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特許7181391面における平行垂直の球面システムを生成する方法
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  • 特許-面における平行垂直の球面システムを生成する方法 図1
  • 特許-面における平行垂直の球面システムを生成する方法 図2
  • 特許-面における平行垂直の球面システムを生成する方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】面における平行垂直の球面システムを生成する方法
(51)【国際特許分類】
   F16S 1/04 20060101AFI20221122BHJP
【FI】
F16S1/04
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021518418
(86)(22)【出願日】2018-06-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 RU2018000390
(87)【国際公開番号】W WO2019235959
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】520478404
【氏名又は名称】マカロフ,イヴァン アレクサンドロヴィチ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】マカロフ,イヴァン アレクサンドロヴィチ
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-106461(JP,U)
【文献】特開2016-112145(JP,A)
【文献】特公昭47-004268(JP,B1)
【文献】特表2008-530467(JP,A)
【文献】国際公開第2008/066225(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0094060(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16S 1/04
E04B 1/00 - 1/61
A63B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元構造を得るための方法であって、
a)同じ形状を有する二次元図の形状において、少なくとも6つの同一の要素を選択するステップと、
b)第1の要素の面上において少なくとも1つの接続ポイントを決定し、仮想線が通過し、前記第1の要素の面を同じ面積の部分に分割する、ステップと、
c)第2の要素の面上において少なくとも前記接続ポイントを決定し、仮想線が通過し、前記第2の要素の面を同じ面積の部分に分割する、ステップと、
d)前記第1の要素及び前記第2の要素を通過する直線に沿って面同士が互いに垂直となるよう、前記第1と第2の要素の面を接続するステップと、
e)前記第1の要素の形状に対応する2次元図の形状において、次の要素を選択するステップと、
f)指定された次の要素の面上の接続ポイントを決定し、仮想線が通過し、前記指定された次の要素の面を同じ面積の部分に分割する、ステップと、
g)ステップd)で接続した前記要素の一つの前記面と前記指定された要素の面と接続し、ステップf)で決定された接続ポイントを通過する直線に沿って、接続した前記要素の前記面同士が共に垂直となるようにする、ステップと、
h)前記ステップe)~g)は、全ての要素が三次元構造において接続されるまで実施され、前記第1の要素が第4の要素と平行になり、前記第2の要素が第5の要素と平行になり、かつ第3の要素が第6の要素と平行になる条件が満たされ、面のうちの一つが他の平行な面のエッジからオフセットされるように、2つの要素の隣接する面が接続される、方法。
【請求項2】
前記要素の形状はリングである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記要素の形状は円形である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記要素の形状は正方形である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記要素は金属で作られる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記要素は溶接によって接続される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記要素はポリマーで作られる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記要素は接着剤によって接続される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記要素は複合材料で作られる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも6つの交差面を備えた、請求項1~のうちいずれか一項に記載の方法によって得られる、三次元対象物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いくつかの面の交差を示す三次元対象物を組み立てるために使用することができ、かつ工学、建設、または他の技術分野における構造物を組み立てるために使用することができる、平行垂直の球面システムを生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
三次元対象物を組み立てる公知の方法が存在する。そのプロセスにおいて、面は2つのワイヤグリッドから形成される。互いに軸を通って平行に延びる、螺旋巻きの第1のワイヤは、2本の隣接するワイヤが各回転の交差ポイントによって接続させるよう、x方向に、かつ第1のワイヤの軸に対して横断方向に、互いに撚り合わせられる。互いに軸を通って平行に延びる、他の螺旋ワイヤのセットは、第1のワイヤの第1のワイヤグリッドの中に撚り合わせられ、2つのワイヤグリッドの第2の面を形成する。一方で、上述のワイヤグリッドの面に対してz方向にオフセットが実施される。軸が互いに交差することによって、互いに平行である複数の螺旋の第3のワイヤは撚り合わせられる。面の第2のワイヤは、面における1つおきの第2のワイヤが交差するよう、かつ第1のワイヤグリッドが、第3のワイヤの軸に対して横断方向に、第2の面に形成されるよう、垂直方向に移動される。軸を通して互いに平行な螺旋の第4のワイヤのセットは撚り合わせられ、第2の面に第2のワイヤグリッドを形成するために、上記の第4のワイヤは、互いの交差ポイント、及び第2のワイヤグリッドの第3のワイヤの交差ポイントにおいて交差して、交差ポイントを形成する(2014年2月27日に公開されたロシア国特許出願公開第2508175号明細書、IPC B21F 27/12を参照されたい)。この解決策の欠点は、三次元対象物を組み立てる複雑さ、高い材料消費、及びワイヤ以外の材料を使用できないことである。加えて、この方法によって得られた三次元対象物は、必要な剛性を有さない。請求する解決策は、これらの欠点を改善することを目的とする。
【0003】
請求する方法を実施するときに実現される技術的成果は、三次元対象物の組み立てを簡略化すること、ならびに、方法を使用することによって得られる三次元対象物の信頼性を上げることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】ロシア国特許出願公開第2508175号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プロトタイプの欠点を除去するため、及び請求する技術的成果を実現するために、平行垂直の球面システムを得る方法が開発される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
それは、以下のステップを含む:a)少なくとも6つの同一の要素を選択するステップ;b)第1の要素において、少なくとも1つの接続ポイントを決定するステップ;c)第2の要素において、少なくとも接続ポイントを決定するステップ;d)第1の要素及び第2の要素を通過する面同士が垂直となるように、接点の特定のポイントにおいて要素を接続するステップ;e)次の要素を選択するステップ;f)次の要素の、前の要素との交差ポイントを決定するステップ;g)これらの要素を通過する面同士が共に垂直となるよう、交差ポイントにおいて要素を前の要素に接続するステップ。ステップe)~g)は、全ての要素が三次元対象物に設定され、第1の要素が第4の要素と平行になり、第2の要素が第5の要素と平行になり、かつ第3の要素が第6の要素と平行になる条件を満たすまで、実施される。
【0007】
要素は、リング状とすることができ、平坦な円形または正方形の形状で作ることができる。要素は、金属で作られ、溶接によって接合することができる。要素は、ポリマーで作られ、接着剤で接着することができる。要素は、複合材料で作ることができる。
【0008】
加えて、請求される方法を使用して得られ、少なくとも6つの交差面を備える、三次元対象物が請求される。
【0009】
以下の図は、請求する発明を明確にする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】要素の交差ポイントを決定する例を示す図である。
図2】要素のレイアウト及び接続ポイントを示す図である。
図3】面の平行垂直の球面システムで組み立てられたものを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
請求する方法は、以下のように実施される:まず、少なくとも6つの同一の要素を選択し、次に、第1の要素において少なくとも1つの接続ポイントを決定する;次に、第2の要素において少なくとも接続ポイントを決定する;次に、第1の要素及び第2の要素を通過する面同士が垂直になるよう、接点の特定のポイントにおいてこれらの要素を接続する;その後、次の要素を選択する;次の要素の、前の要素との交差ポイントを決定する;次に、これらの要素を通過する面同士が、後続の要素に対して共に垂直となるよう、交差ポイントにおいて次の要素を前の要素と接続する。残りの要素を装着するために、ステップの前の要素における交差ポイントを決定することに関連付けられたステップ、及びそれらをすでに組み立てられた構造物に装着することに関連付けられたステップは、全ての要素が三次元対象物に設定されるまで、及び第1の要素が第4の要素に平行となり、第2の要素が第5の要素と平行になり、第3の要素が第6の要素と平行となり、かつ各要素が2つのポイントにおいて固定される、という条件が満たされるまで繰り返される。このように方法のステップを行うとき、対象物の要素を通過する面の交線が直角であるため、高い強度特性を有する三次元対象物が得られることを、実験が示している。さらに、このような対象物を組み立てるこの方法は、数回繰り返される簡単なステップのセットを含むので、極めて簡単である。
【0012】
方法を実施するとき、得られる三次元対象物の適用分野に依存して、様々な形状の要素が使用できる。例えば、船舶のプロペラを組み立てるために意図された要素の形状を、平坦な円形プレートとすることができる。他の事例において、要素はリング状で、平坦な円形または正方形の形状で作られ得る。要素を接続する材料及び方法も、請求する方法によって組み立てられる三次元対象物の適用分野に依存して、選択される。したがって、要素は、例えば金属から作られ、溶接によって接合することができ、または、要素はポリマーから作られ、例えば接着剤で接続することができる。さらに、要素は複合材料で作ることができる。三次元対象物の各要素は、互いに異なる材料から作ることができる。
【0013】
請求する方法の、考えられる実施形態の1つを考察する。円形である二次元図を表わす6つの要素が選択され、それらの各々は3つの部分に分割され、それらの面積は等しい。ここで、2つの部分は所与の円のセグメントである。これらの部分の分割ポイントは、図1のように印され、全ての6つの要素は、印されたポイントを通して連続で接続され(図2参照)、それによって要素を通過する面は、互いに対して垂直となる。ここで、第1の要素が第4の要素と平行になり、第2の要素が第5の要素と平行になり、かつ第3の要素が第6の要素と平行になるという条件、及び要素の各々は、互いの要素と2つのポイントで接続されるという条件は満たされる(図3参照)。この方法の考えられる実施形態によると、要素は、3要素ごとに分割された2つのグループを作るために接続され、それらはさらに、印されたポイントにおいて互いに接続される。6つよりも多い要素を接続する必要がある事例において、方法を実行するシーケンスは変わらないが、追加の要素はペアで加えられ、それらの接続ポイントにおける面同士の間の接続角度は、変化する。
【0014】
二次元図が要素として使用される場合、要素は円形、正方形とすることができ、三次元図が要素として使用される場合、要素は円環、立方形状、三角形状とすることができる。図の形状を選ぶことは、その生成方法のステップにおける要求によってではなく、得られる三次元対象物の範囲によって判断されることを、理解されたい。
【0015】
要素を製造するために、金属、合金、プラスチック、弾性材料など、得られる三次元対象物の適用分野に対応した強度特性の材料を使用できる。
【0016】
本発明を、特定の実施形態を参照して上記で開示した。当業者には、本発明の他の実施形態が明白となり得る。それらは、この詳細の説明で開示したものと本質は変わらない。したがって本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるものと考慮すべきである。
図1
図2
図3