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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】超音波溶接システムおよびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 20/10 20060101AFI20221122BHJP
【FI】
B23K20/10
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019554509
(86)(22)【出願日】2018-04-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-30
(86)【国際出願番号】 US2018025941
(87)【国際公開番号】W WO2018187364
(87)【国際公開日】2018-10-11
【審査請求日】2020-10-09
(31)【優先権主張番号】62/481,408
(32)【優先日】2017-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506395943
【氏名又は名称】クリック アンド ソッファ インダストリーズ、インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ルーチンガー、クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】バレンティン、オーランド
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/167526(WO,A1)
【文献】特開2015-144169(JP,A)
【文献】特開2013-051366(JP,A)
【文献】特開平08-020071(JP,A)
【文献】特開2012-024790(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102013208749(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波溶接システムであって、
パワーモジュールを有するワークピースの超音波溶接の前に当該ワークピースを組み立てるように構成されたワークピース組立ステーションであって、前記ワークピースのコンタクト要素を前記ワークピースのベース構造に位置合わせするように構成されているものである、前記ワークピース組立ステーションと、
前記ワークピースを支持する支持構造と、
ソノトロードを搭載した超音波変換器を含む溶接ヘッドアセンブリであって、
この溶接ヘッドアセンブリは、前記ワークピースの前記コンタクト要素における少なくとも1つの導電性コンタクトを前記ワークピースの前記ベース構造の導電性領域に溶接するように構成され、複数の実質的に水平な軸に沿って移動可能なものであり、
前記ソノトロードは、前記少なくとも1つの導電性コンタクトと前記導電性領域との間に超音波溶接部を形成するように構成されているものであり、
前記少なくとも1つの導電性コンタクトは0.2~3mmの厚さを有するものであり、
前記ソノトロードは、溶接作業中に5~500kgの接合力と5~150ミクロンのソノトロード先端運動振幅で動作するように構成されているものであり、
前記超音波溶接部は、1.5~30mmの範囲の面積を有するものである、
前記溶接ヘッドアセンブリと、
を有
当該超音波溶接システムは、さらに、
前記ワークピースを提供する入力ワークピース供給部を有し、前記入力ワークピース供給部は、複数のワークピースを搬送するように構成されているものである、
超音波溶接システム。
【請求項2】
請求項1記載の超音波溶接システムにおいて、
前記ソノトロードは、直線超音波運動およびねじれ超音波運動の少なくとも一方を使用して、前記少なくとも1つの導電性コンタクトを前記導電性領域に溶接するように構成されているものである、超音波溶接システム。
【請求項3】
請求項記載の超音波溶接システムにおいて、さらに、
前記ワークピースを前記入力ワークピース供給部から前記支持構造に移動させるマテリアルハンドリングシステムを有するものである、超音波溶接システム。
【請求項4】
請求項1記載の超音波溶接システムにおいて、さらに、
前記ソノトロードによる処理の後に前記ワークピースを受け取る出力ワークピース供給部を有するものである、超音波溶接システム。
【請求項5】
請求項1記載の超音波溶接システムにおいて、前記コンタクト要素は、外部回路に接続するように構成された外部コンタクトを含むものである、超音波溶接システム。
【請求項6】
請求項1記載の超音波溶接システムにおいて、前記コンタクト要素は、外部回路に接続するように構成された複数の外部コンタクトを含むものである、超音波溶接システム。
【請求項7】
請求項1記載の超音波溶接システムにおいて、
前記複数の実質的に水平な軸は、前記超音波溶接システムのx軸と、y軸とを含むものである、超音波溶接システム。
【請求項8】
請求項1記載の超音波溶接システムにおいて、さらに、
前記ソノトロードによる超音波溶接中に前記ワークピースを前記支持構造に固定するワークピースクランプシステムを有するものである、超音波溶接システム。
【請求項9】
請求項1記載の超音波溶接システムにおいて、前記ワークピース組立ステーションでの前記ワークピースの組立後に、前記ソノトロードは、前記少なくとも1つの導電性コンタクトと前記導電性領域との間に超音波溶接部を形成するように構成されているものである、超音波溶接システム。
【請求項10】
請求項1記載の超音波溶接システムにおいて、前記ソノトロードは、15~40kHzの範囲の周波数で動作するように構成されているものである、超音波溶接システム。
【請求項11】
超音波溶接システムの動作方法であって、
前記超音波溶接システムのワークピース組立ステーションでパワーモジュールを有するワークピースを組み立てる工程であって、前記ワークピースのコンタクト要素を前記ワークピースのベース構造に位置合わせする工程を含むものである、前記組み立てる工程と、
前記超音波溶接システムの支持構造上で前記ワークピースを支持する工程と、
ソノトロードを搭載する超音波変換器を含む溶接ヘッドアセンブリにより、前記ワークピースの前記コンタクト要素における少なくとも1つの導電性コンタクトと前記ワークピースの前記ベース構造の導電性領域との間に超音波溶接部を形成するために、当該少なくとも1つの導電性コンタクトを当該導電性領域に溶接する工程であって、
前記少なくとも1つの導電性コンタクトは0.2~3mmの厚さを有するものであり、
前記溶接ヘッドアセンブリは、複数の実質的に水平な軸に沿って移動可能なものであり、
前記ソノトロードは、溶接作業中に5~500kgの接合力と、5~150ミクロンのソノトロード先端運動振幅で前記少なくとも1つの導電性コンタクトを前記導電性領域に溶接するものであり、
前記超音波溶接部は、1.5~30mmの範囲の面積を有するものである、
前記溶接する工程と、
を有
当該方法は、さらに、
前記ワークピースを入力ワークピース供給部から提供する工程を有し、前記入力ワークピース供給部は複数のワークピースを搬送するように構成されているものである、
方法。
【請求項12】
請求項11記載の方法において、前記溶接する工程は、前記ソノトロードの直線超音波運動およびねじれ超音波運動の少なくとも一方を使用して、前記超音波溶接部を形成する工程を含むものである、方法。
【請求項13】
請求項11記載の方法において、さらに、
前記入力ワークピース供給部から前記支持構造に前記ワークピースを移動させる工程を有するものである、方法。
【請求項14】
請求項11記載の方法において、さらに、
前記ソノトロードによる処理の後に前記ワークピースを出力ワークピース供給部で受け取る工程を有するものである、方法。
【請求項15】
請求項11記載の方法において、前記溶接する工程は、前記ソノトロードの直線超音波運動を使用して前記超音波溶接部を形成する工程を含むものである、方法。
【請求項16】
請求項11記載の方法において、前記溶接する工程は、前記ソノトロードのねじれ超音波運動を使用して前記超音波溶接部を形成する工程を含むものである、方法。
【請求項17】
請求項11記載の方法において、
前記複数の実質的に水平な軸は、前記超音波溶接システムのx軸と、y軸とを含むものである、方法。
【請求項18】
請求項11記載の方法において、さらに、
前記溶接する工程の間に、前記超音波溶接システムのワークピースクランプシステムにより前記ワークピースを前記支持構造に固定する工程を有するものである、方法。
【請求項19】
請求項11記載の方法において、前記コンタクト要素は、外部回路に接続するように構成された外部コンタクトを含むものである、方法。
【請求項20】
請求項11記載の方法において、前記コンタクト要素は、外部回路に接続するように構成された複数の外部コンタクトを含むものである、方法。
【請求項21】
請求項11記載の方法において、前記ソノトロードは、15~40kHzの範囲の周波数で動作するように構成されているものである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、2017年4月4日に出願された米国仮出願第62/481,408号の利益を主張するものであり、その全文の内容がここで参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、超音波溶接に関し、より具体的には、超音波溶接操作を実行するための改善されたシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
超音波エネルギーは、2つ以上の材料間の相互接続を形成する際に広く使用されている。たとえば、ワイヤボンディング装置(ボールボンディング装置、ウェッジボンディング装置、リボンボンディング装置など)が、ワイヤまたはリボンを接合位置に接合するために使用される。しかし、ワイヤボンディングでは、比較的低いレベルのエネルギー(例えば、接合力、超音波エネルギーなど)を使用する。例示的なワイヤボンディング装置は、ペンシルベニア州フォートワシントンのクリック アンド ソッファ インダストリーズ、インク.により販売されている。
【0004】
特定の用途では、ワイヤ以外の材料の接合を伴う。そのような用途では溶接が検討される。超音波溶接も広く使用されている技術である。超音波溶接は、電気エネルギーを機械的運動/スクラブ(たとえば、直線運動/スクラブ、ねじり運動/スクラブなど)に変換するために、超音波コンバーター(たとえば、ソノトロードを搭載)を使用する。ただし、既存の超音波溶接技術及び機器では、コスト、操作効率、柔軟性、携帯性、および関連する要素の面で市場の需要を満たすことができるソリューションを提供する能力が限られている。
【0005】
したがって、潜在的な市場に対する既存の障壁を克服するために、超音波溶接技術を改善することが望まれている。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許出願公開第2006/0169388号明細書
(特許文献2) 米国特許出願公開第2013/0112735号明細書
(特許文献3) 米国特許出願公開第2008/0265004号明細書
(特許文献4) 米国特許出願公開第2015/0210003号明細書
(特許文献5) 特開2017-024040号公報
(特許文献6) 米国特許第10,096,570号明細書
(特許文献7) 米国特許出願公開第2016/0133712号明細書
(特許文献8) 米国特許出願公開第2013/0049201
(特許文献9) 国際公開第2016/199621号
(特許文献10) 特開2007-005474号公報
(特許文献11) 特開2014-056917号公報
(非特許文献)
(非特許文献1) International Search Report dated August 6,2018,International Application No.PCT/US2018/025941.
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、超音波溶接システムが提供される。超音波溶接システムは、ワークピースを支持するための支持構造を含む。超音波溶接システムは、ソノトロードを有する超音波コンバーターを含む溶接ヘッドアセンブリも含む。溶接ヘッドアセンブリは、複数の実質的に水平な軸に沿って移動可能である。ソノトロードは、溶接作業中に5~500kgの接合力と5~150ミクロンのソノトロードの先端の運動振幅で作動するように構成されている。
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、超音波溶接システムが提供される。超音波溶接システムは、ワークピースを支持するための支持構造を含む。超音波溶接システムは、ソノトロードを有する超音波コンバーターを含む溶接ヘッドアセンブリも含む。溶接ヘッドアセンブリは、複数の実質的に水平な軸に沿って移動可能である。超音波溶接システムに提供されるワークピースは、コンタクト要素およびベース構造を含み、ソノトロードは、前記コンタクト要素の少なくとも1つの導電性コンタクトを前記ベース構造のそれぞれの導電性領域に超音波溶接するように構成される。
【0007】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、超音波溶接システムを動作させる方法が提供される。この方法は、以下の工程(a)超音波溶接システムの支持構造上でワークピースを支持する工程、(b)ソノトロードを搭載した超音波コンバーターを含む溶接ヘッドアセンブリを使用して、前記ワークピースの第1の部分を前記ワークピースの第2の部分に溶接する工程を含むものであり、溶接ヘッドアセンブリは、複数の実質的に水平な軸に沿って移動可能であり、5~500kgの接合力と、5~150ミクロンのソノトロードの先端運動振幅で、溶接作業中に前記ワークピースの第1の部分を前記ワークピースの第2の部分に溶接する。
【0008】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、超音波溶接システムを動作させる別の方法が提供される。この方法は、以下の工程:(a)超音波溶接システムの支持構造上でワークピースを支持する工程と、(b)ソノトロードを搭載した超音波コンバーターを含む溶接ヘッドアセンブリを使用してi)ワークピースのコンタクト要素の導電性コンタクトを(ii)ワークピースのベース構造のそれぞれの導電性領域に溶接する工程とを含み、溶接ヘッドアセンブリは、複数の実質的に水平な軸に沿って移動可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、添付の図面を参照して読まれるとき、以下の詳細な説明によって最もよく理解される。一般的な慣行において、図面のさまざまな特徴は縮尺通りではないことを強調する。それだけでなく、さまざまな特徴の寸法は、明確にするために任意に拡大または縮小されている。図面には、次の図が含まれる。
図1図1は、本発明の例示的な実施形態による超音波溶接システムの側面図である。
図2図2は、図1の超音波溶接システムのブロック図の上面図である。
図3A図3Aは、本発明の様々な例示的実施形態による超音波溶接システムを使用して溶接するように構成されたワークピースの上面図である。
図3B図3Bは、図3Aのワークピースのブロック図の上面図であり、本発明の様々な例示的な実施形態による例示的な溶接接続を含む。
図4図4は、本発明の別の例示的な実施形態による別の超音波溶接システムのブロック図の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明によれば、効率的な大量生産を達成し得る溶接システム(および対応する方法)において超音波溶接能力が提供される。本発明の実施形態は、カメラ(例えば、パターン認識用)、プロセス診断、マテリアルハンドリングおよび固定/クランプシステム、クリーニング(ごみ除去)システム、(光学)検査システムなどに関係する。
【0011】
図1は、超音波溶接システム100を図示する。超音波溶接システム100は、ワークピース102a1を提供するための入力ワークピース供給部102を含み、入力ワークピース供給部102は、複数のワークピース102a1を搬送するように構成されている(例えば、供給部102は、複数のワークピース102a1を搬送するマガジンハンドラー等のキャリア、または特定用途のワークピースに適した他の供給構造などがあり得る)。入力ワークピース供給部102によって運ばれる例示的なワークピース102a1は、パワーモジュール、パワーモジュールの構成要素、リードフレーム、バッテリーモジュールなどを含む。ワークピース102a1は、入力ワークピース供給部102からマテリアルハンドリングシステム104に供給される(グリッパアセンブリ等のマテリアルハンドリングシステム104に含まれ得る所望の搬送アセンブリによって)。マテリアルハンドリングシステム104は、ワークピース102a1を(例えば、コンベヤアセンブリを使用して、グリッパーアセンブリを使用して等)入力ワークピース供給部102から支持構造106に移動する。
【0012】
支持構造106は、溶接作業中にワークピース(ワークピースクランプ108を使用して支持構造体106に対して固定されると、固定されたワークピース102a2と記載される)を支持する。溶接作業(溶接ヘッドアセンブリ112に関して以下で説明)の後、溶接されたワークピース102a3は、支持構造の下流のマテリアルハンドリング104の一部から(例えば、コンベヤアセンブリを使用して、グリッパアセンブリを使用して)出力ワークピース供給部110に移動される。出力ワークピース供給110は、溶接ヘッドアセンブリ112(ソノトロード112aを運ぶ超音波コンバータ112bを含む)による処理後にワークピース102a3を受け取るように構成される。出力ワークピース供給部110は、複数の溶接ワークピース102a3を搬送するためのマガジンハンドラなどのキャリア、または特定用途向けワークピースに適した他の供給構造であってもよい。
【0013】
超音波溶接システム100は、溶接ヘッドアセンブリ112を含む。溶接ヘッドアセンブリは、ソノトロード112aを担持する超音波コンバータ112bを含み、複数の実質的に水平な軸に沿って移動可能である。図1に示す例では、溶接ヘッドアセンブリ112は、超音波溶接システム100のx軸およびy軸に沿って移動するように構成される(図2のx軸およびy軸の例を参照)。図1に示す例では、溶接ヘッドアセンブリ112はまた、超音波溶接システム100のz軸に沿って、および超音波溶接システム100のシータ軸(φ軸)周りに移動するように構成される。ソノトロード112aは、溶接ヘッドアセンブリ112の運動軸を使って、固定されたワークピース102a2に対して適切な溶接位置に移動することができる。また、ソノトロード112aと固定されたワークピース102a2との間の位置合わせ、固定されたワークピース102a2自体の構成要素の位置合わせ、溶接操作後の溶接部の光学検査などに関連する撮像動作のためのカメラ114が提供され(カメラはオプションで溶接ヘッドアセンブリ112によって運ばれるか、超音波溶接システム100の別の部分によって運ばれる)。
【0014】
本発明の特定の例示的な実施形態によれば、溶接作業中、例示的な技術仕様は以下を含む。(i)5~500kgの間の接合力で動作するように構成されたソノトロード、または5~300kgの間の接合力で動作するように構成されたソノトロード、または5~100kgの間の接合力で動作するように構成されたソノトロード;(ii)ソノトロードの先端の運動振幅が5~150ミクロン、またはソノトロードの先端の運動振幅が5~120ミクロン、またはソノトロードの先端の運動振幅が5~100ミクロン;(iii)ソノトロードは、ワークピースの第1の部分とワークピースの第2の部分の間で形成される超音波溶接が1.5~30mmの範囲の面積を有するように構成される;または、ソノトロードはワークピースの第1の部分とワークピースの第2の部分との間に形成される超音波溶接が1.5~20mmの範囲の面積を有するように構成される;または、ソノトロードは、ワークピースの第1の部分とワークピースの第2の部分の間に形成される超音波溶接が1.5~16mmの範囲の面積を有するように構成される(iv)ソノトロードは15~40kHzの範囲の周波数で動作するように構成されている、またはソノトロードが20~35kHzの範囲の周波数で動作するように構成されている、またはソノトロードが20~30kHzの範囲の周波数で動作するように構成されている。コンタクト要素(ソノトロードと接触するワークピースの部分)の導電性コンタクトの例示的な厚さには、0.2~3mmの間、0.2~1.5mmの間、0.2~1.2mmの間を含む。
【0015】
図2は、図1に示す超音波溶接システム100の要素の俯瞰図である。
【0016】
超音波溶接システム100(または本発明の範囲内の他のシステム)を使用して、様々なタイプのワークピースを溶接することができる。そのようなワークピースは、ワークピースの第2の部分に溶接されるように構成されたワークピースの第1の部分を含むことができる。図3A~3Bは、そのようなワークピースの例を示している。図3Aのワークピース300は、図1のワークピース102a1の例である。図3Aの例では、ワークピース300の第1の部分は、複数の導電性コンタクト304aを含むコンタクト要素304であり(コンタクト要素304は、外部回路への接続用に構成された外部コンタクト304bも含む)、ワークピースの第2の部分は複数の導電性領域302aを含むベース構造302である。図3Aの例では、コンタクト要素304は、ベース構造302にすでに備えられている。具体的には、導電性コンタクト304aは導電性領域302aと位置合わせされ、溶接の準備ができる。
【0017】
ワークピース300を支持構造(例えば、図1の超音波溶接システム100の支持構造106)上に配置した後、ソノトロードを使用して超音波溶接を形成する。図3Bは、図3Aのワークピース300を示すものであるが、異なる超音波溶接の4つの例が形成されている。第1の超音波溶接304a1は、導電性コンタクト304aと各導電性領域302aとの間に形成され、超音波溶接304a1は、超音波ねじり運動を使用して形成される(それにより、実質的に丸い超音波溶接304a1を形成する)。もちろん、他のタイプの超音波運動(ねじれ運動以外)が考えられる。たとえば、図3Bは、第2の超音波溶接304a2(例えば、x軸に沿った直線超音波運動を使用して形成される)および第3の超音波溶接304a3(例えば、x軸にほぼ垂直のy軸に沿った線形超音波運動を使用して形成される)を示す。超音波溶接304a2および304a3は、ねじれ超音波運動によって形成することもできる(例えば、ねじれ超音波運動。もちろん、非円形超音波溶接を形成するために使用可能である)。直線運動またはねじり運動を使用して形成された第4の超音波溶接304a4は、その端の3つまでの導電性接触領域を覆う。線形およびねじれの超音波運動に加えて、両方の組み合わせを使用できる。
【0018】
再び図1を参照すると、入力ワークピース供給部102は、既に一緒に組み立てられ、溶接の準備ができた第1の部分および第2の部分のそれぞれを含むワークピース102a1を含む。 例えば、ワークピース102a1は、第2の部分(ベース構造302)と既に一緒に組み立てられ、溶接の準備ができた第1の部分(コンタクト要素304)を含む、図3Aのワークピース300であってもよい。しかし、本発明の特定の実施形態によれば、超音波溶接システムによる処理の開始時に、ワークピースの第1の部分(例えば、コンタクト要素)を第2の部分(例えば、ベース構造)と一緒に組み立てることはできない。図4は、そのようなシステムを示している。
【0019】
図4に示されるように、超音波溶接システム400は、コンタクト要素供給部450(例えば、複数のコンタクト要素304を含むマガジンまたは他の供給部)およびベース構造供給部452(例えば、複数のベース構造302を含むマガジンまたは他の供給部)を含む。超音波溶接システム400は、接触要素304をそれぞれのベース構造452と組み立てるためのワークピース組立ステーション454も含む。より具体的には、ベース構造取外ツール452aは、ベース構造302をベース構造供給部452から取り外し、ベース構造302を動かしてワークピース組立ステーション454の構造454aを支持する。例えば、ベース構造取外ツール452aは、x軸、y軸、およびz軸に沿って移動するように構成されたグリッパータイプのツールであってもよい。同様に、コンタクト要素除去ツール450aは、コンタクト要素304をコンタクト要素供給450から取外し、コンタクト要素304を支持構造454a(ベース構造302の上部)に移動させる。例えば、コンタクト要素取外ツール450aは、x軸、y軸、およびz軸に沿って移動するように構成されたグリッパータイプのツールであってもよい。位置合わせ/組立て後、組み立てリクランプ454bを使用して、コンタクト要素300をベース構造302に対して位置決めする。カメラ458を使用して、コンタクト要素304のベース構造302への適切な位置合わせを補助する。アセンブリツール456は、更なる組み立て機能を提供する(例:プレス、接着剤分布など)。
【0020】
ワークピース組立ステーション454での処理(および組み立て)の後、組み立てられたワークピース300(図4ではワークピース300a1とラベル付けされている)は、マテリアルハンドリングシステム404(図1のマテリアルハンドリングシステム104とほぼ同様)に提供される。次いで、ワークピース300は、支持構造体406(図1の支持構造体106と実質的に同様)に移動される。ソノトロード412a(図1のソノトロード112aと実質的に同様)は、超音波変換器412b(変換器412bは溶接ヘッドアセンブリ412に含まれる)によって運ばれ、位置合わせのためにカメラ414(図1のカメラ114と実質的に同様)を使用して、(ワークピース300a2の接触要素300の)導電性コンタクトを導電性領域(ワークピース300a2のベース構造302の2)に超音波溶接する。溶接後、溶接されたワークピース300a3は、出力ワークピース供給部410(図1の出力ワークピース供給部110と実質的に同様)に移動される。
【0021】
超音波溶接システム400の溶接ヘッドアセンブリ412の動作は、図1図2の超音波溶接システム100の溶接ヘッドアセンブリ112に関して上述したものと実質的に同様である。さらに、本明細書で説明される例示的な技術仕様(例えば、ソノトロードの動作接合力、ソノトロード先端運動振幅、超音波溶接面積、ソノトロードの動作周波数、導電性コンタクトの厚さなどの各例示的な範囲)も図1図2及び図4の超音波溶接システム、また本願の請求の範囲内の他の超音波溶接システムに対して等しく適用可能である。
【0022】
本発明は、特定の実施形態を参照して本明細書に例示および説明されているが、本発明は、示された詳細に限定されることを意図するものではない。むしろ、本発明から逸脱することなく、特許請求の範囲の均等物の範囲および範囲内で細部にさまざまな修正を加えることができる。
図1
図2
図3A
図3B
図4