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  • 特許-捕虫器本体および捕虫器 図1
  • 特許-捕虫器本体および捕虫器 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-24
(45)【発行日】2022-12-02
(54)【発明の名称】捕虫器本体および捕虫器
(51)【国際特許分類】
   A01M 1/14 20060101AFI20221125BHJP
   A01M 1/02 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
A01M1/14 S
A01M1/02 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019213831
(22)【出願日】2019-11-27
(65)【公開番号】P2021083348
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2021-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000100469
【氏名又は名称】みのる産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】杉本 重郎
(72)【発明者】
【氏名】浅野 史也
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-279254(JP,A)
【文献】特開2009-183164(JP,A)
【文献】特開平11-192043(JP,A)
【文献】特開2012-075381(JP,A)
【文献】特開平11-332446(JP,A)
【文献】特開2009-195119(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1943259(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/14
A01M 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
害虫を捕獲する捕虫器の捕虫器本体であって、
害虫を引き寄せる誘引剤の成分を放出する誘引器を保持する誘引器保持部と、
前記誘引器保持部に保持された前記誘引器の周囲において、粘着シートを吊り下げるシート吊下部と、
を有し、
前記シート吊下部は、
前記粘着シートの上部に設けられた爪部を挿入可能な吊下孔
を有する、捕虫器本体。
【請求項2】
請求項1に記載の捕虫器本体であって、
複数の前記シート吊下部を有する、捕虫器本体。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の捕虫器本体であって、
前記シート吊下部は、
前記粘着シートの上部に設けられた孔に挿入可能な吊下突起
を有する、捕虫器本体。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の捕虫器本体であって、
前記誘引器保持部に保持された前記誘引器の上部を覆う天板部
を備え、
前記天板部が、前記シート吊下部を有する、捕虫器本体。
【請求項5】
請求項4に記載の捕虫器本体であって、
前記天板部よりも下方に位置する台座部
をさらに備え、
前記台座部が、前記誘引器保持部を有する、捕虫器本体。
【請求項6】
請求項5に記載の捕虫器本体であって、
前記台座部は、
前記粘着シートの両側部を保持する一対の保持溝
をさらに有する、捕虫器本体。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の捕虫器本体であって、
前記誘引器は、前記天板部と前記台座部との間から、前記誘引剤の成分を放出し、
前記台座部は、
上下方向に貫通する通気孔
をさらに有する、捕虫器本体。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の捕虫器本体と、
前記誘引器と、
前記粘着シートと、
を備えた、捕虫器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、害虫を捕獲する捕虫器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農園のビニルハウス内において、アザミウマやコナジラミなどの害虫を捕獲する捕虫器が知られている。捕虫器は、例えば、害虫を誘引して、誘引した害虫を、粘着シートに付着させることにより捕獲する。粘着シートを用いた従来の捕虫器については、例えば、特許文献1,2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-000156号公報
【文献】特許第5166057号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
捕虫器の粘着シートは、定期的に交換される消耗品であるため、極力コストを抑えたいという要求がある。しかしながら、捕虫器本体の形状・サイズに合わせて、専用の粘着シートを作成すると、粘着シートの1枚あたりの製造コストが増大する、という問題がある。
【0005】
また、粘着シート30は、表面が粘着層に覆われているため、取り扱いが難しい。しかも、ビニルハウス内には、多数の捕虫器を設置する必要がある。このような多数の捕虫器に、粘着シートを1つ1つ取り付ける作業には、多大な労力が必要であった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、粘着シートの形状や大きさが厳密に制限されず、捕虫器本体に粘着シートを容易に取り付けることができる構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、害虫を捕獲する捕虫器の捕虫器本体であって、害虫を引き寄せる誘引剤の成分を放出する誘引器を保持する誘引器保持部と、前記誘引器保持部に保持された前記誘引器の周囲において、粘着シートを吊り下げるシート吊下部と、を有し、前記シート吊下部は、前記粘着シートの上部に設けられた爪部を挿入可能な吊下孔を有する。
【0008】
本願の第2発明は、第1発明の捕虫器本体であって、複数の前記シート吊下部を有する。
【0009】
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の捕虫器本体であって、前記シート吊下部は、前記粘着シートの上部に設けられた孔に挿入可能な吊下突起を有する。
【0011】
本願の第4発明は、第1発明から第3発明までのいずれか1発明の捕虫器本体であって、前記誘引器保持部に保持された前記誘引器の上部を覆う天板部を備え、前記天板部が、前記シート吊下部を有する。
【0012】
本願の第5発明は、第4発明の捕虫器本体であって、前記天板部よりも下方に位置する台座部をさらに備え、前記台座部が、前記誘引器保持部を有する。
【0013】
本願の第6発明は、第5発明の捕虫器本体であって、前記台座部は、前記粘着シートの両側部を保持する一対の保持溝をさらに有する。
【0014】
本願の第7発明は、第5発明または第6発明の捕虫器本体であって、前記誘引器は、前記天板部と前記台座部との間から、前記誘引剤の成分を放出し、前記台座部は、上下方向に貫通する通気孔をさらに有する。
【0015】
本願の第8発明は、捕虫器であって、第1発明から第7発明までのいずれか1発明の捕虫器本体と、前記誘引器と、前記粘着シートと、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本願の第1発明から第8発明によれば、誘引剤の成分により害虫を引き寄せ、粘着シートに付着させることにより、害虫を捕獲できる。また、シート吊下部に粘着シートを吊り下げる構造のため、粘着シートの形状や大きさが厳密に制限されず、捕虫器本体に粘着シートを容易に取り付けることができる。特に、吊下孔を有することにより、捕虫器本体に、爪部を有する粘着シートを吊り下げることができる。
【0017】
特に、本願の第2発明によれば、捕虫器本体に、複数の粘着シートを吊り下げることができる。
【0018】
特に、本願の第3発明によれば、捕虫器本体に、孔を有する粘着シートを吊り下げることができる。
【0020】
特に、本願の第4発明によれば、誘引器に水滴がかかることを抑制できる。
【0021】
特に、本願の第6発明によれば、粘着シートの揺れを抑制できる。したがって、粘着シートが捕虫器本体の意図せぬ箇所に貼り付いたり、粘着シートがシート吊下部から外れて落下したりすることを、抑制できる。
【0022】
特に、本願の第7発明によれば、誘引剤の成分の一部が、通気孔を通って、台座部の下方へ拡散する。これにより、台座部よりも下方に位置する害虫を、粘着シートへ引き寄せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】捕虫器の正面図である。
図2】捕虫器の側面図である。
図3】捕虫器の上面図である。
図4図3中のA-A線に沿った捕虫器の縦断面図である。
図5図3中のB-B線に沿った捕虫器の縦断面図である。
図6】粘着シートの一例を示した図である。
図7】粘着シートの他の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0025】
<1.捕虫器の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る捕虫器1の正面図である。図2は、捕虫器1の側面図である。図3は、捕虫器1の上面図である。図4は、図3中のA-A線に沿った捕虫器1の縦断面図である。図5は、図3中のB-B線に沿った捕虫器1の縦断面図である。この捕虫器1は、農園のビニルハウス内において、アザミウマやコナジラミなどの微小害虫を捕獲するための装置である。図1図5に示すように、本実施形態の捕虫器1は、捕虫器本体10と、誘引器20と、複数の粘着シート30とを有する。誘引器20および粘着シート30は、定期的に交換される消耗品である。
【0026】
捕虫器本体10は、上段部品11および下段部品12を有する。捕虫器本体10は、上段部品11と下段部品12とを接続することにより、組み立てられる。上段部品11および下段部品12の材料は、樹脂であってもよく、あるいは、金属であってもよい。ただし、上段部品11および下段部品12の少なくとも表面は、捕獲対象となる微小害虫を誘引しやすい色であることが望ましい。例えば、捕獲対象となる微小害虫がコナジラミの場合、上段部品11および下段部品12の表面の色は、黄色であることが望ましい。
【0027】
上段部品11は、天板部41と、一対の脚部42とを有する。天板部41は、捕虫器本体10の最上部に位置し、捕虫器本体10の中心軸9を中心とする略円板状の外形を有する。後述する誘引器20の拡散スティック22の上部は、天板部41に覆われる。これにより、ビニルハウス内において散水が行われた時に、拡散スティック22に水滴がかかることを抑制できる。また、天板部41の上面は、外側へ向かうにつれて徐々に高さが低下する曲面状となっている。これにより、天板部41の上面に、水滴が溜まることが抑制される。
【0028】
天板部41の上面の中央には、頂部リング410が設けられている。捕虫器1のユーザは、ビニルハウス内の所定の位置に、頂部リング410を引っ掛けることにより、捕虫器1を吊して使用することができる。捕虫器1は、微小害虫が集まりやすい植物の成長点付近の高さに吊して配置することで、高い捕虫効果を得ることができる。
【0029】
また、天板部41は、外周部の2箇所に、シート吊下部50を有する。シート吊下部50は、粘着シート30を吊り下げるための構造である。本実施形態では、捕虫器1の中心軸9を挟んで、互いに反対側の位置に、シート吊下部50が設けられている。2箇所のシート吊下部50は、それぞれ、1つの吊下突起51と、一対の吊下孔52とを有する。吊下突起51は、天板部41の上面から、上方へ向けて突出する。吊下孔52は、吊下突起51の両側において、天板部41を上下方向に貫通する貫通孔である。シート吊下部50に対する粘着シート30の具体的な取り付け方法については、後述する。
【0030】
一対の脚部42は、天板部41から下方へ向けて延びる。一対の脚部42は、捕虫器1の中心軸9を挟んで、互いに反対側に位置する。なお、上段部品11が有する脚部42の数は、3本以上であってもよい。ただし、脚部42は、中心軸9を中心として等角度間隔に設けられていることが望ましい。図4に示すように、本実施形態の脚部42は、内部に空洞を有する円筒状となっている。空洞の上端部は、天板部41の上方の空間へ向けて開口している。
【0031】
下段部品12は、台座部61と、一対の柱部62とを有する。台座部61は、天板部41から間隔をあけて下方に位置し、捕虫器本体10の中心軸9を中心とする略円板状の外形を有する。図4および図5に示すように、台座部61は、その中央に、上下に貫通する保持孔610を有する。保持孔610の内周面には、雌ねじが形成されている。この保持孔610は、誘引器20を保持するための誘引器保持部として機能する。保持孔610に対する誘引器20の具体的な取り付け方法については、後述する。
【0032】
一対の柱部62は、台座部61の上面から上方へ向けて延びる。一対の柱部62は、捕虫器1の中心軸9を挟んで、互いに反対側に位置する。一対の柱部62は、それぞれ、脚部42の下方に位置する。なお、下段部品12が有する柱部62の数は、3本以上であってもよい。ただし、柱部62は、中心軸9を中心として等角度間隔に設けられていることが望ましい。図4に示すように、本実施形態の柱部62は、内部に空洞を有する円筒状となっている。空洞の下端部は、台座部61の下方の空間へ向けて開口している。
【0033】
上段部品11と下段部品12とを組み立てるときには、図4のように、上段部品11の脚部42の下端部と、下段部品12の柱部62の上端部とを、ねじ等の締結部材13により固定する。これにより、上段部品11と下段部品12とが接続されて、一体化される。
【0034】
誘引器20は、微小害虫を引き寄せる誘引剤の成分を、周囲に放出するための器具である。図1図2図4、および図5に示すように、誘引器20は、液体の誘引剤を貯留する容器であるボトル21と、ボトル21に挿入された拡散スティック22とを有する。ボトル21の上端部には、他の部分よりもくびれた開口筒部210が設けられている。また、開口筒部210の外周面には、雄ねじが形成されている。捕虫器1の使用時には、台座部61の保持孔610に、ボトル21の開口筒部210を、下方から挿入し、保持孔610の雌ねじに、ボトル21の雄ねじを螺合させる。これにより、捕虫器本体10に誘引器20を、容易に取り付けることができる。
【0035】
拡散スティック22は、誘引剤の成分を拡散させるための部材である。拡散スティック22には、例えば、繊維を束ねて棒状に成形したものが用いられる。拡散スティック22の下部は、ボトル21に挿入されて、ボトル21内の誘引剤に浸されている。拡散スティック22の上部は、ボトル21の開口筒部210から上方へ向けて突出している。ボトル21内の誘引剤は、拡散スティック22に浸透することにより、拡散スティック22の上部まで吸い上げられる。そして、拡散スティック22の上部から気化することによって、誘引剤の成分が周囲へ拡散する。なお、拡散スティック22の上端部は、誘引剤の拡散を促進させるために、ほぐして広げられていてもよい。
【0036】
ボトル21は、PETやガラスなどの透明な材料からなる。このため、捕虫器1のユーザは、ボトル21内の誘引剤の残量を、目視により容易に確認することができる。
【0037】
粘着シート30は、微小害虫を付着させる短冊状(矩形状)のシートである。粘着シート30の両面または片面には、粘着層が形成されている。粘着シート30の表面の色は、捕獲対象となる微小害虫を誘引しやすい色であることが望ましい。例えば、捕獲対象となる微小害虫がコナジラミの場合、粘着シート30の色は、黄色であることが望ましい。また、捕獲対象となる微小害虫がアザミウマの場合、粘着シート30の色は、青色であることが望ましい。
【0038】
捕虫器1の使用時には、ビニルハウス内に発生した微小害虫が、拡散スティック22から拡散される誘引剤の成分、捕虫器本体10の色、または粘着シート30の色により、捕虫器1へ引き寄せられる。そして、引き寄せられた微小害虫が、粘着シート30に付着する。これにより、微小害虫を捕獲することができる。捕虫器1のユーザは、一定期間が経過すると、微小害虫が付着した粘着シート30を廃棄して、新しい粘着シート30に取り替える。これにより、微小害虫を駆除できる。
【0039】
図6は、粘着シート30の一例を示した図である。図6の粘着シート30は、上部に円形の孔31を有する。捕虫器本体10に図6の粘着シート30を取り付けるときには、粘着シート30の孔31に、シート吊下部50の吊下突起51を挿入する。すなわち、吊下突起51に粘着シート30の孔31を引っ掛ける。これにより、捕虫器本体10に、粘着シート30を吊り下げることができる。本実施形態では、天板部41の外周部の2箇所に、吊下突起51が設けられている。このため、捕虫器本体10に保持された誘引器20の周囲において、2枚の粘着シート30を吊り下げることができる。
【0040】
図7は、粘着シート30の他の例を示した図である。図7の粘着シート30は、上部に一対の爪部32を有する。爪部32は、粘着シート30に形成されたV字状またはU字状の切り込みを、立ち上げたものである。捕虫器本体10に図7の粘着シート30を取り付けるときには、シート吊下部50の一対の吊下孔52に、粘着シート30の一対の爪部32を、それぞれ挿入する。すなわち、吊下孔52に粘着シート30の爪部32を引っ掛ける。これにより、捕虫器本体10に、粘着シート30を吊り下げることができる。本実施形態では、天板部41の外周部の2箇所に、一対の吊下孔52が設けられている。このため、捕虫器本体10に保持された誘引器20の周囲において、2枚の粘着シート30を吊り下げることができる。
【0041】
このように、この捕虫器本体10は、粘着シート30を吊り下げて保持することができる。このため、粘着シート30の形状や大きさが厳密に制限されず、捕虫器本体10に粘着シート30を容易に取り付けることができる。特に、本実施形態のシート吊下部50は、吊下突起51と吊下孔52とを有する。このため、図6のような孔31を有する粘着シート30でも、図7のような爪部32を有する粘着シート30でも、吊り下げることができる。これにより、仕様の異なる多くの粘着シート30に対応することができる。
【0042】
また、上述の通り、本実施形態の捕虫器本体10は、2枚の粘着シート30を吊り下げることができる。これにより、捕虫効果をより高めることができる。また、本実施形態では、2枚の粘着シート30が、誘引器20の周囲に、間隔をあけて吊り下げられる。このため、誘引器20から放出される誘引剤の成分は、2枚の粘着シート30の間の隙間を通って、周囲へ良好に拡散する。
【0043】
捕虫器1のユーザは、捕虫器本体10の2つのシート吊下部50に、異なる種類の粘着シート30を吊り下げてもよい。例えば、1つの捕虫器本体10に、図6の粘着シート30と、図7の粘着シート30とを、吊り下げてもよい。また、1つの捕虫器本体10に、コナジラミ用の黄色の粘着シート30と、アザミウマ用の青色の粘着シート30とを、吊り下げてもよい。
【0044】
なお、捕虫器本体10が有するシート吊下部50の数は、1つであってもよく、あるいは、3つ以上であってもよい。
【0045】
また、図1図3に示すように、本実施形態の台座部61は、外周部の2箇所に、シート保持部70を有する。シート保持部70は、粘着シート30の両側部を保持するための構造である。シート保持部70は、一対の保持溝71を有する。シート吊下部50に吊り下げられた粘着シート30の両側部は、一対の保持溝71に、それぞれ挿入される。これにより、粘着シート30の揺れが抑制される。したがって、粘着シート30が捕虫器本体10の意図せぬ箇所に貼り付いたり、粘着シート30がシート吊下部50から外れて落下したりすることを、抑制できる。
【0046】
また、図5に示すように、本実施形態の台座部61は、2つの通気孔612を有する。通気孔612は、台座部61を上下方向に貫通する。上述の通り、誘引器20の拡散スティック22は、天板部41と台座部61との間から、誘引剤の成分を放出する。この誘引剤の成分の一部は、2つの通気孔612を通って、台座部61の下方へ拡散する。これにより、台座部61よりも下方に位置する微小害虫を、粘着シート30へ引き寄せることができる。
【0047】
また、捕虫器本体10を収納するときは、上段部品11と下段部品12とを分離し、上段部品11の一対の脚部42を、台座部61の通気孔612に挿入することで、上段部品11と下段部品12とをスタッキングすることができる。これにより、捕虫器本体10をコンパクトに収納できる。
【0048】
<2.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0049】
捕虫器本体の細部の形状については、本願の各図に示された形状と、相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。また、捕虫器は、コナジラミ、アザミウマ以外の害虫を捕獲するためのものであってもよい。また、捕虫器は、ビニルハウスの外で使用されるものであってもよい。
【0050】
また、上記実施形態の誘引器20は、液状の誘引剤を保持するものであった。しかしながら、誘引器に保持される誘引剤は、液状には限られない。誘引剤は、ゼリー状、固形状、粉粒状等であってもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 捕虫器
9 中心軸
10 捕虫器本体
11 上段部品
12 下段部品
13 締結部材
20 誘引器
21 ボトル
22 拡散スティック
30 粘着シート
31 孔
32 爪部
41 天板部
42 脚部
50 シート吊下部
51 吊下突起
52 吊下孔
61 台座部
62 柱部
70 シート保持部
71 保持溝
210 開口筒部
410 頂部リング
610 保持孔
612 通気孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7