IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッドの特許一覧

特許7181369近距離無線通信デバイスを備える携行型時計ケース
<>
  • 特許-近距離無線通信デバイスを備える携行型時計ケース 図1
  • 特許-近距離無線通信デバイスを備える携行型時計ケース 図2
  • 特許-近距離無線通信デバイスを備える携行型時計ケース 図3
  • 特許-近距離無線通信デバイスを備える携行型時計ケース 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】近距離無線通信デバイスを備える携行型時計ケース
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/28 20060101AFI20221122BHJP
   G04R 20/26 20130101ALI20221122BHJP
   G04R 60/08 20130101ALI20221122BHJP
   G04B 37/18 20060101ALI20221122BHJP
   G04R 60/10 20130101ALI20221122BHJP
【FI】
G04B19/28 A
G04R20/26
G04R60/08
G04B37/18 Y
G04R60/10
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021170700
(22)【出願日】2021-10-19
(65)【公開番号】P2022087018
(43)【公開日】2022-06-09
【審査請求日】2021-10-19
(31)【優先権主張番号】20210655.5
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ゾラン・ランジェロビッチ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-ダニエル・エティエンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ティエリ・スコルディリ
【審査官】森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特許第4294110(JP,B2)
【文献】特許第6484324(JP,B2)
【文献】特許第6556940(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B
G04R
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースミドル部(6)と、及び空欠部があるベゼル(3)とを備える携行型時計(1)のケース(2)であって、
前記ケース(2)は、アンテナ(5b)に接続された少なくとも1つのマイクロ回路(5a)を備える近距離無線通信デバイス(4)を備え、
前記ベゼル(3)は、取り外し可能なように前記ケースミドル部(6)に取り付けられ、前記近距離無線通信デバイス(4)を収容するハウジングを形成することができる2つのライニング要素(7a、7b)が組み付けられるアセンブリーによって形成され、
前記ベゼル(3)の前記第1及び第2のライニング要素(7a、7b)は、可逆的固定デバイス(8)を用いて一緒に組み付けられ
さらに、前記ベゼル(3)は、前記近距離無線通信デバイス(4)を支持する単体で取り外し可能な支持要素(11)を備え
ことを特徴とするケース(2)。
【請求項2】
前記可逆的固定デバイス(8)は、特に圧縮性シールである、締め付け要素(9a)を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のケース(2)。
【請求項3】
前記第1のライニング要素(7a)には、前記第1のライニング要素(7a)の外周壁に、溝(10)が形成された可逆的固定領域(9b)がある
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のケース(2)。
【請求項4】
前記溝(10)は、前記締め付け要素(9a)を受けるように構成している
ことを特徴とする請求項3に記載のケース(2)。
【請求項5】
前記第2のライニング要素(7b)には、前記第1のライニング要素(7a)に形成された溝(10)内に配置される締め付け要素(9a)と摩擦によって連係することができる可逆的接続領域(9c)がある
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のケース(2)。
【請求項6】
前記支持要素(11)には、その上面(13a)に、特に前記アンテナ(5b)を受けることができる傾斜面である、受け領域(12b)がある
ことを特徴とする請求項1~5に記載のケース(2)。
【請求項7】
前記支持要素(11)の前記受け領域(12b)は、フェライトのような保護性の磁気スクリーンを備える又はこれによって形成される
ことを特徴とする請求項6に記載のケース(2)。
【請求項8】
前記支持要素(11)には、凹部(12a)があり、この凹部(12a)の中に、前記少なくとも1つのマイクロ回路(5a)を完全に又は部分的に配置することができる
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のケース(2)。
【請求項9】
前記支持要素(11)には、その下面(13b)に、少なくとも2つの足部(14)があり、この足部(14)は、前記第2のライニング要素(7b)が前記第1のライニング要素(7a)に組み付けられるときに、前記ベゼル(3)の前記第2のライニング要素(7b)の内面(15)に支持されることできる
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載のケース(2)。
【請求項10】
前記第1及び第2のライニング要素(7a、7b)、前記取り外し可能な支持要素(11)及び前記締め付け要素(9a)は、少なくとも1種類の誘電体及び/又は非導電性材料によって作られている
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載のケース(2)。
【請求項11】
前記ベゼル(3)は、特にクリッピングタイプの固定要素である、少なくとも1つの取り外し可能な固定要素によって前記ケースミドル部(6)に固定される
ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載のケース(2)。
【請求項12】
前記近距離無線通信デバイス(4)は、この近距離無線通信デバイス(4)を防水性及び/又は防湿性にすることができるシーリング材コーティングを含む
ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載のケース(2)。
【請求項13】
前記近距離無線通信デバイス(4)は、非接触型電子決済デバイスである
ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載のケース(2)。
【請求項14】
請求項1~13に記載のケース(2)を備える
ことを特徴とする携行型時計(1)。
【請求項15】
防水性である
ことを特徴とする請求項14に記載の携行型時計(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近距離無線通信デバイスを備える携行型時計ケースと、このようなケースを備える携行型時計(例、腕時計、懐中時計)に関する。
【背景技術】
【0002】
現状の技術において、電子決済を完了させるために寄与するように構成している携行型時計のような携行型の非接触式決済のための物が知られている。このような携行型時計は、伝統的には、アンテナに電気的に接続される電子チップないし集積回路を備える近距離無線通信手段を備える。ほとんどの場合、この手段はスタンドアロン型の電源を必要とせず、リーダーに近づくと自動的にリーダーと通信するように意図されている。リーダーの電磁場は、アンテナに誘導電流を発生させ、これによって、チップにパワー供給し、アンテナを介して信号を送ることを可能にする。
【0003】
しかし、この近距離無線通信手段には、集積回路の寿命、特に、その「電子的に安全な」部分の寿命、によって制限される耐用年数があり、それは10年を超えない。実際に、この期間が経過すると、この通信手段では電子決済を完了できなくなるために、交換する必要性が発生する。現状の技術の携行型時計におけるこの通信手段の特定の構成を考えると、このような交換のための保守作業は、複雑であり、不可能な場合もあり、高価であることが多い。特に、この通信手段に関連づけられた携行型時計の他の部品の交換をも必要とする場合には高価になる。
【0004】
従来技術では、このような課題を解決することを可能にする手法がなく、したがって、既存の手法に代わるものが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、製品の完全性や防水性に悪影響を与えずに、ケースを容易かつ迅速に取り外すことができ、収容する近距離無線通信デバイスのメンテナンスを確実にできるようにするような携行型時計を提供することによって、従来技術の課題を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このために、本発明の一態様は、ケースミドル部と、及び空欠部があるベゼルとを備える携行型時計のケースに関する。前記ケースは、アンテナに接続された少なくとも1つのマイクロ回路を備える近距離無線通信デバイスを備え、前記ベゼルは、取り外し可能なように前記ケースミドル部に取り付けられ、前記近距離無線通信デバイスを収容するハウジングを形成することができる2つのライニング要素が組み付けられるアセンブリーによって形成され、前記ベゼルの前記第1及び第2のライニング要素は、可逆的固定デバイスを用いて一緒に組み付けられる。
【0007】
他の実施形態においては、以下の特徴がある。
- 前記可逆的固定デバイスは、特に圧縮性シールである、締め付け要素を備える。
- 前記第1のライニング要素には、前記第1のライニング要素の外周壁に、溝が形成された可逆的固定領域がある。
- 前記溝は、前記締め付け要素を受けるように構成している。
- 前記第2のライニング要素には、前記第1のライニング要素に形成された溝内に配置される締め付け要素と摩擦によって連係することができる可逆的接続領域がある。
- 前記ベゼルは、前記近距離無線通信デバイスを支持する取り外し可能な支持要素を備える。
- 前記支持要素には、その上面に、特に前記アンテナを受けることができる傾斜面である、受け領域がある。
- 前記支持要素の前記受け領域は、フェライトのような保護性の磁気スクリーンを備える又はこれによって形成される。
- 前記支持要素には、凹部があり、この凹部の中に、前記少なくとも1つのマイクロ回路を完全に又は部分的に配置することができる。
- 前記支持要素には、その下面に、少なくとも2つの足部があり、この足部は、前記第2のライニング要素が前記第1のライニング要素に組み付けられるときに、前記ベゼルの前記第2のライニング要素の内面に支持されることできる。
- 前記第1及び第2のライニング要素、前記取り外し可能な支持要素及び前記締め付け要素は、少なくとも1種類の誘電体及び/又は非導電性材料によって作られている。
- 前記ベゼルは、特にクリッピングタイプの固定要素である、少なくとも1つの取り外し可能な固定要素によって前記ケースミドル部に固定される。
- 前記近距離無線通信デバイスは、この近距離無線通信デバイスを防水性及び/又は防湿性にすることができるシーリング材コーティングを含む。
- 前記近距離無線通信デバイスは、非接触型電子決済デバイスである。
【0008】
別の態様において、本発明は、近距離無線通信デバイスを備える前記ケースに関する。
【0009】
好ましいことに、当該携行型時計は、防水性である。
【0010】
添付の図面を参照しながら例としてのみ与えられるいくつかの実施形態についての説明を読むことによって、本発明の他の目的、利点及び特徴が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の1つの実施形態に係る、近距離無線通信デバイスが中に配置されている、ベゼルを備えるケースを備える携行型時計の概略図である。
図2】本発明の実施形態に係るベゼルについての上方から見た斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係るベゼルについての下方から見た斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係るベゼルについての分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、NFC(Near Field Communication(近距離無線通信)の頭字語)タイプの近距離無線通信デバイス4を備える、ケースミドル部6と、及び空欠部があるベゼル3とを備えるケース2を備える携行型時計1の概略図である。このような近距離無線通信デバイス4は、非接触電子決済の完了に寄与することができる。これに関連して、この場合、このデバイス4は、非接触型電子決済デバイスによって構成する。
【0013】
この近接場通信デバイス4は、集積回路によって構成していることができる少なくとも1つのマイクロ回路5aと、アンテナ5bを備え、このアンテナ5bは、前記マイクロ回路5aに接続され、好ましくは円形であり、銅のような導電性材料に巻かれていたり、プリント回路(PCB:プリント回路ボード)上に形成されていたりする。
【0014】
この構成において、本発明に係る携行型時計1は、容易に取り外し/分解することができるベゼル3を備え、この取り外し/分解は、特に、そのベゼル3を損傷することなく、そして、それに続いている携行型時計1のケース2を損傷することなく、欠陥がある可能性のある近距離無線通信デバイス4を交換するために行われる。また、このベゼル3は、このようなデバイス4をこの携行型時計1内に、容易かつ経済的な手法で搭載することを可能にすることにも寄与する。なお、このようなベゼル3は、一方向回転性又は双方向回転性であることができ、また、非回転式のベゼルであることができる。
【0015】
この携行型時計1は、腕時計又は機械式携行型時計又はスマートウォッチによって構成していることができる。この携行型時計1は、防水性であることができ、この防水性の構成であって、ダイビングウォッチのようなスポーツウォッチであることができる。
【0016】
この携行型時計1において、ケース2は、主にケースミドル部6を備える。ケースミドル部6は、金属(例えば、鋼、好ましくは、ステンレス鋼)、又は合成材料(例えば、繊維、典型的には、炭素繊維、によってチャージされたポリマーマトリックスを含む複合材料)、又は誘電体、セラミックス及び/又は非導電性の材料によって作られていることができる。図1に示しているように、ケースミドル部6は円形の輪郭を有する。ケースミドル部6は、時計用ムーブメントを収容するように構成している内部空間を形成する。このケースミドル部6には、ホーンがあり、このホーンに、携行型時計1を手首に装着するためのブレスレットがフックされるように意図されている。ホーンを除いて、ケースミドル部6は、全体として見ると、中心軸Xのまわりの軸対称となっている。
【0017】
第2に、この携行型時計1のケース2は、ケースミドル部6上にあり取り外し可能に取り付けられたベゼル3を備える。実際に、このベゼル3は、取り外し可能な固定要素、特に、クリッピング又は入れ子構造タイプのもの、を用いて、このケースミドル部6に取り付けられる。このような固定要素は、例えば、近距離無線通信デバイス4の保守を確実にするために、容易、迅速かつ単純にベゼル3をケースミドル部6に組み付けたりケースミドル部6から取り外したりすることを、それらを損傷することなく、可能にする。
【0018】
図1~4において、このベゼル3は、基本的に環状の形である。これは、2つのライニング要素7a、7b、可逆的固定デバイス8、及び近距離無線通信デバイス4を支持する取り外し可能な支持要素11を備える。特に、このベゼル3は、近距離無線通信デバイス4を収容するハウジングを形成するように、第1のライニング要素7aを第2のライニング要素7bに組み付けることによって形成される。特に、この構成において、支持要素11がこれらの2つのライニング要素7a、7bの間に挟まれる。このベゼル3において、可逆的固定デバイス8には、固定領域9b及び接続領域9c、そして、後で説明する締め付け要素9aを備える。なお、このようなデバイス8が、締め付けられた入れ子構造によって、第1及び第2のライニング要素7a、7bの組み付けに寄与することを思い出されたい。
【0019】
第1のライニング要素7aには、外面15があり、この外面15上に、目盛り16が取り付けられている又は形成されている。図示している例において、目盛りにはいくつかのインデックスがあり、それらのいくつかは造形的であり、数字(好ましくは、アラビア数字)の形式である。ゼロインデックス17と呼ばれるインデックスの1つは、この第1のライニング要素7aの内側を指す三角形の形であり、これによって、原点マーカーを形成して、ユーザーがこのゼロインデックス17から、分単位で、ケースミドル部6に対するベゼル3の正確な角位置に対応する所定の初期時点からの経過時間を測定する。また、この第1のライニング要素7aには、内面18、内周壁19及び外周壁がある。
【0020】
この第1のライニング要素7aには、内周壁19の一部と内面18の一部との両方に形成される、通信デバイス4の前記少なくとも1つのマイクロ回路5aを配置するための配置領域20がある。好ましくは、この配置領域20は、ゼロインデックス17の裏に位置する。
【0021】
また、第1のライニング要素7aには、外周壁に設けられた溝10が形成された可逆的固定領域9bがある。このような溝10は、締め付け要素9aを受けるように特別に構成している。
【0022】
この締め付け要素9aは、溝10の周の長さ(周部)よりも大きさが小さい圧縮性シールによって構成していることができる。この場合、このような締め付け要素9aは、引き伸ばされることによって溝10内に配置される。締め付け要素9aは、その弾性的性質のおかげで、周部が小さいにもかかわらず、この溝10内に嵌まり、この弾性的性質によって、締め付け要素9aが拡がることが可能になり、溝10内に配置されると、縮んで、溝10内にある外周壁に支持される。
【0023】
この可逆的固定領域9bは、ベゼル3の第2のライニング要素7bの内周壁21上にて定められる可逆的接続領域9cと連係するように構成している。この接続領域9cは、固定領域9bにある溝10内にて取り付けられた締め付け要素9aの外面20と連係して、第1のライニング要素7aを第2のライニング要素7bと可逆的に連結するように構成している。なお、接続領域9cは、溝10内に配置される締め付け要素9aの外面20との摩擦によって連係することができる。
【0024】
この構成において、第1のライニング要素7aに取り付けられた締め付け要素9aの外面20にある2点を接続する直径は、第2のライニング要素7bの接続領域9cの2点を接続する直径よりも実質的に大きい又は厳密に大きい。なお、第1のライニング要素7aの溝10にある2点を接続する直径は、第2のライニング要素7bの接続領域9cの2点を接続する直径よりも実質的に小さい又は厳密に小さい。また、締め付け要素9aのない第1のライニング要素7aの直径は、第2のライニング要素7bの直径よりも実質的に小さい又は厳密に小さいことがわかる。
【0025】
第2のライニング要素7bには、その内周壁21に接する内面がある。特に、この内面は、第1及び第2のライニング要素7a、7bが組み付けられるときに、ベゼル3の支持要素11の支持面として機能するように構成している。この第2のライニング要素7bには、内面の反対側にある外面22があり、この外面22は、ケースミドル部6、特に、ベゼル3の取り外し可能な固定のために意図されたケースミドル部6の部分、に向き合うように延在している。この外面22には、このベゼル3の歯車リング23があり、これは、ケースミドル部6に対するベゼル3の角度的インデクシングのためにはたらく。この歯車リング23には、周にわたって一連の歯があり、各歯は非対称的であり、傾斜ランプ面と、鉛直方向に延在する止め面があり、これらは水平方向のプレートによって接続されていることができる。
【0026】
また、この第2のライニング要素7bには、外周壁があり、この外周壁上にて、ベゼル3の把持領域24が定められる。
【0027】
すでに言及したように、ベゼル3は、近距離無線通信デバイス4を支持する取り外し可能な支持要素11を備える。特に、この支持要素11には、前記通信デバイス4のアンテナ5bを受けるための受け領域12bがある上面13aがある。特に、前記アンテナ5bが載せられるこの受け領域12bは、傾斜面内に設けられる。また、この支持要素11には、凹部12aないし貫通開口があり、その中に前記少なくとも1つのマイクロ回路5aの全部又は一部を配置することができる。
【0028】
1つの形態において、受け領域12bは、フェライトベースの材料の層で被覆されることによって、フェライトのような保護性の磁気スクリーンを備える/形成することができる。また、これに関連して、前記少なくとも1つのマイクロ回路5aの近くに位置する第2のライニング要素7bの内周壁及び内面の部分が、このような材料層を含んで、この支持要素11とともに磁気スクリーンを形成することができる。
【0029】
また、この支持要素11には、下面13bがあり、この下面13bには、ベゼル3の第2のライニング要素7bが第1のライニング要素7aに組み付けられるときに、第2のライニング要素7bの内面に支持されることができる複数の足部14がある。
【0030】
このベゼル3において、第1及び第2のライニング要素7a、7b、締め付け要素9a、及び支持要素11は、プラスチック、セラミックス又は他の合成材料のような誘電体及び非導電性材料によって作られることによって、近距離無線通信デバイス4の動作に適している。
【0031】
また、通信デバイス4には、防水性と防湿性を与えるシール材コーティングがある。また、このシール材コーティングは、携行型時計の着用者が潜水中に遭遇する可能性のある高圧に耐えるように構成している。このシール材コーティングは、有機層又は無機層、又はこれらの2つのタイプの層の組み合わせによって構成していることができる。
【0032】
なお、添付の請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱せずに、上に開示された本発明の様々な実施形態に対して、当業者にとって自明な様々な変更及び/又は改善を行うことができるものと理解するべきである。
【符号の説明】
【0033】
1 携行型時計
2 ケース
3 ベゼル
4 近距離無線通信デバイス
5a マイクロ回路
5b アンテナ
6 ケースミドル部
7a 第1のライニング要素
7b 第2のライニング要素
8 可逆的固定デバイス
9a 締め付け要素
9b 可逆的固定領域
9c 可逆的接続領域
10 溝
11 支持要素
12a 凹部
12b 受け領域
13a 上面
13b 下面
14 足部
15 内面
図1
図2
図3
図4