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特許7181980液体制御バルブ及びその調整レバーと液体止め部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-22
(45)【発行日】2022-12-01
(54)【発明の名称】液体制御バルブ及びその調整レバーと液体止め部材
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/26 20060101AFI20221124BHJP
【FI】
F16K31/26 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021183574
(22)【出願日】2021-11-10
【審査請求日】2021-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】521493710
【氏名又は名称】▲黄▼炳▲イ▼
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼炳▲イ▼
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0226351(US,A1)
【文献】特開2004-144286(JP,A)
【文献】特開平8-35577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/18-31/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、液体止め部材と、調整レバーと、連動レバーとを含み、
前記基部は互いに連通する第一収容室と第二収容室を有し、入り口は前記第一収容室と互いに連通し、出口は前記第二収容室と互いに連通し、前記基部の内表面は上止め部を有し、
前記液体止め部材はバルブ、密封体と導引部材を有し、前記バルブは活動自在に前記第一収容室に位置して移動するように形成され、前記密封体は前記バルブと前記導引部材の間に介在し、前記密封体は前記上止め部と互いに当接したり分離したりするのに用いられ、前記導引部材は導引孔を有し、前記導引孔は前記基部の溝孔と互いに対応し、
前記調整レバーは固定アームと調整アームを有し、前記固定アームと前記調整アームはそれぞれ相対する第一端と第二端を有し、前記固定アームの第一端は前記基部の第一枢結部に枢結され、前記固定アームの第二端と前記調整アームの第一端はテーパ孔をもって円錐体と互いに結合し、前記固定アームは前記第一端と前記第二端の間において中間枢結孔を有し、前記調整アームの第二端は浮き球と連接し、
前記連動レバーは駆動アームと連接アームを有し、前記駆動アームと前記連接アームは一端によって互いに枢結し、前記駆動アームの他端は前記溝孔と前記導引孔を挿通して前記基部の第二枢結部に枢結され、前記連接アームの他端は前記固定アームの前記中間枢結孔に枢結されることを特徴とする液体制御バルブ。
【請求項2】
前記基部は上基部と下基部によって結合してなることを特徴とする請求項1に記載の液体制御バルブ。
【請求項3】
前記円錐体と前記テーパ孔が互いに接触する表面は互いに噛み合うためのギアと溝を有することを特徴とする請求項1に記載の液体制御バルブ。
【請求項4】
前記バルブは互いに連接するレバーを有し、前記レバーはネジ部を有し、前記導引部材の第一端はネジ孔を有し、前記ネジ部は前記ネジ孔と互いに螺合し、前記密封体の上表面は前記上止め部と互いに当接したり分離したりするのに用いられ、前記密封体の下表面は第一係止部と第二係止部を有し、前記導引部材の前記第一端の表面には凹欠溝が形成され、第三係止部と第四係止部を有し、前記第一係止部と前記第三係止部は互いに密接し、前記第二係止部と前記第四係止部は互いに密接することを特徴とする請求項1に記載の液体制御バルブ。
【請求項5】
固定アームと、調整アームとを含み、
前記固定アームは相対する第一端と第二端を有し、前記第一端は端辺枢結孔を有し、前記第一端と前記第二端の間において中間枢結孔を有し、
前記調整アームは相対する第一端と第二端を有し、前記調整アームの第一端と前記固定アームの第二端はテーパ孔をもって円錐体と互いに結合し、前記調整アームの第二端は浮き球と連接することを特徴とする液体制御バルブの調整レバー。
【請求項6】
前記円錐体と前記テーパ孔が互いに接触する表面は互いに噛み合うためのギアと溝を有することを特徴とする請求項5に記載の液体制御バルブの調整レバー。
【請求項7】
バルブと、密封体と、導引部材とを含み、
前記バルブは漏れ防止ワッシャーを有し、前記バルブはレバーの一端と連接し、前記レバーの他端はネジ部を有し、
前記密封体は相対する上表面と下表面を有し、中心孔は前記上表面と前記下表面を貫通し、
前記導引部材の第一端の表面はネジ孔と柱を有し、前記ネジ孔と前記ネジ部は互いに螺合し、前記柱は前記中心孔が嵌合するのに用いられ、前記密封体の下表面と前記導引部材の前記第一端の表面は互いに当接することを特徴とする液体制御バルブの液体止め部材。
【請求項8】
前記密封体の下表面は第一係止部と第二係止部を有し、前記導引部材の前記第一端の表面には凹欠溝が形成され、第三係止部と第四係止部を有し、前記第一係止部と前記第三係止部は互いに密接し、前記第二係止部と前記第四係止部は互いに密接することを特徴とする請求項7に記載の液体制御バルブの液体止め部材。
【請求項9】
前記第一係止部と前記第三係止部は互いに嵌合する円錐状周壁と円錐状リブからなることを特徴とする請求項8に記載の液体制御バルブの液体止め部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体制御バルブに関するもので、特に浮き球の昇降によって液位を制御する液体制御バルブ及びその調整レバーと液体止め部材に係るものである。
【背景技術】
【0002】
図9は中華民国公告第M554183号に掲示される従来の液体制御バルブ9であり、液体制御バルブ9を水タンク、貯液タンクなどの貯液容器に使用することができ、前記液体制御バルブ9は本体91を有し、前記本体91は進水口9aと出水口9bを有し、前記本体91の内周縁には突出壁911が設けられ、前記本体91の内部はバルブレバー92、止水リング93、止水リング座96と、前記本体91の外へ突き出たレバー94を有し、前記本体91の外周縁は浮き球レバー95と連接し、前記浮き球レバー95の一端は、液面に浮くことができる浮き球951を有し、前記浮き球レバー95とレバー94との間に調整装置を設け、前記調整装置は第一固定部材97、回動自在の調整部材98と第二固定部材99とを有し、前記第一固定部材97は第一枢結点P1によって前記浮き球レバー95と互いに枢結し、前記第二固定部材99は第二枢結点P2によって前記レバー94と互いに枢結する。
【0003】
前記貯液容器の液位が降下した時、前記浮き球レバー95は前記レバー94を押圧して、前記レバー94の突起941を前記バルブレバー92の底部から分離させることができるため、このように前記進水口9aからかかる水圧によって前記止水リング93を前記本体91の突出壁911から分離させるように圧迫し、液体を前記貯液容器に補充することができるので、液位は上昇することができる。前記液位が予定の高さに上昇した時、前記浮き球レバー95は前記レバー94を引っ張ることにより、前記レバー94の突起941は前記バルブレバー92の底部を押圧し、さらに前記止水リング93は前記突出壁911と互いに密接することができるため、液体を前記貯液容器に補充することはできなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】中華民国公告第M554183号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の液体制御バルブ9を使用する前記貯液容器は、前記液位の高さを変えようとする時、調整部材98を回動させることによって前記第一枢結点P1と前記第二枢結点P2との間の距離を調整するもので、前記距離が大きくなると、前記貯液容器は比較的に高い液位を有するため、前記貯液容器の貯液量を増やすことができる。逆に、前記距離が小さくなると、前記貯液容器は比較的に低い液位を有するため、前記貯液容器の貯液量を減らすことができる。前記調整部材98を調整することによって前記第一枢結点P1と前記第二枢結点P2との間の距離を調整する時、前記バルブレバー92と前記止水リング93の移動可能なストロークを同時に変えてしまい、さらに前記レバー94の突起941は前記バルブレバー92の底部に対して異なる圧力を形成させてしまう。また、前記調整部材98を過度に調整することによって前記第一枢結点P1と前記第二枢結点P2との間の距離が小さくなりすぎると、前記バルブレバー92と前記止水リング93の移動可能なストロークが小さくなり、このように液位が降下すると、前記止水リング93は前記突出壁911と完全に分離することができず、または依然として密接な状態を保つため、進水口9aから補充される液体は迅速に落下したり、または前記貯液容器に補充したりすることができない。逆に、前記第一枢結点P1と前記第二枢結点P2との間の距離が大きくなり過ぎると、前記レバー94の突起941は前記バルブレバー92を比較的に高い位置まで上昇させるように押圧することができず、前記止水リング93は前記突出壁911と密接な状態になるように保つことができないため、隙間ができるとともに、前記液体は前記隙間から前記貯液容器まで滲出し続けてしまう。
【0006】
図10を参照すると、前記レバー94の突起941が長期にわたって前記バルブレバー92の底部を押圧する場合、前記突出壁911と前記止水リング93とは僅かな接触面積しか有さないので、前記止水リング93は長期にわたって圧力を受けることによって変形し、前記止水リング93は密接な状態を保つことができなくなるため、隙間ができるとともに、前記液体も前記隙間から前記貯液容器まで滲出する。
【0007】
上述した原因に基づき、上述した従来の液体制御バルブをさらに改善しなければならない。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、貯液容器の液位の高さを変える時、前記液体止め部材の移動可能なストロークは変動することがないため、前記液体止め部材はよりよい漏れ防止の効果を得ることができる液体制御バルブを提供することを目的とする。
【0009】
本発明はさらに、前記調整レバーの角度を変えることにより、前記液位の高さを変えることができる液体制御バルブの調整レバーを提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、前記液体止め部材が長期にわたっての使用によって変形と滲漏するのを避けることができる液体制御バルブの液体止め部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の明細書全文にわたって述べられる方向性またはその近似の用語は、例えば、「前」、「後」、「左」、「右」、「上(頂)」、「下(底)」、「内」、「外」、「側面」などは、主に添付図面上における方向を示すもので、それぞれの方向性またはその近似の用語は本発明の各実施例に対する説明と理解を補助するためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0012】
本発明の明細書全文にわたって記載される部品と部材は「一つ」または「一個」の助数詞を用いるのは、単に便利に用いるだけのもので、そして本発明の範囲における通常の意義を提供するものであって、本発明においては一個または少なくとも一個を含むものであると読み取るべきで、そして単一の概念も、明らかにその他の意味を表すものは除き、複数の情況を含む。
【0013】
本発明の全文において、「結合」、「組合せ」または「組み立て」等の近似の用語は、主に連接した後でも部材を破壊せずに分離できたり、または連接した後に部材を分離できない等の形態を含み、これは本技術分野で通常の知識を有する者が、連接しようとする部材の材質または組み立ての需要に応じて選択できるものである。
【0014】
本発明の液体制御バルブは、基部と、液体止め部材と、調整レバーと、連動レバーとを含み、前記基部は互いに連通する第一収容室と第二収容室を有し、入り口は前記第一収容室と互いに連通し、出口は前記第二収容室と互いに連通し、前記基部の内表面は上止め部を有し、前記液体止め部材はバルブ、密封体と導引部材を有し、前記バルブは活動自在に前記第一収容室に位置して移動するように形成され、前記密封体は前記バルブと前記導引部材の間に介在し、前記密封体は前記上止め部と互いに当接したり分離したりするのに用いられ、前記導引部材は導引孔を有し、前記導引孔は前記基部の溝孔と互いに対応し、前記調整レバーは固定アームと調整アームを有し、前記固定アームと前記調整アームはそれぞれ相対する第一端と第二端を有し、前記固定アームの第一端は前記基部の第一枢結部に枢結され、前記固定アームの第二端と前記調整アームの第一端はテーパ孔をもって円錐体と互いに結合し、前記固定アームは前記第一端と前記第二端の間において中間枢結孔を有し、前記調整アームの第二端は浮き球と連接し、前記連動レバーは駆動アームと連接アームを有し、前記駆動アームと前記連接アームは一端によって互いに枢結し、前記駆動アームの他端は前記溝孔と前記導引孔を挿通して前記基部の第二枢結部に枢結され、前記連接アームの他端は前記固定アームの前記中間枢結孔に枢結される。
【0015】
本発明の液体制御バルブの調整レバーは、固定アームと、調整アームとを含み、前記固定アームは相対する第一端と第二端を有し、前記第一端は端辺枢結孔を有し、前記第一端と前記第二端の間において中間枢結孔を有し、前記調整アームは相対する第一端と第二端を有し、前記調整アームの第一端と前記固定アームの第二端はテーパ孔をもって円錐体と互いに結合し、前記調整アームの第二端は浮き球と連接する。
【0016】
本発明の液体制御バルブの液体止め部材は、バルブと、密封体と、導引部材とを含み、前記バルブは漏れ防止ワッシャーを有し、前記バルブはレバーの一端と連接し、前記レバーの他端はネジ部を有し、前記密封体は相対する上表面と下表面を有し、中心孔は前記上表面と前記下表面を貫通し、前記導引部材の第一端の表面はネジ孔と柱を有し、前記ネジ孔と前記ネジ部は互いに螺合し、前記柱は前記中心孔が嵌合するのに用いられ、前記密封体の下表面と前記導引部材の前記第一端の表面は互いに当接する。
【0017】
これにより、本発明の液体制御バルブ及びその調整レバーと液体止め部材は、前記止水液位の高さを変える時、前記調整アームを前記固定アームに対して回動させるだけで、前記連接レバーに枢結される前記第二枢結部の位置は回動せず、さらに前記駆動アームと前記連接アームの間の角度は変えることがなく、このように前記液体止め部材の移動可能なストロークを変えることがなく、さらに前記液体制御バルブに進水できないことを避けることができるとともに、滲漏防止の効果を達成することができる。また、前記液体止め部材によれば、前記密封体の下表面によって前記導引部材の前記第一端の表面と互いに密接する以外に、前記密封体と前記導引部材によってさらに前記第一係止部と前記第三係止部、及び前記第二係止部と前記第四係止部は多重的に互いに密接するように形成されることにより、より最良な密接の効果と滲漏防止の効果を達成することができるとともに、液体が前記第一収容室から前記第二収容室まで滲漏するのを防止することができる。
【0018】
また、本発明の液体制御バルブは、前記基部は上基部と下基部によって結合してなる。これにより、前記液体止め部材を前記基部に便利に組み立てる効果を達成することができる。
【0019】
また、本発明の液体制御バルブまたはその調整レバーは、前記円錐体と前記テーパ孔が互いに接触する表面は互いに噛み合うためのギアと溝を有する。これにより、前記調整アームと前記固定アームはより強固な結合を得ることができるため、前記調整アームと前記固定アームの間が自ら緩んで回動するのを防止する効果を達成することができる。
【0020】
また、本発明の液体制御バルブまたはその液体止め部材は、前記バルブは互いに連接するレバーを有し、前記レバーはネジ部を有し、前記導引部材の第一端はネジ孔を有し、前記ネジ部は前記ネジ孔と互いに螺合し、前記密封体の上表面は前記上止め部と互いに当接したり分離したりするのに用いられ、前記密封体の下表面は第一係止部と第二係止部を有し、前記導引部材の前記第一端の表面には凹欠溝が形成され、第三係止部と第四係止部を有し、前記第一係止部と前記第三係止部は互いに密接し、前記第二係止部と前記第四係止部は互いに密接する。これにより、前記液体止め部材を便利に組み立てる効果を達成することができる。その他に、前記密封体と前記導引部材は多重的に互いに密接するように形成されることにより、より最良な密接の効果と滲漏防止の効果を達成することができる。
【0021】
また、本発明の液体制御バルブまたはその液体止め部材は、前記第一係止部と前記第三係止部は互いに嵌合する円錐状周壁と円錐状リブからなる。これにより、前記密封体と前記導引部材はより緊密な接合の効果と滲漏防止の効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る好ましい実施例の分解斜視図である。
図2】本発明に係る好ましい実施例の結合断面図である。
図3図2に示される実施例の作動状態図である。
図4】本発明に係る液体止め部材の分解斜視図である。
図5】本発明に係る液体止め部材の結合断面図である。
図6】本発明に係る調整レバーの分解斜視図である。
図7】本発明に係る調整レバーの結合断面図である。
図8】本発明に係る調整レバーの結合斜視図である。
図9】従来の液体制御バルブに係る結合断面図である。
図10】従来の液体制御バルブに係る局部の拡大図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の上記およびその他の目的、特徴と利点をさらに明らかに且つ分かり易くするべく、下記のとおり本発明の実施例をもって、さらに図面を参照して詳しく説明する。また、異なる図面において同じ符号を表記するものは同じものと見なし、その説明を省く。
【0024】
図1に示されるように、本発明の液体制御バルブに係る好ましい実施例において、液体制御バルブは基部1、液体止め部材2、調整レバー3と連動レバー4を含む。前記液体止め部材2は前記基部1の中に収容され、前記調整レバー3と前記連動レバー4の一端はそれぞれ前記基部1に枢結され、前記調整レバー3は前記連動レバー4を引っ張って作動させることができ、前記連動レバー4は前記液体止め部材2を押圧して移動することができる。
【0025】
図1、2に示されるように、前記基部1は一体で構成され、または複数個の部材からなることができ、本発明においては制限を設けない。本実施例において、前記基部1は上基部1aと下基部1bによって結合してなるもので、前記結合は嵌合、係合または螺合などであっても良い。前記基部1は互いに連通する第一収容室11と第二収容室12を有し、入り口Iと前記第一収容室11は互いに連通し、前記入り口Iは液体サーバー(図示せず)と結合することにより、液体を前記第一収容室11まで導入することができる。前記基部1の内表面はさらに上止め部13を有することができ、前記上止め部13は前記基部1の内表面において環状に突出するように形成することができるため、前記上止め部13は前記第一収容室11において環状の突出部に形成される。少なくとも一個の出口Oは前記第二収容室12と互いに連通し、前記少なくとも一個の出口Oは前記第二収容室12の中に収容される液体を排出することができ、前記少なくとも一個の出口Oの数は好ましくは複数個である。前記基部1はさらに第一枢結部14と第二枢結部15を有し、前記第一枢結部14は前記調整レバー3の一端が枢結部材Pによって枢結するのに用いられ、前記第二枢結部15は前記連動レバー4の一端が枢結部材Pによって枢結するのに用いられる。
【0026】
図1、2に示されるように、前記液体止め部材2は前記基部1の前記第一収容室11と前記第二収容室12の中に活動自在に移動するように収容され、前記液体止め部材2はバルブ21、密封体22と導引部材23を有し、前記バルブ21、前記密封体22と前記導引部材23は一体で構成され、または複数個の部材からなることができ、本発明においては制限を設けない。前記バルブ21は前記第一収容室11の中に活動自在に移動することができ、前記密封体22は前記バルブ21と前記導引部材23の間に介在する。前記密封体22はゴム、シリコーンなどの弾性材質からなることができ、前記密封体22は前記上止め部13と互いに当接して、互いに連通する前記第一収容室11と前記第二収容室12を遮断することができるため、前記入り口Iから前記第一収容室11に導入される液体は前記第二収容室12の中まで進入することはない。前記導引部材23は導引孔231を有し、前記導引孔231は前記導引部材23の二個の相対する面を貫通し、そして前記基部1の溝孔16と互いに対応して前記連動レバー4が挿通するのに用いられ、前記連動レバー4は前記導引部材23を連動させて前記第二収容室12の中において移動させることができる。
【0027】
図4、5に示されるように、好ましい実施例として、前記液体止め部材2は分離した前記バルブ21、前記密封体22と前記導引部材23とが結合してなることができ、前記バルブ21は漏れ防止ワッシャー211を有し、前記漏れ防止ワッシャー211によって前記第一収容室11の周壁と密接してよりよい密閉性を得ることができる。前記バルブ21は連接されたレバー212を有し、前記レバー212はネジ部213を有し、前記導引部材23の第一端23aはネジ孔232を有し、前記ネジ部213と前記ネジ孔232は互いに螺合することができる。
【0028】
前記密封体22は相対する上表面22aと下表面22bを有し、中心孔221は前記上表面22aと前記下表面22bを貫通し、前記導引部材23の第一端23aの表面は柱234を有し、前記柱234は前記密封体22の前記中心孔221が嵌合するのに用いられるため、前記密封体22の下表面22bは前記導引部材23の前記第一端23aの表面と互いに当接することができる。好ましくは、前記密封体22の上表面22aは凹んだ凹孔224を有し、前記凹孔224はワッシャー24を収容するのに用いられ、そしてナット25によって前記ネジ部213に螺合することにより、前記密封体22の下表面22bと前記導引部材23の第一端23a表面はより緊密な接合を得ることができる。
【0029】
好ましくは、前記密封体22の下表面22bは第一係止部222と第二係止部223を有し、前記導引部材23の前記第一端23aの表面には凹欠溝233が形成され、そして前記導引部材23は第三係止部235と第四係止部236を有し、前記第一係止部222と前記第三係止部235は互いに密接することができ、前記第二係止部223と前記第四係止部236は互いに密接することができる。本実施例において、前記第一係止部222と前記第三係止部235は互いに嵌合する円錐状周壁と円錐状溝からなることができ、前記第二係止部223と前記第四係止部236は互いに嵌合する環状凹欠部と突出壁からなることができるため、前記密封体22は下表面22bと前記導引部材23の前記第一端23aの表面によって互いに密接する以外に、前記密封体22と前記導引部材23はさらに前記第一係止部222と前記第三係止部235、及び前記第二係止部223と前記第四係止部236によって多重的に互いに密接することができるため、緊密な接合の効果と滲漏防止の効果を達成することができる。
【0030】
前記導引部材23は第二端23bにより前記基部1の第二収容室12の中に収容されることができ、前記導引部材23の第二端23bは導引孔231を有し、前記導引孔231は前記導引部材23の二個の相対する面を貫通し、そして前記基部1の溝孔16と互いに対応して前記連動レバー4が挿通するのに用いられ、前記導引孔231は上当接部237と下当接部238を有する。
【0031】
図1、2、6に示されるように、前記調整レバー3は固定アーム31と調整アーム32を有し、前記固定アーム31と前記調整アーム32はそれぞれ相対する第一端31a、32aと第二端31b、32bを有し、前記固定アーム31の第一端31aは端辺枢結孔311を有し、前記固定アーム31は前記端辺枢結孔311から枢結部材Pによって前記基部1の第一枢結部14に枢結することができ、前記固定アーム31の第二端31bと前記調整アーム32の第一端32aはテーパ孔をもって円錐体と互いに結合する。本実施例において、前記固定アーム31の第二端31bはテーパ孔312と貫通孔313を有し、前記テーパ孔312と前記貫通孔313の円心は同じで、前記貫通孔313は前記固定アーム31の表面を貫通する。前記固定アーム31は前記第一端31aと前記第二端31bの間において中間枢結孔314を有する。
【0032】
前記調整アーム32の第一端32aは突出した円錐体321を有し、前記円錐体321と前記テーパ孔312は互いに嵌合し、好ましくは前記円錐体321と前記テーパ孔312とが同じ傾斜度を有する。前記円錐体321と前記テーパ孔312が互いに接触する少なくとも一個の表面は滑り止め部322を有し、または前記円錐体321と前記テーパ孔312が互いに接触する表面は互いに噛み合うためのギアと溝を有することにより、前記固定アーム31と前記調整アーム32が結合した後、前記固定アーム31と前記調整アーム32は相対的に回動することがない。前記円錐体321はネジ孔323を有し、ボルト33は前記貫通孔313を経由して前記ネジ孔323に螺合することができるため、前記固定アーム31の第二端31bと前記調整アーム32の第一端32aとが固定するように結合される。その他に、ユーザーは前記ボルト33を緩めて回転させることにより、前記固定アーム31と前記調整アーム32との間の角度を調整することができる。前記調整アーム32の第二端32bは連接部324を有することにより、浮き球34を直接的または間接的に前記調整アーム32に連接することができ、本実施例において前記浮き球34はレバー35をもって間接的に前記調整アーム32に連接される。
【0033】
上述したように、前記固定アーム31の第二端31bと前記調整アーム32の第一端32aとの結合は単に一つの実施の方式であり、前記固定アーム31の第二端31bを、前記調整アーム32の前記円錐体321がネジ孔323を有するように変えたり、または前記調整アーム32の第一端32aを、前記固定アーム31の前記テーパ孔312と前記貫通孔313のように変えたりすることは、同様な作用と効果を有するため、本発明においては制限を設けない。
【0034】
図1、2に示されるように、前記連動レバー4は駆動アーム41と連接アーム42を有し、前記駆動アーム41と前記連接アーム42は一端から枢結部材Pによって互いに枢結し、前記駆動アーム41の他端は前記溝孔16と前記導引孔231を挿通し、前記駆動アーム41の前記挿通端は第一端枢結孔43を有し、前記駆動アーム41は前記第一端枢結孔43から枢結部材Pによって前記基部1の前記第二枢結部15に枢結することができる。前記連接アーム42の他端は第二端枢結孔44を有し、前記連接アーム42は前記第二端枢結孔44から枢結部材Pによって前記固定アーム31の前記中間枢結孔314に枢結することができる。
【0035】
図2に示されるように、本発明の液体制御バルブを貯液容器(図示せず)の内部に使用することができ、前記液体制御バルブによって液体を阻止したり放流したりすることができる。前記調整レバー3の浮き球34は前記液体の液面上に浮くことができ、前記浮き球34の高さは前記液体の液位Lの高さに従って上昇し、前記浮き球34は前記調整レバー3を、前記基部1と互いに枢結する前記第一枢結部14に従って(図面から言えば)時計回り方向に回動するように連動させて、前記調整レバー3は同時に互いに枢結する前記連接アーム42を経由して前記駆動アーム41を、前記基部1と互いに枢結する前記第二枢結部15に従って同じく時計回り方向に回動するように連動させ、これにより前記駆動アーム41は前記液体止め部材2の上当接部237に当接することで、前記液体止め部材2を(図面から言えば)上へ移動させることができる。前記密封体22の上表面22aが前記基部1の前記上止め部13に当接した時、前記液体止め部材2は互いに連通する前記第一収容室11と前記第二収容室12を遮断することにより、前記液体が前記貯液容器まで流入し続けるのを阻止することができる。そして前記液体止め部材2は前記密封体22の下表面22bと前記導引部材23の前記第一端23aの表面によって互いに密接する以外に、前記密封体22と前記導引部材23はさらに前記第一係止部222と前記第三係止部235、及び前記第二係止部223と前記第四係止部236によって多重的に互いに密接することができるため、緊密な接合の効果と滲漏防止の効果を達成することができる。
【0036】
図3に示されるように、前記浮き球34の高さが前記液位Lに従って降下した時、前記浮き球34の高さも前記液位に従って降下し、このように、前記調整レバー3は前記基部1と互いに枢結する前記第一枢結部14に対して(図面から言えば)時計逆回り方向に回動し、前記調整レバー3は同時に互いに枢結する前記連接アーム42を経由して前記駆動アーム41を、前記基部1と互いに枢結する前記第二枢結部15に従って時計逆回り方向に回動するように連動させ、これにより前記駆動アーム41は前記液体止め部材2の下当接部238に当接することにより、前記液体止め部材2を(図面から言えば)降下させることができ、前記密封体22の上表面22aと前記基部1の前記上止め部13を分離させ、このように前記基部1の前記第一収容室11と前記第二収容室12は連通することができるため、前記液体は前記貯液容器に流入することができる。
【0037】
図6、8に示されるように、ユーザーは液体が前記貯液容器における液位Lの高さを変えようとする時、前記ボルト33を緩めて回動することにより、前記調整アーム32と前記固定アーム31との間の角度を変えることができるため、前記止水液位の高さを変えることができる。図2を例にすると、前記調整アーム32を前記固定アーム31に対して時計回りに回動させると、前記液位の高さを上昇させることができる。一方、前記調整アーム32を前記固定アーム31に対して時計逆回りに回動させると、前記液位の高さを下げることができる。前記調整アーム32と前記固定アーム31との間の角度を変える時、前記調整レバー3は前記調整アーム32を前記固定アーム31に対して回動させるだけで、前記第二枢結部15に枢結される前記連接レバー4は回動せず、さらに前記駆動アームと前記連接アーム42の角度は変えることがないため、前記液体止め部材2の移動可能なストロークが変わるのを避けることができる。
【0038】
綜合すると、本発明の液体制御バルブ及びその調整レバーと液体止め部材は、前記止水液位の高さを変える時、前記調整アームを前記固定アームに対して回動させるだけで、前記連接レバーに枢結される前記第二枢結部の位置は回動せず、さらに前記駆動アームと前記連接アームの間の角度は変えることがなく、このように前記液体止め部材の移動可能なストロークを変えることがなく、さらに前記液体制御バルブに進水できないことを避けることができるとともに、滲漏防止の効果を達成することができる。また、前記液体止め部材は前記密封体の下表面によって前記導引部材の前記第一端の表面と互いに密接する以外に、前記密封体と前記導引部材によってさらに前記第一係止部と前記第三係止部、及び前記第二係止部と前記第四係止部は多重的に互いに密接するように形成されることにより、より最良な密接の効果と滲漏防止の効果を達成することができるとともに、液体が前記第一収容室から前記第二収容室まで滲漏するのを防止することができる。
【0039】
本発明は、その精神と必須の特徴事項から逸脱することなく他のやり方で実施することができる。従って、本明細書に記載した実施形態は、例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0040】
1 基部
1a 上基部
1b 下基部
11 第一収容室
12 第二収容室
13 上止め部
14 第一枢結部
15 第二枢結部
16 溝孔
2 液体止め部材
21 バルブ
211 漏れ防止ワッシャー
212 レバー
213 ネジ部
22 密封体
22a 上表面
22b 下表面
221 中心孔
222 第一係止部
223 第二係止部
224 凹孔
23 導引部材
23a 第一端
23b 第二端
231 導引孔
232 ネジ孔
233 凹欠溝
234 柱
235 第三係止部
236 第四係止部
237 上当接部
238 下当接部
24 ワッシャー
25 ナット
3 調整レバー
31 固定アーム
31a 第一端
31b 第二端
311 端辺枢結孔
312 テーパ孔
313 貫通孔
314 中間枢結孔
32 調整アーム
32a 第一端
32b 第二端
321 円錐体
322 滑り止め部
323 ネジ孔
324 連接部
33 ボルト
34 浮き球
35 レバー
4 連動レバー
41 駆動アーム
42 連接アーム
43 第一端枢結孔
44 第二端枢結孔
I 入り口
O 出口
L 液位
P 枢結部材
9 液体制御バルブ
9a 進水口
9b 出水口
91 本体
911 突出壁
92 バルブレバー
93 止水リング
94 レバー
941 突起
95 浮き球レバー
951 浮き球
96 止水リング座
97 第一固定部材
98 調整部材
99 第二固定部材
P1 第一枢結点
P2 第二枢結点
【要約】      (修正有)
【課題】液体止め部材が長期にわたっての使用によって変形と滲漏するのを避けることができる液体制御バルブの液体止め部材を提供する。
【解決手段】基部1と液体止め部材2と調整レバー3と連動レバー4とを含む。前記基部は互いに連通する第一収容室11と第二収容室12を有し、前記基部の内表面は上止め部13を有する。前記液体止め部材はバルブ21、密封体22と導引部材23を有し、前記バルブは活動自在に前記第一収容室に位置して移動するように形成され、前記密封体は前記上止め部と互いに当接したり分離したりするのに用いられる。前記調整レバーは固定アーム31と調整アーム32を有し、前記固定アームの第一端は前記基部の第一枢結部14に枢結される。前記連動レバーは駆動アーム41と連接アーム42を有し、前記駆動アームの他端は前記基部の第二枢結部に枢結され、前記連接アームの他端は前記固定アームに枢結されるように構成されている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10