(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-24
(45)【発行日】2022-12-02
(54)【発明の名称】観賞用植物の給水鉢
(51)【国際特許分類】
A01G 9/02 20180101AFI20221125BHJP
A01G 27/06 20060101ALI20221125BHJP
A01G 22/63 20180101ALI20221125BHJP
【FI】
A01G9/02 101J
A01G9/02 E
A01G9/02 101U
A01G27/06
A01G22/63
(21)【出願番号】P 2020057403
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2021-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】708002942
【氏名又は名称】株式会社リーフ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 幹憲
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-354422(JP,A)
【文献】実開平06-031444(JP,U)
【文献】特開2001-314126(JP,A)
【文献】登録実用新案第3225207(JP,U)
【文献】特開平05-207823(JP,A)
【文献】特開2018-074987(JP,A)
【文献】特開2010-246454(JP,A)
【文献】実開平07-007376(JP,U)
【文献】特開2015-080450(JP,A)
【文献】登録実用新案第3215647(JP,U)
【文献】特開2001-000047(JP,A)
【文献】特開2006-204275(JP,A)
【文献】実開平02-116941(JP,U)
【文献】特開平09-028194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/02
A01G 27/06
A01G 22/63
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
観賞用植物を給水可能に植栽する観賞用植物の給水鉢であって、
前記観賞用植物を植栽する中鉢と、当該中鉢の底面に開口された排水孔から垂らした給水紐と、前記中鉢の上端部から外周側へ延設された鍔部と
、前記鍔部が上端部に載置され水を収容した給水容器とを備え
、
前記給水紐の下端部が前記給水容器に収容された水の中に浸った状態で使用すること
、
前記鍔部は、前記中鉢に対して円環状に一定の肉厚で形成された板状部材であり、
前記鍔部の先端部は、前記給水容器の上端部より外方へ直線状に延設されていることを特徴とする観賞用植物の給水鉢。
【請求項2】
観賞用植物を給水可能に植栽する観賞用植物の給水鉢であって、
前記観賞用植物を植栽する中鉢と、当該中鉢の底面に開口された排水孔から垂らした給水紐と、前記中鉢の上端部から外周側へ延設された鍔部と
、前記鍔部が上端部に載置され水を収容した給水容器とを備え
、
前記給水紐の下端部が前記給水容器に収容された水の中に浸った状態で使用すること
、
前記鍔部の下面には、前記中鉢の中心部から所定の位置に形成された複数の円環状凸部を備え、
前記鍔部は、内周側の前記円環状凸部と外周側の前記円環状凸部との間で、前記給水容器の上端部に載置されていること、
内周側の前記円環状凸部と外周側の前記円環状凸部との離間距離は、前記給水容器の上端部の肉厚より大きく形成されていることを特徴とする観賞用植物の給水鉢。
【請求項3】
観賞用植物を給水可能に植栽する観賞用植物の給水鉢であって、
前記観賞用植物を植栽する中鉢と、当該中鉢の底面に開口された排水孔から垂らした給水紐と、前記中鉢の上端部から外周側へ延設された鍔部と
、前記鍔部が上端部に載置され水を収容した給水容器とを備え
、
前記給水紐の下端部が前記給水容器に収容された水の中に浸った状態で使用すること
、
前記鍔部の下面には、前記中鉢の中心部から所定の位置に形成された単一の円環状凸部を備え、
前記円環状凸部は、前記鍔部における外周側の板厚より厚く階段状に形成したものであり、前記鍔部は、前記円環状凸部より外周側で前記給水容器の上端部に載置されていること、
前記鍔部の先端部は、前記給水容器の上端部より外方へ直線状に延設されていることを特徴とする観賞用植物の給水鉢。
【請求項4】
請求項1
乃至請求項3のいずれか1項に記載された観賞用植物の給水鉢において、
前記中鉢と前記鍔部とは、別々に形成されていること、
前記中鉢の上端部には、外周側へ突出する突起部が形成され、当該突起部は、前記鍔部の上面に当接していることを特徴とする観賞用植物の給水鉢。
【請求項5】
請求項1
乃至請求項4のいずれか1項に記載された観賞用植物の給水鉢において、
前記観賞用植物は、胡蝶蘭であり、当該胡蝶蘭の根が水コケで覆われてポット内に収容され、前記ポットを介して前記中鉢に植栽されていること、
前記給水紐の上端部は、前記ポットの底面に形成された排水孔から前記ポット内に挿入されていることを特徴とする観賞用植物の給水鉢。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観賞用植物の給水鉢に関し、詳しくは、胡蝶蘭等の観賞用植物を植栽する中鉢を各種形状や模様の給水容器に載置して自動的に給水できる観賞用植物の給水鉢に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、胡蝶蘭等の観賞用植物は、室内のテーブル等に配置して観賞できるように、鉢植え栽培されている。テーブル等に置く観賞用植物の鉢植えは、例えば、
図8に示すように、テーブル等に水漏れするのを防止するため、通水性のない外鉢102と、外鉢102の内部に挿置し、観賞用植物を植栽する中鉢103とからなる2重構造の園芸用鑑賞鉢100を用いている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記園芸用鑑賞鉢100では、中鉢103は、その外周側に突出するツバ部103aを有しており、ツバ部103aの外周面を外鉢102の内周面102aと当接させた状態で、外鉢102に保持されるように構成されている。そのため、中鉢103に対して、特定の形状に形成された専用の外鉢102が必要となり、他の外鉢102を自由に選択することができない。したがって、上記園芸用鑑賞鉢100によれば、専用の外鉢102が必要なために、その分コスト高になると共に、部屋の雰囲気等に合わせて外鉢102の形状や模様等を変更することができないという問題があった。
【0005】
また、上記園芸用鑑賞鉢100では、中鉢103に植栽された観賞用植物に供給した水等の余剰分は、中鉢103の底面に開口された排水孔104から排出して、外鉢102内に貯留するように構成されているが、外鉢102内の水を中鉢103に自動的に供給することができない。そのため、中鉢103に植栽された観賞用植物の根元付近の湿り具合等をよく観察し、乾燥していたら、その都度、給水する必要があった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、観賞用植物を植栽する中鉢を各種形状や模様の給水容器に載置して自動的に給水できる安価な観賞用植物の給水鉢を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る観賞用植物の給水鉢は、次のような構成を有している。
(1)観賞用植物を給水可能に植栽する観賞用植物の給水鉢であって、
前記観賞用植物を植栽する中鉢と、当該中鉢の底面に開口された排水孔から垂らした給水紐と、前記中鉢の上端部から外周側へ延設された鍔部とを備え、
前記鍔部が水を収容した給水容器の上端部に載置され、前記給水紐の下端部が前記給水容器に収容された水の中に浸った状態で使用することを特徴とする。
【0008】
本発明においては、観賞用植物を植栽する中鉢と、当該中鉢の底面に開口された排水孔から垂らした給水紐と、中鉢の上端部から外周側へ延設された鍔部とを備え、鍔部が水を収容した給水容器の上端部に載置され、給水紐の下端部が給水容器に収容された水の中に浸った状態で使用するので、鍔部が載置可能であって、給水紐から水を吸い上げ可能な給水容器であれば、好みに応じて給水容器を選択できる。そのため、各種形状や模様の給水容器(例えば、ワイングラスやコーヒーカップ等)の中から、部屋の雰囲気等に合わせて、好みの給水容器に変更することができる。また、本観賞用植物の給水鉢では、中鉢に適合する専用の外鉢を備える必要がなく、コストの増加も、大幅に抑制することができる。さらに、中鉢の底面に開口された排水孔から垂らした給水紐が、給水容器に収容された水を自動的に吸い上げるので、中鉢に植栽された観賞用植物の根元付近の湿り具合等をよく観察し、乾燥していたら、その都度、給水するという手間を省くことができる。
【0009】
よって、本発明によれば、観賞用植物を植栽する中鉢を各種形状や模様の給水容器に載置して自動的に給水できる安価な観賞用植物の給水鉢を提供することができる。
【0010】
(2)(1)に記載された観賞用植物の給水鉢において、
前記中鉢と前記鍔部とは、別々に形成されていること、
前記中鉢の上端部には、外周側へ突出する突起部が形成され、当該突起部は、前記鍔部の上面に当接していることを特徴とする。
【0011】
本発明においては、中鉢と鍔部とは、別々に形成され、中鉢の上端部には、外周側へ突出する突起部が形成され、当該突起部は、鍔部の上面に当接しているので、各種形状に形成した鍔部と中鉢とを組み合わせることによって、より一層、好みに応じて多くの給水容器を選択できる。また、突起部が、鍔部の上面に当接しているので、鍔部を把持すれば、観賞用植物が植栽された中鉢を、給水容器から簡単に持ち上げることができる。
【0012】
(3)(1)又は(2)に記載された観賞用植物の給水鉢において、
前記観賞用植物は、胡蝶蘭であり、当該胡蝶蘭の根が水コケで覆われてポット内に収容され、前記ポットを介して前記中鉢に植栽されていること、
前記給水紐の上端部は、前記ポットの底面に形成された排水孔から前記ポット内に挿入されていることを特徴とする。
【0013】
本発明においては、観賞用植物は、胡蝶蘭であり、当該胡蝶蘭の根が水コケで覆われてポット内に収容され、ポットを介して中鉢に植栽され、また、給水紐の上端部は、ポットの底面に形成された排水孔からポット内に挿入されているので、胡蝶蘭の根が覆われた水コケに対して、給水紐が吸い上げる水を自動的に補給することができる。また、ポット内に収容された胡蝶蘭を、ポットから中鉢に植え替える手間を省くこともできる。
【0014】
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載された観賞用植物の給水鉢において、
前記鍔部の先端部は、前記給水容器の上端部より外方へ延設されていることを特徴とする。
【0015】
本発明においては、鍔部の先端部は、給水容器の上端部より外方へ延設されているので、開口寸法の異なる給水容器を適宜選択することができる。そのため、用途やニーズに応じて、選択できる給水容器の種類を増大させることができ、観賞用植物を各種給水容器を用いて楽しむことができる。
【0016】
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載された観賞用植物の給水鉢において、
前記鍔部は、前記中鉢の中心部に対して円環状に形成され、
前記鍔部の下面には、前記中鉢の中心部から所定の位置に形成された円環状凸部が形成されていることを特徴とする。
【0017】
本発明においては、鍔部は、中鉢の中心部に対して円環状に形成され、鍔部の下面には、中鉢の中心部から所定の位置に形成された円環状凸部が形成されているので、円形開口部を有する給水容器であれば、円環状凸部が、給水容器の上端部の側壁と当接することによって、給水容器の中心部と中鉢の中心部とが大幅にズレることを防止して、観賞用植物の給水鉢が、倒れることを回避できる。そのため、用途やニーズに応じて、選択できる給水容器の種類を増大させつつ、観賞用植物を安全に楽しむことができる。
【0018】
(6)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載された観賞用植物の給水鉢において、
前記鍔部は、複数の前記中鉢に連結されていることを特徴とする。
【0019】
本発明においては、鍔部は、複数の中鉢に連結されているので、複数の中鉢に植栽した観賞用植物を寄せ集めた状態で、鍔部を各中鉢を収容可能な大型の給水容器の上端部に載置して、観賞することができる。また、中鉢に植栽された観賞用植物を入れ替えることによって、全体の雰囲気を変化させることもできる。
【0020】
(7)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載された観賞用植物の給水鉢において、
前記鍔部の下面には、複数の凹凸部が連続して形成されていることを特徴とする。
【0021】
本発明においては、鍔部の下面には、複数の凹凸部が連続して形成されているので、凹凸部が、給水容器の上端部と当接することによって、給水容器に対して中鉢がズレることを防止して、観賞用植物の給水鉢が、倒れることを回避できる。その結果、用途やニーズに応じて、選択できる給水容器の種類を増大させつつ、観賞用植物を安全に楽しむことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、観賞用植物を植栽する中鉢を各種形状や模様の給水容器に載置して自動的に給水できる安価な観賞用植物の給水鉢を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本実施形態に係る観賞用植物の給水鉢の斜視図である。
【
図2】
図1に示す観賞用植物の給水鉢における第1実施例の要部断面図である。
【
図3】
図1に示す観賞用植物の給水鉢における第2実施例の要部断面図である。
【
図4】
図1に示す観賞用植物の給水鉢における第3実施例の要部断面図である。
【
図5】
図1に示す観賞用植物の給水鉢における第4実施例の斜視図である。
【
図6】
図1に示す観賞用植物の給水鉢における第5実施例の斜視図である。
【
図7】
図1に示す観賞用植物の給水鉢に使用する給水器の変形例の斜視図である。
【
図8】特許文献1に記載された園芸用鑑賞鉢の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本実施形態に係る観賞用植物の給水鉢について、図面を参照して詳細に説明する。はじめに、本実施形態に係る観賞用植物の給水鉢の第1実施例の構造を詳細に説明する。次に、本実施形態に係る観賞用植物の給水鉢の第2実施例~第5実施例の構造を、第1実施例との相違点を中心に説明する。また、給水器の変形例を説明する。
【0025】
<本観賞用植物の給水鉢の第1実施例の構造>
まず、本実施形態に係る観賞用植物の給水鉢の第1実施例の構造を、
図1、
図2を用いて詳細に説明する。
図1に、本実施形態に係る観賞用植物の給水鉢の斜視図を示す。
図2に、
図1に示す観賞用植物の給水鉢における第1実施例の要部断面図を示す。
【0026】
図1、
図2に示すように、第1実施例に係る観賞用植物の給水鉢10は、観賞用植物1を給水可能に植栽する観賞用植物の給水鉢10であって、観賞用植物1を植栽する中鉢2と、当該中鉢2の底面に開口された排水孔21から垂らした給水紐3と、中鉢2の上端部22から外周側へ延設された鍔部4とを備え、鍔部4が水5を収容した給水容器6の上端部61に載置され、給水紐3の下端部31が給水容器6に収容された水5の中に浸った状態で使用する。
【0027】
なお、観賞用植物1は、例えば、鉢植えの胡蝶蘭1K等が該当するが、必ずしも、胡蝶蘭1Kに限る必要はない。
図1では、1本の観賞用植物1(胡蝶蘭1K)が中鉢2に植栽されているが、複数本の観賞用植物1が中鉢2に植栽されていても良く、種類の異なる複数本の観賞用植物1が中鉢2に植栽されていても良い。
【0028】
また、中鉢2は、上端部22が開口された略円筒体であり、底面の中央部に排水孔21が形成されている。ただし、中鉢2は、必ずしも円筒体である必要はなく、例えば、多角形の筒状体でも良い。ここでは、中鉢2は、透明なアクリル系樹脂で形成されている。また、中鉢2は、必ずしも樹脂製である必要はなく、例えば、木製や陶器製や金属製等でも良い。
【0029】
また、給水紐3は、毛細管現象で吸水できる紐であれば、特に限定されないが、例えば、綿糸で織られたロープ状綿紐等が、吸水性が良く好ましい。給水紐3の上端部32には、落下止めのため、結び目が形成されている。また、給水紐3の下端部31は、綿糸の織りが筆状に解かれている。ここでは、鍔部4は、中鉢2に対して円環状に形成された板部材であり、透明なアクリル系樹脂で形成されている。鍔部4の内周側には、中鉢2が挿入される挿入孔が形成されている。
【0030】
また、給水容器6は、鍔部4が載置可能であって、給水紐3から水5を吸い上げ可能な容器であれば、好みに応じて選択できる。ここでは、透明なワイングラスを給水容器6として使用しているが、各種形状や模様の容器の中から、部屋の雰囲気等に合わせて、好みの容器に変更することができる。
【0031】
本観賞用植物の給水鉢10では、中鉢2に適合する専用の外鉢を備える必要がないので、コストの増加も、大幅に抑制することができる。さらに、中鉢2の底面に開口された排水孔21から垂らした給水紐3が、給水容器6に収容された水5を自動的に吸い上げるので、中鉢2に植栽された観賞用植物1の根元付近の湿り具合等をよく観察し、乾燥していたら、その都度、給水するという手間を省くことができる。
【0032】
また、中鉢2と鍔部4とは、別々に形成され、中鉢2の上端部22には、外周側へ突出する突起部221が形成され、当該突起部221は、鍔部4の上面41に当接していることが好ましい。突起部221は、逆U字状に形成されている。この場合、各種形状に形成した鍔部4を用意すれば、各種の鍔部4と中鉢2とを組み合わせることによって、より一層、好みに応じて多くの給水容器6を選択できる。また、逆U字状の突起部221が、鍔部4の上面41に当接しているので、鍔部4を把持すれば、観賞用植物1が植栽された中鉢2を、給水容器6から簡単に持ち上げることができる。また、逆U字状の突起部221を把持すれば、観賞用植物1が植栽された中鉢2のみを、簡単に持ち上げることができる。
【0033】
また、観賞用植物1が胡蝶蘭1Kである場合、胡蝶蘭1Kの根11が水コケ12で覆われてポット13内に収容され、ポット13を介して中鉢2に植栽されていることが好ましい。また、給水紐3の上端部32は、ポット13の底面に形成された排水孔131からポット13内に挿入されていることが好ましい。この場合、胡蝶蘭1Kの根11が覆われた水コケ12に対して、給水紐3が吸い上げる水5を自動的に補給することができる。また、ポット13内に収容された胡蝶蘭1Kを、ポット13から中鉢2に植え替える手間を省くこともできる。なお、ポット13は、胡蝶蘭1Kの育成用容器を兼ねることができる。
【0034】
また、鍔部4の先端部42は、給水容器6の上端部61より外方へ延設されていることが好ましい。この場合、開口寸法の異なる給水容器6を適宜選択することができる。そのため、用途やニーズに応じて、選択できる給水容器6の種類を増大させることができ、観賞用植物1を各種給水容器6を用いて楽しむことができる。
【0035】
<本観賞用植物の給水鉢の第2実施例の構造>
次に、本実施形態に係る観賞用植物の給水鉢の第2実施例の構造を、
図3を用いて詳細に説明する。
図3に、
図1に示す観賞用植物の給水鉢における第2実施例の要部断面図を示す。
【0036】
図3に示すように、第2実施例に係る観賞用植物の給水鉢10Bは、観賞用植物1を植栽する中鉢2と、当該中鉢2の底面に開口された排水孔21から垂らした給水紐3と、中鉢2の上端部22から外周側へ延設された鍔部4Bとを備え、鍔部4Bが水5を収容した給水容器6の上端部61に載置され、給水紐3の下端部31が給水容器6に収容された水5の中に浸った状態で使用する。上記構成は、第1実施例と共通する。なお、第1実施例と共通の構成は、共通の符号を付して、詳細な説明を原則として割愛する。
【0037】
第2実施例に係る観賞用植物の給水鉢10Bでは、鍔部4Bの下面4B1には、中鉢2の中心部2CLから所定の位置に形成された円環状凸部4B2、4B3が形成されている。ここでは、鍔部4Bは、内周側の円環状凸部4B2と外周側の円環状凸部4B3との間で、給水容器6の上端部61に載置されている。この構成が、第1実施例と相違する。
【0038】
したがって、円形開口部を有する給水容器6であれば、内周側の円環状凸部4B2又は外周側の円環状凸部4B3が、給水容器6の上端部61の側壁と当接することによって、給水容器6の中心部6CLと中鉢2の中心部2CLとが大幅にズレることを防止して、観賞用植物1の給水鉢10Bが、倒れることを回避できる。その結果、用途やニーズに応じて、選択できる給水容器6の種類を増大させつつ、観賞用植物1を安全に楽しむことができる。
【0039】
<本観賞用植物の給水鉢の第3実施例の構造>
次に、本実施形態に係る観賞用植物の給水鉢の第3実施例の構造を、
図4を用いて詳細に説明する。
図4に、
図1に示す観賞用植物の給水鉢における第3実施例の要部断面図を示す。
【0040】
図4に示すように、第3実施例に係る観賞用植物の給水鉢10Cは、観賞用植物1を植栽する中鉢2と、当該中鉢2の底面に開口された排水孔21から垂らした給水紐3と、中鉢2の上端部22から外周側へ延設された鍔部4Cとを備え、鍔部4Cが水5を収容した給水容器6の上端部61に載置され、給水紐3の下端部31が給水容器6に収容された水5の中に浸った状態で使用する。上記構成は、第1実施例と共通する。なお、第1実施例と共通の構成は、共通の符号を付して、詳細な説明を原則として割愛する。
【0041】
第3実施例に係る観賞用植物の給水鉢10Cでは、鍔部4Cの下面4C1には、中鉢2の中心部2CLから所定の位置に形成された円環状凸部4C2が形成されている。円環状凸部4C2は、鍔部4Cにおける外周側の板厚より厚く階段状に形成したものであり、鍔部4Cは、円環状凸部4C2より外周側で給水容器6の上端部61に載置されている。この構成が、第1実施例と相違する。
【0042】
したがって、円形開口部を有する給水容器6であれば、円環状凸部4C2が、給水容器6の上端部61の側壁と当接することによって、給水容器6の中心部6CLと中鉢2の中心部2CLとが大幅にズレることを防止して、観賞用植物1の給水鉢10Cが、倒れることを回避できる。その結果、用途やニーズに応じて、選択できる給水容器6の種類を増大させつつ、観賞用植物1を安全に楽しむことができる。
【0043】
<本観賞用植物の給水鉢の第4実施例の構造>
次に、本実施形態に係る観賞用植物の給水鉢の第4実施例の構造を、
図5を用いて詳細に説明する。
図5に、
図1に示す観賞用植物の給水鉢における第4実施例の斜視図を示す。
図5では、中鉢2に植栽する観賞用植物1を省略している。
【0044】
図5に示すように、第4実施例に係る観賞用植物の給水鉢10Dは、観賞用植物1を植栽する中鉢2と、当該中鉢2の底面に開口された排水孔21から垂らした給水紐3と、中鉢2の上端部22から外周側へ延設された鍔部4Dとを備え、鍔部4Cが水5を収容した給水容器6Dの上端部61に載置され、給水紐3の下端部31が給水容器6Dに収容された水5の中に浸った状態で使用する。上記構成は、第1実施例と共通する。なお、第1実施例と共通の構成は、共通の符号を付して、詳細な説明を原則として割愛する。
【0045】
第4実施例に係る観賞用植物の給水鉢10Dでは、鍔部4Dは、複数(例えば、4つ)の中鉢2に連結されている。ここでは、楕円板状に形成された1つの鍔部4Dの内周側に形成された4つの貫通孔に、それぞれ中鉢2の上端部22が連結されている。この構成が、第1実施例と相違する。なお、鍔部4Dに連結される中鉢2は、4つに限定する必要がないことは言うまでもない。
【0046】
したがって、複数(4つ)の中鉢2に植栽した観賞用植物1を寄せ集めた状態で、鍔部4Dを各中鉢2を収容可能な大型の給水容器6Dの上端部61に載置して、観賞することができる。また、中鉢2に植栽された観賞用植物1を入れ替えることによって、全体の雰囲気を変化させることもできる。
【0047】
<本観賞用植物の給水鉢の第5実施例の構造>
まず、本実施形態に係る観賞用植物の給水鉢の第5実施例の構造を、
図6を用いて詳細に説明する。
図6に、
図1に示す観賞用植物の給水鉢における第5実施例の斜視図を示す。
図6では、中鉢2に植栽する観賞用植物1を省略している。
【0048】
図6に示すように、第5実施例に係る観賞用植物の給水鉢10Eは、観賞用植物1を植栽する中鉢2と、当該中鉢2の底面に開口された排水孔21から垂らした給水紐3と、中鉢2の上端部22から外周側へ延設された鍔部4Eとを備え、鍔部4Eが水5を収容した給水容器6Eの上端部61に載置され、給水紐3の下端部31が給水容器6Eに収容された水5の中に浸った状態で使用する。上記構成は、第1実施例と共通する。なお、第1実施例と共通の構成は、共通の符号を付して、詳細な説明を原則として割愛する。
【0049】
第5実施例に係る観賞用植物の給水鉢10Eでは、鍔部4Eが中鉢2の上端部22から放射状に形成され、放射状に形成された鍔部4Eの下面4E1には、複数の凹凸部4E2が連続して形成されている。この凹凸部4E2は、給水容器6Eの上端部61と当接している。この構成が、第1実施例と相違する。
【0050】
したがって、凹凸部4E2が、給水容器6Eの上端部61と当接することによって、給水容器6Eに対して中鉢2がズレることを防止して、観賞用植物1の給水鉢10Eが、倒れることを回避できる。その結果、用途やニーズに応じて、選択できる給水容器6Eの種類を増大させつつ、観賞用植物1を安全に楽しむことができる。ここでは、給水容器6Eは、円筒状のガラスコップであるが、他の容器に変更しても良い。
【0051】
なお、
図6では、鍔部4Eは、中鉢2の上端部22から一体的に外周側へ延設されているが、中鉢2と別々に形成されていても良い。ここでは、放射状に形成された鍔部4Eは、それぞれ矩形状に形成されているが、矩形状に限る必要はなく、山形状又は円弧状に形成しても良い。また、放射状に形成された鍔部4Eを、円弧状に形成した連結部4E3によって、互いに連結しても良い。
【0052】
<作用効果>
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る観賞用植物の給水鉢10、10B、10C、10D、10Eによれば、観賞用植物1を植栽する中鉢2と、当該中鉢2の底面に開口された排水孔21から垂らした給水紐3と、中鉢2の上端部22から外周側へ延設された鍔部4、4B、4C、4D、4Eとを備え、鍔部4、4B、4C、4D、4Eが水5を収容した給水容器6の上端部61に載置され、給水紐3の下端部31が給水容器6に収容された水5の中に浸った状態で使用するので、鍔部4、4B、4C、4D、4Eが載置可能であって、給水紐3から水5を吸い上げ可能な給水容器6であれば、好みに応じて給水容器6を選択できる。そのため、各種形状や模様の給水容器6(例えば、ワイングラスやコーヒーカップ等)の中から、部屋の雰囲気等に合わせて、好みの給水容器6に変更することができる。また、本観賞用植物の給水鉢10、10B、10C、10D、10Eでは、中鉢2に適合する専用の外鉢を備える必要がなく、コストの増加も、大幅に抑制することができる。さらに、中鉢2の底面に開口された排水孔21から垂らした給水紐3が、給水容器6に収容された水5を自動的に吸い上げるので、中鉢2に植栽された観賞用植物1の根元付近の湿り具合等をよく観察し、乾燥していたら、その都度、給水するという手間を省くことができる。
【0053】
よって、本実施形態によれば、観賞用植物1を植栽する中鉢2を各種形状や模様の給水容器6に載置して自動的に給水できる安価な観賞用植物の給水鉢10、10B、10C、10D、10Eを提供することができる。
【0054】
また、本実施形態によれば、中鉢2と鍔部4、4B、4C、4Dとは、別々に形成され、中鉢2の上端部22には、外周側へ突出する突起部221が形成され、当該突起部221は、鍔部4、4B、4C、4Dの上面41に当接しているので、各種形状に形成した鍔部4、4B、4C、4Dと中鉢2とを組み合わせることによって、より一層、好みに応じて多くの給水容器6を選択できる。また、突起部221が、鍔部4、4B、4C、4Dの上面41に当接しているので、鍔部4、4B、4C、4Dを把持すれば、観賞用植物1が植栽された中鉢2を、給水容器6から簡単に持ち上げることができる。
【0055】
また、本実施形態によれば、観賞用植物1は、胡蝶蘭1Kであり、当該胡蝶蘭1Kの根11が水コケ12で覆われてポット13内に収容され、ポット13を介して中鉢2に植栽され、また、給水紐3の上端部32は、ポット13の底面に形成された排水孔131からポット13内に挿入されているので、胡蝶蘭1Kの根11が覆われた水コケ12に対して、給水紐3が吸い上げる水5を自動的に補給することができる。また、ポット13内に収容された胡蝶蘭1Kを、ポット13から中鉢2に植え替える手間を省くこともできる。
【0056】
また、本実施形態によれば、鍔部4、4B、4C、4D、4Eの先端部42は、給水容器6の上端部61より外方へ延設されているので、開口寸法の異なる給水容器6を適宜選択することができる。そのため、用途やニーズに応じて、選択できる給水容器6の種類を増大させることができ、観賞用植物1を各種給水容器6を用いて楽しむことができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、鍔部4B、4Cは、中鉢2の中心部2CLに対して円環状に形成され、鍔部4B、4Cの下面4B1、4C1には、中鉢2の中心部2CLから所定の位置に形成された円環状凸部4B2、4B3、4C2が形成されているので、円形開口部を有する給水容器6であれば、円環状凸部4B2、4B3、4C2が、給水容器6の上端部61の側壁と当接することによって、給水容器6の中心部6CLと中鉢2の中心部2CLとが大幅にズレることを防止して、観賞用植物1の給水鉢10が、倒れることを回避できる。そのため、用途やニーズに応じて、選択できる給水容器6の種類を増大させつつ、観賞用植物1を安全に楽しむことができる。
【0058】
また、本実施形態によれば、鍔部4Dは、複数の中鉢2に連結されているので、複数の中鉢2に植栽した観賞用植物1を寄せ集めた状態で、鍔部4Dを各中鉢2を収容可能な大型の給水容器6Dの上端部61に載置して、観賞することができる。また、中鉢2に植栽された観賞用植物1を入れ替えることによって、全体の雰囲気を変化させることもできる。
【0059】
また、本実施形態によれば、鍔部4Eの下面4E1には、複数の凹凸部4E2が連続して形成されているので、凹凸部4E2が、給水容器6Eの上端部61と当接することによって、給水容器6Eに対して中鉢2がズレることを防止して、観賞用植物1の給水鉢10Eが、倒れることを回避できる。その結果、用途やニーズに応じて、選択できる給水容器6Eの種類を増大させつつ、観賞用植物1を安全に楽しむことができる。
【0060】
<変形例>
本実施形態は、本発明の要旨を変更しない範囲で変更することが可能なことは言うまでもない。例えば、本実施形態によれば、給水容器6は、鍔部4が載置可能であって、給水紐3から水5を吸い上げ可能な容器であれば、好みに応じて選択できる。第1実施例では、透明なワイングラスを給水容器6として使用しているが、例えば、
図7に示すように、給水容器6としてコーヒーカップ等を使用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、胡蝶蘭等の観賞用植物を植栽する中鉢を各種形状や模様の給水容器に載置して自動的に給水できる観賞用植物の給水鉢として利用できる。
【符号の説明】
【0062】
1 観賞用植物
1K 胡蝶蘭
2 中鉢
2CL 中心部
3 給水紐
4、4B、4C、4D、4E 鍔部
4B1、4C1、4E1 下面
4B2、4B3、4C2 円環状凸部
4E2 凹凸部
5 水
6、6D、6E 給水容器
10 給水鉢
11 根
12 水コケ
13 ポット
21 排水孔
22、32、61 上端部
31 下端部
41 上面
42 先端部
131 排水孔
221 突起部