(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-22
(45)【発行日】2022-12-01
(54)【発明の名称】決済処理装置、料金収受端末機、処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20221124BHJP
G06K 7/00 20060101ALI20221124BHJP
G06K 17/00 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
G07B15/00 Z
G07B15/00 510
G06K7/00 095
G06K17/00 022
(21)【出願番号】P 2019051118
(22)【出願日】2019-03-19
【審査請求日】2021-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100210572
【氏名又は名称】長谷川 太一
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】飯田 敦志
【審査官】葛原 怜士郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-301826(JP,A)
【文献】特開2005-267270(JP,A)
【文献】米国特許第09230254(US,B1)
【文献】特開2004-030008(JP,A)
【文献】特開2010-040088(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/00、17/00
G06Q 20/20、30/02
G07B 15/00
G07G 1/00- 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードリーダが接続されて使用される決済処理装置であって、
前記カードリーダで読み取られたカード媒体に対し、決済処理を行う決済部と、
前記カードリーダのIDが登録される登録部と、
前記カードリーダの接続を検知した場合に、前記カードリーダのIDが前記登録部に登録されているか否かを判定する判定部と、
前記登録部に登録されていなかった場合に、前記決済部での決済処理を停止する停止部と、
前記カードリーダの故障通知を受け付けた場合に、情報を他の決済処理装置に送信する送信部と、
前記送信に対する応答として前記他の決済処理装置から受け付けたカードリーダのIDを前記登録部に新たに登録する登録処理部と、
を備える決済処理装置。
【請求項2】
前記送信部が、前記情報として、接続されている前記カードリーダのIDを、前記他の決済処理装置に送信する請求項1に記載の決済処理装置。
【請求項3】
取り外された前記カードリーダが前記他の決済処理装置に接続されているか否かの問い合わせを行う問合部をさらに備え、
前記停止部は、取り外された前記カードリーダが接続されていることを示す応答を前記他の決済処理装置から受け付けるまで前記決済処理を停止する請求項1又は2に記載の決済処理装置。
【請求項4】
検知された前記カードリーダのIDと、前記他の決済処理装置から取り外された前記カードリーダのIDと、を照合する照合部をさらに備える請求項1から3のいずれか一項に記載の決済処理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の決済処理装置と、
前記カードリーダと、
を備える料金収受端末機。
【請求項6】
カードリーダが接続されて使用される決済処理装置であって、前記カードリーダで読み取られたカード媒体に対し、決済処理を行う決済部と、前記カードリーダのIDが登録される登録部と、前記カードリーダの接続を検知した場合に、前記カードリーダのIDが前記登録部に登録されているか否かを判定する判定部と、前記登録部に登録されていなかった場合に、前記決済部での決済処理を停止する停止部と、を備える決済処理装置に接続される前記カードリーダの故障通知を受け付けた場合に、情報を他の決済処理装置に送信するステップと、
前記送信に対する応答として前記他の決済処理装置から受け付けたカードリーダのIDを前記登録部に新たに登録するステップと、
を含む処理方法。
【請求項7】
カードリーダが接続されて使用される決済処理装置であって、前記カードリーダで読み取られたカード媒体に対し、決済処理を行う決済部と、前記カードリーダのIDが登録される登録部と、前記カードリーダの接続を検知した場合に、前記カードリーダのIDが前記登録部に登録されているか否かを判定する判定部と、前記登録部に登録されていなかった場合に、前記決済部での決済処理を停止する停止部と、を備える決済処理装置のコンピュータに、
前記カードリーダの故障通知を受け付けた場合に、情報を他の決済処理装置に送信するステップと、
前記送信に対する応答として前記他の決済処理装置から受け付けたカードリーダのIDを前記登録部に新たに登録するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済処理装置、料金収受端末機、処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、決済されるカード媒体の情報を読み取り可能なカードリーダが、決済処理装置に交換可能に接続されて利用されることが知られている。
他方、部品が装置に交換可能に接続される場合、所定の部品が接続されていることが望まれる。
例えば、特許文献1には、作業機械に搭載される部品のIDを管理し、所定の部品か否かを判定するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術は、作業機械で使用される部品から取得したIDと、予め登録されている部品のIDとを照合することによって判定している。
しかし、例えば予め登録されている部品のIDが、他の装置で使用されている部品のIDと異なる場合、他の装置の部品と交換すると、所定の部品でないと判定されることがある。
このため、特許文献1に開示された技術のように、決済処理装置に登録されているカードリーダのIDでカードリーダを管理すると、他の決済処理装置のカードリーダとの交換ができないことがある。
【0005】
本発明は、他の決済処理装置のカードリーダと交換可能に、カードリーダのIDを登録できる決済処理装置、料金収受端末機、処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、カードリーダ(40)が接続されて使用される決済処理装置(30)であって、前記カードリーダで読み取られたカード媒体に対し、決済処理を行う決済部(31)と、前記カードリーダのIDが登録される登録部(32)と、前記カードリーダの接続を検知した場合に、前記カードリーダのIDが前記登録部に登録されているか否かを判定する判定部(33)と、前記登録部に登録されていなかった場合に、前記決済部での決済処理を停止する停止部(34)と、前記カードリーダの故障通知を受け付けた場合に、情報を他の決済処理装置に送信する送信部(35)と、前記送信に対する応答として前記他の決済処理装置から受け付けたカードリーダのIDを前記登録部に新たに登録する登録処理部(36)と、を備える決済処理装置である。
【0007】
本態様によれば、決済処理装置は、カードリーダの故障通知を受け付けた場合に、情報を他の決済処理装置に送信し、送信に対する応答として他の決済処理装置から受け付けたカードリーダのIDを新たに登録する。
このため、決済処理装置では、自身に接続されているカードリーダを、他の決済処理装置で接続されて使用されるカードリーダと交換できる。
例えば、決済処理装置では、他の決済処理装置に接続されていた故障していないカードリーダが接続された場合に、カードリーダのIDを登録済みと判定し決済処理できるため、自身に接続されているカードリーダを、他の決済処理装置で接続されて使用されるカードリーダと交換できる。
【0008】
第2の態様は、前記送信部が、前記情報として、接続されている前記カードリーダのIDを、前記他の決済処理装置に送信する第1の態様の決済処理装置である。
【0009】
本態様によれば、決済処理装置は、他の決済処理装置に対し、自身の決済処理装置から取り外されたカードリーダが接続されているか、否かを確認することができる。
【0010】
第3の態様は、取り外された前記カードリーダが前記他の決済処理装置に接続されているか否かの問い合わせを行う問合部(37)をさらに備え、前記停止部は、取り外された前記カードリーダが接続されていることを示す応答を前記他の決済処理装置から受け付けるまで前記決済処理を停止する第1又は第2の態様の決済処理装置である。
【0011】
本態様によれば、決済処理装置は、取り外されたカードリーダが他の決済処理装置に接続されるまで、決済処理を停止する。
このため、決済処理を再開するためには取り外されたカードリーダが他の決済処理装置に接続される必要があるので、取り外されたカードリーダは、放置されることが無い。
したがって、決済処理装置は、カードリーダの不正改造を抑制できる。
【0012】
第4の態様は、検知された前記カードリーダのIDと、前記他の決済処理装置から取り外された前記カードリーダのIDと、を照合する照合部(39b)をさらに備える第1から第3のいずれかの態様の決済処理装置である。
【0013】
本態様によれば、決済処理装置は、各カードリーダのIDによって、現在接続されているカードリーダが、他の決済処理装置から取り外されたカードリーダか否かを照合できる。
このため、決済処理装置は、簡単に、取り外されたカードリーダが接続されているか否かを確認することができる。
【0014】
第5の態様は、第1から第4のいずれかの態様の決済処理装置と、前記カードリーダと、を備える料金収受端末機(20)である。
【0015】
本態様によれば、料金収受端末機は、カードリーダの故障通知を受け付けた場合に、情報を他の決済処理装置に送信し、送信に対する応答として他の決済処理装置から受け付けたカードリーダのIDを新たに登録する。
このため、料金収受端末機では、決済処理装置において、自身に接続されているカードリーダを、他の決済処理装置で接続されて使用されるカードリーダと交換できる。
例えば、料金収受端末機では、決済処理装置において、他の決済処理装置に接続されていた故障していないカードリーダを接続された場合に、カードリーダのIDを登録済みと判定し決済処理できるため、決済処理装置において、自身のカードリーダを、他の決済処理装置で接続されて使用されるカードリーダと交換できる。
【0016】
第6の態様は、カードリーダが接続されて使用される決済処理装置であって、前記カードリーダで読み取られたカード媒体に対し、決済処理を行う決済部と、前記カードリーダのIDが登録される登録部と、前記カードリーダの接続を検知した場合に、前記カードリーダのIDが前記登録部に登録されているか否かを判定する判定部と、前記登録部に登録されていなかった場合に、前記決済部での決済処理を停止する停止部と、を備える決済処理装置に接続される前記カードリーダの故障通知を受け付けた場合に、情報を他の決済処理装置に送信するステップと、前記送信に対する応答として前記他の決済処理装置から受け付けたカードリーダのIDを前記登録部に新たに登録するステップと、を含む処理方法である。
【0017】
本態様によれば、処理方法は、決済処理装置に対し、カードリーダの故障通知を受け付けた場合に、情報を他の決済処理装置に送信し、送信に対する応答として他の決済処理装置から受け付けたカードリーダのIDを新たに登録する。
このため、処理方法では、決済処理装置において、自身に接続されているカードリーダを、他の決済処理装置で接続されて使用されるカードリーダと交換できる。
例えば、処理方法では、決済処理装置において、他の決済処理装置に接続されていた故障していないカードリーダが接続された場合に、カードリーダのIDを登録済みと判定し決済処理できるため、決済処理装置において、自身に接続されているカードリーダを、他の決済処理装置で接続されて使用されるカードリーダと交換できる。
【0018】
第7の態様は、カードリーダが接続されて使用される決済処理装置であって、前記カードリーダで読み取られたカード媒体に対し、決済処理を行う決済部と、前記カードリーダのIDが登録される登録部と、前記カードリーダの接続を検知した場合に、前記カードリーダのIDが前記登録部に登録されているか否かを判定する判定部と、前記登録部に登録されていなかった場合に、前記決済部での決済処理を停止する停止部と、を備える決済処理装置のコンピュータに、前記カードリーダの故障通知を受け付けた場合に、情報を他の決済処理装置に送信するステップと、前記送信に対する応答として前記他の決済処理装置から受け付けたカードリーダのIDを前記登録部に新たに登録するステップと、を実行させるプログラムである。
【0019】
本態様によれば、コンピュータにおいてプログラムが実行される決済処理装置は、カードリーダの故障通知を受け付けた場合に、情報を他の決済処理装置に送信し、送信に対する応答として他の決済処理装置から受け付けたカードリーダのIDを新たに登録する。
このため、コンピュータにおいてプログラムが実行される決済処理装置では、自身に接続されているカードリーダを、他の決済処理装置で接続されて使用されるカードリーダと交換できる。
例えば、コンピュータにおいてプログラムが実行される決済処理装置では、他の決済処理装置に接続されていた故障していないカードリーダが接続された場合に、カードリーダのIDを登録済みと判定し決済処理できるため、決済処理装置において、自身に接続されているカードリーダを、他の決済処理装置で接続されて使用されるカードリーダと交換できる。
【発明の効果】
【0020】
上述の一態様によれば、他の決済処理装置のカードリーダと交換可能に、カードリーダのIDを登録できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一実施形態に係る料金収受施設の斜視図である。
【
図2】一実施形態に係る決済処理装置のブロック図である。
【
図3】一実施形態に係る処理方法のフローチャートである。
【
図4】一実施形態に係るIDリストを示す図である。
【
図5】一実施形態に係るIDリストを示す図である。
【
図6】一実施形態に係るIDリストを示す図である。
【
図7】一実施形態におけるカードリーダの交換作業を示す図である。
【
図8】一実施形態に係るIDリストを示す図である。
【
図9】一実施形態に係る決済処理装置のハードウェア構成の例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る一実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において同一または相当する構成には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
【0023】
<実施形態>
一実施形態に係る料金収受端末機について図面を参照しながら説明する。
【0024】
(料金収受施設の全体構成)
一実施形態に係る料金収受施設の全体構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る料金収受施設2は、有料道路の入口料金所又は出口料金所において、当該有料道路を利用する車両Aから利用料金を収受する処理(以下、「料金収受処理」とも記載する)を実行するための施設である。
【0025】
例えば、出口料金所10には、複数のブース80が設けられている。
出口料金所10に到来した車両Aは、有料道路から退出する際、有料道路側から一般道路側へと通じる料金所車線(以下、「車線L」と称する)を走行する。
ブース80は、車線Lの幅方向の少なくとも一方側に、車線Lに沿って敷設されているアイランドIに設けられている。
例えば、ブース80は、出口料金所10に到来した車両Aから利用料金を収受する収受員が駐在する有人ブースである。
本実施形態では、複数の車線Lが設けられており、各車線Lに沿ってブース80が設けられている。
各ブース80には、料金収受端末機20が設けられている。
【0026】
事務所Jは、出口料金所10の近くに設けられる。
事務所Jでは、出口料金所10の監視、及び、出口料金所10で取得された各種情報を収集し、管理する設備である。事務所Jには、出口料金所10を監視する監視員が駐在する。監視員は、事務所Jに設置された集計システム90を用いて、出口料金所10で取得され、収集された売上金額の集計処理等を行う。
他方、臨時の料金収受処理のために、事務所Jにも、料金収受端末機20が設けられている。
【0027】
各料金収受端末機20は、決済処理装置30とカードリーダ40とを備える。
【0028】
カードリーダ40は、カード媒体からカード決済処理に必要な各種情報の読み取り及び書き込み処理を行う装置である。
例えば、収受員や監視員が運転者等よりクレジットカードによる支払いを受け付けた場合、カードリーダ40は、カード媒体として、当該クレジットカードからカード決済処理に必要な各種情報の読み取り及び書き込み処理を行う。
なお、本実施形態において、クレジットカードとは、磁気ストライプカード、EMV(Europay MasterCard Visa)仕様に準拠したICクレジットカード、電子式料金収受システム(ETC:Electronic Toll Collection System(登録商標)、「自動料金収受システム」ともいう)で使用されるETCカード等を含む。
また、カードリーダ40は、接続されている決済処理装置30に対し、自身の(カードリーダ40の)IDを送信することができる。
また、カードリーダ40は、自身の故障通知を接続されている決済処理装置30に送信してもよい。
【0029】
決済処理装置30は、カードリーダ40と専用線を介して接続される。
また、決済処理装置30は、カードリーダ40が読み取ったカード情報に基づいて、クレジットカードの種類(磁気ストライプカード、ICクレジットカード、ETCカード等)に応じたカード決済処理を行って利用料金を収受する。
また、決済処理装置30は、インターネット等のネットワークを介して上位装置と接続されている。上位装置は、例えばクレジットカード会社の決済処理用のサーバである。決済処理装置30は、カード決済処理を行う際、ネットワークを介して上位装置とカード決済処理に係る各種情報(カード情報等)の送受信を行う。
【0030】
(決済処理装置の構成)
図2に示すように、各決済処理装置30は、決済部31と、登録部32と、判定部33と、停止部34と、送信部35と、登録処理部36と、を機能的に備える。
各決済処理装置30は、問合部37をさらに機能的に備えてよい。
各決済処理装置30には、カードリーダ40が接続されて使用される。
【0031】
決済部31は、カードリーダ40で読み取られたカード媒体に対し、決済処理を行う。
【0032】
登録部32には、カードリーダ40の個体を示す識別情報(ID:Identification)が登録される。
以下、各種部品の個体を示す識別情報のことをIDという。
例えば、カードリーダ40は、各機体固有のIDを有する。
本実施形態では、登録部32には、初期設定として、自身の決済処理装置30に接続されているカードリーダ40のIDが登録される。
また、登録部32には、登録処理部36によって、新たなカードリーダ40のIDが登録される。
【0033】
判定部33は、各種判定を行う。
例えば、判定部33は、決済処理装置30に対しカードリーダ40の接続を検知した場合に、カードリーダ40のIDが登録部32に登録されているか否かを判定する。
本実施形態では、判定部33は、接続を検知したカードリーダ40のIDが登録部32に登録されているか否かを判定する。
例えば、判定部33は、カードリーダ40が決済処理装置30に接続される度に、登録部32に登録されているIDを参照し、接続されたカードリーダ40のIDが登録されているか否か判定する。
【0034】
以下、あるブース80に設置されている料金収受端末機20の決済処理装置30からみて、他の各ブース80に設置されている料金収受端末機20の決済処理装置30、及び事務所Jに設置されている料金収受端末機20の決済処理装置30のことを、「他の決済処理装置30」ともいう。
また、事務所Jに設置されている料金収受端末機20の決済処理装置30からみた場合は、各ブース80に設置されている料金収受端末機20の決済処理装置30のことを、「他の決済処理装置30」ともいう。
決済処理装置30は、他の各決済処理装置30と専用線、無線等を介して、通信可能に接続されている。
【0035】
送信部35は、カードリーダ40の故障通知を受け付けた場合に、情報を他の決済処理装置30に送信する。
例えば、決済処理装置30に接続されているカードリーダ40の故障通知を受け付けた場合に、送信部35は、情報として、決済処理装置30に接続されているカードリーダ40のIDを、他の決済処理装置30に送信する。
具体的には、送信部35は、故障通知を受け付けた時に接続されていたカードリーダ40のIDを他の決済処理装置30に送信する。
【0036】
登録処理部36は、カードリーダ40のIDの送信に対する応答として、他の決済処理装置30から受け付けたカードリーダ40のIDを登録部32に新たに登録する。
本実施形態では、他の決済処理装置30から応答があった場合、登録処理部36は、応答があった他の決済処理装置30に接続されているカードリーダ40のIDを受信し、新たに追加登録する。
【0037】
問合部37は、他の決済処理装置30に対し、自身の決済処理装置30から取り外されたカードリーダ40が接続されているか、接続されていないかの問い合わせを行う。
例えば、問合部37は、他の各決済処理装置30に対し、「送信部35が送信したIDを有するカードリーダ40が接続されているか否か」を問い合わせる。
例えば、問合部37は、接続されるすべての他の決済処理装置30に対し、問い合わせを行ってもよい。
【0038】
停止部34は、カードリーダ40のIDが登録部32に登録されていなかった場合に、決済部31での決済処理を停止する。
例えば、判定部33がカードリーダ40のIDが登録部32に登録されていないと判定した場合、停止部34は、決済処理を停止する。
したがって、接続されたカードリーダ40のIDと一致するIDが、登録部32に登録されている場合のみ、決済処理装置30は、決済処理を実施できる。
逆に、接続されたカードリーダ40のIDと一致するIDが、登録部32に登録されていない場合、決済処理装置30は決済処理を開始しない。
【0039】
さらに、停止部34は、取り外されたカードリーダ40が接続されていることを示す応答を他の決済処理装置30から受け付けるまで、決済処理を停止してもよい。
本実施形態では、停止部34は、自身の決済処理装置30から取り外されたカードリーダ40が、他の決済処理装置30に接続されていることを示す応答を、他の決済処理装置30から受け付けるまで、決済処理を停止する。
例えば、問合部37の問い合わせ(「送信部35が送信したIDを有するカードリーダ40が接続されているか否か」の問合せ)に対する応答を、いずれかの他の決済処理装置30から受信できるまで、停止部34は、決済処理を停止する。
したがって、例えば故障などによりカードリーダ40が交換された際、交換したカードリーダ40のペアが両方とも、各決済処理装置30に接続されるまで、各決済処理装置30は、決済処理は行わない。
【0040】
各決済処理装置30は、受付部39aと、照合部39bと、応答部39cと、をさらに機能的に備えてもよい。
【0041】
受付部39aは、問い合わせ元の決済処理装置30から各種問い合わせを受け付ける。
本実施形態では、他の決済処理装置30の受付部39aは、問い合わせ元である決済処理装置30から「取り外されたカードリーダ40が接続されているか否か」の問い合わせを受け付ける。
例えば、他の決済処理装置30の受付部39aは、「取り外されたカードリーダ40が接続されているか否か」の問い合わせとして、単に、問い合わせ元である決済処理装置30から取り外されたカードリーダ40のIDを受信するだけでもよい。
例えば、他の決済処理装置30の受付部39aは、問い合わせ元である決済処理装置30の送信部35が送信したIDを受信する。
【0042】
照合部39bは、検知されたカードリーダ40のIDと、問い合わせ元である決済処理装置30から取り外されたカードリーダ40のIDと、を照合する。
例えば、他の決済処理装置30の照合部39bは、自身の決済処理装置30において検知されたカードリーダ40のIDと、問い合わせ元である決済処理装置30の送信部35から送信されたIDと、を照合する。
【0043】
応答部39cは、問い合わせ元である決済処理装置30に対し各種応答を送信する。
本実施形態では、他の決済処理装置30の応答部39cは、問い合わせ元である決済処理装置30に対し、問い合わせに対する応答を送信する。
例えば、他の決済処理装置30の応答部39cは、問い合わせ元である決済処理装置30からの「取り外されたカードリーダ40が接続されているか否か」の問い合わせに対し応答する。
例えば、他の決済処理装置30の応答部39cは、照合部39bにおける照合の結果、IDが一致したら、「取り外されたカードリーダ40が接続されている」旨応答をする。
【0044】
各決済処理装置30は、表示部39pをさらに機能的に備える。
表示部39pは、収受員、監視員、保守員等に情報を表示する。
また、表示部39pには、収受員、監視員、保守員等による入力を受け付けるタッチパネルが設けられている。
【0045】
(動作)
各決済処理装置の動作について説明する。
各決済処理装置は、以下の処理方法にて動作する。
例えば、
図3に示すように、あるブース80に設けられた料金収受端末機20のカードリーダ40が故障したとする(ST01)。このとき、カードリーダ40は、各種情報の読み取り及び書き込み処理に支障があるが、接続されている決済処理装置30との通信には支障がない程度に故障したものとする。
以下、あるブース80に設けられている決済処理装置30(カードリーダ40が故障した決済処理装置30)を単に決済処理装置30という。
【0046】
例えば、決済処理装置30は、登録部32にIDリストLTを格納していてもよい。
決済処理装置30は、初期設定として、
図4に示すようなIDリストLTを格納している。
すなわち、決済処理装置30は、他の決済処理装置30を含む決済処理装置30の各IDと、接続されているカードリーダ40の各IDと、が関連付けたIDリストLTを格納している。
【0047】
ST01の実施に続いて、故障したカードリーダ40は、収受員、監視員、保守員等(以下、収受員等という。)によって、決済処理装置30から取り外される(ST02)。
【0048】
ST02の実施に続いて、カードリーダ40の故障確定処理が実施される(ST03)。本実施形態では、決済処理装置30の表示部に設けられたタッチパネルの故障確定ボタンを、収受員等の判断により押されることで、決済処理装置30において、故障確定処理が実施される。
このとき、決済処理装置30は、登録部32に格納されているIDリストLTを更新してもよい。
例えば、決済処理装置30は、IDリストLTに、取り外されたカードリーダ40のIDを交換候補カードリーダIDとして追加する。決済処理装置30は、
図5に示すように、IDリストLTに、交換候補カードリーダIDとして、取り外されたカードリーダ40のIDを、他の決済処理装置30の各IDに関連付けて追加する。
【0049】
ST03の実施に続いて、決済処理装置30は、決済処理を停止し、カードリーダ40の故障通知を他の決済処理装置30に通知する(ST04)。
本実施形態では、決済処理装置30に接続されているすべての他の決済処理装置30に故障通知を通知する。
【0050】
ST04の実施に続いて、他の決済処理装置30は、交換対象のカードリーダ40のIDとして、通知元である決済処理装置30から取り外されたカードリーダ40のIDを受信する(ST05、ST06)。
【0051】
ST05、ST06の実施に続いて、決済処理装置30は、応答があった他の決済処理装置30に接続されているカードリーダ40のIDを受信し(ST07)、新たに登録する(ST08)。
このとき、決済処理装置30は、登録部32に格納されているIDリストLTを更新してもよい。
例えば、決済処理装置30は、IDリストLTに、応答があった他の決済処理装置30に接続されているカードリーダ40のIDを交換候補カードリーダIDとして追加する。
すなわち、決済処理装置30は、通信できたカードリーダ40のIDを交換候補として追加できる。
決済処理装置30は、
図6に示すように、IDリストLTに、交換候補カードリーダIDとして、応答があった他の決済処理装置30に接続されているカードリーダ40のIDを、自身の決済処理装置30のIDに関連付けて追加する。
【0052】
ST08の実施に続いて、収受員等は、故障したカードリーダ40と、交換候補のカードリーダ40のうちいずれかのカードリーダ40と、を交換し、交換後のカードリーダ40を各決済処理装置30に接続する(ST09、ST10)。
例えば、
図7に示すように、あるブース80に設置されている決済処理装置30に接続されていたカードリーダ40が故障した場合、収受員等は、故障しているカードリーダ40と、事務所Jに設置されている決済処理装置30のカードリーダ40と、を交換する。このとき、各決済処理装置30は、交換されて接続されたカードリーダ40からカードリーダ40のIDを取得する。
【0053】
ST09、ST10の実施に続いて、収受員等は、決済処理装置30を復帰させる(ST11)。
本実施形態では、決済処理装置30の表示部に設けられたタッチパネルの復帰ボタンを、収受員等の判断により、収受員等が押下することで、決済処理装置30は復帰する。
【0054】
ST11の実施に続いて、決済処理装置30及び他の決済処理装置30は、登録部32に格納されているIDリストLTを更新する(ST12、ST13)。
本実施形態では、決済処理装置30及び他の決済処理装置30は、IDリストLTを更新する。
すなわち、各決済処理装置30は、決済処理装置30の各IDと、交換後において接続されているカードリーダ40の各IDとを関連付けるように、IDリストLTを更新する。
【0055】
例えば、決済処理装置30は、IDリストLTのうち、自身のIDと、交換後に自身に接続されているカードリーダ40のIDとを関連付けるように、IDリストLTを更新し、更新したIDリストLTを、カードリーダ40を交換した相手の他の決済処理装置30(以下、交換対象ペアともいう。)に通知する(ST12)。
交換対象ペアは、IDリストLTのうち、自身のIDと、交換後に自身に接続されているカードリーダ40のIDとを関連付けるように、IDリストLTを更新し、格納する(ST13)。交換対象ペアは、さらに、更新したIDリストLTを再び、通知元である決済処理装置30に通知する。
【0056】
ST13の実施に続いて、決済処理装置30は、交換対象ペア以外の他の決済処理装置30にIDリストLTを更新可能か否か問い合わせる(ST14)。
なお、本実施形態において、交換対象ペア以外の他の決済処理装置30は、未故障のカードリーダに接続されている。
【0057】
ST14の実施に続いて、交換対象ペア以外の他の決済処理装置30は、IDリストLTを更新が可能か判定する(ST15)。
IDリストLTの更新が不可能な場合(ST15:NO)、交換対象ペア以外の他の決済処理装置30は、問合わせ元である決済処理装置30に所定時間待つように指示する。例えば、交換対象ペア以外の他の決済処理装置30は、問合わせ元である決済処理装置30に30秒待つように指示する。ここで所定時間が30秒であることは一例であり、所定時間は30秒を超える時間であってもよいし、30秒未満であってもよい。
問合わせ元である決済処理装置30は、所定時間待つ(ST16)。
IDリストLTを更新が可能となったら(ST15:YES)、交換対象ペア以外の他の決済処理装置30は、更新可能な旨を問合わせ元である決済処理装置30に通知する。
【0058】
決済処理装置30は、交換対象ペア以外の他の決済処理装置30から更新可能な旨の通知を受けると、更新可能と判断(ST17)し、更新されたIDリストLTを、交換対象ペア以外の決済処理装置30に通知する。
【0059】
ST17の実施に続いて、交換対象ペア以外の他の決済処理装置30は、IDリストLTのうち、自身のIDと、自身に接続されているカードリーダ40のIDとを関連付けるように、IDリストLTを更新し、格納する(ST18)。
【0060】
ST18の実施に続いて、交換対象ペア以外の他の決済処理装置30は、更新したIDリストLTを再び、通知元である決済処理装置30に通知する。
決済処理装置30は、
図8に示すように更新されたIDリストLTを格納し、決済処理の停止を解除する(ST19)。
このとき、決済処理装置30は、停止部34によって、接続されているカードリーダ40のIDが登録部32に登録されていなかった場合、決済部31での決済処理を停止する。
さらに、決済処理装置30は、停止部34によって、取り外されたカードリーダ40が接続されていることを示す応答を他の決済処理装置30から受け付けるまで、決済処理を停止する。
すなわち、決済処理装置30は、交換して接続されたカードリーダ40のIDが登録部32に登録されていると共に、取り外されたカードリーダ40が他の決済処理装置30に接続されると、決済処理の停止を解除する。
【0061】
(作用及び効果)
本実施形態の決済処理装置30は、カードリーダ40の故障通知を受け付けた場合に、情報を他の決済処理装置30に送信し、送信に対する応答として他の決済処理装置30から受け付けたカードリーダ40のIDを新たに登録する。
このため、決済処理装置では、自身に接続されているカードリーダを、他の決済処理装置で接続されて使用されるカードリーダと交換できる。
例えば、決済処理装置30では、他の決済処理装置30に接続されていた故障していないカードリーダ40が接続された場合に、カードリーダ40のIDを登録済みと判定し決済処理できるため、自身に接続されているカードリーダ40を、他の決済処理装置30で接続されて使用されるカードリーダ40と交換できる。
【0062】
一般に、料金収受端末機には、カード情報を読み取るカードリーダと決済処理を実施する決済処理装置が分かれているものがある。このような料金収受端末機は、不正改造されたカードリーダと既設のカードリーダとを置き換えることで、個人情報を抜き取る攻撃にさらされるリスク(「不正改造機接続リスク」)を持つ。
このため、料金収受施設内の料金収受端末機が、カードリーダと決済処理装置が分かれたタイプである場合、不正改造機接続リスクに対するセキュリティ対策が施されることが望ましい。
料金収受施設内の料金収受端末機の決済処理装置は、接続するカードリーダの機種さえ合っていれば不正改造されたものであっても決済処理が可能である。このため、あらかじめ、決済処理装置に接続するカードリーダをIDで管理しておけば、想定外のカードリーダの接続をブロックすることができる。
しかし、料金収受施設内では以下に示す特殊な事情があり、接続可能なカードリーダを一意に決めることが出来ない。
すなわち、料金収受施設内の料金収受端末機は、事務所に設置される料金収受端末機のカードリーダと、ブース内の料金収受端末機のカードリーダが共通である。このため、使用頻度の高いブース用カードリーダと使用頻度の低い事務所のカードリーダとを交換することで、保守員が現場に到着するまで一時的に対処するという事情がある。この故障の対処は、車線を止めることなくカードリーダの故障対応ができるため、非常に重宝である。
これに対し、本実施形態の決済処理装置30は、上述のとおり他の決済処理装置30のカードリーダ40と交換可能に、カードリーダ40のIDを登録できる。
このため、本実施形態の決済処理装置30では、不正改造機接続リスクに対するセキュリティ対策が可能でありながら、ブース80内のカードリーダ40と事務所Jのカードリーダ40とを交換することができる。
【0063】
カードリーダ部のみ故障する事象に対処するには、決済処理装置において、カードリーダ部のみ交換できる機構とすることが望まれる。
しかし、もし、決済処理装置に登録されているカードリーダのIDでカードリーダの交換を管理するだけだと、例えば以下のような課題が生じる。
すなわち、保管されている予備機のユニットを管理することはできず、保管されている予備機の不正改造を監視できない。
このため、カードリーダのユニットを、不正改造をさせないために、予備機のユニットも稼働状態で常時監視するか、金庫等で保管する必要がある。
これに対し、本実施形態の決済処理装置30では、自身に接続されているカードリーダ40を、他の決済処理装置30で接続されて使用されるカードリーダ40と交換できる。
例えば、本実施形態の決済処理装置30では、故障等が生じたブース80内のカードリーダ40を、使用頻度の低い事務所Jのカードリーダ40と交換できる。
したがって、本実施形態の決済処理装置30によれば、必ずしも予備機を保管しておく必要がなく、決済処理装置30間で使用中のカードリーダ40を交換できるため、このような課題を解決することも可能となる。
【0064】
また、本実施形態では、送信部35が、情報として、決済処理装置30に接続されているカードリーダ40のIDを他の決済処理装置30に送信することにより、決済処理装置30は、他の決済処理装置30に対し、自身の決済処理装置30から取り外されたカードリーダ40が接続されているか、否かを確認することができる。
【0065】
また、本実施形態の決済処理装置30は、取り外されたカードリーダ40が他の決済処理装置30に接続されるまで、決済処理を停止する。
このため、決済処理を再開するためには取り外されたカードリーダ40が他の決済処理装置30に接続される必要があるので、取り外されたカードリーダ40は、放置されることが無い。
したがって、決済処理装置30は、カードリーダ40の不正改造を抑制できる。
【0066】
例えば、決済処理装置30は、交換されたカードリーダのペアが、両方とも料金収受施設2内の決済処理装置30に接続されたことを検知した段階で初めて決済可能にする。このため、取り外されたカードリーダ40が、料金収受施設2内で放置されることを防ぐことができる。
したがって、カードリーダ40故障後、交換されたカードリーダが放置されてその隙に不正改造されるリスクを防ぐことができる。
【0067】
他方、本実施形態の決済処理装置30は、交換されたカードリーダがいずれも、料金収受施設内のいずれかの決済処理装置30に接続される方式であるため、交換用の予備機を余分に準備しなくてもよい。
このため、料金収受施設内のカードリーダ40の台数を、ブース内の料金収受端末機20の台数+事務所内の料金収受端末機20の台数に制約することができ、余るカードリーダ40を存在させなくすることもできる。
したがって、カードリーダ40の予備機を持せなくてもよく、接続されるカードリーダ40の台数を料金収受施設内に限らせることができる。
【0068】
また、本実施形態の決済処理装置30は、各カードリーダ40のIDによって、現在接続されているカードリーダ40が、他の決済処理装置30から取り外されたカードリーダ40か否かを照合できる。
このため、決済処理装置30は、簡単に、取り外されたカードリーダ40が接続されているか否かを確認することができる。
【0069】
本実施形態では、故障確定ボタンを、収受員等の判断により押されることで、故障確定処理が実施され故障通知を通知しているが、故障確定処理は、どのように行なわれてもよい。
変形例として、カードリーダ40がセルフチェックにより故障確定処理を行ってもよい。その際、決済処理装置30はカードリーダ40からセルフチェックの結果を取得する。
他の変形例として、決済処理装置30が自身に接続されているカードリーダ40の故障を診断して、故障確定処理を行ってもよい。
【0070】
本実施形態では、登録部32には、初期設定として、自身の決済処理装置30に接続されているカードリーダ40のIDが登録されるが、他のIDが登録されていてもよい。
変形例として、登録部32には、自身の決済処理装置30に接続されているカードリーダ40のIDに加えて、初期設定として、接続される可能性のあるカードリーダ40のIDのすべてが事前に登録されていてもよい。
他の変形例として、故障時に交換して接続される可能性のあるカードリーダ(=「料金収受施設に保管されているすべてのカードリーダ」)を、初期設定として決済処理装置30に登録部32に事前に登録させておいてもよい。その場合、決済処理装置30は、同一料金収受施設に有るカードリーダならば、自由に交換できるうえ、それ以外のカードリーダの接続はブロックできる。
【0071】
本実施形態では、決済処理装置30は、停止部34によって決済処理を停止しているが、他の機能を有してもよい。
変形例として、決済処理装置30は、停止部34によって決済処理を停止した場合に、警告を出力してもよい。警告の出力は、表示部39pへの警告表示や音声による警告音等であってもよい。
【0072】
本実施形態の決済処理装置30は、例えば、特開2006-227940号公報に開示されている料金収受装置に適用されてもよい。
【0073】
本実施形態では、送信部35は、カードリーダ40の故障通知を受け付けた場合に、情報として、決済処理装置30に接続されているカードリーダ40のIDを、他の決済処理装置30に送信するが、送信部35は、どのような情報を送信してもよい。
変形例として、送信部35は、カードリーダ40の故障通知を受け付けた場合に、情報として、通知、指令、信号等を、他の決済処理装置30に送信してもよい。
【0074】
なお、上述の実施形態においては、決済処理装置30の各種機能を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをマイコンといったコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各種処理を行うものとしている。ここで、コンピュータシステムのCPUの各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【0075】
上述の実施形態において、決済処理装置30の各種機能を実現するためのプログラムを実行させるコンピュータのハードウェア構成の例について説明する。
図9に示すように、決済処理装置30が備えるコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、記憶/再生装置303と、IO I/F(Input Output Interface)304と、通信I/F(Interface)305と、を備える。
【0076】
メモリ302は、決済処理装置30で実行されるプログラムで使用されるデータ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等の媒体である。
記憶/再生装置303は、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリ等の外部メディアへデータ等を記憶したり、外部メディアのデータ等を再生したりするための装置である。
IO I/F304は、決済処理装置30と他の装置との間で情報等の入出力を行うためのインタフェースである。
通信I/F305は、インターネット、専用通信回線等の通信回線を介して、他の装置(例えば、クレジットカード会社の決済処理用のサーバである上位装置)との間で通信を行うインタフェースである。
【0077】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0078】
10 出口料金所
20 料金収受端末機
30 決済処理装置
31 決済部
32 登録部
33 判定部
34 停止部
35 送信部
36 登録処理部
37 問合部
39a 受付部
39b 照合部
39c 応答部
39p 表示部
40 カードリーダ
80 ブース
90 集計システム
301 CPU
302 メモリ
303 記憶/再生装置
304 IO I/F
305 通信I/F
A 車両
I アイランド
J 事務所
L 車線
LT IDリスト