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特許7181412イントラ予測方法及び装置、コンピュータ可読記憶媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】イントラ予測方法及び装置、コンピュータ可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/593 20140101AFI20221122BHJP
   H04N 19/463 20140101ALI20221122BHJP
【FI】
H04N19/593
H04N19/463
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021538683
(86)(22)【出願日】2019-01-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-01
(86)【国際出願番号】 CN2019070153
(87)【国際公開番号】W WO2020140217
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】フオ、チュンイェン
(72)【発明者】
【氏名】マー、イェンチュオ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シューアイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、フーチョン
(72)【発明者】
【氏名】クオ、チンクン
【審査官】岩井 健二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/232023(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/083284(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/117894(WO,A1)
【文献】Vadim Seregin, Xin Zhao, Amir Said, and Marta Karczewicz,Neighbor based intra most probable modes list derivation,Joint Video Exploration Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,JVET-C0055,3rd Meeting: Geneva, CH,2016年05月,pp.1-4
【文献】Gagan Rath, Fabrice Urban, and Fabien Racape,CE3-related: Block Shape Adaptive Intra Prediction Directions,Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11, JVET-K0169_r1,11th Meeting: Ljubljana, SI,2018年07月,pp.1-6
【文献】Liang Zhao, Shan Liu, Xin Zhao, and Xiang Li,CE3-related: Wide angular intra prediction for non-square blocks,Joint Video Exploration Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,JVET-K0289_v2,11th Meeting: Ljubljana, SI,2018年07月,pp.1-4
【文献】Fabien Racape, et al.,CE3-related: Wide-angle intra prediction for non-square blocks,Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,JVET-K0500_r4,11th Meeting: Ljubljana, SI,2018年07月,pp.1-13
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 19/00 - 19/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デコーダに適用されるイントラ予測方法であって、
現在ブロックの少なくとも1つの隣接ブロックを決定することと、
少なくとも1つの隣接ブロックの第1イントラ予測モード番号を決定することと、
少なくとも1つの隣接ブロックの第1イントラ予測モード番号に基づいて現在ブロックに対応するイントラ予測モードリストを構築することと、
前記イントラ予測モードリストに基づいて現在ブロックの第1イントラ予測モード番号を決定することと、 前記現在ブロックのアスペクト比を取得し、前記アスペクト比に基づいて前記現在ブロックの第1イントラ予測モード番号を広角度イントラ予測モードにおける第2イントラ予測モード番号にマッピングすることと、
前記現在ブロックの第2イントラ予測モード番号に対応する目標イントラ予測モードに基づいて前記現在ブロックを予測して、予測ブロックを取得することと、を含み、
前記アスペクト比に基づいて前記現在ブロックの第1イントラ予測モード番号を広角度イントラ予測モードにおける第2イントラ予測モード番号にマッピングすることは、
前記現在ブロックの幅が高さより大きく、且つ幅と高さの比が2以上である場合には、 前記幅と高さの比が2である場合、第1イントラ予測モード番号の値が8より小さければ、第1イントラ予測モード番号と第1プリセット値65との和によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記幅と高さの比が4である場合、第1イントラ予測モード番号の値が12より小さければ、第1イントラ予測モード番号と第1プリセット値65との和によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記幅と高さの比が8である場合、第1イントラ予測モード番号の値が14より小さければ、第1イントラ予測モード番号と第1プリセット値65との和によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記幅と高さの比が16である場合、第1イントラ予測モード番号の値が16より小さければ、第1イントラ予測モード番号と第1プリセット値65との和によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記第2イントラ予測モード番号の値範囲が8~80であることを含む、イントラ予測方法。
【請求項2】
前記方法は更に、
前記少なくとも1つの隣接ブロックの再構築ブロックを取得し、前記再構築ブロックは前記少なくとも1つの隣接ブロックの第2イントラ予測モード番号に対応する広角度イントラ予測モードに基づいて予測して取得されたものであり、前記少なくとも1つの隣接ブロックの第2イントラ予測モード番号は前記少なくとも1つの隣接ブロックのアスペクト比に基づいて前記少なくとも1つの隣接ブロックの第1イントラ予測モード番号を広角度予測モードにおけるイントラ予測モード番号にマッピングして取得されたものであることと、
前記現在ブロックの第2イントラ予測モード番号に対応する目標イントラ予測モードに基づいて、前記少なくとも1つの隣接ブロックの再構築ブロックに応じて、予測ブロックを取得することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記現在ブロックの少なくとも1つの隣接ブロックは前記現在ブロックに対応する左隣接ブロック及び上隣接ブロックのうちの1つ又は複数を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記アスペクト比に基づいて前記現在ブロックの第1イントラ予測モード番号を広角度イントラ予測モードにおける第2イントラ予測モード番号にマッピングすることは
記現在ブロックの高さが幅より大きく、且つ高さと幅の比が2以上である場合、第2プリセット値及び前記第1イントラ予測モード番号に基づいて前記第2イントラ予測モード番号を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記現在ブロックの幅が高さに等しい場合、前記アスペクト比に基づいて前記現在ブロックの第1イントラ予測モード番号を広角度イントラ予測モードにおける第2イントラ予測モード番号にマッピングすることをスキップする、請求項1又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記現在ブロックの高さが幅より大きく、且つ前記高さと幅の比が2以上である場合には、 前記高さと幅の比が2である場合、第1イントラ予測モード番号の値が60より大きければ、前記第1イントラ予測モード番号と第2プリセット値67との差によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記高さと幅の比が4である場合、第1イントラ予測モード番号の値が58より大きければ、前記第1イントラ予測モード番号と第2プリセット値67との差によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記高さと幅の比が8である場合、第1イントラ予測モード番号の値が56より大きければ、前記第1イントラ予測モード番号と第2プリセット値67との差によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記高さと幅の比が16である場合、第1イントラ予測モード番号の値が54より大きければ、前記第1イントラ予測モード番号と第2プリセット値67との差によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記第2イントラ予測モード番号の値範囲が-14~60である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記現在ブロックの幅が高さより大きく、且つ幅と高さの比が2以上である場合、下記表に基づいて前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
【表1】
前記現在ブロックの高さが幅より大きく、且つ高さと幅の比が2以上である場合、下記表に基づいて前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
【表2】
各表において、前記第1イントラ予測モード番号を順に1対1に前記第2イントラ予測モード番号に対応してマッピングする、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
エンコーダに適用されるイントラ予測方法であって、
現在ブロックの少なくとも1つの隣接ブロックを決定することと、
少なくとも1つの隣接ブロックの第1イントラ予測モード番号を決定することと、
少なくとも1つの隣接ブロックの第1イントラ予測モード番号に基づいて現在ブロックに対応するイントラ予測モードリストを構築することと、
前記イントラ予測モードリストに基づいて現在ブロックの第1イントラ予測モード番号を決定することと、
前記現在ブロックのアスペクト比を取得し、前記アスペクト比に基づいて前記現在ブロックの第1イントラ予測モード番号を広角度イントラ予測モードにおける第2イントラ予測モード番号にマッピングすることと、
前記現在ブロックの第2イントラ予測モード番号に対応する目標イントラ予測モードに基づいて前記現在ブロックを予測して、予測ブロックを取得することと、を含み、
前記アスペクト比に基づいて前記現在ブロックの第1イントラ予測モード番号を広角度イントラ予測モードにおける第2イントラ予測モード番号にマッピングすることは、
前記現在ブロックの幅が高さより大きく、且つ幅と高さの比が2以上である場合には、 前記幅と高さの比が2である場合、第1イントラ予測モード番号の値が8より小さければ、第1イントラ予測モード番号と第1プリセット値65との和によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記幅と高さの比が4である場合、第1イントラ予測モード番号の値が12より小さければ、第1イントラ予測モード番号と第1プリセット値65との和によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記幅と高さの比が8である場合、第1イントラ予測モード番号の値が14より小さければ、第1イントラ予測モード番号と第1プリセット値65との和によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記幅と高さの比が16である場合、第1イントラ予測モード番号の値が16より小さければ、第1イントラ予測モード番号と第1プリセット値65との和によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記第2イントラ予測モード番号の値範囲が8~80であることを含む、イントラ予測方法。
【請求項9】
デコーダに適用されるイントラ予測方法であって、
現在ブロックの複数の隣接ブロックを決定することと、
前記複数の隣接ブロックの第1イントラ予測モードを決定することと、
前記第1イントラ予測モードが角度予測モードである場合、前記複数の隣接ブロックの第1イントラ予測モードに基づいて現在ブロックのイントラ予測モードリストを構築することと、
構築された前記イントラ予測モードリストに基づいて現在ブロックの第1イントラ予測モード番号を決定することと、
前記現在ブロックのアスペクト比を取得し、前記現在ブロックのアスペクト比に基づいて前記現在ブロックの第1イントラ予測モード番号を広角度予測モードにおける第2イントラ予測モード番号にマッピングすることと、
前記現在ブロックの第2イントラ予測モード番号に対応する目標イントラ予測モードに基づいて前記現在ブロックを予測して、予測ブロックを取得することと、を含
前記現在ブロックのアスペクト比に基づいて前記現在ブロックの第1イントラ予測モード番号を広角度イントラ予測モードにおける第2イントラ予測モード番号にマッピングすることは、
前記現在ブロックの幅が高さより大きく、且つ幅と高さの比が2以上である場合には、 前記幅と高さの比が2である場合、第1イントラ予測モード番号の値が8より小さければ、第1イントラ予測モード番号と第1プリセット値65との和によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記幅と高さの比が4である場合、第1イントラ予測モード番号の値が12より小さければ、第1イントラ予測モード番号と第1プリセット値65との和によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記幅と高さの比が8である場合、第1イントラ予測モード番号の値が14より小さければ、第1イントラ予測モード番号と第1プリセット値65との和によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記幅と高さの比が16である場合、第1イントラ予測モード番号の値が16より小さければ、第1イントラ予測モード番号と第1プリセット値65との和によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記第2イントラ予測モード番号の値範囲が8~80であることを含む、イントラ予測方法。
【請求項10】
前記複数の隣接ブロックの再構築ブロックを取得し、前記再構築ブロックは前記複数の隣接ブロックの第2イントラ予測モード番号に対応する広角度イントラ予測モードに基づいて予測して取得されたものであり、前記複数の隣接ブロックの第2イントラ予測モード番号は前記複数の隣接ブロックのアスペクト比に基づいて前記複数の隣接ブロックの第1イントラ予測モード番号を広角度予測モードにおけるイントラ予測モード番号にマッピングして取得されたものであり、
前記現在ブロックの第2イントラ予測モード番号に対応する目標イントラ予測モードに基づいて、前記複数の隣接ブロックの再構築ブロックに応じて、予測ブロックを取得する、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記現在ブロックの複数の隣接ブロックは前記現在ブロックに対応する左隣接ブロック及び/又は上隣接ブロックを含む、請求項又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は更に、
前記複数の隣接ブロックの第1イントラ予測モードにおける最大値及び/又は最小値を決定することと、
前記複数の隣接ブロックの第1イントラ予測モード、前記複数の隣接ブロックの第1イントラ予測モードにおける最大値及び最小値のうちの1つ又は複数に基づいて、前記現在ブロックのイントラ予測モードリストを構築することと、を含む、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は更に、
前記複数の隣接ブロックの第1イントラ予測モード、前記複数の隣接ブロックの第1イントラ予測モードにおける最大値及び最小値のうちの1つ又は複数を相対角度予測モードとして、少なくとも1つの実際角度予測モードを計算することと、
前記少なくとも1つの実際角度予測モードに基づいて前記現在ブロックのイントラ予測モードリストを構築することと、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は更に、
予め設定されたオフセット値及び前記相対角度予測モードに基づいて前記少なくとも1つの実際角度予測モードを取得し、前記予め設定されたオフセット値が1又は2であることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は更に、
前記相対角度予測モードと前記予め設定されたオフセット値との和/差を計算し、計算結果に基づいて前記実際角度予測モードを決定することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記現在ブロックのアスペクト比に基づいて前記現在ブロックの第1イントラ予測モード番号を広角度予測モードにおける第2イントラ予測モード番号にマッピングすることは
記現在ブロックの高さが幅より大きく、且つ高さと幅の比が2以上である場合、第2プリセット値及び前記第1イントラ予測モード番号に基づいて前記第2イントラ予測モード番号を決定することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項17】
前記現在ブロックの幅が高さに等しい場合、前記アスペクト比に基づいて前記第1イントラ予測モード番号を広角度イントラ予測モードにおける第2イントラ予測モード番号にマッピングすることをスキップする、請求項に記載の方法。
【請求項18】
前記現在ブロックの高さが幅より大きく、且つ前記高さと幅の比が2以上である場合には、
前記高さと幅の比が2である場合、第1イントラ予測モード番号の値が60より大きければ、前記第1イントラ予測モード番号と第2プリセット値67との差によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記高さと幅の比が4である場合、第1イントラ予測モード番号の値が58より大きければ、前記第1イントラ予測モード番号と第2プリセット値67との差によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記高さと幅の比が8である場合、第1イントラ予測モード番号の値が56より大きければ、前記第1イントラ予測モード番号と第2プリセット値67との差によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記高さと幅の比が16である場合、第1イントラ予測モード番号の値が54より大きければ、前記第1イントラ予測モード番号と第2プリセット値67との差によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記第2イントラ予測モード番号の値範囲が-14~60である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記現在ブロックの幅が高さより大きく、且つ幅と高さの比が2以上である場合、下記表に基づいて前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
【表3】
前記現在ブロックの高さが幅より大きく、且つ高さと幅の比が2以上である場合、下記表に基づいて前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
【表4】
前記各表において、前記第1イントラ予測モード番号を順に1対1に前記第2イントラ予測モード番号に対応してマッピングする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
エンコーダに適用されるイントラ予測方法であって、
現在ブロックの複数の隣接ブロックを決定することと、
前記複数の隣接ブロックの第1イントラ予測モードを決定することと、
前記第1イントラ予測モードが角度予測モードである場合、前記複数の隣接ブロックの第1イントラ予測モードに基づいて現在ブロックのイントラ予測モードリストを構築することと、
構築された前記イントラ予測モードリストに基づいて現在ブロックの第1イントラ予測モード番号を決定することと、
前記現在ブロックのアスペクト比を取得し、前記現在ブロックのアスペクト比に基づいて前記現在ブロックの第1イントラ予測モード番号を広角度予測モードにおける第2イントラ予測モード番号にマッピングすることと、
前記現在ブロックの第2イントラ予測モード番号に対応する目標イントラ予測モードに基づいて前記現在ブロックを予測して、予測ブロックを取得することと、を含
前記現在ブロックのアスペクト比に基づいて前記現在ブロックの第1イントラ予測モード番号を広角度イントラ予測モードにおける第2イントラ予測モード番号にマッピングすることは、
前記現在ブロックの幅が高さより大きく、且つ幅と高さの比が2以上である場合には、 前記幅と高さの比が2である場合、第1イントラ予測モード番号の値が8より小さければ、第1イントラ予測モード番号と第1プリセット値65との和によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記幅と高さの比が4である場合、第1イントラ予測モード番号の値が12より小さければ、第1イントラ予測モード番号と第1プリセット値65との和によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記幅と高さの比が8である場合、第1イントラ予測モード番号の値が14より小さければ、第1イントラ予測モード番号と第1プリセット値65との和によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記幅と高さの比が16である場合、第1イントラ予測モード番号の値が16より小さければ、第1イントラ予測モード番号と第1プリセット値65との和によって前記第2イントラ予測モード番号を決定し、
前記第2イントラ予測モード番号の値範囲が8~80であることを含む、イントラ予測方法。
【請求項21】
請求項1~2及び10のいずれか1項に記載の方法を実施するためのユニットを備えるデコーダ。
【請求項22】
請求項又は20に記載の方法を実施するためのユニットを備えるエンコーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例はビデオ符号化分野のイントラ予測技術に関し、特にイントラ予測方法及び装置、並びにコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代のビデオ符号化標準H.266又は多用途ビデオ符号化(VVC、Versatile Video Coding)の輝度予測過程において、エントロピー符号化されたビット数を減少させるために、1つのMPMリストを構築して隣接ブロックの予測モードを記憶する。空間隣接ブロックの類似度が高いという原理によると、現在ブロックの選択された予測モードがMPMリストにおけるあるモードと同じである確率が大きいため、より少ないビット数で現在ブロックの予測モードを符号化することができる。ところが、非方形ブロックの広角度モードが存在するため、角度モード番号で代表される実際角度方向が元の意味と異なる可能性があり、これにより、MPMリストにおいて、同じ番号の角度モードは隣接ブロック及び現在ブロックにとって異なる予測方向を代表する可能性があり、そして状況が様々であり、これにより、現在ブロックの予測モードの正確な記述及び使用が影響される。そして、色度予測過程において、DMモードは現在色度ブロックの中心位置での輝度ブロックの予測モードを使用し、該輝度ブロックの予測モードが広角度モードであるかどうかにかかわらず、DMモードは元の角度モード番号を利用する。このため、色度ブロックの実際に使用した角度モードと対応輝度ブロックの角度モードとの間に偏差が存在する可能性がある。すなわち、広角度モードにおいて、角度モード番号は異なる実際角度モードに対応する可能性があり、これにより、輝度予測過程における角度換算は比較的に複雑であり、そして色度予測が利用する輝度ブロックの角度モードにも偏差が存在し、予測が不正確であるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の実施例はイントラ予測の正確度を効果的に向上させるとともに、符号化/復号化効率を向上させることのできるイントラ予測方法及び装置、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例の技術案は以下のように実現される。
【0005】
本願はイントラ予測方法を提供し、前記方法は、
相対角度番号で示される実際角度モードを設定し、前記相対角度番号は所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲内において、開始角度から、所定角度サンプリングポイントでサンプリングした後の対応する前記実際角度モードを順に示し、前記開始角度は処理ブロックの幅と高さの関係及び前記所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲によって決定され、実際角度は前記実際角度モードに1対1に対応することを含む。
【0006】
上記解決手段において、前記所定角度サンプリングポイントのサンプリングが65である場合、前記相対角度番号は2′~66′の範囲内の連続番号であり、前記相対角度番号に対応する実際角度モードは-14~80の範囲内の連続する65個の実際角度モードであり、65個の実際角度モードの選択は幅と高さの関係によって決定され、前記相対角度番号と実際角度モードは順に1対1に対応する。
【0007】
上記解決手段において、前記所定角度サンプリングポイントのサンプリングが33である場合、前記相対角度番号は2′~34′の範囲内の連続番号であり、前記相対角度番号に対応する実際角度モードは-7~41の範囲内の連続する33個の実際角度モードであり、33個の実際角度モードの選択は幅と高さの関係によって決定され、前記相対角度番号と実際角度モードは順に1対1に対応する。
【0008】
上記解決手段において、前記所定角度サンプリングポイントのサンプリングが129である場合、前記相対角度番号は2′~130′の範囲内の連続番号であり、前記相対角度番号に対応する実際角度モードは-28~158の範囲内の連続する129個の実際角度モードであり、129個の実際角度モードの選択は幅と高さの関係によって決定され、前記相対角度番号と実際角度モードは順に1対1に対応する。
【0009】
本願の実施例は更にイントラ予測方法を提供し、
現在ブロックの参照ブロックの幅と高さの関係、所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲及び所定角度サンプリングポイントを取得することと、
前記幅と高さの関係、前記所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲及び前記所定角度サンプリングポイントに基づいて、相対角度番号で示される前記参照ブロックに対応する実際角度モードを決定し、実際角度と実際角度モードを1対1に対応させることと、
前記参照ブロックに対応する実際角度モードに基づいて、前記参照ブロックに対応する角度予測モードを取得することと、
前記角度予測モードに基づいて、前記現在ブロックに対してイントラ予測を行うことと、を含む。
【0010】
上記解決手段において、前記幅と高さの関係、前記所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲及び前記所定角度サンプリングポイントに基づいて、相対角度番号で示される前記参照ブロックに対応する実際角度モードを決定することは、
前記幅と高さの関係及び前記所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲に基づいて、前記参照ブロックの角度モードの開始角度を決定することと、
前記所定角度サンプリングポイントに基づいて、前記参照ブロックの角度オフセット範囲を決定することと、
前記開始角度及び前記角度オフセット範囲に基づいて、相対角度番号で示される前記参照ブロックに対応する前記実際角度モードを決定することと、を含む。
【0011】
上記解決手段において、前記角度予測モードに基づいて、前記現在ブロックに対してイントラ予測を行うことは、
前記角度予測モードに基づいて前記現在ブロックの予測モードリストを構築することと、
予測モードリストを用いて前記現在ブロックに対するイントラ予測を実現することと、を含む。
【0012】
上記解決手段において、前記イントラ予測は少なくとも輝度イントラ予測及び色度イントラ予測のうちの1つを含む。
【0013】
本願の実施例はイントラ予測装置を提供し、
プロセッサと、前記プロセッサが実行可能なイントラ予測命令が記憶されるメモリと、前記プロセッサと前記メモリを接続するための通信バスと、を備え、前記イントラ予測命令が実行されるとき、上記イントラ予測方法が実現される。
【0014】
本願の実施例はコンピュータ可読記憶媒体を提供し、イントラ予測命令が記憶され、前記イントラ予測命令がプロセッサにより実行されるとき、上記イントラ予測方法が実現される。
【発明の効果】
【0015】
本願の実施例において、上記技術案によれば、イントラ予測装置はイントラ予測過程において、異なる幅と高さの関係の参照ブロックに対して、統一された実際角度モードの方式で処理して、実際角度と実際角度モードを1対1に対応させることができる。そうすると、輝度予測過程においても色度予測過程においても、ある角度を示すとき、アスペクト比に基づいて各形状のブロックの角度モードを具体的に決定する。関連の広角度モードにおける角度換算を簡素化し、各モードで代表される角度値の意味を統一し、偏差を除去し、イントラ予測の正確度を効果的に向上させるとともに、符号化/復号化効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は本願の実施例に係るVVCがサポートする67種類のイントラ予測モードの模式図である。
図2A図2Aは本願の実施例に係るビデオ符号化システムの構造模式図である。
図2B図2Bは本願の実施例に係るビデオ復号化システムの構造模式図である。
図3図3は本願の実施例に係る例示的な広角度モードのイントラ予測モードの模式図である。
図4図4は本願の実施例に係るイントラ予測方法のフローチャートである。
図5図5は本願の実施例に係る例示的な隣接イントラ予測モードの模式図である。
図6図6は本願の実施例に係る例示的な現在ブロックに対応する輝度ブロック及び色度ブロックの分布模式図1である。
図7図7は本願の実施例に係る例示的な現在ブロックに対応する輝度ブロック及び色度ブロックの分布模式図2である。
図8図8は本願の実施例に係るイントラ予測装置の構造模式図1である。
図9図9は本願の実施例に係るイントラ予測装置の構造模式図2である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本願の実施例の図面を参照しながら本願の実施例の技術案を明確且つ完全に説明する。理解されるように、ここで説明される具体的な実施例は関連出願を説明するためのものであって、本出願を限定するためのものではない。尚、説明しやすくするために、図面には関連出願の関連部分のみを示す。
【0018】
以下、まず本願の用語を説明する。
【0019】
VVC/H.266は次世代のビデオ符号化標準である。
【0020】
VTM(The Test Model of VVC)はVVCの参照ソフトウェアテストプラットフォームである。
【0021】
MPM(Most Probable Modes)は最も可能なモードである。
【0022】
DM(direct mode)は色度予測モードである。
【0023】
VERは垂直方向角度予測モードであり、VTM3.0において番号50のイントラ予測モードに対応する。
【0024】
HORは水平方向角度予測モードであり、VTM3.0において番号18のイントラ予測モードに対応する。
【0025】
DIAは対角方向角度予測モードであり、VTM3.0において番号34のイントラ予測モードに対応する。
【0026】
VDIAは反対角方向角度予測モードであり、VTM3.0において番号66のイントラ予測モードに対応する。
【0027】
本願の実施例では、予測符号化の機能は、ビデオ符号化において空間又は時間的に既存する再構築画像を利用して現在ブロックの予測値を構築し、オリジナル値と予測値との差分のみを伝送して、伝送データ量を減少させる目的を実現する。輝度予測において、ここのオリジナル値と予測値は輝度のオリジナル値と輝度の予測値であってもよく、色度予測において、ここのオリジナル値と予測値は色度のオリジナル値と色度の予測値であってもよい。
【0028】
イントラ予測の機能は、現在ブロックに隣接する前1行の画素ユニット及び左1列の画素ユニットを利用して該現在ブロックの予測値を構築する。現在ブロック周囲の復元された隣接画素(即ち、現在ブロックに隣接する前1行の画素ユニット及び左1列の画素ユニット)を利用して、現在ブロックの各画素ユニットを予測する。
【0029】
例えば、現在ブロックは輝度ブロックであり、隣接画素を利用して現在ブロックの輝度予測値を構築するとき、複数の予測方向を用いて前記現在ブロックに対して輝度予測を順に行って、各予測方向に対応する輝度予測値行列を取得する。各輝度予測値行列及び現在ブロックの輝度オリジナル値行列に基づいて各予測方向に対応する差分行列を決定する。各差分行列に基づいて対応の予測方向の評価パラメータ値を決定し、評価パラメータ値は対応の予測方向の現在ブロックに対する予測効果を示すことに用いられる。各評価パラメータ値に基づいてこの複数の予測方向から目標予測方向を決定し、例えばビデオ復元品質を確保する前提で、最も小さい画像符号化ビット数を取得できる予測方向を目標予測方向として決定する。次に、該目標予測方向をビットストリームに書き込む。
【0030】
例示的に、VVCがサポートする67種類のイントラ予測方向、即ち予測モードにおけるインデックス番号2~66のイントラ予測方向は図1に示される。
【0031】
尚、ビデオ解像度が高くなる要件を満たし、ビデオコンテンツの方向をより精密且つ正確に表現するために、H.266/VVCにおいてはH.265/HEVCにおける定義された33種類のイントラ輝度予測角度モードは65種類に拡張され、追加された角度モードは図1において点線矢印で示される。番号0はプラナー(Planar)モード、番号1はDCモード、番号2~66は65種類の角度モード(左下から右上まで)を示し、合計して67種類のイントラ予測モードがあり、ここの2~66は絶対角度番号である。
【0032】
本願の実施例では、インデックス番号66のイントラ予測方向を例として、現在ブロックの各画素ユニットの輝度予測値を構築する方法を提供する。現在ブロックに隣接する前1行のデータは予測済みの画素ユニットである。現在ブロックの各画素ユニットは右上対角線(即ち、インデックス番号66の予測方向)の画素ユニットに応じて充填される。
【0033】
また、更に2つの比較的平坦な予測ブロック構築方式、即ちDCモード及びPLANARモードがある。DCモードでは前1行又は左1列の特徴値(例えば、色度値又は輝度値)の平均値で現在ブロック全体を充填し、PLANARモードではグラデーション方式で現在ブロックを充填する。
【0034】
輝度モードにおいては、図1における0~66種類の方向に応じて順に予測し、現在ブロックに最もマッチする(例えば、差分が最も小さい、又はレート歪みコストが最も小さい)予測方向を目標予測方向として選択し、現在ブロックの各画素ユニットの輝度予測値を構築する。これは、輝度イントラ予測の基本原理である。目標予測方向及び目標予測方向に対応する各画素ユニットに対応する差分を取得した後、エンコーダは各画素ユニットに対応する差分及び現在ブロックに対応する目標予測方向のインデックス番号をビットストリームに書き込む。デコーダはビットストリームを受信した後、受信されたビットストリームを解析して目標予測方向のインデックス番号を取得し、これにより、対応の現在ブロックにおける各画素ユニットの輝度予測値を計算することができ、ビットストリームから解析された差分を加えると、対応の画素ユニットの輝度再構築値を取得することができる。
【0035】
上記いくつかの基本概念が知られた上で、ビデオ符号化システムを提供し、図2Aは本願の実施例に係るビデオ符号化システムの構造模式図であり、図2Aに示すように、該ビデオ符号化システム21は、
変換及び量子化ユニット211、イントラ推定ユニット212、イントラ予測ユニット213、動き補償ユニット214、動き推定ユニット215、逆変換及び逆量子化ユニット216、フィルタ制御分析ユニット217、フィルタリングユニット218、符号化ユニット219及び復号化画像バッファユニット210を備える。入力されたオリジナルビデオ信号に対して、符号化ツリーユニット(CTU、Coding Tree Unit)の分割によって1つのビデオ再構築ブロックを取得することができる。そして、イントラ又はインター予測後に取得された残余画素情報に対して、変換及び量子化ユニット211によって該ビデオ再構築ブロックを変換し、それは残余情報を画素ドメインから変換ドメインに変換して、取得された変換係数を量子化することを含み、それによってビットレートを更に減少させる。イントラ推定ユニット212及びイントラ予測ユニット213は、該ビデオ再構築ブロックに対してイントラ予測を行うことに用いられる。ここで、イントラ推定ユニット212及びイントラ予測ユニット213は、該ビデオ再構築ブロックの最適なイントラ予測方向(即ち、目標予測方向)を決定することに用いられる。時間予測情報を提供するために、動き補償ユニット214及び動き推定ユニット215は、受信されたビデオ再構築ブロックの、1つ又は複数の参照フレームにおける1つ又は複数のブロックに対するインター予測符号化を実行することに用いられる。動き推定ユニット215が実行する動き推定は動きベクトルの生成過程であり、前記動きベクトルは該ビデオ再構築ブロックの動きを推定することができる。次に、動き補償ユニット214は、動き推定ユニット215により決定された動きベクトルに基づいて動き補償を実行する。イントラ予測方向を決定した後、イントラ予測ユニット213は更に、選択されたイントラ予測データを符号化ユニット219に提供することに用いられる。且つ、動き推定ユニット215は計算により決定された動きベクトルデータも符号化ユニット219に送信する。また、逆変換及び逆量子化ユニット216は該ビデオ再構築ブロックの再構築に使用され、画素ドメインにおいて残余ブロックを再構築する。該再構築残余ブロックは、フィルタ制御分析ユニット217及びフィルタリングユニット218によってブロッキングアーティファクトを除去し、次に、該再構築残余ブロックを復号化画像バッファユニット210のフレームにおける1つの予測ブロックに追加し、これにより、再構築後のビデオ再構築ブロックを生成することに用いられる。符号化ユニット219は様々な符号化パラメータ及び量子化後の変換係数を符号化することに用いられる。CABACに基づく符号化アルゴリズムにおいて、コンテクストコンテンツは隣接する再構築ブロックに基づくものであってもよく、決定されたイントラ予測方向を示す情報を符号化し、該ビデオ信号のビットストリームを出力することに用いられてもよい。復号化画像バッファユニット210は再構築されたビデオ再構築ブロックを記憶することに用いられ、予測参照に使用される。ビデオ画像符号化の実行に伴い、新しい再構築されたビデオ再構築ブロックが次々と生成され、これらの再構築されたビデオ再構築ブロックはいずれも復号化画像バッファユニット210に記憶される。
【0036】
本願の実施例はビデオ復号化システムを提供し、図2Bは本願の実施例に係るビデオ復号化システムの構造模式図であり、図2Bに示すように、該ビデオ復号化システム22は、
復号化ユニット221、逆変換及び逆量子化ユニット222、イントラ予測ユニット223、動き補償ユニット224、フィルタリングユニット225及び復号化画像バッファユニット226を備える。入力されたビデオ信号がビデオ符号化システム21により符号化処理された後、該ビデオ信号のビットストリームが出力され、該ビットストリームはビデオ復号化システム22に入力される。まず、復号化ユニット221を通ることによって復号化後の変換係数を取得し、逆変換及び逆量子化ユニット222により該変換係数を処理して、画素ドメインにおいて残余ブロックを生成する。イントラ予測ユニット223は、決定されたイントラ予測方向及び現在フレーム又はピクチャからの前に復号化ブロックを経たデータに基づいて、現在ビデオ復号化ブロックの予測データを生成することに用いられてもよい。動き補償ユニット224は動きベクトル及び他の関連文法要素を解析することによりビデオ復号化ブロックのための予測情報を決定して、該予測情報を使用して復号化されているビデオ復号化ブロックの予測ブロックを生成する。逆変換及び逆量子化ユニット222からの残余ブロックとイントラ予測ユニット223又は動き補償ユニット224により生成された対応の予測ブロックとの和を求めることにより、復号化されたビデオブロックを形成する。該復号化されたビデオ信号はフィルタリングユニット225を通ることによってブロッキングアーティファクトを除去し、ビデオ品質を改良することができる。次に、復号化後のビデオブロックを復号化画像バッファユニット226に記憶する。復号化画像バッファユニット226は後続のイントラ予測又は動き補償のための参照画像を記憶することに用いられるとともに、ビデオ信号を出力して、復元されたオリジナルビデオ信号を取得することにも用いられる。
【0037】
本願の実施例は主にビデオ符号化システム21におけるイントラ予測ユニット213及びビデオ復号化システム22におけるイントラ予測ユニット223に作用し、すなわち、ビデオ符号化システム21において本願の実施例に係るイントラ予測方法によってより高い予測効果が得られる場合、復号化側においてビデオ復号化の復元品質を対応的に改良することもできる。
【0038】
これに基づいて、以下に図面を参照しながら実施例によって本願の技術案を更に詳しく説明する。
【0039】
尚、本願の実施例に係るイントラ予測装置はエンコーダであってもよく、デコーダであってもよく、本願の実施例は限定しない。
【0040】
本願の実施例はイントラ予測方法を提供し、該方法は、
相対角度番号で示される実際角度モードを設定し、相対角度番号は所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲内において、開始角度から、所定角度サンプリングポイントでサンプリングした後の対応する実際角度モードを順に示し、開始角度は処理ブロックの幅と高さの関係及び所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲によって決定され、実際角度は実際角度モードに1対1に対応することを含んでもよい。
【0041】
本願の実施例に係るイントラ予測方法において、現在ブロックの予測モードの予測番号をビットストリームに書き込んで符号化/復号化する過程に関する。
【0042】
以下、65種類の角度イントラ予測モードによって広角度モードを説明する。広角度モードについては、図1に示される65種類の角度イントラ予測モードの予測方向は、時計回り方向において45度(モード66)~-135度(モード2)に定義される。H.266/VVCにQTBT符号化ブロック分割構造を追加すると、いくつかの非方形符号化ブロックが生成することが考えられる。非方形符号化ブロックについては、拡張された広角度モードでいくつかの従来の角度イントラ予測モードを代替する。代替される必要がある従来の角度モードの数は現在符号化ブロックのアスペクト比に関連し、該比率が大きければ大きいほど、広角度モードに置換される必要がある従来の角度モードが多くなる。
【0043】
VTM2.0.1において85個の角度方向モード並びにDC及びPlanarモードがあり、このうち、20個の角度方向は-135度~45度の範囲を超え、即ち広角度である。時計回り方向における-135度(モード2)~45度(モード66)の中の角度方向は、ブロックに使用され且つすべての方形ブロックの対角線方向(モード2、34及び66)を含むように設計される。しかしながら、非方形ブロックについては、常にその対角線方向を覆うことができるわけではない。また、方形ブロックの角度方向は左下対角線方向から右上対角線方向までのものであるが、非方形ブロックの角度方向はそうではない。
【0044】
図3に示すように、93個の角度方向モード並びにDC及びPlanarモードがあり、このうち、28個の角度方向は45度~-135度の範囲を超え、即ち広角度である。
【0045】
最も新しいH.266/VVC参照ソフトウェアVTM3.0において、L0279提案において提案された統一された広角度モードが採用され、該提案は、
・現在符号化ブロックの角度モードが左下対角線方向から右上対角線方向までの間のものであるように限定される改良点、
・現在符号化ブロックから拡張された広角度モードが常に左下と右上の対角線方向を含むように限定される改良点、及び
・参照範囲が統一され、上についての参照範囲が2*W+1であり、左についての参照範囲が2*H+1である改良点を提案した。
【0046】
ここで、Wはブロック(符号化ブロック又は復号化ブロック)の幅であり、Hはブロック(符号化ブロック又は復号化ブロック)の長さである。
【0047】
尚、L0279提案において提案された統一方法は、広角度モードに置換される必要がある従来のモードの個数を修正し、表1に示されるように、広角度を拡張した後の角度範囲をちょうど左下対角線方向から右上対角線方向までの間(例えば、2~66の間)にしている。同時に、該方法は更に拡張された広角度モード及び置換される必要がある従来の角度モードの方向を適宜修正し、様々なアスペクト比の場合の現在符号化ブロックの対角線方向を含むようにしている。
【0048】
【表1】
【0049】
ここで、アスペクト比(又は、縦横比、以下同様)が2である場合、6つのモードが置換される必要があり、アスペクト比が4である場合、10個のモードが置換される必要があり、アスペクト比が8である場合、12個のモードが置換される必要があり、アスペクト比が16である場合、14個のモードが置換される必要がある。
【0050】
すなわち、図3によれば、すべての角度モードの番号範囲は-14~80の範囲であるが、2~66の連続番号を用いて表1の置換方法で角度モードを示す。
【0051】
本願の実施例では、イントラ予測装置は角度モードの設定又はマーキングを行うとき、相対角度番号で示される実際角度モードを用い、相対角度番号は所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲内において、開始角度から、所定角度サンプリングポイントでサンプリングした後の対応する実際角度モードを順に示し、開始角度は処理ブロックの幅と高さの関係及び所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲によって決定される。
【0052】
具体的に、イントラ予測装置は、処理ブロックの幅と高さの関係及び所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲に基づいて参照ブロックの角度モードの開始角度を決定し、所定角度サンプリングポイントに基づいて参照ブロックの角度オフセット範囲を決定し、開始角度及び角度オフセット範囲に基づいて相対角度番号で示される処理ブロックに対応する実際角度モードを決定することができる。
【0053】
尚、本願の実施例では、幅と高さの関係及び予測方向範囲は開始角度を決定する。予測方向範囲は、すべての角度モードから選択された所定角度サンプリングポイントの個数の角度モードが何であるかを示す。予測方向範囲は従来技術において知られたものである。表1に示すように、例えば、アスペクト比が2である場合、予測方向範囲は8~72範囲内のこの65個の角度モードである。
【0054】
本願のいくつかの実施例では、所定角度サンプリングポイントのサンプリングが65である場合、相対角度番号は2′~66′の範囲にある連続番号であり、相対角度番号に対応する実際角度モードは-14~80の範囲内の連続する65個の実際角度モードであり、65個の実際角度モードの選択は幅と高さの関係によって決定され、相対角度番号と実際角度モードは順に1対1に対応する。
【0055】
本願の実施例では、2′~66′で、2~66の番号で示される相対角度に対応する実際角度モードを示す。すなわち、2′~66′の範囲内の連続番号で示される実際角度モードは、[開始値角度+角度オフセット範囲下限値、開始値角度+角度オフセット範囲上限値]の角度範囲内の対応の65個の実際角度の65個の実際角度モードである。
【0056】
本願の実施例では、角度オフセット範囲は[0~所定角度サンプリングポイント個数-1]である。例えば、所定角度サンプリングポイントが65である場合、角度オフセット範囲は[0~64]である。
【0057】
例示的に、本願の実施例では、所定角度サンプリングポイント、即ち角度方向個数が65である場合を例として、所定の幅と高さの関係と、2′で示される開始角度モードの意味と、相対角度番号と、実際角度モードを示す意味とは表2に示される。
【0058】
【表2】
【0059】
理解されるように、この表示方式では、L0279提案における実際角度モード表示方法を参照して、すべての角度モードの絶対番号を[-14,80]の範囲に示し、現在符号化ブロックがどんなアスペクト比を有するかにかかわらず、いずれもその中の連続する65個の角度モード、即ち65個の角度番号を含むが、この65個の角度番号の選択範囲(即ち、予測方向範囲)はアスペクト比によって異なる。本願の実施例の表示方法では、広角度モードの拡張があるかどうかにかかわらず、いずれも左下対角方向から右上対角方向までのモードを2′~66′(相対角度番号)に固定する。しかしながら、異なるアスペクト比によって、相対角度番号の開始角度番号で示される実際角度モードの意味は異なる。予測方向範囲が異なるため、相対角度番号範囲は異なる区間にあるが、いずれも[-14,80]の範囲に属する。例えば、W/H=2の場合、左下対角線方向の相対角度番号は2′であり、実際に示すのは開始角度+角度オフセット範囲の1番目の値、即ち8+0の実際角度モードであり(図3における角度番号で実際角度を示す)、相対角度番号3′は8+1(角度オフセット範囲の2番目の値)の実際角度モードを示し(即ち、図3におけるモード9を示す)、…、相対角度番号66′は8+64(角度オフセット範囲の65番目の値)の実際角度モードを示す(即ち、図3におけるモード72を示す)。
【0060】
本願の実施例の表示方法は、輝度予測過程において同じ角度モード番号で示されるため、MPMリスト記憶モードの角度方向と実際隣接ブロックの角度方向との間に偏差が存在することを回避することができる。同時に、色度予測過程における現在色度ブロックの中心位置で利用する輝度方向と実際輝度方向との間の偏差を回避する。
【0061】
尚、本願の実施例に係る相対角度番号を用いる表示方法において、符号化時、文法要素の形式でビットストリームに入れて伝送し、即ち相対角度番号をビットストリームに入れ、復号化時、デコーダは異なるアスペクト比の相対角度番号で示される意味を約束し、従って、受信された相対角度番号によって該相対角度番号に対応する実際角度モードを解析することができる。
【0062】
本願のいくつかの実施例では、所定角度サンプリングポイントのサンプリングが33である場合、相対角度番号は2′~34′の範囲内の連続番号であり、相対角度番号に対応する実際角度モードは-7~41の範囲内の連続する33個の実際角度モードであり、33個の実際角度モードの選択は幅と高さの関係によって決定され、相対角度番号と実際角度モードは順に1対1に対応する。
【0063】
例示的に、本願の実施例では、所定角度サンプリングポイント、即ち角度方向個数が33である場合を例として、所定の幅と高さの関係と、2′で示される開始角度モードの意味と、相対角度番号と、実際角度モードを示す意味とは表3に示される。
【0064】
【表3】
【0065】
本願のいくつかの実施例では、所定角度サンプリングポイントのサンプリングが129である場合、相対角度番号は2′~130′の範囲内の連続番号であり、相対角度番号に対応する実際角度モードは-28~158の範囲内の連続する129個の実際角度モードであり、129個の実際角度モードの選択は幅と高さの関係によって決定され、相対角度番号と実際角度モードは順に1対1に対応する。
【0066】
例示的に、本願の実施例では、所定角度サンプリングポイント、即ち角度方向個数が129である場合を例として、所定の幅と高さの関係と、2′で示される開始角度モードの意味と、相対角度番号と、実際角度モードを示す意味とは表4に示される。
【0067】
【表4】
【0068】
本願の実施例では、所定角度サンプリングポイントの個数を限定しない。
【0069】
本願の実施例はイントラ予測方法を提供し、図4に示すように、該方法は、
現在ブロックの参照ブロックの幅と高さの関係、所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲及び所定角度サンプリングポイントを取得するS101と、
幅と高さの関係、所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲及び所定角度サンプリングポイントに基づいて、相対角度番号で示される参照ブロックに対応する実際角度モードを決定し、実際角度と実際角度モードを1対1に対応させるS102と、
参照ブロックに対応する実際角度モードに基づいて、参照ブロックに対応する角度予測モードを取得するS103と、
角度予測モードに基づいて、現在ブロックに対してイントラ予測を行うS104と、を含んでもよい。
【0070】
本願の実施例では、参照ブロックは現在ブロックの位置する所定範囲における、イントラ予測を完了したデータブロックであり、参照ブロックは少なくとも1つあってもよい。
【0071】
尚、イントラ予測装置はイントラ予測を行うとき、少なくとも輝度イントラ予測及び色度イントラ予測のうちの1つを含む。輝度イントラ予測は隣接ブロックを参照ブロックとして用い、色度イントラ予測を行うときは、前の色度ブロックの中心位置での輝度ブロックを参照ブロックとして利用することができる。色度予測モードはDM、LM、LM_T、LM_L等のモードを含んでもよい。
【0072】
本願のいくつかの実施例では、予測モードは少なくとも輝度イントラ予測方向及び色度イントラ予測方向のうちの1つを含む。
【0073】
理解されるように、予測方向が輝度イントラ予測方向である場合、参照ブロックの予測方向は輝度方向であり、S104については、現在ブロックに対してイントラ予測を行うとき、実際には現在ブロックの輝度に対してイントラ予測を行い、同様に、予測方向が色度イントラ予測方向である場合、参照ブロックの予測方向は色度方向であり、S104については、現在ブロックに対してイントラ予測を行うとき、実際には現在ブロックの色度に対してイントラ予測を行う過程である。
【0074】
S101において、イントラ予測装置が行うのが輝度イントラ予測かそれとも色度イントラ予測かにかかわらず、現在ブロックの予測モードの取得過程において、イントラ予測装置は、現在ブロックの参照ブロックの幅と高さの関係、所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲及び所定角度サンプリングポイントを取得することができる。
【0075】
本願の実施例では、参照ブロックの幅と高さの関係はアスペクト比であってもよく、縦横比であってもよく、本願の実施例は限定しない。
【0076】
本願の実施例では、所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲は、1つの処理ブロックの異なる幅と高さの関係に対して取得された、左下対角線方向から右上対角線方向までの連続する所定角度サンプリングポイント個数を含む実際角度範囲である。
【0077】
本願の実施例では、所定角度サンプリングポイント個数は左下対角線方向から右上対角線方向までのサンプリングポイントの個数である。
【0078】
尚、イントラ予測装置は現在ブロックの参照ブロックの幅と高さの関係、所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲を取得し、各予測方向範囲内の所定角度サンプリングポイントを決定し、予測方向及び開始角度の相対角度番号を選択することができる。
【0079】
例示的に、65種類の角度イントラ予測モードを例として説明する。65種類の角度イントラ予測モードの予測方向は、時計回り方向において-135度(モード2)~45度(モード66)に定義され、ここの[2′,66′]は相対角度番号である。
【0080】
本願の実施例では、所定角度サンプリングポイント個数が一定である場合、すべての角度モードの予測方向範囲の長さは同じであり、現在ブロックはどんな幅と高さの関係を有するかにかかわらず、いずれもその中の連続する所定角度サンプリングポイント個数の角度(即ち、相対角度番号)のみを含むが、予測方向範囲の長さからこの所定角度サンプリングポイント個数を選択する実際角度モードは幅と高さの関係によって異なる。
【0081】
S102において、イントラ予測装置が現在ブロックの参照ブロックの幅と高さの関係、所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲及び所定角度サンプリングポイントを取得した後、イントラ予測装置は幅と高さの関係、所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲及び所定角度サンプリングポイントに基づいて、相対角度番号で示される参照ブロックに対応する実際角度モードを決定し、実際角度と実際角度モードを1対1に対応させることができ、具体的には、下記のS1021~S1023により実現される。
【0082】
S1021、幅と高さの関係及び所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲に基づいて、参照ブロックの角度モードの開始角度を決定する。
【0083】
S1022、所定角度サンプリングポイントに基づいて、参照ブロックの角度オフセット範囲を決定する。
【0084】
S1023、開始角度及び角度オフセット範囲に基づいて、相対角度番号で示される参照ブロックに対応する実際角度モードを決定する。
【0085】
イントラ予測装置は幅と高さの関係及び所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲を取得した後、幅と高さの関係に基づいて、所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲から参照ブロックの角度モードの開始角度を決定することができる。且つ、イントラ予測装置は所定角度サンプリングポイントに基づいて参照ブロックの角度オフセット範囲を決定し、開始角度及び角度オフセット範囲に基づいて相対角度番号で示される参照ブロックに対応する実際角度モードを決定する。そうすると、イントラ予測装置は開始角度をスタート角度として、相対角度番号で示される角度オフセット範囲内の実際角度モードを選択することができる。
【0086】
本願のいくつかの実施例では、相対角度番号で角度を示してもよく、これにより、イントラ予測装置は、幅と高さの関係及び所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲に基づいて参照ブロックの角度モードの開始角度の相対角度の開始番号を決定し、所定角度サンプリングポイントに基づいて参照ブロックの角度オフセット範囲が[0~所定角度サンプリングポイント個数-1]であることを決定し、開始番号及び角度オフセット範囲に基づいて相対角度番号[2′~66′]の範囲内の連続番号で順に示す参照ブロックに対応する実際角度モードを決定することができる。
【0087】
例示的に、本願の実施例では、所定角度サンプリングポイントが65であり、即ち角度方向個数が65である場合を例として、所定の幅と高さの関係と、2′で示される開始角度モードの意味と、相対角度番号と、実際角度モードを示す意味とは表2に示される。
【0088】
【表5】
【0089】
理解されるように、このような表示方式において、L0279提案における図3の実際角度モード表示方法を参照して、すべての角度モードの絶対番号を[-14,80]の範囲に示し、現在符号化ブロックがどんなアスペクト比を有するかにかかわらず、いずれもその中の連続する65個の角度番号のみを含むが、この65個の角度番号の選択範囲はアスペクト比によって異なる。このような新しい表示方法において、広角度モードの拡張があるかどうかにかかわらず、左下対角方向から右上対角方向までのモードはいずれも相対角度番号2′~66′で示される。しかしながら、異なるアスペクト比によって角度モードの開始角度番号が異なるため、最終的にはすべての角度の番号範囲は異なる区間にあるようになるが、いずれも[-14,80]の範囲内にある。例えば、W/H=2において、左下対角線方向の相対角度番号は2′であり、実際に示すのは開始角度+角度オフセット範囲の1番目の値、即ち8+0の実際角度モードであり(図3における角度番号で実際角度を示す)、相対角度番号3′は8+1(角度オフセット範囲の2番目の値)の実際角度モードを示し(即ち、図3におけるモード9を示す)、…、相対角度番号66′は8+64(角度オフセット範囲の65番目の値)の実際角度モードを示す(即ち、図3におけるモード72を示す)。本願の実施例の表示方法は、輝度予測過程において同じ角度モード番号で示されるため、MPMリスト記憶モードの角度方向と実際隣接ブロックの角度方向との間に偏差が存在することを回避することができる。同時に、色度予測過程における現在色度ブロックの中心位置で利用する輝度方向と実際輝度方向との間の偏差を回避する。
【0090】
尚、本願の実施例に係る相対角度番号を用いる表示方法において、符号化時、文法要素の形式でビットストリームに入れて伝送し、即ち相対角度番号をビットストリームに入れ、復号化時、デコーダは異なるアスペクト比の相対角度番号で示される意味を約束し、従って、受信された相対角度番号によって該相対角度番号に対応する実際角度モードを解析することができる。
【0091】
理解されるように、相対角度番号をビットストリームにおける角度モード番号の文法要素として伝送することは、エンコーダ/デコーダによる広角度モードにおける真実予測角度の取得を簡素化し、符号化/復号化効率の向上に役立つ。
【0092】
本願のいくつかの実施例では、所定角度サンプリングポイントのサンプリングが33である場合、相対角度番号は2′~34′の範囲内の連続番号であり、相対角度番号に対応する実際角度モードは-7~41の範囲内の連続する33個の実際角度モードであり、33個の実際角度モードの選択は幅と高さの関係によって決定され、相対角度番号と実際角度モードは順に1対1に対応する。
【0093】
例示的に、本願の実施例では、所定角度サンプリングポイント、即ち角度方向個数が33である場合を例として、所定の幅と高さの関係と、2′で示される開始角度モードの意味と、相対角度番号と、実際角度モードを示す意味とは表3に示される。
【0094】
【表6】
【0095】
本願のいくつかの実施例では、所定角度サンプリングポイントのサンプリングが129である場合、相対角度番号は2′~130′の範囲内の連続番号であり、相対角度番号に対応する実際角度モードは-28~158の範囲内の連続する129個の実際角度モードであり、129個の実際角度モードの選択は幅と高さの関係によって決定され、相対角度番号と実際角度モードは順に1対1に対応する。
【0096】
例示的に、本願の実施例では、所定角度サンプリングポイント、即ち角度方向個数が129である場合を例として、所定の幅と高さの関係と、2′で示される開始角度モードの意味と、相対角度番号と、実際角度モードを示す意味とは表4に示される。
【0097】
【表7】
【0098】
本願の実施例では、所定角度サンプリングポイントの個数を限定しない。
【0099】
S103において、イントラ予測装置は参照ブロックに対応する実際角度モードに基づいて、参照ブロックに対応する角度予測モードを取得する。
【0100】
イントラ予測装置は参照ブロックに対応する実際角度モードを取得した後、実際角度モードで参照ブロックに対応する角度予測モード(例えば、dirA、dirB)を示すことができる。
【0101】
すなわち、本願の実施例では、イントラ予測装置の取得した参照ブロックに対応する角度予測モードは、実際角度が実際角度モードに1対1に対応することを示す。
【0102】
S104において、イントラ予測装置は角度予測モードに基づいて、現在ブロックに対してイントラ予測を行うことができる。ここで、イントラ予測装置は、角度予測モードに基づいて現在ブロックの予測モードリストを構築し、次に、予測モードリストを用いて現在ブロックに対するイントラ予測を実現する必要がある。
【0103】
本願の実施例では、輝度イントラ予測の場合、予測モードリストはMPMリストである。
【0104】
色度イントラ予測の場合、予測モードリストはDMリスト又はMDMSリストである。
【0105】
例示的に、輝度イントラ予測において、図5に示すように、現在ブロックの上のすべての隣接ブロック及び現在ブロックの左側のすべての隣接ブロックから参照ブロックを決定し、例えば、現在ブロックの隣接ブロックの左(L)、上(A)、左下(BL)、右上(AR)及び左上(AL)を参照ブロックセットにおける参照ブロックとする。MPMリストの導出過程は、現在ブロックの5つの隣接ブロックのイントラ予測モード(イントラ予測方向とも称される)、即ち左(L)ブロック、上(A)ブロック、左下(BL)ブロック、右上(AR)ブロック及び左上(AL)ブロックを考慮する。
【0106】
MPMリストの候補予測方向は3組、即ち隣接予測モード、派生予測モード及びデフォルト予測モードに分けられる。まず、MPMリストに隣接予測モードを追加する。MPMリストには各種類のイントラ予測モードは1回しか追加できず、即ちMPMリストには重複する予測モードが含まれることができない。隣接予測モードの追加を完了した後、MPMリストに含まれる予測モードが6つ未満である場合、派生したイントラ予測モードをMPMリストに追加する。派生予測モードの追加を完了した後、MPMリストに含まれる予測モードが依然として6つ未満である場合、6つの最も可能なイントラ予測モードを含むMPMリストを導出するまで、デフォルト予測モードをMPMリストに追加する。
【0107】
各輝度ブロックのイントラ予測モードに対してエントロピー符号化を行うとき、まず、該輝度ブロックのMPMリストを取得し、該輝度ブロックが選択したイントラ予測モードがMPMリストにあるかどうかを判断し、MPMリストにある場合、切捨てバイナリコードを使用して該予測モードのMPMにおけるインデックス番号をバイナリ化し、インデックス番号が小さければ小さいほど、生成した切捨てバイナリコードが小さく、その後、演算エンコーダによって切捨てバイナリコードを符号化し、これにより、ビットオーバーヘッドを節約することができる。該輝度ブロックが選択したイントラ予測モードがMPMリストに位置しない残りの61種類の予測モードのうちの1つである場合、この61種類の予測モードに対して改めて0から番号をつけ、番号が4で整除できる16個の予測モードを選択モードとして選択する。該イントラ予測モードが選択モードに位置する場合、固定する4ビット長でバイパス符号化を行う。該イントラ予測モードが残りの45個の非選択モードに位置する場合、再び改めて番号をつけ、切捨てバイナリコードでバイナリ化し、番号の順位に基づいて5又は6ビット長のビットストリングを生成し、その後、バイパス符号化を行う。
【0108】
JEMにおける6MPMリストが比較的に複雑であるため、簡素化された3MPMリストを用いる解決手段を提案する人もいる。しかしながら、3MPMリストに含まれる予測モードが比較的に少なく、得られる予測効果があまり正確ではないため、簡素化された6MPMリストを用いること(現在のVTM3.0において使用される方法でもある)を提案する人もいる。例えば、図5における上(A)ブロックに対応する予測モード及び左(L)ブロックに対応する予測モードに基づいて、現在ブロックの新しい候補予測モードを構築し、MPMリストの構造は、
現在ブロックに使用される参照行インデックスが0である場合、
・ブロックL及びブロックAの予測モードdirL、dirAが等しく、且ついずれも角度モードではなければ、
MPM={dirL,Planar/DC,HOR第18,VER第50,VER-4,VER+4}であり、Planarが0に対応し、DCが1に対応し、MPMに必ず6つのモードが含まなければならず、隣接モードに1を加え、又は隣接モードから1を引き、
・ブロックL及びブロックAの予測モードが等しく、且ついずれも角度モードであれば、
MPM={dirL,Planar/DC,dirL-1,dirL+1,dirL-2,dirL+2}であり、
・ブロックL及びブロックAの予測モードが等しくなく、且ついずれも角度モードであれば、
MPM={dirL,dirA,Planar/DC,max(dirL,dirA)-1,max(dirL,dirA)+1,max(dirL,dirA)-2}であり、
・ブロックL及びブロックAの予測モードが等しくなく、且つ角度モードが1つのみあれば、
MPM={dirL,dirA,Planar/DC,dirL-1,dirL+1,dirL-2}であり、
・ブロックL及びブロックAの予測モードが等しくなく、且ついずれも角度モードではなければ、
MPM={dirL,dirA,HOR,VER,HOR-4,HOR+4}であり、
参照行インデックスが1又は3である場合、
・ブロックL及びブロックAの予測モードdirL、dirAがいずれも角度モードではなければ、
MPM={VER,HOR,2,DIA,VDIA,26}であり、
・ブロックL及びブロックAの予測モードdirL、dirAがいずれも角度モードであれば、
MPM={dirL,dirA,min(dirL,dirA)-1,min(dirL,dirA)+1,max(dirL,dirA)-1,max(dirL,dirA)+1…}であり、
・ブロックL及びブロックAの予測モードdirL、dirAに角度モード(dirで示される)が1つあれば、MPM={dir,dir-1,dir+1,dir-1,dir+2,dir-3}である。
【0109】
本願の実施例では、色度イントラ予測におけるDM、VVC draft 3の色度イントラ予測方向の構築方法については、該方法の関連説明は表5に示される。
【0110】
【表8】
【0111】
例示的に、図6は本願の実施例に係る現在ブロックに対応する輝度ブロック及び色度ブロックの分布模式図であり、図6に示すように、右側の正方形の左半部分の灰色領域は現在処理の色度ブロック71であり、左側の正方形の左半部分の灰色領域は現在処理の色度ブロック71に対応する輝度領域であり、現在色度ブロック71のイントラ予測を行うとき、輝度領域の中心位置に記録される予測方向、即ち図6の右側正方形におけるCR輝度ブロック701の予測方向を利用する。
【0112】
表5及び図6に示される内容によれば、DMにより得た予測方向が後の4種類の予測方向のうちのある1つの予測方向と同じであれば、3~6行の同じモードがインデックス番号66の予測方向に置換されることが分かる。
【0113】
色度イントラ予測のMDMSについては、MDMSはより複雑な色度イントラ予測方向の構築方法であり、表6に示すように、DMに比べて、コードレートが0.2%減少するが、複雑度が高すぎるため、まだVVCに応用されていない。
【0114】
【表9】
【0115】
図7に示すように、図7における左側のブロック801~805に示すように、表6におけるMDMSモードは用いた現在色度ブロックの中心CR、左上TL、右上TR、左下BL、右下BRの5つの位置での対応の輝度ブロックのイントラ予測モードであり、図7における右側のブロック806~810に示すように、表6における色度隣接ブロックモードは用いた色度ブロックが空間的に左、左上、左下、上及び右上ブロックのイントラ予測方向、即ちビットストリームに書き込む予測方向に隣接する。
【0116】
すなわち、本願の実施例では、イントラ予測装置は輝度イントラ予測を行うことができるだけでなく、色度イントラ予測を行うこともできる。
【0117】
理解されるように、本願に係るすべての矩形ブロックの角度モードを相対角度番号使用して、開始角度と角度オフセット範囲とを順に加えた後の対応の実際角度モードを順に示し、且つ[開始値角度+角度オフセット範囲下限値、開始値角度+角度オフセット範囲上限値]内の一定区間に統一する。本願の実施例の表示方式において、異なる参照ブロックの幅と高さの関係に基づいて異なる開始角度を設定し、古い角度モード番号を、新しい角度モードを示す意味として用い、角度モードが角度に1対1に対応する。そうすると、様々な幅と高さの関係の矩形ブロックの角度モード番号が統一され、そして輝度MPMリスト及び色度予測DMにおいて表現される角度方向と実際角度とが一致し、関連する広角度モードにおける角度換算が簡素化され、各モードで代表される角度値の意味が統一され、偏差が除去され、イントラ予測の正確度の向上に役立つ。
【0118】
更に、角度オフセット番号をビットストリームにおける角度モード番号の文法要素として伝送することは、エンコーダ/デコーダによる広角度モードにおける真実予測角度の取得を簡素化し、符号化/復号化効率の向上に役立つ。
【0119】
上記実施例の実現に基づいて、本願の実施例はイントラ予測装置を提供し、相対角度番号で示される実際角度モードを設定するように構成される設定部を備え、前記相対角度番号は所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲内において、開始角度から、所定角度サンプリングポイントでサンプリングした後の対応する前記実際角度モードを順に示し、前記開始角度は処理ブロックの幅と高さの関係及び前記所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲によって決定され、実際角度は前記実際角度モードに1対1に対応する。
【0120】
本願のいくつかの実施例では、前記所定角度サンプリングポイントのサンプリングが65である場合、前記相対角度番号は2′~66′の範囲内の連続番号であり、前記相対角度番号に対応する実際角度モードは-14~80の範囲内の連続する65個の実際角度モードであり、65個の実際角度モードの選択は幅と高さの関係によって決定され、前記相対角度番号と実際角度モードは順に1対1に対応する。
【0121】
本願のいくつかの実施例では、前記所定角度サンプリングポイントのサンプリングが33である場合、前記相対角度番号は2′~34′の範囲内の連続番号であり、前記相対角度番号に対応する実際角度モードは-7~41の範囲内の連続する33個の実際角度モードであり、33個の実際角度モードの選択は幅と高さの関係によって決定され、前記相対角度番号と実際角度モードは順に1対1に対応する。
【0122】
本願のいくつかの実施例では、前記所定角度サンプリングポイントのサンプリングが129である場合、前記相対角度番号は2′~130′の範囲内の連続番号であり、前記相対角度番号に対応する実際角度モードは-28~158の範囲内の連続する129個の実際角度モードであり、129個の実際角度モードの選択は幅と高さの関係によって決定され、前記相対角度番号と実際角度モードは順に1対1に対応する。
【0123】
上記実施例の実現に基づいて、図8に示すように、本願の実施例は更にイントラ予測装置1を提供し、
現在ブロックの参照ブロックの幅と高さの関係、所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲及び所定角度サンプリングポイントを取得するように構成される取得部10と、
前記幅と高さの関係、前記所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲及び前記所定角度サンプリングポイントに基づいて、相対角度番号で示される参照ブロックに対応する実際角度モードを決定し、実際角度と実際角度モードを1対1に対応させるように構成される決定部11と、
前記角度予測モードに基づいて、前記現在ブロックに対してイントラ予測を行うように構成されるイントラ予測部12と、を備え、
前記取得部10は更に、参照ブロックに対応する実際角度モードに基づいて、参照ブロックに対応する角度予測モードを取得するように構成される。
【0124】
本願のいくつかの実施例では、前記決定部11は具体的に、前記幅と高さの関係及び前記所定の幅と高さの関係に対応する予測方向範囲に基づいて前記参照ブロックの角度モードの開始角度を決定し、前記所定角度サンプリングポイントに基づいて前記参照ブロックの角度オフセット範囲を決定し、前記開始角度及び前記角度オフセット範囲に基づいて相対角度番号で示される前記参照ブロックに対応する実際角度モードを決定するように構成される。
【0125】
本願のいくつかの実施例では、前記イントラ予測部12は具体的に、前記角度予測モードに基づいて前記現在ブロックの予測モードリストを構築し、予測モードリストを用いて前記現在ブロックに対するイントラ予測を実現するように構成される。
【0126】
本願のいくつかの実施例では、前記イントラ予測は少なくとも輝度イントラ予測及び色度イントラ予測のうちの1つを含む。
【0127】
図9に示すように、本願の実施例は更にイントラ予測装置を提供し、
プロセッサ13と、前記プロセッサ13が実行可能なイントラ予測命令が記憶されるメモリ14と、前記プロセッサ13と前記メモリ14とを接続するための通信バス15と、を備え、前記イントラ予測命令が実行されるとき、上記イントラ予測方法を実現する。
【0128】
本願の実施例では、上記プロセッサ13は特定用途向け集積回路(ASIC、Application Specific Integrated Circuit)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP、Digital Signal Processor)、デジタル信号処理デバイス(DSPD、Digital Signal Processing Device)、プログラマブルロジックデバイス(PLD、ProgRAMmable Logic Device)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA、Field ProgRAMmable Gate Array)、中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサのうちの少なくとも1つであってもよい。理解されるように、異なる装置について、上記プロセッサ機能を実現するための電子デバイスは他のものであってもよく、本願の実施例は具体的に限定しない。イントラ予測装置は更にメモリ14を備えてもよく、該メモリ14はプロセッサ13に接続されてもよく、メモリ14は実行可能プログラムコードを記憶することに用いられ、該プログラムコードはコンピュータ操作命令を含み、上記メモリ14は揮発性メモリ(volatile memory)例えばランダムアクセスメモリ(RAM、Random-Access Memory)、あるいは不揮発性メモリ(non-volatile memory)例えば読み出し専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)又はソリッドステートドライブ(SSD、Solid-State Drive)、あるいは上記種類のメモリの組み合わせであってもよく、且つ、プロセッサ13に命令及びデータを提供する。
【0129】
本願の実施例では、通信バス15はプロセッサ13とメモリ14との接続及びこれらのデバイス同士の通信に使用される。
【0130】
また、本実施例の各機能モジュールは1つの処理ユニットに統合されてもよく、各ユニットは独立して物理的に存在してもよく、2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。上記統合されたユニットはハードウェアの形式で実現されてもよく、ソフトウェア機能モジュールの形式で実現されてもよい。
【0131】
統合されたユニットはソフトウェア機能モジュールの形式で実現され、独立した製品として販売又は使用されるときは、1つのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本実施例の技術案の本質的又は従来技術に貢献する部分、又は該技術案の全部又は一部はソフトウェア製品の形式で具現されてもよく、該コンピュータソフトウェア製品は、1台のコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ又はネットワーク装置等であってもよい)又はprocessor(プロセッサ)に本実施例の方法の全部又は一部のステップを実行させるための若干の命令を含む1つの記憶媒体に記憶される。そして、上記記憶媒体はUSBメモリ、ポータブルハードディスク、読み出し専用メモリ(ROM、Read Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスク等のプログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。
【0132】
本願の実施例はイントラ予測命令が記憶されるコンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記イントラ予測命令がプロセッサにより実行されるとき、上記イントラ予測方法が実現される。
【0133】
具体的には、本実施例に係るイントラ予測方法に対応するイントラ予測命令は光ディスク、ハードディスク、USBメモリ等の記憶媒体に記憶されてもよく、記憶媒体におけるイントラ予測方法に対応するイントラ予測命令が電子機器により読み取られ又は実行される場合には、現在ブロックの参照ブロックの幅と高さの関係、所定の幅と高さの関係と相対角度との対応関係及び所定絶対角度範囲を取得するステップと、幅と高さの関係、所定の幅と高さの関係と相対角度との対応関係及び予測絶対角度範囲に基づいて、参照ブロックに対応する実際角度モードを決定し、実際角度と実際角度モードを1対1に対応させるステップと、参照ブロックに対応する実際角度モードに基づいて参照ブロックに対応する角度予測モードを取得するステップと、角度予測モードに基づいて現在ブロックに対してイントラ予測を行うステップと、を含む。
【0134】
理解されるように、イントラ予測装置はイントラ予測過程において、異なる幅と高さの関係の参照ブロックに対して、統一された実際角度モードの方式で処理して、実際角度と実際角度モードを1対1に対応させることができる。そうすると、輝度予測過程においても色度予測過程においても、ある角度を示すとき、アスペクト比に基づいて各形状のブロックの角度モードを具体的に決定する。関連の広角度モードにおける角度換算を簡素化し、各モードで代表される角度値の意味を統一し、偏差を除去し、イントラ予測の正確度を効果的に向上させるとともに、符号化/復号化効率を向上させる。
【0135】
当業者であれば理解できるように、本願の実施例は方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供され得る。従って、本願はハードウェア実施例、ソフトウェア実施例、又はソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施例の形式を用いてもよい。且つ、本願はコンピュータ利用可能プログラムコードを含む1つ又は複数のコンピュータ利用可能記憶媒体(磁気ディスクメモリ及び光学メモリ等を含むが、それらに限らない)において実施されるコンピュータプログラム製品の形式を用いてもよい。
【0136】
本願は本願の実施例の方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品の実現フローチャート及び/又はブロック図を参照して説明したものである。理解されるように、コンピュータプログラム命令によってフローチャート及び/又はブロック図における各プロセス及び/又はブロック、並びにフローチャート及び/又はブロック図におけるプロセス及び/又はブロックの組み合わせを実現できる。1つのマシンを生成するよう、これらのコンピュータプログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供することができ、これにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサの実行した命令によって、実現フローチャートにおける1つのプロセス又は複数のプロセス及び/又はブロック図における1つのブロック又は複数のブロックにおいて指定された機能を実現するための装置を生成する。
【0137】
これらのコンピュータプログラム命令はコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置が特定の方式で動作するように案内できるコンピュータ可読メモリに記憶されてもよい。それにより該コンピュータ可読メモリに記憶される命令に命令装置を備える製造品を生成させる。該命令装置は実現フローチャートにおける1つのプロセス又は複数のプロセス及び/又はブロック図における1つのブロック又は複数のブロックにおいて指定された機能を実現する。
【0138】
これらのコンピュータプログラム命令は更にコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置にインストールされてもよい。それによりコンピュータ又は他のプログラマブルデバイスにおいて一連の操作ステップを実行することでコンピュータの実現する処理を生成する。これにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデバイスにおいて実行される命令は実現フローチャートにおける1つのプロセス又は複数のプロセス及び/又はブロック図における1つのブロック又は複数のブロックにおいて指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0139】
以上の説明は本願の好適な実施例に過ぎず、本願の保護範囲を限定するためのものではない。
【産業上の利用可能性】
【0140】
本願の実施例はイントラ予測方法及び装置、並びにコンピュータ記憶媒体を提供し、イントラ予測装置はイントラ予測過程において、異なる幅と高さの関係の参照ブロックに対して、統一された実際角度モードの方式で処理して、実際角度と実際角度モードを1対1に対応させることができる。そうすると、輝度予測過程においても色度予測過程においても、ある角度を示すとき、アスペクト比に基づいて各形状のブロックの角度モードを具体的に決定する。関連の広角度モードにおける角度換算を簡素化し、各モードで代表される角度値の意味を統一し、偏差を除去し、イントラ予測の正確度を効果的に向上させるとともに、符号化/復号化効率を向上させる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7(a)】
図7(b)】
図8
図9