(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-22
(45)【発行日】2022-12-01
(54)【発明の名称】ドレントラップ
(51)【国際特許分類】
F16T 1/22 20060101AFI20221124BHJP
【FI】
F16T1/22 D
(21)【出願番号】P 2018171215
(22)【出願日】2018-09-13
【審査請求日】2021-07-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【氏名又は名称】河部 大輔
(72)【発明者】
【氏名】有薗 智之
(72)【発明者】
【氏名】瀧原 将隆
(72)【発明者】
【氏名】横山 武志
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-072934(JP,A)
【文献】特開昭52-072933(JP,A)
【文献】実開昭54-089531(JP,U)
【文献】米国特許第02929559(US,A)
【文献】実公昭46-001038(JP,Y1)
【文献】実開昭51-145624(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/18-31/34
F16T 1/00-1/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドレンが流入する流入ポートと、弁口が形成された弁座とを有するケーシングと、
前記ケーシング内に設けられ、前記ケーシング内のドレンの貯留量に応じて移動して前記弁口を開閉する球状のフロートと、
前記ケーシング内において前記フロートの上方に設けられたフロートカバーとを備え、
前記フロートカバーは、前記フロートが上昇したときに前記フロートの上部が進入する凹部を有し、
前記凹部の内表面には、上昇してきた前記フロートに接触する突出部が設けられ
、
前記フロートカバーには、ドレンを通過させる第1連通孔が前記突出部よりも低い位置に形成され、
前記突出部には、前記フロートが浮上する際に前記凹部内の空気又は蒸気を前記凹部の外側に流出させる第2連通孔が貫通形成されているドレントラップ。
【請求項2】
ドレンが流入する流入ポートと、弁口が形成された弁座とを有するケーシングと、
前記ケーシング内に設けられ、前記ケーシング内のドレンの貯留量に応じて移動して前記弁口を開閉する球状のフロートと、
前記ケーシング内において前記フロートの上方に設けられたフロートカバーとを備え、
前記フロートカバーは、前記フロートが上昇したときに前記フロートの上部が進入する凹部を有し、
前記凹部の内表面には、上昇してきた前記フロートに接触する突出部が設けられ、
前記突出部は、前記内表面の最も高い部分に配置されているドレントラップ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のドレントラップにおいて、
前記突出部は、前記フロートの方へ凸状に湾曲する形状に形成されているドレントラップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示された技術は、ドレントラップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ケーシングとフロートとフロートカバーとを備えたドレントラップが知られている。例えば、特許文献1に開示されたドレントラップにおいては、ケーシング内のドレンの貯留量に応じてフロートが上下動して弁口を開閉する。ケーシング内においてフロートの上方にフロートカバーが設けられており、ケーシング内に流入するドレンがフロートに直接当たらないようにされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のようなドレントラップにおいて、ドレンの貯留量の増加に伴ってフロートが上昇していくと、フロートはフロートカバーに接触し、それ以上の上昇が制限される。その後、ドレンの貯留量が減少すると、フロートは貯留量の減少に伴って下降し、最終的には弁口を閉じる。しかしながら、フロートがフロートカバーに何らかの理由で固着してしまうと、フロートが適切に下降せず、ひいては、弁口を適切に閉じることができなくなる。
【0005】
ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フロートカバーへのフロートの固着を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示されたドレントラップは、ドレンが流入する流入ポートと、弁口が形成された弁座とを有するケーシングと、前記ケーシング内に設けられ、前記ケーシング内のドレンの貯留量に応じて移動して前記弁口を開閉する球状のフロートと、前記ケーシング内において前記フロートの上方に設けられたフロートカバーとを備え、前記フロートカバーは、前記フロートが上昇したときに前記フロートの上部が進入する凹部を有し、前記凹部の内表面には、上昇してきた前記フロートに接触する突出部が設けられている。
【発明の効果】
【0007】
前記ドレントラップによれば、フロートカバーへのフロートの固着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、ドレントラップ100の断面図である。
【0010】
例えば、ドレントラップ100は、蒸気システムに組み込まれている。ドレントラップ100に流入する流体は、蒸気システムに依存する。例えば、ドレントラップ100には、蒸気及びドレンが流入し得る。ドレントラップ100は、ドレンが流入してきた場合にはドレンを通過させて流出させる一方、蒸気が流入してきた場合には蒸気の流出を阻止する。ドレントラップ100は、ケーシング1と、フロート3と、フロートカバー4とを備えている。ドレントラップ100は、フロート式のドレントラップである。
【0011】
ケーシング1は、本体11と、本体11に取り付けられる蓋部12との分割構造となっている。ケーシング1は、流体がケーシング1に流入する流入ポート21と、弁口52が形成された弁座5とを有している。ケーシング1は、流体がケーシング1から流出する流出ポート23をさらに有していてもよい。ケーシング1の内部には、流体を貯留する貯留室22が形成される。
【0012】
貯留室22は、本体11と蓋部12とによって区画される。流入ポート21は、本体11に形成され、貯留室22の比較的上部に連通している。流出ポート23は、本体11に形成されている。流入ポート21と流出ポート23とは、水平に延びる同一の軸上に形成されている。本体11には、貯留室22と流出ポート23とを連通させる流出通路24が形成されている。流出通路24の上流端は、貯留室22の比較的下部に連通している。
【0013】
流出通路24の上流端部には、弁座5が設けられている。弁座5の一部は、貯留室22に露出している。弁座5には、流路51が貫通形成されている。流路51の上流端は、弁座5のうち貯留室22に露出する部分に開口し、弁口52を形成している。流路51の下流端は、流出通路24と連通するように開口している。
【0014】
フロート3は、ケーシング1内に設けられている。具体的には、フロート3は、貯留室22内に設けられている。フロート3は、球状に形成されている。フロート3は、ケーシング1内のドレンの貯留量に応じて移動して弁口52を開閉する。詳しくは、フロート3は、貯留室22に貯留されるドレンに浮遊する。ドレンの貯留量が少ない場合(ドレンが無い場合も含む)には、フロート3は、貯留室22の底に位置し、弁座5に着座して弁口52を閉じる(
図1の状態)。一方、ドレンの貯留量が増加すると、フロート3は浮上し、弁座5から離座して弁口52を開く。このように、フロート3は、弁座5に着座することによって弁口52を閉じる一方、ドレンに浮遊することによって弁座5から離座して弁口52を開く。
【0015】
フロートカバー4は、貯留室22の比較的上部に設けられている。つまり、フロートカバー4は、ケーシング1内においてフロート3の上方に設けられている。フロートカバー4は、流入ポート21とフロート3との間に配置され、流入ポート21から貯留室22内に流入するドレンがフロート3に直接当たることを防止する。
【0016】
フロートカバー4は、フロート3が上昇したときにフロート3の上部が進入する凹部43を有している。すなわち、フロート3が凹部43に進入したときには、フロートカバー4は、フロート3の上部を覆った状態となる。例えば、凹部43の内表面44は、フロート3の外表面に倣った球冠状に形成されている。ここで、「球冠状」とは、完全な球冠だけでなく、球冠のような形状を含む意味である。例えば、「球冠状」には、すり鉢形状も含まれる。
【0017】
図2は、フロートカバー4の底面図である。詳しくは、フロートカバー4は、球冠状の本体41と、本体41の端縁に設けられたフランジ42とを有している。本体41の内側の面が内表面44である。内表面44の曲率は、フロート3の外表面の曲率と略同じである。あるいは、内表面44の曲率は、フロート3の外表面の曲率以下となっている。
【0018】
内表面44には、上昇してきたフロート3に接触する突出部45が設けられている。突出部45は、内表面44からフロート3の方へ(即ち、球冠の内側へ)突出している。詳しくは、突出部45は、内表面44の最も高い部分に配置されている。すなわち、突出部45は、球冠の頂部に配置されている。さらに、突出部45は、フロート3の方へ凸状に湾曲する形状に形成されている。突出部45は、ドレンの増加に伴って浮上するフロート3に接触する程度に突出している。尚、突出部45には、連通孔47が貫通形成されている。
【0019】
図2に示すように、フランジ42には、複数の連通孔46が貫通形成されている。ドレンは、連通孔46を介してフロートカバー4を通過する。
【0020】
フロートカバー4は、ケーシング1の本体11に設置されている。フロントカバー4の上方には、フロントカバー4を覆うようにスクリーン6が設けられている。スクリーン6は、メッシュ状の部材で形成され、ドレン及び蒸気等の流体が通過可能に構成されている。
【0021】
このように構成されたドレントラップ100の動作について説明する。
【0022】
蒸気システムの始動時など、ケーシング1内のドレンが無い場合又は少ない場合には、フロート3が弁座5に着座して弁口52を閉じている。
【0023】
ドレンが流入ポート21を介してケーシング1内に流入すると、ドレンはまずスクリーン6を通過する。このとき、スクリーン6によってドレンから異物が除去される。スクリーン6を通過したドレンは、フロートカバー4の外表面に当たり、フロートカバー4の外表面を伝ってフロートカバー4のフランジ42へ流れていく。ドレンは、フランジ42の連通孔46を通過し、貯留室22のうちフロートカバー4の下方の空間に流入する。これにより、流入ポート21から流入したドレンがフロート3に直接当たることが防止される。フロート3が弁座5に着座している状態において、流入ポート21から流入したドレンがフロート3に直接当たると、ドレンが当たった衝撃でフロート3が動き、フロート3が弁口52を開放させる可能性がある。弁口52の周辺に蒸気が存在する状況で弁口52が開かれると、蒸気が弁口52から流出してしまう。フロートカバー4は、このような状況を防止することができる。
【0024】
フロートカバー4を通過したドレンは、貯留室22の底に溜まっていく。貯留室22のドレンの貯留量が増加すると、ドレンの浮力が大きくなり、フロート3が浮上して、弁座5から離座する。これにより、弁口52が開放される。ドレンは、流路51及び流出通路24を通って、流出ポート23から流出していく。
【0025】
貯留室22のドレンの貯留量が増加して、フロート3が上昇していくと、フロート3は、フロートカバー4の凹部43に進入していく。貯留室22のうちドレンの上方の空間には空気又は蒸気が存在するので、凹部43においてフロート3とフロートカバー4との隙間は、空気又は蒸気で満たされている。フロート3とフロートカバー4との隙間が減少していくにつれて、該隙間に存在する空気又は蒸気は、フロートカバー4の連通孔47を介してフロートカバー4の上方の空間に流出していくか、又は、フロートカバー4の下端縁(フランジ42が設けられている端縁)から流出していく。
【0026】
フロート3が凹部43に進入していくと、しだいにフロート3の上部がフロートカバー4で覆われた状態となる。やがて、フロート3は、フロートカバー4に接触し、上昇が制限される。
【0027】
一方、流入ポート21からケーシング1内に蒸気が流入すると、蒸気は、貯留室22においてドレンの上方の空間に滞留する。貯留室22のドレンは、弁口52から流出して減少していく。フロート3はドレンの水位に応じて下降し、フロートカバー4から離れていく。やがて、フロート3は、弁座5に着座し、弁口52を閉鎖する。その結果、弁口52、ひいては、流出ポート23からの蒸気の流出が阻止される。
【0028】
このように、ドレントラップ100は、流入してきたドレンを通過させて流出させる一方、流入してきた蒸気の流出を阻止する。
【0029】
ここで、フロート3が何らかの理由でフロートカバー4に引っ掛かって固着してしまうと、フロート3が下降できない虞がある。フロート3が下降できないと、弁口52を適切に閉鎖することができない。例えば、前述のように内表面44がフロート3の外表面に倣った球冠状に形成されている場合、突出部45が設けられていなければ、フロート3は内表面44の大部分と面接触するか、又は、略円形の接線を介して内表面44と線接触する可能性がある。ドレンの貯留量が多い場合には、フロート3は、ドレンによって内表面44に強く押し付けられる。フロート3が内表面44の大部分に面接触又は略円形の接線を介して線接触した状態でドレンによって押圧されると、フロート3が何らかの理由で内表面44に引っ掛かって固着してしまう虞がある。
【0030】
例えば、フロート3が2つの半球状の部品を結合して形成されている場合、2つの半球状の部品の結合ラインがフロート3の外表面に現れる場合がある。具体的には、2つの半球状の部品を溶接で結合した場合、溶接ラインがフロート3の外表面に現れ得る。フロート3の外表面を研磨したとしても、溶接ラインがフロート3の外表面から少し盛り上がった状態で残留する場合があり得る。そのような場合には、フロート3がフロートカバー4に押し付けられた際に溶接ラインが内表面44に噛み込んでしまうと、フロート3がフロートカバー4に固着する虞がある。このような接合ラインがない場合であっても、フロート3の表面にわずかな突出部がある場合など、フロート3が完全な球体でない場合には、フロート3がフロートカバー4に固着する虞がある。
【0031】
それに対し、内表面44に突出部45が設けられているので、内表面44へのフロート3の固着が防止される。詳しくは、突出部45は内表面44から突出しているので、フロート3が内表面44の略全面に面接触することが防止されると共に、フロート3が内表面44に対して略円形の接線を介して線接触することが防止される。その結果、内表面44へのフロート3の固着が防止される。
【0032】
さらに、突出部45は内表面44の最も高い部分(即ち、球冠の頂部)に設けられているので、内表面44へのフロート3の固着をより一層防止することができる。詳しくは、フロート3は、ドレンから上方への浮力を受けるので、フロート3は概ね鉛直方向上方へ移動していく。突出部45は内表面44の最も高い部分に設けられているので、フロート3の頂部(最上部)が突出部45に接触する。このとき、フロート3がドレンに浮遊していることに加えてドレンが波立っているので、フロート3は、突出部45だけと接触していることは難しく、突出部45に加えて内表面44とも接触している。さらに、フロート3は、内表面44の決まった部分と接触するのではなく、ドレンの波立ちに応じて内表面44の様々な部分と接触する。このように、フロート3は、突出部45と接触した状態で小さく動き得る。つまり、フロート3は、静止した状態で内表面44及び突出部45に長い間押し付けられるわけではない。その結果、内表面44へのフロート3の固着がより一層防止される。
【0033】
尚、突出部45が内表面44の最も高い部分に設けられていることによって、フロート3とフロートカバー4との隙間が減少しいていく際に、該隙間に存在する空気又は蒸気は、突出部45の周囲に逃げやすくなる。その結果、空気又は蒸気は、凹部43の最も高い部分に溜まりにくくなり、内表面44の下端縁から凹部43の外へ(即ち、フランジ42の方へ)流出しやすくなる。つまり、フロート3とフロートカバー4との隙間から空気又は蒸気を流出させやすくすることができる。ひいては、フロート3を早く浮上させることができ、ドレンの流出を促進することができる。
【0034】
それに加えて、突出部45は、フロート3の方へ凸状に湾曲した形状に形成されているので、フロート3と突出部45とは点接触する。このため、フロート3は、突出部45と接触した状態で動きやすくなる。また、突出部45がフロート3の方へ凸状に湾曲した形状に形成されていることは、フロート3の変形及び損傷を防止する効果もある。つまり、突出部45が先鋭な形状をしている場合、フロート3が突出部45に押し付けられると、フロート3が変形又は損傷する虞がある。それに対して、突出部45のうちフロート3と接触する部分は、湾曲面となっている。そのため、フロート3が突出部45に押し付けられても、フロート3が変形又は損傷しにくい。
【0035】
以上のように、ドレントラップ100は、ドレンが流入する流入ポート21と、弁口52が形成された弁座5とを有するケーシング1と、ケーシング1内に設けられ、ケーシング1内のドレンの貯留量に応じて移動して弁口52を開閉する球状のフロート3と、ケーシング1内においてフロート3の上方に設けられたフロートカバー4とを備え、フロートカバー4は、フロート3が上昇したときにフロート3の上部が進入する凹部43を有し、凹部43の内表面44には、上昇してきたフロート3に接触する突出部45が設けられている。
【0036】
この構成によれば、フロート3がドレンの貯留量に応じて上昇したときに、フロート3が突出部45に接触する。これにより、フロート3が内表面44の大部分に面接触又は内表面44に略円形の接線を介して線接触することが防止される。その結果、フロート3が何らかの理由でフロートカバー4に引っ掛かって固着してしまうことを防止することができる。
【0037】
また、突出部45は、内表面44の最も高い部分に配置されている。
【0038】
この構成によれば、フロート3が突出部45に接触した状態でも、ドレンの波立ちに応じてフロート3が小さく動きやすくなる。その結果、フロートカバー4へのフロート3への固着をより一層防止することができる。
【0039】
さらに、突出部45は、フロート3の方へ凸状に湾曲する形状に形成されている。
【0040】
この構成によれば、フロート3が突出部45に接触しても、フロート3の変形又は損傷しにくくなる。また、フロートカバー4に突出部45を設けることにより、フロートカバー4の耐圧強度を向上させることができる。
【0041】
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0042】
例えば、ドレントラップ100は、フロート3を備えたフロート式のドレントラップであればよく、その構成は前述の構成に限定されない。
【0043】
フロートカバー4の内表面44は、球冠状となっているが、これに限定されない。内表面44は、平面曲線を同平面内の直線であって平面曲線の一端を通る直線を回転の軸として回転させた形状であってもよい。
【0044】
また、突出部45が無ければ、内表面44の略全面にフロート3が面接触するように内表面44が形成されているが、これに限られない。例えば、突出部45が無ければ、フロート3が内表面44に円形の接線を介して線接触するように内表面44が形成されていてもよい。その場合、突出部45は、フロート3が内表面44にそのように線接触する前にフロート3が突出部45に接触する程度に突出している。
【0045】
フロートカバー4の外表面は、任意の形状に形成され得る。前述の構成では、フロートカバー4は、板状の部材で形成されているので、フロートカバー4の外表面は、内表面44と概ね同じ形状をしている。しかし、外表面の形状はこれに限定されない。
【0046】
突出部45は内表面44に1つだけ設けられているが、突出部45の個数は、2以上であってもよい。突出部45は、内表面44における球冠の頂部以外の場所に配置されていてもよい。
【0047】
突出部45のうちフロート3と接触する部分は、フロート3の方へ凸状の湾曲面でなくてもよい。例えば、突出部45のうちフロート3と接触する部分は、平面であってもよく、凹状、即ち、フロート3とは反対側に凸状の湾曲面であってもよい。
【0048】
また、フロートカバー4において、フランジ42に連通孔46が形成され、突出部45に連通孔47が形成されているが、それ以外の部分(例えば、本体41)に連通孔が形成されていてもよい。また、連通孔46及び/又は連通孔47が省略されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上説明したように、ここに開示された技術は、ドレントラップについて有用である。
【符号の説明】
【0050】
100 ドレントラップ
1 ケーシング
21 流入ポート
3 フロート
4 フロートカバー
43 凹部
44 内表面
45 突出部
5 弁座
52 弁口