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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】光子カウントディテクター
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/24 20060101AFI20221122BHJP
   G01T 1/17 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
G01T1/24
G01T1/17 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021505256
(86)(22)【出願日】2019-08-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 EP2019070753
(87)【国際公開番号】W WO2020025743
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】18186822.5
(32)【優先日】2018-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ステッドマン ブッカー ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】レッスル エワルド
【審査官】後藤 大思
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-501928(JP,A)
【文献】特開平2-259590(JP,A)
【文献】米国特許第9625589(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/00 -1/16
1/167-7/12
A61B 6/00 -6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衝突する高エネルギー電磁放射線を第1のカウント信号に変換する低吸収直接変換材料と第1の電気接点とを含む第1の直接変換層と、
前記衝突する高エネルギー電磁放射線を第2のカウント信号に変換する高吸収直接変換材料と第2の電気接点とを含む第2の直接変換層であって、前記高吸収直接変換材料が、前記低吸収直接変換材料より高い吸収をもたらす、第2の直接変換層と、
前記第1の電気接点に接触した第1の端子及び前記第2の電気接点に接触した第2の端子、並びに、処理回路を備えるキャリア層と
を備える、光子カウントディテクターであって、
前記第1の直接変換層と前記第2の直接変換層とは、前記高エネルギー電磁放射線が前記第2の直接変換層の前に前記第1の直接変換層を透過するように配置され、
前記処理回路が、前記高吸収直接変換材料からの前記第2のカウント信号に変化が存在するが前記低吸収直接変換材料からの前記第1のカウント信号に変化が存在しない場合、又は、前記低吸収直接変換材料からの前記第1のカウント信号と前記高吸収直接変換材料からの前記第2のカウント信号との間の相関が基準相関から逸脱している場合、前記高吸収直接変換材料からの前記第2のカウント信号におけるドリフトが存在すると判定することによって、前記高吸収直接変換材料からの前記第2のカウント信号のドリフトを修正する、
光子カウントディテクター。
【請求項2】
前記低吸収直接変換材料が、前記高エネルギー電磁放射線を1つ又は複数の第1のエネルギー分解カウント信号に変換し、前記高吸収直接変換材料が、前記高エネルギー電磁放射線を1つ又は複数の第2のエネルギー分解カウント信号に変換する、請求項1に記載の光子カウントディテクター。
【請求項3】
前記処理回路が、前記低吸収直接変換材料より低い前記高吸収直接変換材料の安定性によりもたらされる誤りに関して、前記第2のカウント信号を修正する、請求項1に記載の光子カウントディテクター。
【請求項4】
前記処理回路が、最低エネルギー閾値未満の、前記第2のカウント信号の信号部分における変化が存在するが、前記最低エネルギー閾値未満の、前記第1のカウント信号の対応する信号部分における変化がない場合、前記第2のカウント信号におけるドリフト判定する、請求項1に記載の光子カウントディテクター。
【請求項5】
前記第1の直接変換層と前記第2の直接変換層との間に配置された1つの前記キャリア層を備え、前記第1の端子が、前記キャリア層の第1の表面側に配置されており、前記第2の端子が、前記第1の表面側の反対側にある前記キャリア層の第2の表面側に配置されている、請求項1に記載の光子カウントディテクター。
【請求項6】
前記第1の直接変換層と前記第2の直接変換層との間に配置された第1のキャリア層であって、前記第1の端子が、前記第1の直接変換層を向いた前記第1のキャリア層の表面側に配置されており、前記第1の電気接点に接触している、第1のキャリア層と、
前記第1の直接変換層とは逆を向いた前記第2の直接変換層の側に配置された第2のキャリア層であって、前記第2の端子が前記第2の直接変換層を向いた前記第2のキャリア層の表面側に配置されており、前記第2の電気接点に接触している、第2のキャリア層と、
を備える、請求項1に記載の光子カウントディテクター。
【請求項7】
前記低吸収直接変換材料が、シリコン、リン化インジウム、ヨウ化水銀、及びガリウムヒ素のうちの1つを含む、請求項1に記載の光子カウントディテクター。
【請求項8】
前記高吸収直接変換材料が、テルル化カドミウム、及びテルル化カドミウム亜鉛のうちの1つを含む、請求項1に記載の光子カウントディテクター。
【請求項9】
第1の直接変換層の低吸収直接変換材料に衝突する高エネルギー電磁放射線を表す第1のカウント信号を取得する第1の信号入力と、
第2の直接変換層の高吸収直接変換材料に衝突する高エネルギー電磁放射線を表す第2のカウント信号を取得する第2の信号入力であって、前記高吸収直接変換材料が、前記低吸収直接変換材料より高い吸収をもたらし、前記第1の直接変換層と前記第2の直接変換層とは、前記高エネルギー電磁放射線が前記第2の直接変換層に前記第1の直接変換層を透過するように配置されている、第2の信号入力と、
処理回路と、
を備える、光子カウントディテクターのための修正デバイスであって、
前記処理回路が、前記高吸収直接変換材料からの前記第2のカウント信号に変化が存在するが前記低吸収直接変換材料からの前記第1のカウント信号に変化が存在しない場合、又は、前記低吸収直接変換材料からの前記第1のカウント信号と前記高吸収直接変換材料からの前記第2のカウント信号との間の相関が基準相関から逸脱している場合、前記高吸収直接変換材料からの前記第2のカウント信号におけるドリフトが存在すると判定することによって、前記高吸収直接変換材料からの前記第2のカウント信号のドリフトを修正する、
修正デバイス。
【請求項10】
第1の直接変換層の低吸収直接変換材料に衝突する高エネルギー電磁放射線を表す第1のカウント信号を取得するステップと、
第2の直接変換層の高吸収直接変換材料に衝突する高エネルギー電磁放射線を表す第2のカウント信号を取得するステップであって、前記高吸収直接変換材料が、前記低吸収直接変換材料より高い吸収をもたらし、前記高エネルギー電磁放射線が前記第2の直接変換層に衝突する前に前記高エネルギー電磁放射線が前記第1の直接変換層を透過するように、前記第1の直接変換層と前記第2の直接変換層とが配置されている、第2のカウント信号を取得するステップと
前記高吸収直接変換材料からの前記第2のカウント信号に変化が存在するが前記低吸収直接変換材料からの前記第1のカウント信号に変化が存在しない場合、又は、前記低吸収直接変換材料からの前記第1のカウント信号と前記高吸収直接変換材料からの前記第2のカウント信号との間の相関が基準相関から逸脱している場合、前記高吸収直接変換材料からの前記第2のカウント信号におけるドリフトが存在すると判定することによって、前記高吸収直接変換材料からの前記第2のカウント信号のドリフトを修正するステップと、
を有する、光子カウントディテクターのための修正方法。
【請求項11】
前記処理回路が前記キャリア層内に含まれる、請求項1に記載の光子カウントディテクター。
【請求項12】
前記光子カウントディテクターは、前記キャリア層に接続される修正デバイスを更に備え、前記処理回路が前記修正デバイス内に含まれる、請求項1に記載の光子カウントディテクター。
【請求項13】
前記処理回路は更に、前記ドリフトを修正するために、前記低吸収直接変換材料からの前記第1のカウント信号を、衝突する電磁放射線の推定結果として使用する、請求項1に記載の光子カウントディテクター。
【請求項14】
前記低吸収直接変換材料は、10%から25%の範囲内の高エネルギー電磁放射線の吸収を伴い、前記高吸収直接変換材料は、75%から90%の範囲内の高エネルギー電磁放射線の吸収を伴う、請求項1に記載の光子カウントディテクター。
【請求項15】
前記低吸収直接変換材料を含む前記第1の直接変換層は、前記高吸収直接変換材料を含む前記第2の直接変換層よりも厚さが大きい、請求項1に記載の光子カウントディテクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光子カウントディテクター、及び、光子カウントディテクターのための修正デバイス及び方法に関する。本発明は、更に、光子カウント検出構成体に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー分解光子カウントスペクトルCTの出現は、直接変換材料の完成度及び安定性に大きく依存している。材料の安定性に対する更なる改善はゆっくりと実現されつつあるにすぎないのに対し、想定されるカウント数からの逸脱を補償する方法が導入される必要がある。多くの方法が知られているが、修正手段の複雑さ、及び/又は有効性において大幅なトレードオフを伴う。
【0003】
米国特許出願公開第2008/230709(A1)号は、イメージングされる物体に向けて高周波電磁エネルギーのビームを出射する高周波電磁エネルギー源を含む診断イメージングシステムを開示している。エネルギー弁別型(ED)ディテクターは、高周波電磁エネルギー源により出射された高周波電磁エネルギーを受信する。EDディテクターは、第1の直接変換層と第2の直接変換層とを含む。第1の直接変換層は第1の直接変換材料を含み、第2の直接変換層は、第1の直接変換材料と異なる第2の直接変換材料を含む。データ獲得システム(DAS)はEDディテクターに動作可能に接続されており、コンピュータがDASに動作可能に接続されている。
【0004】
特開平02-259590(A)号は、CdTeから形成された第2のディテクターと、CdTeより大きいキャリア移動距離を伴う半導体GaAsから形成された第1のディテクターとを含む放射線検出デバイスを開示している。次に、ディテクターの厚さが、例えば0.4mmであり、検出される放射線Rのエネルギーが50keVである場合、放射線の約50%が、まず第1のディテクターにより吸収され、放射線の残りの50%の大部分が第2のディテクターにより吸収される。したがって、実際に入射する放射光子の数は第2のディテクターにおいて半分に減り、パイルアップの生成が第2のディテクターのみが使用される場合に比べて減少し、したがって、第1のディテクターは、検出される放射線Rの一部を吸収するために十分に厚いものである。
【0005】
米国特許出願公開第2016/206255(A1)号は、X線源から送信されたX線を受信するように構成された光子カウントディテクター装置を開示している。光子カウントディテクター装置は、第1のエネルギービン集合を使用して光子を検出するように構成された第1の検出材料を含む第1の光子カウントディテクターを含む。光子カウントディテクター装置は、X線源から送信されたX線の入射方向に対して第1の光子カウントディテクターの上方に配置された第2の光子カウントディテクターを更に含む。第2の光子カウントディテクターは、第2のエネルギービン集合を使用して光子を検出するように構成された第2の検出材料を含む。第1のエネルギービン集合は、第2のエネルギービン集合と異なる。
【0006】
光子カウントディテクターにおける想定されるカウント数からの逸脱を補償するための解決策の必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
想定されるカウント数からの逸脱を補償するための、光子カウントディテクター、修正デバイス、光子カウント検出構成体、及び対応する方法を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様において、
- 衝突する高エネルギー電磁放射線を第1のカウント信号に変換するための低吸収直接変換材料と第1の電気接点とを含む第1の直接変換層と、
- 衝突する高エネルギー電磁放射線を第2のカウント信号に変換するための高吸収直接変換材料と第2の電気接点とを含む第2の直接変換層であって、高吸収直接変換材料が、低吸収直接変換材料より高い吸収をもたらす、第2の直接変換層と、
- 第1の電気接点に接触した第1の端子及び第2の電気接点に接触した第2の端子、並びに、誤りに関して第2のカウント信号を第1のカウント信号に基づいて修正するように構成された処理回路を備えるキャリア層と、
を備え、
高エネルギー電磁放射線が第2の直接変換層に衝突する前に高エネルギー電磁放射線が第1の直接変換層を透過するように、第1の直接変換層と第2の直接変換層とが配置されており、
処理回路が、第2のカウント信号のドリフトを修正するために、衝突する電磁放射線の推定結果として第1のカウント信号を使用し、第2のカウント信号に変化が存在するが第1のカウント信号に変化が存在しない場合、又は、第1のカウント信号と第2のカウント信号との間の相関が基準相関から逸脱している場合、第2のカウント信号におけるドリフトが存在すると判定するように更に構成された、
光子カウントディテクターが提示される。
【0009】
本発明の更なる態様において、
- 第1の直接変換層の低吸収直接変換材料に衝突する高エネルギー電磁放射線を表す第1のカウント信号を取得するように構成された第1の信号入力と、
- 第2の直接変換層の高吸収直接変換材料に衝突する高エネルギー電磁放射線を表す第2のカウント信号を取得するように構成された第2の信号入力であって、高吸収直接変換材料が、低吸収直接変換材料より高い吸収をもたらし、高エネルギー電磁放射線が第2の直接変換層に衝突する前に高エネルギー電磁放射線が第1の直接変換層を透過するように、第1の直接変換層と第2の直接変換層とが配置されている、第2の信号入力と、
- 誤りに関して第2のカウント信号を第1のカウント信号に基づいて修正するように構成された処理回路と、
を備え、
処理回路が、第2のカウント信号のドリフトを修正するために、衝突する電磁放射線の推定結果として第1のカウント信号を使用し、第2のカウント信号に変化が存在するが第1のカウント信号に変化が存在しない場合、又は、第1のカウント信号と第2のカウント信号との間の相関が基準相関から逸脱している場合、第2のカウント信号におけるドリフトが存在すると判定するように更に構成された、
光子カウントディテクターのための修正デバイスが提示される。
【0010】
更なる態様において、
- 衝突する高エネルギー電磁放射線を第1のカウント信号に変換するための低吸収直接変換材料と第1の電気接点とを含む第1の直接変換層と、
- 衝突する高エネルギー電磁放射線を第2のカウント信号に変換するための高吸収直接変換材料と第2の電気接点とを含む第2の直接変換層であって、高吸収直接変換材料が、低吸収直接変換材料より高い吸収をもたらし、高エネルギー電磁放射線が第2の直接変換層に衝突する前に高エネルギー電磁放射線が第1の直接変換層を透過するように第1の直接変換層と第2の直接変換層とが配置されている、第2の直接変換層と、
- 第1の電気接点に接触した第1の端子及び第2の電気接点に接触した第2の端子を備えるキャリア層と、
- 本明細書において開示されている修正デバイスと、
- 第1の端子と第2の端子とを修正デバイスに接続する接続手段と、
を備える、光子カウント検出構成体が提示される。
【0011】
本発明の更に異なる更なる態様において、対応する方法、コンピュータにおいてコンピュータプログラムが実行されたとき、本明細書において開示されている方法のステップを実施することをコンピュータにさせるためのプログラムコード手段を含むコンピュータプログラム、及び、プロセッサにより実行されたとき、本明細書において開示されている方法が実施されることをもたらすコンピュータプログラムプロダクトを中に記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0012】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項において定義される。請求項に記載された修正デバイス及び方法、コンピュータプログラム、並びに媒体は、請求項に記載されているシステム、特に、従属請求項において規定されているもの、及び、本明細書において開示されているものと同様の、及び/又は同一の好ましい実施形態を含むことが理解されなければならない。
【0013】
本発明は、検出ボリュームを2つの別個の、好ましくはエネルギー分解層にセグメント分けするというアイデアに基づいている。第1の層(入射放射線に対して、より高い層/上層)は、低吸収層材料であるが高い安定性能をもつことが意図される。第2の層(入射放射線に対して、より低い層)は、高吸収材料を含む。総フラックスの一部のみを受ける上層は、より低い層の安定性問題を修正するための基準として機能するが、加えて、エネルギー分解情報を提供してもよい。
【0014】
低吸収を伴う第1の層は、例えばGaAs又はSiから作られる。GaAsは非常に安定した材料であるが、GaAsは、その低吸収を理由として、独立型ディテクターとしてのCTに適さない。高吸収を伴う第2の層は、例えば、臨床CTの厳しい要求に対して依然として不十分な安定性を提供するが、十分な吸収を提供することが知られたCd(Zn)Te(CZT)又はCdTeから作られる。一実施形態において、1つのASIC基材は、両方の層のための、及び、第2の層の不十分な安定性により主にもたらされる誤りに関して、第2のカウント信号の第2のカウント信号を、第1の層の第1のカウント信号に基づいて修正するための処理回路を搭載するための搭載部として機能するために使用される。したがって、一実施形態において、処理回路は、低吸収直接変換材料と比べたときの高吸収直接変換材料のより低い安定性によりもたらされる誤りに関して第2のカウント信号を修正するように構成されている。開示されている光子カウントディテクターにより、想定されるカウント数からの第2のカウント信号のずれが補償され得る。
【0015】
高エネルギー電磁放射線は、概して、例えば1keVより高いエネルギーをもつ、好ましくは、例えば20keVより高い範囲内(好ましくは最大で例えば160keV)の相応の臨床的に関連したエネルギーをもつ電磁放射線と理解されるものとする。この電磁放射線は、好ましくはx線放射線であるが、概してガンマ放射線であってもよい。
【0016】
一実施形態において、低吸収直接変換材料は、高エネルギー電磁放射線を1つ又は複数の第1のエネルギー分解カウント信号に変換するように構成されており、高吸収直接変換材料は、高エネルギー電磁放射線を1つ又は複数の第2のエネルギー分解カウント信号に変換するように構成されている。これは、エネルギー分解された情報を提供する。更に、これは、第2のカウント信号における誤り、及び、第2のカウント信号の修正の要求される因子を特定するために、エネルギー分解されたカウント信号の一部、例えば最低エネルギー閾値未満のみを使用する選択肢を与える。別の実施形態において、2つ以上の(又は、更にはすべての)エネルギー閾値が使用される。
【0017】
処理回路は、第2のカウント信号のドリフトを修正するために、衝突する電磁放射線の推定結果として第1のカウント信号を使用するように更に構成されている。例えば、1つの選択肢によると、第2のカウント信号に変化が存在するが第1のカウント信号に変化が存在しない場合、第2のカウント信号におけるドリフトが存在すると判定される。これにより、最低エネルギー閾値未満の、第2のカウント信号の信号部分における変化が存在するが、最低エネルギー閾値未満の、第1のカウント信号の対応する信号部分における変化がない場合、第2のカウント信号におけるドリフトが存在すると判定される。別の選択肢によると処理回路は、第1のカウント信号と第2のカウント信号との間の相関が基準相関から逸脱している場合、第2のカウント信号におけるドリフトが存在すると判定するように構成されている。これらの選択肢は、誤りの所望の修正を可能にする安価でいくぶん単純な手法を提供し、したがって、修正された第2のカウント信号により表された、又は、修正された第2のカウント信号から特定された測定結果の、及び最終的なカウント信号の正確さを改善する。
【0018】
光子カウントディテクターの別の実施形態は、第1の直接変換層と第2の直接変換層との間に配置された1つのキャリア層を備え、第1の端子は、キャリア層の第1の表面側に配置されており、第2の端子は、第1の表面側の反対側にあるキャリア層の第2の表面側に配置されている。この実施形態において、キャリア層は、キャリア層を共有している第1の直接変換層と第2の直接変換層との間に挟まれている。
【0019】
別の実施形態によると、第1の直接変換層と第2の直接変換層との間に配置された第1のキャリア層であって、第1の端子が、第1の直接変換層を向いた第1のキャリア層の表面側に配置されており、第1の電気接点に接触している、第1のキャリア層と、第1の直接変換層とは逆を向いた第2の直接変換層の側に配置された第2のキャリア層であって、第2の端子が、第2の直接変換層を向いた第2のキャリア層の表面側に配置されており、第2の電気接点に接触している、第2のキャリア層とを含む2つのキャリア層が提供される。この実施形態において、各直接変換層は、各直接変換層自体のキャリア層をもつ。処理回路は、両方のキャリア層に提供されてもよく、又は、両方のカウント信号が第2のカウント信号の修正を特定するために処理回路により利用可能であるように、何らかの手法により接続された2つのキャリア層のうちの1つに提供されてもよい。
【0020】
概して、低吸収直接変換材料は、シリコン、リン化インジウム、ヨウ化水銀、及びガリウムヒ素のうちの1つを含み、高吸収直接変換材料は、テルル化カドミウム、及びテルル化カドミウム亜鉛のうちの1つを含む。
【0021】
第1の直接変換層の厚さは、第2の直接変換層の厚さより小さいものである。しかし、他の実施形態も存在する。例えば、Siが低吸収直接変換材料として使用される場合、第1の直接変換層の厚さは、第2の直接変換層の厚さより大きいものである。概して、第1の直接変換層では多くの吸収をもたらすことは必要とされないが、第1の直接変換層が少なくとも十分な数の光子を吸収しない場合、ノイズが存在する。
【0022】
本発明のこれらの態様及び他の態様が、以下で説明される実施形態から明らかとなり、以下で説明される実施形態を参照しながら説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明による光子カウントディテクターの第1の実施形態の概略図である。
図2】本発明による光子カウントディテクターの第2の実施形態の概略図である。
図3】本発明による修正デバイスの概略図である。
図4】本発明による光子カウント検出構成体の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、光子カウントディテクター1の第1の実施形態の概略図を示す。光子カウントディテクター1は、第1の直接変換層10、第2の直接変換層20、及びキャリア層30を備える。
【0025】
第1の直接変換層10は、衝突する高エネルギー電磁放射線100(特にx線放射線)を第1のカウント信号に変換するための低吸収直接変換材料11と、第1の電気接点12とを含む。低吸収材料は、例えばGaAsである。良い検出グレードのGaAsセンサーは、例えば200μmの厚さ(最大500μm)において利用可能である。200μmの厚さのGaAsは、120kVpスペクトルに対して衝突する光子の約24%を吸収するのみである。
【0026】
第2の直接変換層20は、衝突する高エネルギー電磁放射線100を第2のカウント信号に変換するための高吸収直接変換材料21と、第2の電気接点22とを含む。高吸収直接変換材料21は、低吸収直接変換材料11より高い吸収をもたらし、及び、98%より多くの光子を吸収する、例えば厚さ2mmの、例えばCd(Zn)Teである。
【0027】
高エネルギー電磁放射線100が第2の直接変換層20に衝突する前に、高エネルギー電磁放射線100が第1の直接変換層10を透過する(すなわち貫通する)ように、第1の直接変換層10及び第2の直接変換層20が配置されている。
【0028】
キャリア層30は、第1の端子31と第2の端子32とを備える。第1の端子31は、キャリア層30の第1の表面側38に配置されており、例えばはんだバンプ33を介して第1の電気接点12に接触している。第2の端子32は、第1の表面側の反対側にあるキャリア層30の第2の表面側39に配置されており、例えばはんだバンプ34を介して第2の電気接点22に接触している。
【0029】
キャリア層30は、更に、誤りに関して第2のカウント信号を第1のカウント信号に基づいて修正するための、例えば光子カウント電子機器といった処理回路35を備える。キャリア層30は、例えば、ASIC層として構成され、及び、吸収を最小化(例えば<100μm)するように薄くされ得るSi基材から構成される。
【0030】
図1に示される光子カウントディテクター1において、1つのASIC層30がASIC層30の上部及び底部に位置する2つの別個の検出層10、20の衝突する光子を獲得するための搭載部として使用される。ASIC層30は、両方の層10、20のために利用可能な検出ピクセル(すなわち第1の電気接点12及び第2の電気接点22)の総数と同数のピクセル36を備える。図1に示される断面において、(左から右に)奇数番目のピクセルは、第1の端子31を介して上層10に接続しており、偶数番目のピクセルは、第2の端子32を介して底層20に接続している。
【0031】
搭載部としての1つのASIC層30の使用は、底層20がTSV(シリコン貫通ビア)37により底層20に対応したASICピクセルに接続されていることを意味する。
【0032】
多くの構成が考えられるが限定されるわけではない。例えば、両方の層10、20が、1×1mmのピクセルを備え、及び、16×16ピクセルの配置をとる。したがって、ASIC層30は全部で512個のセンサーアノードとして機能する。この例において、ASICピクセルエリアは、<0.5mmであることを必要とする。
【0033】
代替的に、底層20(又は、上層10)は、より高密度のピクセル接点を備える。一例において、上層10は、16×16ピクセルを備える。各GaAsピクセル36に対して、下方の底層20は、4つのピクセル、すなわち合計で32×32ピクセルを備える。上層10は主に底層20の安定性の修正のための基準として機能するので、両方の層10、20が同数のピクセルを含むことが厳密に必要とされるわけではない。好ましくは、上層におけるピクセル、及び、底層におけるピクセル(又は複数のピクセル)が、同じ検出ボリュームに実質的に対応している。この特定の例において、ASIC層30は全部で1280個のピクセルとして機能する。
【0034】
より低い層20における不安定さの修正/補償は、収集されたデータに基づいて、チップ外において(又は、オフラインで)、すなわち外部処理ユニットにより実施され得る。本発明によると、処理回路35は、キャリア層30上に、又はキャリア層30内に提供されている。
【0035】
上層10は、底層20のドリフトの修正の尺度として使用され得る衝突するフラックスの良い推定を提供する。第1の近似において、底層20のカウントのドリフトは、ドリフトが上層10において観測されない場合の(材料の不安定さに起因した)閾値のエネルギードリフトの正味のドリフトと解釈される。
【0036】
一実施形態において、低吸収直接変換材料11は、高エネルギー電磁放射線100を第1のエネルギー分解カウント信号に変換するように構成されており、高吸収直接変換材料21は、高エネルギー電磁放射線100(特に上層10及びキャリア層30を通る放射線100の一部)を第2のエネルギー分解カウント信号に変換するように構成されている。この場合において、最低エネルギー閾値(例えば25keV)より高いカウントは、ピクセル当たりの衝突するフラックスを推定するための、及び、より低い層におけるカウントの変化がドリフトにより、又はx線フラックスによりもたらされるか否かを検出するための、良い近似として使用され得る。例えば、所与のエネルギー閾値における弁別器は、閾値を上回る光子ごとにトリガーする。
【0037】
底層20における不安定さに対する修正スキームの一実施形態が、以下のように構成される。安定した上層センサー及び底層センサーのために、最低エネルギー閾値NT及びNBに対する測定カウントレートは、非常に良く相関しなければならない。これらの相関は、ディテクターが実際に、例えばCTスキャンにおいて使用される前に、より低いフラックスにおいて校正測定中に評価される。底層20がスキャン中に不安定さを示す場合、すなわち、低フラックス校正測定中に測定された相関からの著しいずれを表す相関が幾つかの投影にわたって測定された場合、校正測定中に測定された相関に到達することに基づいて、底層カウントに対して修正が実施される。
【0038】
言い換えると、第1のカウント信号は、第2のカウント信号のドリフトを修正するために、衝突する電磁放射線の推定結果として使用される。第2のカウント信号におけるドリフトが存在するか否かは、第2のカウント信号に変化が存在するが第1のカウント信号に変化が存在しない場合であるか否か、特に、最低エネルギー閾値未満の、第2のカウント信号の信号部分における変化が存在するが、最低エネルギー閾値未満の、第1のカウント信号の対応する信号部分における変化がない場合であるか否かを確認することにより決定される。代替的に、第2のカウント信号におけるドリフトは、第1のカウント信号と第2のカウント信号との間の相関が、例えば前もって校正測定中に測定された基準相関から逸脱しているか否かを確認することにより判定される。
【0039】
最低閾値が高く相関することが想定されることが留意されなければならない。これは、修正の質の尺度としても使用され得る。
【0040】
図1に示される実施形態では、両方の層10、20からの光子が同じ数のエネルギービン及び同じカウントレート性能をもつ同じフロントエンド電子機器(処理回路)により獲得されると仮定される。別の実施形態において、ASICピクセルは、ASICピクセルが割り当てられた層に特に適応される。
【0041】
例えば、より低い吸収をもたらすようにされた上層10(例えば<200μmの厚さのGaAs)に割り当てられたピクセル36aは、非常に高いレートが可能であることを必要としなくてもよく、処理ユニット35は、改善されたノイズ特性のために最適化されてもよい。
【0042】
更に異なる更なる実施形態において、上層10に割り当てられたピクセル(すなわち、図1における奇数番目のピクセル)は、底層20に割り当てられたピクセルほど多くのエネルギー閾値を必要としなくてもよい(高エネルギーイベントに対して無視できるに近い程度の吸収である)。更には、別の実施形態において、上層10に割り当てられたピクセルは、ノイズレベルより高い1つのエネルギー閾値のみをもつ。
【0043】
パッケージング要件は、光子カウントディテクター及び従来の平面状デュアルレイヤーディテクターのために開発された4サイドバタブル技術と同様である。
【0044】
別の実施形態において、可撓性ケーブルが、キャリア層からの信号を(例えばピクセルから直接的に)外部修正デバイス(図3参照)に導くように提供される。この場合において、処理ユニットがキャリア層に提供さえされなくてもよいが、上述の修正を含む完全な信号処理がオンザフライで、又は所望のときに外部修正デバイスにおいて提供されてもよい。
【0045】
概して、低吸収直接変換材料は、2%から45%の範囲内、特に10%から25%の範囲内の高エネルギー電磁放射線の吸収を伴う材料であり、高吸収直接変換材料は、55%から98%の範囲内、特に75%から90%の範囲内の高エネルギー電磁放射線の吸収を伴う材料である。したがって、第2の直接変換層20は、すべての光子のうちの100%を漸近的に吸収する。
【0046】
上述の数は、両方の層にわたる吸収の分布を示す。第2の直接変換層20の最小厚は、取り得る最高のエネルギーをもつ光子を第2の直接変換層20が効果的に止めるようなものとされ、すなわち、例えば120keVの光子を吸収する第1の直接変換層10の確率が最小であるので、上部において第1の直接変換層10として提供された200μmのGaAs層が存在する場合でも、第2の直接変換層20として2mmのCZT層が依然として必要とされる。全体として、層10及び20のスタックは、それぞれの用途のエネルギーの範囲内(CTの場合、最大140keVから)にある光子のうちの100%近くを止める。
【0047】
理論上は、低吸収直接変換材料の吸収の上限は存在しない。しかし、実際には、上限は厚い層における材料の可用性により決定される。十分に厚いGaAs層が利用可能である場合、十分に厚いGaAs層が使用され得、CZT層を完全に回避し得る。合理的に利用可能なGaAs層は最大で例えば200μmまでの範囲内の厚さをもち、又は更には500μmも可能である。
【0048】
一実施形態において、高吸収直接変換材料は、第1の直接変換層10の低吸収直接変換材料が吸収しない吸収の範囲をカバーする。例えば、第1の直接変換層10は、実現可能なものに応じた大きさにされ、このことが結果として、更に第2の直接変換層20の最小厚を決定する。
【0049】
更なる一実施形態において、図1に示される実施態様は、光子カウントディテクター2の別の実施形態を示す図2に示される2つのキャリア層30a、30bによっても実現され得る。
【0050】
光子カウントディテクター2は、第1の直接変換層10と第2の直接変換層20との間に配置された第1のキャリア層30aと、第1の直接変換層10とは逆を向いた第2の直接変換層20の側に配置された第2のキャリア層30bとを備える。第1の端子31は、第1の直接変換層10を向いた第1のキャリア層30aの表面側38aに配置されており、第1の電気接点12に接触している。第2の端子32は、第2の直接変換層20を向いた第2のキャリア層30bの表面側39bに配置されており、第2の電気接点22に接触している。
【0051】
処理ユニット35は、第1のキャリア層30aに、若しくは第2のキャリア層30bに、又は、独立して層30aと層30bとの両方に若しくは、部分的にキャリア層30aとキャリア層30bとの両方に配置されている。2つの処理ユニットを接続している、及び/又は、処理ユニット35にピクセル36を接続している相互接続手段(例えば、1つ又は複数の可撓性ケーブル、及び/又は、統合された伝導線)が提供されてもよい(図2には示されていない)。一実施形態において、可撓性ケーブルが一方側における1つのキャリア層から信号を取り出し、同じ側における、又は他方側における他のキャリア層に信号を導く。したがって、可撓性ケーブルは、必要とされる場合、両方のキャリア層間の通信を確立するために使用される。
【0052】
別の実施形態において、可撓性ケーブルは、両方のキャリア層から外部修正デバイスに信号を導くために提供される(図3参照)。この場合において、どのキャリア層にも処理ユニットが提供さえされなくてもよいが、上述の修正を含む完全な信号処理が、オンザフライで、又は所望のときに、外部修正デバイスにおいて提供される。
【0053】
図3は、本発明による修正デバイス40の概略図を示す。修正デバイス40は、処理ユニット35に実質的に対応しており、内部処理ユニット35を含まない上述の光子カウントディテクターと組み合わされて、外部手段として使用され得る。修正デバイス40は、例えば、(プログラムされた)プロセッサ、若しくは(プログラムされた)コンピュータ、又は専用ハードウェアとして実現される。
【0054】
修正デバイス40は、第1の直接変換層10の低吸収直接変換材料11に衝突する高エネルギー電磁放射線100を表す第1のカウント信号を取得するように構成された第1の信号入力41を備える。修正デバイス40は、第2の直接変換層20の高吸収直接変換材料21に衝突する高エネルギー電磁放射線100を表す第2のカウント信号を取得するように構成された第2の信号入力42を備える。第1の信号入力41及び第2の信号入力42は、例えば、フォトンカウントディテクター、特に光子カウントディテクターのピクセルから第1のカウント信号及び第2のカウント信号を受信する、データ又は信号インターフェースの形態をとる共通信号入力として実現される。
【0055】
修正デバイスは、上述の手法のうちの1つにより、誤りに関して第2のカウント信号を第1のカウント信号に基づいて修正するように構成された処理回路43を更に備える。修正された第2のカウント信号が、単独で、又は、更に情報を提供する第1のカウント信号と組み合わされて、フォトンカウントディテクターの測定信号として最終的に使用され、次に、測定信号は、用途により所望されるように更に処理され、例えばスキャンされる物体の画像を生成するために使用される。
【0056】
修正デバイス40又は処理ユニット35により適用される修正の別の実施形態は、以下の手法により、測定されたデータを反復して修正するための反復工程を使用する。この実施形態において、校正結果の集合が、知られた条件において、特に底層20のアーティファクトを最小化するために低フラックスにおいて、獲得される。校正結果のこの集合cは、(複数のベースライン物質分解をもたらす)材料の番号mとともに取得される。測定されたデータは、初期物質分解Aを実施するために使用される。使用される材料に起因して、上層10の測定結果Gが正しいこと、及び、底層20の測定結果Cが誤りを含むものであることが分かっている。Gはノイズを含むが低いバイアスを伴う(すなわち、非常に正確な)測定結果である可能性がある。材料組成Aの結果は、最良のフィット(任意選択的に、最も近く近接したもの)に対応した校正データを導出するために使用される。校正データは、底層20の測定結果Cを測るために使用される。それに基づいて、新しい物質分解A’が計算される。これは反復工程である可能性が高い。
【0057】
より正式な表現によると、これは、次のように表記される。
上層10:測定データG;校正データGc,m
底層10:測定データC;校正データCc,m
物質分解:A
ルックアップ:Gc,m(A)、Cc,m(A)
測定データの修正:
【数1】
新しい物質分解:A’
【0058】
図4は、光子カウント検出構成体50の概略図を示す。光子カウント検出構成体50は、本明細書において開示されているフォトカウントディテクター(この実施形態において図1に示されるもの、代替的に図2に示されるもの(図示されていない))を備えるが、キャリア層30の一部として処理回路を全く含まない。更に、本明細書において開示されている、例えば図3に示される修正デバイス40が提供される。接続手段51、例えば可撓性ケーブルが、(直接的に、又は、図4に示されるように)キャリア層30の第1の端子31及び第2の端子32を、ピクセル36を介して修正デバイス40に接続する。この手法により、提案される修正が、修正デバイス40において外部的に行われる。
【0059】
本発明は、好ましくは、CT、例えばスペクトルCTに対して適用され得るが、特にイメージング目的のために、例えば医療イメージングにおいて高エネルギー電磁放射線が検出されることとなるおおむねすべての用途に適用され得る。
【0060】
図面及び上述の説明に本発明が例示され、詳細に説明されているが、このような例示及び説明は例示又は一例とみなされ、限定とはみなされず、本発明は開示されている実施形態に限定されない。開示されている実施形態に対する他の変形例が、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲の考察により、請求項に記載された発明を実施する当業者により理解及び実現され得る。
【0061】
特許請求の範囲において、「備える(含む、有する、もつ)」という表現は、他の要素もステップも排除せず、単数形の表現は複数を排除しない。1つの要素又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載されている幾つかの項目の機能を実現してもよい。単に特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているということが、利点を得るためにこれらの手段の組合せが使用不可能なことを示すわけではない。
【0062】
特許請求の範囲における参照符号は、いずれも特許請求の範囲を限定するように解釈されてはならない。
図1
図2
図3
図4