(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】超音波電子タバコ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/05 20200101AFI20221122BHJP
【FI】
A24F40/05
(21)【出願番号】P 2021538888
(86)(22)【出願日】2019-09-20
(86)【国際出願番号】 CN2019106978
(87)【国際公開番号】W WO2020057636
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-03-17
(31)【優先権主張番号】201811107774.9
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201821554434.6
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811107789.5
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811108690.7
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】507308153
【氏名又は名称】チャイナ タバコ フーナン インダストリアル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 建福
(72)【発明者】
【氏名】鐘 科軍
(72)【発明者】
【氏名】郭 小義
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】尹 新強
(72)【発明者】
【氏名】易 建華
(72)【発明者】
【氏名】▲クァン▼ 業成
(72)【発明者】
【氏名】周 永権
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-207798(JP,A)
【文献】実開昭56-093094(JP,U)
【文献】特開平08-052216(JP,A)
【文献】特開平11-150311(JP,A)
【文献】特開2005-025989(JP,A)
【文献】特開2006-061785(JP,A)
【文献】国際公開第2017/215221(WO,A1)
【文献】特開平05-161877(JP,A)
【文献】特開2008-073570(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0153217(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波アトマイザーを含む超音波電子タバコであって、
前記超音波アトマイザーはケース(2)を備え、前記ケース(2)に固定ベース(20)と超音波霧化シート(1)が設けられ、
前記超音波霧化シート(1)は、板状圧電マトリックス(101)
と、
前記圧電マトリックス(101)の一方の側面に貼着された表面電極(102)
と、
前記圧電マトリックス(101)の他方の側面に貼着された駆動電極(103)
とを備え、
前記圧電マトリックス(101)は長尺状であ
り、
前記圧電マトリックス(101)は、互いに接続された発振部(106)及び固定部(107)からなり、前記超音波霧化シート(1)の前記固定部(107)が前記固定ベース(20)により固定され、前記超音波霧化シート(1)の前記発振部(106)がぶら下がって設置され、
前記ケース(2)に、リキッド伝導機構(3)及びリキッドタンク(4)がさらに設けられ、前記リキッドタンク(4)が前記リキッド伝導機構(3)を介して前記超音波霧化シート(1)の霧化面に連通しており、
前記ケース(2)に、霧化アウタースリーブ(7)及び霧化インナースリーブ(8)がさらに設けられ、前記リキッド伝導機構(3)はカップ状であり、前記リキッド伝導機構(3)の側壁が前記霧化アウタースリーブ(7)と前記霧化インナースリーブ(8)との間に套設され、前記リキッド伝導機構(3)の外底面が前記超音波霧化シート(1)の霧化面と接触しており、
前記霧化インナースリーブ(8)に仕切り板(9)が設けられ、前記仕切り板(9)は、前記霧化インナースリーブ(8)を第1のキャビティ(10)と第2のキャビティ(11)に仕切って、前記第1のキャビティ(10)が前記リキッドタンク(4)に連通し、前記第2のキャビティ(11)が前記リキッド伝導機構(3)の内底面に連通し、前記第1のキャビティ(10)に対応する前記霧化インナースリーブ(8)の側壁に、前記リキッドタンク(4)と前記リキッド伝導機構(3)を連通させるリキッド通過溝(801)が開けられる、ことを特徴とする
超音波電子タバコ。
【請求項2】
前記表面電極(102)が
前記発振部(106)の一方の側面に固設され、前記駆動電極(103)が
前記発振部(106)の他方の側面に固設される、ことを特徴とする請求項1に記載の
超音波電子タバコ。
【請求項3】
前記表面電極(102)及び
前記駆動電極(103)はともに矩形であり、
又は、
前記表面電極(102)及び
前記駆動電極(103)はともに円形である、ことを特徴とする請求項2に記載の
超音波電子タバコ。
【請求項4】
前記圧電マトリックス(101)の一方の側面は、全体が
前記表面電極(102)により覆われ、前記圧電マトリックス(101)の他方の側面は、中心領域が
前記駆動電極(103)により覆われ、
前記表面電極(102)の面積と
前記駆動電極(103)の面積との比がa:bであり、aがbよりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の
超音波電子タバコ。
【請求項5】
前記発振部(106)の一方の側面は、全体が
前記表面電極(102)により覆われ、前記発振部(106)の他方の側面は、中心領域が
前記駆動電極(103)により覆われ、
前記表面電極(102)の面積と
前記駆動電極(103)の面積との比がa:bであり、aがbよりも大きい、ことを特徴とする請求項3に記載の
超音波電子タバコ。
【請求項6】
前記発振部(106)の一方の側面は、
前記表面電極(102)が固設された貼着領域(I)及び
前記表面電極(102)が固設されていないベア領域(II)からなり、
前記貼着領域(I)と
前記ベア領域(II)が
前記発振部(106)の長手方向に設置され、
前記貼着領域(I)が
前記ベア領域(II)よりも
前記固定部(107)に近く、
前記表面電極(102)の面積と
前記駆動電極(103)の面積との比がa:bであり、aがbよりも大きい、ことを特徴とする請求項3に記載の
超音波電子タバコ。
【請求項7】
前記圧電マトリックス(101)に、
前記表面電極(102)に接する第1の溶接点(104)、
前記駆動電極(103)に接する第2の溶接点(105)がさらに設けられる、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の
超音波電子タバコ。
【請求項8】
前記第1の溶接点(104)は
前記表面電極(102)の外縁箇所に設けられ、前記第2の溶接点(105)は
前記駆動電極(103)の外縁箇所に設けられる、ことを特徴とする請求項7に記載の
超音波電子タバコ。
【請求項9】
前記第1の溶接点(104)及び
前記第2の溶接点(105)はともに
前記固定部(107)の外面に設けられ、前記圧電マトリックス(101)に、
前記第1の溶接点(104)と
前記表面電極(102)を接続する第1の導電性リード(108)が固設されており、前記圧電マトリックス(101)に、
前記第2の溶接点(105)と
前記駆動電極(103)を接続する第2の導電性リード(109)が固設されている、ことを特徴とする請求項7に記載の
超音波電子タバコ。
【請求項10】
前記第1の導電性リード(108)の形状が等脚台形であり、
前記第1の導電性リード(108)の大端は
前記表面電極(102)に滑らかに移行して接続され、
前記第1の導電性リード(108)の小端は
前記第1の溶接点(104)に滑らかに移行して接続され、前記第2の導電性リード(109)の形状が等脚台形であり、
前記第2の導電性リード(109)の大端は
前記駆動電極(103)に滑らかに移行して接続され、
前記第2の導電性リード(109)の小端は
前記第2の溶接点(105)に滑らかに移行して接続される、ことを特徴とする請求項9に記載の
超音波電子タバコ。
【請求項11】
前記表面電極(102)及び
前記駆動電極(103)はともに円形であり、前記発振部(106)及び/又は
前記固定部(107)の外端部が円弧面である、ことを特徴とする請求項
1または2に記載の
超音波電子タバコ。
【請求項12】
前記固定ベース(
20)は
前記超音波霧化シート(1)の両側壁の中央領域に固設され、前記超音波霧化シート(1)の両端ともに自由状態となるようにする、ことを特徴とする
請求項1に記載の超音波電子タバコ。
【請求項13】
前記圧電マトリックス(101)の外縁に、
前記表面電極(102)に接する第1の溶接点(104)が設けられ、
前記圧電マトリックス(101)の外縁に、
前記駆動電極(103)に接する第2の溶接点(105)が設けられ、
前記第1の溶接点(104)及び
前記第2の溶接点(105)はともに
前記超音波霧化シート(1)の縁部位置に設けられ、
前記超音波霧化シート(1)が固定された
前記固定ベース(
20)の固定領域内に位置する、ことを特徴とする請求項12に記載の
超音波電子タバコ。
【請求項14】
前記ケース(2)
の内に制限板(5)が設けられ、
前記制限板(5)は
前記超音波霧化シート(1)の一方側に位置し、
前記リキッド伝導機構(3)は
前記超音波霧化シート(1)の他方側に位置し、
前記制限板(5)と
前記超音波霧化シート(1)の
前記発振部(106)との間に隙間(6)がある、ことを特徴とする請求項
1に記載の超音波電子タバコ。
【請求項15】
前記ケース(2)の頂部に、マウスピース(12)が接続され、
前記ケース(2)
の内に、一端が吸気孔(14)に連通し、他端が
前記第1のキャビティ(10)を貫通して前記第2のキャビティ(11)に連通する通気パイプ(13)が設けられ、
前記リキッド伝導機構(3)の側壁に、
前記第2のキャビティ(11)と
前記マウスピース(12)を連通させる気体通過孔(301)が開けられる、ことを特徴とする請求項
1に記載の超音波電子タバコ。
【請求項16】
前記超音波霧化シート(1)の長手方向が電子タバコの長手方向と平行する、ことを特
徴とする請求項
1又は
14に記載の超音波電子タバコ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に超音波霧化シート、アトマイザー及び超音波電子タバコに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の超音波電子タバコは、ケースを含み、ケース内に超音波霧化シート、リキッド伝導機構及びリキッドタンクが設けられ、リキッドタンクがリキッド伝導機構を介して超音波霧化シートの霧化面に連通し、リキッドタンク内のリキッドや他の煙発生物質がリキッド伝導機構を介して超音波霧化シートの霧化面に伝導され、リキッドや他の煙発生物質が超音波霧化シートによる高周波数霧化作用を受けて煙を発生させ、使用者に供する。
【0003】
従来の超音波電子タバコでは、超音波霧化シートはすべて円板状であり、円板状圧電マトリックス、圧電マトリックスの一方の側面に貼着された表面電極、圧電マトリックスの他方の側面に固設された駆動電極を含み、作動する際に、表面電極、駆動電極をそれぞれ電源の両極に接続すると、超音波霧化シートは高周波数で霧化作動を行える。
【0004】
円板状超音波霧化シートが円柱状固定スリーブで固定され、固定スリーブが超音波霧化シートの円周縁部に沿って超音波霧化シートを取り囲んで固定するため、超音波霧化シートの円周縁部が全体として固定され、それにより、超音波霧化シートの高周波数作動振幅が制限され、霧化効果が影響を受け、煙量が小さくなる。また、円板状超音波霧化シートの霧化効果が悪いので、霧化効果を高めるために、超音波霧化シートの直径を大きくするのが一般的であり、その結果、超音波電子タバコが大型化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記従来技術の欠陥に対して、霧化効果が高く、煙量が大きく、サイズが小さい超音波霧化シート、アトマイザー及び超音波電子タバコを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するために、本発明が採用する技術案は以下のとおりである。
【0007】
超音波霧化シートであって、板状圧電マトリックス、圧電マトリックスの一方の側面に貼着された表面電極、圧電マトリックスの他方の側面に貼着された駆動電極を含む超音波霧化シートであって、
前記圧電マトリックスは長尺状であることを特徴とする。
【0008】
上記構造によれば、圧電マトリックスが長尺状であるので、長尺状超音波霧化シートが形成され、このような超音波霧化シートの組み立て方式が2つある。1つは、組み立てるときに、固定ベースで超音波霧化シートの一部を締め付けて固定し、超音波霧化シートの他の一部がぶら下がるようにすることである。発振過程において、超音波霧化シートの一部が固定ベースにより締め付けられて固定されるため、この部分の振幅が低い。超音波霧化シートの他の部分はぶら下がっており、いずれの制限もないので、振幅が大きくなり、霧化効果が高く、煙量が大きい。もう1つは、固定ベースで超音波霧化シートの中央領域を締め付けて固定し、超音波霧化シートの両端を自由状態とすることである。後者の方式では、超音波霧化シートの両端はともに喫煙物質の超音波霧化に利用でき、そして両端の振幅が最大であり、霧化効果が高くなり、煙量が増大し、また、超音波霧化シートの両端のそれぞれで異なる香喫味を有する喫煙物質を霧化し、最後に香喫味の異なる2つの煙を混合し、それにより、使用者による様々な香喫味の煙へのニーズを満たし、使用者のエクスペリエンスを向上させる。
【0009】
このことから分かるように、本発明では、超音波霧化シートの霧化効果が高いため、小サイズの超音波霧化シートでも大量の煙量を発生させるという効果を達成させ、超音波霧化シートのサイズが小さくなり、これは、超音波霧化シートを用いた製品の小型化に有利である。
【0010】
一好適形態として、前記圧電マトリックスは、互いに接続された発振部及び固定部からなり、前記表面電極が発振部の一方の側面に固設され、前記駆動電極が発振部の他方の側面に固設される。
【0011】
上記構造によれば、圧電マトリックスが長尺状であるので、長尺状超音波霧化シートが形成される。超音波霧化シートは固定部と発振部との2つの部分からなり、超音波霧化シートを使用する際に、固定ベースで超音波霧化シートの固定部を締め付けて固定し、固定部で発振部を支持して、超音波霧化シートの発振部がアトマイザー内にぶら下がって設置されるようにする。発振過程において、固定部が固定ベースにより締め付けられて固定されるため、固定部の振幅が低い。超音波霧化シートの発振部はぶら下がっており、いずれの制限もないので、振幅が大きくなり、霧化効果が高く、煙量が大きい。本発明では、超音波霧化シートが長尺状であるので、超音波霧化シートと喫煙物質との接触面積が一致し、つまり、霧化による煙量が一致する場合、該超音波霧化シートを用いたアトマイザーのサイズが小さくなり、これは、超音波霧化シートを用いた製品の小型化に有利である。
【0012】
一好適形態として、前記表面電極及び駆動電極はともに矩形であり、又は、前記表面電極及び駆動電極はともに円形である。このように、両電極に通電すると、対応する電位差を発生させる面積が大きくなり、したがって、長尺状超音波霧化シートでは、発振部の発振面積及び発振強度を向上させ、超音波霧化シートの霧化効果を高める。
【0013】
一好適形態として、前記圧電マトリックスの一方の側面は、全体が表面電極により覆われ、前記圧電マトリックスの他方の側面は、中心領域が駆動電極により覆われ、表面電極の面積と駆動電極の面積との比がa:bであり、aがbよりも大きい。
【0014】
上記構造によれば、霧化面積が大きく、煙量が大きく、霧化効果が高い。
【0015】
一好適形態として、前記発振部の一方の側面は、全体が表面電極により覆われ、前記発振部の他方の側面は、中心領域が駆動電極により覆われ、表面電極の面積と駆動電極の面積との比がa:bであり、aがbよりも大きい。
【0016】
別の好適形態として、前記発振部の一方の側面は、表面電極が固設された貼着領域及び表面電極が固設されていないベア領域からなり、貼着領域とベア領域が発振部の長手方向に設置され、貼着領域がベア領域よりも固定部に近く、表面電極の面積と駆動電極の面積との比がa:bであり、aがbよりも大きい。
【0017】
上記構造によれば、表面電極と発振部の端部とは間隔があり、それにより、超音波霧化シートが霧化過程に生じた熱が両端へ拡散し得、したがって、放熱速度が高く、発振効果がより高まり、作動過程の高温による発振部のクラックが回避され、超音波霧化シートの耐用年数が長くなる。
【0018】
一好適形態として、前記圧電マトリックスに、表面電極に接する第1の溶接点、駆動電極に接する第2の溶接点がさらに設けられる。
【0019】
電源の両極をそれぞれ第1の溶接点と第2の溶接点に接続すると、電源の両極を表面電極、駆動電極に電気的に接続することができる。
【0020】
一好適形態として、前記第1の溶接点は表面電極の外縁箇所に設けられ、前記第2の溶接点は駆動電極の外縁箇所に設けられる。
【0021】
上記構造によれば、第1の溶接点は表面電極の隣りに直接設置され、第2の溶接点は駆動電極の隣りに直接設置され、それによって、導電性リードを用いて溶接点と電極を接続せずに済み、コストを削減させる。
【0022】
別の好適形態として、前記第1の溶接点及び第2の溶接点はともに固定部の外面に設けられ、前記圧電マトリックスに、第1の溶接点と表面電極を接続する第1の導電性リードが固設されており、前記圧電マトリックスに、第2の溶接点と駆動電極を接続する第2の導電性リードが固設されている。
【0023】
上記構造によれば、第1の溶接点及び第2の溶接点が振幅の小さな固定部に設置され、それにより、第1の溶接点及び第2の溶接点が超音波霧化シートの発振時に牽引されて離脱することを防止し、導電信頼性及び超音波霧化シートの作動の信頼性を確保する。また、第1の溶接点及び第2の溶接点が固定部に設けられることにより、溶接過程に生じた高温による発振部の性能への影響を回避し、超音波霧化シートの耐用年数を延ばすこともできる。
【0024】
一好適形態として、前記第1の導電性リードの形状が等脚台形であり、第1の導電性リードの大端は表面電極に滑らかに移行して接続され、第1の導電性リードの小端は第1の溶接点に滑らかに移行して接続され、前記第2の導電性リードの形状が等脚台形であり、第2の導電性リードの大端は駆動電極に滑らかに移行して接続され、第2の導電性リードの小端は第2の溶接点に滑らかに移行して接続される。
【0025】
上記構造によれば、第1の導電性リードと表面電極との移行接続部位、第2の導電性リードと駆動電極との移行接続部位では、大きくシャープな角がないので、加工しやすく、貼着がより確実になり、しかも、超音波霧化シートの分極処理時に応力集中を減らし、耐用年数を延ばす。
【0026】
一好適形態として、前記表面電極及び駆動電極はともに円形であり、前記発振部及び/又は固定部の外端部が円弧面である。
【0027】
上記構造によれば、外端部を円弧面とすると、より簡便に加工できる。発振部及び固定部の外端部がともに円弧面であると、覆設される電極を加工するときに発振部と固定部を特に区別しなくてもよく、このため、作製時間及びコストを削減させる。
【0028】
同一発明構想に基づいて、本発明は、ケースを含み、ケース内に固定ベースが設けられた超音波アトマイザーであって、
ケース内に、前記超音波霧化シートがさらに設けられ、前記固定ベースは超音波霧化シートの両側壁の中央領域に固設され、前記超音波霧化シートの両端ともに自由状態となるようにする超音波アトマイザーをさらに提供する。
【0029】
超音波霧化シートの両端ともに自由状態であるため、該超音波霧化シートの両端はともに喫煙物質の超音波霧化に利用でき、そして両端の振幅が最大であり、霧化効果が高くなり、煙量が増大し、また、超音波霧化シートの両端のそれぞれで異なる香喫味を有する喫煙物質を霧化し、最後に香喫味の異なる2つの煙を混合し、それにより、使用者による様々な香喫味の煙へのニーズを満たし、使用者のエクスペリエンスを向上させる。
【0030】
一好適形態として、前記圧電マトリックスの外縁に、表面電極に接する第1の溶接点が設けられ、圧電マトリックスの外縁に、駆動電極に接する第2の溶接点が設けられ、第1の溶接点及び第2の溶接点はともに超音波霧化シートの縁部位置に設けられ、超音波霧化シートが固定された固定ベースの固定領域内に位置する。
【0031】
超音波霧化シートの両端ともに自由状態であるため、超音波霧化シートの両端の振幅が最大であり、また固定ベースが超音波霧化シートの両側の中央領域に固定されるため、該中央領域の振幅が小さく、したがって、第1の溶接点及び第2の溶接点が振幅の小さな中央領域に設置されることにより、第1の溶接点及び第2の溶接点が超音波霧化シートの発振時に牽引されて離脱することを防止し、導電信頼性及び超音波霧化シートの作動の信頼性を確保する。
【0032】
同一発明構想に基づいて、本発明は、ケースを含み、ケース内に固定ベースが設けられた超音波アトマイザーであって、
ケース内に、前記超音波霧化シートがさらに設けられ、前記圧電マトリックスは、互いに接続された発振部及び固定部からなり、超音波霧化シートの固定部が固定ベースにより固定され、超音波霧化シートの発振部がぶら下がって設置される超音波アトマイザーをさらに提供する。
【0033】
上記構造によれば、使用する際に、固定ベースで超音波霧化シートの固定部を締め付けて固定し、超音波霧化シートの発振部がぶら下がるようにする。発振過程において、固定部が固定ベースにより締め付けられて固定されるため、固定部の振幅が低い。超音波霧化シートの発振部はぶら下がっており、いずれの制限もないので、振幅が大きくなり、霧化効果が高く、煙量が大きい。本発明では、超音波霧化シートの霧化効果が高いため、小サイズの超音波霧化シートでも大量の煙量を発生させるという効果を達成させ、超音波霧化シート及び超音波電子タバコサイズが小型化する。
【0034】
同一発明構想に基づいて、本発明は、前記超音波アトマイザーを含み、ケース内に、リキッド伝導機構及びリキッドタンクがさらに設けられ、リキッドタンクがリキッド伝導機構を介して超音波霧化シートの霧化面に連通していることを特徴とする超音波電子タバコをさらに提供する。
【0035】
さらに、ケース内に制限板が設けられ、制限板は超音波霧化シートの一方側に位置し、リキッド伝導機構は超音波霧化シートの他方側に位置し、制限板と超音波霧化シートの発振部との間に隙間がある。
【0036】
該隙間は、超音波霧化シートが作動中に発振部の振幅変化の邪魔となることを回避するとともに、超音波霧化シートが作動中に生じた熱が制限板を介して放出されて煙温度の上昇に影響することを回避する。
【0037】
さらに、前記ケース内に霧化アウタースリーブ、霧化インナースリーブが設けられ、リキッド伝導機構はカップ状であり、リキッド伝導機構の側壁が霧化アウタースリーブと霧化インナースリーブとの間に套設され、リキッド伝導機構の外底面が超音波霧化シートの霧化面と接触する。
【0038】
さらに、前記霧化インナースリーブ内に、霧化インナースリーブを第1のキャビティと第2のキャビティに仕切る仕切り板が設けられ、第1のキャビティがリキッドタンクに連通し、第2のキャビティがリキッド伝導機構の内底面に連通し、第1のキャビティに対応する前記霧化インナースリーブの側壁に、リキッドタンクとリキッド伝導機構を連通させるリキッド通過溝が開けられる。
【0039】
さらに、ケースの頂部に、マウスピースが接続され、ケース内に、一端が吸気孔に連通し、他端が第2のキャビティに連通する通気パイプが設けられ、リキッド伝導機構の側壁に、第2のキャビティとマウスピースを連通させる気体通過孔が開けられる。
【0040】
霧化インナースリーブは、仕切り板により2層のキャビティに仕切られ、第1のキャビティの側壁にリキッド通過溝が設けられ、リキッドタンク内のリキッドがリキッド通過溝を介してリキッド伝導構造に連通する。第2のキャビティは超音波霧化シートの霧化面に連通しているチャンバーであり、超音波霧化による煙が第2のキャビティ内に貯蔵され、空気が吸気孔から通気パイプを介して第2のキャビティに入り、第2のキャビティ内の煙を十分に同伴させ、マウスピースを介して使用者の口腔に入る。
【0041】
一好適形態として、前記超音波霧化シートの長手方向が電子タバコの長手方向と平行する。
【発明の効果】
【0042】
従来技術に比べて、本発明は、霧化効果が高く、煙量が大きく、サイズが小さく、耐用年数が長い。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】超音波電子タバコの一実施例の構造模式図である。
【
図3】霧化インナースリーブ、リキッド伝導機構及び霧化アウタースリーブの接続関係図である。
【
図5】固定ベースと超音波霧化シートとの接続関係図である。
【
図7】本発明の超音波霧化シートの実施例2の左面図である。
【
図8】本発明の超音波霧化シートの実施例2の右面図である。
【
図9】本発明の超音波霧化シートの実施例2の正面図である。
【
図10】本発明の超音波霧化シートの実施例2の霧化状態図である。
【
図11】本発明の超音波霧化シートの実施例3の左面図である。
【
図12】本発明の超音波霧化シートの実施例3の右面図である。
【
図13】本発明の超音波霧化シートの実施例3の正面図である。
【
図14】本発明の超音波霧化シートの実施例3の霧化状態図である。
【
図15】本発明の超音波霧化シートの実施例4の正面図である。
【
図16】本発明の超音波霧化シートの実施例4の後面図である。
【
図17】本発明の超音波霧化シートの実施例5の左面図である。
【
図18】本発明の超音波霧化シートの実施例5の右面図である。
【
図19】本発明の超音波霧化シートの実施例5の正面図である。
【
図20】本発明の超音波霧化シートの実施例6の左面図である。
【
図21】本発明の超音波霧化シートの実施例6の右面図である。
【
図22】本発明の超音波霧化シートの実施例6の正面図である。
【
図23】本発明の超音波霧化シートの実施例7の左面図である。
【
図24】本発明の超音波霧化シートの実施例7の右面図である。
【
図25】本発明の超音波霧化シートの実施例7の正面図である。
【
図26】本発明の超音波霧化シートの実施例7の霧化状態図である。
【
図27】本発明の超音波霧化シートの実施例8の正面図である。
【
図28】本発明の超音波霧化シートの実施例8の後面図である。
【
図29】本発明の超音波霧化シートの実施例9の左面図である。
【
図30】本発明の超音波霧化シートの実施例9の右面図である。
【
図31】本発明の超音波霧化シートの実施例9の正面図である。
【
図32】本発明の超音波霧化シートの実施例10の左面図である。
【
図33】本発明の超音波霧化シートの実施例10の右面図である。
【
図34】本発明の超音波霧化シートの実施例10の正面図である。
【
図35】本発明の超音波霧化シートの実施例11の左面図である。
【
図36】本発明の超音波霧化シートの実施例11の右面図である。
【
図37】本発明の超音波霧化シートの実施例11の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1~
図6に示すように、超音波電子タバコはケース2を含み、ケース2内に固定ベース20、超音波霧化シート1、リキッド伝導機構3及びリキッドタンク4が設けられ、超音波霧化シート1が固定ベース20を介して固定され、リキッドタンク4がリキッド伝導機構3を介して超音波霧化シート1の霧化面に連通しており、前記超音波霧化シート1は板状圧電マトリックス101、圧電マトリックス101の一方の側面に固設された表面電極102、圧電マトリックス101の他方の側面に固設された駆動電極103を含み、前記圧電マトリックス101が長尺状であり、前記圧電マトリックス101は、互いに接続された発振部106及び固定部107からなり、固定部107が固定ベース20を介して固定され、発振部106の表面がリキッドと接触し、且つ高周波数発振によりリキッドを霧化させて煙を発生させ、発振部106が超音波電子タバコの霧化室内にぶら下がって設置される。リキッド伝導機構3は、リキッドタンク4内のリキッドを発振部106に伝導して霧化させ、前記リキッド伝導機構3の材質が親油性のウィックとされ、前記固定ベース20は一定の弾性を有する材質、たとえばシリコンゴムなどの材質で製造され、前記圧電マトリックス101の材質が圧電セラミックとされる。
【0045】
圧電マトリックス101が長尺状であるので、長尺状圧電マトリックスを用いて製造される超音波霧化シート1も長尺状となり、それにより、該超音波霧化シート1を用いた超音波電子タバコが小型化し、使用者により簡便に携帯できる。
【0046】
この実施形態では、該超音波電子タバコの超音波霧化シート1は、固定ベース20を介して該超音波霧化シート1の固定部107に介装され、超音波霧化シート1の発振部106はウィックと接触し、霧化過程において、固定部107が固定ベース20により締め付けられて固定されるため、固定部107の振幅が低く、超音波霧化シート1の発振部106がぶら下がっており、いずれの制限もないので、振幅が大きく、霧化効果が高く、煙量が大きい。
【0047】
ケース2内に制限板5が設けられ、制限板5とリキッドタンク4との間が霧化室(未図示)となり、超音波霧化シート1の発振部106は霧化室内に挿入され、超音波霧化シート1の固定部107は霧化室外に設置され、固定ベース20により締め付けられて固定され、リキッド伝導機構3の一端はリキッドタンク4に挿入され、リキッド伝導機構3の他端は霧化室内まで延びて、超音波霧化シート1の発振部106と接触する。この実施形態では、リキッド伝導機構3は超音波霧化シート1の発振部106に垂直であり、制限板5と超音波霧化シート1の発振部106との間に隙間6があり、このように、超音波霧化シート1の高周波数発振過程において発振部106の振幅が増大し、霧化効果が高まる。
【0048】
制限板5と超音波霧化シート1の発振部106との間に隙間6があるため、超音波霧化シート1が作動中に生じた熱の制限板5への放散速度が低く、したがって、このような熱がさらに煙により吸収され、煙の香喫味が向上し、しかも、超音波霧化シート1が長尺状であるため、発振部106が作動中に生じた高温が、固定部107に伝達され、それにより、作動中の高温による発振部106の割れを防止し、超音波霧化シート1の耐用年数を延ばす。
【0049】
前記ケース2内に霧化アウタースリーブ7、霧化インナースリーブ8が設けられ、リキッド伝導機構3は、超音波霧化シート1の形状と同様に長尺状のカップ状構造であり、それにより、リキッド伝導機構3と超音波霧化シート1との接触面積が増大し、リキッド伝導機構3の側壁が霧化アウタースリーブ7と霧化インナースリーブ8との間に套設され、リキッド伝導機構3の外底面は超音波霧化シート1の霧化面と接触する。
【0050】
前記霧化インナースリーブ8内に、霧化インナースリーブ8を第1のキャビティ10と第2のキャビティ11を仕切る仕切り板9が設けられ、第1のキャビティ10がリキッドタンク4に連通し、第2のキャビティ11がリキッド伝導機構3の内底面に連通し、第1のキャビティ10に対応する前記霧化インナースリーブ8の側壁に、リキッドタンク4とリキッド伝導機構3を連通させるリキッド通過溝801が開けられ、リキッドタンク4内のリキッドがリキッド通過溝801を介してリキッド伝導機構3と接触する。
【0051】
ケース2の頂部に、マウスピース12が接続され、ケース2内に、一端が吸気孔14に連通し、他端が第1のキャビティ10を貫通して第2のキャビティ11に連通する通気パイプ13が設けられ、リキッド伝導機構3の側壁に、第2のキャビティ11とマウスピース12を連通させる気体通過孔301が開けられる。
【0052】
第2のキャビティ11は、超音波霧化シート1の霧化面に連通しているチャンバーであり、超音波霧化による煙が第2のキャビティ11内に貯蔵され、空気が吸気孔14から通気パイプを介して第2のキャビティ11に入り、気体通過孔301から第2のキャビティ11中の煙を同伴させ、マウスピース12を介して使用者の口腔に入る。
【0053】
前記超音波霧化シート1の長手方向が電子タバコの長手方向と平行することにより、超音波電子タバコの小型化ができる。
【0054】
前記ケース2内に、一端が霧化インナースリーブ8の外側壁に当接し、他端がリキッド伝導機構3の内底面に当接するバネ15が設けられる。バネ15は、リキッド伝導機構3と超音波霧化シートとを確実に接触させる。
【0055】
ケース2内に、ブラケット16、PCB基板17及び電池18が設けられ、PCB基板17、電池18、固定ベース20及び霧化アウタースリーブ7はすべてブラケット16を介して固定される。制限板5により固定ベース20がブラケット16に固定されることで、超音波霧化シート1が固定され、作動中の超音波霧化シート1の傾斜による霧化効果への悪影響が避けられ、リキッドタンク4の開口部位にリキッド蓋21が設けられ、リキッド蓋21を開くと、リキッドタンク4へリキッドを注入できる。
【0056】
ケース2の側壁に、超音波電子タバコが作動するか否かを制御するボタン19が設けられる。
【0057】
図7~
図10には、超音波霧化シートの実施例2の構造が示されており、実施例2では、超音波霧化シート1は、板状圧電マトリックス101、圧電マトリックス101の一方の側面に固設された表面電極102、圧電マトリックス101の他方の側面に固設された駆動電極103を含み、前記圧電マトリックス101が長尺状である。
【0058】
前記圧電マトリックス101の一方の側面は、全体が表面電極102により覆われ、前記圧電マトリックス101の他方の側面は、中心領域が駆動電極103により覆われ、表面電極102の面積と駆動電極103の面積との比が3:2~4:1であり、本実施例の好適形態として、2:1である。霧化面積が大きく、煙量が大きく、霧化効果が高い。
【0059】
前記圧電マトリックス101の外縁に、表面電極102に接する第1の溶接点104が設けられ、圧電マトリックス101の外縁に、駆動電極103に接する第2の溶接点105が設けられる。電源の両極をそれぞれ第1の溶接点104及び第2の溶接点105に接続すると、電源の両極を表面電極102、駆動電極103に電気的に接続できる。
【0060】
前記圧電マトリックス101の材質が圧電セラミックとされる。
【0061】
第1の溶接点104及び第2の溶接点105はいずれも超音波霧化シート1の固定部107に設けられる。超音波霧化シート1は固定部107及び発振部106との2つの部分からなり、したがって、該超音波霧化シート1を用いた超音波電子タバコでは、固定部107が固定ベース20により固定されるので、固定部107の霧化振幅が小さく、第1の溶接点104及び第2の溶接点105が振幅の小さな固定部107に設置されることにより、第1の溶接点104及び第2の溶接点105が超音波霧化シート1による霧化時に牽引されて離脱することを防止し、導電信頼性及び超音波霧化シート1の作動の信頼性を確保する。また、第1の溶接点104及び第2の溶接点105が固定部に設けられることにより、溶接過程に生じた高温による発振部106の性能への影響を回避し、超音波霧化シート1の発振部106がぶら下がって設置されることにより、霧化量が増大する。
【0062】
図11~
図14には、超音波霧化シートの実施例3の構造が示されており、実施例3では、超音波霧化シート1は、板状圧電マトリックス101、圧電マトリックス101の一方の側面に固設された表面電極102、圧電マトリックス101の他方の側面に固設された駆動電極103を含み、前記圧電マトリックス101が長尺状であり、前記圧電マトリックス101は、互いに接続された発振部106及び固定部107からなり、前記表面電極102は発振部106の一方の側面に固設され、前記駆動電極103は発振部106の他方の側面に固設される。
【0063】
前記圧電マトリックス101の材質が圧電セラミックとされる。
【0064】
表面電極102及び駆動電極103に通電すると、発振部106は電位変形により駆動されて高周波数で霧化を行い、発振部106の霧化幅度が最大であり、それにより、発振部106の表面と接触するリキッドや他の喫煙物質が霧化して煙を発生させる。
【0065】
前記表面電極102及び駆動電極103ともに矩形とすることにより、超音波霧化シートの霧化効果が向上する。
【0066】
前記発振部106の一方の側面は、全体が表面電極102により覆われ、前記発振部106の他方の側面は、中心領域が駆動電極103により覆われ、表面電極102の面積と駆動電極103の面積との比が3:2~4:1であり、本実施例の好適な形態では、2:1である。
【0067】
前記圧電マトリックス101に、表面電極102に接する第1の溶接点104、駆動電極103に接する第2の溶接点105がさらに設けられる。
【0068】
電源の両極をそれぞれ第1の溶接点104及び第2の溶接点105に接続すると、電源の両極を表面電極102、駆動電極103に電気的に接続することができる。
【0069】
前記第1の溶接点104及び第2の溶接点105はともに固定部107の外面に設けられ、前記圧電マトリックス101に、第1の溶接点104と表面電極102を接続する第1の導電性リード108が固設されており、前記圧電マトリックス101に、第2の溶接点105と駆動電極103を接続する第2の導電性リード109が固設されている。
【0070】
第1の溶接点104及び第2の溶接点105が振幅の小さな固定部107に設置されることにより、第1の溶接点104及び第2の溶接点105が超音波霧化シート1による霧化時に牽引されて離脱することを回避し、導電信頼性及び超音波霧化シート1の作動信頼性を確保する。また、第1の溶接点104及び第2の溶接点105が固定部107に設けられることにより、溶接過程に生じた高温による発振部106の性能への影響を回避することもできる。
【0071】
図15~
図16には、超音波霧化シートの実施例4の構造が示されており、実施例4では、第1の導電性リード108及び第2の導電性リード109を含まず、前記第1の溶接点104は表面電極102の外縁箇所に設けられ、前記第2の溶接点105は駆動電極103の外縁箇所に設けられる以外、実施例4は実施例3と同様である。第1の溶接点104は表面電極102の隣りに直接設置され、第2の溶接点105は駆動電極103の隣りに直接設置され、このように、導電性リードを用いて溶接点と電極を接続せずに済み、コストを削減させる。
【0072】
図17~
図19には、超音波霧化シートの実施例5の構造が示されており、前記第1の導電性リード108の形状が等脚台形であり、第1の導電性リード108の大端は表面電極102に滑らかに移行して接続され、第1の導電性リード108の小端は第1の溶接点104に滑らかに移行して接続され、前記第2の導電性リード109の形状が等脚台形であり、第2の導電性リード109の大端は駆動電極103に滑らかに移行して接続され、第2の導電性リード109の小端は第2の溶接点105に滑らかに移行して接続される以外、実施例5は実施例3と同様である。第1の導電性リード108と表面電極102との移行接続部位、第2の導電性リード109と駆動電極103との移行接続部位では、大きくシャープな角がないので、加工しやすく、貼着がより確実になる。
【0073】
さらに、実施例5では、前記発振部106の一方の側面は、表面電極102が固設された貼着領域I及び表面電極102が固設されていないベア領域IIからなり、貼着領域Iとベア領域IIが発振部106の長手方向に設置され、貼着領域Iがベア領域IIよりも固定部107に近く、表面電極102の面積と駆動電極103の面積との比が2:1である。表面電極102と発振部106との端部の間に間隔があるため、超音波霧化シート1が霧化過程に生じた熱が両端へ拡散することができ、したがって、放熱速度が高く、霧化効果がより高まり、作動中の高温による発振部106の割れを防止し、超音波霧化シート1の耐用年数を延ばす。
【0074】
図20~
図22には、超音波霧化シートの実施例6の構造が示されており、前記発振部106の一方の側面は、表面電極102が固設された貼着領域I及び表面電極102が固設されていないベア領域IIからなり、貼着領域Iとベア領域IIが発振部106の長手方向に設置され、貼着領域Iがベア領域IIよりも固定部107に近く、表面電極102の面積と駆動電極103の面積との比が3:2~4:1であり、本実施例の好適形態では、2:1である以外、実施例6は、実施例4と同様である。表面電極102と発振部106の端部との間に間隔があるため、超音波霧化シート1が霧化過程に生じた熱が両端へ拡散することができ、したがって、放熱速度が高く、霧化効果がより高まり、作動中の高温による発振部106の割れを防止し、超音波霧化シート1の耐用年数を延ばす。
【0075】
図23~
図26には、超音波霧化シートの実施例7の構造が示されており、実施例7では、超音波霧化シート1は、板状圧電マトリックス101、圧電マトリックス101の一方の側面に固設された表面電極102、圧電マトリックス101の他方の側面に固設された駆動電極103を含み、その構造の特徴としては、前記圧電マトリックス101が長尺状であり、前記圧電マトリックス101は互いに接続された発振部106及び固定部107からなり、前記表面電極102は発振部106の一方の側面に固設されており、前記駆動電極103は発振部106の他方の側面に固設されている。前記表面電極102及び駆動電極103はともに円形である。
【0076】
前記圧電マトリックス101の材質が圧電セラミックとされる。
【0077】
表面電極102及び駆動電極103に通電すると、発振部106は電位変形により駆動されて高周波数で霧化を行い、発振部106の霧化幅度が最大であり、それにより、発振部106の表面と接触するリキッドや他の喫煙物質が霧化して煙を発生させる。
【0078】
前記発振部106の外端部は円弧面である。前記発振部106の一方の側面は、全体が表面電極102により覆われ、前記発振部106の他方の側面は、中心領域が駆動電極103により覆われ、表面電極102の面積と駆動電極103の面積との比が2:1である。
【0079】
前記圧電マトリックス101に、表面電極102に接する第1の溶接点104、駆動電極103に接する第2の溶接点105がさらに設けられる。
【0080】
電源の両極をそれぞれ第1の溶接点104及び第2の溶接点105に接続すると、電源の両極を表面電極102、駆動電極103に電気的に接続することができる。
【0081】
前記第1の溶接点104及び第2の溶接点105はともに固定部107の外面に設けられ、前記圧電マトリックス101に、第1の溶接点104と表面電極102を接続する第1の導電性リード108が固設されており、前記圧電マトリックス101に、第2の溶接点105と駆動電極103を接続する第2の導電性リード109が固設されている。
【0082】
第1の溶接点104及び第2の溶接点105が振幅の小さな固定部107に設置されることにより、第1の溶接点104及び第2の溶接点105が超音波霧化シート1による霧化時に牽引されて離脱することを回避し、導電信頼性及び超音波霧化シート1の作動信頼性を確保する。また、第1の溶接点104及び第2の溶接点105が固定部107に設けられることにより、溶接過程に生じた高温による発振部106の性能への影響を回避することもできる。
【0083】
図27~
図28には、超音波霧化シートの実施例8の構造が示されており、実施例8では、第1の導電性リード108及び第2の導電性リード109を含まず、前記第1の溶接点104は表面電極102の外縁箇所に設けられ、前記第2の溶接点105は駆動電極103の外縁箇所に設けられる以外、実施例8は実施例7と同じである。第1の溶接点104は表面電極102の隣りに直接設置され、第2の溶接点105は駆動電極103の隣りに直接設置され、このように、導電性リードを用いて溶接点と電極を接続せずに済み、コストを削減させる。
【0084】
図29~
図31には、超音波霧化シートの実施例9の構造が示されており、前記第1の導電性リード108の形状が等脚台形であり、第1の導電性リード108の大端は表面電極102に滑らかに移行して接続され、第1の導電性リード108の小端は第1の溶接点104に滑らかに移行して接続され、前記第2の導電性リード109の形状が等脚台形であり、第2の導電性リード109の大端は駆動電極103に滑らかに移行して接続され、第2の導電性リード109の小端は第2の溶接点105に滑らかに移行して接続される以外、実施例9は、実施例7と同様である。第1の導電性リード108と表面電極102との移行接続部位、第2の導電性リード109と駆動電極103との移行接続部位では、大きくシャープな角がないので、加工しやすく、貼着がより確実になる。
【0085】
さらに、実施例9では、前記発振部106の一方の側面は、表面電極102が固設された貼着領域I及び表面電極102が固設されていないベア領域IIからなり、貼着領域Iとベア領域IIが発振部106の長手方向に設置され、貼着領域Iがベア領域IIよりも固定部107に近く、表面電極102の面積と駆動電極103の面積との比が2:1である。表面電極102と発振部106との端部の間に間隔があるため、超音波霧化シート1が霧化過程に生じた熱が両端へ拡散することができ、したがって、放熱速度が高く、霧化効果がより高まり、作動中の高温による発振部106の割れを防止し、超音波霧化シート1の耐用年数を延ばす。
【0086】
図32~
図34には、超音波霧化シートの実施例10の構造が示されており、前記発振部106の一方の側面は、表面電極102が固設された貼着領域I及び表面電極102が固設されていないベア領域IIからなり、貼着領域Iとベア領域IIが発振部106の長手方向に設置され、貼着領域Iがベア領域IIよりも固定部107に近く、表面電極102の面積と駆動電極103の面積との比が2:1である以外、実施例10は実施例8と同様である。表面電極102と発振部106の端部との間に間隔があるため、超音波霧化シート1が霧化過程に生じた熱が両端へ拡散することができ、したがって、放熱速度が高く、霧化効果がより高まり、作動中の高温による発振部106の割れを防止し、超音波霧化シート1の耐用年数を延ばす。
【0087】
図35~
図37には、超音波霧化シートの実施例11の構造が示されており、前記発振部106及び固定部107の外端部がともに円弧面であるため、加工するときに発振部106と固定部107を特に区別しなくてもよく、このため、作製時間及びコストを削減させる以外、実施例11は実施例7と同様である。
【0088】
別の超音波電子タバコアトマイザーの構造(このような構造のアトマイザーは図面に示されていないが、当業者が本発明を理解して実現することに影響しない)では、アトマイザーはケース2を含み、ケース2内にシリコンゴム材質の固定ベース20が設けられ、ケース2内に、実施例2に記載の超音波霧化シート1がさらに設けられ、前記固定ベース2は超音波霧化シート1の両側壁の中央領域に固設され、前記超音波霧化シート1の両端がともに自由状態となるようにする。第1の溶接点104及び第2の溶接点105はともに超音波霧化シート1の縁部位置に設けられ、超音波霧化シート1が固定された固定ベース20の固定領域内に位置する。固定ベース20が超音波霧化シート1の両側壁の中央領域に固定されているため、超音波霧化シート1の両側壁の中央領域の振幅が小さく、したがって、第1の溶接点104及び第2の溶接点105が振幅の小さな超音波霧化シート1の両側壁の中央領域に設置されることにより、第1の溶接点104及び第2の溶接点105が超音波霧化シート1の発振時に牽引されて離脱することを防止し、導電信頼性及び超音波霧化シート1の作動の信頼性を確保する。このような構造では、超音波霧化シート1の両端はともに喫煙物質と接触して霧化し煙を発生させることができ、このように煙量を増大し、また、超音波霧化シート1の両端をそれぞれ香喫味の異なる喫煙物質と接触させると、様々な香喫味を有する煙に対するニーズに応えられる。
【0089】
以上、図面を参照しながら本発明の実施例を説明したが、本発明は上記特定実施形態に制限されず、上記の特定実施形態は例示的なものに過ぎず、限定的なものではなく、当業者であれば、本発明に基づいて、本発明の趣旨及び特許請求の範囲の特許範囲を逸脱することなく、様々な形態を得ることができ、これらはすべて本発明の特許範囲に属する。
【符号の説明】
【0090】
1 超音波霧化シート
101 圧電マトリックス
102 表面電極
103 駆動電極
104 第1の溶接点
105 第2の溶接点
106 発振部
107 固定部
108 第1の導電性リード
109 第2の導電性リード
I 貼着領域
II ベア領域
2 ケース
3 リキッド伝導機構
301 気体通過孔
4 リキッドタンク
5 制限板
6 隙間
7 霧化アウタースリーブ
8 霧化インナースリーブ
801 リキッド通過溝
9 仕切り板
10 第1のキャビティ
11 第2のキャビティ
12 マウスピース
13 通気パイプ
14 吸気孔
15 バネ
16 ブラケット
17 PCB基板
18 電池
19 ボタン
20 固定ベース
21 リキッド蓋