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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-22
(45)【発行日】2022-12-01
(54)【発明の名称】液晶乳化物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/06 20060101AFI20221124BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20221124BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20221124BHJP
A61K 8/55 20060101ALI20221124BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20221124BHJP
A61Q 1/14 20060101ALI20221124BHJP
【ＦＩ】
A61K8/06
A61K8/34
A61K8/37
A61K8/55
A61K8/86
A61Q1/14
【請求項の数】
5
(21)【出願番号】P 2021018356
(22)【出願日】2021-02-08
(65)【公開番号】P2022121164
(43)【公開日】2022-08-19
【審査請求日】2021-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】594197757
【氏名又は名称】株式会社アイテック
(74)【代理人】
【識別番号】100201879
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 大輝
(72)【発明者】
【氏名】西岡 佳世乃
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】特開２０１４－００９２５９（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０１８－０７０４７０（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２００６－０６９９７９（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２００９－１６７１４６（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２００５－３５０３７８（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０１９－１３７６１１（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０１７－１７８９３０（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２００６－２６５１５３（ＪＰ，Ａ）
【文献】米国特許出願公開第２００２／０１４６３７５（ＵＳ，Ａ１）
【文献】国際公開第２０１７／１５９２４９（ＷＯ，Ａ１）
【文献】国際公開第２００２／０７８６５０（ＷＯ，Ａ１）
(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)
Ａ６１Ｋ ８／００－８／９９
Ａ６１Ｑ １／００－９０／００
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
（Ａ）成分１０重量部以上と（Ｂ）成分１０～２９．８重量部と（Ｃ）成分０．２～５重量部と（Ｄ）成分６０～７５重量部とを含有し、前記（Ｂ）成分と前記（Ｄ）成分との配合量の和が８５重量部以上であるとともに、
前記（Ｂ）成分はＨＬＢ値が１３以上である親水性界面活性剤（ｂ１）とアルキル基の炭素数が１８以上の多鎖型であってＨＬＢ値が６以下である親水性界面活性剤（ｂ２）とを含み、下記式（ｉ）に示される前記（Ｂ）成分における平均ＨＬＢ値が９．０以下である
ことを特徴とする温感液晶乳化物。
（Ａ）：油剤
（Ｂ）：界面活性剤
（Ｃ）：リン脂質
（Ｄ）：多価アルコール
【数1】
【請求項2】
前記（Ｃ）成分のリン脂質が水添レシチン又はリゾレシチンである請求項１に記載の温感液晶乳化物。
【請求項3】
前記（Ａ）成分に高級アルコールが含有され、前記高級アルコールの添加量が１０重量部未満である請求項１又は２に記載の温感液晶乳化物。
【請求項4】
前記温感液晶乳化物に溶媒が含有され、前記温感液晶乳化物の全重量に対して溶媒が１０重量部以下添加されてなる請求項１ないし３のいずれか１項に記載の温感液晶乳化物。
【請求項5】
前記温感液晶乳化物が、クレンジング化粧料である請求項１ないし３のいずれか１項に記載の温感液晶乳化物。【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレンジング用化粧料に用いられる液晶乳化物に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、メイク落としのためのクレンジング用化粧料は、クレンジング用化粧料を皮膚になじませて、皮膚上に残存するメイクアップ用化粧料を溶解ないし分散させるために用いられる。そして、クレンジング用化粧料を水で流したり、拭き取ることによって皮膚から取り除いてメイク落としを行う。
【0003】
しかし、クレンジング用化粧料は皮膚から完全に除去することは容易ではなく、洗い流しが手間であったり、拭き取りによる皮膚への負担が懸念されることがある。そこで、メイクアップ用の化粧料になじみやすく、かつ水洗性に優れたジェルタイプの液晶型化粧料用組成料が提案されている（例えば、特許文献１参照。）。いわゆる液晶型メイク落としといわれるクレンジング用化粧料は、洗浄力（メイク落とし力）が高く、水洗性が良好であるといわれ、クレンジング用化粧料として優れた特性を有するといわれている。
【0004】
クレンジング用化粧料は、オイルタイプやジェルタイプ、クリームタイプの他、ミルク（乳液）タイプのようにいくつかの性状があり、濃い化粧を落とすためにはオイルタイプが使用されたり、マッサージを兼ねたメイク落としにはジェルタイプが使用される等、使用目的や用途に応じて化粧落とし性能や性状ごとに適宜選択されて使用される。また、使用者の好みによっては、クレンジング用化粧料の粘度や化粧落としに掛かる時間までもがクレンジング用化粧料の選択基準として挙げられる。
【0005】
ところが、前掲の液晶型化粧料用組成料は、ジェルタイプであって他の性状には適しておらず、使用者の好みに合わせた性状等にコントロールすることは難しい。これらのことから、いわゆる液晶型メイク落としといわれるクレンジング用化粧料であって、粘度や性状等を好みに合わせて選択できるクレンジング用化粧料が求められていた。
【0006】
さらに、近年では顔に塗った際に温かみを感じる温感クレンジング用化粧料があり、使用後のしっとり感に優れるため人気であり、市場において一定の評価を得ている。温感クレンジング用化粧料は、適量を肌に馴染ませてマッサージしたりして使用される。温感は、クレンジング用化粧料に含まれる主成分となるグリセリン等の多価アルコールと水分とが反応して発熱することにより生ずる。このため、温感クレンジング用化粧料には溶媒としての水はほとんど含まれないことが多い。
【0007】
グリセリン等の多価アルコールを主成分とすることによって、メイク汚れを浮き上がらせる油剤や界面活性剤の配合量が少なくなることから、一般的なクレンジング用化粧料に比して洗浄力（メイク落とし性能）に劣る傾向がある。これらのことから、温感を与える温感クレンジング用化粧料であって、さらに洗浄力（メイク落とし性能）に優れたクレンジング用化粧料が求められるに至っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第４９６９７７３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、使用時に温感を与える化粧料に用いられる温感液晶乳化物であって、良好なメイク落とし性能を有するとともに、クレンジング用化粧料としたときの性状を任意に調整可能とし、かつ粘度や使用感の調整も容易に行うことができ、さらに安価に製造可能な温感液晶乳化物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
（Ａ）成分１０重量部以上と（Ｂ）成分１０～２９．８重量部と（Ｃ）成分０．２～５重量部と（Ｄ）成分６０～７５重量部とを含有し、前記（Ｂ）成分と前記（Ｄ）成分との配合量の和が８５重量部以上であるとともに、前記（Ｂ）成分はＨＬＢ値が１３以上である親水性界面活性剤（ｂ１）とアルキル基の炭素数が１８以上の多鎖型であってＨＬＢ値が６以下である親水性界面活性剤（ｂ２）とを含み、下記式（ｉ）に示される前記（Ｂ）成分における平均ＨＬＢ値が９．０以下であることを特徴とする温感液晶乳化物に係る。
（Ａ）：油剤
（Ｂ）：界面活性剤
（Ｃ）：リン脂質
（Ｄ）：多価アルコール
（Ａ）：油剤
（Ｂ）：界面活性剤
（Ｃ）：リン脂質
（Ｄ）：多価アルコール
【0011】
【数1】
【0012】
第２の発明は、第１の発明において、前記（Ｃ）成分のリン脂質が水添レシチン又はリゾレシチンである温感液晶乳化物に係る。
【0013】
第３の発明は、第１又は第２の発明において、前記（Ａ）成分に高級アルコールが含有され、前記高級アルコールの添加量が１０重量部未満である温感液晶乳化物に係る。
【0014】
第４の発明は、第１ないし第３の発明のいずれかにおいて、前記温感液晶乳化物に溶媒が含有され、前記温感液晶乳化物の全重量に対して溶媒が１０重量部以下添加されてなる温感液晶乳化物に係る。
【0015】
第５の発明は、第１ないし第４の発明のいずれかにおいて、前記温感液晶乳化物が、クレンジング化粧料である温感液晶乳化物に係る。
【発明の効果】
【0016】
第１の発明に係る温感液晶乳化物によると、（Ａ）成分１０重量部以上と（Ｂ）成分１０～２９．８重量部と（Ｃ）成分０．２～５重量部と（Ｄ）成分６０～７５重量部とを含有し、前記（Ｂ）成分と前記（Ｄ）成分との配合量の和が８５重量部以上であるとともに、前記（Ｂ）成分はＨＬＢ値が１３以上である親水性界面活性剤（ｂ１）とアルキル基の炭素数が１８以上の多鎖型であってＨＬＢ値が６以下である親水性界面活性剤（ｂ２）とを含み、上記式（ｉ）に示される前記（Ｂ）成分における平均ＨＬＢ値が９．０以下であることから、使用時に温感を与える化粧料に用いられる温感液晶乳化物であって、良好なメイク落とし性能を有するとともに、クレンジング用化粧料としたときの性状を任意に調整可能とし、かつ粘度や使用感の調整も容易に行うことができ、さらに安価に製造可能とすることができる。
【0017】
第２の発明に係る温感液晶乳化物によると、第１の発明において、前記（Ｃ）成分のリン脂質が水添レシチン又はリゾレシチンであることから、液晶成分が安定して形成されることができる。
【0018】
第３の発明に係る温感液晶乳化物によると、第１又は第２の発明において、前記（Ａ）成分に高級アルコールが含有され、前記高級アルコールの添加量が１０重量部未満であるため、液晶成分の形成を妨げることなく、粘度や質感等を調製することができる。
【0019】
第４の発明に係る温感液晶乳化物によると、第１ないし第３の発明のいずれかにおいて、前記温感液晶乳化物に溶媒が含有され、前記温感液晶乳化物の全重量に対して溶媒が１０重量部以下添加されてなるため、温感の性質を維持しつつ、顧客吸引力の高い性状を任意に付与することができる。
【0020】
第５の発明に係る温感液晶乳化物によると、第１ないし第４の発明のいずれかにおいて、前記液晶乳化物が、クレンジング化粧料であることから、メイク落ちの良さを維持しつつ使用者のニーズに合わせた性状や質感を有するクレンジング用化粧料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】試作例１のクレンジング用化粧料の液晶成分を写した２５０倍拡大写真である。
【図2】試作例２のクレンジング用化粧料の液晶成分を写した２５０倍拡大写真である。
【図3】試作例４のクレンジング用化粧料の液晶成分を写した２５０倍拡大写真である。
【図4】試作例５のクレンジング用化粧料の液晶成分を写した２５０倍拡大写真である。
【図5】試作例６のクレンジング用化粧料の液晶成分を写した２５０倍拡大写真である。
【図6】試作例８のクレンジング用化粧料の液晶成分を写した２５０倍拡大写真である。
【図7】試作例９のクレンジング用化粧料の液晶成分を写した２５０倍拡大写真である。
【図8】試作例２３のクレンジング用化粧料の液晶成分を写した２５０倍拡大写真である。
【図9】試作例２４のクレンジング用化粧料の液晶成分を写した２５０倍拡大写真である。
【図10】試作例２５のクレンジング用化粧料の液晶成分を写した２５０倍拡大写真である。
【図11】試作例２７のクレンジング用化粧料の液晶成分を写した２５０倍拡大写真である。
【図12】試作例２８のクレンジング用化粧料の液晶成分を写した２５０倍拡大写真である。
【図13】試作例１のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した２５０倍拡大写真である。
【図14】試作例２のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した２５０倍拡大写真である。
【図15】試作例４のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した２５０倍拡大写真である。
【図16】試作例５のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した２５０倍拡大写真である。
【図17】試作例６のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した２５０倍拡大写真である。
【図18】試作例８のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した２５０倍拡大写真である。
【図19】試作例９のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した２５０倍拡大写真である。
【図20】試作例２３のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した２５０倍拡大写真である。
【図21】試作例２４のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した２５０倍拡大写真である。
【図22】試作例２５のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した２５０倍拡大写真である。
【図23】試作例２７のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した２５０倍拡大写真である。
【図24】試作例２８のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した２５０倍拡大写真である。
【図25】試作例１のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した１０００倍拡大写真である。
【図26】試作例２のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した１０００倍拡大写真である。
【図27】試作例４のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した１０００倍拡大写真である。
【図28】試作例５のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した１０００倍拡大写真である。
【図29】試作例６のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した１０００倍拡大写真である。
【図30】試作例８のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した１０００倍拡大写真である。
【図31】試作例９のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した１０００倍拡大写真である。
【図32】試作例２３のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した１０００倍拡大写真である。
【図33】試作例２４のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した１０００倍拡大写真である。
【図34】試作例２５のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した１０００倍拡大写真である。
【図35】試作例２７のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した１０００倍拡大写真である。
【図36】試作例２８のクレンジング用化粧料を用いたメイク落とし実験により洗い出たエマルション中の粒子を写した１０００倍拡大写真である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の液晶乳化物は、メイク落としのためのクレンジング用化粧料に用いられる。そして、本発明の液晶乳化物は、（Ａ）成分と、（Ｂ）成分と、（Ｃ）成分と、（Ｄ）成分を含む。使用時の温感作用を付与するため、主成分は、（Ｄ）成分の多価アルコールである。また、該液晶乳化剤が使用されるクレンジング用化粧料には、一般の化粧料に使用されるような添加剤、例えば、保湿剤、防腐剤、香料、着色料やｐＨ調整剤等を適宜添加されることができる。
【0023】
（Ａ）成分は、油剤であり、主にメイク落としの主成分となるクレンジング剤に適したものが主に選択される。例えば、パルミチン酸エチルヘキシル、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル、トリエチルヘキサノイン、エチルヘキサン酸セチルやミネラルオイル等、公知の油剤が挙げられる。特に、安価な油剤を選択すると経済性にも優れる。
【0024】
また、上記の油剤の他に、クレンジング用化粧料のノビや皮膚への馴染み感等の使用感を変化させるための調整用の油剤も添加させることができる。シリコーンや高級アルコール、脂肪酸等から選択され、使用感の他、粘度の調整のためにも添加される。例えば、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、ジメチコン等の鎖状・環状シリコーン、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セタノールやステアリルアルコール等の高級アルコール等、公知の油剤が挙げられる。さらには、需要者に好まれるいわゆるコンセプトとなるような油剤も添加されることができる。これらコンセプトとなる油剤は、香りの良いものや自然物由来のもの、ビタミン誘導体等の機能性成分等がよく、例えば、ホホバ種子油、アルガニアスピノサ核油、アボカド油、アーモンド油、マカデミアナッツ油等の植物油、馬油、ラノリン等の動物由来油、スクワラン、スクワレン、ワセリン、流動パラフィン等の炭化水素、トコフェロールやレチノールやその誘導体等の油溶性の機能性成分等、公知の油剤が挙げられる。
【0025】
（Ｂ）成分は、界面活性剤であり、メイクへの馴染み方や落ち方、粘度を任意に調整するために選択され添加される。特に、本発明の液晶乳化物に係る液晶成分を生成するために、ＨＬＢ値が１３以上の親水性界面活性剤（ｂ１）が選択される。後述の実施例では、オクチルドデセス－２０を主に選択した。オクチルドデセス－２０の他にも、オクチルドデセス－２５等が挙げられる。さらには、他の界面活性剤（ｂ２）を組み合わせることで、液晶成分の生成効率を向上させたり、クレンジング用化粧料としたときの性状を液状やクリーム状、ジェル状等任意にコントロールすることが可能となる。また、粘度も変化させることができ、使用感の調整までもが可能である。
【0026】
ここで、他の界面活性剤（ｂ２）は、アルキル基の炭素数が１８以上の多鎖型のものが選択される。そして、前掲の式（ｉ）にて示されるＨＬＢ値が１３以上の親水性界面活性剤（ｂ１）とアルキル基の炭素数が１８以上の多鎖型の親水性界面活性剤（ｂ２）の平均ＨＬＢ値を９．０以下とすることにより、後述の実施例に示すように、液晶成分の生成が良好となる。アルキル基の炭素数が１８以上の多鎖型の親水性界面活性剤（ｂ２）は、例えば、イソステアリン酸ＰＥＧ－２０水添ヒマシ油、ジステアリン酸ＰＥＧ（ポリエチレングリコール）－４グリセリル、ＰＥＧ－３０水添ヒマシ油、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８、ジヤシ油脂肪酸ポリグリセリル－１０、ポリソルベート８０、ステアレス－６、トリステアリン酸ＰＥＧ－４グリセリル、ステアレス－１１のほか、トリイソステアリン酸ポリグリセリル－１０、ジイソステアリン酸ポリグリセリル－１０、トリヤシ油脂肪酸ポリグリセリル－１０、ジオレイン酸ポリグリセリル－１０、セスキステアリン酸ポリグリセリル－１０、テトラオレイン酸ポリグリセリル－１０、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－４、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－１２、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－１０ＢＧ、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－２５ＢＧ、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－６５ＢＧ、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－１５ＢＧ、トリイソステアリン酸ＰＥＧ－４ソルビタン、トリイソステアリン酸ＰＥＧ－３グリセリル、トリイソステアリン酸ＰＥＧ－５グリセリル、トリイソステアリン酸ＰＥＧ－１０グリセリル、トリイソステアリン酸ＰＥＧ－１５グリセリル、トリイソステアリン酸ＰＥＧ－２０グリセリル、トリイソステアリン酸ＰＥＧ－３０グリセリル、トリイソステアリン酸ＰＥＧ－４０グリセリル、トリイソステアリン酸ＰＥＧ－５０グリセリル、トリイソステアリン酸ＰＥＧ－５水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸ＰＥＧ－１０水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸ＰＥＧ－１５水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸ＰＥＧ－２０水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸ＰＥＧ－３０水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸ＰＥＧ－４０水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸ＰＥＧ－５０水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸ＰＥＧ－６０水添ヒマシ油、トリステアリン酸ＰＥＧ－４グリセリル、トリステアリン酸ＰＥＧ－５グリセリル、トリステアリン酸ＰＥＧ－６グリセリル、トリステアリン酸ＰＥＧ－１０グリセリル、トリステアリン酸ＰＥＧ－１５グリセリル、トリステアリン酸ＰＥＧ－２０グリセリル、トリステアリン酸ポリグリセリル－１０、ジステアリン酸ＰＥＧ－４、ジステアリン酸ＰＥＧ－６ジステアリン酸ＰＥＧ－８、ジステアリン酸ＰＥＧ－１２等、公知の界面活性剤が挙げられる。これら（Ｂ）成分は、特殊な界面活性剤ではないため、入手しやすく安価であり、経済性に優れる。
【0027】
（Ｃ）成分は、リン脂質であり、液晶生成のための因子となる。後述の実施例では主に、水添レシチンを選択した。水添レシチンによれば、殊更液晶の生成が良好で均一な液晶が生成されやすい。水添レシチンの他には、リゾレシチン等、公知のリン脂質が選択されることができる。
【0028】
（Ｄ）成分は、多価アルコールであり、系の安定化に寄与するとともに、使用時の温感作用を付与する。多価アルコールは水分と反応することによって発熱して使用者に温感を与えるとともに、保湿成分であるため、使用後のしっとり感に寄与する。多価アルコールを多く添加すると温感作用を向上させることが可能であり、目的の作用に応じて添加する量を変化させることができる。多価アルコールは、グリセリンやブチレングリコール（ＢＧ）、ポリエチレングリコール、イソペンチルジオール、プロパンジオール、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、マルチトール、トレハロース等、公知の多価アルコールから選択されることができる。特に、グリセリンは安価で発熱反応も良好であることから、いわゆる温感クレンジングには多く採用されており、好ましく用いられる。
【0029】
本発明の液晶乳化物は、（Ａ）成分は１０重量部以上、（Ｂ）成分は１０～２９．８重量部、（Ｃ）成分は０．２～５重量部、（Ｄ）成分は６０～７５重量部含有されてなる。また、溶媒としての水は、温感作用が損なわれない程度に含有されることができる。多価アルコールの発熱反応は一度しか生じないため、発熱反応が生じない程度の温感液晶乳化物の全量に対して１０重量部以下含有されることが考えられる。溶媒は、顧客吸引力の高い匂い等の特性を有する水溶性の成分を付与する場合等に適宜添加されると考えられる。
【0030】
（Ａ）成分の油剤の添加量が多すぎると、液晶成分が均一に分散されなくなったり、各成分が混合されない、つまり分離することがある。（Ａ）成分の配合量が高くなると、粘度が低くなり液状の性状を示す。高級アルコールやシリコーンを添加すると粘度が高くなり硬い質感となりやすい。後述の実施例に示されるように高級アルコールを１０重量部以上添加すると、液晶成分が生成されなかったり、各成分が分離したりする場合がある。
【0031】
（Ｂ）成分の界面活性剤の量が多すぎると、皮膚への負荷が大きくなり、少なすぎるとメイク落ちが悪くなるきらいがある。（Ｃ）成分が少なすぎると、液晶成分が生成されなくなる。（Ｃ）成分は多く添加しても特に問題ないが、２重量部程度からは液晶成分の生成量は大きく変化することはないため、添加量の上限を５重量部とした。（Ｄ）成分の多価アルコールの量が少なすぎると系が安定せず分離が生じたりする。逆に多すぎると固形化するおそれがある。
【0032】
また、（Ｂ）成分と（Ｄ）成分の配合量の和は８５重量部以上とされる。相対的に（Ａ）成分の油剤が多すぎると、液晶の形成が良好でなくなったり系が安定せず分離が生じたりする。
【0033】
本発明の液晶乳化物は、（Ａ）成分、（Ｂ）成分及び（Ｃ）成分の油相を７０～８０℃で加温しながら攪拌し、（Ｄ）成分と各添加物ないし溶媒を適宜添加して７０～８０℃で加温攪拌したものを混合し、冷却して得ることができる。なお、各成分を一度に混合し、加温攪拌しても本発明の液晶乳化物を得ることもできると考えられる。該製造方法には、特別な工程がないことから、容易に本発明の液晶乳化物を得ることができ、経済性に優れる。
【実施例】
【0034】
［使用材料］
発明者は、試作例の液晶乳化物を用いたクレンジング用化粧料を調製するため、下記の材料を用いた。
発明者は、試作例の液晶乳化物を用いたクレンジング用化粧料を調製するため、下記の材料を用いた。
【0035】
＜（Ａ）成分＞
・パルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）：日清オイリオグループ株式会社製、「サラコスＰ－８」（登録商標）
・トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）：花王株式会社製、「ココナードＭＴ」（登録商標）
・パルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）：日清オイリオグループ株式会社製、「サラコスＰ－８」（登録商標）
・トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）：花王株式会社製、「ココナードＭＴ」（登録商標）
【0036】
＜（Ｂ）成分＞
・オクチルドデセス－２０（Ｂ１）：日本エマルジョン株式会社製、「ＥＭＡＬＥＸ ＯＤ－２０」（登録商標）、ＨＬＢ値１３、アルキル基の炭素数２０、多鎖型
・ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）：日本エマルジョン株式会社製、「ＥＭＡＬＥＸ ４００ｄｉ－ＩＳ」、ＨＬＢ値６、アルキル基の炭素数１８、多鎖型
・ジイソステアリン酸ＰＥＧ－４（Ｂ３）：日本エマルジョン株式会社製、「ＥＭＡＬＥＸ ＧＷＳ－２０４」、ＨＬＢ値４、アルキル基の炭素数１８、多鎖型
・ジイソステアリン酸ポリグリセリル－６（Ｂ４）：日本エマルジョン株式会社製、「ＥＭＡＬＥＸ ＤＩＳＧ－６」、ＨＬＢ値８、アルキル基の炭素数１８、多鎖型
・トリイソステアリン酸ポリグリセリル－１０（Ｂ５）：日本エマルジョン株式会社製、「ＥＭＡＬＥＸ ＴＩＳＧ－１０」、ＨＬＢ値８、アルキル基の炭素数１８、多鎖型
・オクチルドデセス－２０（Ｂ１）：日本エマルジョン株式会社製、「ＥＭＡＬＥＸ ＯＤ－２０」（登録商標）、ＨＬＢ値１３、アルキル基の炭素数２０、多鎖型
・ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）：日本エマルジョン株式会社製、「ＥＭＡＬＥＸ ４００ｄｉ－ＩＳ」、ＨＬＢ値６、アルキル基の炭素数１８、多鎖型
・ジイソステアリン酸ＰＥＧ－４（Ｂ３）：日本エマルジョン株式会社製、「ＥＭＡＬＥＸ ＧＷＳ－２０４」、ＨＬＢ値４、アルキル基の炭素数１８、多鎖型
・ジイソステアリン酸ポリグリセリル－６（Ｂ４）：日本エマルジョン株式会社製、「ＥＭＡＬＥＸ ＤＩＳＧ－６」、ＨＬＢ値８、アルキル基の炭素数１８、多鎖型
・トリイソステアリン酸ポリグリセリル－１０（Ｂ５）：日本エマルジョン株式会社製、「ＥＭＡＬＥＸ ＴＩＳＧ－１０」、ＨＬＢ値８、アルキル基の炭素数１８、多鎖型
【0037】
＜（Ｃ）成分＞
・水添レシチン（Ｃ１）：日光ケミカルズ株式会社製、「ＮＩＫＫＯＬ レシノールＳ－１０」（登録商標）
・水添レシチン（Ｃ１）：日光ケミカルズ株式会社製、「ＮＩＫＫＯＬ レシノールＳ－１０」（登録商標）
【0038】
＜（Ｄ）成分＞
・グリセリン（Ｄ１）：阪本薬品工業株式会社製、「化粧品用濃グリセリン」
・ＰＥＧ－８（Ｄ２）：東邦化学工業株式会社製、「ＰＥＧ－４００」
・グリセリン（Ｄ１）：阪本薬品工業株式会社製、「化粧品用濃グリセリン」
・ＰＥＧ－８（Ｄ２）：東邦化学工業株式会社製、「ＰＥＧ－４００」
【0039】
＜添加剤＞
発明者らは、試作例の液晶乳化物を用いたクレンジング用化粧料の調製にあたり、下記の添加剤を適宜添加した。
・防腐剤（フェノキシエタノール）：四日市合成株式会社製、「フェノキシエタノールＳ」
発明者らは、試作例の液晶乳化物を用いたクレンジング用化粧料の調製にあたり、下記の添加剤を適宜添加した。
・防腐剤（フェノキシエタノール）：四日市合成株式会社製、「フェノキシエタノールＳ」
【0040】
［試作例のクレンジング用化粧料の調製］
発明者は、上記材料を用い、以下の試作例のクレンジング用化粧料を得た。なお、各試作例の平均ＨＬＢ値は上記式（ｉ）より算出した。
発明者は、上記材料を用い、以下の試作例のクレンジング用化粧料を得た。なお、各試作例の平均ＨＬＢ値は上記式（ｉ）より算出した。
【0041】
［試作例１］
（Ａ）成分としてパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）７重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）５重量部の計１２重量部と、（Ｂ）成分としてオクチルドデセス－２０（Ｂ１）３重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）９重量部の計１２重量部と、（Ｃ）成分として水添レシチン（Ｃ１）１．５重量部とを８０℃で加熱して攪拌したものに、（Ｄ）成分としてグリセリン（Ｄ１）６０．４重量部、ＰＥＧ－８（Ｄ２）１４重量部と、防腐剤フェノキシエタノールを０．１重量部とを８０℃で加熱して攪拌したものを混合して冷却し、試作例１のクレンジング用化粧料を得た。試作例１の平均ＨＬＢ値は７．７５である。
（Ａ）成分としてパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）７重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）５重量部の計１２重量部と、（Ｂ）成分としてオクチルドデセス－２０（Ｂ１）３重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）９重量部の計１２重量部と、（Ｃ）成分として水添レシチン（Ｃ１）１．５重量部とを８０℃で加熱して攪拌したものに、（Ｄ）成分としてグリセリン（Ｄ１）６０．４重量部、ＰＥＧ－８（Ｄ２）１４重量部と、防腐剤フェノキシエタノールを０．１重量部とを８０℃で加熱して攪拌したものを混合して冷却し、試作例１のクレンジング用化粧料を得た。試作例１の平均ＨＬＢ値は７．７５である。
【0042】
［試作例２］
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）４重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）８重量部とした以外は試作例１と同様とし、試作例２のクレンジング用化粧料を得た。試作例２の平均ＨＬＢ値は８．３３である。
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）４重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）８重量部とした以外は試作例１と同様とし、試作例２のクレンジング用化粧料を得た。試作例２の平均ＨＬＢ値は８．３３である。
【0043】
［試作例３］
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）６重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）６重量部とした以外は試作例１と同様とし、試作例３のクレンジング用化粧料を得た。試作例３の平均ＨＬＢ値は９．５０である。
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）６重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）６重量部とした以外は試作例１と同様とし、試作例３のクレンジング用化粧料を得た。試作例３の平均ＨＬＢ値は９．５０である。
【0044】
［試作例４］
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）５重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）７重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）７４．４重量部とした以外は試作例１と同様とし、試作例４のクレンジング用化粧料を得た。試作例４の平均ＨＬＢ値は８．９２である。
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）５重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）７重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）７４．４重量部とした以外は試作例１と同様とし、試作例４のクレンジング用化粧料を得た。試作例４の平均ＨＬＢ値は８．９２である。
【0045】
［試作例５］
（Ｄ）成分としてグリセリン（Ｄ１）６５．４重量部、ＰＥＧ－８（Ｄ２）９重量部とした以外は試作例４と同様とし、試作例５のクレンジング用化粧料を得た。試作例５の平均ＨＬＢ値は８．９２である。
（Ｄ）成分としてグリセリン（Ｄ１）６５．４重量部、ＰＥＧ－８（Ｄ２）９重量部とした以外は試作例４と同様とし、試作例５のクレンジング用化粧料を得た。試作例５の平均ＨＬＢ値は８．９２である。
【0046】
［試作例６］
（Ｄ）成分としてグリセリン（Ｄ１）６０．４重量部、ＰＥＧ－８（Ｄ２）１４重量部とした以外は試作例４と同様とし、試作例６のクレンジング用化粧料を得た。試作例６の平均ＨＬＢ値は８．９２である。
（Ｄ）成分としてグリセリン（Ｄ１）６０．４重量部、ＰＥＧ－８（Ｄ２）１４重量部とした以外は試作例４と同様とし、試作例６のクレンジング用化粧料を得た。試作例６の平均ＨＬＢ値は８．９２である。
【0047】
［試作例７］
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）７重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）９重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）７０．４重量部とした以外は試作例１と同様とし、試作例７のクレンジング用化粧料を得た。試作例７の平均ＨＬＢ値は９．０６である。
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）７重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）９重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）７０．４重量部とした以外は試作例１と同様とし、試作例７のクレンジング用化粧料を得た。試作例７の平均ＨＬＢ値は９．０６である。
【0048】
［試作例８］
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）９重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）１２重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）６５．４重量部とした以外は試作例８と同様とし、試作例８のクレンジング用化粧料を得た。試作例８の平均ＨＬＢ値は９．００である。
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）９重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）１２重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）６５．４重量部とした以外は試作例８と同様とし、試作例８のクレンジング用化粧料を得た。試作例８の平均ＨＬＢ値は９．００である。
【0049】
［試作例９］
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）１１重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）１５重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）６０．４重量部とした以外は試作例７と同様とし、試作例９のクレンジング用化粧料を得た。試作例９の平均ＨＬＢ値は８．９６である。
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）１１重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）１５重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）６０．４重量部とした以外は試作例７と同様とし、試作例９のクレンジング用化粧料を得た。試作例９の平均ＨＬＢ値は８．９６である。
【0050】
［試作例１０］
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）１３重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）１８重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）５５．４重量部とした以外は試作例７と同様とし、試作例１０のクレンジング用化粧料を得た。試作例１０の平均ＨＬＢ値は８．９４である。
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）１３重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）１８重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）５５．４重量部とした以外は試作例７と同様とし、試作例１０のクレンジング用化粧料を得た。試作例１０の平均ＨＬＢ値は８．９４である。
【0051】
［試作例１１］
（Ａ）成分をパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）９重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）７重量部とし、（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）５重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）７重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）７０．４重量部とした以外は試作例１と同様とし、試作例１１のクレンジング用化粧料を得た。試作例１１の平均ＨＬＢ値は８．９２である。
（Ａ）成分をパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）９重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）７重量部とし、（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）５重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）７重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）７０．４重量部とした以外は試作例１と同様とし、試作例１１のクレンジング用化粧料を得た。試作例１１の平均ＨＬＢ値は８．９２である。
【0052】
［試作例１２］
（Ａ）成分をパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）１２重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）９重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）６５．４重量部とした以外は試作例１１と同様とし、試作例１２のクレンジング用化粧料を得た。試作例１２の平均ＨＬＢ値は８．９２である。
（Ａ）成分をパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）１２重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）９重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）６５．４重量部とした以外は試作例１１と同様とし、試作例１２のクレンジング用化粧料を得た。試作例１２の平均ＨＬＢ値は８．９２である。
【0053】
［試作例１３］
（Ａ）成分をパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）１５重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）１１重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）６０．４重量部とした以外は試作例１１と同様とし、試作例１３のクレンジング用化粧料を得た。試作例１４の平均ＨＬＢ値は８．９２である。
（Ａ）成分をパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）１５重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）１１重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）６０．４重量部とした以外は試作例１１と同様とし、試作例１３のクレンジング用化粧料を得た。試作例１４の平均ＨＬＢ値は８．９２である。
【0054】
［試作例１４］
（Ａ）成分をパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）１８重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）１３重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）５５．４重量部とした以外は試作例１１と同様とし、試作例１４のクレンジング用化粧料を得た。試作例１４の平均ＨＬＢ値は８．９２である。
（Ａ）成分をパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）１８重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）１３重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）５５．４重量部とした以外は試作例１１と同様とし、試作例１４のクレンジング用化粧料を得た。試作例１４の平均ＨＬＢ値は８．９２である。
【0055】
［試作例１５］
（Ａ）成分をパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）９重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）６重量部とし、（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）１０重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）１３重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）６０．４重量部とした以外は試作例１と同様とし、試作例１５のクレンジング用化粧料を得た。試作例１５の平均ＨＬＢ値は９．０４である。
（Ａ）成分をパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）９重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）６重量部とし、（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）１０重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）１３重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）６０．４重量部とした以外は試作例１と同様とし、試作例１５のクレンジング用化粧料を得た。試作例１５の平均ＨＬＢ値は９．０４である。
【0056】
［試作例１６］
（Ａ）成分をパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）１０重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）７重量部とし、（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）９重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）１２重量部とした以外は試作例１５と同様とし、試作例１６のクレンジング用化粧料を得た。試作例１６の平均ＨＬＢ値は９．００である。
（Ａ）成分をパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）１０重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）７重量部とし、（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）９重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）１２重量部とした以外は試作例１５と同様とし、試作例１６のクレンジング用化粧料を得た。試作例１６の平均ＨＬＢ値は９．００である。
【0057】
［試作例１７］
（Ａ）成分をパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）１３重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）９重量部とし、（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）７重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）９重量部とした以外は試作例１５と同様とし、試作例１７のクレンジング用化粧料を得た。試作例１７の平均ＨＬＢ値は９．０６である。
（Ａ）成分をパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）１３重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）９重量部とし、（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）７重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）９重量部とした以外は試作例１５と同様とし、試作例１７のクレンジング用化粧料を得た。試作例１７の平均ＨＬＢ値は９．０６である。
【0058】
［試作例１８］
（Ａ）成分をパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）１４重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）１０重量部とし、（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）６重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）８重量部とした以外は試作例１５と同様とし、試作例１８のクレンジング用化粧料を得た。試作例１８の平均ＨＬＢ値は９．００である。
（Ａ）成分をパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）１４重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）１０重量部とし、（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）６重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）８重量部とした以外は試作例１５と同様とし、試作例１８のクレンジング用化粧料を得た。試作例１８の平均ＨＬＢ値は９．００である。
【0059】
［試作例１９］
（Ａ）成分をパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）１５重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）１１重量部とし、（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）４重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）８重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）６０．４重量部とした以外は試作例１と同様とし、試作例１９のクレンジング用化粧料を得た。試作例１９の平均ＨＬＢ値は８．３３である。
（Ａ）成分をパルミチン酸エチルヘキシル（Ａ１）１５重量部、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル（Ａ２）１１重量部とし、（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）４重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）８重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）６０．４重量部とした以外は試作例１と同様とし、試作例１９のクレンジング用化粧料を得た。試作例１９の平均ＨＬＢ値は８．３３である。
【0060】
［試作例２０］
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）３重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）９重量部とした以外は試作例１９と同様とし、試作例２０のクレンジング用化粧料を得た。試作例２０の平均ＨＬＢ値は７．７５である。
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）３重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）９重量部とした以外は試作例１９と同様とし、試作例２０のクレンジング用化粧料を得た。試作例２０の平均ＨＬＢ値は７．７５である。
【0061】
［試作例２１］
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）２重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）１０重量部とした以外は試作例１９と同様とし、試作例２１のクレンジング用化粧料を得た。試作例２１の平均ＨＬＢ値は７．１７である。
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）２重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）１０重量部とした以外は試作例１９と同様とし、試作例２１のクレンジング用化粧料を得た。試作例２１の平均ＨＬＢ値は７．１７である。
【0062】
［試作例２２］
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）１重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）１１重量部とした以外は試作例１９と同様とし、試作例２２のクレンジング用化粧料を得た。試作例２２の平均ＨＬＢ値は６．５８である。
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）１重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）１１重量部とした以外は試作例１９と同様とし、試作例２２のクレンジング用化粧料を得た。試作例２２の平均ＨＬＢ値は６．５８である。
【0063】
［試作例２３］
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）１１重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）１５重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）６０．４重量部とした以外は試作例１と同様とし、試作例２３のクレンジング用化粧料を得た。試作例２３の平均ＨＬＢ値は８．９６である。
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）１１重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）１５重量部とし、（Ｄ）成分をグリセリン（Ｄ１）６０．４重量部とした以外は試作例１と同様とし、試作例２３のクレンジング用化粧料を得た。試作例２３の平均ＨＬＢ値は８．９６である。
【0064】
［試作例２４］
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）１３重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－４（Ｂ３）１３重量部とした以外は試作例２３と同様とし、試作例２４のクレンジング用化粧料を得た。試作例２４の平均ＨＬＢ値は８．５０である。
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）１３重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－４（Ｂ３）１３重量部とした以外は試作例２３と同様とし、試作例２４のクレンジング用化粧料を得た。試作例２４の平均ＨＬＢ値は８．５０である。
【0065】
［試作例２５］
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）５重量部、ジイソステアリン酸ポリグリセリル－６（Ｂ４）２１重量部とした以外は試作例２３と同様とし、試作例２５のクレンジング用化粧料を得た。試作例２５の平均ＨＬＢ値は８．９６である。
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）５重量部、ジイソステアリン酸ポリグリセリル－６（Ｂ４）２１重量部とした以外は試作例２３と同様とし、試作例２５のクレンジング用化粧料を得た。試作例２５の平均ＨＬＢ値は８．９６である。
【0066】
［試作例２６］
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）５重量部、トリイソステアリン酸ポリグリセリル－１０（Ｂ５）２１重量部とした以外は試作例２３と同様とし、試作例２７のクレンジング用化粧料を得た。試作例２６の平均ＨＬＢ値は８．９６である。
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）５重量部、トリイソステアリン酸ポリグリセリル－１０（Ｂ５）２１重量部とした以外は試作例２３と同様とし、試作例２７のクレンジング用化粧料を得た。試作例２６の平均ＨＬＢ値は８．９６である。
【0067】
［試作例２７］
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）４重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）８重量部とした以外は試作例１と同様とし、試作例２７のクレンジング用化粧料を得た。試作例２７の平均ＨＬＢ値は８．３３である。
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）４重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－８（Ｂ２）８重量部とした以外は試作例１と同様とし、試作例２７のクレンジング用化粧料を得た。試作例２７の平均ＨＬＢ値は８．３３である。
【0068】
［試作例２８］
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）５重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－４（Ｂ３）７重量部とした以外は試作例２７と同様とし、試作例２８のクレンジング用化粧料を得た。試作例２８の平均ＨＬＢ値は７．７５である。
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）５重量部、ジイソステアリン酸ＰＥＧ－４（Ｂ３）７重量部とした以外は試作例２７と同様とし、試作例２８のクレンジング用化粧料を得た。試作例２８の平均ＨＬＢ値は７．７５である。
【0069】
［試作例２９］
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）２重量部、ジイソステアリン酸ポリグリセリル－６（Ｂ４）１０重量部とした以外は試作例２７と同様とし、試作例２９のクレンジング用化粧料を得た。試作例２９の平均ＨＬＢ値は８．８３である。
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）２重量部、ジイソステアリン酸ポリグリセリル－６（Ｂ４）１０重量部とした以外は試作例２７と同様とし、試作例２９のクレンジング用化粧料を得た。試作例２９の平均ＨＬＢ値は８．８３である。
【0070】
［試作例３０］
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）２重量部、トリイソステアリン酸ポリグリセリル－１０（Ｂ５）１０重量部とした以外は試作例２７と同様とし、試作例３０のクレンジング用化粧料を得た。試作例３０の平均ＨＬＢ値は８．８３である。
（Ｂ）成分をオクチルドデセス－２０（Ｂ１）２重量部、トリイソステアリン酸ポリグリセリル－１０（Ｂ５）１０重量部とした以外は試作例２７と同様とし、試作例３０のクレンジング用化粧料を得た。試作例３０の平均ＨＬＢ値は８．８３である。
【0071】
各試作例の（Ａ）～（Ｄ）成分の種類と添加量、防腐剤の添加量及び（Ｂ）成分の平均ＨＬＢ値を表１～８にまとめた。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
【表5】
【0077】
【表6】
【0078】
【表7】
【0079】
【表8】
【0080】
［クレンジング用化粧料の性状及び液晶成分の生成の評価］
各試作例のクレンジング用化粧料の性状を目視で評価するとともに、液晶成分の有無を評価した。各試作例の性状は「ジェル」、「クリーム」の２つに分類し、各成分が混ざらず分離したものは、性状の欄を「×」とした。液晶成分が均一に多く生成されているものを「◎」、液晶成分が生成されているものの不均一であるものを「〇」、液晶成分の生成がわずかでも確認できるものを「△」、液晶成分の生成が確認できないものを「×」として評価した。また、図１～１２に各試作例のクレンジング用化粧料の２５０倍拡大写真を示した。液晶成分が生成されなかった試作例についての写真は省略した。
各試作例のクレンジング用化粧料の性状を目視で評価するとともに、液晶成分の有無を評価した。各試作例の性状は「ジェル」、「クリーム」の２つに分類し、各成分が混ざらず分離したものは、性状の欄を「×」とした。液晶成分が均一に多く生成されているものを「◎」、液晶成分が生成されているものの不均一であるものを「〇」、液晶成分の生成がわずかでも確認できるものを「△」、液晶成分の生成が確認できないものを「×」として評価した。また、図１～１２に各試作例のクレンジング用化粧料の２５０倍拡大写真を示した。液晶成分が生成されなかった試作例についての写真は省略した。
【0081】
次に、各試作例のクレンジング用化粧料の粘度をＪＩＳ Ｚ ８８０３（２０１１）に準拠し、ＴＶＢ－１５Ｈ形粘度計（東機産業株式会社製）を使用して温度２５℃、湿度５０％の条件下で測定した。
【0082】
［メイク落とし性能の評価］
さらに、液晶成分が生成された各試作例のクレンジング用化粧料を用いてメイク落とし実験を行い、メイク落とし性能の評価を行った。前腕内側の２ｃｍ四方の枠内にファンデーション０．０１ｇを塗り広げ、評価対象のクレンジング用化粧料０．０３ｇを塗り広げたファンデーション上に載置して指先の腹部分により馴染ませる。この時、ファンデーションとクレンジング用化粧料が馴染んで、指先の抵抗が軽くなるまでの時間を計測し、マッサージ時間とした。その後、マッサージしながら水約３ｍｌでゆっくり洗い流し、この洗い出たエマルション（水）を採取し、粒子径の観察を行った。マッサージ時間として表中に示した。
さらに、液晶成分が生成された各試作例のクレンジング用化粧料を用いてメイク落とし実験を行い、メイク落とし性能の評価を行った。前腕内側の２ｃｍ四方の枠内にファンデーション０．０１ｇを塗り広げ、評価対象のクレンジング用化粧料０．０３ｇを塗り広げたファンデーション上に載置して指先の腹部分により馴染ませる。この時、ファンデーションとクレンジング用化粧料が馴染んで、指先の抵抗が軽くなるまでの時間を計測し、マッサージ時間とした。その後、マッサージしながら水約３ｍｌでゆっくり洗い流し、この洗い出たエマルション（水）を採取し、粒子径の観察を行った。マッサージ時間として表中に示した。
【0083】
また、クレンジング用化粧料でメイクを洗い流した際に洗い出たエマルション中の粒子を確認し粒子の径及び量を評価した。洗い出た粒子は小さく量が多いものの方がメイク落ちの良いクレンジング化粧料であるといえる。粒子の量については、図１３～２４に示されるエマルション中の粒子を写した２５０倍拡大写真において、全体に満遍なく多量の粒子が分散しているものを「◎」、隙間が多く粒子間の間隔が大きく少量の粒子が分散しているものは「△」、その間を「〇」とした。図２５～３６の１０００倍拡大写真粒子径に示されるエマルション中の粒子の粒子径が、１μｍよりも小さいものを「◎」、１～５μｍの範囲のものを「〇」、それ以上のものを「△」、粒子径がバラバラのものを「不揃い」として評価した。
【0084】
各試作例のクレンジング用化粧料の性状、液晶成分の有無の評価、粘度、マッサージ時間、粒子の径及び量を表９～１５に示した。また、表中には、液晶成分の拡大写真と洗い出た粒子の拡大写真（１０００倍、２５０倍）の図番号を表記した。
【0085】
【表9】
【0086】
【表10】
【0087】
【表11】
【0088】
【表12】
【0089】
【表13】
【0090】
【表14】
【0091】
【表15】
【0092】
［結果と考察］
表１～１５及び図１～３６に示されるように、ジェル状又はクリーム状の性状であって、液晶成分を多く含む試作例にあっては、メイク落とし性能が良好なクレンジング用化粧料とすることができた。全体の傾向として、（Ｂ）成分の平均ＨＬＢ値が９．０よりも大きい組み合わせの試作例は系が安定せず分離してしまった。また、界面活性剤（ｂ１）の組み合わせとしてＨＬＢ値が６よりも大きい界面活性剤は不適であることがわかった。
表１～１５及び図１～３６に示されるように、ジェル状又はクリーム状の性状であって、液晶成分を多く含む試作例にあっては、メイク落とし性能が良好なクレンジング用化粧料とすることができた。全体の傾向として、（Ｂ）成分の平均ＨＬＢ値が９．０よりも大きい組み合わせの試作例は系が安定せず分離してしまった。また、界面活性剤（ｂ１）の組み合わせとしてＨＬＢ値が６よりも大きい界面活性剤は不適であることがわかった。
【0093】
さらに、平均ＨＬＢ値が９．０以下であっても、（Ａ）成分の配合量が大きく、相対的に（Ｂ）成分と（Ｄ）成分の配合量が小さくなる配合割合である試作例は系が安定せず、分離してしまうことがわかった。詳しくは（Ｂ）成分と（Ｄ）成分の配合量の和を８５重量部以上とすると、安定して液晶が形成され、化粧料としての系が安定する。
【0094】
表１，９、図１，２，１３，１４，２５，２６に示された試作例１～３によると、（Ａ）成分及び（Ｄ）成分を同一とし、（Ｂ）成分の配合量を変更した例にあっては、平均ＨＬＢが９．０よりも大きい試作例３は液晶成分が形成されず、試作例１及び２にあっては良好に形成されるとともに、異なる性状の化粧料となった。試作例１及び２はともにメイク落とし性能も良好であり、需要者の好む性状にコントロール可能であることを示す。
【0095】
表２，１０、図３～５，１５～１７，２７～２９に示された試作例４～６によると、（Ａ）成分と（Ｂ）成分を同一とし、（Ｄ）成分の配合量を変更した例にあっては、（Ｄ）成分としてグリセリンを６０重量部以上含むことにより、系が安定して分離が生じないことが示された。
【0096】
表３，１１、図６，７，１８，１９，３０，３１に示された試作例７～１０によると、（Ａ）成分を同一とし、（Ｂ）成分と（Ｄ）成分の配合量を変更した例にあっては、平均ＨＬＢ値が９．０よりも大きい試作例７と、（Ｄ）成分の少ない試作例１０が分離する結果となった。また、試作例１０については温感作用も弱く、不適であった。
【0097】
表４～６，１２，１３に示された試作例１１～２２によると、（Ａ）成分の配合量が多く、（Ｂ）成分ないし（Ｄ）成分の配合量が相対的に小さくなる例にあっては、平均ＨＬＢ値が９．０以下であっても系が安定せず分離する結果となった。
【0098】
表７，１４、図８～１０，２０～２２，３２～３４に示された試作例２３～２６によると、（Ａ）成分と（Ｄ）成分を同一とし、（Ｂ）成分の組み合わせや配合量を変更した例にあっては、ＨＬＢ値が１３以上である親水性界面活性剤（ｂ１）であるオクチルドデセス－２０（Ｂ１）との組み合わせにおいて、アルキル基の炭素数が１８以上の多鎖型であってＨＬＢ値が６以下である親水性界面活性剤（ｂ２）を用いることによって液晶成分が良好に形成されることがわかった。なお、試作例２５にあっては、液晶成分は形成されたものの量が少なく、メイク落とし性能にも劣る結果となった。
【0099】
表８，１５、図１１，１２，２３，２４，３５，３６に示された試作例２７～３０によると、試作例２３～２６よりも（Ｄ）成分の配合量を大きくした例であって、（Ａ）成分及び（Ｄ）成分を同一とし、（Ｂ）成分の組み合わせや配合量を変更した例にあっては、先の試作例２３～２６と同様に、ＨＬＢ値が１３以上である親水性界面活性剤（ｂ１）であるオクチルドデセス－２０（Ｂ１）との組み合わせにおいて、アルキル基の炭素数が１８以上の多鎖型であってＨＬＢ値が６以下である親水性界面活性剤（ｂ２）を用いることによって液晶成分が良好に形成されることがわかった。
【0100】
液晶成分が形成された各試作例を比較すると性状が同じであっても粘度や、メイク落としにかかる時間もそれぞれ異なることから、需要者のニーズに対応して、良好なメイク落とし性能を確保しつつ、性状や質感、さらにはマッサージ時間の調整も可能であることが示された。
【0101】
以上、表９～１５に示されるように、液晶が生成された試作例に係るクレンジング用化粧料にあっては、良好なメイク落ち性能を確認することができた。また、液晶成分が多いほど、よりメイク落ち性能が高い傾向があり、液晶成分がメイク落ちの良さに寄与することが示された。（Ｄ）成分の多価アルコールを少なくとも６０重量部含むことにより十分な温感作用を有することから、これらにより、本発明に係る温感液晶乳化物を含むいわゆる温感液晶型クレンジング用化粧料の良好なメイク落とし性能を確保しつつ、クレンジング用化粧料の性状や質感等を任意にコントロール可能な温感液晶乳化物を得ることができ、使用者の好みやニーズに合わせた調整が可能であることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明の温感液晶乳化物によると、使用時に温感を与える温感作用を有するとともに、良好なメイク落ち性能を備える。さらには、クレンジング用化粧料としたときの性状を任意に選択することが可能であるとともに、質感やメイク落ちのスピードをも調整が可能であるため、需要者のニーズに合わせたクレンジング用化粧料を提供することができる。本発明の温感液晶乳化物は、特別な成分を使用することなく、かつ煩雑な工程を経ることなく製造が可能であることから、安価で経済性にも優れる。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
