネル262と、下部側壁パネル260から反対側の端部で中央側壁パネル262に接続してこれから延びる上部側壁パネル264とを含む。中央側壁パネル262は、図示されるように下部側壁パネル260および上部側壁パネル264のそれぞれから角度付けされ、これらの対向する側壁224によって画定される例示的な角度およびサイズについては、以下でさらに詳細に説明する。プレナム238に入る空気は、外面234の対応する部分に対して、上方に移動して中央側壁パネル262および上部側壁パネル264に沿って長手方向に移動する前に、下部側壁パネル260の外側に沿って流れ始める。特定の流れは、この実施形態では、中央側壁パネル262および上部側壁パネル264に沿ってのみ配置される熱交換フィン236の向きおよびレイアウトによって案内される。これらの対向する側壁224に沿った流れは、調理媒体40の全体的に均一な加熱がフライポット12内で生じるように、外面234に沿って熱エネルギーをほぼ均一に広げるように構成される。
【0038】
上述したように、IRバーナー218の出口256は、対向する側壁224の下部側壁パネル260に面するように配向されている。さらに、IRバーナー218の空気プレナムケーシングパネル216への取り付けは、これらの出口256を下部側壁パネル260に略平行に配向させる。下部側壁パネル260の対応する表面の実質的に全体が赤外線で直接照射できるように、出口256はできるだけ大きく設計されている。その結果、放射と空気に基づく対流とによって放出される熱エネルギーは、両方の下部側壁パネル260の全体に亘って広がり、それによって、そうでなければこれらの要素の非平行配置または非間隔配置で起こり得るホットスポットの形成を回避する。下部側壁パネル260および/または外面234の他の部分は、IRバーナー218によって放出されたエネルギーの均一な熱伝達および抽出をさらに促進するのを助ける赤外線吸収塗料でさらに塗装され得る。これらの下部側壁パネル260は、対流または空気流に基づく熱伝達のいくらかの小さな部分を受けるが、熱交換の大部分はIRバーナー218からの直接放射であり、IRバーナー218からの放射は再び下部側壁パネル260のほぼ全体に沿って発生する。
【0039】
次に、
図8では、熱交換フィン236の特定の配置およびプレナム238を通る空気の流れがより詳細に示されている。上述したように、熱交換フィン236は、この実施形態では中央側壁パネル262および上部側壁パネル264に沿ってのみ設けられ、外面234のこれらは、IRバーナー218からの放射出力を介して赤外線エネルギーを直接的にはほとんど受けない領域である。熱交換フィン236はまた、後端壁228に沿って、対向する側壁224と後端壁228との間のコーナー部に配置される。プレナム238内の空気流を分割し、それを排気チムニ240への入口に隣接する出口領域に送達する空気プレナムケーシングパネル216と内装ケーシング210との間の流路または流路を複数の熱交換フィン236は効果的に規定するが、これは
図8には示されていないが、この図のフロー(矢印266)が終了するところに位置される。空気プレナムケーシングパネル216がそれぞれの熱交換フィン236の外部端部と接触してプレナム238の端部から端部へ流れを案内し、そのようなパネルがない場合(およびこのようなパネルがない
図8の簡略化した図に示されているように)のように、加熱された空気が内装ケーシング210から逃げることができないことは理解されよう。
【0040】
この実施形態におけるフライポット12の熱交換フィン236は、U字形の底面が内装ケーシング210に直接接触して接続されたU字形断面の材料片により大部分が画定されている。U字形の対向するアームは、内装ケーシング210と空気プレナムケーシングパネル216との間に延在するように、内装ケーシング210に対して略垂直方向に直接外側に延在する。このような要素は、内装ケーシング210に対して固定状態にスポット溶接することができ、またはこれらの要素はU字形の底面にファスナーで内装ケーシング210に結合することができる。熱交換フィン236の追加の部分は、内装ケーシング210と1つの縁部に沿って接続点から単に突出する略平坦なフィン状要素によって画定される。このような平面状のフィン状要素は、例えば、U字形要素を曲げてこれらのコーナー結合部の周りを移動することが困難な場合があるので、対向する側壁224と後端壁228との間のコーナー接合部で使用することができる。
【0041】
熱交換フィン236のために選択される特定タイプのフィン形成構造にかかわらず、空気流からフライポット12の本体内への熱伝達のための付加的な表面積が提供されるように、これらのフィン236は、約0.063インチ(0.16cm)の厚さを有する304または441ステンレス鋼のような金属材料から形成され得る。この目的のために、熱交換フィン236は、プレナム238内の空気流を導くとともに、直接的な赤外線放射を提供しないゾーン(例えば、下部側壁パネル260)における熱交換のための表面積を増加させる。この目的のために、熱交換フィン236を設けることは、これらの部分における対流空気に基づく熱伝達を、下部側壁パネル260での対流および輻射熱交換によってほぼ均一にするのに役立つ。他の実施形態では、熱交換フィン236は、他の材料から形成されてもよく、またはセラミック材料によって部分的にコーティングされてもよい(または加熱されたガスを適切な量の熱伝達を供給するのに十分な長さのセラミックを含むように作成する)。熱交換を外面234の大部分にわたって均一にすることに加えて、フィン236を設けることによって、IRバーナー218を従来の設計(前述したように)よりも小さくかつより多くの熱密度で作ることができる。
【0042】
この実施形態の熱交換フィン236は、中央側壁パネル262の両方に沿って略垂直方向に延び、空気流を略垂直方向(中央側壁パネル262の輪郭に沿って)に移動させる。これは
図8に示されているが、
図9および
図10にもっと明確に示されている。上部側壁パネル264に沿った熱交換フィン236の一部分もまた、この同じ垂直方向に延びるが、これらのパネルに沿った熱交換フィン236の別の部分は、略水平方向に延在する。したがって、プレナム238内の空気流が、上部側壁パネル264上の熱交換フィン236で画定された通路に沿って上方に移動すると、空気流は最終的に遭遇し、方向転換によって長手方向の後方向に流れるように向け直される。次いで、空気流は、対向する側壁224と後端壁228との間のコーナー接合部まで概ね水平な流れで移動し続ける。熱交換フィン236は、コーナー接合部の周りおよび後端壁228上を継続して、排気チムニ240に向かって空気流を略水平に案内し続ける。
【0043】
図8および
図10に示すように、後端壁228に沿ったフィン236は、フライポット12のこの領域に沿って後端壁228の増加する表面積に対応するように、それらの長さに沿って互いにわずかに外側に拡大または広がる。したがって、フィン236の間の通路は、後端壁228の長さに沿ってサイズがわずかに拡大し、対応する空気流は、これらの通路に沿って水平および僅かに下方する。熱交換フィン236の間のこれらの通路の拡大する寸法は、プレナム238のこれらの領域が最小の流れ断面積を有するため、コーナー結合部における最大の流動狭窄点である追加の設計特徴ももたらす。その流れ横断面は、プレナム238の全体を通る燃焼ガスおよび加熱された空気の速度および流れを制御し、したがって、内装ケーシング210の側面および後面に対し全体的に均一な加熱のために所望の空気流をもたらすように選択される。また、流れ横断面は、ブロア244と排気チムニ240との間の流れを介して低い圧力降下が生じるように選択される。低い圧力降下は、システムのために低い容量またはサイズの送風機244の使用を可能にし、同時に、加熱された空気および燃焼ガスがプレナム238から漏れる可能性を低減する。要約すると、熱交換フィン236およびプレナム238を通る流路の設計は、高いエネルギー効率を有するIRバーナー218からの均一な熱伝達を可能にする(したがって、調理媒体側で高い温度および均一性を可能にする)一方、また、空気流の最小限の圧力降下を使用しており、両方ともフライ設計において望ましい。
【0044】
フライポット12の外側部分を通る空気流の動き(および燃焼ガスの動き)を示す追加の流れ矢印268を示すことに加えて、
図9および
図10は、熱交換フィン236の配置および向きをさらに規定するために、熱交換フィン236の外観を示している。これらの図はまた、前端壁226および後端壁228ならびに底壁222から上方に延びる対向する側壁224を含む、内装ケーシング210を画定する壁の詳細な輪郭も提供する。想定されるように、内装ケーシング210の内部には、中央側壁パネル262および上部側壁パネル264に沿って配置された上部チャンバ部分272と、下部側壁パネル260に沿って配置された下部チャンバ部分274とが有効に含まれる。上部チャンバ部分272は、例えば、調理される食品のバスケットを受領する寸法である一方、下部チャンバ部分274は、既に詳細に説明した放射および対流からの効果的な熱伝達のために、最小量の調理媒体40を受け入れるように構成されている。下部チャンバ部分274はまた、排出ポート38が配置される場所であるので、この小さな領域でフライヤ10からの取り出しのために任意の粒状物またはデブリが収集される。均一な熱伝達およびこれらのチャンバ部分のサイジングによって、使用する調理媒体40の量を最小限に抑えることができ、これは従来のフライヤ設計よりも少なく、それによってフライヤ10を動作させる全体的なコストを低減するのに役立つ。
【0045】
図9および
図10からも明らかなように、後端壁228は略垂直で平坦な構成を有するが、前端壁226は、調理チャンバの残りの部分からかなりの量水平に突出した斜めの部分を含む。前端壁226のこの延長部は、送風機244および他の構成要素をキャビネット16内に取り付けるためのスペースをもたらす一方、フライヤ10の前面とフライヤ10の加熱調理媒体含有ゾーンからそこに立っているオペレータとの間にスペースをもたらす。しかしながら、フライポット12のこれらの壁の特定のレイアウトおよび配置は、効率目的のために最小化された調理媒体の容積が使用され続ける限り(調理媒体の使用量の削減と、IRバーナー218によって生成されるエネルギーの非常に効率的な熱交換および熱抽出との両方において)、他の実施形態では、フライポット12のこれらの壁の特定のレイアウトおよび配置は変更され得ることが理解されるであろう。
【0046】
内装ケーシング210によって画定された調理チャンバの断面輪郭が、
図9および
図10に示されているが、本願の発明者によって開発された少なくとも1つの実施形態によれば、この調理チャンバ設計の有利な寸法および角度に焦点を合わせることができるように、
図11に簡略断面図が示されている。この目的のために、対向する側壁224の輪郭は、フライポット12内の油容量の使用を最小にするための全体的な大きさおよび形状を画定する一方、上述したような熱交換フィン236と組み合わせて使用される場合、内装ケーシング210の外面234の多くの大きな表面を横切ってほぼ均一な熱交換を可能にする。さらに、これらの対向する側壁224および内装ケーシング210の特定の輪郭は、一般に、フライポット12の開口部13を覗いているユーザにとって望ましい装飾的および美的外観をもたらし、これらの装飾タイプの特徴は、上述した熱交換に関連する利点および以下にさらに詳細に説明する洗浄プロセスに追加される。
【0047】
図11には、この実施形態によるフライポット12の内部ケーシング210のいくつかの例示的な寸法が示されている。これに関して、上部側壁パネル264は、略垂直にかつ互いに平行に向けられ、これらの上部側壁パネル264の間に調理チャンバの最大幅が画定さる。上部チャンバ部分272のこの幅W
UPは、例えば、約12.2インチで、この値は、フライヤ10のキャビネット16内の空間によって制限または設定され得る。これに拘わらず、WUPに対して±1.0インチの小さな変動が可能です。上述したように、中央側壁パネル262は、ほぼ垂直な上部側壁パネル264から内側に傾斜しており、下部側壁パネル260も中央側壁パネル262から角度が付けられて、調理チャンバに上から下に向かって概ねテーパ状の構成をもたらす。中央側壁パネル262は、調理チャンバの側面を形成すると考えられ、下部側壁パネル260は、調理チャンバ(本明細書では下部チャンバ部分274とも呼ばれる)のウエルを形成すると考えられ得る。
図11に示すように、中央側壁パネル262は、上部側壁パネル264から内側に延び、ウエルの上端が約2.48インチのウエル幅W
Wを画定する。次いで、下部側壁パネル260は、中央側壁パネル262からさらに内側に延び、ウエルの底端部および底壁222は、約1.5インチの底壁幅W
Bを画定する。ウエルに関連するこれらの幅W
WおよびW
Bのそれぞれに対して、約±0.25インチの小さな変動が可能であることが理解されるであろう。これらの範囲内で選択された特定の幅寸法に拘わらず、ウエル幅W
Wが底壁幅W
Bの少なくとも1.3倍であることが有利で、好ましい実施形態では、幅W
Bを有する底壁の少なくとも1.6倍である。これらの様々な幅が、内装ケーシング210内の調理チャンバのテーパ形状および輪郭を画定する。
【0048】
図11の例示的な実施形態についてもいくつかの深さが示されている。この目的のために、ウエルまたは下部チャンバ部分274は、約3.49インチのウエル深さD
Wを画定し、これはまた、図示された傾斜配向における下部側壁パネル260の垂直高さによって画定される。中央側壁パネル262は、下部側壁パネル260から上方にさらに遠くまで延びており、それにより、約4.64インチのフランク深さD
Fを画定する。このフランク深さD
Fは、底壁222から測定される(例えば、中央側壁パネル262のちょうどフランク部分の特定深さは、D
F-D
Wである)。これらの深さD
WおよびD
Fの各々は、本発明の範囲から逸脱することなく、
図11に示されるこれらの例から±0.50インチの小さな変動を含む得ることが理解されるであろう。フライポット12の全体的な深さD
POTも
図11に示され、図示された実施形態では、この全体的な深さD
POTは、約13.5インチで(上記の深さと同様の小さな変動を受ける)、この値も底壁222から測定される。上部側壁パネル264の垂直高さに関連する全体深さD
POTの部分は、調理食品の負荷や安全緩衝として提供されるサージゾーン(surge zone)の必要性に基づいて、すべてのフライヤ設計において本質的に固定される。しかし、D
Fで示されるようにフランクとウエルによって画定される深さは、
図11に示されたプロファイルと組み合わせて上述の熱交換機構の結果として、典型的なフライヤ設計よりも遥かに浅いか又は小さい。
【0049】
上記の範囲内で選択された特定の幅および深さの寸法に拘わらず、ウエルは、浅い深さで形成され、浅い深さに対するウエルの上部の相対的サイズのおかげで、洗浄のための容易なアクセスをもたらす。この目的のために、好適な実施形態におけるウエル深さDWは、ウエル幅WWの大きさの1.5倍以下である。
【0050】
上記の例示的な深さおよび幅は、下部側壁パネル260および中央側壁パネル262の垂直または水平からの角度を規定するのを助ける。下部側壁パネル260は、図示されているように垂直方向から測定して、約8度のウエル角で配向されている。中央側壁パネル262は、図示されているように水平方向から測定して、約19度のフランク角βで配向されている。これらの両方の角度は、上述したような他の実施形態において可能な深さおよび幅の小さな変化に基づいて少量だけ変化し得る。約19度のフランク角βは、垂直方向において比較的緩い傾斜であるが、この角度は、フライヤ10の作動中に固形物や粒子状のデブリを中央側壁パネル262によって画定されたフランク面から下方に流してウエル中に落ちるように促すのに十分である。約8度のウエル角αで規定され、垂直方向に対する下部側壁パネル260の非常に鋭い角度は、固形粒状物およびデブリを底壁222に隣接するウエルの最底部に落下させる傾向があり、この位置は、典型的には調理チャンバの残りの部分よりもわずかに低い温度の「低温ゾーン」であってもよい。したがって、くずや亀裂などは、下部チャンバ部分274によって画定されたウエル内で燃焼または固着する傾向がなく、濾過または掃除サイクル中にこれらの要素を排出ポート38から容易に洗い流すことができる。
【0051】
操作中にデブリまたは粒状物の流れを助けることに加えて、それによって、調理媒体40の寿命を低下させる可能性のある粒状物の燃焼を回避するために、ウエルおよびフランクの角度が追加の利点をもたらす。
【0052】
例えば、選択された角度とウエルの底部(WB)と比較したウエルの頂部(WW)における幅の増加とが、下部チャンバ部分274の視認性を向上させ、洗浄プロセス中にフライポット12の清浄表面を磨きまたはこすりに使用される手および洗浄ツールのアクセスを向上させる。上述したように、この洗浄は、洗浄のための全体的な停止時間を短縮するために、フライポット12がまだ比較的高温の間にしばしば起こり、改善された視認性および容易なアクセスによって、中央側壁パネル262および/または下部側壁パネル260の高温表面との接触をユーザが回避するのを助ける。ウエルの深さが上述したような小さな変化で修正されたとしても、これらウエル角およびフランク角を維持し、洗浄プロセスのアクセス利益を維持するために、ウエルの頂部幅もまた修正されるべきであることが理解されよう。
【0053】
さらに、ウエルの全体的に浅い深さとフランクとウエルの角度とが共に寄与して、ウエルおよびフランク(D
Fとして測定)で全体的により浅い深さを形成し、これは(例えば、上部チャンバ部分272において)従来の設計の同じ調理空間よりも少ない調理媒体容積を収容する。側面の頂部と底壁222との間の浅い深さまたは距離は、使用者が洗浄プロセス中に底壁222およびウエルに到達することを容易にし、また、
図8および
図9に示されているように、フライポット12の下のキャビネット16内にほぼ垂直な排出ポート38のための余分な空間または垂直クリアランスを許容する。この目的のために、より深いウエルを有する従来のフライヤ設計は、キャビネット16内の限られたスペースの結果として一般に水平な排出ンポート(垂直ではなく概ね水平軸に沿って配向される)を使用するが、このような水平排出ポートは、洗浄のために手や道具でアクセスするのがはるかに難しい。対照的に、本発明のフライポット12と共に使用されるほぼ垂直な排出ポート38は、ろ過または交換のために調理チャンバから調理媒体が流出するときに、粒状物およびデブリの除去を補助する重力のおかげで詰まりにくい。同様に、垂直排出ポート38は、水平排出ポートと比較して、洗浄が必要な場合に、より容易に視覚化されアクセスできるので、フライポット12の洗浄に要する時間が全体的に短縮される。
【0054】
したがって、フライポット12の外部に設けられた熱交換機構と、内装ケーシング210内の壁の角度付けおよび輪郭とは、集合的に、従来のガスフライヤ設計を超える機能性においていくつかの利点を提供する。この点に関して、ウエルのより浅い深さおよびテーパ状の設計は、洗浄のためのより容易なアクセスと、洗浄が容易な垂直排出ポート38の使用を可能にする一方で、使用に必要なIRバーナー218および空気流(例えば、送風機244)のサイズを低減する。調理チャンバは、調理チャンバのこれらの部分におけるより浅い深さのおかげで、全体的に少ない調理媒体を収容する。さらに、固形粒状物および他のデブリは、下部側壁パネル260や中央側壁パネル262などの加熱された表面に付着して燃焼するのではなく、内装ケーシング210の輪郭によって底壁222に沿ったウエルの底部に移動するように促され、このように焼けかすまたは亀裂の減少が、調理用媒体の使用可能な寿命を延ばす。さらに、プレナム238および熱交換フィン236を通る空気流と組み合わせてより小さいIRバーナー218(より高い熱密度を有する)を使用することによって、フライポット12の外面234の実質的な部分にわたって、特に、実質的に対向する側壁224および後端壁228のほぼ全体に沿って均一な熱交換を広げる。この均一な熱交換は調理媒体を制御された均一な方法で加熱し、調理媒体の品質を急速に低下させる可能性のある過熱およびホットスポットを回避する。組み合わせると、より少ない全体的な調理媒体容積の使用と調理媒体の寿命の増加とは、均一な加熱と粒状物のより簡単な洗浄/除去によって可能になり、集合的に、従来の30ポンドのガスフライヤと比較して、調理媒体使用量の10%以上の削減に導く。
【0055】
図12~16には、フライヤ10と共に使用することができるフライポット312の別の実施形態が示されている。フライポット312は、上述した例示的な実施形態と同じ要素の多くを含み、これらの要素は、上記の説明と機能的に類似または同一である場合には、同様の参照番号を付して示される。このフライポット312の主な違いは、調理媒体および調理すべき食品を受け取るための単一の空間調理チャンバの代わりにスプリットバット(分離されたタンク)調理チャンバを使用することである。スプリットバット調理チャンバは、前の実施形態の調理チャンバと比較して、調理用のより小さい束の食品を受け取るようにそれぞれ構成された第1および第2のサブフライポット312a、312bを効果的に画定する。この目的のために、本実施形態の内装ケーシング310は、大部分が垂直方向に配向され、上部チャンバ部分372と下部チャンバ部分374の両方の長手方向中心に沿って延びる仕切り壁380をさらに含む(それぞれのサブフライポット312a、312bについて対応する部分372、374に分割されると理解される)。仕切り壁380は、サブフライポット312a、312bの間に小さな隙間382を形成し、サブフライポット312a、312bのうちの1つだけが必要なときに、それぞれのサブフライポット312a、312b内の調理媒体を独立に加熱して使用することができる。
【0056】
実質的に他のすべての点において、この実施形態のフライポット312は、前の実施形態と同じ方法で構成され動作する。この目的のために、最も外側のケーシングパネル214および空気プレナムケーシングパネル216によって形成された外装ケーシング212と、IRバーナー218と、熱交換フィン236と、プレナム238と、排気チムニ240と、を含んでなる熱交換のための外部機構は、すべて再び提供され、対向する側壁324および後端壁328にわたってほぼ均一な熱交換を提供するのに使用される。やはり、一般的に大きな表面積にわたる均一な加熱では、フライポット312内の調理媒体中のホットスポットの形成を回避し、これにより熱ベースの予備分解を回避することによってその調理媒体の機能的寿命を増加させる。両側のプレナム238に供給する単一の送風機244が
図12に示されているが、サブフライポット312a、312bに対して独立した熱制御が望まれる場合には、別個の送風機を再び設けることができることが理解されるであろう。
【0057】
フライポット312のこの実施形態における内装ケーシング310の内部輪郭は、前の実施形態とほぼ同様で、仕切り壁380を設けることを考慮して2~3つの調整が行われる。例えば、対向する側壁324は、ウエル(下部チャンバ部分374を有する)を画定する下部側壁パネル260と、側面を画定する中央側壁パネル262と、上部チャンバ部分372を画定する上部側壁パネル264とを含む。下部側壁パネル260および中央側壁パネル262は、両方のサブフライポット312a、312bにおいてフランクの頂部からウエルの底部が少なくともいくらかテーパ状に画定されるように角度がつけられる。フランク角およびウエル角は、ウエル角がより急で、垂直に近づくように、前の実施形態に示されたものから少し変化してもよいことは理解されよう。それにもかかわらず、内装ケーシング310のこれらの要素は、従来のフライヤ設計よりも浅い深さを画定しながら、洗浄のための容易な視認性およびアクセスを提供するテーパ形状をもたらし続ける。これはまた、前の実施形態の場合のように、両方のウエル内にほぼ垂直な排出ポート38を使用することを可能にする。洗浄プロセスの利点に加えて、対向する側壁324によって画定されたこれらのプロファイルは、ウエルの底部への固形粒状物およびデブリの流れを促し、そのような粒状物が下部側壁パネル260または中央側壁パネル262で固着して燃えることなく、それによって、調理媒体の寿命を延ばすことができる。したがって、この実施形態によるスプリットバット調理チャンバを有するフライポット312は、提供される内部プロファイルならびに調理媒体の均一な加熱のおかげで、従来のガスフライヤと比較して、洗浄の容易さおよび調理媒体使用量の低減の利点を引き続き提供する。
【0058】
例示的な図解が提供されるが、これは本願発明のガスフライヤの利点および機能性の一例を示すものなので、フライポット312の特徴の構成およびレイアウトにおける小さな変化は、本発明の範囲内であることが理解されよう。さらに、本明細書に記載される様々な実施形態の特徴は、フライヤ技術の当業者に理解されるように、任意の組み合わせで一緒に使用することができる。
【0059】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のためのみであって、本発明の実施形態を限定することを意図するものではない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書中で使用される場合、用語「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、記載された特徴、整数、作用、ステップ、操作、要素および/または構成要素の存在を特定するが、動作、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を含むが、これらに限定されない。さらに、用語「含む」、「有する」、「有す」、「備える」、「からなる」、またはそれらの変形は、詳細な説明または特許請求の範囲のいずれかで使用される限り、そのような用語は包括的な用語「含む(comprising)」と同様の方法で使用される。
【0060】
本発明の全ては様々な実施形態の説明によって例示されているが、これらの実施形態はかなり詳細に記載されているが、添付の特許請求の範囲を制限するか、或いは、そのような詳細に限定することは決して本出願人の意図ではない。また、さらなる利点および変更は、当業者には容易に明らかであろう。より広範な態様における本発明は、特定の詳細、代表的な装置および方法、並びに、図示され、説明される例示的な例に限定されない。したがって、出願人の一般的な発明概念の精神または範囲から逸脱することなく、そのような詳細から出発することができる。
【符号の説明】
【0061】
10 フライヤ
12、14 フライポット
13、15 開口部
16 キャビネット
18、20 制御パネル
22、24 アクセスパネル
26 車輪
28 バスケットハンガー
30 バックスラッシュ
32 加熱エレメント
34、128 温度センサ
36 充填ポート
38 排出ポート
40 調理媒体
100 調理媒体処理システム
102、104 排出バルブ
106 排出マニホールド
108 排出パン
110 フィルタアセンブリ
112 フィルタポンプ
114 リザーバ
116 リザーバポンプ
118 選択バルブ
120、121、122 入力ポート
124、125、126、127 出力ポート
130 モータ
132、134 入口
136、138 出口
140 廃棄ポート
142 充填ポート
143、144、145、146、147 チェックバルブ
200 コントローラ
210 内装ケーシング
212 外装ケーシング
214 ケーシングパネル
216 空気プレナムケーシングパネル
218 赤外線バーナー
222 底壁
224 側壁
226 前端壁
228 後端壁
230 ラック
232 内面
234 外面
236 熱交換フィン
238 プレナム
240 排気チムニ
244 送風機
248 供給プレナム
250 前部ケーシングパネル要素
254 入口
256 出口
260 下部側壁パネル
262 中央側壁パネル
264 上部側壁パネル
272 上部チャンバ部分
274 下部チャンバ部分
310 内装ケーシング
312 フライポット
312a、312b サブフライポット
324 側壁
372 上部チャンバ部分
374 下部チャンバ部分
380 仕切り壁