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特許7181717決済システム、決済端末、サービス提供者端末、ユーザ端末、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-22
(45)【発行日】2022-12-01
(54)【発明の名称】決済システム、決済端末、サービス提供者端末、ユーザ端末、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/14 20220101AFI20221124BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20221124BHJP
【FI】
H04L67/14
G06Q20/32 320
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2018135007
(22)【出願日】2018-07-18
(65)【公開番号】P2020013324
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】593092482
【氏名又は名称】JR東日本メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】岡田 裕次
(72)【発明者】
【氏名】▲樋▼田 雅浩
(72)【発明者】
【氏名】白井 徹也
【審査官】安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-306412(JP,A)
【文献】特開2016-218923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/14
G06Q 20/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済端末とサーバとが無線通信を介して接続された決済システムであって、
前記決済端末は、前記サーバよりポーリングコマンドを受信してからカードを補足するまで、前記決済端末と前記サーバとの無通信状態をなくすためのデータを繰り返し前記サーバに送信する送信手段を有する決済システム。
【請求項2】
前記決済端末は、
前記データを前記サーバに送信する設定か否かを判定する第1の判定手段を更に有し、
前記第1の判定手段により前記データを前記サーバに送信する設定であると判定された場合、前記送信手段は、前記サーバよりポーリングコマンドを受信してからカードを補足するまで繰り返し前記データを前記サーバに送信する請求項記載の決済システム。
【請求項3】
前記決済端末は、
前記データを前記サーバに送信すべきか否かを判定する第2の判定手段を更に有し、
前記第2の判定手段により前記データを前記サーバに送信すべきであると判定された場合、前記送信手段は、前記サーバよりポーリングコマンドを受信してからカードを補足するまで繰り返し前記データを前記サーバに送信する請求項記載の決済システム。
【請求項4】
決済端末とサーバとが無線通信を介して接続された決済システムであって、
前記サーバは、前記決済端末にポーリングコマンドを送信してから前記決済端末からポーリングコマンド結果を受信するまで、前記決済端末と前記サーバとの無通信状態をなくすためのデータを繰り返し前記決済端末に送信する送信手段を有する決済システム。
【請求項5】
前記サーバは、
前記データを前記決済端末に送信する設定か否かを判定する第3の判定手段を更に有し、
前記第3の判定手段により前記データを前記決済端末に送信する設定であると判定された場合、前記送信手段は、前記決済端末にポーリングコマンドを送信してから前記決済端末からポーリングコマンド結果を受信するまで繰り返し前記データを前記決済端末に送信する請求項記載の決済システム。
【請求項6】
前記サーバは、
前記決済端末より前記データの送信要求を受信したか否かを判定する第4の判定手段を更に有し、
前記第4の判定手段により前記決済端末より前記データの送信要求を受信したと判定された場合、前記送信手段は、前記決済端末にポーリングコマンドを送信してから前記決済端末からポーリングコマンド結果を受信するまで繰り返し前記データを前記決済端末に送信する請求項記載の決済システム。
【請求項7】
決済処理を行うサーバと無線通信を介して接続された決済端末であって、
前記サーバよりポーリングコマンドを受信してからカードを補足するまで、前記決済端末と前記サーバとの無通信状態をなくすためのデータを繰り返し前記サーバに送信する送信手段を有する決済端末。
【請求項8】
決済処理を行うサーバと無線通信を介して接続されたサービス提供者端末であって、
決済に用いられる二次元コードを受信してから前記サーバより決済完了通知を受け取るまで前記サービス提供者端末と前記サーバとの無通信状態をなくすためのデータを前記サーバに送信する送信手段を有するサービス提供者端末。
【請求項9】
決済処理を行うサーバと無線通信を介して接続されたユーザ端末であって、
決済に用いられる二次元コードを受信してから前記サーバより決済完了通知を受け取るまで前記ユーザ端末と前記サーバとの無通信状態をなくすためのデータを前記サーバに送信する送信手段を有するユーザ端末。
【請求項10】
決済端末とサーバとが無線通信を介して接続された決済システムが実行する情報処理方法であって、
前記決済端末が、前記サーバよりポーリングコマンドを受信してからカードを補足するまで、前記決済端末と前記サーバとの無通信状態をなくすためのデータを繰り返し前記サーバに送信する送信ステップを含む情報処理方法。
【請求項11】
決済端末とサーバとが無線通信を介して接続された決済システムが実行する情報処理方法であって、
前記サーバが、前記決済端末にポーリングコマンドを送信してから前記決済端末からポーリングコマンド結果を受信するまで、前記決済端末と前記サーバとの無通信状態をなくすためのデータを繰り返し前記決済端末に送信する送信ステップを含む情報処理方法。
【請求項12】
決済処理を行うサーバと無線通信を介して接続された決済端末が実行する情報処理方法であって、
前記サーバよりポーリングコマンドを受信してからカードを補足するまで、前記決済端末と前記サーバとの無通信状態をなくすためのデータを繰り返し前記サーバに送信する情報処理方法。
【請求項13】
決済処理を行うサーバと無線通信を介して接続されたサービス提供者端末が実行する情報処理方法であって、
決済に用いられる二次元コードを受信してから前記サーバより決済完了通知を受け取るまで前記サービス提供者端末と前記サーバとの無通信状態をなくすためのデータを前記サーバに送信する情報処理方法。
【請求項14】
決済処理を行うサーバと無線通信を介して接続されたユーザ端末が実行する情報処理方法であって、
決済に用いられる二次元コードを受信してから前記サーバより決済完了通知を受け取るまで前記ユーザ端末と前記サーバとの無通信状態をなくすためのデータを前記サーバに送信する情報処理方法。
【請求項15】
決済処理を行うサーバと無線通信を介して接続されたコンピュータを、
前記サーバよりポーリングコマンドを受信してからカードを補足するまで、前記コンピュータと前記サーバとの無通信状態をなくすためのデータを繰り返し前記サーバに送信する送信手段として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
決済端末と無線通信を介して接続されたコンピュータを、
前記決済端末にポーリングコマンドを送信してから前記決済端末からポーリングコマンド結果を受信するまで、前記決済端末と前記コンピュータとの無通信状態をなくすためのデータを繰り返し前記決済端末に送信する送信手段として機能させるためのプログラム。
【請求項17】
決済処理を行うサーバと無線通信を介して接続されたコンピュータを、
決済に用いられる二次元コードを表示してから前記サーバより決済完了通知を受け取るまで前記コンピュータと前記サーバとの無通信状態をなくすためのデータを前記サーバに送信する送信手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済システム、決済端末、サービス提供者端末、ユーザ端末、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
端末とサーバとが無線通信を介して接続された決済システムが存在する(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-122916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、無線通信に係る電波状態は、場所、時間等によって、つながりやすさ、通信速度が変わるため、条件によっては決済処理に遅延が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、決済端末とサーバとが無線通信を介して接続された決済システムであって、前記決済端末は、前記サーバよりポーリングコマンドを受信してからカードを補足するまで、前記決済端末と前記サーバとの無通信状態をなくすためのデータを繰り返し前記サーバに送信する送信手段を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、決済処理の遅延を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】決済システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】決済端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】シンクライアント決済の売上シーケンスの一例を示す図である。
図5】実施形態1の決済端末の情報処理の一例を示すフローチャートである。
図6】サーバにpingコマンドを送信した実験結果の一例を示す図である。
図7】実施形態2のサーバの情報処理の一例を示すフローチャートである。
図8】実施形態3の決済端末の情報処理の一例を示すフローチャートである。
図9】実施形態4の決済端末の情報処理の一例を示すフローチャートである。
図10】実施形態5のサーバの情報処理の一例を示すフローチャートである。
図11】実施形態6の決済端末の情報処理の一例を示すフローチャートである。
図12】実施形態6のサーバの情報処理の一例を示すフローチャートである。
図13】接触型ICクレジットカードのシンクライアント決済の売上シーケンスの一例を示す図である。
図14】実施形態8の二次元コードのシンクライアント決済の売上シーケンスの一例を示す図である。
図15】実施形態9の二次元コードのシンクライアント決済の売上シーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0009】
<実施形態1>
図1は、決済システムのシステム構成の一例を示す図である。決済システムは、サーバ30と基地局とがLTE網で接続されている。また、基地局と通信機器20とは無線を介して接続されている。決済端末10と通信機器20とは有線を介して接続されている。
決済端末10は、例えば、交通系ICカード(以下、ICカードという)等に対してデータの読み取り及び書き込みを行う。サーバ30は、決済端末10と複数回通信を行い、決済端末10がICカード等より読み取ったデータ等に基づき決済処理を行う。
実施形態1では、決済端末10がサーバ30に無通信状態をなくすためのデータを送信することにより、無通信状態をなくし、決済処理の遅延を防止する処理を説明する。
【0010】
図2は、決済端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。決済端末10は、ハードウェア構成として、CPU11、記憶部12、LED部13、表示部14、R/W部15、通信部16を含む。
CPU11は、決済端末10の全体を制御する。記憶部12は、プログラム、CPU11がプログラムに基づき処理を実行する際のデータ等を記憶する。LED部13は、CPU11の制御に基づき、発光する。表示部14は、CPU11の制御に基づき、情報を表示する。R/W部15は、CPU11の制御に基づき、ICカードにデータを書き込んだり、ICカードからデータを読み取ったりする。通信部16は、CPU11の制御に基づき、外部装置との通信を制御する。
CPU11が記憶部12に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することにより、決済端末10の機能、及び後述する図4図13図14の決済端末10の処理、図5図8図9図11のフローチャートの処理が実現される。
【0011】
図3は、サーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ30は、ハードウェア構成として、CPU31、記憶部32、通信部33を含む。
CPU31は、サーバ30の全体を制御する。記憶部32は、プログラム、CPU31がプログラムに基づき処理を実行する際のデータ等を記憶する。通信部33は、CPU31の制御に基づき、外部装置との通信を制御する。
CPU31が記憶部32に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することにより、サーバ30の機能、及び後述する図4図13図14のサーバ30の処理、図7図10図12のフローチャートの処理が実現される。
【0012】
図4は、シンクライアント決済の売上シーケンスの一例を示す図である。説明の簡略化のため、システム構成中、決済端末10とサーバ30とを用いて説明を行う。
決済において、金額が入力されると、決済端末10のCPU11(以下、単にCPU11という)は、金額を含むサーバ呼び出しをサーバ30に送信する(SQ10)。
サーバ呼び出しを受信すると、サーバ30のCPU31(以下、単にCPU31という)は、設定メタデータを決済端末10に送信する(SQ15)。
受信した設定メタデータに基づき、設定を行ったCPU11は、ICカードで決済等の業務要求をサーバ30に送信する(SQ20)。
業務要求を受信すると、CPU31は、ポーリングコマンド(Pollingコマンド)を決済端末10に送信する(SQ25)。
ポーリングコマンドを受信すると、CPU11は、ポーリング状態(Polling状態)であることを示すため、LED部13を発光させる。そして、CPU11は、ICカードが翳されるのを待つ。ここで、ICカードが翳されるまで待つことにより、売上シーケンスにおいて、決済端末10とサーバ30との間の無通信状態が最も長くなる。
カードが翳され、R/W部15を介してICカードを補足すると、CPU11は、ポーリングコマンド結果(Pollingコマンド結果)をサーバ30に送信する(SQ30)。上述したように、無通信状態が長いと、ポーリングコマンド結果の送信に失敗し、CPU11は、ポーリングコマンド結果の再送処理を行わなければならず、決済処理の遅延が生じていた。そこで、図5に示すように、CPU11は、ポーリングコマンドを受信してからICカードを補足するまで、サーバ30にpingコマンド(ピングコマンド)を送信する。
【0013】
図5は、実施形態1の決済端末10の情報処理の一例を示すフローチャートである。
S100において、CPU11は、ポーリングコマンドを受信したか否かを判定する。CPU11は、ポーリングコマンドを受信した場合、S101に進み、ポーリングコマンドを受信していない場合、S100の処理を繰り返す。
S101において、CPU11は、サーバ30にpingコマンドを送信する。
S102において、CPU11は、ICカードを補足したか否かを判定する。CPU11は、ICカードを補足した場合、S100の処理に戻り、ICカードを補足していない場合、S101の処理に戻る。S101に戻り、CPU11は、再び、サーバ30にpingコマンドを送信する。本実施形態では、CPU11は、125ms間隔でpingコマンドを送信するように制御している。
図5に示されるように、CPU11が、ポーリングコマンドを受信してからICカードを補足するまで、サーバ30にpingコマンドを送信することにより、決済端末10とサーバ30との間の無通信状態を無くすことができる。その結果、ポーリングコマンド結果の再送、再再送を減少させることができ、結果として、決済処理の遅延を防止することができる。
【0014】
図6は、CPU11が、ポーリングコマンドを受信してからICカードを補足するまで、サーバ30にpingコマンドを送信した実験結果の一例を示す図である。
図6に示されるように、CPU11が、ポーリングコマンドを受信してからICカードを補足するまで、サーバ30にpingコマンドを送信することにより、ポーリングコマンド結果の再再送はゼロ(0)になり、再送も減少している。
決済端末10とサーバ30との間で無通信の状態が数秒継続した場合、パケットを疎通する優先順位が他のセッションに比べて落とされることが推定される。結果として、ポーリングコマンド結果の再送、再再送が発生し、決済が遅延する。したがって、CPU11は、ポーリングコマンドを受信してからICカードを補足するまで、サーバ30にpingコマンドを送信する。このことにより、無通信の状態をなくすことができ、優先順位を他のセッションと比べて落とされることがなくなり、決済の遅延を防止することができる。
【0015】
図4の説明に戻る。
ポーリングコマンド結果を受信すると、CPU31は、相互認証コマンドを決済端末10に送信する(SQ35)。
相互認証コマンドを受信すると、CPU11は、ICカードの認証を行い、相互認証結果をサーバ30に送信する(SQ40)。
相互認証結果を受信すると、CPU31は、カード情報読込コマンドを決済端末10に送信する(SQ45)。
カード情報読込コマンドを受信すると、CPU11は、ICカードより情報を読み取り、カード情報読込結果をサーバ30に送信する(SQ50)。
カード情報読込結果を受信すると、CPU31は、読込結果、及び金額に基づき決済処理等を行い、カードへの書込コマンドを決済端末10に送信する(SQ55)。
カードへの書込コマンドを受信すると、CPU11は、ICカードに書き込みを行い、書込結果をサーバ30に送信する(SQ60)。
以下、決済処理の遅延を防止する処理に関わらないため、決済処理の説明を省略する。
【0016】
<実施形態2>
実施形態1では、決済端末10がサーバ30にピングコマンドを送信する例を説明した。しかし、サーバ30が決済端末10にピングコマンドを送信するようにしてもよい。実施形態2では、実施形態1と異なる点を主に説明する。
図7は、実施形態2のサーバ30の情報処理の一例を示すフローチャートである。
S200において、CPU31は、ポーリングコマンドを送信したか否かを判定する。CPU31は、ポーリングコマンドを送信した場合、S201に進み、ポーリングコマンドを送信していない場合、S200の処理を繰り返す。
S201において、CPU31は、決済端末10にpingコマンドを送信する。
S202において、CPU31は、ポーリングコマンド結果を決済端末10より受信したか否かを判定する。CPU31は、ポーリングコマンド結果を決済端末10より受信した場合、S200の処理に戻り、ポーリングコマンド結果を決済端末10より受信していない場合、S201の処理に戻る。S201に戻り、CPU11は、再び、決済端末10にpingコマンドを送信する。本実施形態では、CPU11は、125ms間隔でpingコマンドを送信するように制御している。
図7に示されるように、CPU31が、ポーリングコマンドを送信してからポーリングコマンド結果を受信するまで、決済端末10にpingコマンドを送信することにより、決済端末10とサーバ30との間の無通信状態を無くすことができる。その結果、ポーリングコマンド結果の再送、再再送を減少させることができ、結果として、決済処理の遅延を防止することができる。
【0017】
<実施形態3>
実施形態1では、CPU11は、ポーリングコマンドを受信してからICカードを補足するまで、サーバ30にpingコマンドを送信した。しかし、pingコマンドを送信するか否かを設定できるようにしてもよい。例えば、CPU11は、決済端末10の所定のボタン等が選択されると、pingコマンドを送信する旨の設定データを記憶部12に保持する。実施形態3では、実施形態1と異なる点を主に説明する。
図8は、実施形態3の決済端末10の情報処理の一例を示すフローチャートである。
S300において、CPU11は、ポーリングコマンドを受信したか否かを判定する。CPU11は、ポーリングコマンドを受信した場合、S301に進み、ポーリングコマンドを受信していない場合、S300の処理を繰り返す。
S301において、CPU11は、記憶部12にpingコマンドを送信する旨の設定データがあるか否かに基づき、pingコマンドを送信する設定か否かを判定する。CPU11は、pingコマンドを送信する設定の場合、S302に進み、pingコマンドを送信する設定でない場合、S300に戻る。
S302において、CPU11は、サーバ30にpingコマンドを送信する。
S303において、CPU11は、ICカードを補足したか否かを判定する。CPU11は、ICカードを補足した場合、S300の処理に戻り、ICカードを補足していない場合、S302の処理に戻る。S302に戻り、CPU11は、再び、サーバ30にpingコマンドを送信する。
本実施形態の処理によれば、pingコマンドを送信するか否かを設定することができる。そして、決済端末10は、pingコマンドを送信する旨の設定がされている場合に、ポーリングコマンドを受信してからICカードを補足するまで、サーバ30にpingコマンドを送信することができる。
【0018】
<実施形態4>
実施形態3では、CPU11は、設定に応じて、pingコマンドを送信するか否かを判定した。しかし、CPU11は、自動的に、pingコマンドを送信するか否かを判定するようにしてもよい。
図9は、実施形態4の決済端末10の情報処理の一例を示すフローチャートである。
S400において、CPU11は、ポーリングコマンドを受信したか否かを判定する。CPU11は、ポーリングコマンドを受信した場合、S401に進み、ポーリングコマンドを受信していない場合、S400の処理を繰り返す。
S401において、CPU11は、pingコマンドを送信するか否かを判定する。CPU11は、pingコマンドを送信すると判定すると、S402に進み、pingコマンドを送信しないと判定すると、S400に戻る。例えば、CPU11は、通信機器20のアンテナ状態の情報を取得し、取得したアンテナ状態の情報に基づき、pingコマンドを送信するか否かを判定してもよいし、テスト用にpingコマンドを送信し、pingコマンドに対する応答時間に基づき、pingコマンドを送信するか否かを判定してもよい。例えば、CPU11は、アンテナ状態の情報に基づき、通信が混雑していると判定した場合は、pingコマンドを送信すると判定してもよいし、テスト用のpingコマンドに対する応答時間が設定された閾値より長い場合は、pingコマンドを送信すると判定してもよい。
S402において、CPU11は、サーバ30にpingコマンドを送信する。
S403において、CPU11は、ICカードを補足したか否かを判定する。CPU11は、ICカードを補足した場合、S400の処理に戻り、ICカードを補足していない場合、S402の処理に戻る。S402に戻り、CPU11は、再び、サーバ30にpingコマンドを送信する。
本実施形態の処理によれば、決済端末10は、自動的に、pingコマンドを送信するか否かを判定することができる。そして、決済端末10は、pingコマンドを送信すると判定すると、ポーリングコマンドを受信してからICカードを補足するまで、サーバ30にpingコマンドを送信することができる。
【0019】
<実施形態5>
実施形態2では、CPU31は、ポーリングコマンドを送信してからポーリングコマンド結果を受信するまで、決済端末10にpingコマンドを送信した。しかし、pingコマンドを送信するか否かを設定できるようにしてもよい。例えば、CPU31は、サーバ30の所定のボタン等が選択されると、pingコマンドを送信する旨の設定データを記憶部32に保持する。実施形態5では、実施形態2と異なる点を主に説明する。
図10は、実施形態5のサーバ30の情報処理の一例を示すフローチャートである。
S500において、CPU31は、ポーリングコマンドを送信したか否かを判定する。CPU31は、ポーリングコマンドを送信した場合、S501に進み、ポーリングコマンドを送信していない場合、S500の処理を繰り返す。
S501において、CPU31は、記憶部32にpingコマンドを送信する旨の設定データがあるか否かに基づき、pingコマンドを送信する設定か否かを判定する。CPU31は、pingコマンドを送信する設定の場合、S502に進み、pingコマンドを送信する設定でない場合、S500に戻る。
S502において、CPU31は、決済端末10にpingコマンドを送信する。
S503において、CPU31は、ポーリングコマンド結果を決済端末10より受信したか否かを判定する。CPU31は、ポーリングコマンド結果を決済端末10より受信した場合、S500の処理に戻り、ポーリングコマンド結果を決済端末10より受信していない場合、S502の処理に戻る。S502に戻り、CPU11は、再び、決済端末10にpingコマンドを送信する。
本実施形態の処理によれば、pingコマンドを送信するか否かを設定することができる。そして、サーバ30は、pingコマンドを送信する旨の設定がされている場合に、ポーリングコマンドを送信してからポーリングコマンド結果を受信するまで、決済端末10にpingコマンドを送信することができる。
【0020】
<実施形態6>
決済端末10がpingコマンドを送信する必要があるか否かを判定し、pingコマンドを送信する必要があると判定した場合、pingコマンド送信フラグをサーバ30に送信する。そして、サーバ30は、pingコマンド送信フラグを受信した場合、ポーリングコマンドを送信してからポーリングコマンド結果を受信するまでpingコマンドを送信するようにしてもよい。実施形態6では、実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0021】
図11は、実施形態6の決済端末10の情報処理の一例を示すフローチャートである。
S600において、CPU11は、サーバ30にpingコマンドを送信して貰う必要があるか否かを判定する。CPU11は、サーバ30にpingコマンドを送信して貰う必要がある場合、S601に進み、サーバ30にpingコマンドを送信して貰う必要がない場合、S600の処理を繰り返す。例えば、CPU11は、通信機器20のアンテナ状態の情報を取得し、取得したアンテナ状態の情報に基づき、サーバ30にpingコマンドを送信して貰う必要があるか否かを判定してもよいし、テスト用にpingコマンドを送信し、pingコマンドに対する応答時間に基づき、サーバ30にpingコマンドを送信して貰う必要がある否かを判定してもよい。例えば、CPU11は、アンテナ状態の情報に基づき、通信が混雑していると判定した場合は、サーバ30にpingコマンドを送信して貰う必要があると判定してもよいし、テスト用のpingコマンドに対する応答時間が設定された閾値より長い場合は、サーバ30にpingコマンドを送信して貰う必要があると判定してもよい。
S601において、CPU11は、pingコマンド送信フラグをサーバ30に送信する。pingコマンド送信フラグは、pingコマンドの送信要求の一例である。
【0022】
図12は、実施形態6のサーバ30の情報処理の一例を示すフローチャートである。
S700において、CPU31は、ポーリングコマンドを送信したか否かを判定する。CPU31は、ポーリングコマンドを送信した場合、S701に進み、ポーリングコマンドを送信していない場合、S700の処理を繰り返す。
S701において、CPU31は、決済端末10よりpingコマンド送信フラグを受信しているか否かを判定する。CPU31は、決済端末10よりpingコマンド送信フラグを受信している場合、S702に進み、決済端末10よりpingコマンド送信フラグを受信していない場合、S701の処理を繰り返す。
S702において、CPU31は、決済端末10にpingコマンドを送信する。
S703において、CPU31は、ポーリングコマンド結果を決済端末10より受信したか否かを判定する。CPU31は、ポーリングコマンド結果を決済端末10より受信した場合、S700の処理に戻り、ポーリングコマンド結果を決済端末10より受信していない場合、S702の処理に戻る。S702に戻り、CPU11は、再び、決済端末10にpingコマンドを送信する。
【0023】
本実施形態の処理によれば、決済端末10が、サーバ30にpingコマンドを送信して貰う必要があるか否かを判定し、pingコマンドを送信して貰う必要があると判定した場合、pingコマンドを送信することを示すpingコマンド送信フラグをサーバ30に送信することができる。サーバ30は、pingコマンド送信フラグを受信すると、ポーリングコマンドを送信してからポーリングコマンド結果を受信するまで、pingコマンドを決済端末10に送信することができる。
【0024】
<実施形態7>
実施形態1~6では、交通系ICカードを例に説明を行った。しかし、接触型ICクレジットカードの決済処理でも同様である。
図13は、接触型ICクレジットカードのシンクライアント決済の売上シーケンスの一例を示す図である。
図13に示されるように、決済シーケンス中に操作者の操作を待つ時間が発生する場所において無通信区間が発生する。
このような場合、決済端末10は、サーバ30に対してpingコマンドを送信する。
本実施形態によれば、接触型ICクレジットカードの決済処理においても、決済処理の遅延を防止することができる。
【0025】
<実施形態8>
実施形態1~6では、交通系ICカードを例に説明を行った。しかし、例えば、サービス提供者端末等において二次元コードを表示し、スマホ等のユーザ端末で二次元コードを読み取る二次元コードの決済処理でも同様である。サービス提供者端末の一例としては、店舗端末、自動販売機等がある。
ここで、サービス提供者端末40のハードウェア構成は、決済端末10のハードウェア構成と同様である。サービス提供者端末40のCPUがサービス提供者端末40の記憶部に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによってサービス提供者端末40の機能等が実現される。また、ユーザ端末50もCPU、記憶部、表示部、通信部等を有する。ユーザ端末50のCPUがユーザ端末50の記憶部に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによってユーザ端末50の機能等が実現される。
図14は、二次元コードのシンクライアント決済の売上シーケンスの一例を示す図である。サービス提供者端末40及びユーザ端末50は、決済処理を行うサーバ30と無線通信を介して接続されている。
サービス提供者端末40は、決済に用いられる二次元コード情報をサーバ30から受信してからサーバ30より決済完了通知を受け取るまでサービス提供者端末40とサーバ30との無通信状態をなくすため、pingコマンドをサーバ30に送信する。
本実施形態によれば、二次元コードの決済処理においても、決済処理の遅延を防止することができる。
【0026】
<実施形態9>
実施形態8では、サービス提供者端末40において二次元コードを表示し、スマホ等のユーザ端末50で二次元コードを読み取る二次元コードの決済処理を例に説明を行った。しかし、ユーザ端末50において二次元コードを表示し、サービス提供者端末40で二次元コードを読み取る二次元コードの決済処理でも同様である。サービス提供者端末の一例としては、店舗端末等がある。
サービス提供者端末40及びユーザ端末50のハードウェア構成は実施形態8とほぼ同様である。但し、本実施形態のサービス提供者端末40は、ハードウェアとして二次元コード読み取り装置等を有する。そして、サービス提供者端末40は、二次元コード読み取り装置を介して、ユーザ端末50に表示された二次元コードを読み取る。
図15は、二次元コードのシンクライアント決済の売上シーケンスの一例を示す図である。サービス提供者端末40及びユーザ端末50は、決済処理を行うサーバ30と無線通信を介して接続されている。
ユーザ端末50は、決済に用いられる二次元コード情報をサーバ30から受信してからサーバ30より決済完了通知を受け取るまでユーザ端末50とサーバ30との無通信状態をなくすため、pingコマンドをサーバ30に送信する。
また、サービス提供者端末40は、入力した金額をサーバ30に送信し、その応答をサーバ30より受け取ってからユーザ端末50の二次元コード情報をサーバ30に送信するまでサービス提供者端末40とサーバ30との無通信状態をなくすため、pingコマンドをサーバ30に送信するようにしてもよい。
【0027】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0028】
以上、本発明の実施形態の一例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態では、pingコマンドを例に説明を行ったが、pingコマンドの替わりに1バイト、又は2バイト等のデータを送信するようにしてもよい。pingコマンド、1バイトのデータ、2バイトのデータ等は、無通信状態をなくすためのデータの例である。
また、上述した二次元コードは、バーコード等の一次元コードであってもよいし、他のコードであってもよい。
【0029】
以上、上述した各実施形態の処理によれば、決済処理の遅延を防止することができる。
【符号の説明】
【0030】
10 決済端末
30 サーバ
40 サービス提供者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15