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特許7181300インタフェース装置及びオンパネルパッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】インタフェース装置及びオンパネルパッド
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20221122BHJP
   G06F 3/0338 20130101ALI20221122BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20221122BHJP
   G06F 3/023 20060101ALI20221122BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
G06F3/041 512
G06F3/0338 411
G06F3/044 120
G06F3/023 460
G06F3/02 F
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020539959
(86)(22)【出願日】2018-08-30
(86)【国際出願番号】 JP2018032164
(87)【国際公開番号】W WO2020044507
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2020-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000139403
【氏名又は名称】株式会社ワコム
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(74)【代理人】
【識別番号】100169225
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 明
(72)【発明者】
【氏名】ホルヌング ティロ ナオキ
(72)【発明者】
【氏名】劉 叡明
(72)【発明者】
【氏名】野村 佳生
(72)【発明者】
【氏名】三好 員弘
(72)【発明者】
【氏名】佐野 重幸
【審査官】原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-041320(JP,A)
【文献】特開2014-238760(JP,A)
【文献】特許第6342105(JP,B1)
【文献】笠原 一輝,Windowsの使い方を拡張する「Surface Dial」の魅力とは,impress watch [online],2016年12月30日,[検索日 2022.01.21], インターネット <URL: https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/review/1037393.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041-3/044
G06F 3/03
G06F 3/023
G06F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量方式のタッチパネルディスプレイを備える電子機器に対してユーザによる操作に応じた入力を行うインタフェース装置であって、
前記タッチパネルディスプレイの上に配置された状態にて、前記タッチパネルディスプレイに含まれるセンサ電極に静電容量の2次元パターンを生成させるように構成され、非導電性かつ弾性材料の操作要素であり前記ユーザによる操作を受け付け可能な操作要素が設けられるオンパネルパッドと、
前記オンパネルパッドが前記タッチパネルディスプレイの上に配置された状態で生成される2次元パターンが検出された場合に、前記非導電性かつ弾性材料の操作要素を変形させる前記ユーザの導体の指によって生じる静電容量の変化であり、前記検出された2次元パターンに関連づけられている領域内の静電容量の変化に伴って、前記オンパネルパッドの操作状態を示す操作情報を含むデータを生成又は出力するセンサコントローラと、
を備えることを特徴とするインタフェース装置。
【請求項2】
前記オンパネルパッドは、
少なくとも表面及び背面を有するパッド本体と、
前記パッド本体の背面側に設けられる1つ以上の導電部材と、
を備え、
前記パッド本体の背面が前記タッチパネルディスプレイを向くように配置された状態にて、1つ以上の前記導電部材の形状に対応する前記2次元パターンを生成させることを特徴とする請求項1に記載のインタフェース装置。
【請求項3】
前記パッド本体は、少なくとも高さ方向に弾性変形可能及び復元可能な3次元形状を有することを特徴とする請求項2に記載のインタフェース装置。
【請求項4】
前記オンパネルパッドは、前記タッチパネルディスプレイの上に配置された状態にて、前記ユーザの指により前記非導電性かつ弾性材料の操作要素の外側から押し込まれた位置に対応する前記センサ電極の部位に前記静電容量の変化を生じさせるように構成されることを特徴とする請求項2に記載のインタフェース装置。
【請求項5】
前記オンパネルパッドは、前記タッチパネルディスプレイの上に配置された状態にて、原形を保っている前記パッド本体の表面に前記ユーザの指が接触する前後にわたって静電容量の変化を生じさせないように構成されることを特徴とする請求項2に記載のインタフェース装置。
【請求項6】
前記非導電性かつ弾性材料の操作要素は、前記パッド本体の表面に設けられる、複数の小領域に区画するための段差部であることを特徴とする請求項2に記載のインタフェース装置。
【請求項7】
各々の前記導電部材は、平面視にて、前記複数の小領域のいずれにも重ならないように配置され、又は、前記複数の小領域のうちの1つのみに重なるように配置されることを特徴とする請求項6に記載のインタフェース装置。
【請求項8】
前記パッド本体は、透明又は半透明の材料からなることを特徴とする請求項2に記載のインタフェース装置。
【請求項9】
1つ以上の前記導電部材は、回転非対称な前記2次元パターンを生成させる形状を有することを特徴とする請求項2に記載のインタフェース装置。
【請求項10】
前記センサコントローラは、前記オンパネルパッド又は該オンパネルパッドに対応する仮想入力デバイスの種別、及び前記オンパネルパッドの配置状態を含むデータを生成又は出力し、
前記データに基づいて前記仮想入力デバイスを前記タッチパネルディスプレイの表示領域内に表示させることを特徴とする請求項1に記載のインタフェース装置。
【請求項11】
各々の前記導電部材は、平面視にて、前記複数の小領域のうちの1つのみに重なるように配置され、
前記センサコントローラは、前記1つ以上の操作領域内の前記導電部材がある位置にて静電容量の変化が検出された場合、当該位置に対応する前記操作情報を含むデータを生成又は出力する
ことを特徴とする請求項7に記載のインタフェース装置。
【請求項12】
前記センサコントローラは、
前記センサ電極上の静電容量の変化を示すヒートマップを生成する第1プロセッサと、
前記第1プロセッサから供給された前記ヒートマップに基づいて前記2次元パターンの有無を検出し、前記2次元パターンが検出された場合に前記操作情報を含むデータを生成又は出力する第2プロセッサと、
を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載のインタフェース装置。
【請求項13】
静電容量方式のタッチパネルディスプレイを備える電子機器とともに用いられるオンパネルパッドであって、
非導電性かつ弾性材料の操作要素でありユーザによる操作を受け付け可能な操作要素が設けられ、
前記タッチパネルディスプレイの上に配置された状態にて、前記タッチパネルディスプレイに含まれるセンサ電極に静電容量の2次元パターンを生成させるように構成され
前記オンパネルパッドが前記タッチパネルディスプレイの上に配置された状態で生成される2次元パターンが検出された場合に、前記非導電性かつ弾性材料の操作要素を変形させる前記ユーザの導体の指によって、前記検出された2次元パターンに関連づけられている領域内の静電容量の変化を生じさせるように構成されることを特徴とするオンパネルパッド。
【請求項14】
少なくとも表面及び背面を有し、前記非導電性かつ弾性材料の操作要素が前記表面に設けられるパッド本体と、
前記パッド本体の背面側に設けられる1つ以上の導電部材と、
を備え、
前記パッド本体の背面が前記タッチパネルディスプレイを向くように配置された状態にて、
前記1つ以上の導電部材の形状に対応する前記2次元パターンを生成させ、
前記ユーザの指により前記非導電性かつ弾性材料の操作要素の外側から押し込まれた位置に対応する前記センサ電極の部位に前記静電容量の変化を生じさせるように構成されることを特徴とする請求項13に記載のオンパネルパッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インタフェース装置及びオンパネルパッドに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルディスプレイの上に仮想入力デバイス(例えば、仮想キーボード又はスクリーンキーボード)を表示させ、ハードウェアとしての入力デバイスをソフトウェアでエミュレートする技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第5261079号明細書
【非特許文献】
【0004】
【文献】“Use the On-Screen Keyboard (OSK) to type”,マイクロソフト社,ウィンドウズサポート[平成30年8月17日検索],インターネット〈URL:https://support.microsoft.com/en-us/help/10762/windows-use-on-screen-keyboard〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
物理的な入力デバイスを用いる場合、ユーザは、自身の手を置くホームポジションを定め、その位置を基点として手又は指を動かすことで、その入力デバイスを素早く操作することができる。ところが、仮想入力デバイスを用いる場合、ユーザは、タッチパネルディスプレイの画面に触れただけではデバイスの形状及び配置を認識できないため、ホームポジションを維持することが難しい。このため、ユーザが目視により表示を確認する頻度が高くなり、その分だけ操作性が低下してしまう。
【0006】
本発明の目的は、仮想入力デバイスの操作性を向上可能なインタフェース装置及びオンパネルパッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明におけるインタフェース装置は、静電容量方式のタッチパネルディスプレイを備える電子機器に対してユーザの操作に応じた入力を行う装置であって、前記タッチパネルディスプレイの上に配置された状態にて、前記タッチパネルディスプレイに含まれるセンサ電極に対して静電容量の2次元パターンを生じさせるように構成されるオンパネルパッドと、前記センサ電極により前記2次元パターンが検出された場合に、前記2次元パターンの検出位置に応じて定められた1つ以上の操作領域内の静電容量の変化に伴って、前記センサ電極による検出位置を示す位置情報とは異なる情報であって、前記オンパネルパッドの操作状態を示す操作情報を含むデータを生成又は出力するセンサコントローラと、を備える。
【0008】
第2の本発明におけるオンパネルパッドは、静電容量方式のタッチパネルディスプレイを備える電子機器とともに用いられるパッドであって、前記タッチパネルディスプレイの上に配置された状態にて、前記タッチパネルディスプレイに含まれるセンサ電極に対して静電容量の2次元パターンを生じさせるように構成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、仮想入力デバイスの操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態におけるインタフェース装置が組み込まれた位置検出システムの全体構成図である。
図2図1のオンパネルパッドの具体的構成を示す図である。図2(a)は、図1に示すオンパネルパッドの平面透視図である。図2(b)は、図2(a)のA-A断面図である。
図3図1に示す電子機器の概略的なブロック図である。
図4】インタフェース装置の動作説明に供されるフローチャートである。
図5図2のオンパネルパッドの操作状態及び検出プロファイルの対応関係を模式的に示す図である。
図6】2次元パターンの検出方法の一例を示す図である。
図7】データの変換方法の一例を示す図である。図7(a)は、基準領域と操作領域の間の相対的位置関係を示す図である。図7(b)は、変換処理に用いられる変換テーブルの一例を示す図である。
図8】タッチパネルディスプレイの表示状態に関する遷移図である。
図9】タッチパネルディスプレイの表示状態に関する遷移図である。
図10】第1変形例におけるオンパネルパッドの使用状態を示す図である。
図11】第2変形例におけるオンパネルパッドの使用状態を示す図である。
図12】第3変形例におけるオンパネルパッドの具体的構成を示す図である。図12(a)は、オンパネルパッドの平面透視図である。図12(b)は、図12(a)のB-B断面図である。
図13図12のオンパネルパッドの操作状態及び検出プロファイルの対応関係を模式的に示す図である。
図14】第4変形例における電子機器の概略的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明におけるインタフェース装置及びオンパネルパッドについて、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の実施形態及び変形例に限定されるものではなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。あるいは、技術的に矛盾が生じない範囲で各々の構成を任意に組み合わせてもよい。
【0012】
[インタフェース装置24の構成]
<位置検出システム10の全体構成>
図1は、本発明の一実施形態におけるインタフェース装置24が組み込まれた位置検出システム10の全体構成図である。位置検出システム10は、静電容量方式のタッチパネルディスプレイ12を備える電子機器14と、ペン型のポインティングデバイスであるスタイラス16と、タッチパネルディスプレイ12の上に配置自在なオンパネルパッド18と、から基本的に構成される。
【0013】
タッチパネルディスプレイ12は、表示パネル20の上にセンサ電極26を重ね合わせてなる表示器である。電子機器14は、例えば、タブレット型端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータで構成される。スタイラス16は、電子機器14との間で一方向又は双方向に通信可能に構成される電子ペンである。例えば、ユーザUsは、スタイラス16を片手で把持し、タッチパネルディスプレイ12のタッチ面22にペン先を押し当てながら移動させることで、電子機器14に絵や文字を書き込むことができる。
【0014】
インタフェース装置24は、オンパネルパッド18を用いて、電子機器14に対してユーザUsの操作に応じた入力を行う装置である。このインタフェース装置24は、オンパネルパッド18と、オンパネルパッド18の状態を検出するセンサ電極26と、センサ電極26の動作を制御するセンサコントローラ28と、を含んで構成される。
【0015】
図2は、図1のオンパネルパッド18の具体的構成を示す図である。より詳しくは、図2(a)はオンパネルパッド18の平面透視図であり、図2(b)は図2(a)のA-A断面図である。このオンパネルパッド18は、キーボードを模したパッド本体30と、1つ以上(本図例では3つ)の導電部材32と、から構成される疑似的な物理デバイスである。なお、導電部材32は、オンパネルパッド18の種別に固有のレイアウト(位置、形状及び個数の組み合わせ)によって設けられている。
【0016】
パッド本体30は、3次元のソリッド形状又は中空形状を有する。本図の例では、パッド本体30の内部34には、空気を含む様々な流体、例えば、パッド本体30と比べて誘電率が低い気体又は液体が充填されている。パッド本体30は、色が透明又は半透明であり、非導電性かつ高弾性の材料(例えば、樹脂材料)からなる。パッド本体30は、外力を作用させると弾性変形するとともに、この外力を解放させると元の形状に復元可能である。
【0017】
パッド本体30は、凹凸が形成された表面36と、平坦な背面38を有する。パッド本体30の表面36には、複数の小領域に区画するための段差部40が設けられている。本図の例では、段差部40は、メッシュ状に配置された凹形状により表面36の段差を形成しているが、凸形状により表面36の段差を形成してもよい。以下、各々の小領域がなす凸部を操作要素42という。
【0018】
各々の導電部材32は、パッド本体30よりも導電率が高い材料(例えば、金属)からなるL字状の平板部材である。3つの導電部材32はいずれも、パッド本体30の内壁に固定されている。本図の例では、各々の導電部材32は、パッド本体30の内部に設けられているが、パッド本体30の外部に露出して設けられてもよい。
【0019】
1つ目の導電部材32は背面38の左側奥隅部に、2つ目の導電部材32は背面38の右側奥隅部に、3つ目の導電部材32は背面38の左側手前隅部にそれぞれ設けられる。図2(b)から理解されるように、各々の導電部材32は、平面視にて、複数の小領域(操作要素42)のいずれにも重ならないように配置されている。
【0020】
<電子機器14の構成>
図3は、図1に示す電子機器14の概略的なブロック図である。この電子機器14は、上記したセンサ電極26の他に、タッチIC50と、ホストプロセッサ52と、メモリ54と、を含んで構成される。ホストプロセッサ52及びメモリ54は、内部バスB1に接続されている。タッチIC50は、外部バスB2及びバスI/F56を介して、内部バスB1に接続されている。
【0021】
センサ電極26は、表示パネル20とタッチ面22(図1)の間に配置される複数の電極である。センサ電極26は、X座標(x方向の位置)を検出するための複数のX電極26xと、Y座標(y方向の位置)を検出するための複数のY電極26yと、を含む。複数のX電極26xは、y方向に延びて設けられ、かつx方向に沿って等間隔に配置されている。複数のY電極26yは、x方向に延びて設けられ、かつy方向に沿って等間隔に配置されている。なお、本図に示すx方向,y方向は、センサ電極26がなす平面上において定義される直交座標系(以下、センサ座標系という)のX軸,Y軸に相当する。
【0022】
センサコントローラ28は、センサ電極26を介して入力情報を取得するための制御回路であり、タッチIC50(第1プロセッサ)と、ホストプロセッサ52(第2プロセッサ)と、を含んで構成される。タッチIC50及びホストプロセッサ52は、内部バスB1及び外部バスB2を介して相互に接続されている。
【0023】
タッチIC50は、ファームウェア60を実行可能に構成された集積回路であり、センサ電極26を構成する複数の電極にそれぞれ接続されている。ファームウェア60は、ユーザUs又はオンパネルパッド18によるタッチを検出するタッチ検出機能60tと、スタイラス16の状態を検出するペン検出機能60pと、を実現可能に構成される。タッチ検出機能60tは、例えば、センサ電極26の2次元スキャン機能、センサ電極26上のヒートマップ80(図6参照)の生成機能を含む。ペン検出機能60pは、例えば、センサ電極26の2次元スキャン機能、ダウンリンク信号の受信・解析機能、スタイラス16の状態(例えば、位置、姿勢、筆圧)の推定機能、スタイラス16に対する指令を含むアップリンク信号の生成・送信機能を含む。
【0024】
ホストプロセッサ52は、タッチIC50と比べて演算処理能力が相対的に高いプロセッサであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphical Processing Unit)から構成される。ホストプロセッサ52は、オペレーティングシステム(以下、OS62という)を実行することで、電子機器14の各部を制御する。ホストプロセッサ52は、メモリ54に格納されたプログラムを読み出して実行することで、所望の処理(例えば、タッチドライバ64t、ペンドライバ64p、タッチIC対応FW66)を実行する。
【0025】
タッチIC対応FW66は、タッチIC50から入力されたデータを処理し、OS62による情報処理に適した形式のデータをOS62に供給する。タッチドライバ64t又はペンドライバ64pは、タッチIC対応FW66から供給されたデータを、OS62上で動作する描画アプリケーションに提供する。この描画アプリケーションは、タッチドライバ64t又はペンドライバ64pからの入力情報を用いて、インクデータの生成処理やレンダリング処理を行う。これにより、ユーザUsは、自身の操作による入力結果をタッチパネルディスプレイ12(より詳しくは、表示パネル20)上で確認することができる。
【0026】
[インタフェース装置24の動作]
本実施形態におけるインタフェース装置24は、以上のように構成される。続いて、インタフェース装置24の動作について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。ここでは、タッチIC50がステップS1,S2を実行し、ホストプロセッサ52(タッチIC対応FW66の部分)がS4~S9を実行し、ホストプロセッサ52(OS62の部分)がステップS10,S11を実行する。
【0027】
ステップS1において、タッチIC50は、X電極26xに対するパルス信号の送信及びY電極26yからの電流値を示す信号の受信を順次実行することで、センサ電極26上の静電容量の検出レベルを示す検出信号を入力する。
【0028】
ステップS2において、タッチIC50は、ステップS1で入力された検出信号に基づいて、センサ電極26上の静電容量の変化を示すヒートマップ80を生成し、ホストプロセッサ52に向けて出力する。
【0029】
図5は、図2のオンパネルパッド18の操作状態及び検出プロファイルの対応関係を模式的に示す図である。なお、検出プロファイルは、静電容量の変化量ΔCをセンサ電極26上の位置毎に示したグラフに相当する。
【0030】
図5(a)は、ユーザUsの指が、パッド本体30の操作要素42に接触した状態を示している。各々の導電部材32がタッチ面22に近い位置にあるので、導電部材32の位置にて静電容量の変化が検出される。ここでは、導電部材32がある位置の静電容量が負側に変化するとともに、導電部材32の周辺の静電容量が正側に変化する。一方、ユーザUsの指がセンサ電極26から十分に離間した位置(距離d1)にあるので、指の位置にて静電容量の変化が検出されないか、変化量が微小である。つまり、原形を保っているパッド本体30の表面36にユーザUsが接触する前後にわたって静電容量の変化が生じていない。
【0031】
図5(b)は、ユーザUsの指が、パッド本体30の操作要素42を押し込んだ状態を示している。ユーザUsの指がセンサ電極26に接近(距離d2<d1)することで、指の位置にて静電容量の変化(正側)が検出されるようになる。つまり、ユーザUsによりパッド本体30の表面36側から押し込まれた位置に対応するセンサ電極26の部位に、導体としてのユーザUsの接近に伴う静電容量の変化が生じている。
【0032】
このように、図5(a)の検出プロファイルはオンパネルパッド18の操作(操作要素42の押し込み)がなされていない状態を、図5(b)の検出プロファイルはオンパネルパッド18の操作がなされた状態をそれぞれ示している。なお、操作要素42を押し込む際の感度は、パッド本体30の材料や厚み、充填した気体の圧力、液体の充填量を変更することで適宜調整される。
【0033】
ステップS3において、タッチIC対応FW66は、ステップS2で生成されたヒートマップ80に対して2次元パターンPTの検出処理を行う。具体的には、タッチIC対応FW66は、メモリ54に記憶された複数のテンプレート(2次元パターンPT)を読み出し、様々な手法を用いて照合処理を行う。
【0034】
図6は、2次元パターンPTの検出方法の一例を示す図である。上図のヒートマップ80は、予め定められた矩形領域(0≦X≦Xo,0≦Y≦Yo)内で定義される。ハッチング又は塗り潰しで示した閉領域はタッチが検出された領域に相当し、残りの余白領域はタッチが検出されなかった領域に相当する。また、ハッチングを付した閉領域は変化量が正(ΔC>0)である検出領域に相当し、塗り潰した閉領域は変化量が負(ΔC<0)である検出領域に相当する。例えば、ヒートマップ80は、オンパネルパッド18に対応するパッド領域82(非操作時)あるいはパッド領域84(操作時)を含む。
【0035】
下図のテンプレートは、3つのサブパターンSP1,SP2,SP3から構成される2次元パターンPTを示している。実線で囲む3つの領域は、パターン一致性の判定に利用される必須領域に相当する。一点鎖線で囲む1つの領域は、パターン一致性の判定に利用されない任意領域に相当する。この2次元パターンPTは、オンパネルパッド18の種別に固有であり、かつ回転非対称のパターンである。
【0036】
タッチIC対応FW66は、2次元パターンPTの位置及び角度を変化させながらパターン一致性を示す指標(以下、一致度という)を逐次算出し、この一致度の大小判定により2次元パターンPTを検出する。オンパネルパッド18が配置された状態では、操作の有無にかかわらず、パッド領域82,84の両方が検出されることになる。複数のテンプレートが準備される場合、タッチIC対応FW66は、上記と同様の手順に従ってテンプレート毎に検出処理を実行する。
【0037】
ステップS4において、タッチIC対応FW66は、ステップS3の検出結果を参照し、ヒートマップ80に2次元パターンPTが含まれるか否かを確認する。該当する2次元パターンPTが含まれない場合(ステップS4:NO)、ステップS5に進む。
【0038】
ステップS5において、タッチIC対応FW66は、タッチの検出位置を示す情報(つまり、位置情報)を含むデータを生成し、当該データをOS62に供給する。そして、ホストプロセッサ52は、タッチIC対応FW66から供給されたデータを処理し、センサ電極26からの入力情報(ここでは、タッチの検出位置)に応じた動作を行う(ステップS11)。
【0039】
一方、ステップS4に戻って、図6に示すように、ヒートマップ80に該当する2次元パターンPTが含まれる場合(ステップS4:YES)、ステップS6に進む。
【0040】
ステップS6において、タッチIC対応FW66は、ステップS3で検出された2次元パターンPTの配置に応じた領域(以下、操作領域92という)を少なくとも1つ設定する。この操作領域92は、オンパネルパッド18の操作を受付可能な2次元領域を意味し、例えば、3つのサブパターンSP1~SP3(図7(a)参照)に外接するように1つだけ設定される。
【0041】
ステップS7において、タッチIC対応FW66は、ステップS6で設定された操作領域92内に少なくとも1つのタッチ領域86が存在するか否かを確認する。図6のヒートマップ80上にパッド領域82のみが存在する場合、このパッド領域82内にはタッチ領域が存在しないので(ステップS7:NO)、ステップS8の実行を省略し、ステップS9に進む。一方、図6のヒートマップ80上にパッド領域84のみが存在する場合、このパッド領域84内には1つのタッチ領域86が存在するので(ステップS7:YES)、ステップS8に進む。
【0042】
ステップS8において、タッチIC対応FW66は、ステップS7にて確認された操作領域92内の検出位置を、オンパネルパッド18における操作要素42の種別に変換するデータ変換処理を行う。このデータの変換方法について、図7を用いて詳細に説明する。
【0043】
図7(a)は、基準領域90と操作領域92の間の相対的位置関係を示す図である。基準領域90は、サブパターンSP1~SP3の特徴点(L字の屈曲点)を3つの頂点とする矩形状の領域である。ここで、サブパターンSP1の特徴点(0,0)を原点Oとする平面座標系(つまり、センサ座標系XY)を定義する。センサ座標系のX軸は、サブパターンSP1,SP2の特徴点同士を結ぶ直線方向に相当する。センサ座標系のY軸は、サブパターンSP1,SP3の特徴点同士を結ぶ直線方向に相当する。
【0044】
一方、操作領域92は、基準領域90と同一の形状を有する領域である。ここで、サブパターンSP1の特徴点(ΔX,ΔY)を原点O’とする平面座標系(以下、デバイス座標系X’Y’という)を定義する。デバイス座標系のX’軸は、サブパターンSP1,SP2の特徴点同士を結ぶ直線方向に相当する。デバイス座標系のY’軸は、サブパターンSP1,SP3の特徴点同士を結ぶ直線方向に相当する。ここで、X’軸(Y’軸)は、X軸(Y軸)に対して角度θだけ傾いているとする。この角度θは、2次元パターンPTを回転非対称とすることで一意に定められる。
【0045】
タッチIC対応FW66は、上記した3つの変換パラメータΔX,ΔY,θに基づいたアフィン変換により、デバイス座標系X’Y’からセンサ座標系XYに変換する。これにより、基準領域90に対応するタッチ領域86の座標が算出される。
【0046】
図7(b)は、変換処理に用いられる変換テーブル94の一例を示す図である。この変換テーブル94は、オンパネルパッド18に対応するテーブルデータであり、小領域の範囲を示す範囲情報と、操作要素42の種別との対応関係を記述している。範囲情報は、例えば小領域の形状が四角形である場合、4つの頂点を示すセンサ座標系上の位置(例えば、P001→P002→P003→P004→P001)から構成される。操作要素42の種別は、例えば、Q,W,E,R,Tを含むアルファベット文字、1,2,3を含む数字、Enter,Shiftを含む修飾キー、↓(下),→(右)を含む方向キーが挙げられる。
【0047】
タッチIC対応FW66は、上記した変換テーブル94を参照し、アフィン変換後の座標が属する小領域を特定し、該当する小領域に対応付けられる操作要素42の種別を取得する。例えば、変換後の座標がP017~P020に囲まれる小領域に属する場合、操作要素42の種別として「T」が得られる。
【0048】
ステップS9において、タッチIC対応FW66は、オンパネルパッド18の操作状態を示す情報(以下、操作情報という)を含むデータを生成し、当該データをOS62に供給する。この操作情報には、オンパネルパッド18(又は仮想入力デバイス96)の種別、オンパネルパッド18の配置状態(具体的には、変換パラメータΔX,ΔY,θ)、操作要素42の操作有無が含まれる。つまり、ステップS5の場合と異なり、座標情報の代わりに操作情報が出力される。
【0049】
ステップS10において、ホストプロセッサ52は、ステップS9で出力されたデータから得た操作情報に基づいて、オンパネルパッド18の種別に対応する仮想入力デバイス96をタッチパネルディスプレイ12(より詳しくは、表示パネル20)に表示させる制御を行う。具体的には、ホストプロセッサ52は、仮想入力デバイス96のテンプレート画像をメモリ54から読み出した後、変換パラメータに応じた画像処理を行った後、処理済みの画像データを表示用データとして表示パネル20に向けて出力する。この制御に伴うタッチパネルディスプレイ12の動作について、図8図9の遷移図を参照しながら説明する。
【0050】
図8(a)に示すように、図示しないユーザUsは、オンパネルパッド18の使用を開始する際、電子機器14の使用状態に適した位置及び向きで、オンパネルパッド18をタッチパネルディスプレイ12の上に配置したとする。そうすると、静電容量の2次元パターンPTの発生がトリガとなって、図4のステップS5~S9の実行後、図8(a)の状態から図8(b)の状態に遷移される。
【0051】
図8(b)に示すように、キーボードを模した仮想入力デバイス96が、オンパネルパッド18に重なる位置(ここでは、操作領域92に一致する表示領域R内)に表示される。この仮想入力デバイス96は、オンパネルパッド18における操作要素42の種別を示す文字を、所望のキー配置に従って2次元的に配置してなる画像である。つまり、このオンパネルパッド18は、タッチパネルディスプレイ12の上に配置された状態にて「疑似的な物理デバイス」としての入力機能を発揮する。
【0052】
例えば、ユーザUsは、自身の手を置くホームポジションを定め、その位置を基点として手又は指を動かすことで、入力デバイスを素早く操作することができる。なぜならば、ユーザUsは、自身の視覚に頼ることなく触覚を通じて、仮想入力デバイス96の形状及び配置のみならず操作感も認識できるからである。
【0053】
あるいは、オンパネルパッド18の配置を調整したい場合、ユーザUsは、オンパネルパッド18を所望の位置や向きに移動させる。そうすると、位置や向きが変更された2次元パターンPTが再度検出され、その結果、オンパネルパッド18の移動に追従して仮想入力デバイス96が表示される。
【0054】
図9(a)に示すように、ユーザUsは、オンパネルパッド18の使用を終了する際、オンパネルパッド18を取り外してタッチパネルディスプレイ12から離れた場所に戻したとする。そうすると、静電容量の2次元パターンPTの消滅がトリガとなって、図4のステップS5の実行後、図9(a)の状態から図9(b)の状態に遷移される。
【0055】
図9(b)に示すように、仮想入力デバイス96が消えた状態で表示される。このように、オンパネルパッド18を使用している間、仮想入力デバイス96がタッチパネルディスプレイ12上に継続して表示される。
【0056】
[インタフェース装置24による効果]
以上のように、インタフェース装置24は、静電容量方式のタッチパネルディスプレイ12を備える電子機器14に対してユーザUsの操作に応じた入力を行う装置である。このインタフェース装置24は、タッチパネルディスプレイ12の上に配置された状態にて、タッチパネルディスプレイ12に含まれるセンサ電極26に対して静電容量の2次元パターンPTを生じさせるように構成されるオンパネルパッド18と、センサ電極26により2次元パターンPTが検出された場合に、2次元パターンPTの検出位置に応じて定められた1つ以上の操作領域92内の静電容量の変化に伴って、センサ電極26による検出位置を示す位置情報とは異なる情報であって、オンパネルパッド18の操作状態を示す操作情報を含むデータを生成又は出力するセンサコントローラ28を備える。
【0057】
このように、静電容量の2次元パターンPTの発生がトリガとなって操作状態を示す操作情報を含むデータを生成又は出力するセンサコントローラ28を設けたので、オンパネルパッド18は、タッチパネルディスプレイ12の上に配置された状態にて「疑似的な物理デバイス」としての入力機能を発揮する。また、2次元パターンPTの検出位置に応じて1つ以上の操作領域92が定められるので、オンパネルパッド18の配置の自由度が高くなる。また、ユーザUsは、オンパネルパッド18に直接触れることで、自身の視覚に頼ることなく触覚を通じて仮想入力デバイス96の形状及び配置を認識可能となる。その結果、オンパネルパッド18を用いた操作支援を通じて、仮想入力デバイス96の操作性を向上させることができる。
【0058】
<オンパネルパッド18の特徴>
このオンパネルパッド18は、少なくとも表面36及び背面38を有するパッド本体30と、パッド本体30の背面38側に設けられる1つ以上の導電部材32と、を備える。そして、オンパネルパッド18は、タッチパネルディスプレイ12の上に配置された状態にて、ユーザUsによりパッド本体30の表面36側から押し込まれた位置に対応するセンサ電極26の部位に、導体としてのユーザUsの接近に伴う静電容量の変化を生じさせるように構成される。これにより、オンパネルパッド18は、タッチパネルディスプレイ12の上に配置された状態にて「疑似的な物理デバイス」としての入力機能を発揮する。
【0059】
また、パッド本体30は、少なくとも高さ方向に弾性変形可能及び復元可能な3次元形状を有してもよい。これにより、仮想入力デバイス96に対する反復的な操作が可能となるとともに、ユーザUsに対してオンパネルパッド18の操作感を与えることができる。
【0060】
また、オンパネルパッド18は、タッチパネルディスプレイ12の上に配置された状態にて、原形を保っているパッド本体30の表面36にユーザUsが接触する前後にわたって静電容量の変化を生じさせないように構成されてもよい。これにより、ユーザUsが意図せずに表面36を接触した場合であっても、その接触に伴う誤動作が抑制される。
【0061】
また、パッド本体30の表面36には、複数の小領域に区画するための段差部40が設けられてもよい。これにより、ユーザUsは、自身の触覚を通じて各々の小領域を認識することができる。
【0062】
また、パッド本体30は、透明又は半透明の材料から構成されてもよい。これにより、ユーザUsは、オンパネルパッド18が配置された領域内であっても、タッチパネルディスプレイ12の表示内容を視認することができる。
【0063】
また、1つ以上の導電部材32は、回転非対称な2次元パターンPTを生じさせる形状を有してもよい。これにより、タッチパネルディスプレイ12上に配置されたオンパネルパッド18の向きを一意に特定することができる。
【0064】
<センサコントローラ28の特徴>
このセンサコントローラ28は、オンパネルパッド18又はオンパネルパッド18に対応する仮想入力デバイス96の種別、及びオンパネルパッド18の配置状態を含むデータを生成又は出力することで、仮想入力デバイス96をタッチパネルディスプレイ12の表示領域R内に表示させてもよい。入力デバイスの形態を可視化することで、現物感が得られ操作性がさらに高まる。
【0065】
また、センサコントローラ28は、センサ電極26上の静電容量の変化を示すヒートマップ80を生成するタッチIC50(第1プロセッサ)と、タッチIC50から供給されたヒートマップ80に基づいて2次元パターンPTの有無を検出し、2次元パターンPTが検出された場合に操作情報を含むデータを生成又は出力するホストプロセッサ52(第2プロセッサ)と、を含んで構成されてもよい。ホストプロセッサ52が、高速かつ多量の演算処理が要求される2次元パターンPTの検出処理をタッチIC50に代わって実行することで、タッチIC50の処理負荷が軽減される。特に、タッチIC50よりも演算処理能力が高いホストプロセッサ52がこの検出処理を実行することで、演算時間が大幅に短縮される。また、ホストプロセッサ52を導入することで、タッチIC50のデータ処理設計を大幅に変更することなく、オンパネルパッド18を用いたインタフェース装置24の機能拡張を実現することができる。
【0066】
[変形例]
<第1変形例>
図10(a)に示すように、平面視にて矩形状のオンパネルパッド18Aは、タッチホイール及びファンクションボタンを模した操作要素42を含んで構成される。このオンパネルパッド18Aをタッチパネルディスプレイ12の上に配置することで、ワイヤレスコントローラを模した仮想入力デバイス100が1つの表示領域R内に表示される。
【0067】
このように、オンパネルパッドは、図2に示すキーボード以外の様々な形態の入力デバイスにも適用できる。また、ユーザUsによる入力操作の態様は、オンパネルパッドの変形を伴う操作であってもよいし、変形を伴わない操作であってもよい。後者の例として、タッチパネルディスプレイ12の上を移動させることで、描画内容の一部を消去するイレーサが挙げられる。
【0068】
図10(b)に示すように、平面視にて正方形状のオンパネルパッド18Bは、十字キーの形状を模した操作要素42を含んで構成される。このオンパネルパッド18Bをタッチパネルディスプレイ12の上に配置することで、ゲーム用コントローラを模した仮想入力デバイス102が2つの表示領域R内に表示される。十字キーを示す第1入力部104は、オンパネルパッド18Bの内側に表示される。複数のボタンを示す第2入力部106は、オンパネルパッド18Bの外側に表示される。
【0069】
ユーザUsは、このオンパネルパッド18Bにより、左手を用いて第1入力部104の十字キーを、右手を用いて第2入力部106のボタンを同時に操作することができる。このように、インタフェース装置24は、タッチにより作動可能な操作要素(第2入力部106)をオンパネルパッド18Bの外側に表示可能に構成されてもよい。
【0070】
<第2変形例>
図11(a)に示すように、平面視にて矩形状のオンパネルパッド18Cは、複数のキーを模した操作要素42を含んで構成される。このオンパネルパッド18Cをタッチパネルディスプレイ12の上に配置することで、オンパネルパッド18Cの付近(本図の例では右方)にウィンドウ108が表示される。ウィンドウ108内の[N]ボタン108n(No)がタッチされると、ウィンドウ108の表示が消える。一方、ウィンドウ108内の[Y]ボタン108y(Yes)がタッチされると、図11(a)の状態から図11(b)の状態に遷移される。
【0071】
図11(b)に示すように、タッチパネルディスプレイ12には、ウィンドウ108に代わって、操作要素42の種別又は機能に関するガイダンス情報110が新たに表示される。各々の操作要素42の位置に対応付けてガイダンス情報110を表示することで、操作要素42の種別又は機能を一見して把握可能となり、ユーザUsにとって操作の支援になる。
【0072】
このように、インタフェース装置24は、操作に関するガイダンス表示に先立ち、その表示の要否を問い合わせるGUI(Graphical User Interface)を提供可能に構成されてもよい。あるいは、ガイダンス表示と併せて又はこれとは別に、インタフェース装置24は、仮想入力デバイスの表示に先立ち、その表示の要否を問い合わせるGUIを提供可能に構成されてもよい。これにより、ユーザUsの意向を反映させた表示を行うことができる。
【0073】
<第3変形例>
図12は、第3変形例におけるオンパネルパッド18Dの具体的構成を示す図である。より詳しくは、図12(a)はオンパネルパッド18Dの平面透視図であり、図12(b)は図12(a)のB-B断面図である。このオンパネルパッド18Dは、パッド本体30と、1つ以上(本図例では6つ)の導電部材32と、から構成される。各々の導電部材32は、例えば金属からなる矩形状の平板部材である。6つの導電部材32はいずれも、パッド本体30の背面38側に設けられる。各々の導電部材32は、平面視にて、複数の小領域(操作要素42)のうち1つのみに重なるように配置される。
【0074】
図13は、図12のオンパネルパッド18Dの操作状態及び検出プロファイルの対応関係を模式的に示す図である。この検出プロファイルは、図5の場合と同様に、静電容量の変化量ΔCをセンサ電極26上の位置毎に示したグラフに相当する。
【0075】
図13(a)は、ユーザUsの指が、パッド本体30の操作要素42に接触した状態を示している。各々の導電部材32がタッチ面22に近い位置にあるので、導電部材32の位置にて静電容量の変化が検出される。つまり、導電部材32がある位置の静電容量が負側に変化するとともに、導電部材32の周辺の静電容量が正側に変化する。なお、ユーザUsの指が導電部材32から離れているので、検出プロファイルに影響を与えていない。
【0076】
図13(b)は、ユーザUsの指が、パッド本体30の操作要素42を押し込んだ状態を示している。ユーザUsの指が導電部材32に接触することで、導電部材32の電位がGNDになり、導電部材32がある位置にて静電容量の変化(正側)が検出されるようになる。つまり、2次元パターンPTのプロファイル形状の変化(変化量ΔCの増加、又は符号の反転)を検出することで、操作の有無を判別することができる。
【0077】
このように、センサコントローラ28(ホストプロセッサ52)は、1つ以上の操作領域92内の導電部材32がある位置にて静電容量の変化が検出された場合、当該位置に対応する操作情報を含むデータを生成又は出力してもよい。この構成によっても、ユーザUsによる操作状態を適切に判別することができる。
【0078】
<第4変形例>
図14は、第4変形例におけるセンサコントローラ124が組み込まれた電子機器14Aの概略的なブロック図である。この電子機器14Aは、センサ電極26及びメモリ54の他に、ホストプロセッサ120と、タッチIC50(第1プロセッサ)及びコプロセッサ122(第2プロセッサ)からなるセンサコントローラ124を含んで構成される。
【0079】
コプロセッサ122は、例えばGPUからなる補助プロセッサであり、タッチIC対応FW66(図3)と同等のデータ処理を実行可能に構成される。ここで、コプロセッサ122は、タッチIC50からヒートマップ80を含むフレームデータを受け取り、ヒートマップに基づいて上記した位置情報又は操作情報を生成し、これらの情報を含むデータをタッチIC50に還元する。
【0080】
この装置構成を採用する場合、タッチIC対応FW66(図3)に代わってコプロセッサ122がデータ処理を実行することで、インタフェース装置24は、上記した実施形態の場合と同様の動作を行うことができる。つまり、図4のフローチャートに関して、タッチIC50がステップS1,S2を実行し、コプロセッサ122がS4~S9を実行し、ホストプロセッサ120(OS62の部分)がステップS10,S11を実行する。
【0081】
このように、センサコントローラ124は、センサ電極26上の静電容量の変化を示すヒートマップ80を生成するタッチIC50(第1プロセッサ)と、タッチIC50から供給されたヒートマップ80に基づいて2次元パターンPTの有無を検出し、2次元パターンPTが検出された場合に操作情報を含むデータを生成又は出力するコプロセッサ122(第2プロセッサ)と、を含んで構成されてもよい。この構成によっても、上記した実施形態と同様に、タッチIC50の処理負荷の軽減及びインタフェース装置24の機能拡張の容易化が図られる。
【符号の説明】
【0082】
10 位置検出システム、12 タッチパネルディスプレイ、14(A) 電子機器、18(A~D)、オンパネルパッド、24 インタフェース装置、26 センサ電極、28,124 センサコントローラ、30 パッド本体、32 導電部材、36 表面、38 背面、40 段差部、42 操作要素、50 タッチIC(第1プロセッサ)、52
ホストプロセッサ(第2プロセッサ)、80 ヒートマップ、92 操作領域、96,100,102 仮想入力デバイス、120 ホストプロセッサ、122 コプロセッサ(第2プロセッサ)、PT 2次元パターン、Us ユーザ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
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