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特許7182022コンピュータ装置および文書処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-22
(45)【発行日】2022-12-01
(54)【発明の名称】コンピュータ装置および文書処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/14 20190101AFI20221124BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20221124BHJP
【FI】
G06F16/14
G06F21/62
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022005145
(22)【出願日】2022-01-17
(62)【分割の表示】P 2017174004の分割
【原出願日】2017-09-11
(65)【公開番号】P2022050640
(43)【公開日】2022-03-30
【審査請求日】2022-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000233491
【氏名又は名称】株式会社日立システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110003694
【氏名又は名称】弁理士法人有我国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】保脇 祥光
【審査官】原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-283314(JP,A)
【文献】特開2008-257341(JP,A)
【文献】特開2006-053889(JP,A)
【文献】特開2004-227247(JP,A)
【文献】特開2007-122614(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0150855(US,A1)
【文献】特開2012-075152(JP,A)
【文献】特開2006-146422(JP,A)
【文献】特開2013-218613(JP,A)
【文献】特開2005-275504(JP,A)
【文献】特開2012-008942(JP,A)
【文献】特開2010-003282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06F 21/60-21/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムされたコンピュータ処理によって所定のデータの検索を行うコンピュータ装置であって、
文字情報を含む帳票情報に基づいて生成された帳票形式の文書情報と、所定のデータと前記帳票情報とを紐付ける紐付情報であって、前記文書情報の属性項目名に関する情報を含むメタ情報を暗号化することにより生成された暗号化メタ情報と、を含んで構成される所定形式のファイルを読み込むファイル読込手段と、
前記ファイル読込手段によって読み込まれた前記所定形式のファイルに含まれる前記暗号化メタ情報を復号化することにより復号化メタ情報を生成する復号化メタ情報生成手段と、
前記復号化メタ情報生成手段によって生成された前記復号化メタ情報を用いて前記所定のデータを検索する情報検索手段と、
を備えることを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項2】
ネットワークを介して接続されたサーバ装置によって前記帳票情報および前記所定のデータが管理されていることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項3】
前記ファイル読み込み手段は、ネットワークを介して接続されたサーバ装置から前記所定形式のファイルを読み込むことを特徴とする請求項1または2に記載のコンピュータ装置。
【請求項4】
前記所定形式のファイルがPDFファイルであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のコンピュータ装置。
【請求項5】
プログラムされたコンピュータ処理を実行するコンピュータ装置によって所定のデータを検索させるための文書処理プログラムであって、
前記コンピュータ装置に、
文字情報を含む帳票情報に基づいて生成された帳票形式の文書情報と、所定のデータと前記帳票情報とを紐付ける紐付情報であって、前記文書情報の属性項目名に関する情報を含むメタ情報を暗号化することにより生成された暗号化メタ情報と、を含んで生成された所定形式のファイルを読み込むファイル読込ステップと、
前記ファイル読込ステップによって読み込まれた前記所定形式のファイルに含まれる前記暗号化メタ情報を復号化することにより復号化メタ情報を生成する復号化メタ情報生成ステップと、
前記復号化メタ情報生成ステップによって生成された前記復号化メタ情報を用いて前記所定のデータを検索する情報検索ステップと、
を実行させることを特徴とする文書処理プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータ装置とネットワークを介して接続されたサーバ装置によって前記帳票情報および前記所定のデータが管理されていることを特徴とする請求項5に記載の文書処理プログラム。
【請求項7】
前記ファイル読込ステップにおいて、前記コンピュータ装置とネットワークを介して接続されたサーバ装置から前記所定形式のファイルを読み込むことを特徴とする請求項5または6に記載の文書処理プログラム。
【請求項8】
前記所定形式のファイルがPDFファイルであることを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載の文書処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ装置および文書処理プログラムに関し、特に、文書情報と該文書情報の属性項目に関するメタ情報を含む所定形式のファイルを使用してデータ検索を行うコンピュータ装置および文書処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、各地方自治体において、電子入札システムなどによって公共事業の調達に係る手続きの多くは電子化されており、調達仕様や関連ドキュメントは、画像やPDF化されたものがファイルとして使用されている。
【0003】
調達業務に関連する多くのシステムでは、ドキュメントをPDFなどで出力できる文書処理システムをベースとして構成されており、例えば、工事内訳を設計する積算システムにおいてもPDFによる工事内訳帳票の出力が行えるようになっている。
【0004】
この種の文書処理システムとしては、単価基準データベースに保持し管理する積算業務システムの単価及び基準の改定に伴うデータ更新作業のテストを支援する機能を有するものが既に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4769832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した公共事業の調達、例えば、公共工事に関する所望の仕様の調達においては、工事内訳の設計から発注までの手続きの中で文書の手直しが度々発生する。手直しのためには、積算システムを使用して設計データを編集し、再度PDF文書の形式で出力する必要がある。このような作業においては、入札に使われたPDF文書を出力した元のシステムデータを判別することが不可欠となる。
【0007】
同様の作業は、発注した工事に変更があった場合にも発生し、発注時の文書を片手に設計変更すべきシステムデータを探すことになる。このような作業に扱われる文書の文書フォーマットは様式が規程されていることが多く、例えば、PDF文書などが用いられるケースが多い。
【0008】
特許文献1に記載のシステムにあっては、システムで作成し出力可能な文書、例えば、帳票データに該データの作成に係る関連システムを特定可能な情報が関連づけて管理されていなかった。このため、この種の従来システムでは、帳票データを関連システムをたどって手直し(再編集する)際、関連システム及び関連データを探すのに手間がかかり、再編集の作業が円滑に行えないことがあった。また、前述した特定可能な情報を表す紐付情報が応札業者などに読み取られてしまうという不都合があった。
【0009】
このように、従来の文書処理システムでは、PDF文書などの形式で出力された電子文書を手直しする際にこの電子文書を出力したシステムのシステムデータを容易に検索すること、システムを特定可能な情報を表す紐付情報の漏えいを防止することについては考慮されていなかった。
【0010】
本発明は、このような従来の課題を解決すべくなされたものであり、電子文書を手直しする際に元のシステムデータを容易に検索できるとともに、情報の漏えいを防止可能なコンピュータ装置および文書処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るコンピュータ装置は、プログラムされたコンピュータ処理によって所定のデータの検索を行うコンピュータ装置であって、文字情報を含む帳票情報に基づいて生成された帳票形式の文書情報と、所定のデータと前記帳票情報とを紐付ける紐付情報であって、前記文書情報の属性項目名に関する情報を含むメタ情報を暗号化することにより生成された暗号化メタ情報と、を含んで構成される所定形式のファイルを読み込むファイル読込手段と、前記ファイル読込手段によって読み込まれた前記所定形式のファイルに含まれる前記暗号化メタ情報を復号化することにより復号化メタ情報を生成する復号化メタ情報生成手段と、前記復号化メタ情報生成手段によって生成された前記復号化メタ情報を用いて前記所定のデータを検索する情報検索手段と、を備えることを特徴とする。
この構成により、コンピュータ装置に、暗号化したメタ情報が埋め込まれた所定形式のファイルを読込んで暗号化したメタ情報を復号化し復号化メタ情報を取り出す処理を実行させることができ、復号化メタ情報に基づいてシステムデータの検索が可能となる。これにより、電子文書を手直しする際に元のシステムデータを容易に検索できるとともに、情報の漏えいを防止可能なコンピュータ装置を提供することができる。
【0012】
本発明に係るコンピュータ装置においては、ネットワークを介して接続されたサーバ装置によって前記帳票情報および前記所定のデータが管理されていてもよい。
【0013】
本発明に係るコンピュータ装置においては、前記ファイル読み込み手段は、ネットワークを介して接続されたサーバ装置から前記所定形式のファイルを読み込んでもよい。
【0014】
本発明に係るコンピュータ装置においては、前記所定形式のファイルがPDFファイルであってもよい。
【0015】
本発明に係る文書処理プログラムは、プログラムされたコンピュータ処理を実行するコンピュータ装置によって所定のデータを検索させるための文書処理プログラムであって、前記コンピュータ装置に、文字情報を含む帳票情報に基づいて生成された帳票形式の文書情報と、所定のデータと前記帳票情報とを紐付ける紐付情報であって、前記文書情報の属性項目名に関する情報を含むメタ情報を暗号化することにより生成された暗号化メタ情報と、を含んで生成された所定形式のファイルを読み込むファイル読込ステップと、前記ファイル読込ステップによって読み込まれた前記所定形式のファイルに含まれる前記暗号化メタ情報を復号化することにより復号化メタ情報を生成する復号化メタ情報生成ステップと、前記復号化メタ情報生成ステップによって生成された前記復号化メタ情報を用いて前記所定のデータを検索する情報検索ステップと、を実行させることを特徴とする。
この構成により、コンピュータ装置に、暗号化したメタ情報が埋め込まれた所定形式のファイルを読込んで暗号化したメタ情報を復号化し復号化メタ情報を取り出す処理を実行させることができ、復号化メタ情報に基づいてシステムデータの検索が可能となる。これにより、電子文書を手直しする際に元のシステムデータを容易に検索できるとともに、情報の漏えいを防止可能な文書処理プログラムを提供することができる。
【0016】
本発明に係る文書処理プログラムにおいては、前記コンピュータ装置とネットワークを介して接続されたサーバ装置によって前記帳票情報および前記所定のデータが管理されていてもよい。
【0017】
本発明に係る文書処理プログラムにおいては、前記ファイル読込ステップにおいて、前記コンピュータ装置とネットワークを介して接続されたサーバ装置から前記所定形式のファイルを読み込んでもよい。
【0018】
本発明に係る文書処理プログラムにおいては、前記所定形式のファイルがPDFファイルであってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、電子文書を手直しする際に元のシステムデータを容易に検索できるとともに、情報の漏えいを防止可能なコンピュータ装置および文書処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る本システムのハードウェア構成例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る処理システムの機能構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る文書処理システムにおけるPDFファイルに対するメタ情報の埋め込み処理を示すフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態に係る文書処理システムにおけるPDFファイルからのメタ情報の読込み処理を示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態に係る文書処理システムにおけるメタ情報生成手段の帳票情報DBおよび紐付情報DBのデータ例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る文書処理システムにおけるPDFファイルの構成例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る文書処理システムにおける文書情報の生成手順を示す概念図である。
図8】本発明の一実施形態に係る文書処理システムと本発明を適用しないシステムとにおけるPDFファイル閲覧態様の違いを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
図1ないし図7は、本発明の一実施形態に係る文書処理システム100、および該文書処理システム100に所定形式のファイルを生成させる処理を実行させる一実施形態の文書処理プログラムを示している。以降、本実施形態において用いられる用語「PDF文書」、「PDFファイル」は、当該「所定形式のファイル」を構成している。
【0023】
まず、構成について説明する。
【0024】
図1に示すように、本実施の形態に係る本処理システム1は、後述するメタ情報生成機能を有するコンピュータ端末装置(以下、端末装置という)10と、端末装置10とLAN等のネットワーク(NW)30を介して接続されるサーバ装置20とにより構成される。
【0025】
端末装置10は、例えば、一般的なハードウェア構成を有するパーソナルコンピュータ等により構成される。具体的には、端末装置10は、所定のプログラムに従って種々の演算を行う中央処理装置(CPU)11、揮発性メモリと不揮発性メモリとにより構成されるメモリ12、種々の情報の記憶及び読み出しを行うための外部記憶装置13、操作者向けに所定情報の表示を行う液晶表示装置等の表示装置14、操作者からの操作入力を受け付けるマウスやキーボード等の入力装置15、表示画面や各種情報の印刷を行うプリンタ16、NW30と接続する網接続制御機能を有するネットワークインタフェース(I/F)17を有している。CPU11は、本発明のプログラムされたコンピュータ処理を実行する手段を構成する。
【0026】
端末装置10は、メモリ12がRAMおよびROMを含み、例えば、ROMに格納された本実施形態に係る文書処理プログラム(アプリケーションプログラム:アプリケーションソフトウェア)をRAM上に展開し、CPU11が文書処理プログラムを実行することにより後述する文書諸機能を有する文書処理システム100を実現する。文書処理システム100の文書処理機能には、メタ情報生成手段110が実行するメタ情報生成機能が含まれる。
【0027】
図1において、端末装置10とサーバ装置20とは、例えば、クライアントサーバシステムを構築する構成であってもよい。このようなクライアントサーバシステムにおいて、サーバ装置20は、文書処理システム100の文書処理機能等のデータ処理機能を端末装置10に提供する機能、文書処理システム100で利用されるデータの保存および管理機能、周辺機器などのハードウェアの管理機能を有する。これにより、端末装置10は、サーバ装置20により提供される機能を利用して文書処理システム100の処理機能を実現することができる。
【0028】
サーバ装置20のクライアントとなる端末装置10は複数配置されていてもよい。これにより、各端末装置10は、サーバ装置20から各種諸機能の提供を受けて各種システムの処理機能を実現することができる。各端末装置10がサーバ装置20と協働して実現可能なシステムとしては、例えば、図7に示すように、公共工事に関する工事費を積算する工事積算処理システム、積算された工事費の予算管理を行う予算執行管理システム、積算された工事費を条件とする工事に対する入札の管理を行う入札管理システムなどがある。
【0029】
特に、本実施形態に係る文書処理システム100では、上記設計積算システム、予算執行管理システム、入札管理システムと連携し、文書情報として、公共工事の入札を受け入れるために応札業者向けに提示する工事費内訳書を生成、手直しする作業に係る処理を行うようになっている(図6図7参照)。各システムが連携した工事費内訳書の生成処理については後で詳述する。
【0030】
図1に示すハードウェア構成を有する本システム1は、図2に示すような各機能ブロックにより実現される。すなわち、本システム1は、処理システム50を有する。処理システム50は、文書処理システム100と、他のシステムである外部文書処理システム150とにより構成されている。
【0031】
文書処理システム100は、帳票情報取得部101、帳票生成部102、ファイル生成部103、ファイル読込部104、情報検索部105、メタ情報生成手段110を具備して構成される。
【0032】
帳票情報取得部101は、後述する帳票情報データベース(DB)120から帳票情報を取得する。帳票情報取得部101は、本発明の帳票情報取得手段を構成する。
【0033】
帳票生成部102は、表示レイアウト情報と表示データ情報とに基づいて帳票表示情報を生成する。帳票表示情報は、帳票情報DB120に格納されている文字情報や画像情報等からなる帳票情報に基づいて生成される。帳票生成部102は、本発明の文書情報生成手段を構成し、帳票表示情報は本発明の帳票形式の文書情報に相当する。
【0034】
ファイル生成部103は、帳票生成部102で生成された帳票形式の文書情報と、後述するメタ情報生成手段110で生成される暗号化メタ情報とを含む所定形式のファイルを生成する。本実施形態において、所定形式のファイルとは、文書情報および暗号化されたメタ情報を含んで構成されるPDFファイルである。ファイル生成部103は、本発明のファイル生成手段を構成する。
【0035】
メタ情報は、元データの属性項目に関する情報を意味し、文書情報生成部により作成された文書情報の属性項目に関する情報を表している。本発明の一実施形態においては、メタ情報には、例えば、図5(b)および図6に示されるとおり、元になるデータである工事費内訳書(「文書情報」の一例)の属性項目の項目名(工事積算ID、作成日時、作成者、工事種別、工期情報など)およびこれら属性項目の値(SK-10112186、2017/6/28 9:28、工事太郎、水道工事、2017/9/1~2017/10/31など)から構成される紐付情報などが含まれる。なお、当該属性項目は、例えば、大項目(設計情報、予算情報、入札情報など)および小項目(工事積算ID、作成日時、作成者、工事種別、工期情報など)からなる2階層で構成されていてもよく、また3階層以上の階層で構成されていてもよい。
【0036】
文書情報は、文字データから構成される文書を含む情報を意味し、本発明の一実施形態では、文字データから構成される文書および表の枠線、イメージデータなどの画像を含んで構成される帳票形式の文書情報を表している。本発明の一実施形態における文書情報には、例えば、図6に示されるとおり、工事費の内訳を表にまとめた帳票形式の工事費内訳書などが含まれる。
【0037】
ファイル生成部103は、例えば、上述したPDFファイルを生成する。生成されたPDFファイルは、例えば、入力装置15からの出力指示に基づいて出力される。PDFファイルの出力形態は種々存在し、本実施形態においては、例え、電子文書としてサーバ装置20に送信されて所定の記憶領域に記憶される。また、PDFファイルは、プリンタ16によりハードコピー(印刷物)として出力することもできる。
【0038】
ファイル読込部104は、例えば、電子文書として出力されたPDFファイルを読込んでメタ情報生成手段110に入力する。ファイル読込部104は、例えば、サーバ装置20の上記記憶領域に記憶されているPDFファイルを読み出してメタ情報生成手段110に入力する。ファイル読込部104は、本発明のファイル読込手段を構成する。
【0039】
情報検索部105は、ファイル読込部104により読み込まれたPDFファイルからメタ情報生成手段110によって生成された復号化メタ情報を用いて情報の検索を行うものである。情報検索部105は、本発明の情報検索手段を構成する。
【0040】
次に、メタ情報生成手段110の構成について説明する。メタ情報生成手段110は、帳票生成部102により生成された帳票形式の文書情報に紐付ける紐付情報の生成、暗号化、および復号化に係るメタ情報生成を行う処理エンジン全体のことを指している。メタ情報生成手段110において、メタ情報の生成および暗号化を行う機能部は、紐付情報取得部111、メタ情報生成部112、暗号化キー格納部113、暗号処理部114、暗号化メタ情報格納部115により構成される。
【0041】
紐付情報取得部111は、紐付情報データベース(DB)130から紐付情報を取得する。紐付情報DB130は、PDFファイル(PDF文書)に紐付ける情報(紐付情報)を格納するデータベースである。
【0042】
紐付情報は、帳票生成部102で生成された帳票形式の文書情報と所定のデータとを紐付けるための情報である。本実施の形態において、所定のデータとは、処理システム50以外のシステムである設計積算システム、予算執行管理システム、入札管理システム(図7参照))に入力された文字情報であって、これらシステムにより管理されるデータを意味する。所定のデータは、文字(テキスト)データの他に画像データ等が含まれていてもよい。
【0043】
メタ情報生成部112は、紐付情報DB130に格納された紐付情報を、紐付情報取得部111を介して抽出し(読み出し)、該紐付情報に基づいて当該紐付情報のメタ情報を生成する。
【0044】
暗号化キー格納部113は、メタ情報を暗号化するための暗号化キーを格納している。暗号化キーは、暗号化プログラムによる暗号化処理の用に供されるキーを表している。本実施形態においては、暗号化キーには、プログラム内もしくはメモリ12上の所定のアドレス(暗号化キー格納部113)に記憶されたキーおよび暗号化キーファイルに書き込まれたキーが含まれる。
【0045】
暗号処理部114は、メタ情報生成部112からメタ情報を受け取り、該メタ情報を上記暗号化キーにより暗号化する処理を行う。
【0046】
暗号化メタ情報格納部115は、暗号化されたメタ情報を出力するインタフェースである。すなわち、暗号化メタ情報格納部115は、ファイル生成部103により生成されたPDFファイルの所定領域に暗号化されたメタ情報を格納(埋め込む)のための処理をサポートする。
【0047】
メタ情報生成手段110において、出力されたPDFファイルに埋め込まれているメタ情報の復号化および取出しを行う機能部は、暗号化メタ情報読込部116、復号化キー格納部117、復号処理部118、メタ情報読込部119により構成される。
【0048】
暗号化メタ情報読込部116は、ファイル読込部104で読込んだPDFファイルから暗号化されているメタ情報を入力するインタフェースである。
【0049】
復号化キー格納部117は、メタ情報を復号化するための復号化キーを格納している。復号化キーは、復号化プログラムによる復号化処理の用に供されるキーを表している。本実施形態においては、復号化キーには、プログラム内もしくはメモリ12上の所定のアドレス(復号化キー格納部117)に記憶されたキーおよび暗号化キーファイルに書き込まれたキーが含まれる。
【0050】
復号処理部118は、暗号化メタ情報読込部116から暗号化されているメタ情報を受け取り、該メタ情報を復号化キーにより復号化する処理を行う。
【0051】
メタ情報読込部119は、復号処理部118により復号化されたメタ情報を読込み、該メタ情報を紐付情報に分解する処理を行う。分解された紐付情報は、情報検索部105に送られ、上述した所定のデータを検索のためのインデックスとして用いられる。
【0052】
上記構成を有する文書処理システム100の外部には、帳票情報DB120、帳票情報生成部121、紐付情報DB130、紐付情報生成部131が設けられる。これら帳票情報DB120、帳票情報生成部121、紐付情報DB130、紐付情報生成部131を有するシステムは、文書処理システム100に対する外部文書処理システム150の機能を果たす。文書システム100と外部文書処理ステム150とは本発明の処理システム50を構成している。この処理システム50において、帳票情報取得部101は、帳票情報生成部102により生成された帳票情報を取得する。また、メタ情報生成手段110は、紐付情報取得部111により取得された紐付情報に基づいてメタ情報を生成する処理を行う。
【0053】
帳票情報DB120は、帳票表示情報として出力される文字情報や画像等の帳票情報を格納するデータベースである。帳票情報生成部121は、帳票情報DB120に格納する帳票情報を生成するものである。帳票情報生成部121は、本発明の帳票情報生成手段を構成する。
【0054】
紐付情報DB130は、PDFファイル(PDF文書)に紐付ける情報(紐付情報)を格納するデータベースである。紐付情報生成部131は、紐付情報DB130に格納する紐付情報を生成するものである。紐付情報生成部131は、本発明の紐付情報生成手段を構成する。
【0055】
本実施の形態において、帳票情報生成部121と紐付情報生成部131は、例えば、工事積算システム、予算執行管理システム、入札管理システムの各システムからのデータの入力に基づいて、それぞれ、帳票情報と紐付情報を生成する。
【0056】
ここで、上記各システムの連携に基づく帳票情報生成部121での帳票情報の生成処理、および紐付情報生成部131での紐付情報の生成処理について説明する。
【0057】
この例の工事費内訳書の作成においては、まず、図7(a)に示すように、端末装置10において、設計積算処理プログラムに基づいて設計積算システムを起動し、メタ情報生成手段110の処理機能を利用して工事費内訳書に書き込む文書情報の生成と工事の設計に関する情報(設計情報)の書き込みを行う。具体的には、工事内容(設計)に応じて表示レイアウト情報を決定し、帳票生成部102により、表示レイアウト情報の各項目に、例えば、工事種別、数量等の設計情報を書き込んで帳票を生成し、ファイル生成部103で当該帳票からPDFファイルを生成する。
【0058】
工事費内訳書の作成においては、次に、図7(b)に示すように、端末装置10において、予算執行管理処理プログラムに基づいて予算執行管理システムを起動し、メタ情報生成手段110の機能を利用して上記PDFファイルからそこに書き込まれている設計情報を読込み、当該PDFファイル上で設計情報に関連する予算執行管理に関する情報(予算情報)の書き込みを行って帳票を更新し、ファイル生成部103で当該帳票からPDFファイルを生成する。
【0059】
工事費内訳書の作成においては、さらに、図7(c)に示すように、端末装置10において、入札管理処理プログラムに基づいて入札管理システムを起動し、メタ情報生成手段110の機能を利用して上記PDFファイルからそこに書き込まれている設計情報および予算情報を読込み、当該PDFファイル上で当該設計情報および予算情報を条件として受け入れた入札に関する情報(入札情報)の書き込みを行って帳票の内容を更新し、ファイル生成部103で当該帳票からPDFファイルを生成する。
【0060】
メタ情報生成手段110を搭載している端末装置10では、図7に示す一連の手順により、帳票生成部102で工事費内訳書が作成される。その際、帳票情報生成部121は、工事積算システムに入力された帳票情報を生成するための文字等の情報(第1情報)と、予算執行管理システムに入力された帳票情報を生成するための文字等の情報(第2情報)と、入札管理システムに入力された帳票情報を生成するための文字等の情報(第3情報)とに基づいて帳票情報を生成し、該帳票情報を帳票情報DB120に格納される。
【0061】
帳票情報DB120に格納される帳票情報のデータ例としては、例えば、図5(a)に示すようなものがある。この例の帳票情報(文書情報)は、工事種別を示す工種情報、単位、数量、単価、金額の各項目からなる。工種情報の欄には、水道管工事、配水管開削工、水道管路土工等の複数の工事種別が書き込まれ、工事種別ごとに、単位、数量、単価、金額等のデータがそれぞれ書き込まれている。
【0062】
また、上述した工事費内訳書が作成に際し、紐付情報生成部131は、上述した第1情報、第2情報、第3情報に基づいて紐付情報を生成し、該紐付情報を紐付情報DB130に格納される。
【0063】
紐付情報DB130に格納される紐付情報のデータ例としては、例えば、図5(b)に示すようなものがある。この例の紐付情報は、図5(a)に示す帳票情報に対応する工種積算IDに対応付けて、設計積算システムのシステムデータである設計情報、具体的には、作成日時、作成者、工事種別、工期情報等の各情報が記述された内容である。すなわち、紐付情報は、文書情報の属性項目名および当該属性項目名の値から構成される複数の組合せ情報を含んだものである。
【0064】
システムデータは、システム自体を構成する構成要素のデータおよび当該システムにより管理されるデータなどを意味し、本発明の一実施形態においては、例えば、図7に示される設計積算システム、予算執行管理システム、入札管理システムなどで管理されるデータが含まれる。これらシステムデータは、メタ情報を用いて検索することが可能となっている。
【0065】
紐付情報は、所定のデータと帳票情報とを紐付けるものである。これにより、情報検索部105は、当該紐付情報を構成する上記複数の組合せ情報のうちの少なくとも1つ以上の組合せ情報に基づいて所定のデータの検索を行うことができる。なお、ここで所定のデータとは各システムが管理している、生成されたファイルの元データをいう。
【0066】
図6に示したPDFファイルの構成例においては、設計情報は、工事積算ID、作成日時、作成者、工事種別、工事情報等の各項目から構成される。図6の例では、上記各項目の項目名のみを示しているが、実際の運用では、上記各項目に対応する欄に、設計積算システムから入力される当該各項目のデータ値が記述されることとなる。
【0067】
また、図6に示したPDFファイルの構成例では、予算情報は、例えば、予算科目情報、執行部署、工事監督部署、決裁者、決済日時等の各項目から構成され、入札情報は、例えば、入札番号、入札形式、公告日等の各項目から構成される。図6の例では、予算情報および入札情報のいずれについても上記各項目の項目名のみしか示されていないが、実際の運用では、上述した設計情報と同様、上記各項目に対応する欄に、予算執行管理システムおよび入札管理システムからそれぞれ入力される当該各項目のデータ値が記述される。
【0068】
上述した各システムが連携した工事費内訳書の生成に係る帳票情報および紐付情報の生成処理を踏まえ、本実施形態に係る文書処理システム100における文書処理動作について説明する。
【0069】
文書処理システム100は、メタ情報生成手段110の処理機能によって、図3に示すフローチャートにしたがったPDFファイルに対する紐付情報の格納処理、および図4に示すフローチャートにしたがったPDFファイルからの紐付情報の読込み処理を実行する。
【0070】
本実施形態におけるPDFファイルに対する紐付情報の格納処理について図3を参照して説明する。この処理は、端末装置10において、上述した工事費内訳書の作成(図5図7参照)、およびその後における当該工事費内訳書の手直しの実行に合わせて実施される。
【0071】
端末装置10では、設計積算システムからの文書情報の入力(図7(a)参照)に合わせて、文書処理システム100の帳票生成部102において、例えば、図6の右側に示すような内容の工事費内訳書が生成される。
【0072】
その後、設計積算システム、予算執行管理システム、入札管理システムから、それぞれ、設計情報、予算情報、入札情報の書き込み(図7(a)、(b)、(c)参照)が行われるのに合わせて、例えば図6の左側に示すような内容の紐付情報が生成され、紐付情報DB130に格納される。
【0073】
次いで、メタ情報生成手段110では、メタ情報生成部112が紐付情報DB130から紐付情報を読み出し(ステップS11)、該紐付情報から当該紐付情報のメタ情報を生成する(ステップS12)。
【0074】
引き続き、暗号処理部114は、メタ情報生成部112により生成されたメタ情報を、暗号化キー格納部113に格納されている暗号化キーを用いて暗号化する(ステップS13)。
【0075】
次いで、暗号化メタ情報格納部115は、暗号処理部114によって暗号化された暗号化メタ情報をファイル生成部103に出力し、当該暗号化メタ情報をファイル生成部103により生成されているPDFファイル内に格納する(埋め込む)処理をファイル生成部103と協働して実行する(ステップS14)。
【0076】
なお、ファイル生成部103は、暗号化メタ情報格納部115から出力される暗号化メタ情報を受け取る前、帳票生成部102で表示レイアウト情報と表示データ情報(工事費内訳書に相当する文書情報)に基づいて生成された帳票表示情報を受け取り、帳票のみからなるPDFファイルを生成している。
【0077】
この状態で暗号化メタ情報格納部115から出力される暗号化メタ情報を受け取ると、ファイル生成部103は、上記表示データ情報、すなわち、工事費内訳書に相当する文書情報に暗号化メタ情報が埋め込まれたPDFファイルを生成する(ステップS14参照)。
【0078】
ステップS14で生成されるPDFファイルは、例えば、図6に示すように、工事費内訳書に相当する文書情報と、該文書情報に紐付けられた紐付情報とを有する構成である。ここで、文書情報は、一般的なPDFビューア、すなわち、本実施形態に係るメタ情報生成手段110を搭載していないPDFビューアでも閲覧可能な情報である。
【0079】
一方、紐付情報は、本実施形態に係る端末装置10に実装される、メタ情報生成手段110を搭載しているPDFビューアでのみ閲覧可能であって、メタ情報生成手段110を搭載していないPDFビューアでは閲覧不能(不可視)な情報である。これにより、本実施形態においては、端末装置10で生成される工事費内訳書について、メタ情報生成手段110を搭載しているPDFビューアでは文書情報および紐付情報の両方を閲覧可能とし(図8(a)参照)、メタ情報生成手段110を搭載していないPDFビューアでは文書情報しか閲覧できない(図8(a)参照)ものとする運用を可能とする。
【0080】
ステップS14でPDFファイルが生成された後、CPU11は、例えば、入力装置15から出力指示に基づいて当該PDFファイルを出力し、図3における一連の紐付情報格納処理を終了する。このときの出力形態としては、例えば、PDFファイルをサーバ装置20に格納する処理が挙げられる。
【0081】
上記ステップS15で出力されたPDFファイルを構成する工事費内訳書は、発注までの手続きの中で、例えば、工事種別、数量などの手直しに迫られることがある。この場合、本実施形態に係る文書処理システム100では、メタ情報生成手段110によって、出力済みのPDFファイルを読込んだうえで文書情報および紐付情報を抽出し、文書情報を再編集し、これに合わせて紐付情報も更新することができる。
【0082】
上記再編集等に際しての本実施形態に係るPDFファイルからの紐付情報の読込み処理について図4を参照して説明する。文書処理システム100において、この処理を行うには、まず、手直しに係るPDFファイルを出力先(格納先)である例えばサーバ装置20からメタ情報生成手段110にロードする。具体的には、暗号化されたメタ情報が埋め込まれたPDFファイルを、ファイル読込部104で読み取る処理を行う(ステップS21)。本発明において、ファイル読込部104はファイル読込部を構成する。
【0083】
次いで、暗号化メタ情報読込部116は、ロードされたPDFファイルからファイル読込部104により読み取られた暗号化メタ情報があるか否かを判断し(ステップS22)する。ここで、暗号化メタ情報がないと判断された場合(ステップS22でNO)、処理を終了する。
【0084】
これに対し、暗号化メタ情報があると判断された場合(ステップS22でYES)、暗号化メタ情報読込部116は、ファイル読込部104で読み取られた暗号化メタ情報を読込む(ステップS23)。
【0085】
引き続き、復号処理部118は、暗号化メタ情報読込部116から暗号化メタ情報を受け取り、復号化キー格納部117に格納されている復号化キーを用いて当該暗号化メタ情報を復号化する(ステップS24)。
【0086】
次に、メタ情報読込部119は、ステップS24で復号化されたメタ情報を読込む(ステップS25)。さらに、情報検索部105は、復号化されたメタ情報から紐付情報を取り出し(ステップS26)、図4における一連の紐付情報読込み処理を終了する。本発明において、情報検索部105は紐付情報取出部を構成する。
【0087】
図4における紐付情報の読込み処理が終了した状態で、端末装置10では、CPU11が、ファイル読込部104によって読込んだ文書情報と、該文書情報に埋め込まれており復号化された紐付情報とを、例えば、図8(a)に示すような形態で表示装置14に表示する。これにより、端末装置10の利用者は、手直しに係る文書情報(工事費内訳書)に紐付けられた紐付情報を容易に確認することができる。
【0088】
そのうえで、利用者は、表示装置14に表示されている紐付情報から手直しに係る紐付情報を構成する複数の組合せ情報のうちの所望の組合せ情報を指定することで、該組わせ情報に対応した所定のデータを検索することができる。
【0089】
なお、本実施形態に係るメタ情報生成手段110を搭載していない端末装置においては、暗号化されたメタ情報が埋め込まれたPDFファイルについては、図8(b)に示すような態様で文書情報のみが表示装置14に表示される。すなわち、応札業者等に使用する、メタ情報生成手段110を搭載していない端末装置においては、上記PDFファイル中の文書情報の閲覧、印刷のみが可能であるが、紐付情報の閲覧は行えない。これにより、PDFファイル内の文書情報に対する紐付情報が応札業者によって読み取られることはなく、情報量漏えいを防ぐことができる。
【0090】
これに対し、本実施形態に係る文書処理システム100では、端末装置10がメタ情報生成手段110を搭載しているため、読込んだPDFファイルの内容について、図4のS26の紐付情報の取出しの処理を経て、図8(a)に示すような態様で文書情報および紐付情報の両方を閲覧可能であり、これらの情報の印刷も行える。これにより、本実施形態では、文書処理システム100から出力したPDFファイル(電子文書)を入力して情報取得が可能になる。具体的には、文書処理システム100に電子文書を読み込んで、抽出した紐付情報からシステムデータをサーバ装置20などからダウンロードして編集するなど、文書情報とデータの紐付けが容易になる。
【0091】
なお、上記実施形態では、メタ情報生成手段110を搭載している端末装置10においては、文書情報に紐付けられた紐付情報を無条件で閲覧等の操作が行える構成としているが、端末装置10ごと、あるいは利用者ごとに利用権限を付与し、利用権限に応じて特定の紐付情報のみを操作できる構成としてもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、紐付情報のメタ情報を暗号化して埋め込むファイルをPDFファイルとした例を挙げているが、本発明においては、当該ファイルはPDFファイルに限らず、公共調達事業に係る手続に関して規定されている種々のファイル形式を対象にした文書処理に適用可能である。
【0093】
また、上記実施形態では、工事積算システム、予算執行管理システム、入札管理システムが連携して作成する工事費内訳書に対する暗号化メタ情報の埋め込み、取出し処理について述べたが、本発明は、これらのシステムに限らず、所定の機能のシステムを実現する処理プログラムから入力される各種データに基づきコンピュータ処理によって生成される種々の文書ファイルに対して暗号化メタ情報の埋め込み、取出し処理を行う構成としてもよい。
【0094】
このように、本実施形態においては、文書処理システム100は、他のシステムである外部文書処理システム150から文字情報を含む帳票情報を取得する帳票情報取得部101と、帳票情報取得部101により取得した帳票情報に基づいて帳票形式の文書情報を生成する帳票生成部102と、他のシステムで管理される所定のデータと帳票情報とを紐付ける紐付情報を取得する紐付情報取得部111と、紐付情報取得部111により取得した紐付情報であって、文書情報の属性項目名に関する情報を含むメタ情報を暗号化することにより暗号化メタ情報を生成するメタ情報生成手段110と、帳票生成部102により生成された文書情報と、メタ情報生成手段110により生成された暗号化メタ情報と、を含むPDFファイルを生成するファイル生成部103と、PDFファイルを読み込むファイル読込部104と、ファイル読込部104によって読み込まれたPDFファイルに含まれる暗号化メタ情報を、メタ情報生成手段110により復号化することにより生成された復号化メタ情報を用いて所定のデータを検索する情報検索部105と、を備えた構成である。
【0095】
したがって、本実施形態では、メタ情報生成手段110により復号化することにより生成された復号化メタ情報を用いて所定のデータを検索する情報検索部15を備えるため、該復号化メタ情報に基づくシステムデータの検索が可能となる。また、メタ情報を暗号化することにより暗号化メタ情報を生成するメタ情報生成手段110を有するため、紐付となる情報の漏えいを防止することができる。
【0096】
また、本実施の形態に係る文書処理システム100においては、紐付情報は、文書情報の属性項目名および当該属性項目名の値から構成される複数の組合せ情報を含み、情報検索部105は、複数の組合せ情報のうちの少なくとも1つ以上の組合せ情報に基づいて前記所定のデータの検索を行う構成である。
【0097】
したがって、本実施形態では、文書情報を含むPDFファイルに埋め込んだメタ情報を復号化して紐付情報を取出し、その中の属性項目とその値の組合せ情報をインデックスとして所定の情報の検索を円滑に行うことができる。
【0098】
また、本実施形態の処理システム50は、上述した文書処理システム100と、例えば、設計積算システム(第1のシステム)に入力された帳票情報を生成するための文字情報等の情報(第1情報)と、例えば、予算執行管理システム(第2のシステム)に入力された帳票情報を生成するための文字情報等の情報(第2情報)とに基づいて紐付情報を生成する紐付情報生成部131と、第1の情報と第2の情報とを含む帳票情報を生成する帳票情報生成部121とを有し、上記他のシステムを構成する外部文書処理システム150と、を備え、帳票情報取得部111は、帳票情報生成部121により生成された帳票情報を取得し、メタ情報生成手段110は、紐付情報取得部111により取得された紐付情報に基づいてメタ情報を生成する構成とするようにしてもよい。
【0099】
この構成により、本実施の形態では、例えば、設計積算システムと、予算執行管理システムとが連携して文書情報を含みメタ情報が込まれたPDFファイルを生成することができるとともに、該PDFファイルに埋め込んだ暗号化メタ情報を復号化して各システムが連携して情報を検索することができる。
【0100】
また、本実施形態の文書処理プログラムは、コンピュータ端末装置10に、他のシステムである外部文書処理システム150から文字情報を含む帳票情報を取得する帳票情報取得ステップと、帳票情報取得ステップにより取得した帳票情報に基づいて帳票形式の文書情報を生成する文書情報生成ステップと、帳票情報と所定のデータとを紐付ける紐付情報を取得する紐付情報取得ステップと、紐付情報取得ステップにより取得した紐付情報であって、文書情報の属性項目名に関する情報を含むメタ情報を暗号化することにより暗号化メタ情報を生成するメタ情報生成ステップと、文書情報生成ステップによって生成された文書情報と、メタ情報生成ステップによって生成された暗号化メタ情報と、を含むPDFファイルを生成するファイル生成ステップと、PDFファイルを読み込むファイル読込ステップと、ファイル読込ステップによって読み込まれたPDFファイルに含まれる暗号化メタ情報を復号化することにより復号化メタ情報を生成する復号化メタ情報生成ステップと、復号化メタ情報生成ステップによって生成された復号化メタ情報を用いて所定のデータを検索する情報検索ステップと、を実行させるよう構成されている。
【0101】
この構成により、本実施形態では、コンピュータ端末装置10に、メタ情報生成ステップにより復号化することにより生成された復号化メタ情報を用いて所定のデータを検索する情報検索ステップを実行させることができ、該復号化メタ情報に基づくシステムデータの検索が可能となる。また、メタ情報を暗号化することにより暗号化メタ情報を生成するメタ情報生成ステップを実行させることができることから、紐付となる情報の漏えいを防止することができる。
【0102】
以上説明したように、本発明の文書処理システム、処理システムおよび文書処理プログラムは、図1に示すように、電子文書を手直しする際に紐付情報から元のシステムデータを容易に検索できとともに、紐付情報の情報漏えいを防止することができる。かかる本発明は、公共事業の調達に係る手続きの多くが電子化され、PDFファイル等の手直しを必要とする各地方自治体の電子入札システムなどの文書処理システム、処理システムならびにそのようなシステムを用いる文書処理プログラム全般に有用である。
【符号の説明】
【0103】
1 本システム
10 コンピュータ端末装置(端末装置)
11 CPU(中央処理装置)
14 表示装置
20 サーバ装置
30 ネットワーク(NW)
50 処理システム
100 文書処理システム
101 帳票情報取得部(帳票情報取得手段)
102 帳票生成部(文書情報生成手段)
103 ファイル生成部(ファイル生成手段)
104 ファイル読込部(ファイル読込手段)
105 情報検索部(情報検索手段)
110 メタ情報生成手段
111 紐付情報取得部(紐付情報取得手段)
112 メタ情報生成部
114 暗号処理部
115 暗号化メタ情報格納部
116 暗号化メタ情報読込部
118 復号処理部
119 メタ情報読込部
121 帳票情報生成部(帳票情報生成手段)
131 紐付情報生成部(紐付情報生成手段)
150 外部文書処理システム(他のシステム)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8