(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-24
(45)【発行日】2022-12-02
(54)【発明の名称】カバーブロック、及び分電盤
(51)【国際特許分類】
H02B 1/44 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
H02B1/44
(21)【出願番号】P 2018134469
(22)【出願日】2018-07-17
【審査請求日】2021-03-15
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 博章
(72)【発明者】
【氏名】田中 修平
(72)【発明者】
【氏名】河原 光之介
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-009461(JP,A)
【文献】特開2012-130144(JP,A)
【文献】特開2005-208143(JP,A)
【文献】特開2016-140144(JP,A)
【文献】実開平03-115785(JP,U)
【文献】特開平11-255255(JP,A)
【文献】特開2002-9461(JP,A)
【文献】特開平3-187485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材と、
第1位置と第2位置との間で回転可能な状態で前記第1部材に取り付けられる第2部材と、
回転用軸と、を備え、
前記第1部材は、第1軸孔が形成された第1軸受を有し、
前記第2部材は、
それぞれに第2軸孔が形成された
複数の第2軸受を有し、
前記第1軸孔と前記第2軸孔とは、前記第1部材と前記第2部材とを組み合わせた状態で一直線上に位置しており、
前記回転用軸の少なくとも一部が前記第1軸孔及び前記第2軸孔の両方に挿入され、
前記第1軸孔は、前記第1軸孔と前記第2軸孔とが並ぶ方向である配列方向から見て、前記配列方向と交差する方向を長径とする楕円状に形成されて
おり、
前記複数の第2軸受は、
内側第2軸受と、
前記配列方向において前記内側第2軸受よりも外側に位置する外側第2軸受と、を含み、
前記配列方向における前記外側第2軸受の長さは、前記配列方向における前記内側第2軸受の長さよりも長い、
分電盤。
【請求項2】
前記回転用軸は、一方向に延びる軸本体と、前記軸本体の長手方向の一端部において前記一方向と交差する方向に延びる曲げ部と、を含み、
前記曲げ部は、前記軸本体が前記第1軸孔及び前記第2軸孔の両方に挿入された状態で前記第1軸受又は前記第2軸受の端部に接触する、
請求項1に記載の分電盤。
【請求項3】
前記第1部材と前記第2部材との少なくとも一方は、前記第1軸孔及び前記第2軸孔の延長線上に位置する抜け止め部を更に有し、
前記抜け止め部は、前記軸本体が前記第1軸孔及び前記第2軸孔の両方に挿入された状態で前記曲げ部が接触する位置に設けられている、
請求項2に記載の分電盤。
【請求項4】
前記回転用軸は、弾性を有している、
請求項1~3のいずれか1項に記載の分電盤。
【請求項5】
前記第1部材と前記第2部材との一方は、凸部を有し、
前記第1部材と前記第2部材との他方は、前記凸部が差し込まれる凹部を有し、
前記回転用軸に平行な方向と交差する方向に前記回転用軸が弾性変形することによって前記凸部が前記凹部に差し込まれ、
前記第2部材は、前記凸部が前記凹部に差し込まれた状態で前記第1位置に保持される、
請求項4に記載の分電盤。
【請求項6】
前記第1軸受と前記第2軸受との少なくとも一方は2つ以上であって、
前記回転用軸に平行な方向において前記第1軸受と前記第2軸受とが交互に配置される、
請求項1~5のいずれか1項に記載の分電盤。
【請求項7】
一面に開口部を有するボックスに収納されるブレーカを更に備える、
請求項1~6のいずれか1項に記載の分電盤。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の分電盤に用いられるカバーブロックであって、
少なくとも前記第2部材を備える、
カバーブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カバーブロック、及び当該カバーブロックを備える分電盤に関する。より詳細には、本開示は、ボックスに取り付けられるカバーブロック、及び当該カバーブロックを備える分電盤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅用の分電盤が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の分電盤は、箱体(ボックス)と、箱体に収納される複数の開閉器(ブレーカ)と、箱体の開口縁にねじ止めされる扉付きの開口枠(カバーブロック)と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のような分電盤では、薄型化が望まれている。
【0005】
本開示の目的は、分電盤の薄型化を図ることができるカバーブロック、及び分電盤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る分電盤は、第1部材と、第2部材と、回転用軸と、を備える。前記第2部材は、第1位置と第2位置との間で回転可能な状態で前記第1部材に取り付けられる。前記第1部材は、第1軸孔が形成された第1軸受を有する。前記第2部材は、それぞれに第2軸孔が形成された複数の第2軸受を有する。前記第1軸孔と前記第2軸孔とは、前記第1部材と前記第2部材とを組み合わせた状態で一直線上に位置している。前記回転用軸の少なくとも一部は、前記第1軸孔及び前記第2軸孔の両方に挿入される。前記第1軸孔は、前記第1軸孔と前記第2軸孔とが並ぶ方向である配列方向から見て、前記配列方向と交差する方向を長径とする楕円状に形成されている。前記複数の第2軸受は、内側第2軸受と、前記配列方向において前記内側第2軸受よりも外側に位置する外側第2軸受と、を含む。前記配列方向における前記外側第2軸受の長さは、前記配列方向における前記内側第2軸受の長さよりも長い。
【0007】
本開示の一態様に係るカバーブロックは、上述の分電盤に用いられる。前記カバーブロックは、少なくとも前記第2部材を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、分電盤の薄型化を図ることができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1Aは、一実施形態に係るカバーブロック及び分電盤を造営材に取り付けた状態を示す正面図である。
図1Bは、
図1AのX1-X1断面図である。
【
図2】
図2は、同上の分電盤からカバーブロックを取り外した状態の正面図である。
【
図3】
図3Aは、同上のカバーブロックを構成するカバー本体の要部を示す拡大図である。
図3Bは、同上のカバーブロックを構成する開閉カバーの要部を示す拡大図である。
【
図4】
図4は、同上のカバーブロックにおいて開閉カバーを開けた状態の要部を示す拡大図である。
【
図5】
図5A~
図5Dは、同上のカバーブロックにおいて開閉カバーを閉じる場合の動作を説明する図である。
【
図6】
図6は、一実施形態の変形例1に係る分電盤の斜視図である。
【
図7】
図7は、一実施形態の変形例2に係るカバーブロックの要部を示す断面図である。
【
図8】
図8は、一実施形態の変形例3に係るカバーブロックを構成するカバー本体の要部を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎない。本開示は、実施形態及び変形例に限定されることなく、この実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。下記の実施形態及び変形例において説明する各図は模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0011】
(実施形態)
(1)概要
以下、本実施形態に係るカバーブロック2及び分電盤10の概要について、
図1A~
図4を参照して説明する。
【0012】
以下の説明では、分電盤10の左右方向がX軸方向、上下方向がY軸方向、前後方向がZ軸方向と規定する。また、分電盤10の右方がX軸の正の向き、左方がX軸の負の向きと規定する。また、分電盤10の上方がY軸の正の向き、下方がY軸の負の向きと規定する。また、分電盤10の前方がZ軸の正の向き、後方がZ軸の負の向きと規定する。
【0013】
本実施形態に係る分電盤10は、例えば、戸建て住宅に用いられる。尚、分電盤10は、戸建て住宅に限らず、集合住宅の各住戸、事務所、店舗等に用いられてもよい。分電盤10は、
図1A及び
図1Bに示すように、戸建て住宅において壁等の造営材100に取り付けられる。
【0014】
本実施形態に係る分電盤10は、
図1A~
図4に示すように、第1部材21と、第2部材22と、回転用軸6と、を備えている。第2部材22は、第1位置と第2位置との間で回転可能な状態で第1部材21に取り付けられる。第1部材21は、本実施形態ではカバー本体(以下、「カバー本体21」ともいう)である。第2部材22は、本実施形態では開閉カバー(以下、「開閉カバー22」ともいう)である。第1位置は、開閉カバー22を閉じたときのカバー本体21に対する開閉カバー22の位置(
図5Cに示す位置)であって、カバー本体21の露出窓211(後述する)から露出するブレーカ5(後述する)を覆う位置である。第2位置は、開閉カバー22を開けたときのカバー本体21に対する開閉カバー22の位置(
図1Aに示す位置)であって、ブレーカ5を露出させる位置である。
【0015】
第1部材21は、第1軸孔2130が形成された第1軸受213を有している。第2部材22は、第2軸孔2210,2220が形成された第2軸受221,222を有している。第1軸孔2130と第2軸孔2210,2220とは、第1部材21と第2部材22とを組み合わせた状態で一直線上に位置している。回転用軸6の少なくとも一部(本実施形態では、軸本体61)は、第1軸孔2130及び第2軸孔2210,2220の両方に挿入される。
【0016】
また、本実施形態に係る分電盤10は、
図2に示すように、ボックス1に収納される(複数の)ブレーカ5を更に備えている。ボックス1は、一面(前面)に開口部110を有している。さらに、本実施形態に係るカバーブロック2は、上述の分電盤10に用いられる。カバーブロック2は、少なくとも第2部材(開閉カバー)22を備えている。本実施形態では、カバーブロック2は、第1部材(カバー本体)21と第2部材(開閉カバー)22との両方を備えている。
【0017】
本実施形態に係る分電盤10は、
図1A及び
図1Bに示すように、造営材100に取り付けられる。この状態では、ボックス1は、造営材100に埋め込まれている(
図1B参照)。つまり、分電盤10を造営材100に取り付けた状態では、ボックス1が造営材100に埋め込まれており、カバーブロック2のみが露出している。
【0018】
本実施形態に係る分電盤10では、第1軸受213の第1軸孔2130と第2軸受221,222の第2軸孔2210,2220とが一直線上に位置するように、第1部材21と第2部材22とが組み合わされる。このため、第1部材21と第2部材22との一方に回転用軸が設けられ、第1部材21と第2部材22との他方に回転用軸を保持する軸受が設けられている場合と比較して、分電盤10の薄型化を図ることができる。
【0019】
また、本実施形態に係る分電盤10のように、ボックス1を造営材100に埋め込んだ場合には、ボックス1を造営材100の表面に取り付ける場合と比較して、造営材100の表面からの突出量を小さくすることができる。
【0020】
以下の説明では、第2軸受221,222を区別する場合には、第2軸受221を「外側第2軸受221」といい、第2軸受222を「内側第2軸受222」という。
【0021】
(2)詳細
以下、本実施形態に係る分電盤10の詳細について、
図1A~
図5Dを参照して説明する。本実施形態に係る分電盤10は、
図1A、
図1B及び
図2に示すように、ボックス1と、カバーブロック2と、を備えている。
【0022】
(2.1)ボックス
ボックス1は、
図2に示すように、一面(前面)に開口部110を有し、左右方向に長い矩形の箱体である。開口部110は、左右方向に長い矩形状である。ボックス1は、筐体11Aと、一対の側板11Bと、を含む。筐体11Aは、例えば、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂等の合成樹脂によって、左右方向から見てU字状に形成されている(
図1B参照)。筐体11Aの上面及び下面の各々には、通線用の複数のノックアウト孔が設けられている。一対の側板11Bの各々は、例えば、板金によって上下方向に長い矩形の板状に形成されている。一対の側板11Bは、筐体11Aの左右両側の開口を塞ぐように、適宜の手段(例えば、ねじ止め)にて筐体11Aに取り付けられる。
【0023】
ボックス1の内部には、複数(図示例では16個)のブレーカ5が収納されている。複数のブレーカ5は、左右方向において一列に並べられた状態で、一対の取付金具3及びレール4を介してボックス1に取り付けられている。
【0024】
一対の取付金具3の各々は、第1取付部31と、第2取付部32と、連結部33(
図1B参照)と、を含む。本実施形態では、第1取付部31と第2取付部32と連結部33とが、例えば、板金によって一体に形成されている。
【0025】
第1取付部31は、上下方向に長い矩形の板状に形成されている。第1取付部31は、複数(図示例では2つ)の金具用挿通孔311と、カバー用ねじ孔312と、を有している。複数の金具用挿通孔311の各々は、第1取付部31の厚さ方向(前後方向)に貫通した、所謂だるま孔である。複数の金具用挿通孔311の各々には、取付金具3をボックス1に固定するための金具用固定ねじが挿通される。カバー用ねじ孔312は、第1取付部31の厚さ方向に貫通しており、カバーブロック2をボックス1に固定するための固定ねじがねじ込まれる。
【0026】
第2取付部32は、左右方向に長い矩形の板状に形成されている。第2取付部32は、複数のレール用挿通孔を有している。複数のレール用挿通孔の各々には、レール4を取付金具3に固定するためのレール用固定ねじが挿通される。第1取付部31及び第2取付部32は、連結部33によって一体に形成(連結)されている。連結部33は、
図1Bに示すように、左右方向から見て台形状に形成されている。連結部33の前端部が第1取付部31の左端部又は右端部に接続され、連結部33の後端部が第2取付部32の右端部又は左端部に接続されている。
【0027】
レール4は、例えば、JIS-C-2812の規格に準拠したDINレールである。レール4は、左右方向に長い長尺状に形成されている。レール4の両端部には、2個1組のねじ孔がそれぞれ設けられている。これらのねじ孔には、上述のレール用固定ねじがねじ込まれる。
【0028】
複数のブレーカ5の各々は、直方体状に形成された筐体51を有している。筐体51の前面には、ブレーカ5をオン/オフするための操作レバー52が設けられている。
【0029】
また、ボックス1の内部には、更に、複数の端子台6が収納されている。複数の端子台6は、ボックス1の上端部において左右方向に並んでいる。複数のブレーカ5と複数の端子台6との間は電線によって電気的に接続されている。
【0030】
(2.2)カバーブロック
カバーブロック2は、
図1A及び
図1Bに示すように、カバー本体21と、開閉カバー22と、回転用軸6(
図4参照)と、を備えている。本実施形態では、カバー本体21が第1部材であり、開閉カバー22が第2部材である。カバー本体21及び開閉カバー22の各々は、例えば、ABS樹脂等の合成樹脂によって形成されている。
【0031】
(2.2.1)カバー本体
カバー本体21は、
図1A及び
図1Bに示すように、左右方向に長い矩形の板状に形成されている。カバー本体21の外形寸法(上下寸法及び左右寸法)は、上述のボックス1の外形寸法よりも大きい。このため、カバーブロック2をボックス1に取り付けた状態では、カバーブロック2によってボックス1が覆われており、前方からボックス1が見えないようになっている。
【0032】
カバー本体21は、
図1Aに示すように、第1エリアA1と、複数(図示例では2つ)の第2エリアA2と、を有している。第1エリアA1は、前方(正面)から見て左右方向に長い矩形状である。第1エリアA1は、カバー本体21の中央部に位置している。複数の第2エリアA2の各々は、前方から見て上下方向に長い矩形状である。複数の第2エリアA2は、第1エリアA1の左右方向の両側に位置している。
【0033】
第1エリアA1には、露出窓211と、凹部214(
図5A参照)と、が設けられている。本実施形態では、第1部材であるカバー本体21が、凸部223(後述する)が差し込まれる凹部214を有している。
【0034】
露出窓211は、
図1Aに示すように、左右方向に長い矩形状であって、第1エリアA1の中央部に位置している。露出窓211は、レール4に取り付けられている複数のブレーカ5の機能部位(操作レバー52が設けられている部位)を露出可能な大きさに形成されている。このため、カバーブロック2がボックス1に取り付けられている状態であっても、露出窓211から露出する操作レバー52(
図2参照)によってブレーカ5をオン/オフすることができる。
【0035】
凹部214は、第1エリアA1の下端部で、かつ左右方向の中央部に位置している。言い換えると、凹部214は、開閉カバー22を閉じた状態で開閉カバー22の凸部223と対応する位置に設けられている。凹部214は、上方から見て左右方向に長い矩形状に形成されている。凹部214の底面(下面)は開放されており、開口部2140となっている(
図5A参照)。凹部214には、開閉カバー22が第1位置にある状態で凸部223が差し込まれ、これにより開閉カバー22が第1位置に保持される。尚、開閉カバー22の保持構造については、「(3.2)保持構造」の欄で詳しく説明する。
【0036】
複数の第2エリアA2の各々には、固定部212と、第1軸受213と、が設けられている。ここで、左側の第2エリアA2と右側の第2エリアA2とでは、固定部212及び第1軸受213の位置が左右で逆になっているだけである。このため、ここでは左側の第2エリアA2について説明し、右側の第2エリアA2については説明を省略する。
【0037】
固定部212は、
図1Aに示すように、第2エリアA2の右端部で、かつ上下方向の中央部に位置している。固定部212は、前方から見て矩形状に形成されている。固定部212の底面(後面)には、前後方向に貫通し、上述の固定ねじが挿通される楕円状の挿通孔2120が設けられている。本実施形態に係る分電盤10では、固定部212の挿通孔2120に挿通させた固定ねじを、取付金具3の第1取付部31に設けられたカバー用ねじ孔312にねじ込むことによって、カバーブロック2をボックス1に固定することができる。
【0038】
第1軸受213は、
図1Aに示すように、第2エリアA2の上端部で、かつ左右方向の中央部に位置している。第1軸受213は、
図3Aに示すように、左右方向を軸方向とする筒状に形成されている。第1軸受213は、左右方向(長手方向)に貫通する第1軸孔2130を有している。第1軸孔2130は、左右方向から見て前後方向を長径とする楕円状に形成されている。したがって、第1軸孔2130に挿入された回転用軸6の軸本体61(後述する)は、開閉カバー22の開閉時において第1軸孔2130内を前後方向に移動可能である。
【0039】
(2.2.2)開閉カバー
開閉カバー22は、
図1A及び
図1Bに示すように、左右方向に長い矩形の板状に形成されている。開閉カバー22は、カバー本体21の第1エリアA1及び複数の第2エリアA2を覆う大きさに形成されている。開閉カバー22は、複数(図示例では2つ)の外側第2軸受221と、複数(図示例では2つ)の内側第2軸受222と、凸部223と、複数(
図4では片方のみ図示)の抜け止め部224と、を有している。複数の外側第2軸受221と複数の内側第2軸受222とは一対一に対応している。本実施形態では、第2部材である開閉カバー22が凸部223を有している。また、本実施形態では、第2部材である開閉カバー22が抜け止め部224を有している。
【0040】
複数の外側第2軸受221は、開閉カバー22の後面における上端部で、かつ左右方向の両端部に位置している。複数の外側第2軸受221の各々は、左右方向を軸方向とする筒状に形成されている。複数の外側第2軸受221の各々は、左右方向(長手方向)に貫通する第2軸孔2210を有している。第2軸孔2210は、左右方向から見て円形に形成されている。第2軸孔2210の内径は、回転用軸6の軸本体61の外径(直径)よりもわずかに大きい。
【0041】
複数の内側第2軸受222の各々は、開閉カバー22の後面において、複数の外側第2軸受221のうち対応する外側第2軸受221との間に第1間隔を空けた状態で、対応する外側第2軸受221の内側(左側又は右側)に位置している。第1間隔は、カバー本体21の第1軸受213の長さよりもわずかに大きい間隔である。したがって、カバー本体21と開閉カバー22とを組み合わせた状態では、外側第2軸受221と内側第2軸受222との間に第1軸受213が配置される(
図4参照)。複数の内側第2軸受222の各々は、左右方向を軸方向とする筒状に形成されている。複数の内側第2軸受222の各々は、左右方向(長手方向)に貫通する第2軸孔2220を有している。第2軸孔2220は、左右方向から見て円形に形成されている。第2軸孔2220の内径は、回転用軸6の軸本体61の外径(直径)よりもわずかに大きい。
【0042】
凸部223は、開閉カバー22の後面における下端部で、かつ左右方向の中央部に位置している。言い換えると、凸部223は、開閉カバー22を閉じた状態、つまり開閉カバー22が第1位置にある状態で、カバー本体21の凹部214と対応する位置に設けられている(
図5C参照)。凸部223は、後方から見て左右方向に長い矩形状であって、開閉カバー22の下端部から下方に突出している。
【0043】
複数の抜け止め部224は、複数の内側第2軸受222と一対一に対応している。複数の抜け止め部224は、複数の内側第2軸受222のうち対応する内側第2軸受222との間に第2間隔を空けた状態で、対応する内側第2軸受222よりも内側(左側又は右側)に位置している(
図3B参照)。第2間隔は、第1軸孔2130及び第2軸孔2210,2220の両方に挿入された回転用軸6の曲げ部62が抜け止め部224に接触した状態で、外側第2軸受221の第2軸孔2210から軸本体61が抜けない程度の間隔である。言い換えると、抜け止め部224は、回転用軸6の軸本体61が第1軸孔2130及び第2軸孔2210,2220の両方に挿入された状態で曲げ部62が接触する位置に設けられている。
【0044】
また、複数の抜け止め部224の各々は、複数の内側第2軸受222のうち対応する内側第2軸受222の第2軸孔2220の延長線上に位置している。言い換えると、抜け止め部224は、第2軸受222の第2軸孔2220の中心を通る直線L1(
図3B参照)上に位置している。このため、例えば振動等によって回転用軸6が抜け止め部224に近づく向き(回転用軸6が抜ける向き)に移動した場合でも、曲げ部62が抜け止め部224に接触することによって回転用軸6が抜けにくいという利点がある。
【0045】
(2.2.3)回転用軸
回転用軸6は、例えば、SUS304からなる金属線である。回転用軸6は、
図4に示すように、軸本体61と、曲げ部62と、を含む。軸本体61は、一方向(左右方向)に延びる棒状に形成されている。曲げ部62は、軸本体61の長手方向(左右方向)の一端部において上記一方向と交差する方向に延びる棒状に形成されている。つまり、回転用軸6は、軸本体61と曲げ部62とでL字状に形成されている。回転用軸6の外径(線径)は、例えば、0.5~0.6mmである。曲げ部62の長さは、例えば、3~5mmである。軸本体61の長さは、第2間隔の長さよりも長い。本実施形態では、軸本体61の長さは、第1軸受213の長さと第2軸受222の長さと第2間隔の長さとの合計よりも長い。つまり、軸本体61の長さは、曲げ部62が抜け止め部224に接触している状態で第2軸孔2210から抜けない長さであることが好ましい。回転用軸6は、弾性を有している。回転用軸6のヤング率(縦弾性係数)は、例えば、186×10
3~200×10
3N/mm
2であることが好ましい。より好ましくは、回転用軸6のヤング率は、186×10
3N/mm
2であるのがよい。
【0046】
(3)構造
(3.1)回転構造
まず、開閉カバー22の回転構造について、
図4を参照して説明する。
図4は、カバー本体21に対して開閉カバー22を開けた状態の要部を示す拡大図である。尚、
図4では、カバー本体21と開閉カバー22とを区別しやすいように、カバー本体21にハッチングを施している。
【0047】
カバー本体21と開閉カバー22とを組み合わせた状態では、カバー本体21に設けられた第1軸受213と、開閉カバー22に設けられた第2軸受221,222とが一直線上に位置している。言い換えると、カバー本体21と開閉カバー22とを組み合わせた状態では、第1軸受213の第1軸孔2130の中心及び第2軸受221,222の第2軸孔2210,2220の中心が直線L1上に位置している。そして、直線L1上に位置している第1軸孔2130及び第2軸孔2210,2220に回転用軸6の軸本体61を挿入することによって、開閉カバー22が回転可能な状態でカバー本体21に取り付けられる。
【0048】
このとき、回転用軸6の曲げ部62は、
図4に示すように、内側第2軸受222の右端面又は左端面に接触している。言い換えると、曲げ部62は、軸本体61が第1軸孔2130及び第2軸孔2210,2220の両方に挿入された状態で第1軸受213又は第2軸受221,222の端部に接触している。これにより、回転用軸6の左方又は右方への移動を規制することができる。
【0049】
また、抜け止め部224は、内側第2軸受222との間に第2間隔を空けた状態で、内側第2軸受222の内側に位置している。
図4に示す状態から、例えば振動等によって回転用軸6が抜け止め部224に近づく向き(回転用軸6が抜ける向き)に移動した場合には、曲げ部62が抜け止め部224に接触することによって回転用軸6の移動が規制される。その結果、回転用軸6が抜けにくいという利点がある。しかも、曲げ部62が抜け止め部224に接触している状態では、軸本体61の一部が外側第2軸受221の軸孔2210に挿入されている。その結果、開閉カバー22をスムーズに開閉させることができる。
【0050】
ところで、本実施形態に係る分電盤10では、
図4に示すように、カバー本体21は1つの第1軸受213を有し、開閉カバー22は2つの第2軸受221,222を有している。つまり、第1軸受213と第2軸受221,222との少なくとも一方は2つ以上である。これらの第1軸受213及び第2軸受221,222は、回転用軸6に平行な方向(左右方向)において交互に配置されている。本実施形態では、2つの第2軸受221,222の間に第1軸受213が配置されており、3つの第1軸受213及び第2軸受221,222が左右方向に並んでいる。このように、第1部材であるカバー本体21に設けられた第1軸受213と、第2部材である開閉カバー22に設けられた第2軸受221,222とを交互に配置することによって、開閉カバー22の動作が安定するという利点がある。
【0051】
さらに、本実施形態に係る分電盤10では、カバー本体21と開閉カバー22とを組み合わせた状態で、第1軸受213の第1軸孔2130と第2軸受221,222の第2軸孔2210,2220とが一直線上に位置している。このため、カバー本体21と開閉カバー22との一方に回転用軸が設けられ、カバー本体21と開閉カバー22との他方に回転用軸を保持する軸受が設けられている場合と比較して、分電盤10の薄型化を図ることができる。
【0052】
(3.2)保持構造
次に、開閉カバー22の保持構造について、
図5A~
図5Dを参照して説明する。
図5Aは、開閉カバー22が第1位置よりも手前の第3位置にある状態の要部を示す断面図である。
図5Bは、開閉カバー22が第3位置にある状態での回転用軸6の形状を示す模式図である。
図5Cは、開閉カバー22が第1位置にある状態の要部を示す断面図である。
図5Dは、開閉カバー22が第1位置にある状態での回転用軸6の形状を示す模式図である。尚、
図5Bでは、回転用軸6の軸本体61が変形していることが分かりやすいように図示しており、必ずしも実際の変形量を反映しているとは限らない。
【0053】
開閉カバー22を閉じる向き(右側から見て反時計回り)に開閉カバー22を回転させていき、開閉カバー22が第3位置にある状態では開閉カバー22の凸部223がカバー本体21の第1エリアA1の下端部に接触している(
図5A参照)。このとき、回転用軸6の軸本体61は、
図5Bに示すように、開閉カバー22の第2軸受221,222に対応する両端部分がカバー本体21の第1軸受213に対応する中央部分よりも上方に位置するように弾性変形している。その結果、開閉カバー22は、第1位置にある状態よりも上方に変位している。
【0054】
開閉カバー22を第3位置から第1位置に移動させると、
図5Cに示すように、開閉カバー22の凸部223がカバー本体21の凹部214に差し込まれる。このとき、凸部223の先端部が凹部214の開口部2140を通過する位置まで開閉カバー22が下方に移動する。その結果、カバー本体21の第1軸受213と開閉カバー22の第2軸受221,222とが一直線上に位置し、これにより回転用軸6の軸本体61が元の状態に戻る(
図5D参照)。
【0055】
言い換えると、本実施形態に係る分電盤10では、回転用軸6に平行な方向(左右方向)と交差する方向(上下方向)に回転用軸6が弾性変形することによって、凸部223が凹部214に差し込まれる。そして、凸部223が凹部214に差し込まれた状態では、開閉カバー(第2部材)22が第1位置に保持される。この構成によれば、回転用軸6に平行な方向と交差する方向に回転用軸6が弾性変形することによって凸部223を凹部214に差し込むことができ、これにより開閉カバー22を第1位置に保持することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る分電盤10のように、回転用軸6が弾性を有している場合には、回転用軸6が弾性変形することによって、カバー本体21に対して開閉カバー22を上下方向に変位させることができる。
【0057】
(4)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0058】
(4.1)変形例1
上述の実施形態では、カバー本体21が第1部材、開閉カバー22が第2部材であったが、
図6に示すように、ボックス1Aが第1部材であってもよい。以下、変形例1に係る分電盤10Aについて、
図6を参照して説明する。尚、変形例1に係る分電盤10Aは、ボックス1Aが第1部材であって、開閉カバー22がボックス1に直接取り付けられる点を除いて、上述の実施形態に係る分電盤10と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0059】
変形例1に係る分電盤10Aは、
図6に示すように、ボックス1Aと、開閉カバー22と、回転用軸6(
図4参照)と、を備えている。また、分電盤10Aは、複数(図示例では16個)のブレーカ5を更に備えている。
【0060】
ボックス1Aは、
図6に示すように、左右方向を軸方向とする複数(図示例では2つ)の第1軸受12を有している。複数の第1軸受12は、ボックス1Aの左右方向の両端部に設けられている。一方、開閉カバー22は、複数(図示例では2つ)の第2軸受221,222を有している。そして、ボックス1Aと開閉カバー22とを組み合わせた状態では、第1軸受12の第1軸孔と第2軸受221,222の第2軸孔とが一直線上に位置するように、第1軸受12と第2軸受221,222とが左右方向(回転用軸6に平行な方向)に交互に配置される。
【0061】
この構成によれば、第1部材であるボックス1Aに回転用軸が設けられ、第2部材である開閉カバー22に回転用軸を保持する軸受が設けられている場合と比較して、分電盤10Aを薄型化することができる。
【0062】
(4.2)変形例2
上述の実施形態では、第2部材である開閉カバー22が凸部223を有し、第1部材であるカバー本体21が凹部214を有していたが、逆であってもよい。言い換えると、第1部材であるカバー本体21Bが凸部215を有し、第2部材である開閉カバー22Bが凹部225を有していてもよい。以下、変形例2に係る分電盤について、
図7を参照して説明する。尚、変形例2に係る分電盤は、カバー本体21Bが凸部215を有し、開閉カバー22Bが凹部225を有している点を除いて、上述の実施形態に係る分電盤10と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0063】
変形例2に係る分電盤は、ボックス1(
図2参照)と、カバーブロック2Bと、を備えている。カバーブロック2Bは、
図7に示すように、カバー本体21Bと、開閉カバー22Bと、を備えている。
【0064】
カバー本体21Bにおいて、第1エリアA1の下端部で、かつ左右方向の中央部には凸部215が設けられている。凸部215は、第1エリアA1の下端部から上方に突出する縦片と縦片の先端から前方に突出する横片とで、左右方向から見てL字状に形成されている。凸部215の横片の先端には、突起2150が一体に形成されている。
【0065】
開閉カバー22Bの下端部で、かつ左右方向の中央部には、上述の凸部215が差し込まれる凹部225が設けられている。凹部225は、前後方向(開閉カバー22Bの厚さ方向)に貫通している。凹部225は、突起2150を含む凸部215が挿通可能な大きさに形成されている。開閉カバー22Bの後面で、かつ凹部225の上側の開口端縁には、
図7に示すように、テーパ2250が形成されていることが好ましい。この構成によれば、凸部215が凹部225に差し込まれる際にテーパ2250がガイドとして機能し、凸部215をスムーズに凹部225に差し込むことができる。
【0066】
次に、開閉カバー22Bを閉じる動作について、
図7を参照して説明する。
【0067】
右側から見て開閉カバー22Bを反時計回りに回転させていくと、開閉カバー22Bが第1位置に達する手前で凸部215の突起2150がテーパ2250に接触する。これにより、開閉カバー22Bが上向きに押し上げられ、その結果、回転用軸6の軸本体61が弾性変形する(
図5B参照)。そして、開閉カバー22Bが第1位置に達すると、
図7に示すように、凸部215の突起2150が凹部225の開口端縁に引っ掛かり、開閉カバー22Bが第1位置に保持される。このとき、回転用軸6の軸本体61は、元の状態に戻る(
図5D参照)。
【0068】
変形例2によれば、カバー本体21Bに設けられた凸部215の突起2150が開閉カバー22Bに設けられた凹部225の開口端縁に引っ掛かることによって、開閉カバー22Bを第1位置に保持することができる。
【0069】
(4.3)変形例3
上述の実施形態では、第2部材である開閉カバー22が抜け止め部224を有していたが、
図8に示すように、第1部材であるカバー本体21Cが抜け止め部216を有していてもよい。以下、変形例3に係る分電盤について、
図8を参照して説明する。尚、変形例3に係る分電盤は、カバー本体21Cが抜け止め部216を有している点を除いて、上述の実施形態に係る分電盤10と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0070】
変形例3に係る分電盤は、ボックス1(
図2参照)と、カバーブロック2Cと、を備えている。カバーブロック2Cは、カバー本体21Cと、開閉カバー22と、を備えている。
【0071】
カバー本体21Cは、
図8に示すように、抜け止め部216を更に有している。抜け止め部216は、カバー本体21Cにおいて、カバー本体21Cと開閉カバー22とを組み合わせた状態で内側第2軸受222との間隔が第2間隔となる位置に設けられている。また、抜け止め部216は、第1軸受213の第1軸孔2130及び第2軸受221,222の第2軸孔2210,2220の延長線上に位置している。
【0072】
この構成によれば、例えば振動等によって、回転用軸6が抜ける方向に移動した場合でも、曲げ部62が抜け止め部216に接触することによって回転用軸6が抜けにくいという利点がある。
【0073】
(4.4)その他の変形例
上述の実施形態では、回転用軸6がSUS304からなる金属線であったが、回転用軸6は、例えば、ピアノ線等であってもよい。また、上述の実施形態では、回転用軸6が弾性を有しているが、回転用軸6は弾性を有していなくてもよい。
【0074】
上述の実施形態では、分電盤10が3つの軸受(第1軸受213及び第2軸受221,222)を備えていたが、分電盤10は4つ以上の軸受を備えていてもよい。また、上述の実施形態では、分電盤10が1つの第1軸受213と2つの第2軸受221,222とを備えていたが、第1軸受及び第2軸受の個数は上記の個数に限定されない。例えば、分電盤10は、2つの第1軸受と1つの第2軸受とを備えていてもよく、この場合、2つの第1軸受の間に第2軸受が配置されていればよい。
【0075】
上述の実施形態では、開閉カバー22に抜け止め部224が設けられ、変形例3では、カバー本体21Cに抜け止め部216が設けられているが、カバー本体と開閉カバーとの両方に抜け止め部が設けられていてもよい。また、変形例1のように、ボックス1Aが第1部材である場合には、ボックス1Aと開閉カバー22との一方に抜け止め部が設けられていてもよいし、両方に抜け止め部が設けられていてもよい。
【0076】
上述の実施形態では、回転用軸6が曲げ部62を含んでいるが、回転用軸6は、少なくとも軸本体61を有していればよく、曲げ部62は省略されていてもよい。
【0077】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る分電盤(10)は、第1部材(21)と、第2部材(22)と、回転用軸(6)と、を備える。第2部材(22)は、第1位置(閉位置)と第2位置(開位置)との間で回転可能な状態で第1部材(21)に取り付けられる。第1部材(21)は、第1軸孔(2130)が形成された第1軸受(213)を有する。第2部材(22)は、第2軸孔(2210,2220)が形成された第2軸受(221,222)を有する。第1軸孔(2130)と第2軸孔(2210,2220)とは、第1部材(21)と第2部材(22)とを組み合わせた状態で一直線上に位置している。回転用軸(6)の少なくとも一部(例えば、軸本体61)は、第1軸孔(2130)及び第2軸孔(2210,2220)の両方に挿入される。
【0078】
この態様によれば、第1軸受(213)の第1軸孔(2130)と第2軸受(221,222)の第2軸孔(2210,2220)とが一直線上に位置するように、第1部材(21)と第2部材(22)とが組み合わされる。このため、第1部材(21)と第2部材(22)との一方に回転用軸が設けられ、第1部材(21)と第2部材(22)との他方に回転用軸を保持する軸受が設けられている場合と比較して、分電盤(10)の薄型化を図ることができる。
【0079】
第2の態様に係る分電盤(10)では、第1の態様において、回転用軸(6)は、一方向に延びる軸本体(61)と、軸本体(61)の長手方向の一端部において上記一方向と交差する方向に延びる曲げ部(62)と、を含む。曲げ部(62)は、軸本体(61)が第1軸孔(2130)及び第2軸孔(2210,2220)の両方に挿入された状態で第1軸受(213)又は第2軸受(221,222)の端部に接触する。
【0080】
この態様によれば、回転用軸(6)の移動を規制することができる。
【0081】
第3の態様に係る分電盤(10)では、第2の態様において、第1部材(21)と第2部材(22)との少なくとも一方は、第1軸孔(2130)及び第2軸孔(2210,2220)の延長線上に位置する抜け止め部(224)を更に有する。抜け止め部(224)は、軸本体(61)が第1軸孔(2130)及び第2軸孔(2210,2220)の両方に挿入された状態で曲げ部(62)が接触する位置に設けられている。
【0082】
この態様によれば、回転用軸(6)が抜けにくいという利点がある。
【0083】
第4の態様に係る分電盤(10)では、第1~3のいずれかの態様において、回転用軸(6)は、弾性を有している。
【0084】
この態様によれば、回転用軸(6)が弾性変形することによって、第1部材(21)に対して第2部材(22)を変位させることができる。
【0085】
第5の態様に係る分電盤(10)では、第4の態様において、第1部材(21)と第2部材(22)との一方は、凸部(223)を有する。第1部材(21)と第2部材(22)との他方は、凸部(223)が差し込まれる凹部(214)を有する。回転用軸(6)に平行な方向と交差する方向に回転用軸(6)が弾性変形することによって凸部(223)が凹部(214)に差し込まれる。第2部材(22)は、凸部(223)が凹部(214)に差し込まれた状態で第1位置に保持される。
【0086】
この態様によれば、回転用軸(6)に平行な方向と交差する方向に回転用軸(6)が弾性変形することによって凸部(223)を凹部(214)に差し込むことができ、これにより第2部材(22)を第1位置に保持することができる。
【0087】
第6の態様に係る分電盤(10)では、第1~5のいずれかの態様において、第1軸受(213)と第2軸受(221,222)との少なくとも一方は2つ以上である。回転用軸(6)に平行な方向において第1軸受(213)と第2軸受(221,222)とが交互に配置される。
【0088】
この態様によれば、回転用軸(6)に平行な方向において第1軸受(213)と第2軸受(221,222)とが交互に配置されており、第2部材(22)の開閉動作が安定するという利点がある。
【0089】
第7の態様に係る分電盤(10)は、第1~6のいずれかの態様において、一面に開口部(110)を有するボックス(1)に収納されるブレーカ(5)を更に備える。
【0090】
この態様によれば、分電盤(10)の薄型化を図ることができる。
【0091】
第8の態様に係るカバーブロック(2)は、第1~7のいずれかの態様に係る分電盤(10)に用いられる。カバーブロック(2)は、少なくとも第2部材(22)を備える。
【0092】
この態様によれば、分電盤(10)の薄型化を図ることができる。
【0093】
第2~7の態様に係る構成については、分電盤(10)の必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0094】
1 ボックス
2 カバーブロック
5 ブレーカ
6 回転用軸
10 分電盤
21 カバー本体(第1部材)
22 開閉カバー(第2部材)
61 軸本体
62 曲げ部
110 開口部
213 第1軸受
214 凹部
221,222 第2軸受
223 凸部
224 抜け止め部
2130 第1軸孔
2210,2220 第2軸孔