(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
E02F 3/43 20060101AFI20221122BHJP
F15B 11/02 20060101ALI20221122BHJP
F15B 11/17 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
E02F3/43 F
F15B11/02 M
F15B11/17
(21)【出願番号】P 2019038792
(22)【出願日】2019-03-04
【審査請求日】2021-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】清水 自由理
(72)【発明者】
【氏名】平工 賢二
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 哲平
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宏政
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 貴雅
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-090703(JP,A)
【文献】特開2010-059738(JP,A)
【文献】特開2016-145603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/43
F15B 11/02
F15B 11/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブームと、
前記ブームに回動可能に取り付けられたアームと、
前記アームに回動可能に取り付けられたバケットと、
伸長動作により前記ブームを上げ方向に駆動し、収縮動作により前記ブームを下げ方向に駆動するブームシリンダと、
伸長動作により前記アームを押出方向に駆動し、収縮動作により前記アームを引込方向に駆動するアームシリンダと、
前記ブームおよび前記アームの動作を指示する操作装置と、
前記ブームシリンダに閉回路状に接続可能な両傾転型の第1液圧ポンプと、
前記アームシリンダに接続可能な第2液圧ポンプと、
前記操作装置の操作に応じて、前記第1液圧ポンプから前記ブームシリンダに供給される圧油の流量、および前記第2液圧ポンプから前記アームシリンダに供給される圧油の流量を制御するコントローラとを備えた建設機械において、
前記ブームの角度を検出するブーム角度検出装置と、
前記アームの押出動作時の前記バケットの移動軌跡として円弧軌跡および直線軌跡のいずれか一方を選択するバケット軌跡選択装置とを備え、
前記コントローラは、前記バケット軌跡選択装置を介して前記直線軌跡が選択された場合に、前記操作装置を介して前記アームの押出動作の指示が開始された時点で前記ブーム角度検出装置により検出された前記ブームの角度であるブーム初期角度に応じた一定の流量比を算出し、前記操作装置を介して前記アームの押出動作が指示され、かつ前記ブームの動作が指示されていない間、前記アームシリンダのボトム室に供給される流量に前記流量比を掛けて得られる流量が前記ブームシリンダのボトム室から排出されるように前記第1液圧ポンプの吐出流量を制御する
ことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械において、
前記アームの角度を検出するアーム角度検出装置を更に備え、
前記コントローラは、前記操作装置を介して前記アームの押出動作の指示が開始された時点で前記アーム角度検出装置で検出された前記アームの角度であるアーム初期角度と前記ブーム初期角度とに基づいて前記流量比を算出する
ことを特徴とする建設機械。
【請求項3】
請求項1に記載の建設機械において、
前記ブームシリンダと前記アームシリンダとを含む複数の液圧アクチュエータと、
前記第1液圧ポンプと前記第2液圧ポンプとを含む複数の液圧ポンプと、
前記複数の液圧アクチュエータと前記複数の液圧ポンプとの接続状態を切換可能な複数の切換弁とを備えた
ことを特徴とする建設機械。
【請求項4】
請求項2に記載の建設機械において、
前記直線軌跡が地面に対してなす角度である対地角度を指示する押出角度指示装置を更に備え、
前記コントローラは、前記ブーム初期角度と前記アーム初期角度と前記対地角度とに基づいて前記流量比を決定する
ことを特徴とする建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液圧ポンプにより直接に液圧アクチュエータを駆動する液圧駆動装置を備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、油圧ショベルなどの建設機械において、油圧シリンダなどの油圧アクチュエータを駆動させる油圧回路内の絞り要素を減らし燃料消費率を低減する為に、油圧ポンプなどの油圧駆動源から作動油を油圧アクチュエータへ送り、油圧アクチュエータで仕事を行った作動油をタンクに戻さず油圧ポンプへ戻すように接続した油圧回路(閉回路と定義する)の開発が進められている。
【0003】
特許文献1では、バックホウショベルに対して、アクチュエータとポンプを閉回路状に接続する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記先行技術文献で、例えばバックホウショベルではなく、ローディングショベルに適用することを考える。ローディングショベルは、アームシリンダを伸長することにより、バケットを押出す構造のショベルである。ローディングショベルでは、掘削動作を行う際に、バケットを水平に押し出す動作を行う。先行技術文献で示されたシステムを用いる場合、バケットの水平押出し動作を実現するためには、アームシリンダ伸長方向のレバー入力と、ブームシリンダ収縮方向のレバー入力を微調整する必要がある。そのため、オペレータに複雑な入力を要求することになり、繰り返し掘削動作を行う際に、オペレータの負荷を増大させてしまう。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、オペレータがアームを押出方向に操作するだけでバケットを直線的に押し出すことが可能な建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、ブームと、前記ブームに回動可能に取り付けられたアームと、前記アームに回動可能に取り付けられたバケットと、伸長動作により前記ブームを上げ方向に駆動し、収縮動作により前記ブームを下げ方向に駆動するブームシリンダと、伸長動作により前記アームを押出方向に駆動し、収縮動作により前記アームを引込方向に駆動するアームシリンダと、前記ブームおよび前記アームの動作を指示する操作装置と、前記ブームシリンダに閉回路状に接続可能な両傾転型の第1液圧ポンプと、前記アームシリンダに接続可能な第2液圧ポンプと、前記操作装置の操作に応じて、前記第1液圧ポンプから前記ブームシリンダに供給される圧油の流量、および前記第2液圧ポンプから前記アームシリンダに供給される圧油の流量を制御するコントローラとを備えた建設機械において、前記ブームの角度を検出するブーム角度検出装置と、前記アームの押出動作時の前記バケットの移動軌跡として円弧軌跡および直線軌跡のいずれか一方を選択するバケット軌跡選択装置とを備え、前記コントローラは、前記バケット軌跡選択装置を介して前記直線軌跡が選択された場合に、前記操作装置を介して前記アームの押出動作の指示が開始された時点で前記ブーム角度検出装置により検出された前記ブームの角度であるブーム初期角度に応じた一定の流量比を算出し、前記操作装置を介して前記アームの押出動作が指示され、かつ前記ブームの動作が指示されていない間、前記アームシリンダのボトム室に供給される流量に前記流量比を掛けて得られる流量が前記ブームシリンダのボトム室から排出されるように前記第1液圧ポンプの吐出流量を制御するものとする。
【0008】
以上のように構成した本発明によれば、バケット軌跡選択装置を介して直線軌跡が選択され、かつ操作装置を介してアームの押出動作が指示された場合に、ブーム初期角度に基づいて一定の流量比が算出され、操作装置を介してアームの押出動作が指示され、かつブームの動作が指示されていない間、アームシリンダのボトム室に供給される流量に前記流量比を掛けて得られる流量がブームシリンダのボトム室から排出されるように第1液圧ポンプの吐出流量が制御される。これにより、オペレータがアームを押出方向に操作するだけでバケットを直線的に押し出すことが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る建設機械によれば、オペレータがアームを押出方向に操作するだけでバケットを直線的に押し出すことができるため、掘削作業時のオペレータの負荷を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施例に係る油圧ショベルの側面図である。
【
図2】
図1に示す油圧ショベルの掘削時の動作を示す図である。
【
図3】
図1に示す油圧ショベルに搭載された液圧駆動装置の概略構成図である。
【
図4】
図3に示すコントローラの機能ブロック図である。
【
図5】水平押出円弧掘削切換スイッチを介して水平押出モードが選択され、かつレバーを介してアーム押し単独動作が指示された場合の、レバーの入力、液圧ポンプの吐出流量、切換弁の開閉状態、およびアームシリンダおよびブームシリンダの速度(シリンダ速度)の変化を示す図である。
【
図6】
図4に示すコントローラの指令演算部の処理を示すフローチャートである。
【
図7】水平押出円弧掘削切換スイッチを介して円弧掘削モードが選択され、かつレバーを介してアーム押し単独動作が指示された場合の、レバーの入力、液圧ポンプの流量、切換弁の開閉状態、およびアームシリンダおよびブームシリンダの速度(シリンダ速度)の変化を示す。
【
図8】本発明の第2の実施例におけるコントローラの機能ブロック図である。
【
図9】本発明の第2の実施例におけるコントローラの指令演算部の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態に係る建設機械として油圧ショベルを例に挙げ、図面を参照して説明する。なお、各図中、同等の部材には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の第1の実施例に係る油圧ショベルの側面図である。
【0013】
図1において、油圧ショベル100は、クローラ式の走行装置8を装備した下部走行体101と、下部走行体101上に旋回装置7を介して旋回可能に取り付けられた上部旋回体102と、上部旋回体102の前部に上下方向に回動可能に取り付けられたフロント作業装置103とを備えている。上部旋回体102上には、オペレータが搭乗するキャブ104が設けられている。キャブ104内には、後述のレバー51(
図3に示す)が配設されている。
【0014】
フロント作業装置103は、上部旋回体102の前部に上下方向に回動可能に取り付けられたブーム2と、ブーム2の先端部に上下または前後方向に回動可能に連結されたアーム4と、アーム4の先端部に上下または前後方向に回動可能に連結されたバケット6と、ブーム2を駆動するブームシリンダ1と、アーム4を駆動するアームシリンダ3と、バケット6を駆動するバケットシリンダ5とを備えている。
【0015】
本実施例に係る油圧ショベル100はローディングショベルであり、アームシリンダ3またはバケットシリンダ5を伸長させることにより、バケット6が前方に押し出されるように構成されている。掘削時の油圧ショベル100は、
図2に示すように、アーム4を引きかつブーム2を上げた姿勢(開始姿勢)からアーム4を押し出しかつブーム2を下げた姿勢(終了姿勢)に移行する動作を繰り返し行う。
【0016】
図3は、油圧ショベル100に搭載された液圧駆動装置の概略構成図である。なお、説明の簡略化のため、
図3では、ブームシリンダ1およびアームシリンダ3の駆動に関わる部分のみを示し、その他のアクチュエータの駆動に関わる部分は省略している。
【0017】
図3において、液圧駆動装置300は、ブームシリンダ1と、アームシリンダ3と、ブームシリンダ1およびアームシリンダ3の各動作方向および各要求速度を指示する操作装置としてのレバー51と、動力源であるエンジン9と、エンジン9の動力を配分する動力伝達装置10と、動力伝達装置10によって配分された動力で駆動される液圧ポンプ12~15およびチャージポンプ11と、液圧ポンプ12~15と液圧アクチュエータ1,3との接続を切換可能な切換弁40~47と、比例弁48,49と、切換弁40~47、比例弁48,49、および後述のレギュレータ12a,13a,14a,15aを制御するコントローラ50とを備えている。
【0018】
動力源であるエンジン9は、動力を配分する動力伝達装置10に接続されている。動力伝達装置10には、液圧ポンプ12~15、およびチャージポンプ11が接続されている。
【0019】
液圧ポンプ12,13は、一対の入出力ポートを持つ両傾転斜板機構と、傾転斜板の傾斜角を調整するレギュレータ12a,13aとを備えている。液圧ポンプ14,15は、入力ポートと出力ポートを持つ片傾転斜板機能と、傾転斜板の傾斜角を調整するレギュレータ14a,15aとを備えている。レギュレータ12a,13a,14a,15aは、コントローラ50からの信号により、液圧ポンプ12~15の傾転斜板の傾転角を調整する。
【0020】
液圧ポンプ12,13は、傾転斜板の傾転角を調整することにより、入出力ポートからの作動油の吐出流量と方向を制御できる。また、液圧ポンプ12,13は、圧油の供給を受けると液圧モータとしても機能する。
【0021】
液圧ポンプ12の一対の入出力ポートには流路200,201が接続され、流路200,201には切換弁40,41が接続されている。切換弁40,41は、コントローラ50からの信号により、流路の連通と遮断を切り換える。切換弁40,41は、コントローラ50からの信号が無い場合は、遮断状態である。
【0022】
切換弁40は、流路210,211を介してブームシリンダ1に接続されている。コントローラ50からの信号により切換弁40が連通状態になると、液圧ポンプ12は、流路200,201、切換弁40、および流路210,211を介してブームシリンダ1と接続されることにより閉回路を構成する。
【0023】
切換弁41は、流路213,214を介してアームシリンダ3に接続されている。コントローラ50からの信号により切換弁41が連通状態になると、液圧ポンプ12は、流路200,201、切換弁41、および流路213,214を介してアームシリンダ3と接続されることにより閉回路を構成する。
【0024】
液圧ポンプ13の一対の入出力ポートには流路202,203が接続され、流路202,203には切換弁42,43が接続されている。切換弁42,43は、コントローラ50からの信号により、流路の連通と遮断を切り換える。切換弁42,43は、コントローラ50からの信号が無い場合は、遮断状態である。
【0025】
切換弁42は、流路210,211を介してブームシリンダ1に接続されている。コントローラ50からの信号により切換弁42が連通状態になると、液圧ポンプ13は、流路202,203、切換弁42、および流路210,211を介してブームシリンダ1と接続されることにより閉回路を構成する。
【0026】
切換弁43は、流路213,214を介してアームシリンダ3に接続されている。コントローラ50からの信号により切換弁43が連通状態になると、液圧ポンプ13は、流路202,203、切換弁43、および流路213,214を介してアームシリンダ3と接続されることにより閉回路を構成する。
【0027】
液圧ポンプ14の出力ポートは、流路204を介して切換弁44,45、比例弁48、およびリリーフ弁21に接続されている。液圧ポンプ14の入力ポートは、タンク25に接続されている。
【0028】
リリーフ弁21は、流路圧が所定の圧力以上になったときに、作動油をタンク25に逃がし回路を保護する。
【0029】
切換弁44,45は、コントローラ50からの信号により、流路の連通と遮断を切り換える。コントローラ50からの信号が無い場合は、切換弁44,45は、遮断状態である。
【0030】
切換弁44は、流路210を介してブームシリンダ1のボトム室1aに接続されている。
【0031】
切換弁45は、流路213を介してアームシリンダ3のボトム室3aに接続されている。
【0032】
比例弁48は、コントローラ50からの信号により、開口面積を変化させ、通過流量を制御する。コントローラ50からの信号が無い場合、比例弁48は最大開口面積に保持される。また、切換弁44,45が遮断状態の時、コントローラ50は、液圧ポンプ14の吐出流量に応じて予め設定された開口面積となるように比例弁48に信号を与える。
【0033】
液圧ポンプ15の出力ポートは、流路205を介して切換弁46,47、比例弁49、およびリリーフ弁22に接続されている。液圧ポンプ15の入力ポートは、タンク25に接続されている。
【0034】
リリーフ弁22は、流路圧が所定の圧力以上になったときに、作動油をタンク25に逃がし回路を保護する。
【0035】
切換弁46,47は、コントローラ50からの信号により、流路の連通と遮断を切り換える。コントローラ50からの信号が無い場合は、切換弁46,47は、遮断状態である。
【0036】
切換弁46は、流路210を介してブームシリンダ1のボトム室1aに接続されている。
【0037】
切換弁47は、流路213を介してアームシリンダ3のボトム室3aに接続されている。
【0038】
比例弁49は、コントローラ50からの信号により、開口面積を変化させ、通過流量を制御する。コントローラ50からの信号が無い場合、比例弁49は最大開口面積に保持される。また、切換弁46,47が遮断状態の時、コントローラ50は、液圧ポンプ15の吐出流量に応じて予め設定された開口面積となるように比例弁49に信号を与える。
【0039】
チャージポンプ11の吐出口は、チャージライン212を介して、チャージ用リリーフ弁20、およびチャージ用チェック弁26,27,28a,28b,29a,29bに接続されている。チャージポンプ11の吸込口はタンク25に接続されている。チャージポンプ11は、チャージライン212に圧油を供給する。
【0040】
チャージ用リリーフ弁20は、チャージライン212の流路圧が所定の圧力以上になったときに作動油をタンク25に逃がし、チャージライン212の圧力を一定に保つ。
【0041】
チャージ用チェック弁26は、流路200,201の圧力がチャージ用リリーフ弁20で設定した圧力を下回った場合に、チャージライン212から流路200,201に圧油を供給する。
【0042】
チャージ用チェック弁27は、流路202,203の圧力がチャージ用リリーフ弁20で設定した圧力を下回った場合に、チャージライン212から流路202,203に圧油を供給する。
【0043】
チャージ用チェック弁28a,28bは、流路210,211の圧力がチャージ用リリーフ弁20で設定した圧力を下回った場合に、チャージライン212から流路210,211に圧油を供給する。
チャージ用チェック弁29a,29bは、流路213,214の圧力がチャージ用リリーフ弁20で設定した圧力を下回った場合に、チャージライン212から流路213,214に圧油を供給する。
【0044】
流路200,201に設けられたリリーフ弁30a,30bは、流路圧が所定の圧力以上になったときに、作動油をチャージライン212に逃がして回路を保護する。
【0045】
流路202,203に設けられたリリーフ弁31a,31bは、流路圧が所定の圧力以上になったときに、作動油をチャージライン212に逃がして回路を保護する。
【0046】
ブームシリンダ1は、作動油の供給を受けて伸縮作動する液圧片ロッドシリンダである。ブームシリンダ1のボトム室1aには流路210が接続され、ブームシリンダ1のロッド室1bには流路211が接続されている。ブームシリンダ1の伸縮方向は作動油の供給方向に依存する。
【0047】
流路210,211に設けられたリリーフ弁32a,32bは、流路圧が所定の圧力以上になったときに、作動油をチャージライン212に逃がして回路を保護する。
【0048】
流路210,211に設けられたフラッシング弁34は、流路内の余剰油をチャージライン212に排出する。
【0049】
アームシリンダ3は、作動油の供給を受けて伸縮作動する液圧片ロッドシリンダである。アームシリンダ3のボトム室3aには流路213が接続され、アームシリンダ3のロッド室3bには流路214が接続されている。アームシリンダ3の伸縮方向は作動油の供給方向に依存する。
【0050】
流路213,214に設けられたリリーフ弁33a,33bは、流路圧が所定の圧力以上になったときに、作動油をチャージライン212に逃がして回路を保護する。
【0051】
流路210,211に設けられたフラッシング弁35は、流路内の余剰油をチャージライン212に排出する。
【0052】
ブームシリンダ1に設置されたストロークセンサ60は、ブームシリンダ1のストロークを計測し、コントローラ50に入力する。コントローラ50は、ブームシリンダ1のストロークからブーム2の姿勢(角度)を演算する。
【0053】
アームシリンダ3に設置されたストロークセンサ61は、アームシリンダ3のストロークを計測し、コントローラ50に入力する。コントローラ50は、アームシリンダ3のストロークからアーム4の姿勢(角度)を演算する。
【0054】
なお、本実施例では、ブーム2およびアーム4の姿勢を検出する手段としてストロークセンサ60,61を使用するが、ブーム2およびアーム4の回転軸に取り付ける角度センサや、ブーム2およびアームに取り付けるIMUを使用してもよい。
【0055】
レバー51は、オペレータによって操作され、各アクチュエータに対する操作量をコントローラ50に入力する。
【0056】
水平押出円弧掘削切換スイッチ52は、オペレータによって操作され、後述する水平押出モードと円弧掘削モードの選択結果をコントローラ50に入力する。
【0057】
図4は、コントローラ50の機能ブロック図である。なお、
図4では、
図3と同様に、ブームシリンダ1およびアームシリンダ3の駆動に関わる部分のみを示し、その他のアクチュエータの駆動に関わる部分は省略している。
【0058】
図4において、コントローラ50は、レバー操作量演算部F11と、ブーム姿勢演算部F12bと、アーム姿勢演算部F12aと、指令演算部F13とを有する。
【0059】
レバー操作量演算部F11は、レバー51からの入力に応じて、アクチュエータ1,3の動作方向および目標動作速度を演算し、指令演算部F13に入力する。
【0060】
ブーム姿勢演算部F12bは、ストロークセンサ60の値(ブームシリンダ1のストローク)から、ブーム2の姿勢(角度)を演算し、指令演算部F13に入力する。
【0061】
アーム姿勢演算部F12bは、ストロークセンサ61の値(アームシリンダ3のストローク)から、アーム4の姿勢(角度)を演算し、指令演算部F13に入力する。
【0062】
指令演算部F13は、レバー操作量演算部F11、ブーム姿勢演算部F12b、およびアーム姿勢演算部F12aからの入力に基づいて、切換弁40~47、比例弁48,49、およびレギュレータ12a~15aへの指令値を演算し、出力する。
【0063】
指令演算部F13は、水平押出円弧掘削選択部F14と、ブーム流量比演算部F15と、アクチュエータ割当流量演算部F16とを有する。
【0064】
水平押出円弧掘削選択部F14は、水平押出円弧掘削切換スイッチ52からの入力に基づいて、水平押出モードと円弧掘削モードのいずれかを選択し、ブーム流量比演算部F15に入力する。
【0065】
ブーム流量比演算部F15は、水平押出円弧掘削選択部F14から水平押出モードが入力された場合、ブーム姿勢演算部F12b、およびアーム姿勢演算部F12aからの入力に基づいて、アームシリンダ3のボトム室3aへの供給流量Qaに対するブームシリンダ1のボトム室1aからの排出流量Qbの比率である流量比αを演算する。ブームシリンダ1への供給流量Qbは、流量比αを用いて以下の式(1)で表される。
【0066】
【0067】
ここで、流量比αは、ブーム2の初期角度θb0、およびアーム4の初期角度θa0に基づいて幾何学的に決定される。すなわち、流量比αは以下の式(2)で表される。
【0068】
【0069】
なお、掘削開始時のアームシリンダ3が常に最縮長である場合は、流量比αは、ブーム2の初期角度θb0のみに基づいて決定される。すなわち、供給流量比αは以下の式(3)で表される。
【0070】
【0071】
アクチュエータ割当流量演算部F16は、レバー操作量演算部F11、およびブーム流量比演算部F15からの入力に基づき、切換弁40~47、比例弁48,49、およびレギュレータ12a~15aへの指令値を演算し、出力する。
【0072】
次に、本実施例に係る液圧駆動装置300の動作を説明する。
【0073】
(1)非操作時
図3において、レバー51が非操作時は、液圧ポンプ12~15は最小傾転角に制御され、切換弁40~47は全て閉じられ、ブームシリンダ1およびアームシリンダ3は停止状態で保持される。
【0074】
(2)アーム押し動作時(水平押出選択時)
図5に、水平押出円弧掘削切換スイッチ52を介して水平押出モードが選択され、かつレバー51を介してアーム押し単独動作が指示された場合の、レバー51の入力、液圧ポンプ13,15,12の吐出流量、切換弁43,47,40の開閉状態、およびアームシリンダ3およびブームシリンダ1の速度(シリンダ速度)の変化を示す。
【0075】
時刻t0から時刻t1にかけて、レバー51の入力は0であり、アームシリンダ3、およびブームシリンダ1は静止している。
【0076】
時刻t1から時刻t2にかけて、レバー51の入力はアームシリンダ3を伸長する指令値が最大値まで上げられる。
【0077】
図6は、コントローラ50の指令演算部F13の処理を示すフローチャートである。
【0078】
まず、ステップS1において、コントローラ50は、レバー51の入力がアーム単独であるか否かを判定する。本動作はアーム押し単独動作であるため、ステップS2に進む。
【0079】
ステップS2において、コントローラ50は、水平押出モードが選択されているか否かを判定する。本動作では水平押出モードが選択されているため、ステップS3に進む。
【0080】
ステップS3において、コントローラ50は、ストロークセンサ60の信号(ブームシリンダ1のストローク)に基づき、ブーム2の姿勢(角度)を演算する。さらに、水平押出動作を行うためのアームシリンダ3のボトム室3aへの供給流量に対するブームシリンダ1のボトム室1aからの排出流量の比率(流量比α)を演算し、ステップS4に進む。
【0081】
ステップS4において、コントローラ50は、アーム押し単独動作のレバー入力に基づき、アームシリンダ3のボトム室3aへの供給流量Qaを演算する。さらにステップS3で求めた流量比αと、アームシリンダ3のボトム室3aへの供給流量Qaから、ブームシリンダ1のボトム室1aからの排出流量Qbを演算し、処理を完了する。
【0082】
図5に示す通り、時刻t1から時刻t2にかけて、
図6に示したステップS4で演算したアームシリンダ3のボトム室3aへの供給流量Qaが液圧ポンプ13,15から供給されるように、レギュレータ13a,15aを制御する。液圧ポンプ13をアームシリンダ3に接続するため、時刻t1において切換弁43を開き、液圧ポンプ15をアームシリンダ3のボトム室3aに接続するため、時刻t1において切換弁47を開く。
【0083】
また、
図6に示したステップS4で演算したブームシリンダ1のボトム室1aからの排出流量Qbが液圧ポンプ12に吸収されるように、液圧ポンプ12の吐出流量を制御する。液圧ポンプ12をブームシリンダ1に接続するため、時刻t1において切換弁40を開く。
【0084】
上記の通り、アーム単独押し動作のレバー入力に対して、ポンプの吐出流量と切換弁の開閉を制御することにより、アームシリンダ3の伸長速度に対して、ブームシリンダ1の収縮速度を適正に制御し、水平押出動作を実現する。
【0085】
本実施例では、ブームシリンダ1の収縮に液圧ポンプ12のみを使用した。液圧ポンプ12は閉回路ポンプであり、ブーム下げ動作では、ロッド室1bの圧力よりボトム室1aの圧力が高くなるため、液圧ポンプ12は吸い込み側が高くなり、油圧モータとして振る舞い動力伝達装置10に回生トルクを与える。回生されたトルクは、液圧ポンプ13,15の駆動に使用することができ、エンジン9の燃料消費量を低減することができる。また、ブーム下げをポンプのみで制御することにより、圧力の影響で流量が変動してしまう弁を用いた制御に対して、流量の制御精度を向上できるため、水平押出の目標軌跡への追従性が向上できる。
【0086】
本実施例のように、ブームシリンダ1の収縮に液圧ポンプ12のみを使用する場合、シリンダのボトム側とロッド側の受圧面積比により生じる余剰流量は、フラッシング弁34を介して、チャージライン212へ排出される。排出流量が増大すると、チャージライン212の圧力が増大してしまう。これを防ぐために、時刻t1において、切換弁44を開き、比例弁48からタンク25へ一部の流量を排出してもよい。
【0087】
(3)アーム押し動作時(円弧掘削選択時)
図7に、水平押出円弧掘削切換スイッチ52を介して円弧掘削モードが選択され、かつレバー51を介してアーム押し単独動作が指示された場合の、レバー51の入力、液圧ポンプ13,15,12の流量、切換弁43,47,40の開閉状態、およびアームシリンダ3およびブームシリンダ1の速度(シリンダ速度)の変化を示す。
【0088】
時刻t0から時刻t1にかけて、レバー51の入力は0であり、アームシリンダ3、およびブームシリンダ1は静止している。
【0089】
時刻t1から時刻t2にかけて、レバー51の入力はアームシリンダ3を伸長する指令値が最大値まで上げられる。
【0090】
まず、
図6に示すステップS1において、コントローラ50は、レバー51の入力がアーム単独であるか否かを判定する。本動作は、アーム押し単独動作であるため、ステップS2に進む。
【0091】
ステップS2において、コントローラ50は、水平押出モードが選択されているか否かを判定する。本動作では円弧掘削モードが選択されているため、ステップS5に進む。
【0092】
ステップS5において、コントローラ50は、アーム押し単独動作のレバー入力に基づき、アームシリンダ3のボトム室3aへの供給流量Qaを演算し、処理を完了する。
【0093】
図5に示す通り、時刻t1から時刻t2にかけて、
図6に示したステップS4で演算したアームシリンダ3のボトム室3aへの供給流量Qaが液圧ポンプ13,15から供給されるように、レギュレータ13a,15aを制御する。液圧ポンプ13をアームシリンダ3に接続するため、時刻t1において切換弁43を開き、液圧ポンプ15をアームシリンダ3のボトム室3aに接続するため、時刻t1において切換弁47を開く。
【0094】
一方で、ブームシリンダ1は駆動しないため、液圧ポンプ12の吐出流量は0に保たれ、切換弁40も閉じた状態に保たれる。
【0095】
上記の通り、アーム押し単独動作のレバー入力に対して、ポンプの吐出流量と切換弁の開閉を制御することにより、アームシリンダ3のみを駆動するため、バケット6はブーム2とアーム4を接続する点を中心に円弧の軌跡で動かされる。
【0096】
本実施例では、ブーム2と、ブーム2に回動可能に取り付けられたアーム4と、アーム4に回動可能に取り付けられたバケット6と、伸長動作によりブーム2を上げ方向に駆動し、収縮動作によりブーム2を下げ方向に駆動するブームシリンダ1と、伸長動作によりアーム4を押出方向に駆動し、収縮動作によりアーム4を引込方向に駆動するアームシリンダ3と、ブーム2およびアーム4の動作を指示する操作装置51と、ブームシリンダ1に閉回路状に接続可能な両傾転型の第1液圧ポンプ12と、アームシリンダ3に接続可能な第2液圧ポンプ13,15と、操作装置51の操作に応じて、第1液圧ポンプ12からブームシリンダ1に供給される圧油の流量、および第2液圧ポンプ13,15からアームシリンダ3に供給される圧油の流量を制御するコントローラ50とを備えた建設機械100において、ブーム2の角度を検出するブーム角度検出装置60と、アーム4の押出動作時のバケット6の移動軌跡として円弧軌跡および直線軌跡のいずれか一方を選択するバケット軌跡選択装置52とを備え、コントローラ50は、バケット軌跡選択装置52を介して前記直線軌跡が選択された場合に、操作装置51を介してアーム4の押出動作の指示が開始された時点でブーム角度検出装置60により検出されたブーム2の角度であるブーム初期角度θb0に応じた一定の流量比αを算出し、操作装置51を介してアーム4の押出動作が指示され、かつブーム2の動作が指示されていない間、アームシリンダ3のボトム室3aに供給される流量Qaに流量比αを掛けて得られる流量Qbがブームシリンダ1のボトム室1aから排出されるように第1液圧ポンプ12の吐出流量を制御する。
【0097】
以上のように構成した本発明によれば、バケット軌跡選択装置52を介して直線軌跡が選択され、かつ操作装置51を介してアーム4の押出動作が指示された場合に、ブーム初期角度θb0に基づいて一定の流量比αが算出され、操作装置51を介してアーム4の押出動作が指示され、かつブーム2の動作が指示されていない間、アームシリンダのボトム室に供給される流量に前記流量比を掛けて得られる流量がブームシリンダのボトム室から排出されるように第1液圧ポンプの吐出流量が制御される。これにより、オペレータが操作装置を介してアームの押出動作を指示するだけでバケットを直線的に押し出すことが可能となる。
【0098】
また、本実施例に係る建設機械100は、アーム4の角度を検出するアーム角度検出装置61を更に備え、コントローラ50は、操作装置51を介してアーム4の押出動作の指示が開始された時点でアーム角度検出装置61で検出されたアーム4の角度であるアーム初期角度θa0とブーム初期角度θb0とに基づいて流量比αを算出する。これにより、バケット6を直線軌跡に沿って移動させる際のバケット6の高さを調整することが可能となる。
【0099】
また、ブームシリンダ1とアームシリンダ3とを含む複数の液圧アクチュエータ1,3と、第1液圧ポンプ12と第2液圧ポンプ13,15とを含む複数の液圧ポンプ12~15と、複数の液圧アクチュエータ1,3と複数の液圧ポンプ12~15との接続状態を切換可能な複数の切換弁40~47とを備える。これにより、油圧閉回路システムを搭載した建設機械100において、オペレータがアーム4を押出方向に操作するだけでバケット6を直線的に押し出すことが可能となる。
【実施例2】
【0100】
本発明の第2の実施例に係る油圧ショベル100について、第1の実施例との相違点を中心に説明する。第1の実施例ではバケット6の押出方向を水平方向に限定したが、本実施例は押出方向の角度を変更できるように構成したものである。
【0101】
図8は、本実施例におけるコントローラ50の機能ブロック図である。
図8において、第1の実施例(
図4に示す)との相違点は、バケット6の要求押出角度を指示する押出角度指示装置62をキャブ104に設け、水平押出円弧掘削切換スイッチ52および水平押出円弧掘削選択部F14に代えて直線押出円弧掘削切換スイッチ52Aおよび直線押出円弧掘削選択部F14Aを備えている点である。押出角度指示装置62からの信号はコントローラ50の供給流量比演算部F15に入力される。
【0102】
本実施例におけるブーム流量比演算部F15は、直線押出円弧掘削選択部F14Aから直線押出モードが入力された場合、ブーム姿勢演算部F12b、アーム姿勢演算部F12a、および押出角度指示装置62からの入力に基づいて流量比αを演算する。ここで、供給流量比αは、ブーム2の初期姿勢θb0、アーム4の初期姿勢θa0、および要求押出角度θdより決定される。すなわち、供給流量比αは以下の式(4)で表される。
【0103】
【0104】
図9は、本実施例におけるコントローラ50の指令演算部F13の処理を示すフローチャートである。
図9において、第1の実施例(
図6に示す)との相違点は、ステップS2,S3に代えてステップS2A,S3Aを備えている点である。
【0105】
ステップS2Aにおいて、コントローラ50は、直線押出モードが選択されているか否かを判定する。
【0106】
ステップS3Aにおいて、コントローラ50は、ストロークセンサ60の信号(ブームシリンダ1のストローク)に基づき、ブーム2の姿勢(角度)を演算する。さらに、直線押出動作を行うためのアームシリンダ3のボトム室3aへの供給流量に対するブームシリンダ1のボトム室1aからの排出流量の比率(流量比α)を演算し、ステップS4に進む。
【0107】
本実施例に係る建設機械100は、バケット6の直線軌跡が地面に対してなす角度である対地角度を指示する押出角度指示装置62を更に備え、コントローラ50は、ブーム初期角度θb0とアーム初期角度θa0と前記対地角度とに基づいて流量比αを決定する。
【0108】
以上のように構成した本実施例に係る建設機械100によれば、オペレータがアーム4を押出方向に操作するだけでバケット6を所望の角度で直線的に押し出すことが可能となる。
【0109】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成の一部を加えることも可能であり、ある実施例の構成の一部を削除し、あるいは、他の実施例の一部と置き換えることも可能である。
【符号の説明】
【0110】
1…ブームシリンダ、1a…ボトム室、1b…ロッド室、2…ブーム、3…アームシリンダ、3a…ボトム室、3b…ロッド室、4…アーム、5…バケットシリンダ、6…バケット、7…旋回装置、8…走行装置、9…エンジン、10…動力伝達装置、11…チャージポンプ、12…液圧ポンプ(第1液圧ポンプ)、12a…レギュレータ、13…液圧ポンプ(第2液圧ポンプ)、13a…レギュレータ、14…液圧ポンプ、14a…レギュレータ、15…液圧ポンプ(第2液圧ポンプ)、15a…レギュレータ、20…チャージ用リリーフ弁、21,22…リリーフ弁、25…タンク、26,27…チャージ用チェック弁、28a,28b…チャージ用チェック弁、29a,29b…チャージ用チェック弁、30a,30b…リリーフ弁、31a,31b…リリーフ弁、32a,32b…リリーフ弁、33a,33b…リリーフ弁、34,35…フラッシング弁、40~47…切換弁、48,49…比例弁、50…コントローラ、51…レバー(操作装置)、52…水平押出円弧掘削切換スイッチ(バケット軌跡選択装置)、52A…直線押出円弧掘削切替スイッチ(バケット軌跡選択装置)、60…ストロークセンサ(ブーム角度検出装置)、61…ストロークセンサ(アーム角度検出装置)、62…押出角度指示装置、100…油圧ショベル(建設機械)、101…下部走行体、102…上部旋回体、103…フロント作業装置、104…キャブ、200~211,213…流路、212…チャージライン、300…液圧駆動装置。