(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-22
(45)【発行日】2022-12-01
(54)【発明の名称】臀部と臀部周辺マットを洗浄する排泄の出来る介護用ベッド。
(51)【国際特許分類】
A61G 7/02 20060101AFI20221124BHJP
A61G 7/16 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
A61G7/02
A61G7/16
(21)【出願番号】P 2022132111
(22)【出願日】2022-08-02
【審査請求日】2022-08-02
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596175463
【氏名又は名称】渡邊 諒吉
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 諒吉
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-29343(JP,A)
【文献】実開平7-21029(JP,U)
【文献】実開平7-34821(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0017964(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-0842565(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第107307955(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/02,7/015,7/053,7/16
A61G 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドが起伏し肘掛の形状をした手摺りが付いた椅子状に変化して、臀部部分マットが開閉する排泄洗浄の出来る電動式介護用ベッドであって臀部部分マットの開閉は、全開と全閉及び半開と少開が選択出来る様にしており、臀部部分マットの下方に水洗便器に類する飛散防止カバーを設置してあって上昇及び下降する様にしていて、該カバー周縁の上面は、後方の一部を除いてベッドが椅子状に変化した時の臀部側マット部分から臀部側寄りの背側マット部分の一部にかけてのマット底板面と一致する傾斜及び形状で防水緩衝材を取り付けており、そして臀部側マット部分及びベッド起伏時に折れ曲がるマットの部分と、これに連なって該部分を支え折れ曲がり変形圧力等を吸収して保持するのに必要なマットの部分は、柔軟性を有する反発弾性耐水材質であって外周及び掛け止め固定部等一部を除き垂直又は垂直に準ずる方向に多数の穴が空いており、また飛散防止カバーの範囲内の位置にある穴空きマット部分の底板にも多数の穴を空けてあり、それから洗浄湯水噴射装置と乾燥風発生送風装置を備え、湯水洗浄用と乾燥風用の噴射口または噴射ノズルを複数配設してベッド利用者の排泄物出口周辺及び開閉マットを含む臀部周辺マットを複数の方向から洗浄し乾燥させる様にし、排泄の大小や洗浄箇所に応じて吹き付ける噴射口または噴射ノズルを選択出来る様にしており、そして更に背側マット部分と臀部側マット部分と足側マット部分からなって連なるベッドの起伏及び復帰作動支点を臀部側マット部分の底板側に設け、加えて、ベッドの起伏及び復帰作動に応じて屈伸し起伏時に肘掛形状に変化する足側マット部分の両横端延長部と連結の手摺り板を、背側マット部分の適宜位置に繋いで連携して連動させる様にし、また同様に連動して背側及び足側夫々のマット部分の底板側を回転部が転がり動きながら押し上げ又は下支えして起伏角度の増減の補助及び補完作動をする転動支持点機構を設けてあって、臀部側と背側両マット部分との屈曲部を下降させる事により臀部側マット部分は傾斜し、そして転動支持点機構の作動により背側マット部分の頭側は起き上がり且つ、足側マット部分の足先方向は下降してL状に折れ曲がり、マットに伏した状態であった足側マット部分両横端部の延長部と連結の手摺り板が上昇し肘掛形状に変化するもので、その後、下降した臀部側と背側両マット部分との屈曲部を上昇させると起伏時とは逆に連動作動し平坦なマットに復帰する機構にしてあり、そして尚、足側マット部分の両横及び足先側のベッド台枠の三方夫々を開閉又は着脱が可能にしており、また椅子状に変化したベッドから立ち上がる際には、連動作動連結部を切り離して連動復帰作動を遮断し、下降した臀部側と背側両マット部分との屈曲部を上昇させて臀部を押し上げ、ベッド利用者が肘掛形状の手摺りで身体を支えつつ起き上がるのをサポート出来る様にしている、ベッドとベッド外との移動の負担を軽減して、マットの起伏作動を円滑にして尚且つ洗浄能力を高めた排泄洗浄の出来る介護用ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肘掛手摺り付きの椅子状に変化するベッドであって、臀部及び臀部周辺のマットを複数の方向から湯水噴射洗浄する様にしている排泄が出来る介護用ベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
介護を要する身体の不自由な人達のオムツによる排泄処理は、介護分野に於いて苦痛と負担を強いる困難な問題であり、多くの関係者がこの問題を解決すべく様々な提案が数多くなされている。
【0003】
臀部にオムツ状の専用パッドを装着し、排泄物の吸引と洗浄と乾燥を自動で行う自動排泄処理装置を用いる方法がある。
【0004】
そして、ベッドが椅子状に変化して臀部部分マットが開閉し便座になり、下側に設けた水洗便器等に排泄し洗浄するという、排泄の出来る介護用ベッドの提案も多い。
【0005】
以上の他、様々な提案があるものの現在に於いて未だ多くが、オムツやポータブルトイレ等による排泄処理に頼っているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】JP2001258955A
【文献】特開2006-212377
【非特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
自動排泄処理装置は優れているが、専用パッドの着脱を煩わしく感じる人は多い。
【0009】
また、ベッドが椅子状に変化して臀部部分のマットが開閉し便座になる洗浄機能を備えたトイレ付き介護用ベッドは、提案して凡そ二十年になるが、被介護者故のオムツなど下着の上げ下げの難しさや、排泄姿勢や洗浄効果不足や、厚みの有るマットの開閉方法の問題点が改善されないまま今日に至り、未だ広く普及するには至ってない。
【0010】
本発明はこれらの状況を鑑みて、洗浄機能を備えたトイレ付き介護用ベッドの普及を図るため、普及を妨げる要因を無くしてオムツの使用を廃止出来る様に、マットの起伏作動及び臀部部分マットの開閉方法をシンプルな機構にし、素早く容易に排泄が出来て尚且つ、洗浄能力も備わり、ベッドとベッド外との移動を容易に出来る介護用ベッドを実現させるためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するため、臀部側マット部分(3)及びベッド起伏時に折れ曲がるマットの部分(10)と、これに連なって該部分を支え保持するために必要なマットの部分(11)を、柔軟性を有する反発弾性耐水材質にして外周及び掛け止め固定部などを除いて垂直又は垂直に準ずる方向に多数の穴の空いたマットにし、ベッドが椅子状に変化した時に飛散防止カバー(15)の範囲内の位置にある穴空きマット部分の底板にも多数の穴を空けた。
【0012】
そして第2の解決手段として、背側マット部分(2)と臀部側マット部分(3)と足側マット部分(4)の三つのマット部分からなるベッドの起伏及び復帰作動支点(1)を、臀部側マット部分底板側の適宜位置に設け、背側と臀部側両マット部分とのマット屈曲部(14)を下降及び上昇復帰させ連動作動する機構にした。
【0013】
また第3の解決手段として、ベッドの起伏及び復帰作動に応じて屈伸し起伏時に肘掛形状に変化する足側マット部分両横端部の延長部(18)と連結の手摺り板(9)を、背側マット部分(2)の適宜位置に繋いでベッドの起伏及び復帰作動を連携して連動させる様にした。
【0014】
それから第4の解決手段として、背側と臀部側両マット部分との屈曲部(14)が下降または上昇復帰作動する際、これに連動しベッド縦方向に往復移動するコの字型材(19)やリンク(20)を介して背側及び足側夫々のマット部分のマット底板側を、足側用と背側用の夫々の転動支持点回転部(6)が、転がり動きながら押し上げ又は下支えしてベッドの起伏及び復帰作動支点(1)との距離を変化させる等により、ベッド起伏角度の増減を補助及び補完作動する転動支持点機構を、ベッド台枠(5)の両横下部に設けた。
【0015】
そして第5の解決手段として、臀部部分マット(12)の開閉を全開全閉のみならず半開及び少開も選択出来る様にし、座式水洗便器に類する洗浄湯水等の飛散防止カバー(15)を、ベッドが椅子状に変化した時に臀部の大排泄物出口の位置に相当するマットの部分が真上になる様に臀部部分マット(12)の下方に備え付け、更に飛散防止カバー上面は一部を除いて臀部側マット部分から臀部寄りの背側マット部分(2)の一部に及ぶ範囲のマット底板面と一致する傾斜及び形状にして防水緩衝材(17)を取り付け、尚更に、昇降装置(21)を備えて飛散防止カバー(15)が上昇及び下降する様にして形状一致の保全と漏水対策を施した。
【0016】
そしてまた第6の解決手段として、洗浄湯水噴射装置(7)と乾燥風発生送風装置(8)を備え付け、洗浄湯水用と乾燥風送風用の噴射口及び噴射ノズルを飛散防止カバー(15)の内側周辺など適宜の位置に複数配設し、洗浄目的に応じて噴射口及び噴出ノズルを選べる様にした。
【0017】
それから第7の解決手段として、ベッドが起伏して椅子状に変化する際には足側マット部分(4)が下降しL状に折れ曲がり、また臀部側マット部分(3)の両横で伏した状態になっていた足側マット部分両横端部の延長部(18)と連結の手摺り板(9)が屈曲して上昇し肘掛形状になり身体を支えられる機構にし、更に足側マット部分(4)両横と前側のベッド台枠(5)の三方夫々を開閉又は着脱が出来る様にした。
【0018】
そして尚第8の解決手段として、ベッド利用者が立ち上がる際には、低く傾斜している臀部側マット部分(3)が上昇して臀部を押し上げる機構にした。
【0019】
上記第1の問題解決手段による作用は、臀部側マット部分(3)と折れ曲がるマット部分(10)等を垂直又は垂直に準ずる方向に多数の穴が空いた柔軟な反発弾性耐水材質にする事で、マットは鋭角にも屈曲が可能となりマットの起伏作動が円滑行われ、臀部部分マットの開閉方法はベッド利用者の臀部皮膚等の痛痒を防ぐための複雑な開閉機構は不要となり、そして又マットの濡れを気にせずに排泄後の身体排泄物出口周辺に向け複数の方向から洗浄湯水の噴射が可能で、そのうえ臀部周辺マットにも洗浄湯水を噴射し洗浄する事が出来て洗浄効果は格段に向上する。
【0020】
次に、第2乃至第4の解決手段による作用は、起伏及び復帰作動支持点(1)を設け、肘掛形状に変化する足側マット部分両横端部の延長部(18)と連結の手摺り板(9)を、背側マット部分(2)に繋いで連携させ、これらと転動支持点機構のコの字型材(19)及びリンク(20)など用い組み合わせる事により、一個のアクチュエターのみでベッドの起伏及び復帰作動を連動させる事が出来る様になる。そして更に、椅子状になったベッド上の身体は臀部が低く膝は曲がって排泄に適した姿勢になる。
【0021】
また第5及び第6の問題解決手段による作用は、複数の噴射口及び噴出ノズルを適宜の位置に配設する事により、身体の大小排泄物の出口周辺及び該周辺マットに向けて複数の方向から洗浄し乾燥させ排泄の大小や洗浄箇所に応じた対応が出来て、臀部部分マット(12)の開閉角度を選択して開閉マット自体の洗浄も可能となり身体とマットを清潔に保てる様になる。またベッドが椅子状に変化した状態のマット底板の形状と一致した飛散防止カバー(15)を備え付けて洗浄湯水類を漏れなく回収して後は、ベッド据え付け場所の状況に応じて既存の技術で水洗トイレや浄化槽や下水道等に移送し処理出来る。
【0022】
それから第7と第8の問題解決手段による作用は、椅子状に変化したベッドからベッド外に移動する際には、臀部を押し上げて肘掛形状の手摺り板(9)で身体を支え立ち上がるのをサポートし、足元が低く又解放されているベッドから歩行移動が可能となりベッド外移動の負担を軽減できる。
【発明の効果】
【0023】
上述した様に、本発明による介護用ベッドを使用する事により、被介護者が排泄したいと思った時は、シンプルにマットが起伏して臀部側マット部分(3)が傾いて臀部は低く排泄に適した姿勢になり、また、臀部の位置が低く傾斜する事で洗浄湯水を吹き付ける的が狙い易く、さらに湯水噴射洗浄後の汚れた湯水等飛沫も重力に従い下方に落下し易くなるので排泄後は、身体の排泄物出口周辺に向け複数の方向からマットの濡れを気にせずに、周辺のマット諸共に洗浄湯水を噴射させ排泄物を洗浄して身体とマットを清潔にし、且つ、乾燥させ、寝具というベッド本来の役目を果たせる。加えて、足元が解放されており立ち上がり補助機能も備わってベッドとベッド外との移動の負担が軽くなる。
【0024】
また、被介護者にとって煩わしい排泄時に於けるオムツなど下着の、上げ下げ及び脱衣着衣の問題点は、オムツに代わる穴あき介護用パンツを着用すれば解決されるので、これで洗浄機能を備えた排泄の出来る介護用ベッドの普及を妨げる要因は解消される事になり、オムツにまつわる被介護者及び介護関係者の苦痛と負担は無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】ベッドが椅子状に変化した時の、本発明介護用ベッドの斜視図
【
図2】
図1の状態時における主な起伏機構を示す斜め下からの該ベッドの斜視図
【
図3】飛散防止カバーの位置関係を示す
図2の側面図
【
図4】
図3に示すマットの状態が通常のマットの状態に戻る直前の側面図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、発明を実施するための形態を実施例に基づいて図面を参照にして説明する。
【0027】
臀部側マット部分(3)及びベッド起伏時に折れ曲がるマットの部分(10)等を、外周及び掛け止め固定部を除き、多数の穴の空いた柔軟で反発弾性耐水材質の物にしてベッドが椅子状に変化した時に飛散防止カバー(15)に収まる範囲の位置にある穴空きマットのマット底板は金網状の防錆材質のものを採用した。このマット穴の形は、丸形に限らず他の形でも良いし数量や径や形が必ずしも均一または同一でなくても良いし、マット底板の穴と同一でなくても良い。また、開閉マット部分の形は、卵形や楕円形に限らず長方形や台形などでも良い。
図1及び
図2参照。
【0028】
また、ベッドの起伏及び復帰作動支点(1)を臀部側マット部分(3)の底板側に設け、臀部側と背側両マット部分との屈曲部(14)を下降作動させる様にし、更に、ベッドの起伏及び復帰作動に応じて屈伸し起伏時に肘掛形状の手摺りに変化する足側マット部分両横端部の延長部(18)と連結の手摺り板(9)を、背側マット部分(2)の両横端部の釣り合う位置に繋いでマットの起伏及び復帰作動を連携させる様にした。
図1参照。
【0029】
また、ベッドが起伏及び復帰作動する際に、コの字型材(19)の移動に伴って背側及び足側両マット部分夫々のマット底板側を、足側用と背側用夫々の転動支持点回転部(6)が転がりながら夫々を押し上げ又は下支えして、ベッドの起伏角度の増減を補助し補完する転動支持点機構を、ベッド両横のベッド台枠(5)下部に設けた。
図2参照。
【0030】
これらにより、一つのアクチュエターで背側と臀部側両マット部分との屈曲部(14)を下降させると、同時にコの字型材(19)がベッドの足側方向に移行作動し、リンク(20)を介して背側マット部分用の転動支持点回転部(6)が背側マット部分(2)を押し上げつつ上昇させ、足側マット部分用の転動支持点回転部(6)は足側マット部分(4)を支えつつ下降し、これと並行してリンクの役目をする手摺り板(9)が連携して背側マット部分(2)に押され上昇しながら足側マット部分両横端部の延長部(18)を押し続けて、足側マット部分(4)を押し下げ足先方向部分は床面近くで床面またはストッパー部に干渉してL状に折れ曲がり、これにより伏して直線状態であった手摺り板(9)は上昇し足側マット部分の延長部(18)と相俟って肘掛形状となり身体の支えとなる。この転動支持点機構に於いて、コの字型材を二段にしてラックギアとピニオンギアを組み合わせ、上下二段のコの字型材の移向方向を相反する様にしても良い。
【0031】
尚、ここの起伏及び復帰作動支点(1)は、臀部側マット部分(3)底部全長の二等分の位置であってもなくても良いが中央寄りに該支点(1)を設けると臀部側と足側両マット部分との屈曲部(13)の上昇幅が大きくなり、飛散防止カバー上面の形状をこれに合わせるとベッドが平坦なマットに復帰した時に足先方向側の飛散防止カバー(15)上面とマット底板が干渉するので飛散防止カバーの上昇及び下降作動が必要となり、逆に足側マット部分(4)に近い位置か又は端部に該支点(1)を設ければその必要はないが排泄姿勢で膝の曲がりは浅くなるので昇降装置(21)を設置する様にした。尚、説明の便宜上で専用のアクチュエアーを用いた図で示したが、起伏及び復帰作動用のコの字型材(19)にリンク等を介して連動作動で上下移動する様にした方が良い。
図3参照。
【0032】
また、マットの起伏とはベッドの起伏と同じ意味であり、そしてベッドの起伏及び復帰作動の連動用コの字型材(19)は、ベッド中央位置にある飛散防止カバー(15)を避ける型であればUの字またはロの字型材でも他の型材でも良い。
【0033】
次に、ベッドが椅子状に変化した時に臀部の大排泄物出口の真下が中心になる様に、臀部部分マット(12)の下方に水洗便器に類する飛散防止カバー(15)を備え付けて上昇及び下降する様にし、且つ上面を、一部を除いて臀部側マット部分(3)の底板面から臀部寄りの背側マット部分(2)の一部までの底板面と一致する傾斜と形状にし、防水緩衝材(17)を取り付けて一致性の保全と漏水対策を施し開閉マット部分が全開しても収まる大きさにして洗浄湯水や排泄物汚水類を受け止めてベッドの下方に排出し、状況に応じて浄化槽や水洗トイレ等に接続出来る様にした。そして臀部部分マット(12)の開閉度を選択出来る様にして排泄の大小に応じ又、臀部部分マットの洗浄及び臀部側マット部分(3)及び臀部側と背側両マット部分との屈曲部(14)のマット部分の洗浄を可能にした。ここの開閉マット部分の開閉方法はマットの柔軟弾性の特性を活かし両開き式とし、手動又は電動で開閉作動させる機構にした。
図1及び
図3参照。
【0034】
そしてまた、ベッドの頭側柵枠の傍に洗浄湯水噴射装置(7)と乾燥風発生送風装置(8)を備え付け、湯水洗浄用と乾燥風用の噴射口及び噴出ノズルを飛散カバー内側周辺などに複数配設した。また足側マット部分の横側及び足先方向のベッド台枠(5)三方を、扉式または取り外しの出来る差し込み式にしてベッド外に歩行移動し易くした。
図1参照。
【0035】
尚更に、臀部側と背側両マット部分との屈曲部(14)と、連動用のコの字型材(19)をリンク(20)で繋いであるがコの字型材側の連動作動連結部(16)を、接続と切り離しの切り替えが出来る様にして、該屈曲部(14)のみを上昇作動させて転動支点機構は作動停止させ、臀部を押し上げ椅子状になったベッドから立ち上がるのをサポートする様にした。
図3参照。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係る介護用ベッドは、工業的に量産する事が可能であるため、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0037】
1 起伏及び復帰作動支点
2 背側マット部分
3 臀部側マット部分
4 足側マット部分
5 ベッド台枠
6 転動支持点回転部
7 洗浄湯水噴射装置
8 乾燥風発生送風装置
9 手摺り板
10 折れ曲がるマットの部分
11 支え保持するのに必要なマットの部分
12 臀部部分マット
13 臀部側と足側両マット部分の屈曲部
14 臀部側と背側両マット部分の屈曲部
15 飛散防止カバー
16 連動作動連結部
17 防水緩衝材
18 足側マット部分両横端部の延長部
19 コの字型材
20 リンク
21 昇降装置
【要約】
【課題】介護を要する人達の排泄処理をオムツに頼らず、介護用ベッドの上で排泄と洗浄が手軽に出来て、ベッド外移動の負担を軽くするベッドを提供する。
【解決手段】ベッドが起伏して、肘掛形状の手摺り付き椅子の形状に変化する臀部部分のマットが開閉する排泄洗浄の出来る電動式介護用ベッドであって、起伏時に折れ曲がるマットの部分(10)等を、多数の穴が開いた柔軟弾性耐水材質にしてマットの起伏作動を単純化し、そしてベッドの起伏及び復帰作動支点(1)を臀部側マット部分(3)の底板側に設けて、身体臀部が下降して排泄に適した体勢になる様にしてあり、排泄後は身体臀部の排泄物出口周辺及び臀部の周辺マットに向けて、洗浄湯水及び乾燥風を複数の方向から吹き付けて身体及びマットを清潔に出来る様にした、臀部側マット部分(3)が傾斜下降する介護用ベッドを提供して、この課題を解決する。
【選択図】
図1