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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】防振装置
(51)【国際特許分類】
   F16F 13/10 20060101AFI20221122BHJP
   F16F 15/08 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
F16F13/10 F
F16F15/08 W
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021526016
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(86)【国際出願番号】 JP2020021701
(87)【国際公開番号】W WO2020250744
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2021-08-13
(31)【優先権主張番号】P 2019108956
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000177900
【氏名又は名称】山下ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】門脇 宏和
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-132846(JP,A)
【文献】特開2001-280404(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107461448(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102588501(CN,A)
【文献】特開2008-223836(JP,A)
【文献】特開平09-303459(JP,A)
【文献】特開2016-223550(JP,A)
【文献】特開2018-096512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 13/10
F16F 15/08
F16F 1/36- 1/54
B60K 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一ブラケットに取り付けられる取付穴が形成された第一取付部材と、
第二ブラケットに取り付けられる第二取付部材と、
前記第一取付部材と前記第二取付部材との間に介設されたインシュレータと、を備え、
前記第二ブラケットの内部空間に配置される防振装置であって、
前記第一取付部材には、前記第二ブラケットの内面に対峙する二つの側壁が平行して形成されるとともに、頂板、底板および前記両側壁に囲まれた前記取付穴が形成され、
前記第二取付部材は、開口部が上下方向に貫通している筒状の部材であり、
平面視で、前記側壁の側縁部の少なくとも一方が、前記第二取付部材の前記開口部よりも外側に配置され、
前記頂板および前記底板の一方側の縁部には、前記両側壁の前記一方側の側縁部よりも他方側に窪ませた部位が形成されており、
前記側壁の外面には、弾性部材によってストッパが設けられていることを特徴とする防振装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のエンジンやモータなどの原動機を車体に支持させるための防振装置は、原動機に取り付けられる第一ブラケットと、車体に取り付けられる第二ブラケットとの間に介設される。
【0003】
防振装置は、第一ブラケットに取り付けられる第一取付部材と、第二ブラケットに取り付けられる第二取付部材と、第一取付部材と第二取付部材との間に介設されたインシュレータと、を備えている。
第一取付部材は、取付穴が貫通している筒状の部材であり、インシュレータの上端部にインサート成形によって埋設されている。そして、第一取付部材の取付穴に第一ブラケットの連結部が挿入されることで、第一取付部材が原動機に取り付けられる。
【0004】
第二ブラケットの内部空間に防振装置を配置する構成では、第一取付部材の側壁の外面にストッパを設けている(例えば、特許文献1参照)。ストッパは、インシュレータの一部によって形成された弾性部材であり、第一取付部材が第二ブラケットの内面に当たるのを防ぐための緩衝材である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-075343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記した防振装置において、ストッパのばね定数が低い場合には、ストッパが第二ブラケットに当たったときの衝撃を十分に吸収することができない虞がある。
【0007】
本発明は、前記した問題を解決し、ストッパが第二ブラケットに当たったときの衝撃を効果的に吸収することができる防振装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、防振装置であって、第一ブラケットに取り付けられる取付穴が形成された第一取付部材と、第二ブラケットに取り付けられる第二取付部材と、前記第一取付部材と前記第二取付部材との間に介設されたインシュレータと、を備えている。前記防振装置は、前記第二ブラケットの内部空間に配置される。前記第一取付部材には、前記第二ブラケットの内面に対峙する二つの側壁が平行して形成されるとともに、頂板、底板および前記両側壁に囲まれた前記取付穴が形成されている。前記第二取付部材は、開口部が上下方向に貫通している筒状の部材である。平面視で、前記側壁の側縁部の少なくとも一方が前記第二取付部材の前記開口部よりも外側に配置され、前記頂板および前記底板の一方側の縁部には、前記両側壁の前記一方側の側縁部よりも他方側に窪ませた部位が形成されており、前記側壁の外面には、弾性部材によってストッパが設けられている。
【0009】
本発明の防振装置では、第一取付部材の側壁が大きくなることで、ストッパの断面を大きくすることができる。そして、ストッパの体積を大きくして、ストッパのばね定数を大きくすることができる。これにより、ストッパが第二ブラケットに当たったときに、ストッパに対する荷重の増加に対して、ストッパの変位量の増加が緩やかになるため、ストッパが第二ブラケットに当たったときの衝撃を効果的に吸収することができる。
【0010】
前記した防振装置において、前記第一取付部材には、前記両側壁、頂板および底板に囲まれた取付穴が形成されており、前記取付穴には、前記第一取付部材の一端部から他端部に向けて前記第一ブラケットが取り付けられる場合がある。この場合には、前記第一取付部材は、前記第一ブラケットの取付方向の幅の中心から前記一端部までの部位よりも、前記中心から前記他端部までの部位を、前記第一ブラケットの取付方向に大きく形成することが好ましい。
このように、第一ブラケットの取付側の反対側に向けて側壁を大きく延ばすことで、側壁と第一ブラケットとの干渉を避けつつ、側壁を十分に大きくすることができる。
【0011】
前記した防振装置において、前記両側壁が前記頂板および前記底板よりも前記第一ブラケットの取付方向に突出していることが好ましい。
このように、頂板および底板を両側壁の端部よりも窪ませることで、第一取付部材の重量増加を抑えつつ、側壁を大きくすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の防振装置では、ストッパの体積を大きくして、ストッパのばね定数を大きくすることができるため、ストッパが第二ブラケットに当たったときの衝撃を効果的に吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る防振装置およびブラケットを示した斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る防振装置およびブラケットを示した図1のII-II断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る防振装置およびブラケットを示した図1のIII-III断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る防振装置の第二ブラケットを示した斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る防振装置を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下の説明において、上下方向、前後方向および左右方向とは、本実施形態の防振装置を説明する上で便宜上設定したものであり、本発明の防振装置の構成や設置状態を限定するものではない。
本実施形態では、図2の紙面上側が上方であり、図2の紙面下側が下方である。また、図2の紙面において左右両側が前後方向である。さらに、図2の上下方向および前後方向に直交する方向が左右方向であり、図2の紙面の奥側が右方で、図2の紙面の手前側が左方である。
本実施形態では、図1に示すように、防振装置10の第一取付部材30に対する第一ブラケット80の取付方向を左右方向としている。
また、本実施形態の各図では、本発明の特徴を明確にするために、防振装置1の各部を適宜に誇張および簡略化して示している。
【0015】
本実施形態の防振装置10は、図1に示すように、自動車等の車両の例えばエンジンと車体との間に介設されるものである。以後、エンジンを防振の対象として説明する。
防振装置10は、エンジンに取り付けられる第一ブラケット80と、車体に取り付けられる第二ブラケット90との間に介設される。
【0016】
第二ブラケット90は、車体に取り付けられる樹脂製または金属製の部材である。本実施形態の第二ブラケット90は樹脂製の部材である。
第二ブラケット90は、図4に示すように、頂部91と、頂部91から下方に向けて延びている前後の脚部92,92と、両脚部92,92の下端部の間に形成された底部93と、底部93の右縁部から立ち上げられた右壁部94と、を備えている。底部93の中央部には、開口部93aが上下方向に貫通している。頂部91の左端部および脚部92の下端部は、車体に取り付けられる部位である。
【0017】
第二ブラケット90では、両脚部92,92の間に内部空間95が形成されている。内部空間95は、頂部91、両脚部92,92および底部93に囲まれた空間である。内部空間95は、第二ブラケット90の左面および右面に開口している。
【0018】
防振装置10は、図1に示すように、第二ブラケット90の内部空間95に配置されている。本実施形態の防振装置10は、液封式の防振装置である。
防振装置10は、図2に示すように、第一取付部材30および第二取付部材40と、第一取付部材30と第二取付部材40との間に介設されたインシュレータ50と、インシュレータ50の下側に設けられた仕切部材60およびダイヤフラム70と、を備えている。
【0019】
第一取付部材30は、インシュレータ50の上部にインサート成形によって埋設されている金属製の部材である。第一取付部材30は、頂板31、底板32および前後の側壁33,33によって角筒状に形成されている。第一取付部材30には、頂板31、底板32および両側壁33,33によって囲まれた取付穴35が左右方向に貫通している。
【0020】
第一取付部材30の取付穴35には、図3に示すように、エンジンに取り付けられた第一ブラケット80の連結部81が右方から挿入される。つまり、第一取付部材30の取付穴35には、第一取付部材30の右端部から左端部に向けて連結部81が取り付けられる。このようにして、第一取付部材30はエンジンに取り付けられる。
【0021】
第二取付部材40は、図2に示すように、インシュレータ50の下端部にインサート成形によって埋設されている上側部材41と、上側部材41の下側に配置された下側部材42と、を備えている。
なお、本実施形態の上側部材41および下側部材42は、樹脂製の部材であるが、金属製の部材を用いてもよい。
【0022】
上側部材41は、角筒状の部材であり、開口部41aが上下方向に貫通している。上側部材41の前後の側面は、第二ブラケット90の両脚部92,92の内面にそれぞれ圧接されている。これにより、上側部材41が第二ブラケット90に固定されている。
【0023】
下側部材42は、角筒状の部材であり、底部が形成されている。下側部材42の底部の中央部は上下方向に開口している。
【0024】
インシュレータ50は、ゴム製の弾性部材である。なお、本実施形態のインシュレータ50には、各種のゴム材料を用いることができる。
インシュレータ50の上端部には、第一取付部材30がインサート成形によって埋設されており、インシュレータ50の上端部は角筒状に形成されている。
インシュレータ50の下端部は、上側部材41の周壁部に沿って角筒状に形成されている。インシュレータ50の下部には、下面が開口した空間が形成されている。
【0025】
仕切部材60は、下側部材42内に嵌め込まれている。仕切部材60によってインシュレータ50の下部の開口部が塞がれている。
仕切部材60の上方には、主液室10aが形成されている。主液室10aは、インシュレータ50の下部の内面と、仕切部材60の上面とによって囲まれた空間であり、非圧縮性の作動液が封入されている。
【0026】
仕切部材60の下側には、ダイヤフラム70が設けられている。ダイヤフラム70は、ゴム製の膜であり、ダイヤフラム70の外周縁部は、仕切部材60の下面と、下側部材42との間に挟み込まれている。
仕切部材60とダイヤフラム70との間には、副液室10bが形成されている。副液室10bは、仕切部材60の下面およびダイヤフラム70の上面によって囲まれた空間であり、非圧縮性の作動液が封入されている。
【0027】
仕切部材60には、主液室10aと副液室10bとを連通させるオリフィス通路61が形成されている。第一取付部材30に振動が入力されたときに、作動液がオリフィス通路61を通過することで、主液室10aと副液室10bとの間に液柱共振が生じて、振動が効果的に減衰される。
また、仕切部材60の中央部には、弾性可動膜62が設けられている。主液室10aの内圧変化に応じて弾性可動膜62が弾性変形することにより、主液室10aの内圧変動が吸収される。
【0028】
本実施形態の第一取付部材30には、第二ブラケット90の両脚部92,92の内面に対峙する前後の側壁33,33が平行して形成されている。前後の側壁33,33は前後対称な形状である。
本実施形態では、図3に示すように、第一取付部材30に対して右側から第一ブラケット80が取り付けられる。以下の説明では、側壁33において第一ブラケット80の取付側となる右縁部を第一縁部33aとし、その反対側となる左縁部を第二縁部33bとしている。
【0029】
本実施形態では、図5に示すように、側壁33の第一縁部33aは、頂板31の縁部31aおよび底板32の縁部32aよりも突出している。また、側壁33の第二縁部33bは、頂板31の縁部31bおよび底板32の縁部32bよりも後方に突出している。
第一取付部材30は、頂板31および底板32を両側壁33,33の縁部に対して左右方向に窪ませた形状となっている。
【0030】
側壁33の第一縁部33aは、図3に示すように、上側部材41の開口部41aの縁部を含み、左右方向を法線方向とする鉛直な仮想面S2を越えて配置されている。
また、側壁33の第二縁部33bは、上側部材41の開口部41aの縁部を含み、左右方向を法線方向とする鉛直な仮想面S3を越えて配置されている。
つまり、平面視で側壁33の第一縁部33aおよび第二縁部33bが上側部材41の開口部41aよりも外側に配置されている。
このように、側壁33の左右方向の長さは、開口部41aの左右方向の長さよりも大きくなっている。本実施形態では、側壁33の左右方向の長さは、開口部41aの前後方向の長さと同一または近似した大きさに設定されている。
【0031】
開口部41aの左右方向の中心を含むとともに、左右方向を法線方向とする鉛直な仮想面S1を境界として、側壁33を左部と右部に区画した場合には、側壁33の右部よりも左部が左右方向に大きく形成されている。つまり、第一取付部材30は、第一ブラケット80の取付方向の幅の中心から右端部までの部位よりも、その中心から左端部までの部位が、第一ブラケット80の取付方向に大きく形成されている。
頂板31の縁部31aから側壁33の第一縁部33aまでの左右方向の距離L1よりも、頂板31の縁部31bから側壁33の第二縁部33bまでの左右方向の距離L2が大きくなっている。
【0032】
第一取付部材30の両側壁33,33の外面には、図2に示すように、前後のストッパ51,51が設けられている。ストッパ51は、インシュレータ50の一部によって形成された弾性部材である。前後のストッパ51,51は前後対称な形状である。
ストッパ51は、第一取付部材30が振動したときに、第二ブラケット90の内面に当たるのを防ぐための緩衝部材である。
【0033】
本実施形態のストッパ51は、図5に示すように、左右方向に延びている六面体であり、側壁33の第一縁部33aから第二縁部33bに亘って形成されている。本実施形態のストッパ51は、側壁33の外面から前後方向の外側に向かうに連れて断面が小さくなる角錐台形に形成されている。つまり、ストッパ51の左右方向の軸断面が台形に形成されている。
【0034】
以上のような防振装置10は、図1に示すように、第一ブラケット80に取り付けられる第一取付部材30と、第二ブラケット90に取り付けられる第二取付部材40と、第一取付部材30と第二取付部材40との間に介設されたインシュレータ50と、を備えている。防振装置10は、第二ブラケット90の内部空間に配置される。第一取付部材30には、第二ブラケット90の内面に対峙する二つの側壁33,33が平行して形成されている。第二取付部材40は、図3に示すように、開口部41aが上下方向に貫通している筒状の部材である。側壁33の側縁部が第二取付部材40の開口部41aよりも外側に配置されている。側壁33の外面には、図2に示すように、弾性部材によってストッパ51が設けられている。
【0035】
本実施形態の防振装置10では、図5に示すように、第一取付部材30の側壁33が左右方向に大きくなることで、前後方向を法線方向とするストッパ51の断面を大きくすることができる。そして、ストッパ51の体積を大きくして、ストッパ51のばね定数を大きくすることができる。
これにより、ストッパ51が第二ブラケット90の内面に当たったときに、ストッパ51に対する荷重の増加に対して、ストッパ51の変位量の増加が緩やかになる。したがって、ストッパ51が第二ブラケット90の内面に当たったときの衝撃を効果的に吸収することができる。
【0036】
本実施形態の第一取付部材30には、図3に示すように、両側壁33,33、頂板31および底板32に囲まれた取付穴35が形成されている。また、取付穴35には、第一取付部材30の右端部から左端部に向けて第一ブラケット80が取り付けられている。第一取付部材30は、第一ブラケット80の取付方向の幅の中心から右端部までの部位よりも、中心から左端部までの部位が第一ブラケット80の取付方向に大きく形成されている。
【0037】
このように、第一ブラケット80の取付側の反対側に向けて側壁33を大きく延ばすことで、側壁33と第一ブラケット80との干渉を避けつつ、側壁33を左右方向に十分に大きくすることができる。
【0038】
本実施形態の防振装置10の第一取付部材30は、図5に示すように、両側壁33,33が頂板31および底板32よりも第一ブラケット80の取付方向に突出している。
このように、頂板および底板を両側壁の端部よりも窪ませることで、第一取付部材の重量増加を抑えつつ、側壁を大きくすることができる。
このように、頂板31および底板32を両側壁33の左右の縁部よりも左右方向に窪ませることで、第一取付部材30の重量増加を抑えつつ、側壁33を左右方向に大きくすることができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
本実施形態の防振装置10では、図5に示すように、ストッパ51の左右方向の軸断面が台形に形成されているが、その形状は限定されるものではなく、例えば、左右方向の軸断面を長方形、半円形または三角形に形成してもよい。
また、本実施形態の防振装置10では、ストッパ51がインシュレータ50の一部によって形成されているが、ストッパ51をインシュレータ50とは別体に構成し、ストッパ51を第一取付部材30の側壁33に取り付けてもよい。
【0040】
本実施形態の防振装置10では、図3に示すように、側壁33の第一縁部33aおよび第二縁部33bの両方が開口部41aよりも外側に配置されているが、側壁33の第一縁部33aおよび第二縁部33bの一方を開口部41aよりも外側に配置してもよい。
また、本実施形態の防振装置10の側壁33は、中心から右端部までの部位よりも、中心から左端部までの部位が左右方向に大きく形成されているが、中心から左端部までの部位よりも、中心から右端部までの部位を左右方向に大きく形成してもよい。
【0041】
本実施形態の防振装置10では、図5に示すように、頂板31および底板32が両側壁33,33よりも窪んでいるが、本発明の参考例としては、頂板31および底板32と両側壁33,33とを同じ長さに形成してもよい。
【0042】
本実施形態の防振装置10は、図2に示すように、主液室10aおよび副液室10bを有する液封式であるが、防振装置10の構成は液封式に限定されるものではなく、例えば、防振装置10に主液室10aおよび副液室10bを設けなくても良い。
【0043】
本実施形態の防振装置10では、第二取付部材40が上側部材41と下側部材42とによって構成されているが、上側部材41と下側部材42とを一体化してもよい。
【0044】
本実施形態の防振装置10では、図3に示すように、第一取付部材30の取付穴35に第一ブラケット80の連結部81が挿入されているが、第一ブラケット80と第一取付部材30との固定方法は限定されるものではない。例えば、第一ブラケット80の連結部81に対して第一取付部材30をボルトによって固定してもよい。
【0045】
本実施形態の防振装置10は、エンジンと車体との間に介設されているが、本発明の防振装置を適用可能な防振の対象は限定されるものではない。例えば、防振の対象をエンジンやモータ等の原動機の他に、インバータ、電池等としてもよい。
また、第一ブラケットおよび第二ブラケットの形状は、防振の対象となる装置の形状に応じて適宜に設定される。
【符号の説明】
【0046】
10 防振装置
10a 主液室
10b 副液室
30 第一取付部材
31 頂板
32 底板
33 側壁
33a 第一縁部
33b 第二縁部
35 取付穴
40 第二取付部材
41 上側部材
41a 開口部
42 下側部材
50 インシュレータ
51 ストッパ
60 仕切部材
61 オリフィス通路
62 弾性可動膜
70 ダイヤフラム
80 第一ブラケット
81 連結部
90 第二ブラケット
91 頂部
92 脚部
93 底部
93a 開口部
94 右壁部
95 内部空間
図1
図2
図3
図4
図5