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特許7181938ホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアルセタール化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-22
(45)【発行日】2022-12-01
(54)【発明の名称】ホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアルセタール化合物
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/38 20060101AFI20221124BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20221124BHJP
   A61K 31/7068 20060101ALI20221124BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20221124BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20221124BHJP
   C07H 19/10 20060101ALN20221124BHJP
   A61K 31/7072 20060101ALN20221124BHJP
【FI】
C07F9/38 B CSP
A61K31/675
A61K31/7068
A61P1/16
A61P31/12
C07H19/10
A61K31/7072
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020538802
(86)(22)【出願日】2019-01-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 US2019012765
(87)【国際公開番号】W WO2019139920
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2021-12-13
(31)【優先権主張番号】62/615,851
(32)【優先日】2018-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520250763
【氏名又は名称】ヌクオリオン ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】チー リン
【審査官】三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-504402(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106317116(CN,A)
【文献】国際公開第2014/068265(WO,A1)
【文献】特表2005-525991(JP,A)
【文献】国際公開第2017/223421(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/078416(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2012/0009147(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IVaの化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩:
式中、
R1およびR2は、独立して、置換されていてもよいC1-C6アルキル、置換されていてもよいC6-C10アリール、および置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールからなる群より選択されるか; あるいはR1およびR2は、それらが結合している原子と一緒になってC1-C6アルキルで置換されていてもよい4~10員複素環を形成し;
各R3は、独立して、水素、置換されていてもよいC1-C6アルキル、置換されていてもよいC7-C16アリールアルキル、および置換されていてもよい5~10員ヘテロアリール(C1-C6)アルキルからなる群より選択され;
各R6は、独立して、ハロゲン、置換されていてもよいC1-C6アルキル、および置換されていてもよいC1-C6アルキルオキシより選択され;
mは0、1、2、または3であり;
nは1または2であり;
XはO (酸素)またはNHである。
【請求項2】
各R3が、独立して、置換されていてもよいC1-C6アルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
mが0、1、または2である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
nが1である、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
XがNHである、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
R3が水素またはC1-C6アルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
R6がC1-C6アルキルであり、mが1、2、または3である、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
からなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項記載の化合物と薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
【請求項10】
コビシスタット、エムトリシタビン、およびエルビテグラビルの1つまたは複数をさらに含む、請求項9記載の薬学的組成物。
【請求項11】
コビシスタット、エムトリシタビン、およびエルビテグラビルの2つ以上をさらに含む、請求項9記載の薬学的組成物。
【請求項12】
コビシスタット、エムトリシタビン、およびエルビテグラビルをさらに含む、請求項9記載の薬学的組成物。
【請求項13】
リバビリン、ペグインターフェロン-アルファ、シメプレビル、レジパスビル、またはダクラタスビルの1つまたは複数をさらに含む、請求項9記載の薬学的組成物。
【請求項14】
請求項1~8のいずれか一項記載の化合物を含む、肝炎またはウイルス感染症を処置するための薬学的組成物。
【請求項15】
少なくとも1つの追加の治療薬と組み合わせて投与される、請求項14載の薬学的組成物。
【請求項16】
少なくとも1つの追加の治療薬が、HBVの処置のために、HBV侵入阻害剤、HBV cccDNA阻害剤、HBVカプシド阻害剤、インターフェロン、およびHBVアセンブリ阻害剤からなる群より選択される、請求項15記載の薬学的組成物。
【請求項17】
少なくとも1つの追加の治療薬が、HIVの処置のために、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、その他のヌクレオシド類似体逆転写酵素阻害剤、およびプロテアーゼ阻害剤からなる群より選択される、請求項15記載の薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、その全体が参照により組み入れられる、2018年1月10日に出願された「PHOSPHOR(N)AMIDATACETAL AND PHOSPH(ON)ATALCETAL COMPOUNDS」なる名称の米国仮出願第62/615,851号の恩典を主張するものである。
【0002】
分野
本開示は、化学および医学分野に関する。より具体的には、本開示は、ホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアルセタール化合物、それらの調製、およびそれらの使用に関する。いくつかの態様において、そのような化合物は、特定のヌクレオチドを肝臓に選択的に送達するのに有用である。
【背景技術】
【0003】
背景
以下の背景の説明は、本発明の理解を促進するために提供されるが、本発明の先行技術であるとは、あるいは本発明の先行技術を説明するものであるとは認められない。
【0004】
天然のヌクレオシ(チ)ド化合物は生命の必須分子ビルディングブロックであり、多くのヌクレオシ(チ)ド類似体は抗ウイルス剤および抗癌剤として広く使用されている。その低親油性の性質のために、ヌクレオシ(チ)ド類似化合物が経口剤として使用されることはほとんどない。ヌクレオシ(チ)ド類似体化合物は、その経口吸収を向上させる形態で使用され得る (例えば、P. J. Thornton, et al. Journal of Medicinal Chemistry 59:10400-10410 (2016)(非特許文献1)およびJ. Rautio, et al. Nature Reviews Drug Discovery 7:255-270 (2008)(非特許文献2)参照)。
【0005】
既知のヌクレオシ(チ)ド類似体化合物にもかかわらず、好ましい物理化学的、生物薬学的または薬物動態学的特性を備えた新しい化合物が必要とされる。例えば、肝臓の外側では活性ではない肝臓標的化化合物は、標的組織の外側での生物学的活性薬剤の薬理学的または毒物学的影響を低減する。したがって、化合物が肝臓の外側では比較的非細胞毒性のままである、改善された肝臓標的化化合物が必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】P. J. Thornton, et al. Journal of Medicinal Chemistry 59:10400-10410 (2016)
【文献】J. Rautio, et al. Nature Reviews Drug Discovery 7:255-270 (2008)
【発明の概要】
【0007】
概要
ヌクレオシ(チ)ドの新規なホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物、それらの調製およびそれらの使用が記載されている。いくつかの態様は、腸で吸収され、肝門静脈を介して化合物が治療効果を発揮する肝臓に取り込まれる、新規なホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物に関する。別の局面は、例えば、グルコース、コレステロール、脂肪酸、トリグリセリド、リポタンパク質、およびアポリポタンパク質などの生化学的最終産物の産生および/または恒常性制御に肝臓が関与している、肝炎、癌、肝線維症、脂肪肝、ならびに代謝性、および心血管疾患を含むがこれらに限定されない、肝臓などの組織や細胞への薬物分布の向上から恩恵を受ける疾患を処置するためのホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物の使用を含む。別の局面では、特定のヌクレオシ(チ)ド類似体化合物の薬理学的または臨床的活性を向上させるためにホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物が用いられる。別の局面では、特定のヌクレオシ(チ)ド類似体化合物の潜在的な副作用、特に肝臓の外側で生じる副作用を低減するために、ホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物が用いられる。いくつかの態様において、ホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物は、画像診断薬の肝臓への送達に有用である。いくつかのさらなる態様は、ホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物を製造する方法に関する。
【0008】
本明細書に提供されるいくつかの態様は、式I:
の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を含み、式中、R1、R3、R4、R5、X、Yおよびnは、本明細書に記載される値のいずれかを有する。
【0009】
いくつかの態様において、R4は、以下の構造:
を有するモノホスファートまたはモノホスホナート治療薬のR4部分である。
【0010】
いくつかの態様において、R4は、ヌクレオシド、またはそのアミドもしくはエステルを含む。いくつかの態様において、R4は、ヌクレオシド、またはヌクレオシド類似体を含む。いくつかの態様において、R4は、リボヌクレオシド、デオキシリボヌクレオシドまたはそのアミドもしくはエステルを含む。いくつかの態様において、R4は、リボヌクレオシド、リボヌクレオシド類似体、デオキシリボヌクレオシド、デオキシリボヌクレオシド類似体またはそれらのアミドもしくはエステルを含む。いくつかの態様において、R4は、天然リボヌクレオシド、天然デオキシリボヌクレオシド、非天然リボヌクレオシド、非天然デオキシリボヌクレオシド、またはそれらのアミドもしくはエステルを含む。いくつかの態様において、R4は、核酸塩基またはそのアミドを含む。いくつかの態様において、R4は、核酸塩基類似体またはそのアミドを含む。いくつかの態様において、R4は、プリン核酸塩基、ピリミジン核酸塩基またはそれらのアミドを含む。いくつかの態様において、R4は、プリン核酸塩基類似体、ピリミジン核酸塩基類似体またはそのアミドもしくはエステルを含む。いくつかの態様において、R4は、天然もしくは非天然の核酸塩基またはそのアミドを含む。いくつかの態様において、R4は置換テトラヒドロフランを含む。いくつかの態様において、R4は、1~4つのR1Aで置換されたテトラヒドロフランを含み、ここで1つのR1Aは核酸塩基またはそのアミドである。いくつかの態様において、R4は、1~4つのR1Aで置換されたテトラヒドロフランを含み、ここで1つのR1Aは核酸塩基類似体、またはそのアミドである。いくつかの態様において、R4は、1~4つのR1Aで置換されたテトラヒドロフランを含み、ここで1つのR1Aはプリン核酸塩基、ピリミジン核酸塩基またはそれらのアミドである。いくつかの態様において、R4は、1~4つのR1Aで置換されたテトラヒドロフランを含み、ここで1つのR1Aはプリン核酸塩基類似体、ピリミジン核酸塩基類似体、またはそれらのアミドもしくはエステルである。いくつかの態様において、R4は、1~4つのR1Aで置換されたテトラヒドロフランを含み、ここで1つのR1Aは、天然もしくは非天然の核酸塩基またはそのアミドである。
【0011】
いくつかの態様は、以下の式II、III、IV、V、およびVIの化合物に関する:
またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、
またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、
またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、
またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、
またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、
式中のR1、R3、R4、R5、R6、R7、R8、X、Y、mおよびnは、本明細書に記載される値のいずれかを有する。
【0012】
いくつかの態様は、以下の式Ia、IIa、IIIa、IVa、Va、およびVIaの化合物に関する:
またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、
またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、
またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、
またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、
またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、
またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、
式中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、X、Y、mおよびnは、本明細書に記載される値のいずれかを有する。
【0013】
いくつかの態様は、上記化合物のいずれかと薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物に関する。
【0014】
いくつかの態様は、上記化合物のいずれかの有効量を投与する段階を含む、疾患、障害、または状態を処置する方法に関する。
【0015】
いくつかの態様において、疾患、障害、または状態は、肝臓の疾患、障害または状態である。
【0016】
いくつかの態様において、疾患、障害または状態は、該疾患、障害または状態の生化学的最終産物の産生および/または恒常性制御に肝臓が関与している代謝性、心血管性またはホルモン性疾患である。
【0017】
いくつかの態様において、疾患、障害または状態は、肝炎、癌、肝線維症、脂肪肝、マラリア、ウイルス感染症、寄生虫感染症、糖尿病、高脂血症、アテローム性動脈硬化症、肥満、脂質異常症、高血糖およびホルモン状態からなる群より選択される。
【0018】
いくつかの態様において、非肝臓疾患、障害または状態は、ウイルス感染症、癌、またはホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物が標的組織または細胞への活性薬物の分布を向上させる他の疾患である。
【0019】
いくつかの態様は、R4がヌクレオシドまたはヌクレオシド相当物の抗ウイルス剤または抗癌剤である、上記化合物のいずれかの化合物の有効量をそれを必要とする対象に投与する段階を含む、肝疾患を処置する方法に関する。
【0020】
いくつかの態様は、少なくとも1つの追加の治療薬の有効量をそれを必要とする対象に投与する段階をさらに含む。
【0021】
いくつかの態様は、それを必要とする対象の肝臓に画像診断剤を送達する方法であって、該対象に上記化合物のいずれかの有効量を投与する段階を含む方法に関する。
【0022】
いくつかの態様において、対象は哺乳動物である。
【0023】
いくつかの態様において、対象はヒトである。
【0024】
いくつかの態様は、細胞を上記化合物のいずれかと接触させる段階を含む、細胞におけるウイルス複製を阻害する方法に関する。
【0025】
いくつかの態様は、細胞を上記化合物のいずれかと接触させる段階を含む、分子経路に介入するまたは細胞中の標的を調節する方法に関する。
【0026】
いくつかの態様において、細胞はインビボである。
【0027】
いくつかの態様において、細胞はエクスビボである。
【0028】
いくつかの態様において、細胞は肝細胞である。
【0029】
いくつかの態様において、細胞は哺乳動物細胞である。
【0030】
いくつかの態様において、細胞はヒト細胞である。
【0031】
本明細書に提供される化合物、組成物、および方法のいくつかの態様は、本明細書に提供される化合物のいずれかと、薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的組成物を含む。
【0032】
本明細書に提供される化合物、組成物、および方法のいくつかの態様は、本明細書に提供される化合物のいずれかの有効量を、それを必要とする対象に投与する段階を含む、対象における肝臓の疾患または状態を処置する方法を含む。
【0033】
本明細書に提供されるいくつかの態様は、肝門静脈を介して肝臓に吸収される脂肪酸の任意のプロドラッグ化合物の有効量を、それを必要とする対象に投与する段階を含む、対象における肝臓の分子経路/標的 (例えば、受容体または酵素など)に介入することによって疾患または状態を処置する方法を含む。
【0034】
いくつかの態様は、1つまたは複数の追加の治療薬の有効量をそれを必要とする対象に投与することを含む。
【0035】
いくつかの態様において、対象は哺乳動物である。
【0036】
いくつかの態様において、対象はヒトである。
【0037】
いくつかの態様はまた、追加の治療薬と組み合わせた本明細書に提供される化合物のいずれか1つの使用を含む。
【0038】
本明細書に提供される化合物、組成物、および方法のいくつかの態様は、肝臓の疾患もしくは状態または生理的経路もしくは病原性経路が肝臓に関与する疾患もしくは状態を処置するための医薬の調製における使用のための、本明細書に提供される組成物のいずれか1つを含む。
[本発明1001]
式Iの化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩:
式中、
YはH (水素)またはOR 2 であり;
R 1 およびR 2 は、独立して、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル、置換されていてもよいC 6-10 アリール、および置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールからなる群より選択されるか; あるいはR 1 およびR 2 は、それらが結合している原子と一緒になってC 1 -C 6 アルキルで置換されていてもよい4~10員複素環を形成するか; あるいはYがH (水素)である場合、R 1 は、水素、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル-C(O)-、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル-OCH 2 -、および置換されていてもよいフェニル-OCH 2 -からなる群より選択され;
各R 3 は、独立して、H (水素)、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル、置換されていてもよいC 7 -C 16 アリールアルキル、および置換されていてもよい5~10員ヘテロアリール(C 1 -C 6 )アルキルからなる群より選択され;
R 4 は、以下の構造:
を有するモノホスファートまたはモノホスホナート治療薬のフラグメントであるか、または
R 4 は、-L 1 -L 2 -R 4A であり、式中
L 1 はO (酸素)であり、かつL 2 は-CH 2 -であるか、またはL 1 は-CH 2 -であり、かつL 2 はO (酸素)であり;
R 4A は、C 1 -C 8 アルキルまたは4~10員ヘテロシクリルであり、それぞれは1~4つのR 1A で置換されていてもよく;
各R 1A は、独立して、ハロ、-R 1B 、OC(=O)R 1B 、C 1 -C 6 アルキル、C 3 -C 7 シクロアルキル、C 6 -C 10 アリール、5~10員ヘテロアリール、および4~10員ヘテロシクリルより選択され、R 1A 中の該アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルは、それぞれ1~4つのR 1AA で置換されていてもよく;
R 1B は、-OH、C 3 -C 7 シクロアルキル、C 1 -C 6 アルキルおよびC 1 -C 6 アルコキシより選択され、それぞれは1つまたは複数のR 1BA で置換されていてもよく、またはR 1B は-N(R 1C ) 2 であり、またはR 1B は、水素、置換されていてもよいC 1-6 アルキル、置換されていてもよいC 2-6 アルケニル、置換されていてもよいC 2-6 アルキニル、置換されていてもよいC 1-6 アルコキシ、置換されていてもよいC 3-7 カルボシクリル、置換されていてもよい C 6-10 アリール、置換されていてもよい 5~10員ヘテロアリール、および置換されていてもよい3~10員ヘテロシクリルより選択され;
各R 1C は、独立して、H (水素)、C 3 -C 7 シクロアルキル、C 1 -C 6 アルキル、C 2-6 アルケニル、C 2-6 アルキニル、C 6-10 アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルであり、それぞれは-OH、C 1-6 アルキル、C 3-7 カルボシクリル、C 6-10 アリール、5~10員ヘテロアリール、3~10員ヘテロシクリル、C 1-6 アルコキシまたは-OHで置換されていてもよいC 1-6 アルキル、およびC 1-6 アルコキシまたは-OHで置換されていてもよいC 1-6 アルコキシからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく;
各R 1BA は、独立して、ヒドロキシ、ハロ、-N(R 1CC ) 2 または-OR 1BB であり;
各R 1BB は、独立して、H (水素)、C 3 -C 7 シクロアルキル、C 1 -C 6 アルキルまたはC 1 -C 6 ハロアルキルであり; および
各R 1CC は、独立して、H (水素)、C 3 -C 7 シクロアルキル、C 1 -C 6 アルキルまたはC 1 -C 6 ハロアルキルであり;
各R 1AA は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO 2 、C 1 -C 6 アルキル、C 1 -C 6 ハロアルキル、C 1 -C 6 アルコキシ、C 1 -C 6 ハロアルコキシ、(=O)、-N(R 1D ) 2 、-N(R 1D )C(=O)R 1D 、C 1 -C 6 アルキル、C 6 -C 10 アリール、5~10員ヘテロアリール、および4~10員ヘテロシクリルより選択され; および
各R 1D は、独立して、H (水素)、C 3 -C 7 シクロアルキルおよびC 1 -C 6 アルキルより選択されるか、またはR 1D は、H(水素)、置換されていてもよいC 1 -C 6 アシル, 置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキルオキシカルボニル、および置換されていてもよいC-アミドであり;
R 5 は、置換されていてもよいC 6 -C 10 アリールであるか、またはハロゲン、置換されていてもよい C 1 -C 6 アルキル、および置換されていてもよい C 1 -C 6 アルキルオキシで置換されたフェニルより選択され;
XはO (酸素)またはNR 9 であり;
R 9 は、H (水素)、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル-OCH 2 -、および置換されていてもよいフェニル-OCH 2 -の群より選択されるか、あるいは、R 9 およびR 1 は、それらが結合している原子と一緒になって5員複素環を形成し;および
nは1または2である。
[本発明1002]
式Iの化合物が式Ia:
の構造を有し、
式中、
R 1 およびR 2 は、独立して、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル、置換されていてもよいC 6 -C 10 アリール、および置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールからなる群より選択されるか; あるいはR 1 およびR 2 は、それらが結合している原子と一緒になってC 1 -C 6 アルキルで置換されていてもよい4~10員複素環を形成し; および
XはO (酸素)またはNHである、
本発明1001の化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
[本発明1003]
R 4 が、ヌクレオシド、もしくはヌクレオシド相当物、またはそのアミドもしくはエステルを含む、本発明1001または1002の化合物。
[本発明1004]
R 4 が、リボヌクレオシド、デオキシリボヌクレオシドまたはそのアミドもしくはエステルを含む、本発明1003の化合物。
[本発明1005]
R 4 が、天然リボヌクレオシド、天然デオキシリボヌクレオシド、非天然リボヌクレオシド、非天然デオキシリボヌクレオシド、またはそれらのアミドもしくはエステルを含む、本発明1003の化合物。
[本発明1006]
R 4 が、核酸塩基、またはそのアミドを含む、本発明1001の化合物。
[本発明1007]
R 4 が、プリン核酸塩基、ピリミジン核酸塩基またはそれらのアミドを含む、本発明1006の化合物。
[本発明1008]
R 4 が、天然もしくは非天然の核酸塩基またはそのアミドを含む、本発明1006の化合物。
[本発明1009]
R 4 が、置換テトラヒドロフランを含む、本発明1001の化合物。
[本発明1010]
R 5 が、それぞれ1~3つのC 1 -C 6 アルキルで置換されていてもよい、フェニルまたはナフチルである、本発明1001~1009のいずれかの化合物。
[本発明1011]
式Iの化合物が式II:
の構造を有し、
式中、
R 6 は、独立して、ハロゲン、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル、および置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキルオキシより選択され;
R 7 およびR 8 は、独立して、H (水素)、置換されていてもよいC 1 -C 6 アシル、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル-OCH 2 -、置換されていてもよいフェニル-OCH 2 -、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキルオキシカルボニル、および置換されていてもよいC-アミドより選択され; および
mは0、1、2、または3である、
本発明1001の化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
[本発明1012]
式IIの化合物が式IIa:
の構造を有し、
式中、
R 1 およびR 2 は、独立して、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル、置換されていてもよいC 6 -C 10 アリール、および置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールからなる群より選択されるか; あるいはR 1 およびR 2 は、それらが結合している原子と一緒になってC 1 -C 6 アルキルで置換されていてもよい4~10員複素環を形成し; および
XはO (酸素)またはNHであり; および
R 7 は、H、置換されていてもよいC 1 -C 6 アシル、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキルオキシカルボニル、および置換されていてもよいC-アミドより選択される、
本発明1011の化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
[本発明1013]
式Iの化合物が式III:
の構造を有し、
R 6 は、独立して、ハロゲン、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル、および置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキルオキシより選択され;
R 7 およびR 8 は、独立して、H (水素)、置換されていてもよいC 1 -C 6 アシル、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル-OCH 2 -、置換されていてもよいフェニル-OCH 2 -、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキルオキシカルボニル、および置換されていてもよいC-アミドからなる群より選択され; および
mは0、1、2、または3である、
本発明1001の化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
[本発明1014]
式IIIの化合物が式IIIa:
の構造を有し、
式中、
R 1 およびR 2 は、独立して、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル、置換されていてもよいC 6 -C 10 アリール、および置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールからなる群より選択されるか; あるいはR 1 およびR 2 は、それらが結合している原子と一緒になってC 1 -C 6 アルキルで置換されていてもよい4~10員複素環を形成し; および
XはO (酸素)またはNHであり; および
R 7 およびR 8 は、独立して、H (水素)、置換されていてもよいC 1 -C 6 アシル、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキルオキシカルボニル、および置換されていてもよいC-アミドからなる群より選択される、
本発明1013の化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
[本発明1015]
式Iの化合物が式IV:
の構造を有し、
R 6 は、独立して、ハロゲン、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル、および置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキルオキシより選択され;
R 8 は、H (水素)、置換されていてもよいC 1 -C 6 アシル、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル-OCH 2 -、置換されていてもよいフェニル-OCH 2 -、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキルオキシカルボニル、および置換されていてもよいC-アミドからなる群より選択され; および
mは0、1、2、または3である、
本発明1001の化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
[本発明1016]
式IVの化合物が式IVa:
の構造を有し、
式中、
R 1 およびR 2 は、独立して、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル、置換されていてもよいC 6 -C 10 アリール、および置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールからなる群より選択されるか; あるいはR 1 およびR 2 は、それらが結合している原子と一緒になってC 1 -C 6 アルキルで置換されていてもよい4~10員複素環を形成し; および
XはO (酸素)またはNHである、
本発明1015の化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
[本発明1017]
式Iの化合物が式V:
の構造を有し
R 6 は、独立して、ハロゲン、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル、および置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキルオキシより選択され;
R 7 およびR 8 は、独立して、H (水素)、置換されていてもよいC 1 -C 6 アシル、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル-OCH 2 -、置換されていてもよいフェニル-OCH 2 -、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキルオキシカルボニル、および置換されていてもよいC-アミドからなる群より選択され; および
mは0、1、2、または3である、
本発明1001の化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
[本発明1018]
式Vの化合物が式Va:
の構造を有し、
式中、
R 1 およびR 2 は、独立して、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル、置換されていてもよいC 6 -C 10 アリール、および置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールからなる群より選択されるか; あるいはR 1 およびR 2 は、それらが結合している原子と一緒になってC 1 -C 6 アルキルで置換されていてもよい4~10員複素環を形成し; および
XはO (酸素)またはNHである、
本発明1017の化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
[本発明1019]
式Iの化合物が式VIa:
の構造を有し、
式中、
R 1 およびR 2 は、独立して、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル、置換されていてもよいC 6 -C 10 アリール、および置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールからなる群より選択されるか; あるいはR 1 およびR 2 は、それらが結合している原子と一緒になってC 1 -C 6 アルキルで置換されていてもよい4~10員複素環を形成し;
R 6 は、独立して、ハロゲン、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル、および置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキルオキシより選択され;
R 7 およびR 8 は、独立して、H (水素)、置換されていてもよいC 1 -C 6 アシル、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキル-OCH 2 -、置換されていてもよいフェニル-OCH 2 -、置換されていてもよいC 1 -C 6 アルキルオキシカルボニル、および置換されていてもよいC-アミドより選択され;
mは0、1、2、または3であり; および
XはO (酸素)またはNHである、
本発明1001の化合物、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
[本発明1020]
R 4 が、生物学的薬剤であるか、または炭素もしくは酸素原子を介して連結した生物学的薬剤の一部である、本発明1001の化合物。
[本発明1021]
R 4 が、ヌクレオシドまたはヌクレオシド相当物である、本発明1020の化合物。
[本発明1022]
R 4 が、-L 1 -L 2 -R 4A である、本発明1001の化合物。
[本発明1023]
R 4 が、-O-CH 2 -R 4A 、または-CH 2 -O-R 4A であり; R 4A が、1~4つのR 1A で置換されたテトラヒドロフランである、本発明1022の化合物。
[本発明1024]
R 4 が、-O-CH 2 -R 4A 、または-CH 2 -O-R 4A であり; R 4A が、5~10員ヘテロアリールで置換されたC 1 -C 3 アルキルであり、該ヘテロアリールは1~2つのR 1AA で置換され;
各R 1AA は、独立して、ハロゲン、C 1 -C 6 アルキル、C 1 -C 6 ハロアルキル、-N(R 1D ) 2 、-N(R 1D )C(=O)R 1D 、C 1 -C 6 アルキル、C 6 -C 10 アリール、5~10員ヘテロアリール、および4~10員ヘテロシクリルより選択され; および
各R 1D は、独立して、H (水素)およびC 1 -C 3 アルキルより選択される、
本発明1022の化合物。
[本発明1025]
R 4 が-CH 2 -O-R 4A であり; R 4A が6-アミノ-9H-プリン-9-イルで置換されたC 1 -C 3 アルキルである、本発明1024の化合物。
[本発明1026]
R 4 が-O-CH 2 -R 4A であり; R 4A が1~4つのR 1A で置換されたテトラヒドロフランであり、ここで少なくとも1つのR 1A がウラシリルであり、少なくとも1つのR 1A がフッ素である、本発明1022の化合物。
[本発明1027]
R 1 およびR 2 がメチルもしくはエチルであるか; またはR 1 およびR 2 が、それらが結合している原子と一緒になって、1,3-ジオキソラン-2-イル、1,3-ジオキサン-2-イル、1,3-ジオキセパン-2-イル、もしくは1,3- ジオキソカン-2-イルを形成し、それぞれが1つまたは2つのC 1 -C 6 アルキルで置換されていてもよい、前記本発明のいずれかの化合物。
[本発明1028]
R 3 がH (水素)またはC 1 -C 6 アルキルである、前記本発明のいずれかの化合物。
[本発明1029]
R 6 がC 1 -C 6 アルキルであり; かつmが1、2、または3である、本発明1011~1028のいずれかの化合物。
[本発明1030]
化合物101~161のいずれか一つである、本発明1001の化合物。
[本発明1031]
本発明1001~1030のいずれかの化合物と薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
[本発明1032]
コビシスタット、エムトリシタビン、およびエルビテグラビルの1つまたは複数をさらに含む、本発明1031の薬学的組成物。
[本発明1033]
コビシスタット、エムトリシタビン、およびエルビテグラビルの2つ以上をさらに含む、本発明1031の薬学的組成物。
[本発明1034]
コビシスタット、エムトリシタビン、およびエルビテグラビルをさらに含む、本発明1031の薬学的組成物。
[本発明1035]
リバビリン、ペグインターフェロン-アルファ、シメプレビル、レジパスビル、またはダクラタスビルの1つまたは複数をさらに含む、本発明1031の薬学的組成物。
[本発明1036]
本発明1001~1030のいずれかの化合物の有効量をそれを必要とする対象に投与する段階を含む、疾患、障害、または状態を処置する方法。
[本発明1037]
疾患、障害、または状態が、肝臓の疾患、障害または状態である、本発明1036の方法。
[本発明1038]
疾患、障害または状態が、該疾患、障害または状態の生化学的最終産物の産生および/または恒常性制御に肝臓が関与している代謝性、心血管性またはホルモン性疾患である、本発明1036の方法。
[本発明1039]
疾患、障害または状態が、肝炎、肝癌、肝線維症、脂肪肝、マラリア、ウイルス感染症、寄生虫感染症、癌、糖尿病、高脂血症、アテローム性動脈硬化症、肥満、脂質異常症、高血糖およびホルモン状態からなる群より選択される、本発明1036の方法。
[本発明1040]
本発明1001~1030のいずれかの化合物の有効量をそれを必要とする対象に投与する段階を含む、肝疾患を処置する方法。
[本発明1041]
少なくとも1つの追加の治療薬の有効量をそれを必要とする対象に投与する段階をさらに含む、本発明1036~1040のいずれかの方法。
[本発明1042]
対象が哺乳動物である、本発明1036~1041のいずれかの方法。
[本発明1043]
対象がヒトである、本発明1036~1042のいずれかの方法。
[本発明1044]
細胞を本発明1001~1030の化合物のいずれか1つと接触させる段階を含む、細胞におけるウイルス複製を阻害する方法。
[本発明1045]
細胞を本発明1001~1030の化合物のいずれか1つと接触させる段階を含む、分子経路に介入するまたは細胞中の標的を調節する方法。
[本発明1046]
細胞がインビボである、本発明1044または1045の方法。
[本発明1047]
細胞がエクスビボである、本発明1044または1045の方法。
[本発明1048]
細胞が肝細胞である、本発明1044または1045の方法。
[本発明1049]
細胞が哺乳動物細胞である、本発明1044または1045の方法。
[本発明1050]
細胞がヒト細胞である、本発明1044または1045の方法。
[本発明1051]
対象におけるウイルス性肝感染症を処置するための、本発明1001~1030のいずれかの化合物の使用。
[本発明1052]
追加の治療薬と組み合わせた、本発明1051の使用。
[本発明1053]
追加の治療薬が、チモシンアルファ-1、インターフェロン-λ、HCVプロテアーゼ阻害剤、HCV NS5A複製複合体阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼ阻害剤、HCVヘリカーゼ阻害剤、シクロフィリン阻害剤、イノシンモノホスファートデヒドロゲナーゼ阻害剤、リバビリン、インターフェロン-α、およびペグ化インターフェロン-αからなる群より選択される、本発明1052の使用。
[本発明1054]
追加の治療薬が、インターフェロン-α、またはペグ化インターフェロン-αを含む、本発明1052の使用。
[本発明1055]
追加の治療薬が、直接作用型抗ウイルス剤を含む、本発明1052の使用。
[本発明1056]
直接作用型抗ウイルス剤が、HCVプロテアーゼ阻害剤、HCV NS5A複製複合体阻害剤、ヌクレオシドベースのHCV NS5Bポリメラーゼ阻害剤、非ヌクレオシドのHCV NS5Bポリメラーゼ阻害剤、およびHCVヘリカーゼ阻害剤からなる群より選択される、本発明1055の使用。
[本発明1057]
ウイルス感染症がC型肝炎 (HCV)を含む、本発明1051~1056のいずれかの使用。
[本発明1058]
対象が哺乳動物である、本発明1051~1057のいずれかの使用。
[本発明1059]
対象がヒトである、本発明1051~1058のいずれかの使用。
[本発明1060]
ウイルス性肝感染症を処置するための医薬の調製における、本発明1001~1029のいずれかの化合物の使用。
[本発明1061]
医薬が追加の治療薬を含む、本発明1060の使用。
[本発明1062]
追加の治療薬が、チモシンアルファ-1、インターフェロン-λ、HCVプロテアーゼ阻害剤、HCV NS5A複製複合体阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼ阻害剤、HCVヘリカーゼ阻害剤、シクロフィリン阻害剤、イノシンモノホスファートデヒドロゲナーゼ阻害剤、リバビリン、インターフェロン-α、およびペグ化インターフェロン-αからなる群より選択される、本発明1061の使用。
[本発明1063]
追加の治療薬が、インターフェロン-α、またはペグ化インターフェロン-αを含む、本発明1061の使用。
[本発明1064]
追加の治療薬が、直接作用型抗ウイルス剤を含む、本発明1061の使用。
[本発明1065]
直接作用型抗ウイルス剤が、HCVプロテアーゼ阻害剤、HCV NS5A複製複合体阻害剤、ヌクレオシドベースのHCV NS5Bポリメラーゼ阻害剤、非ヌクレオシドのHCV NS5Bポリメラーゼ阻害剤、およびHCVヘリカーゼ阻害剤からなる群より選択される、本発明1064の使用。
[本発明1066]
対象におけるウイルス性肝感染症の処置に使用するための、本発明1001~1030のいずれかの化合物を含む組成物。
[本発明1067]
追加の治療薬と組み合わせた、本発明1066の組成物。
[本発明1068]
追加の治療薬が、チモシンアルファ-1、インターフェロン-λ、HCVプロテアーゼ阻害剤、HCV NS5A複製複合体阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼ阻害剤、HCVヘリカーゼ阻害剤、シクロフィリン阻害剤、イノシンモノホスファートデヒドロゲナーゼ阻害剤、リバビリン、インターフェロン-α、およびペグ化インターフェロン-αからなる群より選択される、本発明1067の組成物。
[本発明1069]
追加の治療薬が、インターフェロン-α、またはペグ化インターフェロン-αを含む、本発明1068の組成物。
[本発明1070]
追加の治療薬が、直接作用型抗ウイルス剤を含む、本発明1067の組成物。
[本発明1071]
直接作用型抗ウイルス剤が、HCVプロテアーゼ阻害剤、HCV NS5A複製複合体阻害剤、ヌクレオシドベースのHCV NS5Bポリメラーゼ阻害剤、非ヌクレオシドのHCV NS5Bポリメラーゼ阻害剤、およびHCVヘリカーゼ阻害剤からなる群より選択される、本発明1070の組成物。
[本発明1072]
追加の治療薬が、HBVの処置のために、HBV侵入阻害剤、HBV cccDNA阻害剤、HBVカプシド阻害剤、インターフェロン、HBVアセンブリ阻害剤からなる群より選択される、本発明1067の組成物。
[本発明1073]
追加の治療薬が、HCCの処置のために、ソラフェニブ、レゴラフェニブ、PD-1またはPD-L1チェックポイント阻害剤などの免疫腫瘍剤の群より選択される、本発明1067の組成物。
[本発明1074]
追加の治療薬が、HIVの処置のために、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤 (NNRTI)、その他のヌクレオシド類似体逆転写酵素阻害剤(NRTI)、およびプロテアーゼ阻害剤の群より選択される、本発明1067の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0039】
詳細な説明
ヌクレオシドモノホスファートおよびモノホスホナートは、活性なトリホスファート/ホスホノジホスファートへの変換が迅速であり、初期の律速リン酸化が必要ないため、魅力的な薬物ターゲットである。しかしながら、ヌクレオシドモノホスファートおよびモノホスホナートは、細胞内の治療標的に効率的に輸送されないため、薬物候補としては限定的である。したがって、細胞へのヌクレオシドモノホスファートおよびモノホスホナートの送達を促進するための戦略が開発されてきた。ヌクレオシドベースの薬物であるソホスブビル、ゲムシタビンおよび経口テノホビルは、それぞれC型肝炎、癌、B型肝炎およびHIVの治療に承認されている。表1は、マスクされていないソホスブビルのモノホスファートとゲムシタビンのモノホスファート、およびマスクされていないモノホスホナート型のテノホビルを示す。これらの化合物は、活性なトリホスファート/ホスホノジホスファート形態への迅速なリン酸化を受けることが知られている (例えば、P. J. Thornton, et al. J. Med. Chem., (2016), 59(23):10400-10410参照)。
【0040】
(表1)
【0041】
本態様は、新規なホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物、それらの調製およびそれらの使用に関する組成物および方法に指向する。いくつかの態様において、新規なホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物は、ヌクレオシドモノホスファートおよびモノホスホナートなどのモノホスファートおよびモノホスホナート治療薬の細胞への送達を促進する。いくつかの態様において、新規なホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物は、マスクされていないソホスブビルのモノホスファート、ゲムシタビンのモノホスファート、またはテノホビルの細胞への送達を促進する。
【0042】
これらのホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物、ならびにそれらの立体異性体および薬学的に許容される塩は、式I、II、III、IV、V、およびVI:
によって表され、式中のR1、R3、R4、R5、R6、R7、R8、X、Y、mおよびnは、本明細書に記載される値のいずれかを有する。
【0043】
いくつかの態様において、YはOR2またはH (水素)である。いくつかの態様において、R1およびR2は、独立して、置換されていてもよいC1-C6アルキル、置換されていてもよいC6-10アリール、および置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールからなる群より選択されるか、あるいはR1およびR2は、それらが結合している原子と一緒になってC1-C6アルキルで置換されていてもよい4~10員複素環を形成する。いくつかの態様において、YはOR2であり、かつR1およびR2は、独立して、置換されていてもよいC1-C6アルキル、置換されていてもよいアリール、および置換されていてもよいヘテロアリールからなる群より選択される。いくつかの態様において、YはOR2であり、かつR1およびR2は、それらが結合している原子と一緒になってC1-C6アルキルで置換されていてもよい4~10員複素環を形成する。いくつかの態様において、YはH (水素)であり、かつR1は、水素、置換されていてもよいC1-C6アルキル-C(O)-、置換されていてもよいC1-C6アルキル-OCH2-、および置換されていてもよいフェニル-OCH2-からなる群より選択される。
【0044】
いくつかの態様において、R3は、H、置換されていてもよいC1-C6アルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、および置換されていてもよいヘテロアリールアルキルからなる群より選択される。
【0045】
いくつかの態様において、R4は、ヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体などの、生物学的薬剤または炭素もしくは酸素原子を介して連結した生物学的薬剤の一部である。いくつかの態様において、R4は、以下の構造:
を有するモノホスファートまたはモノホスホナート治療薬のR4部分である。例えば、シドホビルにおいて、R4は、
である。PMEAにおいて、R4は、
である。
【0046】
いくつかの態様において、R5は、置換されていてもよいアリールである。
【0047】
いくつかの態様において、R6は、独立して、ハロゲン、置換されていてもよいC1-C6アルキル、および置換されていてもよいC1-C6アルキルオキシの群より選択される。
【0048】
いくつかの態様において、R7およびR8は、独立して、H、置換されていてもよいC1-C6アシル、置換されていてもよいC1-C6アルキルオキシカルボニル; および置換されていてもよいC1-C6カルバモイルからなる群より選択される。
【0049】
いくつかの態様において、XはOまたはNR9である。
【0050】
いくつかの態様において、R9はH (水素)、置換されていてもよいC1-C6アルキル-OCH2-、および置換されていてもよいフェニル-OCH2-からなる群より選択されるか、あるいは、R9およびR1は、それれが結合している原子と一緒になって5員複素環を形成する。
【0051】
いくつかの態様において、XはOまたはNHである。
【0052】
いくつかの態様において、nは1または2である。
【0053】
いくつかの態様において、mは0、1、2、または3である。
【0054】
いくつかの態様において、式I、II、III、IV、V、およびVIのホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物は、シトクロムp450アイソザイムCYP3A (モノオキシゲナーゼのファミリー)、デヒドロゲナーゼ、エステラーゼ、およびアミダーゼなどの肝酵素の基質である。
【0055】
CYP3A4は他の組織よりもはるかに高いレベルで肝臓で発現している (DeWaziers et al. J Pharm Exp Ther 253:387 (1990))。式I、II、III、IV、V、およびVIのホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物は、肝臓のCYP3A4を介して主に活性化される。いくつかの態様において、式I、II、III、IV、V、およびVIの化合物は、生物学的活性薬剤を肝臓に選択的に送達することを介して、肝臓の標的化に高い効率を有する。いくつかの態様において、式I、II、III、IV、V、およびVIの化合物は肝臓の外側では活性でないか、活性が低いことがあるため、ホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物は薬物の治療指数を向上させるために使用される。
【0056】
いくつかの態様において、式I、II、III、IV、V、およびVIのホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物の肝臓を標的とする性質に起因して、該化合物は、グルコース (例えば、糖尿病)、コレステロール、脂肪酸、胆汁酸、トリグリセリド (例えば、高脂血症、アテローム性動脈硬化症および肥満)、リポタンパク質、アポリポタンパク質、および性ホルモン結合グロブリン (SHBG)などの生化学的最終産物の産生および/または恒常性制御に肝臓が関与している、肝炎、肝癌、肝線維症、脂肪肝、マラリア、他のウイルスおよび寄生虫感染症、ならびに代謝性、心血管性、および/またはホルモン性疾患などの、肝臓の疾患を含むがこれらに限定されない、肝臓および同様の組織や細胞への薬物分布の向上から恩恵を受ける疾患の治療に使用される。
【0057】
いくつかの態様において、開示された化合物は、半減期の延長または薬物の吸収の増大などの薬物動態特性を改善するために使用される。加えて、開示された方法は、活性治療薬の持続的送達を達成するために使用され得る。式I、II、III、IV、V、およびVIのホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物の薬物動態特性の向上により、これらの化合物は、HIVや癌などの疾患を含むがこれらに限定されない、薬物特性の向上の恩恵を受ける疾患の処置に使用される。いくつかの態様において、これら化合物の製造方法が記載される。いくつかの態様において、これらの化合物は肝臓または他の組織への画像診断薬の送達にも有用である。
【0058】
式I、II、III、IV、V、およびVIの特定の化合物は、式I、II、III、IV、V、およびVIの化合物に一般的に言及する場合、立体化学が特定されていないことがある不斉中心を有し、これらの化合物のジアステレオマー混合物、ならびに個々の立体異性体が含まれる。
【0059】
本明細書に提供される化合物、組成物、および方法のいくつかの態様は、本明細書に提供される化合物と、薬学的に許容される担体とを含む、薬学的組成物を含む。
【0060】
いくつかの態様は、本明細書に提供される化合物と組み合わせた、第2のまたは複数の治療薬の有効量をそれを必要とする対象に投与することを含む。
【0061】
いくつかの態様において、対象は哺乳動物である。
【0062】
いくつかの態様において、対象はヒトである。
【0063】
本明細書に提供される化合物、組成物および方法のいくつかの態様は、細胞を開示された化合物と接触させることを含む、細胞内の化合物を試験する方法を含む。
【0064】
本明細書に提供される化合物、組成物および方法のいくつかの態様は、肝臓の疾患の処置における本明細書に提供される化合物の使用を含む。
【0065】
いくつかの態様は、肝臓の疾患の処置のための追加の治療薬と組み合わせた、本明細書に提供される化合物の使用を含む。
【0066】
本明細書に提供される化合物、組成物および方法のいくつかの態様は、肝臓の分子経路に介入することによる疾患または状態の処置における本明細書に提供される化合物の使用を含む。
【0067】
いくつかの態様は、肝臓の分子経路に介入することによって疾患または状態を処置するための、追加の治療薬と組み合わせた本明細書に提供される化合物の使用を含む。
【0068】
本明細書に提供される化合物、組成物および方法のいくつかの態様は、HIV感染症および癌などの非肝臓疾患の処置における本明細書に提供される化合物の使用を含む。
【0069】
いくつかの態様は、HIV感染症および癌などの非肝臓疾患の処置のための追加の治療薬と組み合わせた、本明細書に提供される化合物の使用を含む。
【0070】
本明細書に開示される化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、それらは、個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーとして、またはラセミ体を含むそのような異性体の混合物として存在し得る。個々の異性体の分離または個々の異性体の選択的合成は、当業者に周知の様々な方法を適用することによって達成される。特に明記しない限り、そのような異性体およびその混合物はすべて、本明細書に開示される化合物の範囲に含まれる。さらに、本明細書に開示される化合物は、1つまたは複数の結晶形態またはアモルファス形態で存在し得る。特に明記しない限り、多形形態を含め、そのような形態はすべて、本明細書に開示される化合物の範囲に含まれる。さらに、本明細書に開示される化合物のいくつかは、水 (すなわち、水和物)または一般的な有機溶媒と溶媒和物を形成してもよい。特に明記しない限り、そのような溶媒和物は、本明細書に開示される化合物の範囲に含まれる。
【0071】
当業者は、本明細書に記載されるいくつかの構造は、速度論的な場合であっても、他の化学構造によって平等に表され得る化合物の共鳴形態または互変異性体であり得ることを認識するであろう。当業者は、そのような構造がそのような化合物のあるサンプルの非常に小さな部分しか表さない場合があることを認識している。そのような共鳴形態または互変異性体が本明細書中に表されないとしても、そのような化合物は、示された構造の範囲内とみなされる。
【0072】
記載されている化合物には同位元素が存在し得る。化合物構造に表される各化学元素は、前記元素の任意の同位体を含むことができる。例えば、化合物構造において水素原子は、化合物中に存在することが明示的に開示または理解され得る。水素原子が存在し得る化合物の任意の位置で、水素原子は、水素-1 (プロチウム)および水素-2 (重水素)を含むがこれらに限定されない、水素の任意の同位体であり得る。したがって、本明細書における化合物への言及は、文脈が明らかに他に指示しない限り、あらゆる可能性ある同位体形態を包含する。
【0073】
定義
本開示に従い、本明細書で使用される場合、以下の用語は、他に明確に記述されていない限り、以下の意味で定義される。前述の一般的な記載および以下の詳細な説明の両方は、例示および説明のみであり、請求項に記載の主題を限定するものではないことが理解される。本願では、特に明記しない限り、単数形の使用には複数形が含まれる。本願では、特に記載しない限り、「または」の使用は「および/または」を意味する。さらに、「含む (including)」という用語ならびに「含む (includes)」および「含まれる (included)」などの他の形態の使用は、限定的なものではない。
【0074】
本明細書で使用する場合、範囲および量は、「約」特定の値または範囲として表すことができる。「約」には正確な量も含まれる。したがって、「約10%」は「約10%」および「10%」をも意味する。
【0075】
本明細書で使用する「任意の (optional)」または「任意で (optionally)」は、後で説明する事象または状況が発生するかまたは発生せず、該説明に該事象または状況が発生する場合と発生しない場合が含まれることを意味する。例えば、置換されていてもよい基は、その基が非置換であるか、または置換されていることを意味する。
【0076】
本明細書で使用される、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに反しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「治療薬 (a therapeutic agent)」を含む組成物への言及は、1つまたは複数の治療薬を伴う組成物を含む。
【0077】
本明細書で使用される場合、「Ca~Cb」または「Ca-b」(「a」および「b」は整数である)は、特定された基の炭素原子の数を意味する。すなわち、その基には、「a」~「b」個(「a」と「b」を含む)の炭素原子を含めることができる。したがって、例えば、「C1~C4アルキル」または「C1-4アルキル」基は、1~4個の炭素を有するすべてのアルキル基、すなわち、CH3-、CH3CH2-、CH3CH2CH2-、(CH3)2CH-、CH3CH2CH2CH2-、CH3CH2CH(CH3)- および (CH3)3C-を意味する。
【0078】
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、完全に飽和している (すなわち、二重結合または三重結合を含まない)直鎖または分岐炭化水素鎖を意味する。アルキル基は1~20個の炭素原子を有することができる (本明細書に出現する場合は常に、「1~20」などの数値範囲は与えられた範囲の各整数を意味する; 例えば、「1~20個の炭素原子」は、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子等、20個までのおよび20個を含む炭素原子からなり得ることを意味するが、本定義は数値範囲が指定されていない「アルキル」という用語の出現も包含する。)。アルキル基はまた、1~9個の炭素原子を有する中程度の大きさのアルキルであり得る。アルキル基はまた、1~4個の炭素原子を有する低級アルキルであり得る。該アルキル基は、「C1-C4アルキル」または同様の名称で示されることがある。単なる例として、「C1-C4アルキル」は、アルキル鎖中に1~4個の炭素原子があることを示し、すなわち、該アルキル鎖は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、およびt-ブチルからなる群より選択される。典型的なアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、ペンチル、ヘキシルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0079】
本明細書で使用される場合、置換基は、1つまたは複数の水素原子が別の原子または基に交換されている非置換親基に由来する。特に明記しない限り、ある基が「置換されている」とみなされる場合、その基は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C7カルボシクリル (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、C3-C7-カルボシクリル-C1-C6-アルキル (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、3~10員ヘテロシクリル (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、3~10員ヘテロシクリル-C1-C6-アルキル (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、アリール (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6 ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、アリール(C1-C6)アルキル (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、5~10員ヘテロアリール (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、5~10員ヘテロアリール(C1-C6)アルキル (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、C1-C6アルコキシ(C1-C6)アルキル (すなわち、エーテル)、アリールオキシ (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、C3-C7 カルボシクリルオキシ (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、3~10員ヘテロシクリル-オキシ (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、5~10員ヘテロアリール-オキシ (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、C3-C7-カルボシクリル-C1-C6-アルコキシ (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、3~10員ヘテロシクリル-C1-C6-アルコキシ (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、アリール(C1-C6)アルコキシ (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、5~10員ヘテロアリール(C1-C6)アルコキシ (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、スルフヒドリル (メルカプト)、ハロ(C1-C6)アルキル (例えば、-CF3)、ハロ(C1-C6)アルコキシ (例えば、-OCF3)、C1-C6アルキルチオ、アリールチオ (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、C3-C7カルボシクリルチオ (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、3~10員ヘテロシクリル-チオ (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、5~10員ヘテロアリール-チオ (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、C3-C7-カルボシクリル-C1-C6-アルキルチオ (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、3~10員ヘテロシクリル-C1-C6-アルキルチオ (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、アリール(C1-C6)アルキルチオ (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、5~10員ヘテロアリール(C1-C6)アルキルチオ (ハロ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルキル、およびC1-C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、アミノ、アミノ(C1-C6)アルキル、ニトロ、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、アシル、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、スルフィニル、スルホニル、およびオキソ (=O)から独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されていることを意味する。ある基が「置換されていてもよい」と記載されている場合はいつでも、その基は上記の置換基で置換することができる。
【0080】
本明細書で使用される場合、「アシル」は、-C(=O)Rを意味し、式中のRは、本明細書で定義される、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルである。非限定的な例には、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ベンゾイル、およびアクリルが含まれる。
【0081】
「O-カルボキシ」基は、「-OC(=O)R」基を意味し、式中のRは、本明細書で定義される、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
【0082】
「C-カルボキシ」基は、「-C(=O)OR」基を意味し、式中のRは、本明細書で定義される、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。非限定的な例には、カルボキシル (すなわち、-C(=O)OH)が含まれる。
【0083】
「シアノ」基は「-CN」基を意味する。
【0084】
「シアネート」基は「-OCN」基を意味する。
【0085】
「イソシアネート」基は「-NCO」基を意味する。
【0086】
「チオシアネート」基は「-SCN」基を意味する。
【0087】
「イソチオシアネート」基は「-NCS」基を意味する。
【0088】
「スルフィニル」基は、「-S(=O)R」基を意味し、式中のRは、本明細書で定義される、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
【0089】
「スルホニル」基は、「-SO2R」基を意味し、式中のRは、本明細書で定義される、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
【0090】
「S-スルホンアミド」基は、「-SO2NRARB」基を意味し、式中のRAおよびRBは、それぞれ独立して、本明細書で定義される、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
【0091】
「N-スルホンアミド」基は、「-N(RA)SO2RB」基を意味し、式中のRAおよびRbは、それぞれ独立して、本明細書で定義される、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
【0092】
「O-カルバミル」基は、「-OC(=O)NRARB」基を意味し、式中のRAおよびRBは、それぞれ独立して、本明細書で定義される、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
【0093】
「N-カルバミル」基は、「-N(RA)OC(=O)RB」基を意味し、式中のRAおよびRBは、それぞれ独立して、本明細書で定義される、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
【0094】
「O-チオカルバミル」基は、「-OC(=S)NRARB」基を意味し、式中のRAおよびRBは、それぞれ独立して、本明細書で定義される、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
【0095】
「N-チオカルバミル」基は、「-N(RA)C(=S)ORB」基を意味し、式中のRAおよびRBは、それぞれ独立して、本明細書で定義される、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。
【0096】
「C-アミド」基は、「-C(=O)NRARB」基を意味し、式中のRAおよびRBは、それぞれ独立して、本明細書で定義される、水素、ハロゲン、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択され、それぞれは、-OH、C1-6アルキル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、3~10員ヘテロシクリル、C1-6アルコキシまたは-OHで置換されていてもよいC1-6アルキルおよびC1-6アルコキシまたは-OHで置換されていてもよいC1-6アルコキシからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0097】
「N-アミド」基は、「-N(RA)C(=O)RB」基を意味し、式中のRAおよびRBは、それぞれ独立して、本明細書で定義される、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択され、それぞれは、-OH、C1-6アルキル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、3~10員ヘテロシクリル、C1-6アルコキシまたは-OHで置換されていてもよいC1-6アルキルおよびC1-6アルコキシまたは-OHで置換されていてもよいC1-6アルコキシからなる群より選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0098】
「アミノ」基は、「-NRARB」基を意味し、式中のRAおよびRBは、それぞれ独立して、本明細書で定義される、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルから選択される。非限定的な例には、遊離のアミノ (すなわち、-NH2)が含まれる。
【0099】
「アミノアルキル」基は、アルキレン基を介して結合したアミノ基を意味する。
【0100】
「アルコキシアルキル」基は、「C2-8アルコキシアルキル」などの、アルキレン基を介して結合したアルコキシ基を指す。
【0101】
「アシルオキシ」という用語は、-OC(O)Rを意味し、式中のRはアルキルである。
【0102】
「アルコキシ」または「アルキルオキシ」という用語は、ORを意味し、式中のRはアルキル、またはヘテロアルキルであり、全ては置換されていてもよい。
【0103】
「カルボキシル」という用語は、C(O)OHを意味する。
【0104】
「オキソ」という用語は=O基を意味する。
【0105】
「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、F (フルオロ)、Cl (クロロ)、Br (ブロモ)、およびI (ヨード)を意味する。
【0106】
「ハロアルキル」という用語は、少なくとも1つのハロゲン、さらなる局面では1~3個のハロ原子を含むアルキル基を意味する。適切なハロ原子には、F、Cl、およびBrが含まれる。
【0107】
「ハロアシル」という用語は、-C(O)-ハロアルキル基を意味する。
【0108】
「アルケニル」という用語は、2~12個の原子を有し、少なくとも1つの炭素炭素二重結合を含み、直鎖、分岐鎖および環状基を含む、不飽和基を意味する。アルケニル基は置換されていてもよい。適切なアルケニル基には、アリルが含まれる。
【0109】
「アルキニル」という用語は、2~12個の原子を有し、少なくとも1つの炭素炭素三重結合を含み、直鎖、分岐鎖および環状基を含む、不飽和基を意味する。アルキニル基は置換されていてもよい。適切なアルキニル基には、エチニルが含まれる。
【0110】
本明細書で使用される場合、「アリール」は、環骨格中に炭素のみを含有する芳香環または芳香環系 (すなわち、2つの隣接する炭素原子を共有する2つ以上の縮合環)を意味する。アリールが環系である場合、系中のすべての環が芳香族性である。アリール基は6~18個の炭素原子を有することができるが、本定義は数値範囲が指定されていない「アリール」という用語の出現も包含する。いくつかの態様において、アリール基は6~10個の炭素原子を有する。該アリール基は、「C6-10アリール」、「C6またはC10アリール」、または同様の名称で示されることがある。アリール基の例には、フェニル、ナフチル、アズレニル、およびアントラセニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0111】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」は、環骨格中に1つまたは複数のヘテロ原子、すなわち、窒素、酸素、および硫黄を含むがこれらに限定されない炭素以外の元素を含む、芳香環または芳香環系 (すなわち、2つの隣接原子を共有する2つ以上の縮合環)を意味する。ヘテロアリールが環系である場合、系のすべての環が芳香族性である。ヘテロアリール基は、5~18個の環員 (すなわち、炭素原子およびヘテロ原子を含む、環骨格を構成する原子の数)を有することができるが、本定義は数値範囲が指定されていない「ヘテロアリール」という用語の出現も包含する。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、5~10個の環員または5~7個の環員を有する。該ヘテロアリール基は、「5~7員ヘテロアリール」、「5~10員ヘテロアリール」、または同様の名称で示されることがある。ヘテロアリール基は置換されていてもよい。ヘテロアリール基の例としては、1個の酸素もしくは硫黄原子もしくは最大4個の窒素原子、または1個の酸素もしくは硫黄原子と最大2個の窒素原子との組み合わせ、およびそれらの置換、ならびに、例えば、環形成炭素原子の1つを介して結合したベンゾおよびピリド縮合誘導体を含む、芳香族C3-8複素環式基が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、アルキルアミド、アシル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキル、C1-6-ヒドロキシアルキル、C1-6-アミノアルキル、C1-6-アルキルアミノ、アルキルスルフェニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、スルファモイル、またはトリフルオロメチルより独立して選択される、1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。ヘテロアリール基の例には、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピロール、ピリジン、インドール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピラゾール、インダゾール、テトラゾール、キノリン、イソキノリン、ピリダジン、ピリミジン、プリンおよびピラジン、フラザン、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、プテリジン、フェノキサゾール、オキサジアゾール、ベンゾピラゾール、キノリジン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、およびキノキサリンの非置換体およびモノまたはジ置換誘導体が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、置換基は、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、O-C1-6-アルキル、C1-6-アルキル、ヒドロキシ-C1-6-アルキル、およびアミノ-C1-6-アルキルである。
【0112】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」は、完全に飽和したカルボシクリル環または環系を意味する。例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが含まれる。シクロアルキル基は、3~10個の炭素原子を有することができる (本明細書に記載されている場合は常に、「3~10」などの数値範囲は、与えられた範囲の各整数を意味する。シクロアルキル基は、「C3-C8シクロアルキル」または同様の名称で示されることがある。単なる例として、「C3-C8シクロアルキル」は、カルボシクリル環または環系に3~8個の炭素原子があることを示す。
【0113】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」は、環骨格に少なくとも1つのヘテロ原子を含む非芳香族環式環または環系を意味する。ヘテロシクリルは、縮合、架橋またはスピロ接続の様式で一緒に結合することができる。ヘテロシクリルは、環系の少なくとも1つの環が芳香族ではないという条件で、任意の飽和度を有することができる。ヘテロ原子は、環系の非芳香環または芳香環のいずれかに存在し得る。ヘテロシクリル基は、3~20個の環員 (すなわち、炭素原子およびヘテロ原子を含む、環骨格を構成する原子の数)を有することができるが、本定義は数値範囲が指定されていない「ヘテロシクリル」という用語の出現も包含する。ヘテロシクリル基はまた、3~10個の環員を有する中程度の大きさのヘテロシクリルであり得る。ヘテロシクリル基はまた、3~6個の環員を有するヘテロシクリルであり得る。該ヘテロシクリル基は、「3~6員ヘテロシクリル」または同様の名称で示されることがある。好ましい6員単環式ヘテロシクリルでは、ヘテロ原子は、O (酸素)、N (窒素)またはS (硫黄)の1~3個から選択され、好ましい5員単環式ヘテロシクリルでは、ヘテロ原子は、O (酸素)、N (窒素)またはS (硫黄)から選択される1個または2個のヘテロ原子から選択される。ヘテロシクリル環の例には、アゼピニル、アクリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジオキソラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、オキシラニル、オキセパニル、チエパニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキソピペラジニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピロリジオニル、4-ピペリドニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、1,3-ジオキシニル、1,3-ジオキサニル、1,4-ジオキシニル、1,4-ジオキサニル、1,3-オキサチアニル、1,4-オキサチイニル、1,4-オキサチアニル、2H-1,2-オキサジニル、トリオキサニル、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジニル、1,3-ジオキソリル、1,3-ジオキソラニル、1,3-ジチオリル、1,3-ジチオラニル、イソキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキサゾリジノニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、1,3-オキサチオラニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロ-1,4-チアジニル、チアモルホリノイル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンズイミダゾリジニル、およびテトラヒドロキノリンを含むが、これらに限定されない。
【0114】
特定の基の命名規則は、文脈に応じて、モノラジカルまたはジラジカルのいずれかを含み得ることが理解される。例えば、ある置換基が分子の残部への2つの結合点を必要とする場合、その置換基はジラジカルであると理解される。例えば、2つの結合点を必要とするアルキルとして同定される置換基には、-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-などのジラジカルが含まれる。他の基の命名規則は、該基が「アルキレン」または「アルケニレン」などのジラジカルであることを明確に示している。
【0115】
2つのR基が「それらが結合している原子と一緒になって」環 (例えば、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール環)を形成すると言う場合、該原子と2つのRの集合単位が記載された環となる。環は、個別に選ばれる場合の各R基の定義によって限定されない。例えば、以下の部分構造:
が存在し、R1およびR2が、アルキルおよびアリールからなる群より選択されるとして定義されるか、またはR1およびR2はそれらがそれぞれ結合している酸素と一緒になってヘテロシクリルを形成する場合、これは、R1およびR2がアルキルまたはアリールから選択できること、あるいは、部分構造が以下の構造:
を有することを意味し、ここで環Aは示されている酸素を含む複素環である。
【0116】
同様に、2つの「隣接する」R基が「それらが結合している原子と一緒になって」環を形成すると言う場合、該原子、介在する結合、および2つのR基の集合単位が、記載された環となることを意味する。例えば、以下の部分構造:
が存在し、R1およびR2が、水素およびアルキルからなる群より選択されるとして定義されるか、またはR1およびR2がそれらが結合している原子と一緒になってアリールまたはカルボシクリルを形成する場合、これは、R1およびR2が水素またはアルキルから選択できること、あるいは、部分構造が以下の構造:
を有することを意味し、ここで環Aは示されている二重結合を含むアリール環またはカルボシクリルである。
【0117】
置換基がジラジカルとして示されている場合 (すなわち、分子の残部への2つの結合点を有する場合)はいつでも、他に示されない限り、該置換基は任意の方向の配置で結合され得ることが理解される。したがって、例えば、-AE-または
として示される置換基は、Aが分子の左端の結合点に結合するように配向された置換基と、Aが分子の右端の結合点に結合する場合とが含まれる。
【0118】
「治療的有効量」という語句は、特定の疾患または状態の1つまたは複数の症状を部分的または完全に改善、軽減または除去する、あるいは特定の疾患または状態の1つまたは複数の症状の発症を予防、変更、または遅延させる量の化合物または化合物の組み合わせを意味する。そのような量は、単回投薬量として投与され得るか、またはその量が有効になるレジメンに従って投与され得る。所望の結果を達成するために反復投与が必要になる場合がある(例えば、疾患および/または状態の処置)。
【0119】
「薬学的に許容される塩」という用語は、本態様の化合物と有機または無機酸または塩基との組み合わせから誘導される式I、II、III、およびIVの化合物の塩を含む。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸と形成することができる。塩を誘導することができる無機酸には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが含まれる。塩を誘導することができる有機酸には、例えば、酢酸、アジピン酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、(+)-7,7-ジメチル-2-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、ドデシルスルホン酸、サリチル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、馬尿酸 、塩酸ヘミエタノール酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、ラクトビオン酸、臭化メチル酸、メチル硫酸、2-ナフタレンスルホン酸、オレイン酸、4,4’-メチレンビス-[3-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボン酸]、ポリガラクツロン酸 、ステアリン酸、スルホサリチル酸、タンニン酸、テレフタル酸などが含まれる。塩を誘導することができる無機塩基には、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどを含む塩基が含まれ; 特に好ましいのは、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩である。いくつかの態様において、本明細書に開示される化合物を無機塩基で処理すると、化合物から不安定水素が失われ、Li、Na、K、Mg2+およびCa2+などの無機カチオンを含む塩形態が得られる。塩を誘導することができる有機塩基には、例えば、第一級、第二級、および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などが含まれ、具体的には、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンなどが含まれる。
【0120】
所与の置換基の数が特定されていない場合 (例えば、「ハロアルキル」)、1つまたは複数の置換基が存在し得る。例えば、「ハロアルキル」は、1つまたは複数の同一のまたは異なるハロゲンを含み得る。例えば、「ハロアルキル」には、置換基CF3、CHF2、およびCH2Fのそれぞれが含まれる。
【0121】
「患者」という用語は、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、およびヒトなどの哺乳動物を含む、処置される動物を意味する。いくつかの態様において、患者は、雄または雌のいずれかの哺乳動物である。いくつかの態様において、患者は男性または女性のヒトである。
【0122】
本明細書で使用される「プロドラッグ」という用語は、生体系に投与された場合に、自発的な化学反応、酵素触媒化学反応、および/または代謝化学反応、またはそれぞれの組み合わせの結果として生物活性化合物を生じる任意の化合物を意味する。標準的なプロドラッグは、薬物に関連し、インビボで切断する官能基、例えば、HO-、HS-、HOOC-、HOOPR2-に結合した基を用いて形成される。標準的なプロドラッグには、基がアルキル、アリール、アラルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキルであるカルボン酸エステル、および結合した基がアシル基、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ホスファートまたはスルファートである、ヒドロキシル、チオールおよびアミンのエステルが含まれるが、これらに限定されない。例示された基は例であり、網羅的ではなく、当業者は他の既知の種類のプロドラッグを調製することができる。プロドラッグは、生物学的に活性であるか、または生物学的に活性な化合物の前駆体である化合物を生じるために、何らかのかたちの化学変換を受けなければならない。いくつかの場合において、プロドラッグは生物学的に活性であり、通常は薬物自体よりも低く、経口バイオアベイラビリティの改善、薬力学的半減期などを通じて薬物の有効性や安全性を改善するのに役立つ。化合物のプロドラッグ形態は、例えば、バイオアベイラビリティを改善するために、苦味または胃腸刺激性などの不快な特性をマスキングまたは低減することなどによって対象の受容性を改善するために、静脈内使用などのために溶解度を変更するために、長期もしくは持続放出もしくは送達を提供するために、製剤化の容易さを改善するために、または化合物の部位特異的送達を提供するために利用され得る。
【0123】
「立体異性体」という用語は、炭素原子またはリン原子のいずれかの立体中心に結合したR基の相対的または絶対的な空間関係を意味し、ラセミ混合物やジアステレオ混合物などの個々または該個々の異性体の任意の組み合わせを意味する。化合物に2つの立体中心がある場合、4つの立体異性体が存在し得る。
【0124】
「肝臓」という用語は、肝臓臓器を意味する。
【0125】
「肝臓特異性」という用語は、薬物またはプロドラッグで処置された動物で測定される、以下の比率を意味する。
[肝組織中の薬物または薬物代謝物] / [血液または他の組織中の薬物または薬物代謝物]
この比率は、特定の時間での組織レベルを測定することで決定できる、または3つ以上の時点で測定された値に基づいてAUC (曲線下面積)を表し得る。
【0126】
「肝臓特異性の向上または増大」という用語は、親薬物で処置された動物と比較した、プロドラッグで処置された動物の肝臓特異性比の増加を意味する。
【0127】
「経口バイオアベイラビリティの増大」という用語は、参照薬物の用量の吸収の少なくとも約50%の増加を意味する。さらなる局面において、化合物の経口バイオアベイラビリティの増加は(参照薬物と比較して)少なくとも約100%であるか、または吸収の倍増である。経口バイオアベイラビリティの測定は通常、非経口投与後の測定と比較した、経口投与後の血液、血漿、組織、または尿中のプロドラッグ、薬物、または薬物代謝物の測定を意味する。
【0128】
「治療指数」という用語は、死、毒性を示すマーカーの上昇、および/または薬理学的副作用などの望ましくない反応を生じる用量に対する、治療的に有益な反応を生じる薬物またはプロドラッグの用量の比率を意味する。
【0129】
「持続送達」という用語は、プロドラッグの存在に起因して、治療的に有効な薬物レベルの延長がある期間の増加を意味する。
【0130】
「処置する」または疾患の「処置」という用語は、疾患を阻害すること (その進行を遅らせることまたは停止することまたは部分的に停止すること)、疾患を予防すること、疾患の症状または副作用を除去すること (緩和処置を含む)、および/または疾患を軽減すること (疾患の退行を引き起こすこと)を含む。
【0131】
「生物学的薬剤」という用語は、生物学的活性を有するか、または放射性同位元素または重原子を有する化合物などの、治療または診断目的に使用できる分子特性を有する化合物を意味する。いくつかの態様において、生物学的薬剤は、モノホスファート、ジホスファートまたはトリホスファート治療剤のヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体部分であり得る。いくつかの態様において、生物学的薬剤は、モノホスファート治療剤のヌクレオシドまたはヌクレオシド相当部分および対応するジホスファートまたはトリホスファートであり得る。いくつかの態様において、生物学的薬剤は、モノホスホネート治療剤のヌクレオシド相当部分および対応するモノホスファートまたはジホスファートであり得る。式Iのホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物で増強することができる生物学的薬剤のリストを表2に提供する。
【0132】
(表2)抗ウイルス活性および抗癌活性を有する既知のヌクレオシドおよび類似体
【0133】
「分子経路」という用語は、生存している動物の生理学的または病態生理学的機能に関与する受容体調節配列、酵素調節配列、または生合成配列などの組織における一連の分子事象を意味する。
【0134】
投与および薬学的組成物
開示された化合物は、単独で、または他の処置と組み合わせて使用され得る。これらの化合物は、他の薬剤と組み合わせて使用される場合、1日用量または1日用量の適切な分数 (例えば、1日2回)として投与することができる。化合物は、別の薬剤による治療過程の後に、別の薬剤による治療過程中に、治療計画の一部として投与され得、または治療プログラムにおいて別の薬剤による治療に先立って投与され得る。
【0135】
薬学的に許容される塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、ベシル酸塩、臭化物、カンシル酸塩、塩化物、クエン酸塩、エジシル酸塩、エストラート、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、馬尿酸塩、ヒクラート、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、硫酸メチル、ナプシル酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、パルモ酸塩、リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テレフタル酸塩、トシル酸塩、およびトリエチオダイドが含まれる。
【0136】
有効成分を含有する組成物は、意図された投与方法に適した任意の形態であることができる。いくつかの態様において、本明細書に記載の方法および/または組成物の化合物は、経口投与、直腸投与、経粘膜投与、腸内(intestinal)投与、腸内(enteral)投与、局所投与、経皮投与、髄腔内投与、脳室内投与、腹腔内投与、鼻腔内投与、眼内投与および/または非経口投与を介して提供され得る。
【0137】
化合物が経口投与により投与される場合、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性または油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、エマルジョン、ハードまたはソフトカプセル、シロップまたはエリキシル剤が調製され得る。経口使用を意図した組成物は、薬学的組成物の製造について本技術分野で既知の任意の方法に従って調製することができ、そのような組成物は、口当たりのよい製剤を提供するために、甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤および保存剤を含む1つまたは複数の剤を含み得る。錠剤の製造に適した非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合した有効成分を含有する錠剤が許容される。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸などの造粒および崩壊剤; デンプン、ゼラチンまたはアカシアなどの結合剤; ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなどの滑沢剤であり得る。錠剤はコーティングされていなくても、胃腸管での崩壊と吸着を遅延させ、それにより長期間にわたって作用を持続させるために、マイクロカプセル化を含む既知の技術によってコーティングされていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質を、単独でまたはワックスと共に使用することができる。
【0138】
経口使用のための製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えばリン酸カルシウムまたはカオリンと混合され得るハードゼラチンカプセル、または、活性成分が水、またはピーナツ油、流動パラフィン、またはオリーブ油などの油媒体と混合され得るソフトゼラチンカプセルとしても提供され得る。
【0139】
非経口投与に適した製剤には、例えば、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、および意図した受容者の血液と製剤を等張にする溶質を含み得る、水性および非水性の等張滅菌注射溶液、ならびに、懸濁剤および増粘剤を含み得る、水性および非水性滅菌懸濁液が含まれる。製剤は、単位用量または複数用量の密封容器、例えば、アンプルやバイアル中に提供され得、使用直前に注射用の滅菌液体担体、例えば水を加えることのみを必要とするフリーズドライ (凍結乾燥)状態で保管され得る。注射溶液および懸濁液は、前述のような無菌の粉末、顆粒および錠剤から調製され得る。
【0140】
いくつかの態様において、単位用量製剤は、薬物の1日用量または単位、1日部分用量、またはその適切な分数を含む。ただし、任意の特定の患者の特定の用量レベルは、当業者に十分に理解されるように、使用した特定の化合物の活性; 治療されている個人の年齢、体重、一般的な健康状態、性別、および食事; 投与の時間と経路; 排泄率; 以前に投与された他の薬物; 治療を受けている特定の疾患の重症度を含む、種々の要因に依存することが理解される。
【0141】
本明細書に記載される化合物の実際の用量は、具体的な化合物、および処置される状態に依存する; 適切な用量の選択は、十分に当業者の知識の範囲内である。いくつかの態様において、1日用量は、約0.1 mg/kg~約100 mg/kg体重以上、約0.25 mg/kg以下~約50 mg/kg、約0.5 mg/kg以下~約25 mg/kg、約1.0 mg/kg~約10 mg/kg体重であり得る。したがって、70 kgの人への投与の場合、用量範囲は、1日あたり約7 mg~1日あたり約7000 mg、1日あたり約35 mg以下~1日あたり約2000 mg以上、1日あたり約70 mg~1日あたり約1000 mgということになる。
【0142】
処置方法
本発明のいくつかの態様は、肝炎、肝癌、肝線維症、脂肪肝、マラリア、ウイルス感染症、寄生虫感染症、糖尿病、高脂血症、アテローム性動脈硬化症、肥満、脂質異常症、高血糖、ホルモン状態、HIV、およびさまざまな種類の癌から選択される、疾患、障害または状態を本明細書に記載の化合物、化合物を含む組成物を用いて処置する方法を含む。いくつかの方法は、本明細書に記載の化合物、組成物、薬学的組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの態様において、対象は、動物、例えば、哺乳動物、ヒトであり得る。いくつかの態様において、対象はヒトである。
【0143】
さらなる態様は、化合物の組み合わせを、それを必要とする対象に投与することを含む。 組み合わせは、本明細書に記載の化合物、組成物、薬学的組成物と追加の医薬を含むことができる。
【0144】
いくつかの態様は、本明細書に記載の化合物、組成物、および/または薬学的組成物を、追加の医薬または追加の治療薬と同時投与することを含む。実際にいつどのように投与されるかにかかわらず、「同時投与」とは、2つ以上の薬剤が、患者の血流中に同時に見出され得ることを意味する。ある態様において、薬剤は同時に投与される。そのような一態様において、併用投与は、薬剤を単一剤形中に組み合わせることによって達成される。別の態様において、薬剤は連続投与される。ある態様において、薬剤は、経口などの同じ経路を通じて投与される。別の態様において、薬剤は、一方が経口投与され、もう一方が静脈内投与されるといった、異なる経路を通じて投与される。
【0145】
追加の医薬の例には、チモシンアルファ-1、インターフェロン-λ、HCVプロテアーゼ阻害剤、HCV NS5A複製複合体阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼ阻害剤、HCVヘリカーゼ阻害剤、シクロフィリン阻害剤、イノシンモノホスファートデヒドロゲナーゼ阻害剤、リバビリン、インターフェロン-α、およびペグ化インターフェロン-αからなる群から選択される治療薬が含まれる。いくつかの態様において、追加の医薬には、コビシスタット、エムトリシタビン、およびエルビテグラビルの1つまたは複数が含まれる。いくつかの態様において、追加の医薬には、コビシスタット、エムトリシタビン、エルビテグラビルの2つ以上が含まれる。いくつかの態様において、追加の医薬には、コビシスタット、エムトリシタビンおよびエルビテグラビルが含まれる。いくつかの態様において、追加の医薬には、リバビリン、ペグインターフェロン-アルファ、シメプレビル、レジパスビルおよびダクラタスビルの1つまたは複数が含まれる。いくつかの態様において、追加の治療薬は、コビシスタット、エムトリシタビンおよびエルビテグラビルの1つまたは複数であり得る。いくつかの態様において、追加の治療薬は、コビシスタット、エムトリシタビンおよびエルビテグラビルの2つ以上であり得る。いくつかの態様において、追加の治療薬は、コビシスタット、エムトリシタビンおよびエルビテグラビルであり得る。いくつかの態様において、追加の治療薬は、リバビリン、ペグインターフェロン-アルファ、シメプレビル、レジパスビルおよびダクラタスビルの1つまたは複数であり得る。いくつかの態様において、HBV処置のための追加の治療薬は、HBV侵入阻害剤、HBV cccDNA阻害剤、HBVカプシド阻害剤、インターフェロン、HBVアセンブリ阻害剤の1つまたは複数であり得る。いくつかの態様において、HCC処置のための追加の治療薬は、ソラフェニブ、レゴラフェニブ、PD-1またはPD-L1チェックポイント阻害剤などの免疫腫瘍剤の1つまたは複数であり得る。
【0146】
本発明をさらに説明するために、以下の実施例が含まれる。実施例はもちろん本発明を具体的に限定するものとして解釈されるべきではない。特許請求の範囲内のこれらの実施例のバリエーションは、当業者の視野の範囲内にあり、本明細書に記載され請求項に記載される本発明の範囲内とみなされる。本開示、および本技術分野の技術を備えた当業者は網羅的な実施例がなくとも本発明を調製および使用することができることを読者は認識するであろう。
【0147】
化合物の合成
新規な化合物を調製するための以下の手順は、ホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール薬を調製するために使用される一般的な手順を示す。保護基は、薬物の合成のさまざまな段階で導入することができる。いくつかの態様において、様々な反応条件に対するこれらの基の一般的な感受性のために、それらは後の段階で導入される。リン中心に単一の異性体を含む光学的に純粋な化合物は、例えば、カラムクロマトグラフィーおよび/または結晶化の組み合わせによるジアステレオマーの分離によって、またはキラル活性化ホスファ(ホナ)ート中間体のエナンチオ選択的合成によって製造できる。
【0148】
スキームIは、式Iの化合物の一般的な合成戦略を説明している。構造1の化合物を、塩基の存在下で、構造2の置換されていてもよいフェノールまたはナフトールと縮合して、構造3の生成物が得られる。文献の標準的な手順によって対応するアルデヒドから構造4のアセタール化合物を調製する。塩基の存在下で構造3および4の化合物を反応させて、構造5の最終生成物を得る。あるいは、構造6のアリールオキシホスファートクロリドを、構造4のアセタール化合物とカップリングして構造7の中間体を得、それと構造8の活性含有化合物とを反応させて構造5の最終生成物を得る。

スキームI
【実施例
【0149】
式I、II、III、IV、V、およびVIのいくつかの化合物を以下に概説するとおりに調製する。
【0150】
実施例1
(2R,3R,4R,5R)-2-((((((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-4-フルオロ-4-メチルテトラヒドロフラン-3-イルプロピオネート (化合物101)
【0151】
スキームIに従って、フェニルホスホロジクロリデート, (S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチル-3’-プロピオニルオキシウリジンから化合物101を以下のとおりに調製した。
【0152】
(S)-N-Cbz-2-アミノプロパナール:
(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノ-ル(10 g, 48 mmol)を、EtOAc (300 mL)中、2-ヨ-ドキシ安息香酸 (IBX) (34 g, 120 mmol)と共に2~4時間還流した。反応の完了後 (TLCでモニタリング)、IBXをセライトで濾過した。濾液を真空下で濃縮乾固して、生成物を得た (9.5 g, 94%)。
【0153】
(S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)-エタン-1-アミン:
上記のアルデヒド (5.0 g, 24 mmol)、エチレングリコール (7.6 g, 122 mmol)、PPTS (0.6 g, 2.4 mmol)、およびオルトギ酸トリエチル (3.6 g, 24 mmol)のトルエン (50 mL)懸濁液を80℃で12時間攪拌した。反応混合物をHCl水溶液 (1 M)、NaHCO3 (飽和)、およびブラインで順次洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物のシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA = 4:1)により、N-Cbz保護された生成物を50%の収率 (3.0 g)で得た。N-Cbz-アミン (2 g)と活性化Pd/C (20重量%)の酢酸エチル (30 mL)懸濁液混合物を、水素ガス(H2バルーン)の存在下、室温で一晩攪拌した。Pd/Cをセライトで濾過し、濾液を真空下で濃縮乾固して、生成物を得た。
【0154】
フェニル((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)-3-メチルブチル)ホスホロアミドクロリデート:
フェニルホスホロジクロリデート (0.4 g, 1.9 mmol)のジクロロメタン溶液に、過剰のトリエチルアミンの存在下、-78℃で上記化合物 (0.2 g, 1.7 mmol)を加え、得られた混合物を2時間撹拌した。標準的な後処理手順により、粗生成物を約60%の収率 (0.3 g)で得た。
【0155】
化合物101:
粗フェニルホスホロアミドクロリデートのジクロロメタン (0.5 mL)溶液に、窒素下、-78℃で2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチル-3’-プロピオニルオキシウリジン (0.2 g, 1.2 mmol)およびN-メチルイミダゾール (0.4 g, 5 mmol)のジクロロメタン (0.5 mL)溶液を加えた。反応混合物をゆっくりと室温まで昇温し、1時間撹拌した。標準的な後処理とそれに続くPre-HPLCにより、化合物101を2つのジアステレオマー (120 mg, 44%)の混合物 (3:2)として得た。
【0156】
実施例2
((2R,3R,4R,5R)-5-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-4-フルオロ-3-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)メチルフェニル (S)-((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)-3-メチルブチル)ホスホロアミダート (化合物102)
【0157】
フェニルホスホロジクロリデート、(S)-N-Cbz-2-アミノ-4-メチルペンタノール、および2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチルウリジンから、実施例1に記載したのと同様の方法でスキームIに従って化合物102を調製した。C24H33FN3O9Pに対して計算された[M+H]+ : 558.20; 実測値: 558.35。
【0158】
実施例3
((2R,3R,4R,5R)-5-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-4-フルオロ-3-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)メチルフェニル (R)-((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)-3-メチルブチル)ホスホロアミダート (化合物103)
【0159】
実施例2からの少量ジアステレオマーとして化合物103を単離した。C24H33FN3O9Pに対して計算された[M+H]+ : 558.20; 実測値: 558.30。
【0160】
実施例4
2,3-ジメチルフェニル (((2R,3R,4R,5R)-5-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-4-フルオロ-3-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)メチル) ((S)-1-(1,3-ジオキセパン-2-イル)エチル)ホスホロアミダート (化合物104)
【0161】
2,3-ジメチルフェニルホスホロジクロリデート、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチルウリジンから、実施例1に記載したのと同様の方法でスキームIに従って化合物104を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C25H35FN3O9Pに対して計算された[M+H]+ : 572.22; 実測値: 572.2。
【0162】
実施例5
(2R,3R,4R,5R)-2-((((((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-4-フルオロ-4-メチルテトラヒドロフラン-3-イルブチレート (化合物105)
【0163】
フェニルホスホロジクロリデート、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチル-3’-ブチリルオキシウリジンから、実施例1に記載したのと同様の方法でスキームIに従って化合物105を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C25H33FN3O10Pに対して計算された[M+H]+ : 586.20; 実測値: 586.20。
【0164】
実施例6
(2R,3R,4R,5R)-2-((((((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-4-フルオロ-4-メチルテトラヒドロフラン-3-イルペンタノエート (化合物106)
【0165】
フェニルホスホロジクロリデート、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチル-3’-ペンタノイニルオキシウリジンから、実施例1に記載したのと同様の方法でスキームIに従って化合物106を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C26H35FN3O10Pに対して計算された[M+H]+ : 600.21; 実測値: 600.25。
【0166】
実施例7
(2R,3R,4R,5R)-2-((((((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル)アミノ)(ナフタレン-1-イルオキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-4-フルオロ-4-メチルテトラヒドロフラン-3-イルプロピオネート (化合物107)
【0167】
1-ナフチルホスホロジクロリデート、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチル-3’-プロピオニルオキシウリジンから、実施例1に記載したのと同様の方法でスキームIに従って化合物107を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C28H33FN3O10Pに対して計算された[M+H]+ : 622.20; 実測値: 622.25。
【0168】
実施例8
(2R,3R,4R,5R)-2-((((((S)-1-(1,3-ジオキサン-2-イル)エチル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-4-フルオロ-4-メチルテトラヒドロフラン-3-イルプロピオネート (化合物108)
【0169】
フェニルホスホロジクロリデート、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチル-3’-プロピオニルオキシウリジンから、実施例1に記載したのと同様の方法でスキームIに従って化合物108を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C25H33FN3O10Pに対して計算された[M+H]+ : 586.20; 実測値: 586.20。
【0170】
実施例9
(2R,3R,4R,5R)-2-((((((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-4-フルオロ-4-メチルテトラヒドロフラン-3-イルヘキサノエート (化合物109)
【0171】
フェニルホスホロジクロリデート、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチル-3’-ヘキサノイルオキシウリジンから、実施例1に記載したのと同様の方法でスキームIに従って化合物109を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C27H37FN3O10Pに対して計算された[M+H]+ : 614.23; 実測値: 614.25。
【0172】
実施例10
(2R,3R,4R,5R)-5-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-2-((((((1S)-1-(4-エチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-4-フルオロ-4-メチルテトラヒドロフラン-3-イルプロピオネート (化合物110)
【0173】
フェニルホスホロジクロリデート、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチル-3’-プロピオニルオキシウリジンから、実施例1に記載したのと同様の方法でスキームIに従って化合物110を4つのジアステレオマー混合物として調製した。C26H35FN3O10Pに対して計算された[M+H]+ : 600.20; 実測値: 600.30。
【0174】
実施例11
(2R,3R,4R,5R)-2-((((((S)-1-(1,3-ジオキセパン-2-イル)エチル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-4-フルオロ-4-メチルテトラヒドロフラン-3-イルプロピオネート (化合物111)
【0175】
フェニルホスホロジクロリデート、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチル-3’-プロピオニルオキシウリジンから、実施例1に記載したのと同様の方法でスキームIに従って化合物111を4つのジアステレオマー混合物として調製した。C26H35FN3O10Pに対して計算された[M+H]+ : 600.20; 実測値: 600.25。
【0176】
実施例12
(2R,3R,4R,5R)-2-((((((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)プロピル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-4-フルオロ-4-メチルテトラヒドロフラン-3-イルプロピオネート (化合物112)
【0177】
フェニルホスホロジクロリデート、(S)-N-Cbz-2-アミノブタノール、および2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチル-3’-プロピオニルオキシウリジンから、実施例1に記載したのと同様の方法でスキームIに従って化合物112を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C25H33FN3O10Pに対して計算された[M+H]+ : 586.20; 実測値: 586.25。
【0178】
実施例13
(2R,3R,4R,5R)-2-((((((1S)-1-(4,5-ジメチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-4-フルオロ-4-メチルテトラヒドロフラン-3-イルプロピオネート (化合物113)
【0179】
フェニルホスホロジクロリデート、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチル-3’-プロピオニルオキシウリジンから、実施例1に記載したのと同様の方法でスキームIに従って化合物113を4つのジアステレオマー混合物として調製した。C26H35FN3O10Pに対して計算された[M+H]+ : 600.20; 実測値: 600.25。
【0180】
実施例14
(2R,3R,4R,5R)-2-(((((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)プロポキシ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-4-フルオロ-4-メチルテトラヒドロフラン-3-イルプロピオネート (化合物114A) および (2R,3R,4R,5R)-2-(((((R)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)プロポキシ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-4-フルオロ-4-メチルテトラヒドロフラン-3-イルプロピオネート (化合物114B)
【0181】
フェニルホスホロジクロリデート、2-ヒドロキシブタナール、および2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチル-3’-プロピオニルオキシウリジンから、実施例1に記載したのと同様の方法でスキームIに従って化合物114Aおよび114Bを調製し、HPLCにより2つのジアステレオマーの2つの個別の混合物として分離した。C25H32FN2O11Pに対して計算された[M+H]+ : 587.18; 実測値: 587.2。
【0182】
実施例15
2,3-ジメチルフェニル(((2R,3R,4R,5R)-5-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-4-フルオロ-3-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)メチル) ((S)-1-(1,3-ジオキセパン-2-イル)エチル)ホスホロアミダート (化合物115)
【0183】
2,3-ジメチルフェニルホスホロジクロリデート、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および2’-デオキシ-2’-フルオロ-2’-C-メチル-3’-プロピオニルオキシウリジンから、実施例1に記載したのと同様の方法でスキームIに従って化合物115を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C25H35FN3O9Pに対して計算された[M+H]+ : 572.22; 実測値: 572.2。
【0184】
実施例16
フェニル N-((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル)-P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン)2-イル)オキシ)メチル)ホスホンアミダート (化合物116)
【0185】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物116を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C20H27N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 463.19; 実測値: 463.1。
【0186】
実施例17
フェニル N-((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)-3-メチルブチル)-P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホンアミダート (化合物117)
【0187】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノ-4-メチルペンタノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物117を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C23H33N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 505.24; 実測値: 505.2。
【0188】
実施例18
フェニルP-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-N-(1-(4-エチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)プロパン-2-イル)ホスホンアミダート (化合物118)
【0189】
フェノール、(S)-N-Cbz-3-アミノブタノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物118を4つ以上のジアステレオマー混合物として調製した。C23H33N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 505.24; 実測値: 505.2。
【0190】
実施例19
フェニルN-((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)プロピル)-P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホンアミダート (化合物119)
【0191】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノブタノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物119を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C21H29N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 477.20; 実測値: 477.2。
【0192】
実施例20
フェニルN-((S)-1-(1,3-ジオキサン-2-イル)エチル)-P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホンアミダート (化合物120)
【0193】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物120を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C21H29N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 477.20; 実測値: 477.2。
【0194】
実施例21
3,5-ジメチルフェニル N-((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル)-P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホンアミダート (化合物121)
【0195】
3,5-ジメチルフェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物121を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C22H31N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 491.22; 実測値: 491.2。
【0196】
実施例22
フェニル N-((S)-1-(1,3-ジオキセパン-2-イル)エチル)-P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホンアミダート (化合物122)
【0197】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物122を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C22H31N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 491.22; 実測値: 491.2。
【0198】
実施例23
フェニル N-((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)-2-メチルプロピル)-P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホンアミダート (化合物123)
【0199】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノ-3-メチルブタノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物123を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C22H31N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 491.22; 実測値: 491.2。
【0200】
実施例24
フェニル N-((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)-2-フェニルエチル)-P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホンアミダート (化合物124)
【0201】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノ-3-フェニルプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物124を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C26H31N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 539.22; 実測値: 539.2。
【0202】
実施例25
フェニル N-((S)-1-(1,3-ジオキソカン-2-イル)エチル)-P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホンアミダート (化合物125)
【0203】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物125を2つのジアステレオマー混合物として調製することができる。
【0204】
実施例26
2,3-ジメチルフェニル N-((S)-1-(1,3-ジオキセパン-2-イル)エチル)-P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホンアミダート (化合物126)
【0205】
3-エチルフェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物126を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C24H35N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 519.25; 実測値: 519.2。
【0206】
実施例27
フェニル N-((S)-1-(1,3-ジオキセパン-2-イル)プロピル)-P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホンアミダート (化合物127)
【0207】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物127を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C23H33N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 505.24; 実測値: 505.2。
【0208】
実施例28
フェニル P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-N-((S)-1,1-ジエトキシプロパン-2-イル)ホスホンアミダート (化合物128)
【0209】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物128を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C22H33N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 493.24; 実測値: 493.2。
【0210】
実施例29
2,3-ジメチルフェニル N-((S)-1-(1,3-ジオキサン-2-イル)エチル)-P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホンアミダート (化合物129)
【0211】
2,3-ジメチルフェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物129を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C23H33N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 505.24; 実測値: 505.2。
【0212】
実施例30
フェニル P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-N-((1S)-1-((4S)-4-エチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル)ホスホンアミダート (化合物130)
【0213】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物130を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C22H31N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 491.22; 実測値: 491.2。
【0214】
実施例31
フェニル P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-N-((1S)-1-((4R)-4-エチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル)ホスホンアミダート (化合物131)
【0215】
実施例14における化合物114の調製から、化合物131を2つのジアステレオマー混合物として単離した。C22H31N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 491.22; 実測値: 491.2。
【0216】
実施例32
1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)プロピルフェニル ((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホネート (化合物132)
【0217】
フェノール、2-ヒドロキシブタナール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物132を4つのジアステレオマー混合物として調製することができる。
【0218】
実施例33
フェニル (S)-N-((R)-1-(1,3-ジオキセパン-2-イル)エチル)-P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホンアミダート (化合物133A) フェニル (R)-N-((R)-1-(1,3-ジオキセパン-2-イル)エチル)-P-(((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホンアミダート (化合物133B)
【0219】
フェノール、(R)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物133Aおよび133Bを調製し、HPLCにより分離した。C22H31N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 492.22; 実測値: 492.2。
【0220】
実施例34
フェニル (S)-N-((R)-1-(1,3-ジオキセパン-2-イル)エチル)-P-((((S)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホンアミダート (化合物134A) およびフェニル (R)-N-((R)-1-(1,3-ジオキセパン-2-イル)エチル)-P-((((S)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホンアミダート (化合物134B)
【0221】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物134Aおよび134Bを調製し、HPLCにより分離した。C22H31N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 492.22; 実測値: 492.2。
【0222】
実施例35
3-エチルフェニル N-((S)-1-(1,3-ジオキサン-2-イル)エチル)-P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホンアミダート (化合物135)
【0223】
3-エチルフェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物135を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C23H33N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 505.24; 実測値: 505.3。
【0224】
実施例36
3-エチルフェニル P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-N-((S)-1,1-ジエトキシプロパン-2-イル)ホスホンアミダート (化合物136)
【0225】
3-エチルフェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物136を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C23H33N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 521.27; 実測値: 521.2。
【0226】
実施例37
3-エチルフェニル P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-N-((S)-1,1-ジメトキシプロパン-2-イル)ホスホンアミダート (化合物137)
【0227】
3-エチルフェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物137を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C23H33N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 493.23; 実測値: 493.2。
【0228】
実施例38
(2R,3R,5R)-2-((((((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(4-アミノ-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-4,4-ジフルオロテトラヒドロフラン-3-イルプロピオネート (化合物138)
【0229】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(2R,3R,5R)-5-(4-アミノ-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-4,4-ジフルオロ-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルプロピオネートから、スキームIに従って化合物138を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C23H29F2N4O9Pに対して計算された[M+H]+ : 575.17; 実測値: 575.30。
【0230】
実施例39
((2R,3R,5R)-5-(4-ブチルアミド-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-4,4-ジフルオロ-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルフェニル (R)-((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル)ホスホロアミダート (化合物139)
【0231】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、およびN-(1-((2R,4R,5R)-3,3-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)-テトラヒドロフラン-2-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-4-イル)ブチルアミドから、スキームIに従って化合物139を調製した。C24H31F2N4O9Pに対して計算された[M+H]+ : 589.19; 実測値: 589.35。
【0232】
実施例40
((2R,3R,5R)-5-(4-ブチルアミド-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-4,4-ジフルオロ-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルフェニル (S)-((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル)ホスホロアミダート (化合物140)
【0233】
実施例31の化合物131の調製から少量異性体として化合物140を単離した。C24H31F2N4O9Pに対して計算された[M+H]+ : 589.19; 実測値: 589.30。
【0234】
実施例41
(2S)-2-((((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロピルプロピオネート (化合物141)
【0235】
フェノール、(S)-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物141を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C21H29N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 477.20; 実測値: 477.2。
【0236】
実施例42
3-((((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)ブチルアセテート (化合物142)
【0237】
フェノール、3-アミノブタノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物142を4つのジアステレオマー混合物として調製した。C21H29N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 477.20; 実測値: 477.1。
【0238】
実施例43
3-エチルフェニル P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-N-(2,2-ジエトキシエチル)ホスホンアミダート (化合物143)
【0239】
3-エチルフェノール、2-アミノエタノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物143を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C23H35N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 507.25; 実測値: 507.2。
【0240】
実施例44
フェニル P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-N-((S)-1,1-ジプロポキシプロパン-2-イル)ホスホンアミダート (化合物144)
【0241】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物144を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C24H37N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 521.27; 実測値: 521.2。
【0242】
実施例45
フェニル P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-N-((S)-1,1-ジブトキシプロパン-2-イル)ホスホンアミダート (化合物145)
【0243】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物145を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C26H41N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 549.30; 実測値: 549.3。
【0244】
実施例46
フェニル P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-N-(2,2-ジブトキシエチル)ホスホンアミダート (化合物146)
【0245】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物146を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C25H39N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 535.28; 実測値: 535.3。
【0246】
実施例47
フェニル P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-N-(2,2-ジプロポキシエチル)ホスホンアミダート (化合物147)
【0247】
フェノール、2-アミノエタノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物147を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C23H35N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 507.25; 実測値: 507.2。
【0248】
実施例48
(2R,3R,4R,5R)-2-(((((2,2-ジエトキシエチル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-4-フルオロ-4-メチルテトラヒドロフラン-3-イルプロピオネート (化合物148)
【0249】
フェノール、2-アミノエタノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物148を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C25H35FN3O10Pに対して計算された[M+H]+ : 586.2; 実測値: 586.4。
【0250】
実施例49
(2S)-2-((((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロピル2,2-ジメチルプロピオネート (化合物149)
【0251】
フェノール、(S)-2-アミノプロパノール、および(R)-(((1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)ホスホン酸ジクロリドから、スキームIに従って化合物149を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C23H33N6O5Pに対して計算された[M+H]+ : 505.24; 実測値: 505.2。
【0252】
実施例50
(2R,3S,5R)-2-((((((S)-1,1-ジエトキシプロパン-2-イル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(5-フルオロ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)テトラヒドロフラン-3-イルプロピオネート (化合物150)
【0253】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および5-フルオロ-1-((2R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンから、スキームIに従って化合物150を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C25H35FN3O10Pに対して計算された[M-H]+ : 586.2; 実測値: 586.1。
【0254】
実施例51
((2R,3S,5R)-5-(5-フルオロ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルフェニル ((S)-1,1-ジプロポキシプロパン-2-イル)ホスホロアミダート (化合物151)
【0255】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および5-フルオロ-1-((2R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンから、スキームIに従って化合物151を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C24H35FN3O9Pに対して計算された[M-H]+ : 558.2; 実測値: 558.0。
【0256】
実施例52
(2R,3S,5R)-2-((((((S)-1,1-ジプロポキシプロパン-2-イル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(5-フルオロ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)テトラヒドロフラン-3-イルプロピオネート (化合物152)
【0257】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および5-フルオロ-1-((2R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンから、スキームIに従って化合物152を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C27H39FN3O10Pに対して計算された[M-H]+ : 614.23; 実測値: 614.2。
【0258】
実施例53
(2R,3S,5R)-2-((((((S)-1,1-ジエトキシプロパン-2-イル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(5-フルオロ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)テトラヒドロフラン-3-イル 2,2-ジメチルプロピオネート (化合物153)
【0259】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および5-フルオロ-1-((2R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンから、スキームIに従って化合物153を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C27H39FN3O10Pに対して計算された[M-H]+ : 614.23; 実測値: 614.2。
【0260】
実施例54
フェニル P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-N-((S)-1,1-ジイソプロポキシプロパン-2-イル)ホスホンアミダート (化合物154)
【0261】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および5-フルオロ-1-((2R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンから、スキームIに従って化合物154を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C24H37N6O5Pに対して計算された[M-H]+ : 520.26; 実測値: 521.2。
【0262】
実施例55
フェニル (S)-P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-N-((S)-1,1-ジプロポキシプロパン-2-イル)ホスホンアミダート (化合物155)
【0263】
2つのジアステレオマー混合物 (化合物144)からキラルHPLCを用いて化合物155を単離した。
【0264】
実施例56
フェニル (R)-P-((((R)-1-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イル)オキシ)メチル)-N-((S)-1,1-ジプロポキシプロパン-2-イル)ホスホンアミダート (化合物156)
【0265】
2つのジアステレオマー混合物 (化合物144)からキラルHPLCを用いて化合物156を単離した。
【0266】
実施例57
(2R,3S,5R)-2-((((((S)-1,1-ジメトキシプロパン-2-イル)アミノ)(3-エチルフェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(5-フルオロ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)テトラヒドロフラン-3-イルプロピオネート (化合物157)
【0267】
3-エチルフェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および5-フルオロ-1-((2R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンから、スキームIに従って化合物157を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C25H35FN3O10Pに対して計算された[M-H]- : 586.19; 実測値: 586.2。
【0268】
実施例58
(2R,3S,5R)-2-((((((S)-1,1-ジメトキシプロパン-2-イル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(5-フルオロ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)テトラヒドロフラン-3-イルプロピオネート (化合物158)
【0269】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および5-フルオロ-1-((2R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンから、スキームIに従って化合物158を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C23H31FN3O10Pに対して計算された[M-H]- : 558.16; 実測値: 558.2。
【0270】
実施例59
(2R,3S,5R)-2-(((((2,2-ジメトキシエチル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(5-フルオロ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)テトラヒドロフラン-3-イルプロピオネート (化合物159)
【0271】
フェノール、N-Cbz-2-アミノエタノール、および5-フルオロ-1-((2R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンから、スキームIに従って化合物159を2つのジアステレオマー混合物として調製した。1H-NMR (400MHz, CDCl3) 7.88 (d, J = 6.0, 1H), 7.81 (d, J = 6.0, 1H), 7.46-7.15 (m, 12H), 6.33-6.20 (m, 2H), 5.30 (m, 2H)。
【0272】
実施例60
(2R,3S,5R)-2-((((((S)-1-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(5-フルオロ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)テトラヒドロフラン-3-イルプロピオネート (化合物160)
【0273】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および5-フルオロ-1-((2R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンから、スキームIに従って化合物160を2つのジアステレオマー混合物として調製した。C23H29FN3O10Pに対して計算された[M+H]+ : 558.17; 実測値: 558.2。
【0274】
実施例61
(2R,3S,5R)-2-((((((S)-1,1-ジメトキシプロパン-2-イル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)-5-(4-エトキシ-5-フルオロ-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)テトラヒドロフラン-3-イルプロピオネート (化合物161)
【0275】
フェノール、(S)-N-Cbz-2-アミノプロパノール、および(2R,3S,5R)-5-(4-エトキシ-5-フルオロ-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルプロピオネートから、スキームIに従って化合物161を2つのジアステレオマー混合物として調製した。1H-NMR (400MHz, CDCl3) 8.00 (d, J = 6.0, 1H), 7.95 (d, J = 5.6, 1H), 7.40-7.10 (m, 12H), 6.33-6.18 (m, 2H), 5.27 (m, 2H)。
【0276】
生物学的実施例
本方法の使用の実施例には、以下が含まれる。以下は例であり、本方法はこれらの例のみに限定されないことが理解される。
【0277】
実施例A:参照化合物および開示された化合物の経口投与後の組織分布
肝臓、および毒性の標的となり得る他の器官において、開示された化合物の肝臓特異性を対応する活性化合物と比較する。
【0278】
方法:
参照化合物およびホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物を、5~20 mg/kgで絶食ラットに強制経口投与により投与する。循環中および肝門静脈中の活性物質、代謝産物、ならびにホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物の血漿濃度をHPLC-UVにより測定し、肝臓、小腸、および他の器官の濃度を標準的なクロマトグラフィー法を用いたLC-MSにより測定する。
【0279】
結果:
表3は、選択された新規化合物の結果が提供されており、この表は、ホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物の肝臓標的化を実証し、肝臓標的化および肝臓における高レベルの活性体の達成において、他のタイプの化合物よりも化合物の有効性が向上した証拠を提供するものである。これは、ホスホロ(ン)アミダートアセタールおよびホスファ(ホナ)ートアセタール化合物によって提供される高効率の肝臓標的化によってのみ生じ得るものである。
【0280】
(表3)選択された化合物を5 mg/kgの経口用量でラットに経口投与した後の肝臓中のヌクレオシド三リン酸レベルと血中のヌクレオチドレベル
【0281】
例えば、本明細書に用いられる成分の量や反応条件などを表現する全ての数字は、全ての例において「約」という用語によって修飾されているものとして理解されるべきである。従って、それに反することが示唆されていない限り、本明細書に示される数値パラメーターは、得られる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、本願に対する優先権を主張する任意の出願における任意の請求項の範囲への均等論の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメーターは、有効数字の数および通常の丸めアプローチ (rounding approach)を考慮して解釈されるべきである。
【0282】
本明細書で使用される「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」といった用語など、本明細書で使用される程度の言語は、所望の機能を依然として実施し、または、所望の結果を依然として達成する、記述された値、量、または特徴に近い値、量、または特徴を表す。例えば、「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語は、記述された量の10%未満以内、5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内、および0.01%未満以内の量を意味し得る。別の例として、特定の態様において、「概して平行」および「実質的に平行」という用語は、15%、10%、5%、3%、1%、0.1%、または他の角度以下で正確な平行からそれる値、量、または特徴を意味する。同様に、特定の態様において、「概して垂直」および「実質的に垂直」という用語は、15%、10%、5%、3%、1%、0.1%、または他の角度以下で正確な垂直からそれる値、量、または特徴を意味する。
【0283】
上記の説明は、いくつかの方法および材料を開示している。本発明は、方法および材料の改変、ならびに製造方法および装置の変更の影響を受けやすい。そのような改変は、本開示の考察または本明細書に開示される本発明の実施から当業者に明らかになるであろう。したがって、本発明は、本明細書に開示された特定の態様に限定されることを意図するものではなく、本発明の真の範囲および精神に含まれるすべての改変および代替を包含することが意図される。
【0284】
公開および非公開の出願、特許、および参考文献を含むがこれらに限定されない、本明細書で引用されるすべての文献は、その全体が参照により本明細書に組み入れられ、よって本明細書の一部となる。参照により組み入れられる出版物、特許、または特許出願が本明細書に含まれる開示と矛盾する範囲で、本明細書は、そのような矛盾する資料に優先するおよび/または取って代わることが意図されている。
【0285】
本発明を実施形態および実施例を参照して説明してきたが、本発明の精神から逸脱することなく、数多くの様々な改変を行い得ることが理解されるべきである。したがって、本発明は、以下の請求項によってのみ限定される。