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特許71810892つの位置状態間で移行可能な物品及び該物品を2つ以上結合する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】2つの位置状態間で移行可能な物品及び該物品を2つ以上結合する方法
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/08 20060101AFI20221122BHJP
   A63H 3/04 20060101ALI20221122BHJP
   A63H 33/00 20060101ALI20221122BHJP
   A63H 33/26 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
A63H33/08 A
A63H3/04
A63H33/00 H
A63H33/26 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018552921
(86)(22)【出願日】2016-12-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-01-17
(86)【国際出願番号】 IB2016001805
(87)【国際公開番号】W WO2017109565
(87)【国際公開日】2017-06-29
【審査請求日】2019-12-20
(31)【優先権主張番号】1522884.4
(32)【優先日】2015-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】518222376
【氏名又は名称】ボティ グローバル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムーア、スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ホワイトヘッド、ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ロウ、ティム
(72)【発明者】
【氏名】モーリス、オリバー
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-224202(JP,A)
【文献】特開2007-215898(JP,A)
【文献】特開2006-68522(JP,A)
【文献】実開昭62-39785(JP,U)
【文献】韓国登録特許第10-1375110(KR,B1)
【文献】米国特許第04575348(US,A)
【文献】あそびかた、黒ひげ危機一髪,「世界のウェブアーカイブ|国立国会図書館インターネット資料収集保存事業」、商品情報、タカラトミー [online],2015年08月25日,https://web.archive.org/web/20150825222051/https://www.takaratomy.co.jp/products/kurohige/asobikata/,[2022年4月7日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品であって、該物品は、第1の位置状態と第2の位置状態との間で移行可能であり、前記第2の位置状態に付勢され、該物品は、所定条件に合致するまで保持手段によって前記第1の位置状態に保持されており、前記所定条件に合致すると、付勢手段は付勢力を働かせ、該物品を前記第1の位置状態から前記第2の位置状態に移行させる、物品において、
前記所定条件は、該物品の少なくとも1つの面に置かれた少なくとも1つの形成物が第1の形成物の位置から第2の形成物の位置に移行すると合致し、該合致によって前記保持手段を解除し、前記第1の位置状態から前記第2の位置状態への前記物品の移行を可能にし、
前記少なくとも1つの形成物は、前記物品の内側に促されることによって前記第1の形成物の位置から前記第2の形成物の位置に移行可能な、前記物品の同一面に置かれた複数の形成物の1つであり、
前記物品の内側に促され得ないように硬い形成物として設けられる少なくとも1つの形成物を含むことを特徴とする、
物品。
【請求項2】
前記少なくとも1つの形成物は、前記物品の内側に促されることで、前記保持手段を解除するように設けられる、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記物品の内側に促されたとき、前記形成物のうち1つのみは前記保持手段の解除が可能であり、前記形成物の少なくともいくつかの移行は前記保持手段に影響を及ぼさない、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
取外し可能な本体は、前記物品の少なくとも1つの面と関連付けられて設けられ、前記本体は、前記物品の前記面のうちの1つの開口内に取り外し可能に置かれる、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
少なくとも1つの磁石は、前記物品と関連付けられて設けられ、前記少なくとも1つの磁石は、前記物品を第2の物品と整列させるために設けられる、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
リセット手段を更に含み、前記リセット手段は1つ以上のひも又はより糸部材を含み、前記1つ以上のひも又はより糸部材は、前記物品に設けられた2つ以上の面又はパネルを接続するために設けられ、ユーザによって作動されると、前記リセット手段は、前記物品を前記第2の位置状態から前記第1の位置状態に少なくとも一部戻すように設けられる、請求項1に記載の物品。
【請求項7】
物品群であって、第1の位置状態と第2の位置状態との間で移行可能であり、前記第2の位置状態に付勢される少なくとも2つの請求項1に記載された物品を含み、該物品は、所定条件に合致するまで保持手段によって前記物品のそれぞれの第1の位置状態に保持され、前記少なくとも2つの物品のうちの第1の物品に関する前記所定条件は、前記物品が接触する又は既定の距離内にあるときに合致し、該合致をした時点で、前記第1の物品は、付勢手段の影響下で前記第1の位置状態から前記第2の位置状態に移行し、前記所定条件は、前記第1の物品の少なくとも1つの面に置かれた少なくとも1つの形成物が第1の形成物の位置から第2の形成物の位置に移行すると合致し、該合致によって前記保持手段を解除し、前記第1の位置状態から前記第2の位置状態への前記第1の物品の移行を可能にする、物品群において、
前記少なくとも1つの形成物は、前記物品の内側に促されることによって前記第1の形成物の位置から前記第2の形成物の位置に移行可能な、前記物品の同一面に置かれた複数の形成物の1つであることを特徴とする、
物品群。
【請求項8】
前記少なくとも1つの形成物は、前記少なくとも2つの物品のうちの第2の物品の対応する形成物と接触すると内側に促されるように配置され、前記第2の物品に置かれた前記対応する形成物は、前記対応する形成物が置かれた前記物品の内側に促され得ないように硬い形成物として設けられるが、前記第1の物品に関する前記所定条件に合致するように、前記第1の物品の第1の形成物は内側に促すように配置される、請求項に記載の物品群。
【請求項9】
第1の物品の又は前記第1の物品と関連付けられた第1の形成物は、第2の物品の又は前記第2の物品と関連付けられた第2の硬い形成物に対応し、前記第1の物品の又は前記第1の物品と関連付けられた前記第1の形成物は、前記第2の物品の又は前記第2の物品と関連付けられた前記第2の硬い形成物と接触すると、前記第1の形成物は前記第1の物品の内側に促され、前記第1の物品に関する前記所定条件に合致する、請求項に記載の物品群。
【請求項10】
少なくとも1つの磁石は、各物品と関連付けられて設けられ、前記形成物が関連付けられた前記物品の同じ面に置かれる又は関連付けられ、2つの物品を互いに整列させるように配置される、請求項に記載の物品群。
【請求項11】
少なくとも2つの磁石は、前記第1の物品が第2の物品に置かれた対応する磁石で整列するように配置されるように、前記物品の同じ面の反対側に設けられる、請求項に記載の物品群。
【請求項12】
前記物品はリセット手段を更に含み、前記リセット手段は1つ以上のひも又はより糸部材を含み、前記1つ以上のひも又はより糸部材は、前記物品に設けられた2つ以上の面又はパネルを接続するために設けられ、ユーザによって作動されると、前記リセット手段は、物品を前記第2の位置状態から前記第1の位置状態に少なくとも一部戻すように設けられる、請求項に記載の物品群。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願に関連する本発明は、所定条件に合致すると第1の位置状態と第2の位置状態との間で移行可能な物品である。本発明は、更に、前記物品の2つを既定の手法で引き合わせる方法に関する。
【0002】
以下の説明は、専ら、遊戯用玩具などの物品の使用、及び物品の2つ以上を用いて遊ぶ方法に関するが、当業者であれば、本発明はまた、ゲームに限定されない種々の他の目的のために使用され得ることは理解するであろう。
【背景技術】
【0003】
コレクタブル玩具は長きにわたって知られている。特に、コレクタブル「バトル用」玩具も知られており、多くの異なる形態で提供されている。例えば、商品名Beyblade(商標)で販売されているバトル用コレクタブルの範囲には、2つの回転するコレクタブルアイテムをバトルアリーナに進め、続いてコレクタブルアイテムをそれらの回転経路が一致するときに互いに接触させるものを含む。勝者は、他方の回転軸を倒すか、他方をアリーナから完全に出し、アリーナ内で回転し続けている方である。コレクタブルアイテムをアリーナに投入する際、自身のコレクタブルアイテムが相手のコレクタブルアイテムに対して有利となるように、ユーザは種々の手法を使用してもよい。
【0004】
商品名Bakugan(商標)で販売されているコレクタブルバトル用玩具の別の形態は、バトル前又はバトル中に第1の状態から第2の状態に変形することができる玩具を含む。勝者の判定は、どのような動きを行えるか、あるいはどれほどのヒットポイント等が得られるかを示し得る一連の特定のプレーカードによって決めることができる。この場合も、バトル/ゲームが進むにつれて、ユーザ/プレーヤは誰が最終的な勝者になり得るかの兆しがわかる。しかしながら、これら一連の「バトル用」コレクタブルのいずれも、結果が出る前の兆しが全くと言っていいほどない、最終的な結果がわかるまで最終的な勝者が未知のままである筋書きを提供しない。
【0005】
本出願人の同時係属中の国際特許出願である国際公開第2015/159077号パンフレットにおいて、第1の位置状態で提供され、第1の位置状態に保持されるが、第2の位置状態に付勢される物品が開示されている。第2の物品と又は第2の物品の所定範囲内に接触すると、物品のうちの1つ内の所定条件に合致し、2つのうち1つが「作動」され、第2の位置状態に移行する。本出願人の同時係属出願に開示される事例では、第1の物品の第1の磁石が第2の物品の第2の磁石によって作動されると所定条件に合致し、これにより更には、解除留め金を引き、第1の物品が第2の位置状態に移行することを可能にする。物品が作動される機構は、相互作用する物品における磁石の特定の配置構成及び相互作用に依存する。しかしながら、時間の経過とともに、磁石は、物品が落下する、揺れる等によりその感度又は引力を失う場合があり、結果として、物品の機能性は低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、前述の課題を克服する物品を提供することである。
【0007】
本発明の更なる目的は、前述の課題を克服する2つ以上の物品の組み合わせを提供することである。
【0008】
本発明の更に別の目的は、前述の課題を克服する2つ以上の物品を結合する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、物品が提供され、前記物品は、第1の位置状態と第2の位置状態との間で移行可能であり、第2の位置状態に付勢され、前記物品は、所定条件に合致するまで保持手段によって第1の位置状態に保持されており、前記所定条件に合致すると、付勢手段は付勢力を働かせ、物品を第1の位置状態から第2の位置状態に移行させ、前記所定条件は、物品の少なくとも1つの面に置かれた少なくとも1つの形成物が第1の位置状態から第2の位置状態に移行すると合致し、それによって前記保持手段を解除し、第1の位置状態から第2の位置状態への物品の移行を可能にすることを特徴とする。
【0010】
一実施形態では、前記少なくとも1つの形成物は、物品の少なくとも1つの面から外側に延在するように形成されている。典型的には、前記少なくとも1つの形成物は、物品の実質的に内側に促されることで、前記保持手段を解除するように設けられている。
【0011】
一実施形態では、前記少なくとも1つの形成物は、典型的には、物品の内側に促されることによって第1の位置状態から第2の位置状態に移行されてもよい複数の形成物の1つである。典型的には、物品の内側に促されたとき、形成物のうち1つのみは保持手段の解除が可能であり、形成物の少なくともいくつかの移行は保持手段に影響を及ぼさない。
【0012】
一実施形態では、物品に置かれた少なくとも1つの形成物は、物品の内側に促され得ないように実質的に硬い形成物として設けられている。
【0013】
一実施形態では、物品は、物品の内側に促されてもよい少なくとも1つの形成物と、物品の内側に促され得ないように実質的に硬い形成物として設けられている少なくとも1つの形成物と、を含む。
【0014】
一実施形態では、物品は、物品の内側に促されて保持手段を解除してもよい1つの形成物と、物品の内側に促されてもよい少なくとも1つの更なる形成物と、物品の内側に促され得ないように実質的に硬い形成物として設けられている少なくとも1つの形成物と、を含む。
【0015】
一実施形態において、前記所定条件は、一実施形態では、第1の物品に類似してもよい第2の物品が前記第1の物品と接触する又は前記第1の物品の所定範囲内に位置することによって作成される。
【0016】
したがって、本発明は物品を提供し、物品は所定条件に合致するまで第1の位置状態に保持され、この時点で、物品は第2の位置状態に移行する。物品の面に、物品の内側に押下されてもよい複数の形成物を設け、それにより形成物のうち1つのみが押下されたときに保持手段を解除することは、押下時にどの形成物が保持手段を解除し得るかをユーザが必ずしも知らなくてもよいことを意味する。実質的に硬い形成物もまた、物品が第2の物品と接触することができ、硬い形成物がその物品に置かれた形成物を内側に促す役割を果たすように、物品に設けられてもよい。押下された形成物がその物品と関連付けられた保持手段を解除するか否かは、物品と関連付けられた複数の形成物の特定の構成による。
【0017】
一実施形態では、少なくとも1つの形成物と前記保持手段は、物品の1つの面と実質的に関連付けられている。典型的には、少なくとも1つの形成物と前記保持手段は、実質的に物品の同じ面に関連付けられている。更に典型的には、前記保持手段は保持手段が関連付けられている面を、隣接する面に接続することで物品を第1の位置状態に保持している。
【0018】
一実施形態では、保持手段は、留め金の形態で設けられている。典型的には、前記留め金は、前記少なくとも1つの形成物が物品の内側に所定の距離だけ促されると解除可能である。好ましくは、複数の形成物が設けられている場合、前記留め金は、複数の形成物のうちの1つの形成物が物品の内側に所定の距離だけ促されると解除可能である。
【0019】
一実施形態では、物品の面はヒンジ連結されている。典型的には、前記保持手段は2つの面の隣接する自由縁部を保持することで物品を第1の位置状態に保持している。更に典型的には、物品は、付勢力の作用に反し、保持手段によって第1の位置状態に保持されている。
【0020】
一実施形態では、取外し可能な本体は、物品の少なくとも1つの面と関連付けられて設けられている。典型的には、前記少なくとも1つの形成物は取外し可能な本体とともに置かれている。更に典型的には、複数の形成物は、取外し可能な本体とともに置かれている。一実施形態では、保持手段は、取外し可能な本体とともに置かれている。
【0021】
一実施形態では、前記本体は、物品の前記面のうちの1つに取り外し可能に取り付けられている。典型的には、前記本体は、物品の前記面のうちの1つの開口内に取り外し可能に置かれている。更に典型的には、前記本体は、第2の又は更なる物品とともに取り外し可能に置かれていてもよい。したがって、1つ以上の取外し可能な本体は、1つ以上の物品と交換可能である。異なる取外し可能な本体は異なる構成を有しており、その結果、押下されたときに本体の異なる形成物が保持手段の解除を担う。
【0022】
一実施形態では、物品が第1の位置状態にあるときに前記取外し可能な本体が実質的に物品の内部内に置かれるように、前記取外し可能な本体は、物品とともに置かれている。典型的には、取外し可能な本体は、物品とともに置かれているとき、取外し可能な本体が置かれている物品の面の少なくとも一部を形成している。
【0023】
一実施形態では、前記第2の位置状態は、前記第1の位置状態に対する物品の反転形態である。典型的には、前記所定条件に合致すると、物品は、前記第1の位置状態から第2の、反転位置状態に移行する。
【0024】
一実施形態では、物品は、4つ以上の面及び/又はパネルを含む多面体からなる。典型的には、物品は、四面体、五面体、立方体、八面体、十二面体、又は二十面体形状等を形成している。更に典型的には、多面体の面及び/又はパネルは、第2の位置状態に付勢される。
【0025】
一実施形態では、物品は、6つの面からなる。典型的には、前記6つの面は接続して実質的に立方体形状の物品の面を形成している。更に典型的には、前記面は第2の位置状態に付勢される。
【0026】
一実施形態では、前記付勢手段は1つ以上のバネの形態で設けられている。典型的には、前記1つ以上のバネは、コイルバネ、板バネ、ねじりバネ、ひげぜんまい等のいずれか又はこれらの任意の組み合わせとして設けられている。
【0027】
一実施形態では、付勢手段は、物品の2つの隣接する面間の接続部に又は実質的に物品の2つの隣接する面間の接続部に設けられている。典型的には、前記付勢手段は、2つの隣接する面に接続されており、前記面を第2の位置状態に付勢する。
【0028】
一実施形態では、少なくとも1つの磁石は、物品と関連付けられて設けられている。典型的には、前記少なくとも1つの磁石は、物品の面に置かれている。好ましくは、前記少なくとも1つの磁石は、少なくとも1つの形成物が関連付けられている、物品の同じ面に置かれている。一実施形態では、2つの磁石は、物品の前記面に置かれて設けられている。
【0029】
一実施形態では、前記少なくとも1つの磁石は、物品の面に直接置かれている。典型的には、前記少なくとも1つの磁石は、取外し可能な本体を配置可能な開口に隣接して置かれており、取外し可能な本体は、前記少なくとも1つの形成物を含む。好ましくは、2つの磁石は、取外し可能な本体を配置可能な開口の反対側に設けられている。
【0030】
一実施形態では、前記少なくとも1つの磁石は、物品を実質的に第2の物品と整列させるために設けられている。好ましくは、2つの磁石は、物品を第2の物品に置かれた対応する磁石で整列させるために、物品の同じ面の実質的に反対側に設けられている。したがって、磁石は物品に設けられており、この磁石は、物品を、この物品が相互作用し得る第2の物品と整列させる際の、この物品のための方向性を持つ力として純粋に機能する。このことは、それぞれの物品の能動面の相互作用を可能にし、それぞれの物品を接触させたとき又は互いに所定の近接距離内にあるとき、物品のうちの1つの所定条件に合致することを可能にする。その後、物品のうちの1つに関する所定条件に合致すると、その物品の保持手段は解除され、物品は、第1の位置状態から第2の位置状態に移行することが可能となる。
【0031】
一実施形態では、物品はリセット手段を更に含む。典型的には、前記リセット手段は、ユーザが物品を第2の位置状態から第1の位置状態に移行させるのを助けるために設けられている。したがって、リセット手段は、ユーザが物品を、保持手段の解除時に物品が付勢される反転位置状態から本来の第1の位置状態へと戻すのを助けるために設けられている。
【0032】
一実施形態では、前記リセット手段は1つ以上のひも又はより糸部材等を含む。典型的には、前記1つ以上のひも又はより糸部材は、物品に設けられた2つ以上の面又はパネルを接続するために設けられている。
【0033】
一実施形態では、ユーザによって作動されると、前記リセット手段は、物品を第2の位置状態から第1の位置状態に少なくとも一部戻すように設けられている。典型的には、第1の位置状態に戻されていない物品の残りの部分は、前記リセット手段の使用後にユーザによって前記位置状態に戻され得る。
【0034】
一実施形態では、物品が複数の面及び/又はパネルを備える場合、リセット手段は、前記面及び/又はパネルの少なくとも2つを第1の位置状態に戻すように配置されている。
【0035】
一実施形態では、リセット手段が1つ以上のひも又はより糸部材等として設けられる場合、前記ひも又はより糸部材は、ユーザによって引っ張られる又は強く引かれるように配置されており、このような動作は、物品を第1の位置状態にするのを助ける役割を果たす。したがって、リセット手段を、典型的には、1つ以上のひも又はより糸部材の形態で設けることで、ユーザがこのような機構なしで物品を動作させなければならない場合に比べて大幅に容易に、ユーザが物品を初期の第1の位置状態に戻すことを可能にする。物品が複数の面及び/又はパネルを備えてもよく、その全てが第2の位置状態に付勢される典型的な実施形態では、物品を第1の位置状態に回復するにはむしろ手間がかかる又は慎重を要する場合があるため、前記面及び/又はパネルの少なくともいくつかを第1の位置状態に回復することができるリセット手段を設けることで、ユーザが残りの面/パネル、したがって、物品全体を第1の位置状態に戻すことがはるかに容易になる。
【0036】
一実施形態では、物品は、第2の位置状態にあるとき、動物又はキャラクター等の形態で呈されるように提供されてもよい。典型的には、第2の位置状態にあるとき、物品に設けられたリセット手段は、物品の動物/キャラクターの特定の特徴又は体の部分を形成するように設けられてもよい。
【0037】
一実施形態では、複数の取り付け可能な部材は、物品のパネル及び/又は面と関連付けられて設けられている。典型的には、前記取り付け可能な部材は、物品が第2の位置状態にあるときに見えるように、前記面及び/又はパネルに設けられている。更に典型的には、前記取り付け可能な部材は、取外し可能である及び/又は他のこのような部材と交換可能であるように設けられている。また更に典型的には、前記取り付け可能な部材は、第2の位置状態にあるときに物品によって表される動物又はキャラクターの特徴若しくは体の部分として形成される又は見えるように設けられている。
【0038】
一実施形態では、物品は、複数の均一な大きさのパネル及び/又は面を備える。典型的には、少なくとも1つのパネル/面は、他のパネル/面より小さな大きさで設けられている。一実施形態では、前記より小さなパネル/面は、それにヒンジ連結で取り付けられた更なるパネル又は部分を有する。典型的には、前記更なるパネル又は部分は、前記より小さなパネル/面に等しい又はこれより小さい大きさで設けられている。更に典型的には、物品が第1の位置状態にあるとき、前記更なるパネル/部分は、実質的に物品の内部に置かれている。
【0039】
本発明の更なる態様では、物品群が提供され、前記物品群は、第1の位置状態と第2の位置状態との間で移行可能であり、第2の位置状態に付勢される少なくとも2つの物品を含み、前記物品は、所定条件に合致するまで保持手段によって物品のそれぞれの第1の位置状態に保持され、物品の少なくとも1つに関する前記所定条件は、物品が接触する又は既定の距離内にあるときに合致し、この時点で、少なくとも2つの物品の前記1つは、付勢手段の影響下で第1の位置状態から第2の位置状態に移行し、前記所定条件は、少なくとも2つの物品の前記1つの少なくとも1つの面に置かれた少なくとも1つの形成物が第1の位置状態から第2の位置状態に移行すると合致し、それによって前記保持手段を解除し、第1の位置状態から第2の位置状態への前記物品の移行を可能にすることを特徴とする。
【0040】
一実施形態では、前記少なくとも1つの形成物は、少なくとも2つの物品のうちの前記1つの少なくとも1つの面から外側に延在するように形成されている。典型的には、前記少なくとも1つの形成物は、その物品の実質的に内側に促され、それによって前記保持手段を解除するように設けられている。
【0041】
典型的には、前記少なくとも1つの形成物は、少なくとも2つの物品のうちの第2の物品の対応する形成物と接触すると実質的に内側に促されるように配置されている。好ましくは、前記第2の物品に置かれた対応する形成物は、対応する形成物が置かれている物品の内側に促され得ないように実質的に硬い形成物として設けられているが、第1の物品に関する所定条件に合致するように、第1の物品の第1の形成物は内側に促されるように配置されている。
【0042】
一実施形態では、各物品は、物品の内側に促されてもよい少なくとも1つの形成物と、物品の内側に促され得ないように実質的に硬い形成物として設けられている少なくとも1つの形成物と、を含む。好ましくは、各物品は、典型的には、物品の内側に促されることによって第1の位置状態から第2の位置状態に移行されてもよい複数の形成物を含む。典型的には、物品の内側に促されたとき、形成物のうち1つのみが保持手段を解除する。
【0043】
一実施形態では、前記第2の位置状態は、前記第1の位置状態に対する少なくとも2つの物品の反転形態である。典型的には、物品のうちの1つにおいて前記所定条件に合致すると、物品は、前記第1の位置状態から第2の、反転位置状態に移行する。
【0044】
一実施形態では、前記少なくとも2つの物品のうちの第1の物品における所定条件に合致しているとき、前記第2の位置状態は、第1の物品が移行し、典型的には反転し、前記少なくとも2つの物品のうちの第2の物品を少なくとも部分的に巻き込む、閉じ込める及び/又は捕らえるためのものである。
【0045】
一実施形態では、付勢手段は、少なくとも2つの物品のそれぞれに設けられている。典型的には、前記付勢手段は、少なくとも2つの物品をそのそれぞれの第2の位置状態に付勢する。更に典型的には、少なくとも2つの物品のうちの第1の物品の保持手段を解除すると、前記第1の物品は、第1の位置状態から第2の位置状態に移行する。
【0046】
一実施形態では、少なくとも第1の形成物及び第2の形成物は、少なくとも2つの物品のそれぞれに置かれている又関連付けられている。典型的には、第1の物品の又は第1の物品と関連付けられた第1の形成物は、第2の物品の又は第2の物品と関連付けられた第2の、実質的に硬い形成物に対応する。更に典型的には、第1の物品の又は第1の物品と関連付けられた第1の形成物は、第2の物品の又は第2の物品と関連付けられた第2の実質的に硬い形成物と接触すると、第1の形成物は第1の物品の内側に促され、第1の物品に関する所定条件に合致する。したがって、第1の物品は、ここで、第1の位置状態から第2の位置状態に移行可能である。また更に典型的には、第1の位置状態から第2の位置状態への第1の物品の移行には、第1の物品が第2の物品を少なくとも一部巻き込む、閉じ込める及び/又は捕らえることを伴う。
【0047】
一実施形態では、第2の物品の又は第2の物品と関連付けられた第1の形成物は、第3の物品の又は第3の物品と関連付けられた第2の、実質的に硬い形成物に対応する。典型的には、第1の物品の又は第1の物品と関連付けられた第2の、実質的に硬い形成物は、第3の又は更なる物品の又は第3の又は更なる物品と関連付けられた第1の形成物に対応する。
【0048】
一実施形態では、取外し可能な本体は、物品のそれぞれの少なくとも1つの面と関連付けられて設けられている。典型的には、前記形成物は、取外し可能な本体とともに置かれている。一実施形態では、保持手段は、取外し可能な本体のそれぞれとともに置かれている。典型的には、各保持手段は、各保持手段が関連付けられている物品を、その物品に関する所定条件に合致するまで、第1の位置状態に保持するために設けられている。
【0049】
一実施形態では、前記本体は、物品の前記面のうちの1つに取り外し可能に取り付けられている。典型的には、前記本体は、物品の前記面のうちの1つの開口内に取り外し可能に置かれている。更に典型的には、前記本体は、第2の又は更なる物品とともに取り外し可能に置かれていてもよい。したがって、1つ以上の取外し可能な本体は物品間で交換可能である。典型的には、前記物品のそれぞれに取り外し可能に取り付け可能な複数の本体が設けられている。異なる取外し可能な本体は異なる構成を有し、押下されたときに本体の異なる形成物が保持手段の解除を担うことになる。
【0050】
一実施形態では、前記取外し可能な本体は、物品が第1の位置状態にあるときに実質的に物品の内部内に置かれるように物品とともに置かれている。典型的には、取外し可能な本体は、物品とともに置かれているとき、取外し可能な本体が置かれている物品の面の少なくとも一部を形成している。
【0051】
一実施形態では、少なくとも1つの磁石は、各物品と関連付けられて設けられている。典型的には、前記少なくとも1つの磁石は、物品の面に置かれている。好ましくは、前記少なくとも1つの磁石は、形成物が関連付けられている物品の、同じ面に置かれている又は関連付けられている。一実施形態では、2つの磁石は、物品の前記面に置かれて設けられている。
【0052】
一実施形態では、前記少なくとも1つの磁石は、物品のそれぞれの面に直接置かれている。典型的には、前記少なくとも1つの磁石は、取外し可能な本体を配置可能な開口に隣接して置かれており、取外し可能な本体は、前記形成物を含む。好ましくは、2つの磁石は、取外し可能な本体を配置可能な開口の反対側に設けられている。
【0053】
一実施形態では、前記少なくとも1つの磁石は、2つの物品を互いに整列させるように配置されている。好ましくは、2つの磁石は、第1の物品を第2の物品に置かれた対応する磁石と整列させるために、物品の同じ面の実質的に反対側に設けられている。
【0054】
一実施形態では、物品は、リセット手段を更に含む。典型的には、前記リセット手段は、ユーザが物品を第2の位置状態から第1の位置状態に移行するのを助けるために設けられている。したがって、リセット手段は、ユーザが物品を、保持手段の解除時に物品が付勢される反転位置状態から本来の第1の位置状態に戻すのを助けるために設けられている。
【0055】
一実施形態では、前記リセット手段は1つ以上のひも又はより糸部材等を含む。典型的には、前記1つ以上のひも又はより糸部材は、物品に設けられた2つ以上の面又はパネルを接続するために設けられている。
【0056】
一実施形態では、ユーザによって作動されると、前記リセット手段は、物品を第2の位置状態から第1の位置状態に少なくとも一部戻すように設けられている。典型的には、第1の位置状態に戻されていない物品の残りの部分は、前記リセット手段の使用後にユーザによって前記位置に戻され得る。
【0057】
一実施形態では、物品が複数の面及び/又はパネルを備える場合、リセット手段は、前記面及び/又はパネルの少なくとも2つを第1の位置状態に戻すように配置されている。
【0058】
本発明の別の態様では、少なくとも2つの物品間の相互作用を生じさせる方法が提供され、前記方法は、それぞれの第1の位置状態にあり、前記第1の位置状態とそれぞれの第2の位置状態との間で移行可能な少なくとも2つの物品を設けるステップと、第1の物品及び/又は第2の物品のいずれか若しくは両方に関する所定条件に合致するまで少なくとも2つの物品を互いに近づけるステップであって、物品において前記所定条件に合致すると、付勢手段は付勢力を働かせ、その物品を第1の位置状態から第2の位置状態に移行させる、ステップと、を含み、前記所定条件は、その物品の少なくとも1つの面に置かれた少なくとも1つの形成物が、他方の物品の対応する形成物によって第1の位置状態から第2の位置状態に移行すると合致し、それによって前記保持手段を解除し、第1の位置状態から第2の位置状態へのその物品の移行を可能にすることを特徴とする。
【0059】
一実施形態では、前記少なくとも1つの形成物はその物品の少なくとも1つの面から外側に延在し、他方の物品の対応する形成物によって物品の実質的に内側に促され、それによって前記保持手段を解除する。
【0060】
典型的には、物品のうちの1つにおいて前記所定条件に合致すると、その物品は、前記第1の位置状態から第2の、反転位置状態に移行する。
【0061】
一実施形態では、少なくとも2つの物品のうちの第1の物品における所定条件に合致しているとき、前記第2の位置状態は、第1の物品が移行し、典型的には反転し、前記少なくとも2つの物品のうちの第2の物品を少なくとも部分的に巻き込む、閉じ込める及び/又は捕らえるためのものである。
【0062】
一実施形態では、取外し可能な本体は、物品のそれぞれの少なくとも1つの面と関連付けられて設けられている。典型的には、前記形成物は、取外し可能な本体とともに置かれている。一実施形態では、保持手段は、取外し可能な本体のそれぞれとともに置かれている。典型的には、各保持手段はそれが関連付けられている物品を、その物品に関する所定条件に合致するまで第1の位置状態に保持するように設けられている。
【0063】
一実施形態では、前記本体は、物品の前記面のうちの1つに取り外し可能に取り付けられている。典型的には、前記本体は、物品の前記面のうちの1つの開口内に取り外し可能に置かれている。更に典型的には、前記本体は、第2の又は更なる物品とともに取り外し可能に置かれていてもよい。したがって、1つ以上の取外し可能な本体は物品間で交換可能である。典型的には、前記物品のそれぞれに取り外し可能に取り付け可能な複数の本体が設けられている。異なる取外し可能な本体は異なる構成を有しており、押下されたときに本体の異なる形成物が保持手段の解除を担うことになる。
【0064】
一実施形態では、前記取外し可能な本体は、物品間で交換可能であり、第1のユーザは、第1の本体を第1の物品とともに置くように選択し、第2のユーザは、第2の本体を第2の物品とともに置くように選択する。
【0065】
各ユーザは、そのそれぞれの物品に取り付けるための特定の取外し可能な本体を選び、したがって、特定の取外し可能な本体における形成物の構成によって、2つが互いに接触したときに前記物品のどれが作動されるかを決定する。
【0066】
ここで、添付の図を参照しながら本発明の実施形態を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1a】本発明の一実施形態による物品の開く段階を示す。
図1b】本発明の一実施形態による物品の開く段階を示す。
図1c】本発明の一実施形態による物品の開く段階を示す。
図1d】本発明の一実施形態による物品の開く段階を示す。
図2】本発明の一実施形態による展開した物品の平面図を示す。
図3】本発明の一実施形態による物品の保持手段及び付勢手段の図を示す。
図4a】本発明の一実施形態による、展開した物品の図を示す。
図4b】本発明の一実施形態による、物品の取外し可能な本体の図を示す。
図5a】本発明の一実施形態による、物品のパネル及び関連付けられた取外し可能な本体の図を示す。
図5b】本発明の一実施形態による、物品のパネル及び関連付けられた取外し可能な本体の図を示す。
図5c】本発明の一実施形態による、物品のパネル及び関連付けられた取外し可能な本体の図を示す。
図5d】本発明の一実施形態による、物品のパネル及び関連付けられた取外し可能な本体の図を示す。
図5e】本発明の一実施形態による、物品のパネル及び関連付けられた取外し可能な本体の図を示す。
図5f】本発明の一実施形態による、物品のパネル及び関連付けられた取外し可能な本体の図を示す。
図5g】本発明の一実施形態による、物品のパネル及び関連付けられた取外し可能な本体の図を示す。
図5h】本発明の一実施形態による、物品のパネル及び関連付けられた取外し可能な本体の図を示す。
図6a】本発明の一実施形態による、取外し可能な本体を有する物品の図を示す。
図6b】本発明の一実施形態による、取外し可能な本体を有する物品の図を示す。
図6c】本発明の一実施形態による、取外し可能な本体を有する物品の図を示す。
図6d】本発明の一実施形態による、取外し可能な本体を有する物品の図を示す。
図6e】本発明の一実施形態による、取外し可能な本体を有する物品の図を示す。
図6f】本発明の一実施形態による、取外し可能な本体を有する物品の図を示す。
図6g】本発明の一実施形態による、取外し可能な本体を有する物品の図を示す。
図6h】本発明の一実施形態による、取外し可能な本体を有する物品の図を示す。
図7a】本発明の一実施形態による、展開した物品を第1の位置状態に閉じる段階の図を示す。
図7b】本発明の一実施形態による、展開した物品を第1の位置状態に閉じる段階の図を示す。
図7c】本発明の一実施形態による、展開した物品を第1の位置状態に閉じる段階の図を示す。
図7d】本発明の一実施形態による、展開した物品を第1の位置状態に閉じる段階の図を示す。
図7e】本発明の一実施形態による、展開した物品を第1の位置状態に閉じる段階の図を示す。
図7f】本発明の一実施形態による、展開した物品を第1の位置状態に閉じる段階の図を示す。
図7g】本発明の一実施形態による、展開した物品を第1の位置状態に閉じる段階の図を示す。
図7h】本発明の一実施形態による、展開した物品を第1の位置状態に閉じる段階の図を示す。
図7i】本発明の一実施形態による、展開した物品を第1の位置状態に閉じる段階の図を示す。
図7j】本発明の一実施形態による、展開した物品を第1の位置状態に閉じる段階の図を示す。
図7k】本発明の一実施形態による、展開した物品を第1の位置状態に閉じる段階の図を示す。
図7l】本発明の一実施形態による、展開した物品を第1の位置状態に閉じる段階の図を示す。
図7m】本発明の一実施形態による、展開した物品を第1の位置状態に閉じる段階の図を示す。
図7n】本発明の一実施形態による、展開した物品を第1の位置状態に閉じる段階の図を示す。
図7o】本発明の一実施形態による、展開した物品を第1の位置状態に閉じる段階の図を示す。
図7p】本発明の一実施形態による、展開した物品を第1の位置状態に閉じる段階の図を示す。
図8a】本発明の一実施形態による、リセット手段を有する物品の段階を示す。
図8b】本発明の一実施形態による、リセット手段を有する物品の段階を示す。
図8c】本発明の一実施形態による、リセット手段を有する物品の段階を示す。
図8d】本発明の一実施形態による、リセット手段を有する物品の段階を示す。
【発明を実施するための形態】
【0068】
まず図1a~図1dを参照すると、実質的に立方体形状のプレー用コレクタブルアイテム又は玩具(1)の形態の物品が提供されている。玩具(1)は、図1aに示す第1の位置状態から、玩具(1)がその第1の位置状態に対して完全に反転されている第2の位置状態と移行することができる。図1a~図1dは、図1aの第1の位置状態から、第1の位置状態と図2により明瞭に示される図1dの第2の位置状態との間の中間位置状態への玩具(1)の開く段階を示す。この特定の実施形態では、玩具(1)は立方体形状で設けられており、6つの接続されたパネル(3)からなる。パネル(3)は付勢手段によって第2の位置状態に移行するように付勢されるが、所定条件に合致するまで第1の位置状態に保持されている。所定条件に合致すると、玩具(1)は第1の位置状態から第2の位置状態に移行する。解除留め金(5)はパネル(3’)の1つに置かれており、玩具(1)が第1の位置状態にあるとき、留め金(5)は隣接するパネル(3”)に係合しており、隣接するパネル(3”)及び残りのパネル(3)を第1の位置状態に保持している。玩具(1)のパネル(3、3’、3”)はヒンジ連結されており、解除留め金(5)は2つのパネル(3’、3”)の隣接する縁部を所定の位置に保持しており、それによって玩具(1)を第1の位置状態に保持している。玩具(1)は、付勢力の作用に反し、解除留め金(5)が解除される点まで解除留め金(5)によって第1の位置状態に保持されている。
【0069】
バネ(7)の形態の付勢手段は、玩具(1)を第2の位置状態に付勢するために設けられている。バネ(7)は図3に最も良く示されている。バネ(7)は、コイルバネ、板バネ、ねじりバネ、ひげぜんまい等のいずれか又は任意の組み合わせなどの種々の形態で提供されてもよい。この特定の実施形態では、バネ(7)は、コイルねじりバネとして設けられている。バネ(7)はパネル(3)の縁部に置かれており、バネ(7)が置かれているパネル(3)を隣接するパネル(3)と接続している。パネル(3)に設けられた一連のバネ(7)が玩具(1)を第2の、反転位置状態に付勢する。この付勢移動は、しかしながら、留め金(5)が接続している隣接するパネル(3”)からの留め金(5)の解除時のみに可能とされる。留め金(5)が隣接するパネル(3”)から解除されると、このパネル(3”)はバネ(7)の付勢力によって外側に開く。これは図1bに示す。パネル(3”)及び一連の二次留め金(9)によって第1の位置状態で適所に維持されていた残りのパネル(3)は、その後、玩具(1)が反転される第2の位置状態となるまで、図1c及び図1dに示すように外側に開く。
【0070】
図1a~図3は、留め金(5)及び解除機構が、概して、玩具(1)のパネル(3’)に置かれている玩具物品(1)を示す。本発明の好ましい実施形態では、留め金(5)及び解除機構は、取外し可能な本体(11)に置かれており、取外し可能な本体(11)は、図4a~図4bに示すように、パネル(3’)内の適切な寸法の開口(13)に挿入することができ、開口(13)から取り外すことができる。図5a~図5hは、取外し可能な本体(11)が中に置かれており、解除留め金(5)及び機構は、玩具物品(1)が第1の位置状態にあるときに玩具物品(1)の内側に置かれるように、本体(11)の後部に置かれている、パネル(3’)の種々の図を示す。図6a~図6hは、完全に展開された玩具物品(1)の一部としての、パネル(3’)と本体(11)との組み合わせを示す。図4a~図6hから分かるように、解除留め金(5)及び機構は、本体(11)の後部に置かれているが、開口(13)を埋め、パネル(3’)の面を完成させている本体(11)の前面は、パネル(3’)/本体(11)の面から外側に延在する複数の形成物又は突起(15)を含む。本実施形態は、6つのこれら突起を有する玩具物品(1)を示すが、玩具(1)の機能はわずか2つの突起(15)で作用し、上限は製造業者が望ましい及び/又は実施可能と考えるものに設定されることは理解されよう。突起(15’)の少なくとも1つは、玩具(1)/本体(11)から内側に促され得るように押下可能であり、内側に促されると、上に言及したような所定条件に合致し、図5eに示すように、接続点(17)によって留め金(5)が解除される。留め金(5)は係止位置状態から解除されると、隣接するパネル(3”)を係止位置状態から解除し、付勢バネ(7)は玩具(1)を付勢して第1の位置状態から第2の、反転位置状態へと移行させる。
【0071】
押下されたときに留め金(5)を解除するためにわずか1つの形成物/突起(15’)を必要とする一方、この突起は、本体(11)に置かれたいくつかの、この実施形態では6つの突起(15)のうちの1つである。これら突起(15)のいくつかもまた、本体(11)/玩具(1)から内側に押下可能であるが、1つの突起(15’)のみが留め金(5)の作動/解除のために設けられている。突起(15”)の1つは、本体(11)/玩具(1)に比して実質的に硬く、内側に促すことができないように設けられている。突起(15)の押下、したがって、留め金(5)の解除は玩具(1)のパネル(3’)が第2の玩具(1)の対応するパネル(3’)と接触すると実施される。したがって、本発明は、所定条件に合致する(この時点で、玩具物品(1)は第2の位置状態に移行する)まで第1の位置状態に保持される玩具物品(1)を提供する。玩具(1)から内側に押下されてもよい複数の突起(15)を、玩具(1)のパネル(3’)に、又はパネル(3’)内に置かれる開口(13)に挿入してもよい取外し可能な本体(11)に設け、突起(15’)の1つのみが押下されたときに保持手段を解除することで、ユーザは押下時にどの突起(15)が保持手段を解除するかを必ずしも知っている必要がないようにする。玩具(1)/本体(11)に比して実質的に硬い突起(15”)もまた、玩具(1)を第2の玩具と接触させることができ、硬い突起(15”)はその玩具にある突起を内側に促す役割を果たすように、玩具(1)に設けられている。押下された突起がその玩具に関連する保持留め金を解除するかどうかは玩具に関連する突起の特定の構成に依存する。本明細書では、突起(15)、留め金(5)及び機構は、パネル(3’)の開口(13)に挿入される取外し可能な本体(11)に置かれるものとしているが、本発明の他の形態では、突起(15)、留め金(5)及び機構は、パネル(3’)の面に直接置くことができ、取外しできないように設計できると認識されるであろうことも理解すべきである。
【0072】
玩具(1)には、それに取り付けられた1つ以上の磁石(19)も設けられている。記載されている実施形態では、2つの磁石(19)が、取外し可能な本体(11)を置いてもよい玩具(1)のパネル(3’)と一体に設けられている。図4a~図5hで最もはっきりと分かるように、磁石(19)はパネル(3’)の面の反対側に直接取り付けられており、使用時に本体(11)を挿入できるように開口(13)は磁石(19)の間にある。突起(15)、留め金(5)及び機構がパネル(3’)の面に直接置かれている実施形態では、磁石もまた、同じパネル(3’)に置かれている。磁石(19)は玩具(1)を第2の玩具と、この2つの間の接触前に整列させるために設けられている。磁石(19)は、したがって、本発明では、玩具(1)をそれが相互作用し得る第2の玩具と整列させる際の、純粋に玩具(1)のための方向性を持つ力として設けられている。このことは、各玩具の能動面の相互作用を可能にし、各玩具を互いに接触させたとき、玩具のうちの1つの所定条件に合致することを可能にする。その後玩具の1つについて所定条件に合致すると、その玩具の保持留め金が解除され、玩具は第1の位置状態から第2の位置状態に移行するのを可能とされる。本例において、玩具の1つについて所定条件に合致するときのその第2の位置状態は、その玩具が移行し、典型的には、反転し、他の玩具を少なくとも一部巻き込む、閉じ込める及び/又は捕らえるためのものである。
【0073】
第1の玩具(1)について上述したものと同じ特徴を有する第2の物品又は玩具を提供してもよい。この実施形態では、第2の玩具は、また、押下されたときに、その解除留め金を作動させる突起(215’)と、例えば、第1の玩具(1)の対応する突起を内側に押下/促し、その玩具の解除留め金(5)を作動するために設けられた実質的に硬い突起(215”)を含む、いくつかの突起(215)を有する。第1の玩具(1)と同様に、第2の玩具の突起(215)、解除留め金及び機構もまた、上述のように、取外し可能な本体に置かれていてもよい。したがって、第1の玩具(1)と第2の玩具が共に移動する際、2つの玩具の磁石は、第1の玩具(1)と第2の玩具とを整列させ、それらを互いに引きつけるのを助けるように機能する。その後、第2の玩具の硬い突起(215”)は、解除留め金(5)に連結された第1の玩具(1)の突起(15’)を押下し、第1の玩具(1)における所定条件に合致することを可能にし、留め金(5)は解除され、隣接するパネル(3”)を第1の位置状態に保持するのをやめる。第1の玩具(1)は、その後、第1の位置状態から第2の、反転位置状態に移行する。この例では、第2の、反転位置状態には、第1の玩具(1)が第2の玩具を少なくとも一部巻き込む、閉じ込める及び/又は捕らえることを伴う。
【0074】
上述の第1及び第2の玩具と同じ特徴を有する第3の物品又は玩具が紹介され得る。第3の玩具を第1の玩具又は第2の玩具のいずれかと引き合わせるための機構は第1の玩具と第2の玩具との間について上述したものと同じままである。しかしながら、この例では、第3の玩具の突起(315)は、第1の玩具(1)と接触させたとき、作動され、第1の位置状態から第2の位置状態に移行し、第1の玩具を少なくとも一部巻き込む、閉じ込める及び/又は捕らえるのは第3の玩具であるように配置されている。加えて、第3の玩具を第2の玩具と接触させたとき、作動され、第1の位置状態から第2の位置状態に移行し、第3の玩具を少なくとも一部巻き込む、閉じ込める及び/又は捕らえるのは第2の玩具である。したがって、更なる突起(15)は押下され得るが解除留め金(5)を作動しないことで、その正確な配置構成に関して似せた要素を玩具(1)に設けることは理解されよう。突起(15、15’、15”)の構成は、玩具物品間で「じゃんけん」形式のゲームプレーを提供するために、異なる玩具(1)、又は特に、異なる本体(11)間で異なってもよい。
【0075】
ユーザが玩具(1)をカスタマイズすることを可能にするために、玩具(1)の追加付属物も提供してよい。例えば、玩具(1)に直接、又は後に玩具(1)に取り付けられる本体(11)、のいずれかに、取り付け可能な面(図示せず)を設けてもよい。これにより、ユーザが自身の特定の玩具(1)をカスタマイズすることを可能にし、更に、複数の面が設けられる場合には、特別な特徴及び/又はポイントを各面と関連付けてもよい。玩具はそれぞれ、その各ユーザによってカスタマイズされてもよい。ユーザは、どの本体を玩具に取り付け(これによって玩具(1)の突起(15)の構成を画定する)、他のどの玩具を作動する/作動させるかを選択することができるだけでなく、ユーザは、どの面を取り付けるかを選択してもよい。これは、単なる「紙が石に勝つ」等の場合よりもむしろ更なる採点のための手段を提供し、各面はそれに関連付けられた特定の(正又は負の)点数を有し、玩具の複数のユーザのための採点システムを導入してもよい。
【0076】
ここで図8a~図8dを参照すると、玩具(1)に存在してもよい更なる特徴が示されている。特に、ひも、より糸又はロープ(25)の形態のリセット機構が設けられている。ひも(25)は、ユーザが把持し、引っ張ることができる自由端(27)を有する。ひも(25)は、玩具(1)が第2の、反転位置状態に移行すると引っ張られる/強く引かれるように設けられるとともにそのように配置されており、ユーザがバネ(7)の付勢に反して玩具(1)を本来の第1の位置状態に戻すのを助けるためにある。ひも(25)は玩具(1)内にあり、少なくとも2つのパネルを接続している。示される例では、端(27)がユーザによって引っ張られると、パネル(3’)の留め金(5)の、パネル(3”)との再係合に助けられ、これら3つのパネル及び端部(33)が第1の位置状態にリセットされるように、ひも(25)は3つのパネル(3”、3’、3)及び末端の半パネル(33)の長さに沿って延びている。ユーザは、その後続いて、2つのサイドパネル(3)を再結合させて、第1の位置状態に戻る玩具(1)の移動を完了する必要がある。図8a~図8dには1本のひも(25)を示しているが、追加のひもは、1つの引く動作で全体を移動するために共通端(27)に繋いで、又はリセットを段階的に実施できるように、のいずれかで設けられ得ることは可能である。更に、このひも(25)は3つの隣接するパネル(3、3’、3”)及び末端部分(33)を接続するように示されるが、他の変形形態は可能であり、例えば、ひも(25)は、移動の結果、サイドパネル(3)、したがって、パネル(3’)を引き合わせるように機能し、残りのパネル及び末端部分(33)を折ることによりユーザにリセットを完了させてもよい。本出願人には他の変形形態もまた想定される。
【0077】
また、図8a~図8dに示されるのは、パネル(3、3’、3”)に取り付けるいくつかの取り付け可能なアドオン又は部品(29)の提供である。このような部品は、玩具(1)が第2の、反転位置状態にあるときに露出するように、即ち、玩具(1)が第1の位置状態にあるときには玩具(1)の内部に隠れるように取外し可能/交換可能な手法でパネルに取り付けるように提供されてもよい。これら部品には、玩具物品(1)によって表現されるキャラクター若しくは動物の特徴又は本体部分として見えるように彫刻を施してもよい。したがって、リセット機構のひも(25)は、そのような特徴に調和し、例えば、玩具物品(1)によって表現されるキャラクター又は動物の尾部として見えるように機能するように設けられてもよい。
【0078】
最後に、示される実施形態では、玩具(1)は、いくつかの均一な大きさのパネル(3、3’、3”)を備え、第1の位置状態にあるときに玩具(1)を完成させる1つの更なる末端部分(33)を有するものとして設けられている。しかしながら、玩具(1)が第2の、反転位置状態へと解除され、第2の玩具を「飲み込む」又は巻き込むようになっている場合、巻き込みを行う玩具は第2の玩具に完全には巻き付くことができないため、これにより小さな隙間が残る可能性がある。いくつかの実施形態では、したがって、玩具(1)にまた、図8aにのみ示す部分(33)にヒンジ連結で取り付けられた更により小さなパネル(35)を設けてもよい。パネル(35)は、反転位置状態において、別の玩具のより良好な封じ込めを行う役割を果たす。この部分(35)のヒンジ連結される性質は、玩具(1)が第1の位置状態にあるとき、玩具の内部に部分(35)が保存されることを可能にする。
【0079】
本発明が記載されるように機能するために、上述の玩具(1)を立方体形状に限定する必要はないことは理解されよう。例えば、このような機構は、第1の位置状態から、第2の、物品又は玩具が三辺(四面体)の底面又は四辺(五面体)の底面のいずれかを有する角錐;八面体;十二面体;二十面体等である、実質的に反転位置状態への物品又は玩具の移動を提供してもよい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図7A
図7B
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図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図7J
図7K
図7L
図7M
図7N
図7O
図7P
図8A
図8B
図8C
図8D