(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】タップ切換器に用いられる切換要素及びタップ切換器
(51)【国際特許分類】
H01F 29/04 20060101AFI20221122BHJP
H01H 33/66 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
H01F29/04 502B
H01H33/66 Q
(21)【出願番号】P 2020542420
(86)(22)【出願日】2018-09-25
(86)【国際出願番号】 EP2018075976
(87)【国際公開番号】W WO2019154532
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2021-09-21
(31)【優先権主張番号】102018102835.0
(32)【優先日】2018-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390035459
【氏名又は名称】マシイネンフアブリーク・ラインハウゼン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(72)【発明者】
【氏名】ヘーロルト・シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ヘプフル・クラウス
(72)【発明者】
【氏名】シュミット・エドゥアルト
【審査官】後藤 嘉宏
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-1935(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第677776(GB,A)
【文献】特開平2-128410(JP,A)
【文献】米国特許第3727018(US,A)
【文献】特開平2-281521(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 29/04
H01H 33/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タップ切換器に用いられる切換要素において、
切換要素は、
-可動接点(K1)と、該可動接点(K1)に結合された棒(ST)と、内側に前記可動接点(K1)が配置されたハウジングとを有する、真空インタラプタ(V)と、
-前記棒(ST)、ひいては前記可動接点(K1)を作動させるための作動装置と、
-ガイド装置(F)と、を備え、該ガイド装置(F)は、前記ハウジングの外側に配置されていて、かつ前記作動装置に取り付けられていて、これにより、前記ガイド装置(F)は、前記可動接点(K1)が作動させられると連動させられ、
-前記ガイド装置(F)は、前記ハウジングを少なくとも部分的に包囲し、前記ガイド装置(F)の少なくとも部分領域が、前記ハウジングに接し、これにより、前記部分領域は、前記可動接点(K1)が作動させられると、前記ハウジングに沿って動かされる
ことを特徴とする、切換要素。
【請求項2】
前記真空インタラプタ(V)は、前記ハウジングの内部を密閉する、外側に位置するベローズ(B)を有する、請求項1に記載の切換要素。
【請求項3】
前記ガイド装置(F)は、前記ベローズ(B)を包囲し、これにより、前記ベローズ(B)を外部の機械的な作用から防護する、請求項2に記載の切換要素。
【請求項4】
前記作動装置は、
-前記棒(ST)に結合されたピン(BZ)と、
-支持ブロック(L)とを有し、該支持ブロック(L)は、前記ピン(BZ)に対する支持箇所を形成するとともに、作動時に前記ピン(BZ)をガイドする、
請求項1から3までのいずれか1項に記載の切換要素。
【請求項5】
前記ガイド装置(F)は、前記ピン(BZ)にかつ/又は前記棒(ST)に取り付けられているか、又は前記ピン(BZ)と前記棒(ST)との間で締め付けられている、請求項4に記載の切換要素。
【請求項6】
前記ガイド装置(F)は、前記作動装置を保持する第1の開口(O1)と、前記ハウジングを保持する第2の開口(O2)とを有する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の切換要素。
【請求項7】
前記ガイド装置(F)は、導電性のインサート(E)を有し、該インサート(E)は、前記第1の開口(O1)内に配置されていて、かつ前記棒(ST)に電気的に接続されている、請求項6に記載の切換要素。
【請求項8】
前記切換要素は、前記インサート(E)に電気的に接続された端子接点(AK)を備える、請求項7に記載の切換要素。
【請求項9】
前記真空インタラプタは、内側に前記可動接点が配置された切換チャンバと絶縁体とを有し、前記ガイド装置(F)の部分領域が、前記切換チャンバに接する、請求項1から8までのいずれか1項に記載の切換要素。
【請求項10】
前記ガイド装置(F)及び/又は前記部分領域は、回転対称に構成されている、請求項1から9までのいずれか1項に記載の切換要素。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項に記載の切換要素を備えるタップ切換器。
【請求項12】
前記タップ切換器は、切換要素を具備する負荷切換器又は負荷選択器を有する、請求項11のタップ切換器。
【請求項13】
前記可動接点(K1)は、前記タップ切換器の切換接点又は抵抗接点として用いられる、請求項11又は12に記載のタップ切換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変圧器の様々なタップ間で切換を行うタップ切換器に用いられる切換要素及びそのような切換要素を備えるタップ切換器に関する。
【背景技術】
【0002】
電流を導く接続部を遮断するために、タップ切換器、特に負荷時タップ切換器(英語:on-load tap changer,OLTC)の切換要素に真空インタラプタを使用することが知られている。そのような真空インタラプタは、固定接点と可動接点とを有する。可動接点は、棒に結合されており、棒は、真空インタラプタの作動時に真空インタラプタに対して軸方向に動かされる。固定接点に対する可動接点の傾斜姿勢又はずれによって、開状態での真空インタラプタの誘電強度が低下され得る。これにより、真空インタラプタを介して最大限に接続可能な電流を完全には利用することができず、真空インタラプタを場合によっては過剰設計しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の課題は、より高い電流においてタップ切換器の安全な動作を可能にする、タップ切換器の切換要素の改善された構想を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、独立請求項の対象によって解決される。さらなる実施形態は、従属請求項の対象である。
【0005】
改善された構想は、真空インタラプタにガイド装置を備え付け、ガイド装置は、可動接点の作動時に連動し、部分領域で、真空インタラプタのハウジングに支持することができ、ハウジングをなぞるように動くという思想に起因する。
【0006】
これにより、ガイド装置の部分領域とハウジングとに支持箇所が形成され、支持箇所は、可動接点とこれに結合された可動の棒との確実なガイドを保証する。
【0007】
改善された構想によれば、真空インタラプタと作動装置とガイド装置とを備える、タップ切換器に用いられる切換要素が提供される。真空インタラプタは、可動接点と、可動接点に結合された導電性の棒と、ハウジングとを有する。可動接点は、ハウジングの内側に配置されている。作動装置は、棒を作動させるように、特に棒を軸方向に動かす、ひいては可動接点を作動させるように構成されている。
【0008】
ガイド装置は、ハウジングの外側に、特に完全に外側に配置されていて、かつ作動装置に取り付けられている。したがって、ガイド装置は、作動装置によって可動接点が作動されると連動させられ、特に軸方向に連動させられる。ガイド装置は、ハウジングを少なくとも部分的に包囲する。ガイド装置の少なくとも部分領域は、ハウジングに、特にハウジングの外側に接する。
【0009】
部分領域がハウジングに接することによって、ガイド装置は、部分領域でもってハウジングに支持することができ、これにより、作動装置又は棒及び可動接点の傾倒が抑制される。部分領域は、作動装置によって可動接点が作動させられると、ハウジングに沿って移動させられる、又はハウジングに沿って摺動させられる。したがって、ガイド装置は、棒及び可動接点の作動時にこれらをガイドするのに用いられる。
【0010】
「ハウジングに接する」という表現は、当業者には容易に理解されるように、ガイド装置の部分領域とハウジングとの間の、技術に起因する遊びも含む。最大許容遊びは、個々の状況における具体的な要求による最大許容傾倒によって規定される。例えば、最大許容遊びは、1mm以下であってよい。
【0011】
ここでいう「軸方向」とは、真空インタラプタ、又は例えば少なくとも部分的に円筒形にもしくは略円筒形に形成されたハウジングの軸方向を基準とする。
【0012】
棒ひいては可動接点のガイドによって、真空インタラプタの固定接点に対する可動接点の傾斜姿勢及びずれが防止される。したがって、切換要素によるタップ切換器の切換出力の低下が生じない。
【0013】
少なくとも1つの実施形態によれば、部分領域は、特に同心に配置された複数の部分を有する。
【0014】
少なくとも1つの実施形態によれば、ガイド装置は、特に軸方向に延在する複数のステーを有する。この場合、ステーの端部領域が、部分領域の部分を形成する。
【0015】
少なくとも1つの実施形態によれば、真空インタラプタは、ハウジングの内部を密閉する、外側に位置するベローズ、特に空気ばねベローズを有する。ベローズは、例えば金属ベローズ又は鋼ベローズとして構成され得る。
【0016】
本明細書の関連において、外側に位置するとは、ベローズの周りに真空インタラプタのハウジング部分が配置されていないことを意味する。外側に位置するベローズを有する真空インタラプタは、通常、例えばベローズの内側に、組み込まれた、棒に対するガイドを有しない。そのような理由から、改善された構想は、ガイドが改善されることによって、外側に位置するベローズを有する真空インタラプタを使用すると特に有利に作用する。
【0017】
少なくとも1つの実施形態によれば、ベローズは、密閉するために、棒及びハウジングに気密に結合されていて、例えばろう接されている。
【0018】
少なくとも1つの実施形態によれば、ガイド装置は、ベローズを包囲し、特に、ガイド装置の別の部分領域が、ベローズを取り囲む。これにより、ベローズは、外部の機械的な作用から防護される。したがって、ガイド装置は、有利には、同時にベローズのガイド及び防護に用いられる。
【0019】
ベローズの損傷は、真空インタラプタの耐用期間を短縮する、又は例えば漏れが生じる場合にはこれを破壊し得る。特に、外側に位置するベローズを有する真空インタラプタでは、ベローズの付加的な防護が有利である。というのも、そうでない場合にはベローズが自由にアクセス可能であるという理由による。
【0020】
少なくとも1つの実施形態によれば、別の部分領域は、ベローズを完全に又は実質的に完全に包囲する。この場合、実質的に完全にとは、部分領域が、例えば開口を有し得るが、開口がベローズの確実な防護を保証するのに十分に小さいことを意味する。この場合、許容可能な開口の大きさは、具体的な用途に依存し、真空インタラプタの、タップ切換器での使用に通常の寸法では、例えば3mm~5mmの範囲にあってよい。
【0021】
少なくとも1つの実施形態によれば、作動装置は、ピンを有し、ピンは、棒に結合されていて、この棒と同軸に配置されている。したがって、ピンと棒とは、一緒に軸方向に動く。
【0022】
少なくとも1つの実施形態によれば、作動装置は、支持ブロックを有し、支持ブロックは、ピンに対する支持箇所を形成し、ピンを作動時にガイドする。特に、ピンは、支持ブロックの管状部分を通してガイドされている。
【0023】
これにより、2つの支持箇所が形成され、これらは、支持ブロックにおける前述の支持箇所、及びガイド装置と真空インタラプタのハウジングとの接触領域における別の前述の支持箇所である。2つの支持箇所によって、ピン、棒及び可動接点の特に確実なガイドが達成される。支持距離、つまり2つの支持箇所の間の距離が可能な限り大きい構成が、特に有利である。
【0024】
少なくとも1つの実施形態によれば、真空インタラプタ、特にハウジングが、その内側に可動接点が配置された切換チャンバと、切換チャンバとベローズとの間に配置された絶縁体とを有する。ガイド装置とハウジングとの接触領域、ひいては第2の支持箇所は、この場合、例えば切換チャンバの高さにある。これにより、大きな支持距離が得られる。
【0025】
少なくとも1つの実施形態によれば、作動装置は、作動レバーを有し、作動レバーは、ピンと棒とを作動させるためにピンに結合されている。
【0026】
少なくとも1つの実施形態によれば、ガイド装置は、作動装置、特にピン又は棒を保持する第1の開口と、ハウジングを保持する第2の開口とを有する。これにより、ガイド装置は、ある程度真空インタラプタ上に装着することができる。これらの開口は、例えば円形又は略円形であって、ガイド装置のそれぞれ反対側の軸方向の端部に位置する。
【0027】
ベローズは、例えばハウジングの、ピン寄りの側に配置されていて、したがって完全にガイド装置の内側に位置する。
【0028】
少なくとも1つの実施形態によれば、ガイド装置は、導電性のインサート又は導電性のスリーブを有し、インサート又はスリーブは、棒に電気的に接続されていて、かつ例えば第1の開口内に配置されている。特に、インサートと棒とは、それぞれ端面側で接触し、これにより、電気的に接続されている。
【0029】
少なくとも1つの実施形態によれば、インサートは、真鍮、真鍮合金、銅又は銅合金を含む。
【0030】
少なくとも1つの実施形態によれば、ガイド装置は、棒及び/又はピンに取り付けられている。代替的に又は付加的に、ガイド装置は、ガイド装置、特にインサートがピンと棒との間で締め付けられていることによって、作動装置に結合され得る。
【0031】
少なくとも1つの実施形態によれば、切換要素は、インサートに電気的に接続された端子接点、例えば端子板、端子線材又は端子撚線を有する。
【0032】
端子接点は、可動接点をタップ切換器の別の構成要素に電気的に接続するために用いられる。可動接点は、例えば、切換接点(英語:main switching contact)又は抵抗接点(英語:transition contact)であり得る。これについては、IEC 60214-1:2014又はDIN EN 60214-1:2014に準拠した一般的な専門用語集が参照される。
【0033】
少なくとも1つの実施形態によれば、ガイド装置及び/又は真空インタラプタのハウジングに接触する部分領域は、回転対称に又は実質的に回転対称に構成されている。これにより、ガイド装置によって結果として生じる正味の力が真空インタラプタに及ぼされることが回避される。
【0034】
この場合、用語「回転対称」とは、離散的な回転対称及び連続的な回転対称、つまり回転対称の両方を含むと解されるべきである。
【0035】
改善された構想によれば、改善された構想による少なくとも1つの切換要素を備える、タップ切換器、特に負荷時タップ切換器がさらに提供される。
【0036】
少なくとも1つの実施形態によれば、タップ切換器は、抵抗タイプ高速切換器(英語:resistor type OLTCもしくはhigh-speed resistor type OLTC)又はリアクトルタイプ切換器(英語:reactor type OLTC)として構成されている。
【0037】
タップ切換器の少なくとも1つの実施形態によれば、タップ切換器は、切換要素を具備する負荷切換器(英語:diverter switch)又は切換要素を具備する負荷選択器(英語:selector switch)を有する。
【0038】
タップ切換器の少なくとも1つの実施形態によれば、可動接点は、タップ切換器の切換接点又は抵抗接点として用いられる。
【0039】
タップ切換器の少なくとも1つの実施形態によれば、複数の、好適には全ての切換接点及び/又は複数の、好適には全ての抵抗接点に、改善された構想による切換要素がそれぞれ備え付けられている。
【0040】
以下、本発明を、図面を参照しながら、例示的な実施形態に基づいて詳説する。機能的に同一である又は同一の作用を有する構成要素には、同一の符号が設けられてよい。同一の構成要素又は同一の機能を有する構成要素は、場合によっては、最初に現れた図面においてのみ説明されている。説明は、必ずしも後続の図面で繰り返されるわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】改善された構想による切換要素の例示的な一実施形態の斜視図を示す。
【
図4】改善された構想による切換要素に用いられるガイド装置の例示的な一実施形態の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1、
図2及び
図3は、改善された構想による切換要素の例示的な一実施形態の斜視図及び縦断面図を示している。
図2においてガイド装置Fが図示されていないことを除いて、
図1と
図2とは、同一である。
【0043】
切換要素は、ハウジングを具備する真空インタラプタVを有する。ハウジングは、切換チャンバSを有する。切換チャンバSは、例えば部分的に円筒形の外壁を有し、かつ少なくとも部分的に金属から成ってよい。ハウジングは、絶縁体IKをさらに有する。絶縁体IKは、主に、環状の横断面を有する管状の部分として構成されていて、かつ少なくとも部分的に、電気絶縁性の材料、例えばセラミック材料から成る。絶縁体IKは、切換チャンバS上に装着されていて、これに結合されている。
【0044】
真空インタラプタVは、真空インタラプタVに対して軸方向に可動の接点K1と、固定接点K2と、可動接点K1に結合された可動の棒STとを有する。接点K1,K2は、切換チャンバS内に配置されている。
【0045】
真空インタラプタVは、外側に位置するベローズB、例えば鋼ベローズをさらに有し、ベローズBは、絶縁体IK上に装着されていて、かつ絶縁体IKに、特に気密に結合されている。棒STは、ハウジングの外側からベローズBを通して切換チャンバS内に延在する。ベローズBは、棒STにも気密に結合されている。
【0046】
棒ST、ひいては可動接点K1の作動によって、真空インタラプタの開閉を行うことができる。その際、ベローズBは、伸縮する。
【0047】
例示的な切換要素は、ピンBZを有する。ピンBZは、棒STに結合されていて、棒STに対して同軸に配向されている。ピンBZは、作動レバーH(
図3には示されていない)によって作動させることができる。作動レバーHは、ここでは例えばアングルレバーとして構成されている。
【0048】
図示の切換要素は、例えば、管状のガイド支持部FLを具備する支持ブロックL(
図3には示されていない)を有し、ガイド支持部FLを通して、ピンBZは、真空インタラプタVから作動レバーHヘ向けてガイドされている。支持ブロックLは、タップ切換器の別の構成要素、例えばフレーム又は支持枠に取り付けることができる。
【0049】
作動装置、特にピンBZ、作動レバーH及び支持ブロックLの精確な構成は、切換要素が中に挿入されるべきタップ切換器のその都度の構成に依存する。
【0050】
切換要素は、さらにガイド装置Fを有する。ガイド装置Fは、例えばケージとして構成されていて、かつ真空インタラプタVを部分的に取り囲み、特にベローズBを完全に包囲する。ガイド装置Fは、例えば真空インタラプタV上に被せられている。ガイド装置Fは、
図4及び
図5に別個に示されている。
【0051】
ガイド装置Fは、第1の開口O1を有し、開口O1内に、例えば導電性のインサートEが配置されている。インサートEは、実質的に管状に又はスリーブとして構成されている。開口O1は、ピンBZを保持し、特にピンBZは、インサートEを通してガイドされている。ピンBZがガイド装置Fに取り付けられているので、ガイド装置Fは、往復式にピンが作動すると連動させられる。そのために、インサートE、ひいてはガイド装置Fは、ピンBZと棒STとの間に締付け可能である。代替的に又は付加的に、ピンBZは、インサートEに結合され得る。
【0052】
ガイド装置Fは、インサートEと場合によっては開口O1にインサートEを取り付けるための構成要素とを除いて、電気絶縁性の材料、例えばプラスチックから成り、かつ一体に構成可能である。
【0053】
インサートEは、切換要素の端子接点AKと棒STとに電気的に接続されている。
【0054】
ハウジング、特に切換チャンバSを保持するために、ガイド装置Fは、第1の開口O1とは反対側に位置する第2の開口O2を有する。図示の例示的な実施形態では、ガイド装置Fは、同心に配置された複数のフィンガ又はステーFIを有し、フィンガ又はステーFIは、例えば第2の開口O2の付近で、環状の構成要素Rによって相互に結合されている。環状の構成要素R及び/又はフィンガもしくはステーFIの端部領域、特に第2の開口O2の周りに配置された端部領域は、切換チャンバSに接する、ガイド装置Fの部分領域を形成する。
【0055】
作動レバーH、ピンBZ、棒ST及び接点K1によって真空インタラプタVが作動させられると、ガイド装置Fが連動する。この場合、部分領域が切換チャンバSに接するので、ガイド装置Fは、切換チャンバSの外壁に支持することができ、部分的に切換チャンバSをなぞるように動く。ゆえに、ピンBZ、棒ST又は可動接点K1の傾倒が抑制される又は防止される。
【0056】
これにより、2つの支持箇所が実現される。第1の支持箇所は、ガイド支持部FLによって形成され、第2の支持箇所は、切換チャンバSに接する、ガイド装置Fの部分領域によって形成される。これにより、ガイド装置Fが設けられない場合よりも、ピンBZ、棒ST及び接点K1の著しく改善されたガイドが得られる。というのも、ガイド装置Fが設けられない場合には、単一の支持箇所が与えられる、すなわちガイド支持部FLにだけ与えられるからである。有利には、2つの支持箇所は、(技術的に予め定めされた周辺条件下で)可能な限り相互に離れていて、これにより、特に確実なガイドが得られる。
【0057】
改善された構想による切換要素又はタップ切換器によって、作動装置と真空インタラプタの可動接点との改善されたガイドに基づき、可動接点の傾斜姿勢及びずれが防止される又は最小限に抑えられる。さらにタップ切換器を組み立てるときに真空インタラプタを相応に斜めに設置することによる傾斜姿勢が防止される。したがって、誘電強度の不都合な低下が防止される。真空インタラプタの斜めの設置を回避することによって、真空インタラプタの歪みの回避も達成される。さらに、真空インタラプタ及び作動装置の機械的な摩耗を低減することができる。外側に位置するベローズを有する真空インタラプタが使用されると、ガイド装置によって、さらに、ベローズが、機械的な損傷及び過負荷からら防護される。
【符号の説明】
【0058】
V 真空インタラプタ
S 切換チャンバ
IK 絶縁体
B ベローズ
K1 可動接点
K2 固定接点
ST 棒
F ガイド装置
BZ ピン
AK 端子接点
L 支持ブロック
FL ガイド支持部
FI フィンガ
R 環状の構成要素
H 作動レバー
O1,O2 開口
E インサート