IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱自動車工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-車両の電源装置 図1
  • 特許-車両の電源装置 図2
  • 特許-車両の電源装置 図3
  • 特許-車両の電源装置 図4
  • 特許-車両の電源装置 図5
  • 特許-車両の電源装置 図6
  • 特許-車両の電源装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-22
(45)【発行日】2022-12-01
(54)【発明の名称】車両の電源装置
(51)【国際特許分類】
   B60L 50/60 20190101AFI20221124BHJP
   B60K 6/40 20071001ALI20221124BHJP
   B60R 16/04 20060101ALI20221124BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20221124BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
B60L50/60
B60K6/40 ZHV
B60R16/04 X
H02G3/04 037
H02J7/00 301B
H02J7/00 302A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018105793
(22)【出願日】2018-06-01
(65)【公開番号】P2019213305
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174366
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 史郎
(72)【発明者】
【氏名】本 伸一郎
(72)【発明者】
【氏名】池田 諭
【審査官】岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-061457(JP,U)
【文献】特開2013-056646(JP,A)
【文献】特開2013-207860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 50/60
B60K 6/40
B60R 16/04
H02G 3/04
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の荷台における側面を形成する側壁部と、
前記荷台における後面を形成する、開閉可能な後扉と、
前記車両に搭載される電源と、
前記車両の外部の電気機器に接続されて前記電源の電力を前記電気機器に供給する電力供給部と、を備え、
前記電力供給部は、前記後扉が閉じられたときに前記側壁部と前記後扉とが相接する、前記側壁部または前記後扉の面に配設される車両の電源装置。
【請求項2】
前記後扉が閉じられた状態で、前記電力供給部から外部に向かって延び、前記電力供給部に接続されたケーブルが通過可能な配線路が形成される、請求項1に記載の車両の電源装置。
【請求項3】
前記配線路は、前記電力供給部から外部に向かって車両下方向に延びて形成される、請求項2に記載の車両の電源装置。
【請求項4】
前記後扉が閉じられたときに前記側壁部の前記後扉に接する面または前記後扉の前記側壁部に接する面に凹部が形成されており、
前記電力供給部は、前記凹部に配設される、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両の電源装置。
【請求項5】
前記後扉が閉じられたことを検出する開閉検出部と、
前記電源から前記電力供給部に供給される電力を遮断することが可能な電力遮断部と、を備え、
前記電力遮断部は、前記開閉検出部によって前記後扉が閉じられたことを検出するとき、前記電源から前記電力供給部に供給される電力を遮断する、請求項1~4のいずれか一項に記載の車両の電源装置。
【請求項6】
前記電力供給部に前記電気機器の電力供給用のケーブルが接続していることを検出する接続検出部を備え、
前記電力遮断部は、前記接続検出部により前記電気機器が前記電力供給部に接続していることを検出するとき、前記開閉検出部によって前記後扉が閉じられたことを検出した場合であっても前記電源から前記電力供給部に供給される電力を遮断しない、請求項5に記載の車両の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両の電源装置に係り、特に荷台に電力供給部を備える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、モータとエンジンとを備えるハイブリット車両が広く普及している。
このようなハイブリット車両には、走行用の電力を蓄電するため、蓄電容量が比較的大きいバッテリが搭載されている。
更に、このような大容量のバッテリを利用して、車室内に配設されたコンセントに家庭用電源と同等の電力を供給することが可能な車両が開発されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-133769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ピックアップトラックのような後部に荷台を有する車両においては、車外あるいは荷台上で電気機器を使用すべく、コンセントを車室内に配設するよりも荷台に配設した方が好ましい場合がある。しかしながら、このような荷台にコンセントを配設すると、該コンセントに粉塵や雨水が直接かかり、コンセントの故障を招く虞があるという問題があった。
【0005】
また、上記特許文献1の車両には、充電と車外の電気機器への電力の供給とを兼用するコンセント(インレット)が備えられているが、このコンセントを雨水等から保護するための技術が開示されておらず、さらなる改善の余地があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両の荷台に配設されたコンセントを粉塵や雨水から保護することができる車両の電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の車両の電源装置は、車両の荷台における側面を形成する側壁部と、前記荷台における後面を形成する開閉可能な後扉と、前記車両に搭載される電源と、前記車両の外部の電気機器に接続されて前記電源の電力を前記電気機器に供給する電力供給部と、を備え、前記電力供給部は、前記後扉が閉じられたときに前記側壁部と前記後扉とが相接する前記側壁部または前記後扉の面に配設されることを特徴とする。
【0007】
これにより、電力供給部は、後扉が閉じられたときに側壁部と後扉とが相接する前記側壁部または前記後扉の面に配設されているので、車両の外部の電気機器に接続される電力供給部が側壁部及び後扉によって遮蔽されるため、該電力供給部が粉塵や雨水に晒されることを防止することが可能とされる。
その他の態様として、前記後扉が閉じられた状態で、前記電力供給部から外部に向かって延び、前記電力供給部に接続されたケーブルが通過可能な配線路が形成されるのが好ましい。
【0008】
これにより、電力供給部に接続する電気機器の電力供給用のケーブルが側壁部と後扉とに挟まれないよう、該ケーブルを配線路に通すことが可能とされる。したがって、電力供給部に電気機器のケーブルを接続した状態で後扉を閉じることができる。
その他の態様として、前記配線路は、前記電力供給部から外部に向かって車両下方向に延びて形成されるのが好ましい。
【0009】
これにより、後扉を閉じているときに配線路から電力供給部に雨水等が侵入することを防止することが可能とされる。
その他の態様として、前記後扉が閉じられたときに前記側壁部の前記後扉に接する面または前記後扉の前記側壁部に接する面に凹部が形成されており、前記電力供給部は、前記凹部に配設されるのが好ましい。
【0010】
これにより、電力供給部が凹部に配設されることで、後扉を開いているときに雨水等が電力供給部に侵入することを抑制することが可能とされる。
その他の態様として、前記後扉が閉じられたことを検出する開閉検出部と、前記電源から前記電力供給部に供給される電力を遮断することが可能な電力遮断部と、を備え、前記電力遮断部は、前記開閉検出部によって前記後扉が閉じられたことを検出するとき、前記電源から前記電力供給部に供給される電力を遮断するのが好ましい。
【0011】
これにより、後扉が閉じられたときには電源から電力供給部に供給される電力を遮断することで、電力供給部を使用しない可能性の高い状況においては電力供給部に電力が供給されないようにすることが可能とされる。
その他の態様として、前記電力供給部に前記電気機器の電力供給用のケーブルが接続していることを検出する接続検出部を備え、前記電力供給部は、前記接続検出部により前記電気機器が前記電力供給部に接続していることを検出するとき、前記開閉検出部によって前記後扉が閉じられたことを検出した場合であっても前記電源から前記電力供給部に供給される電力を遮断しないのが好ましい。
【0012】
これにより、電気機器のケーブルが接続しているときは後扉が閉じられた場合であっても電源から電力供給部に電力を供給することが可能となり、電気機器が使用できる車両(荷台)の使用形態を広げることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の車両の電源装置によれば、電力供給部は、後扉が閉じられたときに側壁部と後扉とが相接する前記側壁部または前記後扉の面に配設されているので、車両の外部の電気機器に接続される電力供給部が側壁部及び後扉によって遮蔽されるため、該電力供給部が粉塵や雨水に晒されることを防止することができる。
これにより、粉塵や雨水からコンセントを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る車両の後方から視た斜視図である。
図2図1中の範囲Aにおける、後扉を閉じた状態の拡大図である。
図3図1中の範囲Aにおける、後扉を開いた状態の拡大図である。
図4図3中の矢視Bにおける電源装置の拡大図である。
図5図4中のI-I断面の断面図である。
図6】ECUの接続構成が示されたブロック図である。
図7】ECUが実行する制御手順を示すルーチンが示されたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
図1を参照すると、本発明に係る車両1の後方から視た斜視図が示されている。車両1は、前部にキャブ10、後部にベッド(荷台)20を有するピックアップトラックである。また、車両1は、バッテリユニット3と図示はしないがエンジン及びモータが搭載されており、エンジン及びモータを適宜稼動させて車両1の走行やバッテリユニット3への電力の供給をすることが可能である。またさらに、車両1には、給電口5が設けられており、給電口5からバッテリユニット3に電力を供給することが可能である。すなわち、車両1は、プラグインハイブリット式のピックアップトラックである。
【0016】
バッテリユニット3には、バッテリ(電源)3a及びインバータ(電力遮断部)3bが備えられている。バッテリ3aは、充放電することが可能な例えばリチウムイオン二次電池である。インバータ3bは、バッテリ3aによって充放電される電力を交流または直流に変換することや、該電力の電流や電圧を調整することが可能である。
キャブ10は、乗員が搭乗する車室である。このキャブ10は、ルーフ10aが備えられているため、雨風等が車室内に侵入することを防止することが可能である。一方、ベッド20は、床部21、側壁部22及び後扉24によって構成されており、ルーフ10aのような屋根がない。
【0017】
床部21は、ベッド20の床を形成しており、車両1の図示しないフレームの上に配設されている。この床部21は、車両1前後及び左右の端部がキャブ10、側壁部22及び後扉24に接続している。すなわち、ベッド20は、キャブ10、側壁部22及び後扉24によって壁面が形成されている。
詳しくは、キャブ10の車両後側の面10bは、床部21の車両前方側の端部の上方に左右方向に向かって延び、ベッド20における前側の前壁面を形成する。
【0018】
側壁部22は、床部21の車両左右方向側の端部の上方に車両前後方向に向かって延び、ベッド20における左右の側壁面を形成する。
後扉24は、床部21の車両後方側の端部の上方に左右方向に向かって延び、ベッド20における後側の後壁面を形成する。また、後扉24は、ヒンジ28を軸にして上下方向に揺動することで開閉可能である。
【0019】
図2を参照すると、図1中の範囲Aにおける、後扉24を閉じた状態の拡大図が示されている。また、図3を参照すると、図1中の範囲Aにおける、後扉24を開いた状態の拡大図が示されている。
後扉24は、下側に位置する(開いている)とき、ワイヤ32によって床部21と水平になるように支持され、上側に位置する(閉じている)とき、側壁部22と接続してベッド20における車両1後方の後壁となる。この後扉24は、閉じているときに例えば運転手がリモートキーによって車両1の施錠を行うことで、施錠することが可能である。
【0020】
詳しくは、後扉24が閉じているとき、後扉24及び支持部34が接触し、後扉24の車両左右方向の側面26と側壁部22の後端30の内側の側面36とが接触している。このため、後扉24の側面26と側壁部22の後端30の側面36との間には、雨水や粉塵が侵入しにくい。
側壁部22の後端30の側面36には、電力供給部40が配設されている。
【0021】
図4を参照すると、図3中の矢視Bにおける電力供給部40の拡大図が示されている。また、図5を参照すると、図4中のI-I断面の断面図が示されている。
電力供給部40は、コンセント(電力供給部)46及び凹部48によって構成されている。凹部48は、側壁部22の後端30の内側の側面36から車両左方向(外側)に向かって凹んで形成されている。凹部48の底面48aは、上方から下方に向かうにしたがって車両左側に傾斜した傾斜面になっている。コンセント46は凹部48の車両左側の底面48aの上部に配設されている。コンセント46は、バッテリユニット3のインバータ3bと電気的に接続されている。すなわち、コンセント46は、インバータ3bから電力を供給されるとき、ケーブル(電気機器)56の端部に設けられたプラグ(電気機器)54を介して車両1の外部の例えば電灯(電気機器)53に電力を供給可能なコンセントである。
【0022】
これにより、後扉24が閉じているとき、コンセント46は後扉24の側面26と側壁部22の後端30の側面36との間に位置するため側壁部22と後扉24とによって隠れ、コンセント46が粉塵や雨水に晒されることを抑制することができる。また、コンセント46が凹部48に配設されているため、後扉24が開いているときであっても雨がコンセント46にかかることを抑制することができる。
【0023】
電力供給部40の近傍には、配線溝(配線路)50が形成されている。配線溝50は、凹部48から外部に向かって車両下方向に傾斜して延びる、プラグ54が通過できない幅の溝である。この配線溝50は、ケーブル56を通すための溝であり、後扉24が閉じられたときに、コンセント46にプラグ54が接続されていても、ケーブル56が側壁部22と後扉24とに挟まれないようにすることができる。
【0024】
また、配線溝50は、凹部48から外部に向かって車両下方向に延びて形成されているので、後扉24を閉じているときに配線溝50から電力供給部40に雨水等が侵入することを防止することができる。またさらに、配線溝50は、プラグ54が通過できない幅なので、後扉24が閉じているとき、例えば第三者のいたずらによってケーブル56が引っ張られても、プラグ54がコンセント46から引き抜かれることを防止することができる。
【0025】
支持部34には、開閉スイッチ(開閉検出部、開閉SW)42が備えられている。開閉スイッチ42は、後扉24の開閉を検出するスイッチである。
コンセント46には、コンセントセンサ(接続検出部)52が設けられている。このコンセントセンサ52は、コンセント46にプラグ54が接続されたか否かを検出することができるセンサである。
【0026】
図6を参照すると、ECU60の接続構成がブロック図で示されている。
ECU60は、エンジンやモータの運転制御をはじめとした総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)等を含んで構成されている。
ECU60の入力側には、開閉スイッチ42及びコンセントセンサ52が電気的に接続されており、開閉スイッチ42からは後扉24の開閉状態が入力し、コンセントセンサ52からはコンセント46にプラグ54が接続されたか否かの検出情報が入力する。
【0027】
また、ECU60の出力側には、インバータ3bが電気的に接続されており、インバータ3bを制御することでコンセント46に供給する電力を調整(供給または遮断)することができる。
図7を参照すると、ECU60が実行する制御手順を示すルーチンがフローチャートで示されており、以下、同フローチャートに沿い説明する。
【0028】
ステップS10では、開閉スイッチ42によって検出される後扉24の開閉状態が開いているか否かを判定する。ステップS10の判定結果が偽(No)で後扉24が開いていると判定すると、ステップS30に移行し、バッテリユニット3のインバータ3bをバッテリ3aからコンセント46に電力を供給する供給状態にして本ルーチンを終了する。また、ステップS10の判定結果が真(Yes)で後扉24が閉じていると判定すると、ステップS20に移行する。
【0029】
ステップS20では、コンセントセンサ52によってコンセント46にプラグ54が接続されたか否かを判定する。ステップS20の判定結果が偽(No)でコンセント46にプラグ54が接続されていないと判定すると、ステップS40に移行し、バッテリユニット3のインバータ3bをバッテリ3aからコンセント46に電力を供給しない遮断状態にして本ルーチンを終了する。また、ステップS20の判定結果が真(Yes)でコンセント46にプラグ54が接続されていると判定するときはステップS30に移行する。
【0030】
すなわち、本ルーチンでは、後扉24が開いている(ステップS10でNo)とき、インバータ3bを供給状態にする(ステップS30)ことで、コンセント46を利用して電力をプラグ54に供給することができる。
一方、後扉24が閉じており(ステップS10でYes)、コンセント46にプラグ54が接続されていない(ステップS20でNo)ときは、インバータ3bを遮断状態にする(ステップS40)。これにより、後扉24が閉じていてコンセント46が使われていないときにまでコンセント46に電力が供給されることを防止して節電することができる。
【0031】
さらに、後扉24が閉じている(ステップS10でYes)が、コンセント46にプラグ54が接続されている(ステップS20でYes)ときは、後扉24が閉じてはいるが、コンセント46が使われているため、インバータ3bを供給状態にする(ステップS30)。これにより、コンセント46に電力を供給しつつ、後扉24を閉じることができる。
【0032】
本ルーチンの終了後、再び本ルーチンは繰り返される。
以上説明したように、本発明に係る車両の電源装置では、車両1のベッド20における側面を形成する側壁部22と、ベッド20における後面を形成する開閉可能な後扉24と、車両1に搭載されるバッテリ3aと、電灯53のプラグ54が接続されてバッテリ3aの電力を電灯53に供給する電力供給部40と、を備えている。また、当該車両の電源装置では、電力供給部40が後扉24が閉じられたときに側壁部22と後扉24とが相接する側壁部22の面に配設される。
【0033】
従って、電力供給部40は、後扉24が閉じられたときに側壁部22と後扉24とが相接する側壁部22の面に配設されているので、電力供給部40が側壁部22及び後扉24によって遮蔽されるため、プラグ54に接続される電力供給部40が粉塵や雨水に晒されることを防止することができる。これにより、本発明に係る車両の電源装置は、車両1のベッド20に配設された電力供給部40を粉塵や雨水から保護することができる。
【0034】
また、電力供給部40は、後扉24を閉じたときに側壁部22と後扉24とによって隠れるため、ベッド20のデザイン性を向上させることもできる。
またさらに、後扉24を施錠することが可能なので、第三者が電力供給部40にいたずらをすることを防止することができる。
そして、後扉24が閉じられた状態で、電力供給部40から外部に向かって延び、ケーブル56が通過可能な配線溝50が形成されているので、電力供給部40に接続する電灯53のケーブル56が側壁部22と後扉24とに挟まれないよう、該ケーブルを配線溝50に通すことができる。したがって、電力供給部40にプラグ54を接続した状態で後扉24を閉じることができる。
【0035】
さらに、この配線溝50は、電力供給部40から外部に向かって車両下方向に延びて形成されているので、後扉24を閉じているときに配線溝50から電力供給部40に雨水等が侵入することを防止することができる。
特に、後扉24が閉じられたときに側壁部22の後扉24に接する面に凹部48が形成されており、電力供給部40のコンセント46が凹部48に配設されているので、後扉24を開いているときにも雨水等が電力供給部40に侵入することを抑制することができる。
【0036】
そして、後扉24が閉じられたことを検出する開閉スイッチ42と、バッテリ3aから電力供給部40に供給される電力を遮断することが可能なインバータ3bと、を備え、インバータ3bは、開閉スイッチ42によって後扉24が閉じられたことを検出するとき、バッテリ3aから電力供給部40に供給される電力を遮断する。
従って、後扉24が閉じられたときにはバッテリ3aから電力供給部40に供給される電力を遮断するので、一般的には電力供給部40を使用しない状況、即ち電力供給部40を使用しない可能性の高い状況においては電力供給部40に電力が供給されないようにすることができる。
【0037】
また、電力供給部40にプラグ54が接続していることを検出するコンセントセンサ52を備え、インバータ3bは、コンセントセンサ52によりプラグ54が電力供給部40に接続していることを検出したときには、開閉スイッチ42によって後扉24が閉じられたことを検出した場合であってもバッテリ3aから電力供給部40に供給される電力を遮断しない。
【0038】
従って、電力供給部40にプラグ54が接続しているときは後扉24が閉じられた場合であってもバッテリ3aから電力供給部40に電力を供給することが可能となり、電灯53が使用できる車両1(ベッド20)の使用形態を広げることができる。
すなわち、電力供給部40にプラグ54を接続したまま後扉24を閉じて施錠することで、第三者が電力供給部40やプラグ54にいたずらをすることを防止することができる。ゆえに、乗員は、電力供給部40にプラグ54を接続したまま車両1から離れることができる。
【0039】
以上で本発明に係る車両の電源装置の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、本実施形態では、電力供給部40を側壁部22の面に配設したが、側壁部22と後扉24とが相接する後扉24の面に配設してもよく、支持部34の後扉24と接する面に配設してもよい。すなわち、配線溝50も同様に、後扉24に形成するようにしてもよい。
【0040】
また、本実施形態では、電源としてバッテリ3aを用いて説明したが、図示しないエンジンを電源とし、該エンジンによって発電される電力を用いるようにしてもよい。
また、本実施形態では、開閉検出部として開閉スイッチ42を用いて説明したが、後扉24の開閉が検出できればよく、センサでもよい。
また、本実施形態では、接続検出部としてコンセントセンサ52を用いて説明したが、電力供給部40が乗員等によって使用されていることを判定できればよく、電流センサを用いてコンセント46を流れる電流の値を検出して電力供給部40が乗員等によって使用されているか否かを判定するようにしてもよい。
【0041】
また、本実施形態では、電力遮断部としてインバータ3bを用いることでバッテリ3aから電力供給部40に供給される電力を遮断するようにしたが、通電状態と絶縁状態とに切替可能なスイッチを用いてもよい。
また、本実施形態では、ECU60によって開閉スイッチ42及びコンセントセンサ52によって夫々検出される情報から判定し、インバータ3bを制御してバッテリ3aから電力供給部40に供給される電力を遮断するようにしたが、リレー等を備えた電気回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 車両
a バッテリ3a(電源)
b インバータ3b(電力遮断部)
20 ベッド(荷台)
22 側壁部
24 後扉
40 電力供給部
42 開閉スイッチ(開閉検出部)
46 コンセント(電力供給部)
48 凹部
50 配線溝(配線路)
52 コンセントセンサ(接続検出部)
53 電灯(電気機器)
54 プラグ(電気機器)
56 ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7