(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-22
(45)【発行日】2022-12-01
(54)【発明の名称】パッキング戦略シグナリング
(51)【国際特許分類】
H04N 19/597 20140101AFI20221124BHJP
H04N 19/70 20140101ALI20221124BHJP
【FI】
H04N19/597
H04N19/70
(21)【出願番号】P 2021515115
(86)(22)【出願日】2019-08-26
(86)【国際出願番号】 IB2019057166
(87)【国際公開番号】W WO2020065419
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-03-18
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】グラジオッシ ダニーロ
【審査官】岩井 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-017946(JP,A)
【文献】国際公開第2020/011265(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/003038(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/198522(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/055963(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0268570(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 19/00 - 19/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の非一時的メモリにプログラムされる方法であって、
パッチ配向を決定するステップと、
適応的パッキングを実行する際に、デフォルト配向を示すフラグを送信することを含めてパッチ配向情報を送信するステップと、
を含
み、
前記パッチ配向情報を送信するステップは、固定
パッキングを実行するか、それとも適応的パッキングを実行するかを示すステップを含
み、
固定
パッキングは、デフォルト、垂直及び水平という3つのモードを含
み、
垂直及び水平
というモードでは、デコーダがパッチを該パッチのサイズに従って回転させて、前記垂直
というモードでは最大寸法を垂直に、前記水平
というモードでは水平に位置合わせする、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
適応的パッキングを実行する場合、適応的辞書を利用して前記パッチ配向を示す、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記適応的辞書は、パッチ配向使用の統計的分析に基づいて決定される、
請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記適応的辞書は、最も多く使用されているパッチ配向に最小コードを割り当てる、
請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
パッチ配向を決定し、
適応的パッキングを実行する際に、デフォルト配向を示すフラグを送信することを含めてパッチ配向情報を送信する、
ためのアプリケーションを記憶する非一時的メモリと、
前記メモリに結合されて、前記アプリケーションを処理するように構成された処理コンポーネントと、
を備え
、
前記パッチ配向情報を送信することは、固定
パッキングを実行するか、それとも適応的パッキングを実行するかを示すことを含
み、
固定
パッキングは、デフォルト、垂直及び水平という3つのモードを含
み、
垂直及び水平
というモードでは、デコーダがパッチを該パッチのサイズに従って回転させて、前記垂直
というモードでは最大寸法を垂直に、前記水平
というモードでは水平に位置合わせする、
ことを特徴とする装置。
【請求項6】
適応的パッキングを実行する場合、適応的辞書を利用して前記パッチ配向を示す、
請求項
5に記載の装置。
【請求項7】
前記適応的辞書は、パッチ配向使用の統計的分析に基づいて決定される、
請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
前記適応的辞書は、最も多く使用されているパッチ配向に最小コードを割り当てる、
請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
パッチ配向を決定するように構成された決定モジュールと、
適応的パッキングを実行する際に、デフォルト配向を示すフラグを送信することを含めてパッチ配向情報を送信するように構成された送信モジュールと、
を備え
、
前記パッチ配向情報を送信することは、固定
パッキングを実行するか、それとも適応的パッキングを実行するかを示すことを含
み、
固定
パッキングは、デフォルト、垂直及び水平という3つのモードを含
み、
垂直及び水平
というモードでは、デコーダがパッチを該パッチのサイズに従って回転させて、前記垂直
というモードでは最大寸法を垂直に、前記水平
というモードでは水平に位置合わせする、
ことを特徴とするシステム。
【請求項10】
適応的パッキングを実行する場合、適応的辞書を利用して前記パッチ配向を示す、
請求項
9に記載のシステム。
【請求項11】
前記適応的辞書は、パッチ配向使用の統計的分析に基づいて決定される、
請求項
10に記載のシステム。
【請求項12】
前記適応的辞書は、最も多く使用されているパッチ配向に最小コードを割り当てる、
請求項
11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2018年9月27日に出願された「パッキング戦略シグナリング(PACKING STRATEGY SIGNALING)」という名称の米国仮特許出願第62/737,610号、及び2018年10月3日に出願された「パッキング戦略シグナリング」という名称の米国仮特許出願第62/740,481号の合衆国法典第35編第119条(e)に基づく優先権を主張するものであり、これらの文献はその全体が全ての目的で本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明は、3次元グラフィックに関する。具体的には、本発明は、3次元グラフィックのマッピングに関する。
【背景技術】
【0003】
ビデオエンコーダを用いた点群圧縮(point cloud compression)の最先端技術は、点群を3Dパッチとして表し、形状の投影によって形成された2D画像及び属性を2Dキャンバスに符号化する。投影された3Dパッチを2D画像にパッキングすることは、3D点群データの2Dマッピングとしても知られている。現在、このプロセスには、パッチ方向が常に固定される、パッチの位置が形状及びテクスチャで同じである、背景充填プロセス(background filling process)がやはり形状及びテクスチャの両方で同じである、などのいくつかの制限がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書では、3D点群の符号化において使用される、キャンバス画像内の2Dパッチのパッキング法をシグナリングする新規方法について説明する。この方法は、信号表現を利用して、パッチが使用すべき配向方法を示す。さらに、各パッチの配向情報を符号化する最適な方法についても説明する。
【0005】
1つの態様では、装置の非一時的メモリにプログラムされる方法が、パッチ配向を決定するステップと、適応的パッキングを実行する際に、デフォルト配向を示すフラグを送信することを含めてパッチ配向情報を送信するステップとを含む。パッチ配向情報を送信するステップは、固定パッチ配向を実行するか、それとも適応的パッキングを実行するかを示すステップを含む。固定パッチ配向は、デフォルト、垂直及び水平という3つのモードを含む。垂直及び水平モードでは、デコーダがパッチを該パッチのサイズに従って回転させて、垂直モードでは最大寸法を垂直に、水平モードでは水平に位置合わせする。適応的パッキングを実行する場合、適応的辞書を利用してパッチ配向を示す。適応的辞書は、パッチ配向使用の統計的分析に基づいて決定される。適応的辞書は、最も多く使用されているパッチ配向に最小コードを割り当てる。
【0006】
別の態様では、装置が、パッチ配向を決定し、適応的パッキングを実行する際に、デフォルト配向を示すフラグを送信することを含めてパッチ配向情報を送信するためのアプリケーションを記憶する非一時的メモリと、メモリに結合されて、アプリケーションを処理するように構成された処理コンポーネントとを備える。パッチ配向情報を送信することは、固定パッチ配向を実行するか、それとも適応的パッキングを実行するかを示すことを含む。固定パッチ配向は、デフォルト、垂直及び水平という3つのモードを含む。垂直及び水平モードでは、デコーダがパッチを該パッチのサイズに従って回転させて、垂直モードでは最大寸法を垂直に、水平モードでは水平に位置合わせする。適応的パッキングを実行する場合、適応的辞書を利用してパッチ配向を示す。適応的辞書は、パッチ配向使用の統計的分析に基づいて決定される。適応的辞書は、最も多く使用されているパッチ配向に最小コードを割り当てる。
【0007】
別の態様では、システムが、パッチ配向を決定するように構成された決定モジュールと、適応的パッキングを実行する際に、デフォルト配向を示すフラグを送信することを含めてパッチ配向情報を送信するように構成された送信モジュールとを備える。パッチ配向情報を送信することは、固定パッチ配向を実行するか、それとも適応的パッキングを実行するかを示すことを含む。固定パッチ配向は、デフォルト、垂直及び水平という3つのモードを含む。垂直及び水平モードでは、デコーダがパッチを該パッチのサイズに従って回転させて、垂直モードでは最大寸法を垂直に、水平モードでは水平に位置合わせする。適応的パッキングを実行する場合、適応的辞書を利用してパッチ配向を示す。適応的辞書は、パッチ配向使用の統計的分析に基づいて決定される。適応的辞書は、最も多く使用されているパッチ配向に最小コードを割り当てる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】いくつかの実施形態による、柔軟なパッチ配向を示す図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、固定パッキングの実装方法を示す図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、パッチ毎の適応の実装方法を示す図である。
【
図4】いくつかの実施形態による、静的ビットモデルで符号化された配向を示す図である。
【
図5】いくつかの実施形態による、適応的データモデルで符号化された配向を示す図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、パッキング戦略シグナリング法のフローチャートである。
【
図7】いくつかの実施形態による、パッキング戦略シグナリング法を実行するように構成された例示的なコンピュータ装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書では、3D点群の符号化において使用される、キャンバス画像内の2Dパッチのパッキング法をシグナリングする新規方法について説明する。この方法は、信号表現を利用して、パッチが使用すべき配向方法を示す。さらに、各パッチの配向情報を符号化する最適な方法についても説明する。
【0010】
2D画像には、形状を表すパッチと、テクスチャなどの属性を表すパッチとが配置される。全体が全ての目的で本明細書に組み入れられる「点群マッピング(POINT CLOUD MAPPING)」という名称の米国特許出願代理人整理番号SONY-71000号に記載されるように、パッチは、2Dキャンバス内に配置する前に、より効率的なパッキングのために回転又はミラーリングすることができる。パッチの配向情報は、エンコーダによってパッチ毎にデコーダにシグナリングされる。本明細書では、柔軟な配向手法の効率を高めるシグナリング法について説明する。この送信方法は、配向をパッチ毎に適応的に送信する方法と、固定されて配向情報をパッチ毎に送信しないその他の方法とに分かれる。
【0011】
固定されたパッチ毎の配向では、パッチの配向がデコーダによって導出され、従って追加情報は送信されない。本明細書では、デコーダがパッチを回転させることができないデフォルトモード、及びデコーダがパッチをそのサイズに従って回転させて最大寸法を垂直/水平のいずれかに位置合わせする垂直/水平モードという3つのモードを開示する。適応的なパッチ毎の配向では、最も可能性の高い配向が単一のフラグで符号化され、残りのモードの符号化には適応的辞書(adaptive dictionary)が使用される。
【0012】
図1に、いくつかの実施形態による柔軟なパッチ配向を示す。従来の実装とは異なり、パッチは、回転、ミラーリング、又は別様に再配向することができる。例えば、8つの異なるパッチ配向が存在するが、あらゆる数の配向が可能である。この例をさらに進めると、#0はデフォルト配向であり、#1はデフォルトを時計回りに180度回転させたものであり、#2はデフォルトを時計回りに90度回転させたものであり、#3はデフォルトを反時計回りに90度回転させたものであり、#5はデフォルトを水平にミラーリングしたものであり、#6はデフォルトを垂直にミラーリングしたものであり、#7はデフォルトを時計回りに90度回転させて垂直にミラーリングしたものであり、#8はデフォルトを反時計回りに90度回転させて垂直にミラーリングしたものである。パッチは、配向することによってより緊密にパッキングすることができ、これによってメモリが節約され、より効率的な圧縮が可能になる。例示的なコードは以下を含む。
表1
【0013】
図2に、いくつかの実施形態による固定パッキングの実装方法の図を示す。上記の表に示すように、アンカー、水平及び垂直は、全て固定パッキングの実装である。アンカーでは、パッチ配向が変化しない。水平では、サイズU0がV0未満である場合に軸が入れ替わり、そうでなければ何も行われない。垂直では、サイズV0がU0未満である場合に軸が入れ替わり、そうでなければ何も行われない。デコーダがパッチ配向を判定することができるので、パッチ毎に追加のメタデータは不要である。
【0014】
図3に、いくつかの実施形態によるパッチ毎の適応の実装方法の図を示す。パッチの配向を示すために、パッチ毎に配向情報が送信される。配向情報は、パケット内のフラグとして送信することができる。以下は、各配向の例示的なフラグである。
0又は000:回転又は反転(flipping)なし:u’=u、v’=v
1又は001:時計回りに180度回転:u’=U-u、v’=V-v
2又は010:時計回りに90度回転:u’=V-v、v’=u
3又は011:反時計回りに90度回転:u’=v、v’=U-u
4又は100:水平にミラーリング:u’=U-u、v’=v
5又は101:垂直にミラーリング:u’=u、v’=V-u
6又は110:時計回りに90度回転して垂直にミラーリング:u’=V-v、v’=U-u
7又は111:反時計回りに90度回転して垂直にミラーリング:u’=v、v’=u。
【0015】
上記に示すように、配向は3ビットを使用して2進法で表すことができる。
【0016】
図4に、いくつかの実施形態による、静的ビットモデルで符号化された配向を示す。静的ビットモデルでは、各配向にビット列又はコードが割り当てられ、このコードは変化しない。
【0017】
図5に、いくつかの実施形態による、適応的データモデルで符号化された配向を示す。フラグは最も一般的な配向(例えば、アンカー回転(又はその欠如))を示すことができ、その他の配向は(例えば、統計/確率分析法に基づく)適応的データモデルで符号化することができる。例えば、使用される最も一般的な配向が(回転又はミラーリングされない)配向#0である場合、パッチがこの配向であることを示すためにフラグを送信することができる(例えば、フラグ=0は不変の配向を示し、フラグ=1は、配向が他の7つの配向のうちの1つであることを示す)。そしてフラグの後の3ビットが配向を示し、この場合、各配向のビットコードは確率又は別のスキームに基づいて決定することができる。例えば、2番目に一般的な配向が配向#2である場合、配向#2のビットコードは000であり、3番目に一般的な配向が配向#1である場合、配向#3のビットコードは001であり、以下同様である。この例をさらに続けると、パッチ1は不変の配向を有するため0が送信され、パッチ2は配向#2であるため、1が送信された後に000が続き、以下同様である。
【0018】
【0019】
図6に、いくつかの実施形態によるパッキング戦略シグナリング法のフローチャートを示す。ステップ600において、2Dキャンバス上でパッチを配向する。パッチ配向は、どの配向が2Dキャンバス上の空間量を最小化するかを判定すること、テトリス様の手法を利用すること、或いは長さ又は幅のどちらが大きいかを判定して常に一方が大きくなるようにパッチを調整することなどによるいずれかの方法で決定することができる。ステップ602において、(例えば、エンコーダがデコーダに)パッチ配向情報を送信する。パッチ配向情報の送信は、ヘッダに含めることなどのいずれかの方法で実行することができる。パッチ配向は、固定パッキング、適応的パッキング、又はこれらの両方を使用して適用することができる。いくつかの実施形態では、固定パッキングが実装されるか、それとも適応的パッキングが実装されるかがパッチ毎に示される。パッチに固定パッキングが実装される場合には、デコーダがパッチ配向を判定する。パッチに適応的パッキングが実装される場合には、配向情報をnビット(例えば、3又は4ビット)で送信することができる。いくつかの実施形態では、適応的パッキングがフラグを利用してアンカー回転を示し、他の配向は適応的データモデルで符号化される。
【0020】
いくつかの実施形態では、方法が、これよりも少ない又はさらなるステップを含む。例えば、方法は、3D形状の取得、3Dパッチの生成、3Dパッチの対応付け、一致する3Dパッチの動き補償及び2D動き補償といったステップを含む。いくつかの実施形態では、固定パッキングを利用する際のパッチ配向の判定又は適応的パッキングの復号などのデコーダ側のステップも同様に実行される。いくつかの実施形態では、ステップの順序が変更される。
【0021】
図7に、いくつかの実施形態によるパッキング戦略シグナリング法を実装するように構成された例示的なコンピュータ装置のブロック図を示す。コンピュータ装置700は、3Dコンテンツを含む画像及びビデオなどの情報の取得、記憶、計算、処理、通信及び/又は表示のために使用することができる。コンピュータ装置700は、パッキング戦略シグナリング法の態様のいずれかを実装することができる。一般に、コンピュータ装置700を実装するのに適したハードウェア構造は、ネットワークインターフェイス702、メモリ704、プロセッサ706、(単複の)I/O装置708、バス710及び記憶装置712を含む。プロセッサの選択は、十分な速度の好適なプロセッサを選択する限り重要ではない。メモリ704は、当業で周知のいずれかの従来のコンピュータメモリとすることができる。記憶装置712は、ハードドライブ、CDROM、CDRW、DVD、DVDRW、高精細ディスク/ドライブ、ウルトラHDドライブ、フラッシュメモリカード、又はその他のいずれかの記憶装置を含むことができる。コンピュータ装置700は、1又は2以上のネットワークインターフェイス702を含むことができる。ネットワークインターフェイスの例としては、イーサネット又は他のタイプのLANに接続されたネットワークカードが挙げられる。(単複の)I/O装置708は、キーボード、マウス、モニタ、画面、プリンタ、モデム、タッチ画面、ボタンインターフェイス及びその他の装置のうちの1つ又は2つ以上を含むことができる。記憶装置712及びメモリ704には、パッキング戦略シグナリング法を実装するために使用される(単複の)パッキング戦略シグナリングアプリケーション730が記憶されて、アプリケーションが通常処理されるように処理される可能性が高い。コンピュータ装置700には、
図7に示すものよりも多くの又は少ないコンポーネントを含めることもできる。いくつかの実施形態では、パッキング戦略シグナリングハードウェア720が含まれる。
図7のコンピュータ装置700は、パッキング戦略シグナリング法のためのアプリケーション730及びハードウェア720を含むが、パッキング戦略シグナリングは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらのあらゆる組み合わせでコンピュータ装置上に実装することもできる。例えば、いくつかの実施形態では、パッキング戦略シグナリングアプリケーション730がメモリにプログラムされ、プロセッサを用いて実行される。別の例として、いくつかの実施形態では、パッキング戦略シグナリングハードウェア720が、パッキング戦略シグナリング法を実行するように特別に設計されたゲートを含むプログラムされたハードウェアロジックである。
【0022】
いくつかの実施形態では、(単複の)パッキング戦略シグナリングアプリケーション730が、複数のアプリケーション及び/又はモジュールを含む。いくつかの実施形態では、モジュールが、1又は2以上のサブモジュールも含む。いくつかの実施形態では、これよりも少ない又はさらなるモジュールを含めることもできる。
【0023】
いくつかの実施形態では、パッキング戦略シグナリングハードウェア720が、レンズ、イメージセンサ及び/又は他のいずれかのカメラコンポーネントなどのカメラコンポーネントを含む。
【0024】
好適なコンピュータ装置の例としては、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、コンピュータワークステーション、サーバ、メインフレームコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、携帯情報端末、セルラ/携帯電話機、スマート家電、ゲーム機、デジタルカメラ、デジタルカムコーダ、カメラ付き電話機、スマートホン、ポータブル音楽プレーヤ、タブレットコンピュータ、モバイル装置、ビデオプレーヤ、ビデオディスクライタ/プレーヤ(DVDライタ/プレーヤ、高精細ディスクライタ/プレーヤ、超高精細ディスクライタ/プレーヤなど)、テレビ、家庭用エンターテイメントシステム、拡張現実装置、仮想現実装置、スマートジュエリ(例えば、スマートウォッチ)、車両(例えば、自動走行車両)、又はその他のいずれかの好適なコンピュータ装置が挙げられる。
【0025】
本明細書で説明したパッキング戦略シグナリング法を利用するには、装置が3Dコンテンツを取得又は受信し、3Dコンテンツの正しい効率的な表示を可能にするのに最適な方法でコンテンツを処理及び/又は送信する。パッキング戦略シグナリング法は、ユーザの支援を伴って、又はユーザの関与を伴わずに自動的に実行することができる。
【0026】
動作中、パッキング戦略シグナリング法は、送られる情報が大幅に少なくなるようにデータを圧縮することを含めて3Dコンテンツをより効率的に処理する。分析では、パッキング戦略シグナリング法を実行することによって3Dコンテンツを送信するビットレートが改善されたことが示された。
【0027】
パッキング戦略シグナリングの実施形態
1.装置の非一時的メモリにプログラムされる方法であって、
パッチ配向を決定するステップと、
適応的パッキングを実行する際に、デフォルト配向を示すフラグを送信することを含めてパッチ配向情報を送信するステップと、
を含む方法。
【0028】
2.パッチ配向情報を送信するステップは、固定パッチ配向を実行するか、それとも適応的パッキングを実行するかを示すステップを含む、条項1の方法。
【0029】
3.固定パッチ配向は、デフォルト、垂直及び水平という3つのモードを含む、条項2の方法。
【0030】
4.垂直及び水平モードでは、デコーダがパッチを該パッチのサイズに従って回転させて、垂直モードでは最大寸法を垂直に、水平モードでは水平に位置合わせする、条項3の方法。
【0031】
5.適応的パッキングを実行する場合、適応的辞書を利用してパッチ配向を示す、条項1の方法。
【0032】
6.適応的辞書は、パッチ配向使用の統計的分析に基づいて決定される、条項5の方法。
【0033】
7.適応的辞書は、最も多く使用されているパッチ配向に最小コードを割り当てる、条項6の方法。
【0034】
8.
パッチ配向を決定し、
適応的パッキングを実行する際に、デフォルト配向を示すフラグを送信することを含めてパッチ配向情報を送信する、
ためのアプリケーションを記憶する非一時的メモリと、
メモリに結合されて、アプリケーションを処理するように構成された処理コンポーネントと、
を備える装置。
【0035】
9.パッチ配向情報を送信することは、固定パッチ配向を実行するか、それとも適応的パッキングを実行するかを示すことを含む、条項8の装置。
【0036】
10.固定パッチ配向は、デフォルト、垂直及び水平という3つのモードを含む、条項9の装置。
【0037】
11.垂直及び水平モードでは、デコーダがパッチを該パッチのサイズに従って回転させて、垂直モードでは最大寸法を垂直に、水平モードでは水平に位置合わせする、条項10の装置。
【0038】
12.適応的パッキングを実行する場合、適応的辞書を利用してパッチ配向を示す、条項8の装置。
【0039】
13.適応的辞書は、パッチ配向使用の統計的分析に基づいて決定される、条項12の装置。
【0040】
14.適応的辞書は、最も多く使用されているパッチ配向に最小コードを割り当てる、条項13の装置。
【0041】
15.
パッチ配向を決定するように構成された決定モジュールと、
適応的パッキングを実行する際に、デフォルト配向を示すフラグを送信することを含めてパッチ配向情報を送信するように構成された送信モジュールと、
を備えるシステム。
【0042】
16.パッチ配向情報を送信することは、固定パッチ配向を実行するか、それとも適応的パッキングを実行するかを示すことを含む、条項15のシステム。
【0043】
17.固定パッチ配向は、デフォルト、垂直及び水平という3つのモードを含む、条項16のシステム。
【0044】
18.垂直及び水平モードでは、デコーダがパッチを該パッチのサイズに従って回転させて、垂直モードでは最大寸法を垂直に、水平モードでは水平に位置合わせする、条項17のシステム。
【0045】
19.適応的パッキングを実行する場合、適応的辞書を利用してパッチ配向を示す、条項15のシステム。
【0046】
20.適応的辞書は、パッチ配向使用の統計的分析に基づいて決定される、条項19のシステム。
【0047】
21.適応的辞書は、最も多く使用されているパッチ配向に最小コードを割り当てる、条項20のシステム。
【0048】
本発明の構成及び動作の原理を容易に理解できるように、詳細を含む特定の実施形態に関して本発明を説明した。本明細書におけるこのような特定の実施形態及びこれらの実施形態の詳細についての言及は、本明細書に添付する特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。当業者には、特許請求の範囲によって定められる本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、例示のために選択した実施形態において他の様々な修正を行えることが容易に明らかになるであろう。
【符号の説明】
【0049】
600 パッチを配向
602 パッチ配向情報を送信