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特許7181383ホーン制御装置を備える車両用ハンドル、かかるハンドルを有する車両、かかるハンドルの組み立て方法
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  • 特許-ホーン制御装置を備える車両用ハンドル、かかるハンドルを有する車両、かかるハンドルの組み立て方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】ホーン制御装置を備える車両用ハンドル、かかるハンドルを有する車両、かかるハンドルの組み立て方法
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/10 20060101AFI20221122BHJP
   H01H 13/04 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
B62D1/10
H01H13/04 C
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021510419
(86)(22)【出願日】2019-09-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 EP2019074170
(87)【国際公開番号】W WO2020053248
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-04-19
(31)【優先権主張番号】1858203
(32)【優先日】2018-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 大介
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【弁理士】
【氏名又は名称】飛田 高介
(72)【発明者】
【氏名】ベルトラン、オリビエ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥルスー、ユーグ
(72)【発明者】
【氏名】ルティエルス、トーマス
【審査官】村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-071626(JP,A)
【文献】特開2007-035609(JP,A)
【文献】特開2015-178355(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 1/00-1/28
H01H 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホーン装置を備える自動車用ハンドルであって、
-フレーム(1)と、
-安全モジュールを受容するように配置されており、休止位置と押下位置との間で前記フレーム(1)に対して移動可能である、取り付け支持体(2)と、
-前記取り付け支持体(2)を誘導するための手段であって、前記フレーム(1)と一体化された第1の誘導部品(8、81)と、前記取り付け支持体(2)と一体化された第2の誘導部品(7)と、を備える、手段と、
-前記フレーム(1)上に配置された第1の接触端子(3)、及び前記取り付け支持体(2)に埋め込まれた第2の接触端子(4)を備える少なくとも1つのスイッチを有するホーン電気回路部品と、
-前記押下位置から前記休止位置に向かって戻るように押圧するために、前記第2の誘導部品(7)に戻り力を自動的に及ぼすように配置された弾性戻り手段と、
-前記取り付け支持体(2)と前記第2の誘導部品分(7)との間に位置決めされた、前記弾性戻り手段とは別個の、変形可能な減衰手段(5)と、を備え、
-前記第2の誘導部品(7)が、前記弾性戻り手段の前記戻り力を受容するための押圧インターフェース(71)を備え、
-前記押圧インターフェース(71)が、前記弾性戻り手段と前記減衰手段(5)との間に配置されていることと、
-前記第2の接触端子(4)が、前記第2の誘導部品(7)によって支持されていることと、
前記ホーン電気回路部品の前記スイッチが、前記休止位置において閉鎖状態にあることと、を特徴とする、自動車用ハンドル。
【請求項2】
前記減衰手段(5)が、前記第2の接触端子(4)と前記弾性戻り手段との間に配置されている、請求項1に記載の自動車用ハンドル。
【請求項3】
前記第1の誘導部品(8、81)が、停止部又は前記休止位置を画定する肩部を備えるねじ(8)である、請求項1又は2に記載の自動車用ハンドル。
【請求項4】
前記第2の誘導部品(7)が、前記ねじ(8)の上を摺動するように配置された摺動スリーブである、請求項に記載の車両用ハンドル。
【請求項5】
前記減衰手段(5)が、溝(72)内、及び前記第2の誘導部品(7)の第1の支持面と第2の支持面との間に配置されており、
-前記第1の支持面が、前記第2の支持面よりも大きく、
-前記第2の支持面が、前記減衰手段(5)が前記溝(72)内に挿入されることを可能にするのに十分小さく、
-前記車両用ハンドルが、前記減衰手段(5)と前記第2の支持面との間に配置されたスペーサ(6)を更に備える、請求項1~のいずれか一項に記載の車両用ハンドル。
【請求項6】
前記スペーサ(6)が、前記第2の支持面よりも大きい、前記減衰手段(5)と共有された接触面を有する、請求項に記載のハンドル。
【請求項7】
前記スペーサ(6)が、挟持により、又は差し込みインターフェースを介して前記第2の誘導部品(7)上に、組み立てられるように配置されている、請求項又はに記載のハンドル。
【請求項8】
前記第1の支持面が、前記第2の接触端子(4)によって形成されている、請求項のいずれか一項に記載の車両用ハンドル。
【請求項9】
前記第1の接触端子(3)が、前記ホーンの作動方向に対して垂直な方向において、前記ねじ(8)上で挟持されるように配置されている、請求項に記載の車両用ハンドル。
【請求項10】
前記第1の接触端子(3)が、電気的に絶縁性の挟持インターフェース(31)と一体化されており、前記挟持インターフェース(31)が、前記第1の接触端子(4)を前記ねじ(8)上で挟持するように配置されたクリップを備える、請求項に記載の車両用ハンドル。
【請求項11】
誘導手段が、2つのねじ(8)で構成され、
前記電気回路部品が、2つのスイッチを備え、
前記ハンドルが、各ねじ(8)と一体化された端子支持体を更に備え、前記端子支持体が、各スイッチの前記2つの第1の端子(3)を支持する、請求項1~のいずれか一項に記載の車両用ハンドル。
【請求項12】
各端子支持体が、ねじ(8)上で挟持されている、請求項11に記載の車両用ハンドル。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の車両用ハンドルを備える自動車。
【請求項14】
請求項に記載のハンドルを組み立てるための方法であって、
-前記取り付け支持体(2)を前記押下位置に位置決めするように、前記弾性戻り手段を圧縮する工程と、
-前記ねじ(8)をねじ込む工程と、
-前記第1の接触端子(3)を所定の方向に配向するように、前記第1の接触端子(3)を前記ねじ(8)上で挟持する工程と、
-前記スイッチを閉鎖するために前記弾性戻り手段を解放する工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ホーン制御装置及び振動減衰装置を備える自動車用ハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
ホーン及び振動ダンパの機能を組み合わせる装置は、先行技術から既知である。国際公開第2017154571号は、
-ホーンの端子が、エアバッグ取り付け支持体上及びハンドルフレーム上に位置付けられ、
-ホーンの戻りばねは、減衰手段を圧縮することを記載する。
したがって、システムは、ホーンの端子と振動ダンパの有効性との間に含まれる多数の部品が、ホーンの戻しばねの一定の圧縮によって悪影響を受けることに起因して、コンパクト化及び簡素化を欠き、これらが減衰のコンパクト化を低減させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の1つの目的は、先行技術の文書の上述の欠点に応答し、特に主に、ホーンがコンパクトであり、振動を効果的に吸収することができるハンドルを提案することである。
【0004】
そのために、本発明の第1の態様は、ホーン装置を備える自動車用ハンドルに関し、ハンドルは、
-フレームと、
-安全モジュールを受容するように配置され、休止位置と押下位置との間でフレームに対して移動可能である取り付け支持体と、
-取り付け支持体を誘導するための手段であって、フレームと一体化された第1の誘導部品と、取り付け支持体と一体化された第2の誘導部品と、
-フレーム上に配置された第1の接触端子と、取り付け支持体に埋め込まれた、第2の接触端子と、を備える少なくとも1つのスイッチを有するホーン電気回路部品と、
-押下位置から休止位置に向かって戻るように押圧するために、第2の誘導部品上に戻り力を自動的に及ぼすように配置された弾性戻り手段と、
-取り付け支持体と第2の誘導部品との間に位置決めされた、弾性戻り手段とは別個の、変形可能な減衰手段と、を備え、
-第2の誘導部品が、弾性手段の戻り力を受容するための押圧インターフェースを備え、
-押圧インターフェースが、弾性戻り手段と減衰手段との間に配置されることと、
-第2の接触端子が、第2の誘導部品によって支持されていることを特徴とする。
【0005】
第2の接触端子のための支持体としての第2の誘導部品の使用は、第2の接触端子と第2の誘導部品との間にレバーアームが存在しないため、装置をよりコンパクトにし、スイッチの状態の変更をよりはっきり見えるようにする。
減衰手段から引き離され、かつ分離される押圧インターフェースは、減衰手段を介した戻り力の通過を回避することを可能とする。減衰手段が弾性戻り手段によって常時圧縮されないという事実は、第2の誘導部品上に直接戻り力を及ぼすことによって、減衰手段の反応が改善されることを意味する。このため、多量の安全モジュールを使用して、ハンドルの振動のより良好な減衰を可能にする。
休止位置では、ホーンは、作動せず、したがって、いずれの警告信号も発しない。取り付け支持体が押下位置にあるとき、ホーンは作動し、したがって警告信号を発する。
【0006】
上記の実装によれば、変形可能な減衰手段は、弾性戻り手段とは別個であり、取り付け支持体と第2の誘導部品との間に位置決めされ、押圧インターフェースは、弾性戻り手段と減衰手段との間に配置される。その結果、減衰手段に割り当てられる軸方向空間は、ばね力又は取り付け支持体の位置とは無関係となる。
【0007】
上記の実装によれば、押圧インターフェースは、弾性戻り手段と減衰手段との間に、取り付け支持体の軸方向又は変位方向に配置される。換言すれば、ばねの停止部は、減衰手段(又はダンパ)の下にある。
【0008】
上記の実装によれば、第2の接触端子は、第2の誘導部品によって支持され、支持体上に存在するか、又は支持体に供給される振動が接触端子に伝達されないことを保証する。
【0009】
有利には、押圧インターフェースは、誘導手段又は弾性戻り手段と減衰手段との間で、取り付け支持体の変位に対して径方向又は横断方向に配置される。その結果、減衰手段の内径は、誘導手段又は弾性戻り手段の外径若しくは停止部(押圧インターフェース)の外径よりも大きい。
【0010】
有利には、第2の誘導部品及び/又は押圧インターフェースは、弾性戻り手段を保持するためのインターフェース、例えば、螺旋ばねに結合されるように配置された、縁部を有する溝などの、もみの木の基部形状のインターフェースを備える。
【0011】
有利には、誘導手段は、1つ以上の誘導要素である。
【0012】
有利には、弾性戻り手段は、1つ以上の弾性戻り手段である。
【0013】
有利には、減衰手段は、1つ以上の減衰手段である。
【0014】
有利には、減衰手段は、第2の接触端子と弾性戻り手段との間に配置される。
【0015】
この実施形態は、減衰手段の支持体として、第2の接触端子を使用することを可能とするので、更に簡略化され、よりコンパクトである。
【0016】
有利には、誘導手段は、ホーンの作動の方向に平行移動で取り付け支持体を誘導するように配置される。
【0017】
有利には、押圧インターフェースは、弾性戻り手段と直接接触する。この実施形態は、あらゆる中間部品を回避しながら、インターフェースを簡素化する。
【0018】
有利には、ホーンスイッチは、休止位置において閉鎖状態にある。
【0019】
換言すれば、電気回路は、休止位置で閉鎖される。取り付け支持体が押下されると、電気回路が、開放される。この状態の変化は、回路が開放されたときに警告信号の送信をトリガするように配置された演算部によって検出され得る。このタイプのホーン作動は、作動経路が回路を閉鎖する必要があるときに、非常に短いため、応答性が高い。作動距離がより短いため、可動構成要素間、特に安全モジュールと周囲の固定部品との間のより小さい隙間を画定することを可能とする。弾性戻り手段の剛性は、ホーンを作動させるのに必要な力を増加させることなく、より大きくなるように選択され得る(不適当なトリガの危険性を低減する)。
【0020】
有利には、第1の誘導部品は、停止部又は休止位置を画定する肩部を備えるねじである。
【0021】
有利には、第2の誘導部品は、ねじの上を摺動するように配置された摺動スリーブである。
【0022】
有利には、
-減衰手段は、溝内、及び第2の誘導部品の第1の支持面と第2の支持面との間に配置され、
-第1の支持面は、第2の支持面よりも大きく、
-第2の支持面は、減衰手段が溝内に挿入されることを可能にするのに十分小さく、
車両用ハンドルは、減衰手段と第2の支持面との間に配置されたスペーサを更に備える。
【0023】
換言すれば、第2の支持面は、減衰手段の挿入を可能にするのに十分小さいが、装置全体が組み立てられるときにその保持を確実にするほど十分に大きくはない。適所への十分な保持を確実とするために、より大きい支持面を提供するように、スペーサが追加される。また、溝の幅は固定されかつ予め規定されており、弾性戻り手段によって影響を受けず、又は修正されないことも理解される。このため、減衰手段は、弾性戻り手段によって直接及ぼされる応力を含まない。
【0024】
有利には、スペーサは、第2の支持面よりも大きい、減衰手段と共有される接触面を有する。
【0025】
有利には、スペーサは、挟持により又は差し込みインターフェースを介して、第2の誘導部品分上に組み立てられるように配置される。挟持は、1つの部分を別の部品に組み立てることを意味すると理解され、部品のうちの少なくとも1つは、2つの部品のうちの他方に接続される、制約の少ない状態に戻る前に、組み立て中に弾性的に変形される。したがって、これは、弾性変形及び戻りによる組み立てである。かかる組み立てはまた、弾性インターロックと呼ばれ得る。
【0026】
この実施形態は、スペーサの単純かつ効果的な組み立てを可能にする。
【0027】
有利には、第1の支持面は、第2の接触端子によって形成される。
【0028】
有利には、第2の接触端子は、第2の誘導部品上にオーバーモールドされる。
【0029】
有利には、第1の接触端子は、ホーンの作動方向に対して垂直な方向に、ねじ上で挟持されるように配置される。
【0030】
この実施形態は、ねじの配向とは無関係に、ねじのねじ軸に対する第1の接触端子の配向を作ることを可能にするため、有利である。第1の接触端子は、接触端子がねじ込まれた後にねじ上に設置することができる。
【0031】
有利には、第1の接触端子は、電気的に絶縁性の挟持インターフェースと一体化され、挟持インターフェースは、第2の接触端子をねじ上で挟持するように配置されたクリップを備える。
【0032】
この実施形態により、フレームから簡単な様式で絶縁されたホーン電気回路を提案することを可能とする。典型的には、挟持インターフェースは、ねじのシャフトに結合される、中央凹部を有する2つの可撓性横方向指部又はタブを備える。
【0033】
有利には、誘導手段は、2つのねじで構成され、
電気回路部品は、2つのスイッチを備え、
ハンドルは、2つのねじと一体化された端子支持体を更に備え、端子支持体は、各スイッチの2つの第1の端子を支持する。
【0034】
これは、いくつかの端子が単一の操作でねじ上に組み立てられるため、組み立て作業が簡素化される。
【0035】
有利には、端子支持体は、ねじ上で挟持される。
【0036】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様による車両用ハンドルを備える自動車に関する。
【0037】
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様によるハンドルを製造するための方法に関し、
-取り付け支持体を押下位置に位置決めするように弾性戻り手段を圧縮する工程と、
-ねじをねじ込む工程と、
-第1の接触端子が所定の方向になるように、第1の接触端子をねじ上で挟持する工程と、
-スイッチを閉鎖するために弾性戻り手段を解放する工程と、を含む。
【0038】
本方法は、ホーンの停止部としてねじを使用することによって、フレームに対する第1の接触端子の最終配向において、ねじの回転の影響を伴わずに行うことを可能とするため、常閉ホーン装置の組み立てに有利である。実際に、ホーン装置の後続の配線を保証するため、第1の接触端子は、周囲の部品とのいかなる干渉の危険性も防止するために、ハンドルフレームに対して同じ方式で常に配向されることが好ましい。提案される方法は、接触端子は、ねじがねじ込まれた後に、ねじ上に設置されるのみであるためこの利点を有する。このため、接触端子は、所定の配向で容易に位置決めすることができる。接触端子が挟持されているため、本方法は、簡単かつ迅速である。
【0039】
有利には、本方法は、取り付け支持体を減衰手段、第2の誘導部品、第2の端子、及び弾性戻り手段を用いて組み立てる工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明の他の特徴及び利点は、非限定的な例として提供され、添付の図面によって例示される、本発明のいくつかの実施形態の以下の詳細な説明を読み取ることから、より明確に理解されることになる、
図1】ホーン制御装置と嵌合したハンドルの第1の実施形態の分解三次元図を図示する。
図2】ホーン制御装置が休止位置にある状態の、図1のハンドルの詳細断面図を図示する。
図3】ホーン制御装置の分解三次元図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、取り付け支持体2が、取り付け支持体2内に既に係合された3つのねじ8を介して取り付けられる、ハンドルフレーム1を図示する。取り付け支持体2は、2つの開口部21において、図示されていない、別様にエアバッグと称される、安全モジュールを受容するように配置される。2つの開口部21は、エアバッグ用の2つの保持フックを受容し、これは次いで、図2で見られ得る弾性スナップリング22を介して取り付け支持体2上に保持される。
【0042】
図2は、ねじのうちの1つのねじ軸82を通過する平面に沿った部分断面図を図示する。取り付け支持体2は、この図において休止位置にある。換言すれば、ホーンは、作動していない。
【0043】
フランジ付きヘッドねじ8は、フレーム1上に装着され、ホーン装置のための停止部を形成する。第1の接触端子3は、絶縁挟持インターフェース31を介してフランジ付きヘッド上で挟持される。第1の接触端子3は、導電性材料で製造される。絶縁挟持インターフェース31は、第1の接触端子3をねじ8から、したがってハンドルフレームから電気的に絶縁することを可能とする。第1の接触端子3を挟持すること、具体的には、ねじ8のねじ軸82に対して垂直な図3に詳述される方向32において挟持することによる設置は、ねじ8が完全にねじ込まれた後に実行することができるため有利である。このため、第1の接触端子3の最終配向は、ねじ8の最終配向に依存しない。
【0044】
示される実施形態では、ねじ8は、滑らかな誘導面81を備える。したがって、ねじ8は、装置の誘導手段の第1の誘導部品である。滑らかな面81は、ねじ軸82に沿って平行移動する第2の誘導部品7を誘導する。第2の誘導部品7は、電気絶縁性プラスチック部品の形態である。
【0045】
第2の誘導部品7は、図3でより明確に見ることができるノッチの形態の押圧インターフェース71を備え、ここでは、弾性戻り手段として使用されるばね9の第1の端部が支えられる。ばね9の第2の端部がフレーム1に支えられた状態で、ノッチ71は、第2の誘導部品7を休止位置に戻すように押圧することを可能とし、記載される実施形態では、フランジ付きヘッドねじ8上に当接する。
【0046】
第2の誘導部品7の長さは、ノッチ71に続いて、減衰手段5、及び減衰手段5を溝72内に正確に保持することを可能とするスペーサ6が位置決めされる、溝72を備える。減衰手段5は、例えば、EPDMで形成された環状リングの形状を有する。溝72は、第1の支持面を形成し、第2の誘導部品上でオーバーモールドされる第2の接触端子4と、第2の支持面を形成するノッチ71とによって一方の側部上で形成される。第2の接触端子4は、導電性材料で製造され、ホーンの電気回路に接続するために、図3で見ることができる接触ストリップ41を備える。
【0047】
第2の接触端子4の面は、減衰手段5の十分な支持面を提供するのに十分に大きい。ノッチ71は、ばね9のための十分な支持面を有するが、第2の接触端子4によって提供される支持面よりも小さい。このより小さい支持面は、減衰手段5の挿入を可能にするが、しかしながら、ハンドルが組み立てられたときに減衰手段5を正確に保持することを確実とするには十分ではない。したがって、減衰手段5の挿入後に第2の誘導部品7上に組み立てられるスペーサ6によって相補的な支持面が提供される。このスペーサ6の後続の組み立ては、スペーサ6の内側に位置決めされたノッチによって可能とされ、これは図3でより明確に見ることができる。これらのノッチは、第2の誘導部品上に存在するものと相補的であり、それと共に差し込みインターフェースを形成し、ここで、並進移動次いでねじ軸82に対する回転によってスペーサ6の組み立てを可能にする。一度組み立てられるとスペーサ6のいずれの放出も防止するために、スペーサ6はまた、ラグ61も備え、これは図3で見ることができ、押圧インターフェース71のノッチ上で支持することによってスペーサ6の回転を阻止する。代替的に、スペーサ6は、ねじ軸82に沿った移動によって、又はねじに垂直な軸に沿ってねじ上で挟持され得る。
【0048】
減衰手段5は、取り付け支持体2上で挟持される。取り付け支持体2と減衰手段5との間には、径方向の隙間51が提供されて、第2の誘導部品7への挿入中、特に押圧インターフェース71の通過中に、隙間が変形することを可能にする。取り付け支持体2は、様々なインターフェース要素24がプラスチック内にオーバーモールドされる金属コア23で形成される。図示されていないエアバッグモジュールは、弾性スナップリング22によって取り付け支持体2上に保持される。
【0049】
作動力が作動方向に適用されるとき、すなわち、フレーム1に向かう力が、ねじ8のねじ軸82に対して平行な軸に沿ってエアバッグモジュールに適用されるとき、それ自体が、ハンドルの回転軸に対して実質的に平行であり、車両のハンドルの配向を変更することを可能とし、これは、取り付け支持体2の変位をもたらし、
-取り付け支持体2と減衰手段5との間、
-減衰手段5とスペーサ6との間、
-スペーサ6と押圧インターフェース71との間の接触に起因して、
第2の誘導部品7の変位、第1の端子3と第2の端子4との間の接触の開放、ひいてはホーン装置の作動を引き起こす。
【0050】
エアバッグモジュール上の力が解放されるとき、ばね9は、装置の組み立て体を図の上部に向かって戻るように押圧し、第1の端子3と第2の端子4との間の接触を閉鎖し、したがってホーン装置の非作動を引き起こす。戻り力が減衰手段5を介さずに、押圧インターフェース71を介して第2の誘導部品7上のばね9によって適用されるため、減衰手段5の減衰特性は、最適化される。これは、効果を出すために、減衰手段5がちょうど制約されなければならないからである。これは、第2の接触端子4を伴い、固定され所定の幅の空間を画定するスペーサ6によって達成され、この空間は、ばね9によって生成された戻り力によって修正されない。換言すれば、休止位置では、ばね9の戻り力は、減衰手段を介して、常時又は一時的のいずれでも通過しない。
【0051】
図3は、ホーン制御装置の分解三次元図を図示する。取り付け支持体2は、この図では示されない。この図は、絶縁挟持インターフェース31をより詳細に示す。馬蹄形状又は閉鎖されたU字形状であるこの部分は、ねじ8のねじ軸82に対して実質的に垂直な方向32において挟持されるねじ8の直径よりもわずかに小さい開口部を有する。第1の接触端子3は、複数のツメ32によって絶縁挟持インターフェース31上に保持される。
【0052】
ハンドルの組み立ては、
-取り付け支持体2、減衰手段5、第2の誘導部品4、スペーサ6、及び弾性戻り手段又はばね9を含むサブ組み立て体をフレーム1上に位置決めする工程と、
-取り付け支持体2を押下位置に位置決めするように弾性戻り手段又はばね9を圧縮する工程と、
-ねじ8をねじ込む工程と、
-第1の接触端子3を所定の方向において配向するように、第1の接触端子3をねじ8上で挟持する工程と、
-弾性戻り手段又はばね9を解放する工程と、を含む。
【0053】
当業者に明らかな様々な修正及び/又は改善は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を超えることなく、本明細書に記載される本発明の異なる実施形態に行うことができることが理解されるであろう。具体的には、装置は、
-前述の詳細な説明は、常閉スイッチを有するシステムに集中しているが、常開ホーン装置に対しても適用される。
-前述の詳細な説明は、絶縁挟持インターフェース31の存在に起因して、及び絶縁システム上で濃縮され、絶縁性の第2の誘導部品7がプラスチック製であることに起因して、絶縁システムに集中しているが、絶縁されていないホーン装置、すなわち、ホーンの電気回路がハンドルの導電性フレーム1を備える装置に対しても適用される。
図1
図2
図3