(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-22
(45)【発行日】2022-12-01
(54)【発明の名称】制御システムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
G08C 17/00 20060101AFI20221124BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20221124BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
G08C17/00 Z
H02J13/00 A
H02J13/00 301A
G08C15/00 D
(21)【出願番号】P 2021111990
(22)【出願日】2021-07-06
【審査請求日】2021-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(73)【特許権者】
【識別番号】000163419
【氏名又は名称】株式会社きんでん
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100157967
【氏名又は名称】管田 洋明
(74)【代理人】
【識別番号】100209705
【氏名又は名称】山本 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】今上 勇秀
(72)【発明者】
【氏名】片岡 誠一
(72)【発明者】
【氏名】寺川 明宏
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/042246(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/116513(WO,A1)
【文献】特開2018-059706(JP,A)
【文献】国際公開第2020/012773(WO,A1)
【文献】特開2018-151095(JP,A)
【文献】特開2006-194540(JP,A)
【文献】特開2011-097852(JP,A)
【文献】特開2019-120415(JP,A)
【文献】特開2018-031536(JP,A)
【文献】特開2005-003281(JP,A)
【文献】特開2007-221280(JP,A)
【文献】特開2012-244377(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 13/00-25/04
H02J 13/00
F24F 1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に設置されているセンサで時系列に計測された複数の計測値を取得し、前記複数の計測値を変換して圧縮し、まとめてメッセージに格納
して処理部に宛てて送信する送信部と、
前記メッセージを受信すると、前記メッセージから前記複数の計測値を復元する前記処理部と、
前記処理部により復元された前記複数の計測値に基づき生成されている制御情報を受信し、前記制御情報に基づいて、前記施設の設備に制御信号を出力するコントローラと、
を含
み、
前記送信部は、前記複数の計測値を代表する第1の計測値と、1つ前に送信した前記メッセージに格納された前記複数の計測値を代表する第2の計測値との差分に対する前記第1の計測値と他の計測値との差分、の割合に対応付く割合値を前記メッセージに格納する、制御システム。
【請求項2】
前記送信部は、第1の時間帯に第1の送信間隔で前記メッセージを送信し、第2の時間帯に前記第1の送信間隔よりも送信間隔の長い第2の送信間隔で前記メッセージを送信する、請求項
1に記載の制御システム。
【請求項3】
送信部が、施設に設置されているセンサで時系列に計測された複数の計測値を取得し、前記複数の計測値を変換して圧縮し、まとめてメッセージに格納
して処理部に宛てて送信し、
前記処理部が、前記メッセージを受信すると、前記メッセージから前記複数の計測値を復元し、
コントローラが、前記処理部により復元された前記複数の計測値に基づき生成されている制御情報を受信し、前記制御情報に基づいて、前記施設の設備に制御信号を出力する、
ことを含
み、
前記送信部は、前記複数の計測値を代表する第1の計測値と、1つ前に送信した前記メッセージに格納された前記複数の計測値を代表する第2の計測値との差分に対する前記第1の計測値と他の計測値との差分、の割合に対応付く割合値を前記メッセージに格納する、制御システムが実行する制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システムおよび制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、低消費電力、長距離の伝搬、および低通信容量を実現するために、LPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれる通信方式が注目されている。LPWAは、例えば、IoT(Internet of Things)実現のために利用されている。例えば、LPWAは、電気、水道、およびガスで利用されるスマートメータのデータ取集、並びに物流における荷物のトラッキングの領域で利用されている。
【0003】
これに関し、消費電力を制御することに関連する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、LPWAでは、1回に送信できるデータ量が制限されることがある。また、LPWAでは、1日に通信できる通信回数が制限されることがある。データ量に応じて利用料金が定まることもあり、通信されるデータ量はできるだけ削減されることが望ましい。従って、例えば、LPWAといった通信方式をセンサで計測された計測値の収集に用いる場合、センサで計測された複数の計測値を効率的に収集することが求められることがある。
【0006】
1つの側面では、本発明は、センサで計測された複数の計測値を効率的に収集することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本開示の一つの態様の制御システムは、送信部と、処理部と、コントローラと、を含む。送信部は、施設に設置されているセンサで時系列に計測された複数の計測値を取得する。送信部は、複数の計測値を変換して圧縮し、まとめてメッセージに格納して処理部に宛てて送信する。処理部は、メッセージを受信すると、メッセージから複数の計測値を復元する。コントローラは、処理部により復元された複数の計測値に基づき生成されている制御情報を受信する。コントローラは、制御情報に基づいて、施設の設備に制御信号を出力する。
【0008】
(2)上記(1)の制御システムにおいて、送信部は、複数の計測値を代表する計測値を示す変換値と、代表する計測値からの他の計測値の差分を示す差分値とをメッセージに格納してもよい。
【0009】
(3)上記(1)の制御システムにおいて、送信部は、複数の計測値を代表する第1の計測値と、1つ前に送信した前記メッセージに格納された前記複数の計測値を代表する第2の計測値との差分に対する前記第1の計測値と他の計測値との差分、の割合に対応づく割合値を前記メッセージに格納してもよい。
【0010】
(4)上記(1)から(3)のいずれかの制御システムにおいて、送信部は、第1の時間帯に第1の送信間隔でメッセージを送信し、第2の時間帯に第1の送信間隔よりも送信間隔の長い第2の送信間隔でメッセージを送信してもよい。
【0011】
(5)本開示の一つの態様の制御方法は、送信部が、施設に設置されているセンサで時系列に計測された複数の計測値を取得し、複数の計測値を変換して圧縮し、まとめてメッセージに格納して処理部に宛てて送信し、処理部が、メッセージを受信すると、メッセージから複数の計測値を復元し、コントローラが、処理部により復元された複数の計測値に基づき生成されている制御情報を受信し、制御情報に基づいて、施設の設備に制御信号を出力する、ことを含む。
【発明の効果】
【0012】
センサで計測された複数の計測値を効率的に収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】実施形態に係る制御システムを例示する図である。
【
図3】実施形態に係る送信装置の機能ブロック構成を例示する図である。
【
図4】実施形態に係る処理サーバの機能ブロック構成を例示する図である。
【
図7】実施形態に係る温度の計測値からのメッセージの生成を例示する図である。
【
図8】実施形態に係るメッセージのデータレイアウトの変更を例示する図である。
【
図9】実施形態に係る空調機と配線用遮断器の積算有効電力量のメッセージレイアウトを例示する図である。
【
図10】実施形態に係る割合変換情報を例示する図である。
【
図11】実施形態に係る電力量の計測値からのメッセージの生成を例示する図である。
【
図12】制御システムが実行する計測値の蓄積処理のシーケンスを例示する図である。
【
図13】制御システムが実行する空調設備の制御処理のシーケンスを例示する図である。
【
図14】実施形態に係る情報処理装置を実現するためのコンピュータのハードウェア構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。なお、複数の図面において対応する要素には同一の符号を付す。
【0015】
図1に示すシステム構成は、例示的な制御システム100を示す図である。
図1に示す制御システム100は、例えば、蓄積サーバ101、分析サーバ102、ルータ103、コントローラ104、空調設備105、温湿度センサ106、および電力量センサ107を含む。
【0016】
空調設備105は、例えば、ビルマルチエアコン、パッケージエアコン、熱源機器、ファンコイルユニット(FCU)、外調機といった空調を行う設備であってよい。
【0017】
温湿度センサ106は、例えば、温度および湿度を計測するセンサである。温湿度センサ106は、例えば、空調設備105で空調を行う対象となる部屋およびフロアといった空間における温度および湿度を計測してよい。電力量センサ107は、例えば、電力量を計測するセンサである。電力量センサ107は、例えば、空調設備105が消費する電力量を計測してよい。
【0018】
蓄積サーバ101は、例えば、各種の情報を収集して蓄積する。蓄積サーバ101は、例えば、温湿度センサ106および電力量センサ107による計測値をコントローラ104から受信して蓄積してよい。また、蓄積サーバ101は、例えば、分析サーバ102が分析の結果として出力した制御情報を蓄積してよい。
【0019】
分析サーバ102は、例えば、蓄積サーバ101に蓄積された情報、および他の情報を用いて分析を行い、得られた分析結果に基づいて制御情報をコントローラ104に宛てて送信する。ルータ103は、例えば、VPN(Virtual Private Network)機能を備えるVPNルータであってよい。
【0020】
コントローラ104は、例えば、温湿度センサ106および電力量センサ107といったセンサから計測値の情報を収集し、蓄積サーバ101に送信する。また、コントローラ104は、例えば、分析サーバ102から送られてきた制御情報に基づいて空調設備105を制御する。例えば、空調設備105には、空調室外機の容量制限をするための外部入力端子が備えられていてよく、コントローラ104は、制御情報に基づいて決定した制御信号を空調設備105に外部入力し、空調設備105による空調の強弱を制御してよい。
【0021】
例えば、以上のようにして、温湿度センサ106および電力量センサ107による計測結果を用いて空調設備105を制御することができる。
【0022】
ところで、温湿度センサ106および電力量センサ107からの計測値の収集は、例えば、コントローラ104と、温湿度センサ106および電力量センサ107とを有線、または無線で接続することで行うことができる。しかしながら、コントローラ104と温湿度センサ106および電力量センサ107との接続には配線等の作業が発生したり、設置場所に制限を受けたりすることがある。また、例えば、施設のレイアウトの変更があった場合にも、センサの設置場所を変更することが難しいことがある。
【0023】
そこで、センサの計測値を直接、クラウドにあげて、クラウドからコントローラ104が計測値のデータを取得することが考えられる。センサの計測値を直接、クラウドにあげるための一例として、LPWAといった低消費電力、長距離伝搬、低通信容量を実現するための通信方式を利用することが考えられる。
【0024】
しかしながら、例えば、LPWAでは、1回に送信できるデータ量が制限されることがある。また、例えば、LPWAでは、1日に通信できる通信回数が制限されることがある。LPWAでは、データ量に応じて利用料金が定まることもあり、通信されるデータ量はできるだけ削減されることが望ましい。例えば、LPWAといった通信方式をセンサで計測された計測値の収集に用いる場合、センサで計測された複数の計測値を効率的に収集することが求められる。以下で述べる実施形態では、センサで計測された複数の計測値を変換することでデータの通信量が削減される。従って、センサで計測された複数の計測値を効率的に収集することができる。以下、実施形態を更に詳細に説明する。
【0025】
図2に示すシステム構成は、実施形態に係る制御システム200を例示している。
図2に示す制御システム200は、例えば、蓄積サーバ101、分析サーバ102、ルータ103、および空調設備105を含む。また更に、
図2に示す制御システム200は、送信装置201、クラウドサーバ202、処理サーバ203、コントローラ204、温湿度センサ205、および電力量センサ206を含む。送信装置201は、例えば、温湿度センサ205、および電力量センサ206のセンサと接続されていてよい。送信装置201は、例えば、センサから取得した複数の計測値を示す情報を含むメッセージを処理サーバ203に宛てて送信する。一例では、送信装置201は、基地局に接続し、クラウドサーバ202を介して処理サーバ203にメッセージを送信してよい。送信装置201は、例えば、LPWAで通信を行う装置であってよい。送信装置201は、一例ではアンライセンスバンドを用いるSigfox(登録商標)、Eltres(登録商標)、LoRaWAN(登録商標)で通信を行ってよい。
【0026】
送信装置201は、例えば、クラウドサーバ202に送信するデータ量を削減するために、計測値を変換してよい。また、送信装置201は、例えば、クラウドサーバ202への通信回数を削減するために、センサで計測された複数の計測値を集約したメッセージを生成してよい。送信装置201は、生成されたメッセージをクラウドサーバ202に送信してよい。
【0027】
クラウドサーバ202は、例えば、センサから受信したメッセージを、宛先の処理サーバ203に送信する。
【0028】
処理サーバ203は、例えば、復号処理を実行してメッセージから複数の計測値を復元してよい。処理サーバ203は、例えば、復元された複数の計測値を蓄積サーバ101に送信してよい。
【0029】
蓄積サーバ101は、例えば、処理サーバ203により復元された複数の計測値を蓄積することで、温湿度センサ205および電力量センサ206による計測値を蓄積することができる。蓄積サーバ101は、例えば、分析サーバ102に、蓄積された温湿度センサ205および電力量センサ206による計測値の情報を提供してよい。また、蓄積サーバ101は、例えば、分析サーバ102が分析の結果として出力した制御情報を蓄積してよい。
【0030】
分析サーバ102は、例えば、蓄積サーバ101に蓄積された計測値の情報、および他の情報を用いて分析を行う。分析サーバ102は、例えば、得られた分析結果に基づいて制御情報をコントローラ204に宛てて送信する。
【0031】
ルータ103は、例えば、VPN機能を備えるVPNルータであってよい。コントローラ204は、例えば、分析サーバ102から送られてきた制御情報に基づいて空調設備105を制御する。例えば、空調設備105には、空調室外機の容量制限をするための外部入力端子が備えられていてよい。コントローラ204は、例えば、制御情報に基づいて決定した制御信号を外部入力し、空調設備105による空調の調整の強弱を制御してよい。
【0032】
例えば、以上のようにして、温湿度センサ205および電力量センサ206による計測結果を送信装置201から直接、クラウドサーバ202にあげることができる。従って、配線等の作業を低減したり、設置場所の制限を減らしたりすることができる。
【0033】
図3に示すブロック構成は、実施形態に係る送信装置201の機能ブロック構成を例示している。送信装置201は、例えば、制御部301、記憶部302、および通信部303を含む。制御部301は、例えば送信部311を含み、また他の機能部を含んでもよい。送信装置201の記憶部302は、例えば、後述する温度変換情報500、温度差分情報600、割合変換情報1000を記憶している。通信部303は、例えば、制御部301の指示に従って、他の装置と通信する。送信装置201の各部の詳細及び記憶部302に格納されている情報の詳細については後述する。送信装置201は、例えば、複数の計測値を圧縮する変換処理を実行する。
【0034】
また、
図4に示すブロック構成は、実施形態に係る処理サーバ203の機能ブロック構成を例示している。処理サーバ203は、例えば、制御部401、記憶部402、および通信部403を含む。制御部401は、例えば処理部411を含み、また他の機能部を含んでもよい。処理サーバ203の記憶部402は、例えば、後述する温度変換情報500、温度差分情報600、割合変換情報1000を記憶している。通信部403は、例えば、制御部401の指示に従って、他の装置と通信する。処理サーバ203の各部の詳細及び記憶部402に格納されている情報の詳細については後述する。処理サーバ203は、例えば、メッセージから複数の計測値を復元する復元処理を実行する。
【0035】
続いて、送信装置201における複数の計測値の変換処理を説明する。例えば、LPWAといった低消費電力、長距離伝搬、低通信容量を実現する通信方式では、1回に送信できるデータ量が制限されることがある。また、例えば、LPWAといった低消費電力、長距離伝搬、低通信容量を実現する通信方式では、1日に通信できる通信回数が制限されることがある。データ量に応じて利用料金が定まることもある。従って、通信されるデータ量はできるだけ削減されることが望ましい。
【0036】
例えば、Sigfoxを用いる場合、1日に通信できる通信回数は140回に制限されている。例えば、温湿度センサ205で計測された1分間隔の計測値をクラウドサーバ202に提供しようとする場合、1分に一度送信していると、すぐに140回を超えてしまい、1日分のデータをクラウドサーバ202に送信することはできない。そこで、実施形態では複数の計測値を集約してデータを送信する。例えば、送信装置201は、10分20秒の間に1分間隔で計測された11個のデータを、1回の送信データに集約して送信してよい。
【0037】
また、Sigfoxを用いる場合、1回線の上りのデータサイズは12バイトに制限されている。そこで、送信装置201は、例えば、10分20秒の間に1分間隔で計測された11個のデータが、12バイトに収まるように、温度の計測値を、別な形式にデータ変換してよい。以下、温度の変換について例を述べる。
【0038】
(温度の変換)
例えば、温湿度センサ205が計測対象とする温度範囲が-10.0℃~60.0℃である場合、送信装置201の制御部301は、温度の計測値を0~700(10ビット)の範囲の変換値に変換して温度を表してよい。なお、湿度が変換値に変換されてもよい。例えば、温湿度センサ205が計測対象とする湿度範囲が0.0%~100.0%であるとすると、制御部301は、湿度の計測値を0~1000(10ビット)の範囲の変換値に変換して湿度を表してよい。
【0039】
図5には温度変換情報500が例示されている。
図5の例では温度変換情報500には、温度と変換値とを対応づけたレコードが登録されている。
図5の例では温度の計測値が0~700(10ビット)の範囲の変換値に対応づけられている。例えば、送信装置201の制御部301は、温度変換情報500を用いて温湿度センサ205で計測された温度の計測値を、温度を示すより小さいデータ量の変換値に変換することができる。
【0040】
図6には温度差分情報600が例示されている。
図6の例では温度差分情報600には、差分温度と差分値とを対応づけたレコードが登録されている。
図6の例では差分温度は、-3.1℃~3.1℃が1~63(6ビット)の範囲の差分値に対応づけられている。例えば、送信装置201の制御部301は、温度差分情報600を用いて温湿度センサ205で計測された或る温度を基準温度として用いて、基準温度からの差分を差分値で表して別の温度を示すことができる。即ち、温度を、温度を示すより小さいデータ量の差分値を用いて示すことができる。一例として、送信装置201の制御部301は、10分20秒の期間に計測された複数の計測値のうちの最新の値を基準温度として、他の10個の計測値を差分値で表してよい。
【0041】
図7には、実施形態に係る温度の計測値からのメッセージ703の生成が例示されている。
図7(a)には、温湿度センサ205の計測結果701が例示されている。計測結果701には、例えば、温湿度センサ205の計測値を示す複数のレコードが登録されている。例えば、計測結果701には、時刻、温度、差分、および湿度を対応づけるレコードが登録されていてよい。計測結果701の時刻は、例えば、温度の計測時刻である。計測結果701の温度は、例えば、レコードの時刻に温湿度センサ205で計測された温度である。計測結果701の差分は、例えば、計測結果701に登録されている最新の時刻の温度からのレコードの温度の差分であってよい。計測結果701の湿度は、例えば、レコードの時刻に温湿度センサ205で計測された温度である。
【0042】
また、
図7(b)には、送信装置201の制御部301が、計測結果701を変換して得た変換情報702が示されている。
図7(b)の変換情報702には、例えば、温度の変換値、温度の差分値、および湿度の変換値を対応づけるレコードが時系列に登録されている。なお、変換情報702には、計測結果701の温度を、温度変換情報500を用いて変換した変換値が登録されている。また、変換情報702には、最新の時刻の10:09の温度との差分温度を、温度差分情報600を用いて変換した差分値が登録されている。
【0043】
図7(c)には、送信装置201の制御部301が、例えば、クラウドサーバ202に送信するメッセージ703が示されている。メッセージ703には、例えば、先頭のヘッダに続いて、最新の温度が登録されており、その後に、計測結果701の最新の時刻の温度からの差分を、温度差分情報600を用いて変換した差分値が時系列に登録されている。
図7(c)の例ではメッセージ703には、ヘッダに続いて、10:09分の温度の変換値、および10:00分まで1分ずつ遡った差分値が時系列に登録されている。また、メッセージ703の末尾には、例えば、計測結果701の最新の時刻の湿度の変換値が登録されている。
【0044】
例えば、
図7に示すように、計測結果701に含まれる複数の温度をそのまま全てメッセージに格納して送信するよりも、変換した値をメッセージに格納して送信する方が、データ量を削減することができる。
【0045】
なお、
図7のメッセージ703では、湿度の情報が最新の1つしか登録されていないが、実施形態はこれに限定されるものではない。別の実施形態では複数の湿度の情報が、データ量が小さくなるように変換されてメッセージ703に時系列に登録されていてもよい。また、湿度の情報は、例えば、空調機の温度制御に用いられていなくてもよいし、用いられていてもよい。一例では湿度の情報は、空調設備105の利用者に湿度の情報を提供するために登録されていてよい。
【0046】
なお、実施形態に係るメッセージ703のデータレイアウトはこれに限定されるものではない。例えば、別の実施形態では、複数の温度の変換値が一回のメッセージ703に、含められてもよい。
【0047】
一例として、上述の実施形態では温度差分情報600において、温度の差分が±3.1℃の範囲に収まるものとして、差分温度と差分値とが対応づけられている。しかしながら、例えば、実際の差分温度が±3.1℃を超過する可能性もある。そこで、差分が±3.1℃を超過する場合に、送信装置201の制御部301は、メッセージ703のデータレイアウトを自動的に切り替えてもよい。
【0048】
図8には実施形態に係るメッセージ703のデータレイアウトの変更が例示されている。
図8(a)には、
図7(c)で示したメッセージ703のデータレイアウトが例示されている。
【0049】
また、
図8(b)には、一回のメッセージ703に、温度の変換値のデータを10ビットで6件含めるデータレイアウトが例示されている。例えば、10ビットにすることで、先頭の最新の温度データと同じように、差分ではなく温度の変換値を格納できる。従って、正確な温度をクラウドサーバ202に送信することができる。なお、処理サーバ203は、例えば、データ数を減らしたことで不足する4個分のデータを、前後の値から推測して補完してよい。このような急激な温度変化は1日の中でも頻繁に起こるものではないと想定されるため、補間された温度が多少不正確であったとしても、影響は最小限に抑えられる。
【0050】
送信装置201の制御部301は、例えば、メッセージ703を生成すると、クラウドサーバ202に送信する。
【0051】
クラウドサーバ202は、メッセージ703を受信すると、メッセージ703にタイムスタンプを付加し、処理サーバ203に送信する。例えば、クラウドサーバ202は、メッセージ703の受信時刻を示す情報をタイムスタンプとしてメッセージ703に付加してよい。
【0052】
処理サーバ203は、メッセージ703を受信すると、メッセージ703から複数の計測値を復元する処理を実行してよい。例えば、処理サーバ203の記憶部402には、温度変換情報500および温度差分情報600が記憶されている。処理サーバ203は、例えば、温度変換情報500および温度差分情報600を用いて、送信装置201が実行した変換処理と逆の手順を実行し、メッセージ703から計測結果701の温度の情報を復元してよい。例えば、処理サーバ203は、メッセージ703に含まれる最新の時刻の温度の変換値から、温度変換情報500を用いて温度を復元してよい。また、例えば、処理サーバ203は、メッセージに含まれる差分値から温度差分情報600を用いて差分温度を取得し、最新の温度と差分温度とから、各時刻の温度を取得してよい。
【0053】
なお、時刻については、一例では、制御部401は、メッセージ703に付加されたタイムスタンプに基づいて、メッセージ703から復元された各計測値と対応する時刻を生成してよい。例えば、処理サーバ203の制御部401は、メッセージ703の最新の温度の変換値から、温度変換情報500を用いて実際の温度を復元し、メッセージ703に付加されたタイムスタンプの時刻の温度として用いてよい。更に、処理サーバ203の制御部401は、復元された最新の時刻の温度と、差分の温度とを用いて1分間隔で時系列の温度を復元し、計測結果701の温度の情報を復元してよい。なお、復元された計測結果701の温度の情報は、タイムスタンプの時刻に基づいて時刻が設定されているため、計測結果701と時刻に多少のずれがあってもよい。
【0054】
続いて、電力量の複数の計測値を送信するためのメッセージの生成について述べる。上述のように、例えば、Sigfoxを用いる場合、1回線の上りのデータサイズは12バイトに制限されている。そこで、実施形態では送信装置201は、例えば、10分20秒の間に1分間隔で計測された11個のデータが、12バイトに収まるように、電力量の計測値を、別な形式にデータ変換してよい。以下、例えば、電力量の変換について述べる。
【0055】
(電力量の変換)
例えば、電力量センサ206で計測される積算有効電力量(wh)の値域が、0~999,999,999の範囲であるとする。また、例えば、エアコンの消費電力量は、0~2,097,151(21ビット)の範囲に収まるとする。一方、主幹の配線用遮断器(MCCB:Molded Case Circuit Breaker)の消費電力量は、0~8,388,607(23ビット)の範囲に収まるとする。積算有効電力量の情報をそのまま表すと大きなビット数となる。それゆえ、より少ないビット数で表現できるように積算有効電力量を変換してメッセージに格納することが望ましい。
【0056】
そこで、以下で述べる実施形態では、制御部301は、積算有効電力量の変化量を7ビットの割合値で表現してよい。なお、空調機と配線用遮断器との積算有効電力量の用途及びデータサイズの違いから、メッセージには異なるレイアウトが用いられてもよい。
【0057】
図9には、実施形態に係る積算有効電力量を示す情報を格納するメッセージ901のレイアウトが例示されている。例えば、空調機の積算有効電力量を示す情報を収集する場合、
図9(a)に示すように、送信装置201は、最新の積算有効電力量と、1件が7ビットで表された1分間隔の10件分の計測値の変化量を示す割合値を含むメッセージを送信してよい。
【0058】
一方、配線用遮断器では、送信装置201は、
図9(b)に示すように、最新の積算有効電力量と、それよりも過去の3回分の積算有効電力量とを1つのメッセージで送信してよい。
【0059】
続いて、電力量の割合値の取得について述べる。
【0060】
図10には、実施形態に係る割合変換情報1000が例示されている。割合変換情報1000では、例えば、割合値、割合算出式、および割合が対応づけられたレコードが登録されている。なお、
図10の割合変換情報1000では、割合値を7ビットで表す例を示している。7ビットは、例えば、0~127までの値を表現することができるため、
図10では100%を127分割した割合と割合値とが対応づけられている。例えば127分割では、割合は0.8%以下の誤差に抑えて表すことができる。割合値は、例えば、パーセントではなく、127分割した何番目の割合に該当するかを示す情報である。割合変換情報1000の割合算出式には、割合値と対応する割合を算出する式が示されている。割合変換情報1000の割合には、レコードの割合算出式で算出された割合が登録されている。
【0061】
図11には、実施形態に係る電力量を通知するためのメッセージ901の生成が例示されている。
【0062】
図11(a)には、電力量センサ206で計測される積算有効電力量(wh)の計測結果1101が例示されている。計測結果1101には、例えば、電力量センサ206の計測結果を示すレコードが登録されている。例えば、計測結果1101には、時刻、および積算有効電力量を対応づけるレコードが登録されていてよい。計測結果1101の時刻は、例えば、計測時刻である。計測結果1101の積算有効電力量は、例えば、レコードの時刻に電力量センサ206で計測された積算有効電力量である。
【0063】
また、
図11(b)には、送信装置201の制御部301が、計測結果1101を変換して得た変換情報1102が示されている。
図11(b)の変換情報1102には、例えば、電力量差分、差分割合、および割合値を対応づけるレコードが時系列に登録されている。なお、変換情報1102では、計測結果1101の積算有効電力量が、差分割合で表されている。差分割合は、例えば、以下のように求めることができる。
【0064】
例えば、メッセージ901の送信対象の計測値を含む計測結果1101に含まれる最新の積算有効電力量(第1の計測値)と、その1つ前の時刻に送信したメッセージ901に最新の積算有効電力量として登録されている電力量(第2の計測値)との差分を100%とする。例えば、メッセージ901の送信対象の計測値を含む計測結果1101に登録されている最新の積算有効電力量(第1の計測値)が500であるとする。また、1つ前の時刻に送信したメッセージ901に最新の積算有効電力量として登録されている積算有効電力量(第2の計測値)が300であるとする。この場合、制御部301は、2つの積算有効電力量の差分をとって、500‐300=200を取得してよい。制御部301は、得られた差分の電力量:200を100%として、各時刻における電力量の増加が何%にあたるかの割合を特定し、割合と対応する割合値を割合変換情報1000から取得してよい。
【0065】
例えば、計測結果1101に登録されている時刻が10:00の積算有効電力量である310は、1つ前の時刻に送信したメッセージ901に最新の積算有効電力量である300から10だけ増加している。即ち、制御部301は、10/200=5%を差分割合として特定することができる。
【0066】
同様に、例えば、計測結果1101に登録されている時刻が10:01の積算有効電力量である360は、1つ前の時刻に送信したメッセージ901に最新の積算有効電力量である300から60だけ増加している。即ち、制御部301は、60/200=30%を差分割合として特定することができる。
【0067】
例えば、以上のようにして、制御部301は、
図11(b)の変換情報1102に示されるように、各時刻における電力量差分と、差分割合を取得することができる。また、制御部301は、得られた差分割合を、割合変換情報1000を用いて対応する割合値へと変換する。
図11(b)の変換情報1102には、差分割合と対応する割合値が登録されている。
【0068】
続いて、制御部301は、
図11(c)に示すように、変換情報1102からメッセージ901を生成し、クラウドサーバ202に送信してよい。
図11(c)の例では、メッセージ901には、ヘッダ情報を先頭に、その後ろに時系列に、最新の積算有効電力量と、10件分の割合値とが時系列に登録されている。
【0069】
例えば、以上で述べたように、制御部301は、所定期間における積算有効電力量の増加量を100%とした場合に、その増加量に対して、所定の時刻までに増加した増加量が占める割合を示す割合値を、メッセージ901に含めてよい。それにより、複数の積算有効電力量をそのままメッセージに格納するよりも、データ量を削減することができる。
【0070】
続いて、送信装置201の制御部301は、例えば、メッセージ901をクラウドサーバ202に送信する。
【0071】
クラウドサーバ202は、メッセージ901を受信すると、メッセージ901にタイムスタンプを付加し、処理サーバ203に送信する。例えば、クラウドサーバ202は、メッセージ901の受信時刻を示す情報をタイムスタンプとしてメッセージ901に付加してよい。
【0072】
処理サーバ203は、メッセージ901を受信すると、メッセージ901から複数の計測値を復元する処理を実行してよい。例えば、処理サーバ203の記憶部402には、割合変換情報1000が記憶されている。処理サーバ203は、例えば、割合変換情報1000を用いて、送信装置201が実行した変換処理と逆の手順を実行し、メッセージ901から計測結果1101の積算有効電力量の情報を復元してよい。例えば、処理サーバ203は、メッセージ901から最新時刻の積算有効電力量を取得してよい。また、処理サーバ203は、前回受信されたメッセージ901の最新時刻の積算有効電力量と、今回受信したメッセージ901の最新時刻の積算有効電力量とから電力量の全体の増加量を取得してよい。処理サーバ203は、例えば、メッセージ901に含まれる割合値から割合変換情報1000を用いて割合を取得する。処理サーバ203は、例えば、電力量の全体の増加量と割合とから各時刻に対する積算有効電力量を求めてよい。
【0073】
なお、時刻については、一例では、制御部401は、メッセージ901に付加されたタイムスタンプに基づいて、メッセージ901から復元された各計測値と対応する時刻を生成してよい。
【0074】
続いて、実施形態に係る計測値の蓄積処理の流れを説明する。
図12には、制御システム200が実行する計測値の蓄積処理のシーケンスが例示されている。
【0075】
S1201において送信装置201は、センサから時系列の複数の計測値を取得してよい。例えば、送信装置201は、センサが所定の時間間隔で計測した所定期間における時系列の複数の計測値を取得してよい。
【0076】
S1202において送信装置201は、センサから取得した複数の計測値を圧縮変換する。例えば、センサから取得した複数の計測値が温度である場合、制御部301は、温度変換情報500を用いて複数の温度のそれぞれを変換値に変換してよい。また、制御部301は、例えば、温度差分情報600を用いて、複数の温度を代表する代表値との他の温度の差分を差分値に変換してよい。
【0077】
S1203において送信装置201は、例えば、メッセージを生成する。例えば、送信装置201は、変換値および差分値を含むメッセージを生成してよい。それにより、複数の計測値を変換して圧縮し、まとめて格納したメッセージを生成することができる。従って、メッセージの通信回数を削減したり、メッセージのデータサイズを小さくしたりすることができる。
【0078】
S1204において送信装置201は、例えば、メッセージを処理サーバ203に宛てて送信する。例えば、送信装置201は、処理サーバ203に宛てたメッセージをクラウドサーバ202に送信してよい。
【0079】
S1205においてクラウドサーバ202は、例えば、メッセージを受信すると、タイムスタンプをメッセージに付加する。例えば、クラウドサーバ202は、メッセージの受信時刻をメッセージに付加してよい。
【0080】
S1206においてクラウドサーバ202は、例えば、タイムスタンプを付加したメッセージを、宛先として指定されている処理サーバ203に送信する。
【0081】
S1207において処理サーバ203は、例えば、メッセージから時系列の計測値を復元する。例えば、処理サーバ203は、送信装置201が実行したのと逆の手順を実行して、複数の計測値を復元してよい。例えば、処理サーバ203は、メッセージに含まれる最新の時刻の温度の変換値から、温度変換情報500を用いて温度を復元してよい。また、例えば、処理サーバ203は、メッセージに含まれる差分値から温度差分情報600を用いて差分温度を取得し、最新の温度と差分温度とから、各時刻の温度を取得してよい。なお、処理サーバ203は、メッセージに含まれる最新の計測値の計測時刻として、タイムスタンプの時刻を用いてよい。また、例えば、処理サーバ203は、タイムスタンプの時刻から計測間隔ずつ時系列に時刻をずらすことで、他の計測値の計測時刻を生成してよい。
【0082】
S1208において処理サーバ203は、例えば、得られた複数の計測値を蓄積サーバ101に通知する。S1209において蓄積サーバ101は、受信した複数の計測値を蓄積サーバ101の記憶装置に格納する。
【0083】
例えば、以上のように、実施形態によれば、センサで計測された複数の計測値を、蓄積サーバ101に蓄積することができる。
【0084】
また、実施形態によれば送信装置201は、無線通信を用いてクラウドに直接データを送信することができるため、施設の設備にセンサおよび送信装置201を設置する際に、配線に気を配らなくてもセンサを設置して情報を収集することができる。
【0085】
また、実施形態によれば送信装置201は、センサの計測値を、よりデータ量の少ない変換値へと変換している。従って、より少ないデータ量で計測値を表すことができる。
【0086】
また更に、例えば、上述の実施形態では、計測値が温度の場合、複数の計測値を代表する代表値からの差分を示す差分値で、他の計測値を表している。従って、より少ないデータ量で計測値を表すことができる。
【0087】
また更に、例えば、上述の実施形態では、計測値が電力量の場合、所定期間における電力量の増加量を100%とし、その増加量に対して、所定の時刻までに増加した増加量が占める割合を示す割合値で他の計測値を表している。従って、より少ないデータ量で計測値を表すことができる。
【0088】
そのため、例えば、LPWAといった通信方式を利用する場合、上りのデータサイズが制限されることがあるが、実施形態によれば定められたデータサイズ内でより多くの計測値を格納することができる。
【0089】
また、例えば、1つのメッセージに格納できる計測値を示す情報の数を増やすことができるため、実施形態によれば、センサの情報をクラウドに上げるのにかかるメッセージの数も削減することができる。
【0090】
続いて、実施形態に係る空調設備105の制御処理の流れを説明する。
図13には、制御システム200が実行する空調設備105の制御処理のシーケンスが例示されている。
【0091】
S1301において分析サーバ102は、蓄積サーバ101から最新の計測値を含む時系列の複数の計測値を取得し、分析して制御情報を生成する。例えば、制御情報は、コントローラ204が空調設備105の制御するための処理で利用するパラメータであってよい。
【0092】
S1302において分析サーバ102は、制御情報をコントローラ204に宛てて送信する。
【0093】
S1303においてコントローラ204は、例えば、ルータ103を介して制御情報を受信すると、制御情報に含まれるパラメータの情報を用いて演算を行い、空調設備をどのように制御するか決定する。
【0094】
S1304においてコントローラ204は、例えば、決定した制御を指示する制御信号を空調設備105に出力する。
【0095】
S1305において空調設備105は、受信した制御信号に従って、空調設備105を制御し、施設の温度を調整する。
【0096】
以上に述べたように、例えば、クラウド上に配置された蓄積サーバ101に蓄積された複数の計測値の情報に基づいて、コントローラ204に制御情報が通知される。コントローラ204は、通知された制御情報に従って、制御信号を空調設備105に出力する。空調設備105は、制御信号に従って施設内の温度を制御する。
【0097】
コントローラ204は、例えば、蓄積サーバ101に蓄積された複数の計測値に基づき分析サーバ102から通知されるパラメータに従って、空調設備105に制御信号を出力することができる。従って、コントローラ204は、センサで計測された温度に応じて施設の温度を制御することができる。
【0098】
以上において、実施形態を例示したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、上述のシーケンスは例示であり、実施形態はこれに限定されるものではない。シーケンスは、処理の順番を変更して実行されてもよく、別に更なる処理を含んでもよく、又は、一部の処理が省略されてもよい。また、シーケンスの各処理は、別の装置で実行されてもよい。
【0099】
また、上述の実施形態ではメッセージの送信タイミングとして、例えば、一定間隔でメッセージ901を送信する例を述べているが、実施形態はこれに限定されるものではない。別の実施形態では、メッセージの送信タイミングとして複数の時間間隔が用いられてもよい。
【0100】
例えば、24時間にわたって等間隔でメッセージを送信するのではなく、24時間を複数の時間帯に分けて、時間帯によって、メッセージの送信間隔を密にする時間帯と疎にする時間帯を設けてもよい。例えば、送信装置201は、第1の時間帯に第1の送信間隔でメッセージを送信し、第2の時間帯に第1の送信間隔よりも送信間隔の長い第2の送信間隔でメッセージを送信してよい。また、メッセージのヘッダには、送信間隔が第1の送信間隔と第2の送信間隔のいずれであるかを示す情報が含まれていてもよい。
【0101】
例えば、空調機の管理の場合に、9時から19時の人が多くいる時間帯には、送信装置201は、メッセージの送信を5分間隔として120回送信し、密に温度および湿度の情報を送信してよい。それにより、人がいる時間帯には快適に過ごせるように温度制御を実行することができる。なお、メッセージ703には、約30秒間隔で計測された10件の計測値を示す情報が登録されていてよい。
【0102】
一方、19時から9時の人があまりいない時間帯には、送信装置201は、メッセージの送信を60分間隔として14回送信し、疎に温度および湿度の情報を送信してよい。なお、メッセージ703には約10分間隔で計測された6件の計測値を示す情報が登録されていてよい。
【0103】
この様に送信間隔を変更することで、施設に居る人の快適さを高めつつ、メッセージの通信回数を節約することができる。なお、ここでは2つの時間帯でメッセージの送信間隔を制御する例を述べているが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、制御部301は、3以上の複数の時間帯でメッセージの送信間隔を、異なる間隔に制御してもよい。
【0104】
また更に、別の実施形態では送信装置201は、複数のセンサと通信してもよい。例えば、1日に通信できる通信回数が140回に制限されている場合に、接続されたセンサによっては、140回もの通信が不要なセンサも存在し得る。この場合に、残りの通信回数は、別のセンサの計測値をクラウドサーバ202に送信するために利用されてもよい。即ち、複数の異なるセンサで計測された計測値をクラウドサーバ202にあげるために、送信装置201が共有されてもよい。
【0105】
また、上述の実施形態の制御システム200は、例示であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、蓄積サーバ101、分析サーバ102、クラウドサーバ202、および処理サーバ203は、統合された1つのサーバであってもよいし、より少ない数のサーバまたはより多い数のサーバで構成されていてもよい。例えば、上述の送信装置201に配置されている送信部311、および処理サーバ203に配置されている処理部411は、他の装置に配置されていてもよい。
【0106】
また、上述の実施形態では制御システム200を空調設備105の制御に適用する例を述べているが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、実施形態にかかる制御システム200は、蓄電池設備、受変電設備、太陽光発電設備などの蓄エネルギーおよび創エネルギーのための設備を制御するために利用されてもよい。例えば、メッセージには、SOC(State Of Charge)などのバッテリーの状態を示す複数の計測値が、データ量が小さくなるように変換されて格納されていてもよい。或いは、メッセージには、CO2濃度などの他の計測値が、データ量が小さくなるように変換されて格納されていてもよい。
【0107】
なお、上述の実施形態において、例えば、S1201からS1204の処理では、送信装置201の制御部301は、送信部311として動作する。また、例えば、S1207からS1208の処理では、処理サーバ203の制御部401は、処理部411として動作する。
【0108】
図14には、実施形態に係る送信装置201、クラウドサーバ202、処理サーバ203、コントローラ204、蓄積サーバ101、または分析サーバ102などの情報処理装置を実現するためのコンピュータ1400のハードウェア構成が例示されている。
図14のコンピュータを実現するためのハードウェア構成は、例えば、プロセッサ1401、メモリ1402、記憶装置1403、読取装置1404、通信インタフェース1406、及び入出力インタフェース1407を備える。なお、プロセッサ1401、メモリ1402、記憶装置1403、読取装置1404、通信インタフェース1406、および入出力インタフェース1407は、例えば、バス1408を介して互いに接続されている。
【0109】
プロセッサ1401は、例えば、シングルプロセッサであっても、マルチプロセッサやマルチコアであってもよい。プロセッサ1401は、メモリ1402を利用して手順を記述したプログラムを実行することにより、上述した送信装置201、クラウドサーバ202、処理サーバ203、コントローラ204、蓄積サーバ101、または分析サーバ102の一部または全部の機能を提供する。例えば、送信装置201のプロセッサ1401は、記憶装置1403に格納されているプログラムを読み出して実行することで、制御部301および送信部311として動作する。また、処理サーバ203のプロセッサ1401は、例えば、記憶装置1403に格納されているプログラムを読み出して実行することで制御部401および処理部411として動作する。
【0110】
メモリ1402は、例えば半導体メモリであり、RAM領域及びROM領域を含んでいてよい。記憶装置1403は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、又は外部記憶装置である。なお、RAMは、Random Access Memoryの略称である。また、ROMは、Read Only Memoryの略称である。
【0111】
読取装置1404は、プロセッサ1401の指示に従って着脱可能記憶媒体1405にアクセスする。着脱可能記憶媒体1405は、例えば、半導体デバイス、磁気的作用により情報が入出力される媒体、光学的作用により情報が入出力される媒体により実現される。なお、半導体デバイスは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリである。また、磁気的作用により情報が入出力される媒体は、例えば、磁気ディスクである。光学的作用により情報が入出力される媒体は、例えば、CD-ROM、DVD、Blu-ray Disc等(Blu-rayは登録商標)である。CDは、Compact Discの略称である。DVDは、Digital Versatile Diskの略称である。
【0112】
例えば、上述の記憶部302および記憶部402は、メモリ1402、記憶装置1403、及び着脱可能記憶媒体1405を含んでいる。例えば、送信装置201および処理サーバ203の記憶装置1403には、温度変換情報500、温度差分情報600、および割合変換情報1000が格納されている。
【0113】
通信インタフェース1406は、プロセッサ1401の指示に従って、他の装置と通信する。通信インタフェース1406は、例えば、上述の通信部303および通信部403の一例である。
【0114】
入出力インタフェース1407は、例えば、入力装置及び出力装置との間のインタフェースであってよい。入力装置は、例えばユーザからの指示を受け付けるキーボード、マウス、タッチパネルのデバイスである。出力装置は、例えばディスプレイ表示装置、及びスピーカの音声装置である。
【0115】
実施形態に係る各プログラムは、例えば、下記の形態でコンピュータ1400に提供される。
(1)記憶装置1403に予めインストールされている。
(2)着脱可能記憶媒体1405により提供される。
(3)プログラムサーバのサーバから提供される。
【0116】
なお、
図14を参照して述べた送信装置201、クラウドサーバ202、処理サーバ203、コントローラ204、蓄積サーバ101、または分析サーバ102などの情報処理装置を実現するためのコンピュータ1400のハードウェア構成は、例示であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、上述の構成の一部が、削除されてもよく、また、新たな構成が追加されてもよい。また、別の実施形態では、例えば、上述の制御部301および制御部401の一部または全部の機能がFPGA、SoC、ASIC、およびPLDによるハードウェアとして実装されてもよい。なお、FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。SoCは、System-on-a-chipの略称である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。PLDは、Programmable Logic Deviceの略称である。
【0117】
以上において、いくつかの実施形態が説明される。しかしながら、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、上述の実施形態の各種変形形態および代替形態を包含するものとして理解されるべきである。例えば、各種実施形態は、本発明の趣旨および範囲を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、本発明は、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせた実施形態や、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除して、または実施形態に示される構成要素にいくつかの構成要素を追加した実施形態も含まれる。
【符号の説明】
【0118】
100 :制御システム
101 :蓄積サーバ
102 :分析サーバ
103 :ルータ
104 :コントローラ
105 :空調設備
106 :温湿度センサ
107 :電力量センサ
200 :制御システム
201 :送信装置
202 :クラウドサーバ
203 :処理サーバ
204 :コントローラ
205 :温湿度センサ
206 :電力量センサ
301 :制御部
302 :記憶部
303 :通信部
311 :送信部
401 :制御部
402 :記憶部
403 :通信部
411 :処理部
1400 :コンピュータ
1401 :プロセッサ
1402 :メモリ
1403 :記憶装置
1404 :読取装置
1405 :着脱可能記憶媒体
1406 :通信インタフェース
1407 :入出力インタフェース
1408 :バス
【要約】
【課題】センサで計測された複数の計測値を効率的に収集する。
【解決手段】一実施形態に係る制御システムは、送信部と、処理部と、コントローラと、を含む。送信部は、施設に設置されているセンサで時系列に計測された複数の計測値を取得する。送信部は、複数の計測値を変換して圧縮し、まとめてメッセージに格納して処理部に宛てて送信する。処理部は、メッセージを受信すると、メッセージから複数の計測値を復元する。コントローラは、処理部により復元された複数の計測値に基づき生成されている制御情報を受信する。コントローラは、制御情報に基づいて、施設の設備に制御信号を出力する。
【選択図】
図12