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特許7181968薬物送達アセンブリ用の医療器具キャップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-22
(45)【発行日】2022-12-01
(54)【発明の名称】薬物送達アセンブリ用の医療器具キャップ
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/20 20060101AFI20221124BHJP
   A61M 5/14 20060101ALI20221124BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20221124BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
A61M39/20
A61M5/14 582
G06K19/077 220
G06K19/06 037
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021085287
(22)【出願日】2021-05-20
(62)【分割の表示】P 2019206483の分割
【原出願日】2015-09-24
(65)【公開番号】P2021151491
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2021-06-09
(31)【優先権主張番号】62/057,001
(32)【優先日】2014-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トゥーシャー アール.シャテ
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-536562(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0008123(US,A1)
【文献】特表2014-513569(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1911739(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0276213(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0074038(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/20
A61M 5/14
G06K 19/077
G06K 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療器具キャップであって、前記医療器具キャップは、
医療器具と取り外し可能に接続し得るキャップ本体と、
前記キャップ本体に配置された識別素子と、を含み、
前記識別素子は、情報を記録し、送信し、
前記キャップ本体は、それぞれ、前記医療器具キャップの外部輪郭および内部輪郭に対応する、キャップ外壁およびキャップ内壁を含み、前記キャップ内壁は、前記医療器具を受け入れる大きさと形状の空所を画定し、前記キャップ内壁は、前記キャップ本体の開口端に縮径部を有し、前記キャップ内壁の前記縮径部は、前記医療器具の外壁に、締まり嵌めによって固定されることを特徴とする医療器具キャップ。
【請求項2】
請求項の医療器具キャップであって、前記識別素子は、前記キャップ本体の前記キャップ外壁に配置されることを特徴とする医療器具キャップ。
【請求項3】
請求項の医療器具キャップであって、前記キャップ外壁は、前記キャップ本体の周囲に延びる複数のリブを含むことを特徴とする医療器具キャップ。
【請求項4】
請求項の医療器具キャップであって、さらに、前記空所内に配置された消毒用スポンジを含み、前記消毒用スポンジは、前記医療器具キャップが、前記医療器具に接続されるとき、前記医療器具と接触するように放出される洗浄および消毒剤を含むことを特徴とする医療器具キャップ。
【請求項5】
請求項1の医療器具キャップであって、前記識別素子は、無線周波数認識装置(RFID)素子を含むことを特徴とする医療器具キャップ。
【請求項6】
請求項の医療器具キャップであって、前記RFID素子は、前記医療器具キャップの前記医療器具との接続で、前記医療器具キャップおよび/または前記医療器具に関するコンプライアンス情報を、自動的に記録および送信することを特徴とする医療器具キャップ。
【請求項7】
請求項の医療器具キャップであって、前記コンプライアンス情報は、前記医療器具キャップが前記医療器具に接続された時間、前記医療器具キャップが前記医療器具に接続された頻度、または、それらの任意の組み合わせの、少なくとも一つを含むことを特徴とする医療器具キャップ。
【請求項8】
請求項の医療器具キャップであって、前記RFID素子は、前記医療器具キャップの前記医療器具からの取り外しで、前記医療器具キャップおよび/または前記医療器具に関するコンプライアンス情報を、自動的に記録および送信することを特徴とする医療器具キャップ。
【請求項9】
請求項の医療器具キャップであって、前記コンプライアンス情報は、前記医療器具キャップが前記医療器具から取り外された時間、前記医療器具への適用の期間、前記医療器具キャップが前記医療器具に接続された頻度、または、それらの任意の組み合わせの、少なくとも一つを含むことを特徴とする医療器具キャップ。
【請求項10】
請求項1の医療器具キャップであって、前記識別素子は、前記医療器具キャップと関係づけられた固有のIDを含むことを特徴とする医療器具キャップ。
【請求項11】
請求項1の医療器具キャップであって、前記キャップ本体が、前記医療器具に接続されると、前記キャップ本体は、前記医療器具の少なくとも一部を保護するように取り囲むことを特徴とする医療器具キャップ。
【請求項12】
請求項1の医療器具キャップであって、前記識別素子は、バーコードを含むことを特徴とする医療器具キャップ。
【請求項13】
薬剤送達アセンブリであって、前記薬剤送達アセンブリは、
IVアクセスポート、
患者の血流への接続に適合させられた静脈ラインであって、患者部分、第1の部分、および、第2の部分を含む、前記静脈ライン、
前記静脈ラインの前記第1の部分に接続された第1のコネクタ、
前記静脈ラインの前記第2の部分に接続された第2のコネクタ、
前記静脈ラインの前記患者部分を、前記静脈ラインの前記第1の部分および前記静脈ラインの前記第2の部分と流体連通に接続する静脈ラインコネクタ、
前記静脈ラインの前記患者部分の患者端に配置された患者コネクタ、
前記第1のコネクタを介して、前記IVアクセスポートと取り外し可能に接続し得る、医療器具キャップ、を含み、
前記医療器具キャップは、識別素子を含み、前記識別素子は、情報を記録し送信し、前記医療器具キャップは、前記IVアクセスポートに締まり嵌めによって固定される、縮径した開口端を含むことを特徴とする薬剤送達アセンブリ。
【請求項14】
請求項13の薬剤送達アセンブリであって、さらに、
前記IVアクセスポートに接続され、患者の血流への接続のために適合させられた、前記静脈ライン、および、
前記静脈ライン内の流体の流れを一時的に制限するように構成されたクランプ、を含むことを特徴とする薬剤送達アセンブリ。
【請求項15】
請求項13の薬剤送達アセンブリであって、さらに、
前記第1のコネクタを介して、前記IVアクセスポートと取り外し可能に接続し得るインジェクタ、および、
薬物を含むシリンジアセンブリ、を含むことを特徴とする薬剤送達アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2014年9月29日に出願された、発明の名称が、「薬物送達アセンブリ用の医療器具キャップ」である、米国仮出願第62/057,001号への優先権を主張し、その全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
開示の分野
本開示は、一般に、薬物送達アセンブリの構成要素に関する。より詳細には、本開示は、医療器具構成要素を保護するように包囲し、遮蔽するための、および、情報を記録し送信する識別素子を含む、医療器具キャップに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
IVアクセスポートと結合する使い捨て可能な抗菌消毒キャップは、IVアクセスポートの消毒を含む処理のために使用される。そのような器具は、ポートの表面から血流への微生物移動を防止および排除するために、ポートを拭き、保護することによって、カテーテル関連血流感染症(CRBSI)の発生を低減するように設計されている。しかし、IVアクセスポートを不適切に洗浄、および、消毒することは、CRBSI感染症を引き起こす原因となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
CRBSI感染症は、医療施設に巨大な損失影響を与える。さらに、これらの施設は、ポートのアクセスの間、IVアクセスポートの消毒を中心とするコンプライアンスを容易に追跡することができない。医療従事者が、ICUなどの特定の急性管理設定における変更に移ると、不正確または不完全な記録が、ある医療従事者から別の医療従事者に引き渡され得る。したがって、医療管理施設は、コンプライアンスと、CRBSIの事故を減らすための保護キャップのような技術の活用を追跡できない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、消毒目的のために医療器具構成要素を保護するように包囲し、医療器具キャップおよび医療器具構成要素の関連情報を記録および送信することができる識別素子を含む、医療器具キャップを提供する。本開示の医療器具キャップは、キャップが使用されるとき、出来事の文書化を可能にし、IVアクセスポートまたはルアーチップのような医療器具構成要素の消毒を含む処理のための、医療器具キャップの使用に関する、より強いコンプライアンスを増進する。このようにして、本開示の医療器具キャップの使用は、そのようなキャップの使用の、より良好なコンプライアンスおよび監視をもたらし、医療器具構成要素の汚染に関連するCRBSI感染の低減した発生につながる。一実施形態において、医療器具キャップは、キャップが適用されたときの、自動的な、リアルタイムの電子的な文書化を可能にし、一方、在庫管理のための器具の使用期間、および、追跡を文書化する。
【0006】
本発明の一実施形態によれば、薬物送達アセンブリのためのIVアクセスポートキャップは、IVアクセスポートに取り外し可能に接続できるキャップ本体と、キャップ本体に配置された識別素子を含み、キャップ本体がIVアクセスポートに接続されると、識別素子は情報を記録する。
【0007】
1つの構成において、キャップ本体がIVアクセスポートに接続されると、識別素子は、情報を受信機に送信する。別の構成において、キャップ本体がIVアクセスポートから取り外されると、識別素子は追加の情報を記録する。さらに別の構成において、キャップ本体がIVアクセスポートから取り外されると、識別素子は、追加情報を受信機に送信する。1つの構成において、キャップ本体がIVアクセスポートに接続されると、キャップ本体は、IVアクセスポートの少なくとも一部を保護するように包囲する。別の構成において、識別素子は、バーコードを含む。さらに別の構成において、識別素子は、RFIDを含む。1つの構成において、情報は、期間である。別の構成において、情報は、頻度情報である。さらに別の構成において、情報の少なくとも一部は、IVアクセスポートキャップ情報を含む。1つの構成において、IVアクセスポートキャップは、さらに、キャップ本体の内部に配置された消毒スポンジを含む。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、薬物送達アセンブリのための医療器具キャップは、ルアーチップと取り外し可能に接続できるキャップ本体と、キャップ本体に配置された識別素子を含み、キャップ本体が、ルアーチップに接続されると、識別素子は、情報を記録する。
【0009】
1つの構成において、キャップ本体が、ルアーチップに接続されると、識別素子は、情報を送信する。別の構成において、キャップ本体が、ルアーチップから取り外されると、識別素子は追加の情報を記録する。さらに別の構成において、キャップ本体が、ルアーチップから取り外されると、識別素子は、追加情報を受信機に送信する。1つの構成において、キャップ本体が、ルアーチップに接続されると、キャップ本体は、ルアーチップの少なくとも一部を保護するように取り囲む。別の構成において、識別素子は、バーコードを含む。さらに別の構成において、識別素子は、RFIDを含む。1つの構成において、情報は、期間である。別の構成において、情報は、頻度情報である。さらに別の構成において、情報の少なくとも一部は、医療器具キャップ情報を含む。1つの構成において、医療器具キャップは、さらに、キャップ本体の内側に配置された消毒スポンジを含む。
【0010】
本開示の、上述の、および、他の特徴および利点、ならびに、それらを達成する方法は、添付の図面と併せてあげられる、本開示の以下の実施形態の説明を参照することによって、より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態による薬物送達アセンブリの医療器具キャップの斜視図である。
図2A】本発明の別の実施形態による、薬物送達アセンブリの医療器具キャップの斜視図である。
図2B】本発明の一実施形態による、図2Aの医療器具キャップのバーコードの拡大図である。
図3】本発明の一実施形態による、IVアクセスポートに接続された、図2Aの医療器具キャップと、医療器具キャップのバーコードを読み取るスキャナの斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による、ルアーチップに接続された医療器具キャップの断面図である。
図5】本発明の一実施形態による、IVアクセスポートに接続された医療器具キャップの断面図である。
図6】本発明の一実施形態による、薬物送達アセンブリの組立斜視図である。
図7】本発明の一実施形態による、薬物送達アセンブリが患者に提供された状態の、図6の薬物送達アセンブリの斜視図である。
図8】本発明の一実施形態による、薬物送達アセンブリのIVアクセスポートとの接続のための医療器具キャップが取り除かれた状態の、図7の薬物送達アセンブリの分解斜視図である。
図9】本発明の一実施形態による、インジェクタが、薬物送達アセンブリのIVアクセスポートに接続された状態の、図7の薬物送達アセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
対応する参照数字は、いくつかの図を通して、対応する部分を示す。本明細書に記載された例示は、本開示の例示的な実施形態を示し、そのような例示は、いかなる方法においても、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0013】
以下の説明は、当業者が、本発明を実施するために企図された、記載された実施形態を作成し使用することを可能にするために提供される。しかしながら、様々な変更、等価物、変形、および、代替が、当業者には、容易に明らかとなるであろう。任意の、および、すべての、そのような修正、変形、等価物、および代替は、本発明の精神および範囲内に入ることが意図される。
【0014】
以下の説明の目的のために、用語「上」、「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「横」、「縦」、および、その派生語は、図面において方向づけられているように、本発明に関連するであろう。しかしながら、本発明は、明示的にそれと反対に特定されている場合を除いて、様々な代替変形を想定し得ることが理解されるべきである。添付の図面に示され、以下の明細書に記載される特定の器具は、本発明の単なる例示的な実施形態であることも、また、理解されるべきである。したがって、本明細書に開示された実施形態に関連する具体的な寸法および他の物理的特性は、限定的であるとみなされるべきではない。
【0015】
図1は、本開示の例示的な実施形態による医療器具キャップ10を示す。医療器具キャップ10は、一般に、医療器具キャップ10の外部輪郭および内部輪郭にそれぞれ対応する、キャップ外壁14およびキャップ内壁16を画定する、キャップ本体12を含む。図4および図5を参照すると、キャップ内壁16は、以下でより詳細に説明されるように、その中に医療器具構成要素を受け入れる大きさおよび形状とされた、空所18を画定する。キャップ本体12は、後述するように、情報を記録し伝達するための、キャップ本体12に配置された識別素子20を含む。一実施形態において、識別素子20は、キャップ本体12のキャップ外壁14に配置される。
【0016】
キャップ外壁14は、医療従事者による医療器具キャップ10の取り扱いを容易にするために、キャップ本体12の周囲に延びる、複数の把持要素22を含み得る。一実施形態において、複数の把持要素22は、把持手段を提供するリブ28を含み、医療従事者が、医療器具キャップ10を医療器具構成要素に接続するとき、医療器具キャップ10をより容易に把持することを可能にする。把持要素22は、また、医療従事者が、医療器具構成要素から医療器具キャップ10を取り外す際に、医療器具のキャップ10をより容易に把持することを可能にする、把持手段を提供する。図4および図5を参照すると、医療器具キャップ10は、空所18内に配置された消毒スポンジ24を含む。消毒スポンジ24は、医療器具キャップ10が医療器具構成要素に接続されたとき、医療器具構成要素に接触
するように放出される強力な洗浄および消毒剤を含む。例えば、図4および図5を参照すると、医療器具キャップ10が、それぞれ、ルアーチップ150またはIVアクセスポート160に接続されると、消毒スポンジ24は、それぞれ、ルアーチップ150またはIVアクセスポート160に接触し、それにより、強力な洗浄および消毒剤を、それぞれ、ルアーチップ150またはIVアクセスポート160に放出する。
【0017】
一実施形態において、識別素子20は、図1に示されるように、キャップ本体12のキャップ外壁14に配置された無線周波数認識装置(RFID)素子26である。一実施形態において、RFID素子26は、患者、または、IVアクセスポートまたはルアーチップのような医療器具構成要素のアクティブなRFIDラベルに極めて近接しているとき、信号を発信することができる、キャップ外壁14のパッシブなRFIDラベルである。このようにして、RFID素子26は、医療器具キャップの医療器具構成要素との接続で、医療器具キャップ10および/または医療器具構成要素に関連するコンプライアンス情報を、自動的に記録および送信することができる。識別素子20は、情報を、スキャナ180のような受信機に送信するように適合させられ得る。情報の送信は、自動的に生じ得、または、識別素子20の起動で生じ得る。さらに、RFID素子26は、医療器具キャップ10の医療器具構成要素からの除去で、医療器具キャップ10および/または医療器具構成要素に関連するコンプライアンス情報を、自動的に記録し、および、送信し得る。
【0018】
医療器具キャップ10のRFID素子26は、医療器具キャップ10および医療器具構成要素の関連情報を記録および送信することができる。RFID素子26を含む医療器具キャップ10は、医療器具キャップ10が使用される際の出来事の文書化を可能にし、IV機器アクセスポートまたはルアーチップのような医療器具構成部品の消毒を含む処理のために、医療器具キャップ10の使用のより強いコンプライアンスを増進する。このようにして、RFID素子26を含む医療器具キャップ10の使用は、医療器具キャップ10の使用のより良好なコンプライアンスおよび監視をもたらし、医療器具構成要素汚染に関連するCRBSI感染の低減された発生につながる。一実施形態において、RFID素子26を含む医療器具キャップ10は、医療器具キャップ10が医療器具構成要素に接続されたときの、自動的なリアルタイムの電子的な文書化を可能にし、一方で、また、在庫管理のために器具の使用期間および追跡を文書化する。
【0019】
本開示の医療器具キャップ10は、また、消毒目的で、医療器具構成要素を保護するように取り囲む、医療器具キャップを提供する。図3図7を参照すると、医療器具キャップ10は、医療器具構成要素を保護するように包囲し、および、遮蔽して、医療器具構成要素と望ましくない表面との間の接触を防ぎ、および、薬物送達アセンブリ100の医療器具構成要素の汚染を防止する。医療器具キャップ10が、医療器具構成要素に接続された状態において、医療器具構成要素は、環境への曝露から保護するように遮蔽され、医療器具キャップ10は、望ましくないもので汚染されることを防止される。
【0020】
例示的な実施形態のキャップ本体12は、好ましくは、例えば、柔らかいゴムまたは柔軟なプラスチックのような柔軟な材料で作られる。例示的な一実施形態において、キャップ本体12は、スチレン系ブロック共重合体、ポリオレフィンブレンドおよびアロイ、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性コポリエステル、熱可塑性ポリアミド、または、同様の材料のような、熱可塑性エラストマーから製造される。他の実施形態において、キャップ本体12は、シリコーン、ポリイソプレン、ネオプレン、または、同様の材料のような熱硬化性エラストマー(ゴム)から作られる。キャップ本体12は、注入されるTPEエラストマーまたは液状ゴムを用いて射出成形され、または、シリコーンを用いて注型され得る。
【0021】
一実施形態において、医療器具キャップ10は、医療器具構成要素と取り外し可能に接続できる。例えば、医療器具キャップ10は、図4に示されるように、ルアーチップ150と取り外し可能に接続できる。別の実施形態において、医療器具キャップ10は、図5に示されるように、IVアクセスポート160と取り外し可能に接続できる。他の実施形態において、医療器具キャップ10は、他の医療器具構成要素と取り外し可能に接続できる。例えば、医療器具キャップ10は、閉鎖系薬剤移送器具の他の構成要素と適合し得る。
【0022】
一実施形態において、医療器具キャップ10は、薬物送達アセンブリ100の他の構成要素とは別個にパッケージングされ得る。別の実施形態において、医療器具キャップ10は、「事前パッケージング」され、薬物送達アセンブリ100の医療器具構成要素に既にして取り付けられる。一実施形態において、医療器具キャップ10は、使い捨てキャップであり得る。
【0023】
図2Aは、本開示の別の例示的な実施形態による医療器具キャップ40を示す。医療器具キャップ40は、一般に、医療器具キャップ40の外部輪郭、および、内部輪郭に、それぞれ対応する、キャップ外壁44およびキャップ内壁46(図4図6)を画定するキャップ本体42を含む。図4および図5を参照すると、キャップ内壁46は、以下でより詳細に説明されるように、その中に医療器具構成要素を受け入れる大きさおよび形状とされた空所48を画定する。キャップ本体42は、以下に説明されるように、情報を記録し伝達するためにキャップ本体42に配置された識別素子50を含む。一実施形態において、識別素子50は、キャップ本体42のキャップ外壁44に配置される。
【0024】
キャップ外壁44は、医療従事者による医療器具キャップ40の取り扱いを容易にするために、キャップ本体42の周囲に延びる複数のグリップ要素52を含み得る。一実施形態において、複数のグリップ要素52は、把持手段を提供するリブ58を含み、医療従事者が、医療器具キャップ40を医療器具構成要素に接続するとき、医療器具キャップ40をより容易に把持することを可能にする。グリップ要素52は、また、医療従事者が、医療器具構成要素から医療器具キャップ40を取り外す際に、医療器具キャップ40をより容易に把持することを可能にするための把持手段を提供する。図4および図5を参照すると、医療器具キャップ40は、空所48内に配置された消毒スポンジ54を含む。消毒スポンジ54は、医療器具キャップ40が医療器具構成要素に接続されるとき、医療器具構成要素と接触するように放出される、強力な洗浄および消毒剤を含む。例えば、図4および図5を参照すると、医療器具キャップ40が、それぞれ、ルアーチップ150またはIVアクセスポート160に接続されると、消毒スポンジ54は、それぞれ、ルアーチップ150またはIVアクセスポート160に接触し、それによって、強力な洗浄および消毒剤を、それぞれ、ルアーチップ150またはIVアクセスポート160に放出する。
【0025】
一実施形態において、識別素子50は、図2Aおよび2Bに示されるように、キャップ本体42のキャップ外壁44に配置されたバーコード56である。一実施形態において、医療器具キャップ40は、固有のバーコードラベル56を含み、医療器具キャップ40の医療器具構成要素との結合で、医療器具キャップ40、および/または、医療器具構成要素に関連するコンプライアンス情報を記録し、送信することができる。さらに、バーコード56は、医療器具構成要素からの医療器具キャップ40の取り外しで、医療器具キャップ40、および/または、医療器具構成要素に関する、コンプライアンス情報を記録および送信することができる。
【0026】
例えば、医療従事者が、医療器具キャップ40を、IVアクセスポートのような医療器具構成要素に接続するとき、医療従事者は、スキャナ180(図3)で医療器具キャップ40のバーコード56を走査することができ、タイムスタンプとともに、その特定の医療器具キャップ40に割り当てられた固有のIDを記録する。薬剤を投与するために、または、新しい医療器具キャップと交換するために、いざ医療器具キャップ40を取り外すというとき、医療器具キャップ40のバーコード56は、再び走査され、患者の病院滞在または入院中に使用された医療器具キャップの期間および頻度を記録する。
【0027】
あるいは、スキャナは、医療従事者とは別に、BCMA装置に取り付けられて存在するか、または、IVアクセスポートのような医療器具構成要素の近くで、患者に独立して存在し得る。IVアクセスポートの例は、末梢IVカテーテル、末梢挿入中心カテーテル、または、中心静脈カテーテルを含む。
【0028】
医療器具キャップ40のバーコード56は、医療器具キャップ40および医療器具構成要素の関連情報を記録および送信することができる。バーコード56を含む医療器具キャップ40は、医療器具キャップ40が使用される際の出来事の文書化を可能にし、IVアクセスポートまたはルアーチップのような医療器具構成要素の消毒を含む処理のために、医療器具キャップ40の使用のより強いコンプライアンスを増進する。このようにして、バーコード56を含む医療器具キャップ40の使用は、医療器具キャップ40の使用のより良好なコンプライアンスおよび監視をもたらし、医療器具構成要素汚染に関連するCRBSI感染の低減された発生につながる。一実施形態において、バーコード56を含む医療器具キャップ40は、医療器具キャップ40が医療器具構成要素に接続されるとき、自動的なリアルタイムの電子的な文書化を可能にし、一方、在庫管理のための器具の使用期間および追跡を文書化する。
【0029】
本開示の医療器具キャップ40は、また、消毒目的のために医療器具構成要素を保護するように取り囲む医療器具キャップを提供する。図3図7を参照すると、医療器具キャップ40は、医療器具構成要素を保護するように取り囲んで遮蔽し、医療器具構成要素と望ましくない表面との間の接触を防ぎ、薬物送達アセンブリ100の医療器具構成要素の汚染を防ぐ。医療器具キャップ40が、医療器具構成要素に接続されると、医療器具構成要素は、環境への暴露から保護するように遮蔽され、医療器具キャップ40は、望ましくないもので汚染されることを防止される。
【0030】
例示的な実施形態のキャップ本体42は、好ましくは、例えば、柔らかいゴムまたは柔軟なプラスチックのような柔軟な材料で作られる。一例示的実施形態において、キャップ本体42は、スチレン系ブロック共重合体、ポリオレフィンブレンドおよび合金、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性コポリエステル、熱可塑性ポリアミド、または、同様の材料のような熱可塑性エラストマーから製造される。他の実施形態において、キャップ本体42は、シリコーン、ポリイソプレン、ネオプレン、または、同様の材料のような熱硬化性エラストマーから作られる。キャップ本体42は、注入されるTPEエラストマーまたは液状ゴムを使用して、射出成形され得、または、シリコーンを用いて注型され得る。
【0031】
一実施形態において、医療器具キャップ40は、医療器具構成要素と取り外し可能に接続できる。例えば、医療器具キャップ40は、図4に示されるように、ルアーチップ150と取り外し可能に接続できる。別の実施形態において、医療器具キャップ40は、図5に示されるように、IVアクセスポート160と取り外し可能に接続できる。他の実施形態において、医療器具キャップ40は、他の医療器具構成要素と取り外し可能に接続できる。例えば、医療器具キャップ40は、閉鎖系薬剤移送装置の他の構成要素と適合し得る。
【0032】
一実施形態において、医療器具キャップ40は、薬物送達アセンブリ100の他の構成要素とは別個にパッケージングされ得る。別の実施形態において、医療器具キャップ40は、事前包装され得、薬物送達アセンブリ100の医療器具構成要素に既にして取り付けられた状態で提供され得る。一実施形態において、医療器具キャップ40は、使い捨てキ
ャップであり得る。
【0033】
上述のように、本開示の医療器具キャップ10,40は、医療器具構成要素と取り外し可能に接続できる。例えば、一実施形態において、医療器具キャップ10,40は、図4に示されるように、ルアーチップ150と取り外し可能に接続できる。別の実施形態において、医療器具キャップ10,40は、図5に示されるように、IVアクセスポート160と取り外し可能に接続できる。他の実施形態において、医療器具キャップ40は、他の医療器具構成要素と取り外し可能に接続できる。例えば、医療器具キャップ40は、閉鎖系薬物送達器具の他の構成要素と適合し得る。
【0034】
図6図9を参照すると、一実施形態において、本開示の医療器具キャップ10,40は、薬物送達アセンブリ100の医療器具構成要素と取り外し可能に接続できる。薬物送達アセンブリ100は、IVアクセスポート102と、患者Pの血流への接続に適合させられた静脈ライン112とを含む。薬物送達アセンブリ100は、さらに、静脈ライン112の患者部分113、静脈ライン112の第1の部分116に接続された第1のコネクタ114、静脈ライン112の第2の部分120に接続された第2のコネクタ118、静脈ライン112の患者部分113を、静脈ライン112の第1の部分116および第2の部分120に流体連通に接続するための静脈ラインコネクタ122、静脈ライン112の患者端126に配置された患者コネクタ124を含み、本開示の医療器具キャップ10,40は、薬物送達アセンブリ100の医療器具構成要素と取り外し可能に接続できる。例えば、医療器具キャップ10,40は、図6図8に示されるように、IVアクセスポート102に取り外し可能に接続できる。
【0035】
図6図9を参照すると、一実施形態において、静脈ライン112は、可撓性プラスチックチューブのセクションを含み得る。プラスチックチューブのセクションは、静脈ラインコネクタ122によって流体連通に接続され得る。一実施形態において、静脈ラインコネクタ122は、図6に示されるようなY字形を含み得る。別の実施形態において、静脈ラインコネクタ122は、図7図9に示されるようなT字形を含み得る。さらに、静脈ラインコネクタ122は、第1のコネクタ114および第2のコネクタ118が互いから一定の距離を置いて配置されるように、プラスチックチューブのセクションを調節するための様々な形状および大きさで利用可能とされ得ることが考えられる。
【0036】
一実施形態において、第1のコネクタ114は、密閉系薬物送達器具の構成要素と適合し得るコネクタを備える。一実施形態において、第2のコネクタ118は、薬物を含む静脈内バッグを受けるように適合させられた静脈内バッグコネクタを含む。他の実施形態において、第2のコネクタ118は、密閉系薬物送達器具の構成要素と適合し得るコネクタを含む。
【0037】
図6を参照すると、一実施形態において、薬物送達アセンブリ100は、さらに、静脈ライン112の第2の部分120内の流体の流れを一時的に制限するために使用され得るクランプ128を含む。
【0038】
本開示の薬物送達アセンブリ100は、任意の医療設定において使用され得るが、患者が自宅で注入および薬物治療を受けることを可能にする、個人的な静脈内治療応用とともに使用され得る。在宅療法は、静脈内および皮下または皮下組織経路を使用して、すなわち、血流および皮膚下へ、IVによる薬物の投与を含み得る。個人用な静脈内治療応用が、患者に提供し得る薬物治療の例は、抗生物質、疼痛管理薬、癌治療および同様の薬物を含む。
【0039】
薬剤は、予め充填された器具として包装され得、シリンジアセンブリは、包装され、患者に送達される前に、薬剤で予め充填される。そのような予め充填された器具は、注入前に使用者が器具に充填する必要性を排除する。
【0040】
特定の薬剤または薬物は、好ましくは、粉末または乾燥形態(例えば、凍結乾燥形態)で提供され、投与前に再構成する必要がある。例えば、凍結乾燥された薬剤は、典型的には、注射に適した形態に物質を再構成するために希釈剤との混合を必要とする凍結乾燥形態で供給される。さらに、薬剤は、投与前に混合を必要とする、マルチパートシステムとして提供され得る。例えば、流動性スラリーのような、1つ以上の液体成分、および、粉末状または顆粒成分のような、1つ以上の乾燥成分は、投与前に混合を必要とする別々の容器中に提供され得る。
【0041】
図9を参照すると、薬物送達アセンブリ100は、第1のコネクタ114を介してIVアクセスポート102に取り外し可能に接続できるインジェクタ140と、薬物または流体144を収容するシリンジアセンブリ142を含む。薬物144は、「事前充填」器具として、シリンジアセンブリ142内に包装され得、または、薬物144は、上述のような、再構成される薬物であり得る。薬物144が、シリンジアセンブリ142内に収容されると、薬物144は、患者P(図7図9)のような患者の血流への投与の準備を整える。患者または医療従事者が、薬物144を投与する準備を整えると、患者または医療従事者は、以下にさらに詳細に説明されるように、IVアクセスポート102から医療器具キャップ10,40(図8)を取り除き得る。
【0042】
図9を参照すると、患者Pは、次に、薬物送達アセンブリ100の静脈ライン112の第1の部分116に接続された第1のコネクタ114を介してIVアクセスポート102にインジェクタ140を接続し得る。シリンジアセンブリ142は、次いで、インジェクタ140に接続され得る。一実施形態において、インジェクタ140およびシリンジアセンブリ142は、第1のコネクタ114を介してIVアクセスポート102に接続される、単一の構成要素を形成する。インジェクタ140が、第1のコネクタ114を介してIVアクセスポート102に接続されると、第1のコネクタ114は、IVアクセスポート102において、インジェクタ140およびシリンジアセンブリ142との安全な閉鎖接続を提供し、接続は、薬剤移送手順を通じて漏れのないシールを提供する。さらに、第1のコネクタ114は、図9に示されるように、インジェクタ140およびシリンジアセンブリ142を、静脈ライン112に、流体連通するように接続する。このようにして、患者Pは、薬物144を、彼らの血流に注入し得る。そのような実施形態において、薬物144は、第1のコネクタ114を介して、シリンジアセンブリ142から、インジェクタ140へ、IVアクセスポート102へ、静脈ライン112の第1の部分116から、静脈ラインコネクタ122へ、静脈ライン112の患者部分113へ、静脈ライン112の患者端126で、患者コネクタ124から、患者Pの血流へ、安全な、漏れのない、閉鎖された接続で、すなわち、外部汚染物が薬物送達アセンブリ100に入ることができず、薬物が上記の流路を通って移動する間に薬物送達アセンブリ100から漏れ得ない方法で、注入される。
【0043】
薬物の当量が投与されると、インジェクタ140およびシリンジアセンブリ142は、第1のコネクタ114から取り外される。この構成において、IVアクセスポート102は環境に曝され、望ましくないもので汚染され得る。IVアクセスポート102が環境に曝され、望ましくないもので汚染されるのを避けるために、本開示の医療器具キャップ10,40は、患者が、図7に示されるように、薬物の当量の投与を実行したとき、第1のコネクタ114を介してIVアクセスポート102に接続される。このようにして、本開示の医療器具キャップ10,40は、IVアクセスポート102の汚染を防ぐために、IVアクセスポート102を保護するように包囲し、遮蔽する。
【0044】
本開示の医療器具キャップ10,40は、また、医療器具キャップ10,40が、IVアクセスポート102に接続されたとき、情報を記録し送信し得る。例えば、医療器具キャップ10,40は、医療器具キャップ10,40がIVアクセスポート102に接続されるとき、第1の情報を記録し送信することができる。第1の情報は、医療器具キャップ、医療器具キャップが結合されている医療器具構成要素、または、医療器具キャップと医療器具構成要素との間の結合事象に関する任意の情報を含み得る。例えば、第1の情報は、時間情報、頻度情報、医療器具キャップ情報、医療器具構成要素情報、または他の関連情報を含み得る。
【0045】
本開示の医療器具キャップ10,40は、識別素子で固有にタグ付けされ、医療器具構成要素への医療器具キャップの適用に関連する変数は、固有の識別を読み取ることにより文書化され得、その中に含まれる情報を得ることができる。医療器具キャップ10,40が、IVアクセスポート、ルアーチップを有する医療器具、または、他の医療器具構成要素と係合するとき、結合事象は、コンプライアンスを可能にし、感染を低減するために、記録され、電子的に文書化され得る。結合事象は、限定はされないが、上述のバーコードおよびRFIDを含む技術によって記録され得る。そのような医療器具キャップの使用のより良好なコンプライアンスおよび監視は、IVアクセスポート汚染に関連するCRBSIの減少した発生につながる。
【0046】
IDデコード技術と結合された固有の識別技術による、本開示の医療器具キャップ10,40は、医療器具キャップが適用されたときの、自動的な、リアルタイムの電子的な文書化を可能にし、一方で、また、在庫管理のために、器具の適用の期間および追跡を文書化する。
【0047】
本開示の医療器具キャップ10,40は、また、医療器具キャップ10,40がIVアクセスポート102から取り外されたとき、情報を記録し送信し得る。例えば、医療器具キャップ10,40は、医療器具キャップ10,40がIVアクセスポート102から取り外されたとき、第2の情報を記録し、送信し得る。第2の情報は、医療器具キャップ、医療器具キャップが結合されている医療器具構成要素、または、医療器具キャップと医療器具構成要素との間の結合事象に関する任意の情報を含み得る。例えば、第2の情報は、時間情報、頻度情報、医療器具キャップ情報、医療器具構成要素情報、または他の関連情報を含み得る。
【0048】
上述のように、本開示の医療器具キャップ10,40は、医療器具構成要素に取り外し可能に接続できる。図4を参照すると、一実施形態において、医療器具キャップ10,40は、ルアーチップ150と取り外し可能に接続できる。一実施形態において、医療器具キャップは、ルアーチップ150と取り外し可能に接続できる、ルアーチップキャップまたは医療器具キャップである。
【0049】
図5を参照すると、別の実施形態において、医療器具キャップ10,40は、IVアクセスポート160と取り外し可能に接続できる。一実施形態において、医療器具キャップは、IVアクセスポート160と取り外し可能に接続できるIVアクセスポートキャップまたは医療器具キャップである。
【0050】
図4、5および7を参照すると、例示的な実施形態において、医療器具キャップ10,40および医療器具構成要素は、それらの間に確実な嵌合を提供するために、締まりばめ接続によって共に固定され、医療器具キャップ10,40は、医療器具構成要素の汚染を防止するために、医療器具構成要素を保護するように包囲し、遮蔽する。
【0051】
図4および図5を参照すると、医療器具キャップ10のキャップ本体12および医療器具キャップ40のキャップ本体42は、それぞれ、ルアーチップ150の外部輪郭155またはIVアクセスポート160の外部輪郭165に、実質的に対応するような大きさおよび形状とされる。医療器具キャップ10,40と、それぞれの医療器具構成要素150,160との間のこの締り嵌めは、2つの嵌合部分、すなわち医療器具キャップ10、40のキャップ本体12,42の内部輪郭と、医療器具構成要素150,160の外部輪郭155,165を、大きさと形状を合わせることによって達成され、医療器具キャップ10,40のキャップ本体12,42の内部輪郭は、医療器具構成要素150,160の外部輪郭155,165から、わずかに外れるだけである。このことは、図4および図5に示されるように、医療器具キャップ10,40のキャップ本体12、42と、それぞれの医療器具構成要素150、160とを、医療器具構成要素150、160の選択された医療器具キャップ10,40への挿入後、摩擦力によって共に固定する、締まりばめを確実にする。
【0052】
他の実施形態において、医療器具キャップ10,40および医療器具構成要素は、それらの間の確実な嵌合を提供するため、他の接続手段によって共に固定され、医療器具キャップ10,40は、医療器具構成要素を保護するように包囲し、遮蔽して、医療器具構成要素の汚染を防止する。例えば、他の実施形態において、接続手段は、ねじ部、スナップフィット機構、ボール戻り止め、ロックタブ、バネ荷重ロック機構、ラッチ、接着剤、または他の同様な機構を含み得る。
【0053】
本開示の医療器具キャップ10,40は、特定の器具に固有の情報を含む、固有の識別素子を含み、医療器具キャップ、医療器具キャップが結合されている医療器具構成要素、または、医療器具キャップと医療器具構成要素との間の結合事象に関連する、任意の情報を記録し送信することができる。この情報は、医療器具キャップの固有の識別素子を読み取り、文書化目的のために、電子的に情報を伝播するための、特定の機能を備えた機械によって読み取られ得る。例えば、図3を参照すると、スキャナ180は、バーコードのレーザ走査のために利用され得る。さらに、情報は、医療器具キャップの医療器具構成要素との結合が生じたとき、および、医療器具キャップが、医療器具構成要素から取り外されたとき、医療器具キャップの固有の識別素子から読み取られ得る。
【0054】
他の実施形態において、その特定の器具に固有の情報を含み、情報を記録および送信することができる、固有の識別素子の同様の使用は、また、IVアクセスポート(Q-スタイル)と共に使用され得、コンプライアンス、および/または、在庫追跡/利用の目的のために、固有にタグ付けされた器具間での結合の文書化を可能にする。一実施形態において、同様の固有の識別素子を、また、有する、フラッシュシリンジと共に、使用者は、上述したのと同じ原理によって、器具とIVアクセスポートとの間の任意の相互作用を文書化できる。
【0055】
この開示は、例示的な設計を有するものとして説明されたが、本開示は、本開示の精神および範囲内で、さらに変更され得る。したがって、本出願は、その一般原理を用いる、本開示のあらゆる変形、使用、または適用をカバーすることを意図される。さらに、本出願は、本開示が関連し、添付の特許請求の範囲の範囲内に入る、当該技術分野において公知、または、慣行に至る、本開示からのそのような逸脱をカバーすることを意図される。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9