(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-22
(45)【発行日】2022-12-01
(54)【発明の名称】連結装置、ローラーコンベア及びコンベアライン
(51)【国際特許分類】
B65G 13/12 20060101AFI20221124BHJP
B65G 13/08 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
B65G13/12
B65G13/08
(21)【出願番号】P 2022031454
(22)【出願日】2022-03-02
【審査請求日】2022-03-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508194386
【氏名又は名称】株式会社ケーズウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】西本 啓一
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】実公昭46-024448(JP,Y1)
【文献】中国実用新案第213169794(CN,U)
【文献】中国実用新案第212374284(CN,U)
【文献】中国実用新案第207595910(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラーを回転可能に支持する支持部と、連結部とを備え、
前記連結部は、第一連結部と、第二連結部と、を有し、
前記第一連結部と前記第二連結部は、前記第一連結部に設けられた第一穴と、前記第二連結部に設けられた第二穴と、を同時に貫通する連結ピンを介して互いに連結可能に設けられ、
前記第一穴は、前記連結ピンが貫入した状態で摺動する長穴部と
、前記連結ピンを嵌め込んで係止する複数の係止部とを含む連結装置。
【請求項2】
前記支持部又は前記連結部の少なくとも一方は、地面に載置される載置面を有し、
前記長穴部は、その長軸が、前記載置面と平行に設けられている請求項1に記載の連結装置。
【請求項3】
前記係止部は、前記長穴部から、前記載置面に向かう切り欠き部分として設けられている請求項2に記載の連結装置。
【請求項4】
前記第二連結部は、可撓性を有する薄板部材であり、
前記第一連結部は、相対する前記第二連結部の間に挟まれて連結される請求項1~3の何れかに記載の連結装置。
【請求項5】
前記ローラーの両端に、請求項1~4の何れかに記載の連結装置を設けてなるローラーコンベア。
【請求項6】
請求項5に記載のローラーコンベアを複数備え、
複数の前記ローラーコンベアは、前記第一連結部と前記第二連結部とが連結するコンベアライン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面に載置して使用するローラー同士を所定の間隔で接続するためのローラー連結装置、そのローラー連結装置を使用したローラーコンベア、そのローラーコンベア同士を接続して設けるローラーコンベアラインに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に荷物を搬送するにあたっては、積み上げ、積み下ろし作業を行う必要がある。この作業は大変な労力を伴うものであるが、ローラーコンベアを適切に設置してコンベアラインを形成することによれば、荷物をスライド移動させるだけで作業を完了することができる。
このような軽作業に使用されるローラーコンベアは、様々な場所に適宜設置して使用することができるものが好ましく、その一例が非特許文献1や特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【文献】「曲がる!ローラーコンベア[連結丸]」[online]https://www.youtube.com/watch?v=L0n_-HvgddM http://www.e-monz.jp/89_522.html(2022年2月18日現在)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、非特許文献1のローラーコンベアにおいて、ローラーコンベア同士の間隔や、コンベアラインの曲率の調整をするためには、ローラーコンベア同士の接続を一旦取り外す必要があり、細かい調整が行いにくいという課題があった。
また、特許文献1のローラーコンベアは、ローラーコンベアが接続した状態で間隔や曲率の調整をすることができるが、ローラーのロッドが貫通することで連結装置同士が結合する構成であるため、間隔や曲率を調整するにあたってロッドの端部に力がかかってしまう。すなわち、調整に伴ってロッドが変形しやすいため、耐久性の面で課題があった。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑み、ローラーの調整を容易にし、さらに取り扱い性能を高めるローラーコンベアの連結装置、ローラーコンベア、コンベアラインを提供することを目的とする。なお、取り扱い性能には、安全性、安定性、耐久性、収納性も含む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明は、ローラーを回転可能に支持する支持部と、連結部とを備え、前記連結部は、第一連結部と、第二連結部と、を有し、前記第一連結部と前記第二連結部は、前記第一連結部に設けられた第一穴と、前記第二連結部に設けられた第二穴と、を同時に貫通する連結ピンを介して互いに回転可能に接続され、前記第一穴は、前記連結ピンが貫入した状態で摺動する長穴部を含む連結装置である。
このように前記連結ピンが摺動する構成により、前記連結装置の長さ調整及び角度調整を容易にすることができるようになり、さらに連結した状態で小さく巻いて収納することができるようになる。
【0008】
本発明の好ましい形態では、前記支持部又は前記連結部の少なくとも一方は、地面に載置される載置面を有し、前記長穴部は、その長軸が、前記載置面と平行に設けられている。
このような構成によって、地面に対する連結装置Xの長さを直感的に変更することができるようになる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記支持部又は前記連結部の少なくとも一方は、地面に載置される載置面を有し、前記第一穴は、前記連結ピンが係止する複数の係止部を含む。
このような構成によって、前記連結装置同士の長さを段階的に調整することができるようになる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記係止部は、前記長穴部から、前記載置面に向かう切り欠き部分として設けられている。
このような構成によって、前記連結装置が適切に地面に載置された際に重力を利用した係止めをすることができるようになるため、前記連結装置の調整を簡便に行うことができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記第二連結部は、可撓性を有する薄板部材であって、前記第一連結部は、相対する前記第二連結部の間に挟まれて連結される。
このような構成によって、前記連結装置の角度調整を行う際に変形し、前記第二連結部の破壊が起こりにくくなるとともに、前記連結部の安定性及び耐久性を高められるようになる。
【0012】
上記課題を解決する本発明は、前記ローラーの両端に、前記連結装置を設けてなるローラーコンベアである。
このような構成によって、前記連結装置をローラーコンベアに適用できるようになる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記ローラーコンベアを複数備え、前記ローラーコンベア同士は、前記第一連結部と前記第二連結部とが接続しているコンベアラインである。
このような構成によって、コンベアラインの長さ調整及び角度調整を容易にすることができ、さらに連結した状態で小さく巻いて収納することができるようになる。
【発明の効果】
【0014】
上記課題を解決する本発明は、ローラーコンベアの調整を容易にし、さらに取り扱い性能を高めるローラーコンベアの連結装置、ローラーコンベア、コンベアラインを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係る、ローラーコンベアの斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る、連結装置の斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る、連結装置を様々な角度から見た図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る、連結装置の連結についての説明図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る、コンベアラインを縮めた時の上面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る、コンベアラインを拡げた時の上面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る、コンベアラインに角度を付けた時の上面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る、コンベアラインにさらに角度を付けた時の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて、本発明に係る連結装置X、ローラーコンベアY、コンベアラインZについて説明する。説明は、各実施形態の構成を述べた後、実施の方法を詳述することによって行う。
なお、以下に示す各実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の各実施形態に限定するものではない。
【0017】
≪連結装置Xについて≫
連結装置Xは、
図1及び
図2に示すように、ローラー1を回転可能に支持する支持部2と、支持部2の側面から突出して設けられる対向する2つの連結部3と、からなる樹脂製の装置である。
また、
図3は連結装置Xを様々な側面から見た図であり、詳述すると、
図3(a)は平面図であり、
図3(b)は左側面図であり、
図3(c)は正面図であり、
図3(d)は右側面図であり、
図3(e)は底面図である。なお、背面図は正面図と略同一形状であるため記載を省略している。
さらに、
図4は、二つの連結装置Xを、連結ピン4を介して連結したときの様子を表す図であり、
図4(a)は接続装置X同士の間隔を狭めたとき、
図4(b)は接続装置X同士の間隔を拡げたとき、
図4(c)は接続装置X同士を相対回転させたときの正面図を表している。
【0018】
ローラー1は、物品を上部に載置した状態でロッド11を中心軸として回転する筒状の回転体12によってなり、ロッド11と回転体12の間にはベアリングが嵌め合わされていることによって摩擦が低減されていることが好ましい。
【0019】
ロッド11は、その径を5mm~20mmとし、長さが回転体12の長さよりも20~60mm程度長くなるように設けられており、回転体12の両端から突出する突出部分を有し、該突出部分が支持部2に貫入して支持される。また、該突出部分には、後述するC形の止め輪を嵌め込むことができる溝を有する。
【0020】
回転体12は、ロッド11にベアリング等の回転支持体を介して支持される円筒形の部品であって、ステンレスなどの金属や塩化ビニルなどのプラスチック材料によって設けられており、その上部に運搬する荷物を安定して載置できる程度の剛性をもつ。
【0021】
支持部2は、ローラー1を適切な位置において回転可能に支持する部分であって、ロッド11を支持する支持孔21と、支持孔21の周辺等において補強を行う支持補強部22と、を有する。
ここにおいて、支持部2の底面及び連結部3の底面は平面状の載置面aとして一体形成されており、その全面が水平な地面と接するように設けられている。
【0022】
支持孔21は、ロッド11を貫入させて支持する孔である。支持孔21の内径はロッド11の外径と略同一かそれよりも大きく、また、載置面aから支持孔21の中心までの高さは少なくとも回転体12の半径よりも長い。
そして、ロッド11は、支持孔21に貫入された状態で外径が支持孔21の外径よりも大きいC形の止め輪を介して固定されている。
【0023】
支持補強部22は、支持孔21の周辺や、連結部3と接続する部分の周辺及び載置面aの周辺に設けられる、周囲と比較して成形材を多くする部分である。これらの部分において厚みを大きくすることによって、ローラー1からの荷重に対する補強を行い、耐久性を高めている。なお、支持補強部22によって、支持部2には凹んだ部分が形成されているように見える。
【0024】
連結部3は、支持部2から突出する第一連結部31と、第一連結部31に相対して支持部2から突出する第二連結部32と、によって構成されている。第一連結部31と第二連結部32とは、第一連結部31に設けられた第一穴311と、第二連結部32に設けられた第二穴321を同時に貫入する連結ピン4によって、取り外し自在に連結されている。
【0025】
第一連結部31は、
図3(a)に示すように、支持部2から厚み方向中心から突出して一体に設けられる部材であって、その長さは40mm~80mm、高さは20mm~60mm、厚みは2~8mmが想定されるが、運搬を想定する荷物によって適宜変更しても良い。
また、
図3(a)及び(c)に示すように、第一連結部31と、支持部2とが接合する部分においては、第一連結部31の載置面aからの高さは支持部2と略同一であるが、若干離間した位置において高さを減じる構成としており、これによって支持部2と接続される部分の表面積を増やして強度を上昇させている。
加えて、第一連結部31の長さと第二連結部32の長さは略同一であり、第一連結部31の端部には、丸め加工が施されている。これにより第一連結部31の端部と、第二連結部32の根本部分での干渉を防ぐことができる。
【0026】
第一穴311は、
図3(c)に示すように、連結ピン4が貫入した状態で穴の長軸方向に摺動できるようにした長穴部312と、連結ピン4が係止される複数の係止部313と、が一体になって形成されている穴である。係止部313は、長穴部の長軸方向に等間隔で配置されており、本実施形態においては3つの係止部313によって櫛のような形の穴が形成されている。
【0027】
長穴部312は略長方形状の穴であって、その角には連結ピン4の周面の形状に合わせて丸め加工が施されている。また、長穴部312の長軸は載置面aと平行になるように設けられており、これによって
図4(a)、(b)に示すように、設置した地面に対する連結された連結装置Xの相対長さを変更できるようになる。
なお、
図4において破線部分は、本体視認できない第一連結部31の部分を表す。
【0028】
係止部313は、略半月形状の穴部分であって、
図4(a)、(b)に示すように、連結ピン4の半径と略同一か少し大きくなるように設けられている。係止部313は長穴部312から載置面aへ向かうよう方向に設けられているため、連結装置Xが載置されているときに連結ピン4に重力によって押し付ける力が発生する。これによって、連結ピン4が長軸方向に移動することなく係止される。
なお、本実施形態において係止部313は載置面aに向かって垂直に設けられているが、傾斜をつけて設けられていてもよい。
【0029】
第二連結部32は、
図3(a)に示すように、支持部2の厚み方向端部から対向して2つ突出して設けられる部材であって、その長さは各々40mm~80mm、高さは20mm~40mm、厚みは2~8mmが想定されるが、運搬を想定する荷物によって適宜変更しても良い。そして、連結補強部322が設けられている。
また、第二連結部32の端部には丸め加工が施されており、第二連結部32の端部から第二穴321までの距離を、第一穴311から支持部2までの距離よりも短くすることによって、第二連結部32と支持部2との間の干渉を防いでいる。
さらに、
図3(a)に示すように、対向する第二連結部32同士の間隔は、最も広い所で第一連結部31の厚みよりも大きくなるように設けられている。そして、相対する第二連結部32は端部に向かうにつれて距離が縮まるよう斜めに設けられており、端部で第二連結部32同士が接触する。一方で、第二連結部32はそれぞれ薄板部材によって形成されているため可撓性を有し、第二連結部32同士の間隔は内側から押すことで容易に広げられるように設けられている。
加えて、
図3(a)及び(c)に示すように、第二連結部32と、支持部2とが接合する部分においては、第二連結部32の載置面aからの高さは支持部2と略同一であるが、若干離間した位置において高さを減じる構成としており、これによって支持部2と接続される部分の表面積を増やして強度を上昇させている。
【0030】
第二穴321は、連結ピン4を貫入可能な丸穴部分であって、その内径は連結ピン4の外径よりも少し大きいか略同一となるように形成されている。
また、第二穴321から載置面aまでの距離は、第一穴311(特に係止部313)から載置面aまでの距離と一致するように設けられている。これによって、連結ピン4が貫入・係止されている状態で第一連結部31の載置面aと第二連結部32の載置面aが同一平面上に位置することとなり、連結した状態で安定的に載置できるようになる。
さらに、第二穴321から丸め加工を施した第二連結部32の端部までの距離は、長穴部312から載置面aまでの距離と略同一か少し短くなるように設けられる。このような構成によって、
図4(c)に示すように連結ピン4を貫入した状態であっても、連結装置Xを地面に載置したまま別の連結装置を相対回転させることができる。
また、長穴部312及び係止部313が第二穴321に設けられていてもよい。
【0031】
連結補強部322は、第二連結部32における載置面a及び第二連結部32の上面に設けられる、周囲と比較して成形材を多くした部分である。これらの部分で厚みを大きくすることによって、載置された際や連結を行う際に、第二連結部32に係る力を分散させ、荷重に対する補強を行っている。同時に、撓みによって破断することを防いでいる。
【0032】
連結ピン4は、内径を第一穴311の外径及び第二穴321の外径と略同一か少し小さくした丸棒部材であって、その長さは第一連結部31及び第二連結部32を同時に貫入した状態において、両側から2~5mm程度突出するように設けられている。
また、連結ピン4が連結部に貫入したときに突出する部分には、その両端に、第二穴321の外径よりも大きいC型の止め輪を嵌め合わせるための溝が設けられている。
【0033】
一方、連結ピン4の代わりに、
図5等に記載のように、対向する連結装置Xに同時に貫入される連結シャフト5が設けられていてもよい。連結シャフト5は、その径を連結ピン4と等しくし、またその長さをロッド11と略等しくするように構成し、その両端部には、第二穴321に対応したC型の止め輪を嵌め合わせるための溝が形成されている。
これによって、連結シャフト5によって連結ピン4のような作用を奏することができると同時に、連結装置X同士の間隔を画定するためにロッド11に係る負担を軽減することができる。
【0034】
《ローラーコンベアYについて》
ローラーコンベアYは、
図1に示すように、2つの連結装置Xによって、一本のローラー1の両端を支持することによって構成されている。
詳述すると、ロッド11が支持孔21に貫入した状態で、支持孔21の両面の付近において溝が露出する。その溝においてC型の止め輪が嵌め込まれることによって固定される。
【0035】
《コンベアラインZについて》
図5~
図8に示すように、複数のローラーコンベアYを連結装置Xの連結部3において連結することによって、任意の長さのコンベアラインZを形成することができる。
【0036】
以下、
図1~
図8を用いて、本発明の実施の方法について詳述する。本発明は、コンベアラインZを組み立て収納する目的、また、コンベアラインを任意の態様に変更する目的を有する使用者によって実施される。また、以下に示す実施の方法は一例であり、実施の方法はこれに限られず、順番は前後してもよい。
【0037】
《コンベアラインZの組立て収納》
まず、使用者は連結装置Xにローラー1を取り付けて、
図1に記載のようなローラーコンベアYを組み立てる。取り付けは、ロッド11の両端において支持孔21にロッド11が突出している部分を貫入させ、適切な位置に設けられたロッド11の溝にC型の止め輪を嵌め込むことによって行う。
【0038】
次に、使用者は、複数のローラーコンベアYを連結して、
図5に記載しているようなコンベアラインZを組み立てる。連結はそれぞれのローラーコンベアYが有する、第一連結部31及び第二連結部32を連結ピン4によって連結することによって行う。
【0039】
即ち、使用者は、
図3(a)及び(e)に明示されている第二連結部32が対向して形成する隙間に、第一連結部31を挿し込み押し広げることによって、第二連結部32に第一連結部31を挟み持たせる。使用者は、その状態で第一穴311と第二穴321の位置合わせを行う。この際、第二連結部32の有する弾性力によって、第一連結部31が緩く保持されるため、位置合わせが容易になる。
【0040】
その後使用者は、第一穴311と第二穴321の位置を一致させ、その状態を保持したまま連結ピン4を貫入し、連結ピン4の溝部をC型の止め輪で固定する。ここで、第一穴311が第二穴321を包含するような大きさ・形状で設けられていることで、連結ピン4の取付けを容易に行うことができるようになる。
なお、連結ピン4の代わりに連結シャフト5を用いてもよい。
使用者は、上記連結操作を任意の数のローラーコンベアYにおいて行うことで、任意の長さのコンベアラインZを組み立てることができる。
【0041】
次に、使用者は、載置面aを底面としてコンベアラインZを設置面に設置する。ここにおいて、第二穴321に固定された連結ピン4が係止部313に係止されるため、使用途中に長さが変化する恐れがない。
接地後、ローラー1に荷物を乗せ置き、荷物をスライド移動させることによって運搬する。
【0042】
最後に使用者は、コンベアラインZを収納する。ここで、
図4(c)に示すように、連結装置X同士は連結した状態において相対回転できるように設けられているため、コンベアラインZが連結された状態のまま巻き付けて収納することができる。
ここで、第二連結部32が第一穴311を挟み、長穴部312を摺動する構成によって、相対回転のローラーコンベアY間の位置関係や相対角度の自由度が高まり、巻き付けた状態における半径を小さくして収納性能が向上させることができる。
なお、隣接するローラー1や支持部2が干渉することや、相対角度が所定以上に回らないような機構を設けることによって、最大角度に回転させても支持部2と連結部3あるいは連結部3同士の間に指の挟み込みを回避できる隙間を設けることが好ましい。
【0043】
《コンベアラインの長さ変更》
使用者は、
図4(a)、(b)に記載のように、連結ピン4が係止される係止部313の位置を変更することによって、連結装置X間の間隔を調整することができる。
位置の変更は第一連結部31に対して第二連結部32を持ち上げ、その状態で連結ピン4の長穴部312を摺動し、別の係止部313に嵌め込むことによって行う。
使用者は、上記の操作をベルトコンベアYの両端部で行うことによって、
図5、
図6に示すようにコンベアラインZの長さを、連結ピン4を取り外すことなく調整することができる。
【0044】
また、使用者が長さの調整をさらに行う場合は、接続装置Xの連結を適宜外し、または外れたものを連結する。すなわち、設置されるローラーコンベアYの数を調整することによって、長さの調節を行う。
【0045】
《コンベアラインの角度変更》
使用者は、
図4(a)、(b)の記載及び上述のように、連結装置X間の間隔を調整することができる。
ここにおいて、連結装置Xは、ローラー1の両端に設けられるところ、一端における連結装置Xの間隔と、他端における連結装置Xの間隔を異なるようにして連結を行うことによって、
図7のように角度変更を付けることができる。
【0046】
また、使用者がさらに角度変更を付ける場合は、間隔が幅広い側の連結装置Xの連結ピン4を外し、連結装置X同士の間隔をさらに広げる。このとき、間隔が狭い側の連結装置Xは、連結部3の可撓性により、一定の角度までは連結ピンを解除しなくとも角度変更を達成することができる。
使用者がこれよりも角度を付けて設置する場合には、内側の連結ピン4を外すことによって、複数のローラーコンベアYの組み合わせによって位置、角度を自由に変更することができる。
【0047】
また、本発明の構成によれば、非特許文献1に記載のような従来品との接続ができるため、既に持っているものを活用できる。これにより、事業設備の更新にあたって廃棄を行う必要がなくなる。
【符号の説明】
【0048】
1 ローラー
11 ロッド
12 回転体
2 支持部
21 支持孔
22 支持補強部
3 連結部
31 第一連結部
311 第一穴
312 長穴部
313 係止部
32 第二連結部
321 第二穴
322 連結補強部
4 連結ピン
a 載置面
X 連結装置
Y ローラーコンベア
Z コンベアライン
【要約】
【課題】ローラーの調整を容易にし、さらに取り扱い性能を高めるローラーコンベアの連結装置、ローラーコンベア、コンベアラインを提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決する本願発明は、ローラー1を回転可能に支持する支持部2と、連結部3を備え、連結部3は、第一連結部31と、第二連結部32と、を有し、第一連結部31と第二連結部32は、第一連結部31に設けられた第一穴311と、第二連結部に設けられた第二穴321と、を同時に貫通する連結ピン4を介して互いに回転可能に接続され、第一穴311は、連結ピン4が貫入した状態で摺動する長穴部312を含む連結装置Xである。また、それを利用したローラーコンベアY及びコンベアラインZである。
【選択図】
図1