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特許7181666紙葉類取扱プログラム及び紙葉類取扱装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-22
(45)【発行日】2022-12-01
(54)【発明の名称】紙葉類取扱プログラム及び紙葉類取扱装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 7/189 20160101AFI20221124BHJP
   G07D 7/183 20160101ALI20221124BHJP
【FI】
G07D7/189
G07D7/183
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022501475
(86)(22)【出願日】2020-02-19
(86)【国際出願番号】 JP2020006504
(87)【国際公開番号】W WO2021166116
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-02-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】吉松 美拓
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 宏彦
(72)【発明者】
【氏名】阿曽尾 一也
【審査官】程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-91991(JP,A)
【文献】特開2005-258610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 7/189
G07D 7/183
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類搬送路の搬送面に非接触な位置を初期位置とする、前記搬送面に紙葉類を押し付けるための押し付け部を有し、前記搬送面と前記押し付け部との間を通過する紙葉類の厚さに応じて変位する前記押し付け部の、前記搬送面に対して垂直方向の前記初期位置からの変位量を検出する変位量検出部と、基準変位量が記憶された基準変位量記憶部と、紙葉類1枚分の厚さが記憶された紙葉類厚さ記憶部と、テープ厚さ閾値が記憶されたテープ厚さ閾値記憶部と、を備える紙葉類取扱装置のプロセッサに、
前記変位量検出部により検出された変位量と、前記基準変位量記憶部に記憶された基準変位量と、前記紙葉類厚さ記憶部に記憶された紙葉類1枚分の厚さと、前記テープ厚さ閾値記憶部に記憶されたテープ厚さ閾値とに基づいて、前記搬送面と前記押し付け部との間を通過する紙葉類が、1枚の紙葉類、テープが貼付された紙葉類、2枚の重ねられた紙葉類、及び他の紙葉類の何れであるかを判定し、
前記1枚の紙葉類であると判定した場合は、前記基準変位量記憶部に記憶された基準変位量の値を、当該判定したときの前記変位量検出部により検出された変位量へ更新し、
前記2枚の重ねられた紙葉類であると判定した場合は、当該判定したときの前記変位量検出部により検出された変位量から前記基準変位量記憶部に記憶された基準変位量を減算することにより紙葉類1枚分の厚さを算出し、前記紙葉類厚さ記憶部に記憶された紙葉類1枚分の厚さを、前記算出した紙葉類1枚分の厚さへ更新すると共に、前記算出した紙葉類1枚分の厚さに基づいてテープ厚さ閾値を算出し、前記テープ厚さ閾値記憶部に記憶されたテープ厚さ閾値を、前記算出したテープ厚さ閾値へ更新する、
という処理を実行させることを特徴とする紙葉類取扱プログラム。
【請求項2】
前記算出した紙葉類1枚分の厚さに所定の係数を乗算することにより、前記テープ厚さ閾値を算出する、
ことを特徴とする請求項1記載の紙葉類取扱プログラム。
【請求項3】
前記変位量検出部により検出された変位量が、前記基準変位量記憶部に記憶された基準変位量と前記テープ厚さ閾値記憶部に記憶されたテープ厚さ閾値とに基づく第1の閾値未満である場合に、前記搬送面と前記押し付け部との間を通過する紙葉類が、前記1枚の紙葉類であると判定する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の紙葉類取扱プログラム。
【請求項4】
前記変位量検出部により検出された変位量が、前記第1の閾値以上であって且つ前記紙葉類厚さ記憶部に記憶された紙葉類1枚分の厚さと前記基準変位量記憶部に記憶された基準変位量とに基づく第2の閾値未満である場合に、前記搬送面と前記押し付け部との間を通過する紙葉類が、前記テープが貼付された紙葉類であると判定する、
ことを特徴とする請求項3記載の紙葉類取扱プログラム。
【請求項5】
前記変位量検出部により検出された変位量が、前記第2の閾値以上であって且つ前記紙葉類厚さ記憶部に記憶された紙葉類1枚分の厚さと前記基準変位量記憶部に記憶された基準変位量とに基づく第3の閾値未満である場合に、前記搬送面と前記押し付け部との間を通過する紙葉類が、前記2枚の重ねられた紙葉類であると判定する、
ことを特徴とする請求項4記載の紙葉類取扱プログラム。
【請求項6】
前記第1の閾値は、前記テープ厚さ閾値記憶部に記憶されたテープ厚さ閾値と前記基準変位量記憶部に記憶された基準変位量との合計値である、
ことを特徴とする請求項3乃至5の何れか一項に記載の紙葉類取扱プログラム。
【請求項7】
前記第2の閾値は、前記紙葉類厚さ記憶部に記憶された紙葉類1枚分の厚さと前記基準変位量記憶部に記憶された基準変位量との合計値である、
ことを特徴とする請求項4又は5記載の紙葉類取扱プログラム。
【請求項8】
前記第3の閾値は、前記紙葉類厚さ記憶部に記憶された紙葉類1枚分の厚さの2倍の値と前記基準変位量記憶部に記憶された基準変位量との合計値である、
ことを特徴とする請求項5記載の紙葉類取扱プログラム。
【請求項9】
紙葉類搬送路の搬送面に非接触な位置を初期位置とする、前記搬送面に紙葉類を押し付けるための押し付け部を有し、前記搬送面と前記押し付け部との間を通過する紙葉類の厚さに応じて変位する前記押し付け部の、前記搬送面に対して垂直方向の前記初期位置からの変位量を検出する変位量検出部と、
基準変位量が記憶された基準変位量記憶部と、
紙葉類1枚分の厚さが記憶された紙葉類厚さ記憶部と、
テープ厚さ閾値が記憶されたテープ厚さ閾値記憶部と、
前記変位量検出部により検出された変位量と、前記基準変位量記憶部に記憶された基準変位量と、前記紙葉類厚さ記憶部に記憶された紙葉類1枚分の厚さと、前記テープ厚さ閾値記憶部に記憶されたテープ厚さ閾値とに基づいて、前記搬送面と前記押し付け部との間を通過する紙葉類が、1枚の紙葉類、テープが貼付された紙葉類、2枚の重ねられた紙葉類、及び他の紙葉類の何れであるかを判定する判定部と、
前記判定部により1枚の紙葉類であると判定された場合に、前記基準変位量記憶部に記憶された基準変位量の値を、当該判定されたときの前記変位量検出部により検出された変位量へ更新する基準変位量更新部と、
前記判定部により2枚の重ねられた紙葉類であると判定された場合に、当該判定されたときの前記変位量検出部により検出された変位量から前記基準変位量記憶部に記憶された基準変位量を減算することにより紙葉類1枚分の厚さを算出する紙葉類厚さ算出部と、
前記紙葉類厚さ記憶部に記憶された紙葉類1枚分の厚さを、前記紙葉類厚さ算出部により算出された紙葉類1枚分の厚さへ更新する紙葉類厚さ更新部と、
前記紙葉類厚さ算出部により算出された紙葉類1枚分の厚さに基づいてテープ厚さ閾値を算出するテープ厚さ閾値算出部と、
前記テープ厚さ閾値記憶部に記憶されたテープ厚さ閾値を、前記テープ厚さ閾値算出部により算出されたテープ厚さ閾値へ更新するテープ厚さ閾値更新部と、
を備えることを特徴とする紙葉類取扱装置。
【請求項10】
前記テープ厚さ閾値算出部は、前記紙葉類厚さ算出部により算出された紙葉類1枚分の厚さに所定の係数を乗算することにより、前記テープ厚さ閾値を算出する、
ことを特徴とする請求項9記載の紙葉類取扱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣等の紙葉類を取り扱うプログラム及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙葉類取扱装置の一例として、紙幣取扱装置が知られている。
【0003】
紙幣取扱装置は、当該装置の入金口に投入された紙幣に対し、紙幣の枚数や金種の決定、紙幣の記番号や真贋等を鑑別する機能を有するほか、テープが貼付された紙幣をテープ券として判定し、出金時に顧客に提供しないようにする機能等も有する。なお、紙幣に貼付されたテープは、例えば、破れた紙幣を修復する目的で顧客により貼付されたものである。
【0004】
このような紙幣取扱装置において、テープ券の判定は、厚さ検出手段を用いて行われることが一般的である。そのため、その判定精度は、厚さ検出手段の性能に大きく依存する。なお、厚さ検出手段は、紙幣取扱装置等の紙葉類取扱装置において、紙葉類の重送や偽造等を防止する目的で使用されることが知られている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-041194号公報
【文献】特開2002-032816号公報
【文献】特開平09-301576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
テープ券の判定に用いる厚さ検出手段として、次のような変位量検出手段を用いる場合がある。それは、紙葉類搬送路の搬送面に非接触な位置を初期位置とする、搬送面に紙葉類を押し付けるための押し付け部を有し、搬送面と押し付け部との間を通過する紙葉類の厚さに応じて変位する押し付け部の、搬送面に対して垂直方向の初期位置からの変位量を検出する手段である。
【0007】
このような変位量検出手段を用いる場合は、押し付け部の初期位置が搬送面に非接触な位置にあることから、例えば紙葉類1枚分の厚さやテープ券の厚さを、絶対量として検出することはできない。また、変位量検出手段の経年変化、例えば押し付け部の初期位置や変位量検出手段が備えるセンサの出力値等の経年変化により、正確な変位量を検出できない虞がある。その結果、テープ券の判定を正確に行うことができない虞がある。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑み、経年変化に左右されることなく、テープが貼付された紙葉類の判定を正確に行うことができる紙葉類取扱プログラム及び紙葉類取扱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
プログラムの一観点は、紙葉類搬送路の搬送面に非接触な位置を初期位置とする、前記搬送面に紙葉類を押し付けるための押し付け部を有し、前記搬送面と前記押し付け部との間を通過する紙葉類の厚さに応じて変位する前記押し付け部の、前記搬送面に対して垂直方向の前記初期位置からの変位量を検出する変位量検出部と、基準変位量が記憶された基準変位量記憶部と、紙葉類1枚分の厚さが記憶された紙葉類厚さ記憶部と、テープ厚さ閾値が記憶されたテープ厚さ閾値記憶部と、を備える紙葉類取扱装置のプロセッサに、前記変位量検出部により検出された変位量と、前記基準変位量記憶部に記憶された基準変位量と、前記紙葉類厚さ記憶部に記憶された紙葉類1枚分の厚さと、前記テープ厚さ閾値記憶部に記憶されたテープ厚さ閾値とに基づいて、前記搬送面と前記押し付け部との間を通過する紙葉類が、1枚の紙葉類、テープが貼付された紙葉類、2枚の重ねられた紙葉類、及び他の紙葉類の何れであるかを判定し、前記1枚の紙葉類であると判定した場合は、前記基準変位量記憶部に記憶された基準変位量の値を、当該判定したときの前記変位量検出部により検出された変位量へ更新し、前記2枚の重ねられた紙葉類であると判定した場合は、当該判定したときの前記変位量検出部により検出された変位量から前記基準変位量記憶部に記憶された基準変位量を減算することにより紙葉類1枚分の厚さを算出し、前記紙葉類厚さ記憶部に記憶された紙葉類1枚分の厚さを、前記算出した紙葉類1枚分の厚さへ更新すると共に、前記算出した紙葉類1枚分の厚さに基づいてテープ厚さ閾値を算出し、前記テープ厚さ閾値記憶部に記憶されたテープ厚さ閾値を、前記算出したテープ厚さ閾値へ更新する、という処理を実行させる紙葉類取扱プログラムである。
【0010】
装置の一観点は、紙葉類搬送路の搬送面に非接触な位置を初期位置とする、前記搬送面に紙葉類を押し付けるための押し付け部を有し、前記搬送面と前記押し付け部との間を通過する紙葉類の厚さに応じて変位する前記押し付け部の、前記搬送面に対して垂直方向の前記初期位置からの変位量を検出する変位量検出部と、基準変位量が記憶された基準変位量記憶部と、紙葉類1枚分の厚さが記憶された紙葉類厚さ記憶部と、テープ厚さ閾値が記憶されたテープ厚さ閾値記憶部と、前記変位量検出部により検出された変位量と、前記基準変位量記憶部に記憶された基準変位量と、前記紙葉類厚さ記憶部に記憶された紙葉類1枚分の厚さと、前記テープ厚さ閾値記憶部に記憶されたテープ厚さ閾値とに基づいて、前記搬送面と前記押し付け部との間を通過する紙葉類が、1枚の紙葉類、テープが貼付された紙葉類、2枚の重ねられた紙葉類、及び他の紙葉類の何れであるかを判定する判定部と、前記判定部により1枚の紙葉類であると判定された場合に、前記基準変位量記憶部に記憶された基準変位量の値を、当該判定されたときの前記変位量検出部により検出された変位量へ更新する基準変位量更新部と、前記判定部により2枚の重ねられた紙葉類であると判定された場合に、当該判定されたときの前記変位量検出部により検出された変位量から前記基準変位量記憶部に記憶された基準変位量を減算することにより紙葉類1枚分の厚さを算出する紙葉類厚さ算出部と、前記紙葉類厚さ記憶部に記憶された紙葉類1枚分の厚さを、前記紙葉類厚さ算出部により算出された紙葉類1枚分の厚さへ更新する紙葉類厚さ更新部と、前記紙葉類厚さ算出部により算出された紙葉類1枚分の厚さに基づいてテープ厚さ閾値を算出するテープ厚さ閾値算出部と、前記テープ厚さ閾値記憶部に記憶されたテープ厚さ閾値を、前記テープ厚さ閾値算出部により算出されたテープ厚さ閾値へ更新するテープ厚さ閾値更新部と、を備える紙葉類取扱装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、経年変化に左右されることなく、テープが貼付された紙葉類の判定を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施の形態に係る紙葉類取扱装置の外観構成を例示する図である。
図2】一実施の形態に係る紙葉類取扱装置のハードウェア構成を例示する図である。
図3】変位量検出ユニットの構成を模式的に例示する図である。
図4A】搬送面と押し付けローラとの間を通過する紙幣が1枚の紙幣である場合の動作を模式的に例示する図である。
図4B】搬送面と押し付けローラとの間を通過する紙幣が、テープが貼付された紙幣である場合の動作を模式的に例示する図である。
図4C】搬送面と押し付けローラとの間を通過する紙幣が2枚の重ねられた紙幣である場合の動作を模式的に例示する図である。
図5】一実施の形態に係る紙葉類取扱装置の紙幣判定処理に係る機能構成を例示する図である。
図6】一実施の形態に係る紙葉類取扱装置において実行される紙幣判定処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図1は、一実施の形態に係る紙葉類取扱装置の外観構成を例示する図である。
【0015】
図1に例示した紙葉類取扱装置10は、例えば、銀行等の金融機関やコンビニエンスストアの店舗等に設置されるATM(Automated Teller Machine:現金自動預け払い機)であり、紙幣取扱装置でもある。
【0016】
紙葉類取扱装置10は、顧客操作画面11、現金入出金部12、通帳受付部13、カード受付口14、及びレシート発行口15を備える。
【0017】
顧客操作画面11は、例えばタッチパネル付きディスプレイであり、取引画面等の各種画面の表示や、顧客からの操作入力の受け付けを行う。
【0018】
現金入出金部12は、入金硬貨や入金紙幣の受け付け、及び、出金硬貨や出金紙幣の排出を行う。なお、紙幣は、紙葉類の一例である。
【0019】
通帳受付部13は、通帳の受け付け及び返却を行う。
【0020】
カード受付口14は、取引に使用されるカード(キャッシュカード等)の受け付け及び返却を行う。
【0021】
レシート発行口15は、発行されたレシート(取引明細が印刷されたレシート)の排出を行う。
【0022】
図2は、一実施の形態に係る紙葉類取扱装置のハードウェア構成を例示する図である。
【0023】
図2に例示した紙葉類取扱装置10は、主制御ユニット21、記憶装置22、入力装置23、表示装置24、紙幣処理ユニット25、硬貨処理ユニット26、カード処理ユニット27、レシート処理ユニット28、通信処理ユニット29、及び通帳処理ユニット30を備えており、これらはバス31で相互に接続されている。
【0024】
主制御ユニット21は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサとRAM(Random Access Memory)を備えて構成される。プロセッサは、OS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラム等の各種のプログラムを実行することにより紙葉類取扱装置10の全体動作を制御する。RAMは、プロセッサにより実行されるプログラムの一部が一時的に格納されたり、プロセッサの作業用記憶領域として使用されたりする。或いは、主制御ユニット21は、FPGA(Field Programmable Gate
Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により構成されてもよい。主制御ユニット21は、例えば、紙幣判定処理を行う。紙幣判定処理は、入金紙幣が原則として1枚ずつ搬送される搬送路(紙幣処理ユニット25内の搬送路)の所定位置を通過する紙幣が、1枚の紙幣、テープが貼付された紙幣、2枚の重ねられた紙幣(ダブルフィードされた紙幣)、及び他の紙幣の何れであるかを判定する処理である。
【0025】
記憶装置22には、主制御ユニット21のプロセッサにより実行される各種のプログラムや、プログラムの実行に必要な各種データ等が記憶される。記憶装置22は、基準変位量が記憶される基準変位量記憶領域と、紙幣1枚分の厚さが記憶される紙幣厚さ記憶領域と、テープ厚さ閾値が記憶されるテープ厚さ閾値記憶領域を有する。基準変位量は、主制御ユニット21が行う紙幣判定処理により1枚の紙幣であると判定されたときの後述の変位量検出ユニット32により検出された変位量でもある。基準変位量記憶領域、紙幣厚さ記憶領域、及びテープ厚さ閾値記憶領域には、予め初期値が記憶される。記憶装置22は、例えばHDD(Hard Disk Drive)である。
【0026】
入力装置23と表示装置24は、顧客操作画面11を構成するものであって、表示装置24は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)であり、入力装置23は、表示装置24上に配置されるタッチパネルである。入力装置23は、当該入力装置23に対する操作入力を検出し、その検出結果を主制御ユニット21に通知する。
【0027】
紙幣処理ユニット25は、紙幣を現金入出金部12から入出金する。また、紙幣処理ユニット25は、入金紙幣の計数、鑑別や、出金紙幣の計数等を行う。また、紙幣処理ユニット25は、主制御ユニット21が紙幣判定処理で利用する変位量を検出するための変位量検出ユニット32を備える。変位量検出ユニット32の詳細については、図3図4A図4B、及び図4Cを用いて後述する。
【0028】
硬貨処理ユニット26は、硬貨を現金入出金部12から入出金する。また、硬貨処理ユニット26は、入金硬貨の計数、鑑別や、出金硬貨の計数等を行う。
【0029】
カード処理ユニット27は、カードをカード受付口14から挿入、排出する。また、カード処理ユニット27は、挿入されたカードが有する磁気ストライプやIC(Integrated Circuit)チップに対する情報(データ)の読み出し及び書き込みを行う。
【0030】
レシート処理ユニット28は、取引明細を印刷したレシートを発行してレシート発行口15から排出する。
【0031】
通信処理ユニット29は、図示しないネットワークに接続され、当該ネットワークを介して例えば図示しないホストコンピュータと通信を行う。
【0032】
通帳処理ユニット30は、通帳を通帳受付部13から挿入、排出する。また、通帳処理ユニット30は、挿入された通帳が有する磁気ストライプに記録された情報(データ)の読み出しや、通帳記入等を行う。
【0033】
図3は、変位量検出ユニットの構成を模式的に例示する図である。
【0034】
図3に例示した変位量検出ユニット32は、押し付けローラ41、変位伝達レバー42、及び変位量検出センサ43を備える。
【0035】
押し付けローラ41は、例えば入金紙幣の鑑別のために原則として1枚ずつ紙幣45が搬送される搬送路の搬送面44に紙幣45を押し付けるためのものであって、その初期位置は、搬送面44から所定距離(C)だけ離れた位置とされる。所定距離(C)は、紙幣1枚分の厚さよりも小さい。このような所定距離(C)が搬送面44と押し付けローラ41との間に設けられる理由は、搬送面44と押し付けローラ41との間を紙幣45が通過する際のジャムの発生を防止するためである。なお、図3において、紙幣45の搬送方向は右方向である(図4A図4B図4Cにおいても同じ)。
【0036】
変位伝達レバー42は、搬送面44と押し付けローラ41との間を通過する紙幣45の厚さに応じて変位する押し付けローラ41の初期位置からの変位を、軸42aを支点にして、変位量検出センサ43に伝達する。なお、搬送面44は変位しない。
【0037】
変位量検出センサ43は、変位伝達レバー42により伝達された押し付けローラ41の変位から、押し付けローラ41の搬送面44に対して垂直方向の初期位置からの変位量を検出する。
【0038】
図4A図4B、及び図4Cは、変位量検出ユニットの動作を模式的に例示する図である。詳しくは、図4Aは、搬送面と押し付けローラとの間を通過する紙幣が1枚の紙幣である場合の動作を模式的に例示する図である。図4Bは、搬送面と押し付けローラとの間を通過する紙幣が、テープが貼付された紙幣である場合の動作を模式的に例示する図である。図4Cは、搬送面と押し付けローラとの間を通過する紙幣が2枚の重ねられた紙幣である場合の動作を模式的に例示する図である。
【0039】
図4Aに例示した動作では、搬送面44と押し付けローラ41との間を通過する1枚の紙幣45の厚さ(B)に応じて押し付けローラ41が変位し、この時の押し付けローラ41の搬送面44に対して垂直方向の初期位置からの変位量(B-C)が変位量検出センサ43により検出される。
【0040】
図4Bに例示した動作では、搬送面44と押し付けローラ41との間を通過する、テープ46が貼付された紙幣45の厚さ(t+B(tはテープ46の厚さ))に応じて押し付けローラ41が変位し、この時の押し付けローラ41の搬送面44に対して垂直方向の初期位置からの変位量(t+B-C)が変位量検出センサ43により検出される。
【0041】
図4Cに例示した動作では、搬送面44と押し付けローラ41との間を通過する2枚の重ねられた紙幣45の厚さ(B+B)に応じて押し付けローラ41が変位し、この時の押し付けローラ41の搬送面44に対して垂直方向の初期位置からの変位量(B+B-C)が変位量検出センサ43により検出される。
【0042】
このように変位量検出ユニット32では、図3に例示したように、押し付けローラ41の初期位置が搬送面44から所定距離(C)だけ離れた位置にあることから、紙幣1枚分の厚さの絶対量を検出することができない。しかしながら、図4A及び図4Cに例示した動作で得られた変位量検出値を利用することで、紙幣1枚分の厚さを計算により求めることができる。具体的には、図4Cに例示した動作(搬送面44と押し付けローラ41との間を通過する紙幣が2枚の重ねられた紙幣45である場合の動作)で得られた変位量検出値(B+B-C)から、図4Aに例示した動作(搬送面44と押し付けローラ41との間を通過する紙幣が1枚の紙幣45である場合の動作)で得られた変位量検出値(B-C)を減算することによって、紙幣1枚分の厚さ(B)を算出することができる。
【0043】
図5は、一実施の形態に係る紙葉類取扱装置の紙幣判定処理に係る機能構成を例示する図である。
【0044】
図5に例示した紙葉類取扱装置10は、変位量検出部51、基準変位量記憶部52、紙幣厚さ記憶部53、テープ厚さ閾値記憶部54、判定部55、基準変位量更新部56、紙幣厚さ算出部57、紙幣厚さ更新部58、テープ厚さ閾値算出部59、及びテープ厚さ閾値更新部60を備える。
【0045】
変位量検出部51は、紙幣搬送路の搬送面に非接触な位置を初期位置とする、搬送面に紙幣を押し付けるための押し付け部51aを有し、搬送面と押し付け部51aとの間を通過する紙幣の厚さに応じて変位する押し付け部51aの、搬送面に対して垂直方向の初期位置からの変位量を検出する。変位量検出部51及び押し付け部51aは、例えば、変位量検出ユニット32及び押し付けローラ41に対応する。
【0046】
基準変位量記憶部52は、基準変位量が記憶される。基準変位量記憶部52には、予め初期値としての基準変位量が記憶される。基準変位量記憶部52は、例えば、記憶装置22の基準変位量記憶領域に対応する。
【0047】
紙幣厚さ記憶部53は、紙幣1枚分の厚さが記憶される。紙幣厚さ記憶部53には、予め初期値として紙幣1枚分の厚さが記憶される。紙幣厚さ記憶部53は、例えば、記憶装置22の紙幣厚さ記憶領域に対応する。
【0048】
テープ厚さ閾値記憶部54は、テープ厚さ閾値が記憶される。テープ厚さ閾値記憶部54には、予め初期値としてのテープ厚さ閾値が記憶される。テープ厚さ閾値記憶部54は、例えば、記憶装置22のテープ厚さ閾値記憶領域に対応する。
【0049】
判定部55は、変位量検出部51により検出された変位量と、基準変位量記憶部52に記憶された基準変位量と、紙幣厚さ記憶部53に記憶された紙幣1枚分の厚さと、テープ厚さ閾値記憶部54に記憶されたテープ厚さ閾値とに基づいて、搬送面と押し付け部51aとの間を通過する紙幣が、1枚の紙幣、テープが貼付された紙幣、2枚の重ねられた紙幣、及び他の紙幣の何れであるかを判定する。判定部55は、例えば、主制御ユニット21の一部の機能に対応する。
【0050】
判定部55は、例えば、変位量検出部51により検出された変位量が、基準変位量記憶部52に記憶された基準変位量とテープ厚さ閾値記憶部54に記憶されたテープ厚さ閾値とに基づく第1の閾値未満である場合に、搬送面と押し付け部51aとの間を通過する紙幣が1枚の紙幣であると判定する。また、判定部55は、例えば、変位量検出部51により検出された変位量が、第1の閾値以上であって且つ紙幣厚さ記憶部53に記憶された紙幣1枚分の厚さと基準変位量記憶部52に記憶された基準変位量とに基づく第2の閾値未満である場合に、搬送面と押し付け部51aとの間を通過する紙幣が、テープが貼付された紙幣であると判定する。また、判定部55は、例えば、変位量検出部51により検出された変位量が、第2の閾値以上であって且つ紙幣厚さ記憶部53に記憶された紙幣1枚分の厚さと基準変位量記憶部52に記憶された基準変位量とに基づく第3の閾値未満である場合に、搬送面と押し付け部51aとの間を通過する紙幣が、2枚の重ねられた紙幣であると判定する。なお、第1の閾値は、例えば、テープ厚さ閾値記憶部54に記憶されたテープ厚さ閾値と基準変位量記憶部52に記憶された基準変位量との合計値である。第2の閾値は、例えば、紙幣厚さ記憶部53に記憶された紙幣1枚分の厚さと基準変位量記憶部52に記憶された基準変位量との合計値である。第3の閾値は、例えば、紙幣厚さ記憶部53に記憶された紙幣1枚分の厚さの2倍の値と基準変位量記憶部52に記憶された基準変位量との合計値である。
【0051】
基準変位量更新部56は、判定部55により1枚の紙幣であると判定された場合に、基準変位量記憶部52に記憶された基準変位量の値を、当該判定されたときの変位量検出部51により検出された変位量へ更新する。基準変位量更新部56は、例えば、主制御ユニット21の他の一部の機能に対応する。
【0052】
紙幣厚さ算出部57は、判定部55により2枚の重ねられた紙幣であると判定された場合に、当該判定されたときの変位量検出部51により検出された変位量から基準変位量記憶部52に記憶された基準変位量を減算することにより紙幣1枚分の厚さを算出する。紙幣厚さ算出部57は、例えば、主制御ユニット21の他の一部の機能に対応する。
【0053】
紙幣厚さ更新部58は、紙幣厚さ記憶部53に記憶された紙幣1枚分の厚さを、紙幣厚さ算出部57により算出された紙幣1枚分の厚さへ更新する。紙幣厚さ更新部58は、例えば、主制御ユニット21の他の一部の機能に対応する。
【0054】
テープ厚さ閾値算出部59は、紙幣厚さ算出部57により算出された紙幣1枚分の厚さに基づいてテープ厚さ閾値を算出する。例えば、テープ厚さ閾値算出部59は、紙幣厚さ算出部57により算出された紙幣1枚分の厚さに所定の係数を乗算することにより、テープ厚さ閾値を算出する。ここで、所定の係数は、紙幣1枚分の厚さに対するテープの厚さの割合に相当する。テープ厚さ閾値算出部59は、例えば、主制御ユニット21の他の一部の機能に対応する。
【0055】
テープ厚さ閾値更新部60は、テープ厚さ閾値記憶部54に記憶されたテープ厚さ閾値を、テープ厚さ閾値算出部59により算出されたテープ厚さ閾値へ更新する。テープ厚さ閾値更新部60は、例えば、主制御ユニット21の他の一部の機能に対応する。
【0056】
次に、紙葉類取扱装置10において実行される紙幣判定処理について説明する。
【0057】
図6は、一実施の形態に係る紙葉類取扱装置において実行される紙幣判定処理の流れを例示するフローチャートである。
【0058】
図6に例示した紙幣判定処理は、搬送面44と押し付けローラ41との間を紙幣が通過する毎に実行される処理である。
【0059】
図6に例示した紙幣判定処理が開始すると、主制御ユニット21は、まず、変位量検出ユニット32により検出された変位量を取得する(S11)。
【0060】
次に、主制御ユニット21は、S11で取得した変位量が、記憶装置22のテープ厚さ閾値記憶領域に記憶されたテープ厚さ閾値(t閾値)と記憶装置22の基準変位量記憶領域に記憶された基準変位量(B-C)の合計値(t閾値+B-C)よりも小さいか否かを判定する(S12)。なお、t閾値+B-Cは、第1の閾値の一例である。
【0061】
S12の判定結果がYESの場合、主制御ユニット21は、搬送面44と押し付けローラ41との間を通過する紙幣が1枚の紙幣(正常な厚さの紙幣)であると判定し(S13)、記憶装置22の基準変位量記憶領域に記憶された基準変位量(B-C)を、S11で取得した変位量へ更新し(S14)、図6に例示した紙幣判定処理が終了する。
【0062】
一方、S12の判定結果がNOの場合、主制御ユニット21は、S11で取得した変位量が、記憶装置22のテープ厚さ閾値記憶領域に記憶されたテープ厚さ閾値(t閾値)と記憶装置22の基準変位量記憶領域に記憶された基準変位量(B-C)の合計値(t閾値+B-C)以上であって且つ記憶装置22の紙幣厚さ記憶領域に記憶された紙幣1枚分の厚さ(B)と記憶装置22の基準変位量記憶領域に記憶された基準変位量(B-C)の合計値(B+B-C)よりも小さいか否かを判定する(S15)。なお、B+B-Cは、第2の閾値の一例である。
【0063】
S15の判定結果がYESの場合、主制御ユニット21は、搬送面44と押し付けローラ41との間を通過する紙幣が、テープが貼付された紙幣であると判定し(S16)、図6に例示した紙幣判定処理が終了する。
【0064】
一方、S15の判定結果がNOの場合、主制御ユニット21は、S11で取得した変位量が、記憶装置22の紙幣厚さ記憶領域に記憶された紙幣1枚分の厚さ(B)と記憶装置22の基準変位量記憶領域に記憶された基準変位量(B-C)の合計値(B+B-C)以上であって且つ記憶装置22の紙幣厚さ記憶領域に記憶された紙幣1枚分の厚さ(B)の2倍の値(B×2)と記憶装置22の基準変位量記憶領域に記憶された基準変位量(B-C)の合計値(B×2+B-C)よりも小さいか否かを判定する(S17)。なお、B×2+B-Cは、第3の閾値の一例である。
【0065】
S17の判定結果がYESの場合、主制御ユニット21は、搬送面44と押し付けローラ41との間を通過する紙幣が、2枚の重ねられた紙幣であると判定する(S18)。そして、S11で取得した変位量から、記憶装置22の基準変位量記憶領域に記憶された基準変位量(B-C)を減算することにより、紙幣1枚分の厚さを算出し(S19)、記憶装置22の紙幣厚さ記憶領域に記憶された紙幣1枚分の厚さ(B)を、S19で算出した厚さへ更新する(S20)。また、S19で算出した紙幣1枚分の厚さに所定の係数(紙幣1枚分の厚さに対するテープの厚さの割合に相当する係数)を乗算することにより、テープ厚さ閾値を算出し(S21)、記憶装置22のテープ厚さ閾値記憶領域に記憶されたテープ厚さ閾値(t閾値)を、S21で算出したテープ厚さ閾値へ更新する(S22)。S22の後は、図6に例示した紙幣判定処理が終了する。
【0066】
一方、S17の判定結果がNOの場合、主制御ユニット21は、搬送面44と押し付けローラ41との間を通過する紙幣が、他の紙幣(異常な厚さの紙幣)であると判定し(S23)、図6に例示した紙幣判定処理が終了する。
【0067】
このような図6に例示した紙幣判定処理により、1枚の紙幣(正常な厚さの紙幣)であると判定された紙幣は、その後、出金紙幣として使用され得る紙幣が収納される紙幣カセットへ収納される。一方、テープが貼付された紙幣であると判定された紙幣は、その後、出金紙幣として使用されないように、所定の回収用紙幣カセットに収納され、後日、行員等の店舗係員により回収される。また、2枚の重ねられた紙幣又は他の紙幣(異常な厚さの紙幣)であると判定された紙幣は、現金入出金部12から顧客に返却される。
【0068】
以上のように、紙葉類取扱装置10によれば、搬送面44と押し付けローラ41との間を1枚の紙幣が通過する毎に、記憶装置22の基準変位量記憶領域に記憶される基準変位量(B-C)が、その時の変位量検出ユニット32の経年変化の状態に応じた値に更新されるようになる。また、搬送面44と押し付けローラ41との間を2枚の重ねられた紙幣が通過する毎に、記憶装置22の紙幣厚さ記憶領域に記憶される紙幣1枚分の厚さ(B)と記憶装置22のテープ厚さ閾値記憶領域に記憶されるテープ厚さ閾値(t閾値)とが、その時の変位量検出ユニット32の経年変化の状態に応じた値に更新されるようになる。そのため、変位量検出ユニット32が経年変化したとしても(例えば、押し付けローラ41の初期位置や変位量検出センサ43の出力値等が経年変化したとしても)、搬送面44と押し付けローラ41との間を通過する紙幣が、1枚の紙幣、テープが貼付された紙幣、2枚が重ねられた紙幣、及び他の紙幣の何れであるかを正確に判定することができる。
【0069】
なお、紙葉類取扱装置10では、顧客が入金した紙幣に限らず、店舗係員が定期的に、1枚の紙幣と2枚の重ねられた紙幣を紙葉類取扱装置10に入金して、記憶装置22の基準変位量記憶領域に記憶される基準変位量(B-C)、記憶装置22の紙幣厚さ記憶領域に記憶される紙幣1枚分の厚さ(B)、及び記憶装置22のテープ厚さ閾値記憶領域に記憶されるテープ厚さ閾値(t閾値)を定期的に更新させるようにしてもよい。
【0070】
また、紙葉類取扱装置10において、上述の紙幣判定処理は、金種を区別することなく行われた。その理由は、一般に、紙幣の厚さは、紙幣の発行元(国)が同一であれば金種に関わらず略同一になるからである。しかしながら、上述の紙幣判定処理は、金種を区別した後に、金種毎に行われるようにしてもよい。この場合は、例えば、記憶装置22が、金種毎に、基準変位量記憶領域、紙幣厚さ記憶領域、及びテープ厚さ閾値記憶領域を有して、区別された金種毎に、上述の紙幣判定処理が行われてもよい。
【0071】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。
【符号の説明】
【0072】
10 紙葉類取扱装置
11 顧客操作画面
12 現金入出金部
13 通帳受付部
14 カード受付口
15 レシート発行口
21 主制御ユニット
22 記憶装置
23 入力装置
24 表示装置
25 紙幣処理ユニット
26 硬貨処理ユニット
27 カード処理ユニット
28 レシート処理ユニット
29 通信処理ユニット
30 通帳処理ユニット
31 バス
32 変位量検出ユニット
41 押し付けローラ
42 変位伝達レバー
42a 軸
43 変位量検出センサ
44 搬送面
45 紙幣
46 テープ
51 変位量検出部
51a 押し付け部
52 基準変位量記憶部
53 紙幣厚さ記憶部
54 テープ厚さ閾値記憶部
55 判定部
56 基準変位量更新部
57 紙幣厚さ算出部
58 紙幣厚さ更新部
59 テープ厚さ閾値算出部
60 テープ厚さ閾値更新部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6