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  • 特許-リース鏡 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-24
(45)【発行日】2022-12-02
(54)【発明の名称】リース鏡
(51)【国際特許分類】
   A47G 1/02 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
A47G1/02 L
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021140437
(22)【出願日】2021-08-30
【審査請求日】2021-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】521383156
【氏名又は名称】三輪 愛
(74)【代理人】
【識別番号】100209668
【弁理士】
【氏名又は名称】樋田 成人
(72)【発明者】
【氏名】三輪 愛
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】実公昭49-031275(JP,Y1)
【文献】登録実用新案第3067167(JP,U)
【文献】実開昭61-023867(JP,U)
【文献】特開2012-210373(JP,A)
【文献】実公昭46-015309(JP,Y1)
【文献】実公昭37-021426(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の鏡と、
前記鏡の外周部の前面及び背面を挟み円環状に覆って装着される可撓性を有する鏡外周リングと、
前記鏡外周リングの任意位置に前記鏡外周リングの前面及び背面を挟んで装着固定される複数のコの字状のリース飾り留め具と、
前記リース飾り留め具に装着されるワイヤー(紐)と、
を具備するリース鏡であって、
前記リース飾り留め具に装着された前記ワイヤー(紐)にリース飾りを飾り付けて装飾されること
に特徴を有するリース鏡。
【請求項2】
前記リース飾り留め具にはコの字状開口部の距離を調節することが可能な止めネジを有すること
に特徴を有する請求項1に記載のリース鏡。
【請求項3】
前記コの字状のリース飾り留め具と前記ワイヤー(紐)が、前記鏡外周リングと一体化連結された可撓性を有する環状リース飾り留め具で代替されていること
に特徴を有する請求項1に記載のリース鏡。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鏡の装飾に係り、特に、独自に鏡にリース等の装飾を施すことのできる鏡の仕組みに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、鏡は購入された構造及び仕様でそのまま用いられていることが多い。しかし、個人用又は特殊仕様用などの鏡によっては、独自の飾り装飾等を施し、自分用唯一の鏡として利用したいと考える人は多い。しかし、購入された鏡に独自の装飾を施すことは難しく、そのままの状態の鏡として用いることを余儀なくされているのが実情である。
【0003】
この場合、自分用又は特殊仕様用の鏡として、購入後の鏡に自分の気に入った飾りや装飾を簡単に施すことのできる鏡があればよいと思う人は多く、特に毎日眺める自分用の鏡に愛着も深く、一層の独自性を鏡に求める傾向も強い。本発明はそのような希望に応えるべく成されたものでる。
【0004】
あらゆる物品、特に贈答用に用いられる物品には、その包装方法を含めて飾り装飾を施すことが一般的であり、そのような装飾方法においては下記に挙げるような選考文献によって各種提案がなされてきた。
【0005】
たとえば、特許文献1(特許第5690004号公報)では、クリスマスリース又はハロウィーンリース等の装飾用リースを、可撓性を有するシート部で直接側部分を製された袋体と前記袋体を装飾用リースのリング部としての所望の略環状となるように保持するための保持体とで構成し、前期袋体の内部を被収納物を収納可能な収納部とし、前記保持体は少なくともその一部に前記袋体を直接装着し保持する保持本体部分を設け、前記保持本体部分は前記収納部に被収納物を収納した状態で前記保持本体部分を利用し前記袋体を前記保持体に装着した状態で壁やドア等に掛けたり吊るしたりしての使用時において前記袋体全体の形状が装飾用リースとしての所望の略環状に保持できる位置であって変形しない程度の硬性を有するものとして設けられており、前記収納部に被収納物を収納した状態の前記袋体を前記保持本体部分に装着し保持することにより装飾用リースのリング部を兼ねた前記袋体外観の形状を決定することを特徴としたもので、前記袋体と前記保持体は互いに接合されているか又は前記袋体と前記保持体を互いに着脱もしくは分離可能に取り付ける取付手段を前記袋体もしくは保持体の少なくとも一方に設け又は別体の部材として設けたことにより前記袋体と前記保持体を互いに着脱もしくは分離可能とした収納部付装飾用リースに関する技術思想が開示されている。
【0006】
しかし、この例では、クリスマスやハロウィーンの他、ひな祭り、正月、誕生日等年中歳事に関する装飾用リースに関するものであり、上記のような鏡に対する独自装飾を可能とする考案には至っていない。また文献1は、包装を前提とした装飾方法及び装飾仕様の考案であり、独自装飾を自由に施すことができる鏡については一切言及が成されていない。
【0007】
また特許文献2(特開2012-96054号公報)には、クリスマスリース又はハロウィーンリースを構成するリング部を中空胴体とすることにより、前記リング部の内部を、被収納物を収納する収納部とし、前記収納部を構成するリング部内側の面より延びた任意形状の突起部を、適宜箇所にリング部内側の面と一体に成形、或は着脱もしくは取付けが可能になるように設けることにより、収納部内に被収納物を収めた状態で被収納物の偏りを防ぐ構成とした収納部付きリースについての技術が開示されている。
【0008】
しかしこの例においても、クリスマスやハロウィーンに関する装飾用リースに関するものであり、上記のような鏡に対する独自装飾を可能とする考案には至っていない。同様に、また文献2も包装を前提とした装飾方法及び装飾仕様の考案であり、独自装飾を自由任意に施すことができる鏡については一切言及が成されていない。つまり、本発明者が本発明の課題とする「自分の気に入った飾りや装飾を簡単に施すことのできる鏡」に至っておらず根本的な解決策を提示したことにはなっていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特許第5690004号公報
【文献】特開2012-96054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
これまでの技術では、購入後の鏡に独自の飾り装飾を簡易に施し、自分仕様の鏡を構築することができる技術的思想を提示しているものはない。
【0011】
本発明はこうした従来技術上の問題点を解決することを企図したものであり、鏡に独自仕様又は特別仕様の飾り装飾を自由にかつ任意に施すことができ、またその変更も簡易に任意に行うことができる鏡であって、その装飾の安全性と作業性をも格段に向上させつつ、安価で経済効率も格段によい鏡の装飾に関する技術思想を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するため、本発明に係るリース鏡は、平板状の鏡と、前記鏡の外周部の前面及び背面を挟み円環状に覆って装着される可撓性を有する鏡外周リングと、
前記鏡外周リングの任意位置に前記鏡外周リングの前面及び背面を挟んで装着固定される複数のコの字状のリース飾り留め具と、
前記リース飾り留め具に装着されるワイヤー(紐)と、
を具備するリース鏡であって、
前記リース飾り留め具に装着された前記ワイヤー(紐)に様々なリース飾りを飾り付けて装飾された鏡であることに特徴を有する。

【0013】
つまり本発明に係るリース鏡は、リース等飾りや装飾物を固定保持するための紐状のワイヤーを装着したリース飾り留め具が、鏡の外周部の前面及び背面を挟み円環状に覆って装着される可撓性を有する鏡外周リングの外周部の複数箇所に外周端部を挟み込むように装着固定されており、鏡の所有者が自由に飾りや装飾物をワイヤー(紐)でくくり固定して鏡の外周等に装飾できるリース鏡である。

【0014】
リース飾り留め具の材質や大きさや数には特に限定はないが、コの字状に鏡の外周端部を挟み込むように簡易に鏡に装着し、かつ取り外しができるバネ性や可撓性を有する金属又はゴム性合成樹脂、例えばシリコンゴム等であることが好ましい。鏡のサイズ形状にも限定はなく、円形、楕円形、四角形、長方形、台形、ハート型、星型等の鏡であってもよく、平板状の鏡であればよい。リース飾り留め具は、それらの鏡の必要な位置に必要な数を装着し、その数は、リース飾りを望むように装飾固定することができる態様において使用できる数であればよい。
【0015】
ワイヤー(紐)も、飾りや装飾物等を束ね、縛り、固定できるものであればよく、材質や長さ形状を限定するものではない。例えば、麻ひも又は針金であってもよい。また、リース飾りはリースに限定するものではなく、飾り物、装飾物となるものであればよく、例えば、タッセルやシルクリボン、花、造花、植物等であってもよく、それらを本発明においては便宜上総称して「リース飾り」または「リース」と定義する。
【0016】
また、本発明に係るリース鏡は、前記鏡の外周部の前面及び背面を挟み円環状に覆って装着される可撓性を有する鏡外周リングを更に具備し、前記リース飾り留め具が前記鏡外周リングの任意位置に前記鏡外周リングの前面及び背面を挟んで装着固定される形態をとることもできる。
【0017】
前記鏡外周リングは、例えばシリコンゴム製であり、鏡の外周端部をコの字状に挟み覆うような断面形状の長い軟質棒状体であればよく、鏡の外周端部を挟みながら鏡外周全体を覆うように鏡に装着される(図4参照)。柔らかいため、鏡を傷つけることなく、鏡外周リングの上からリース飾り留め具を装着することができる。
【0018】
加えて本発明に係るリース鏡は、前記リース飾り留め具の前記鏡への鏡面接触部には可撓性のクッション材を有し、前記リース飾り留め具にはコの字状開口部の距離を調節することが可能な止めネジを有する形態をとることもできる。
【0019】
コの字状のリース飾り留め具は、具体例を発明の実施例において後述するが、コの字状であっても多彩な鏡の厚さによっては外周端部にきちんと挟み固定できない場合もあるため、上記コの字状の開口寸法を調節するための止めネジを具備することもできる(図2参照)。止めネジを締めることによって、コの字形状が絞られてリース飾り留め具は鏡の外周端部にしっかりと固定される。そして鏡面に接する部分にシリコンゴムやウレタン等緩衝性を有するクッション材を具備することによって更に鏡の表面損傷を防止することができる。
【0020】
更に、本発明に係るリース鏡は、前記コの字状のリース飾り留め具と前記ワイヤー(紐)が、前記鏡外周リングと一体化連結された可撓性を有する環状リース飾り留め具で代替されている形態をとることもできる。
【0021】
つまり、リース飾り留め具がコの字状から小さな環状(ドーナッツ状)に変形した形状であり、その一端部が鏡外周リングと連結一体化していることにより、鏡外周リングを鏡の外周に装着することによって一体化されたリース飾り留め具も同時に装着されることになり、より安易なリース鏡となる(図3参照)。例えば、飾りや装飾物も、環状(ドーナッツ状)のリース飾り留め具(図3における環状リース飾り留め具17)に差し込み簡単に固定することが可能になる。ワイヤー(紐)を用いるか否かは任意である。
【0022】
上記のように、本発明に係るリース鏡は、リース飾り留め具・ワイヤー(紐)・鏡外周リング等の形態によって種々変更して対応利用することが可能である。しかし、これら全て本発明の技術思想に内包されるものであり、均等論的対応においても本発明の技術思想に含むことを主張する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、鏡に独自仕様又は特別仕様のあらゆる飾り装飾物等を自由にかつ任意に施すことができ、またその変更も簡易に任意に行うことができる鏡を提供することができる。自分仕様の好みに合わせた唯一の美しい鏡を所有することができるようになる。また、装飾の安全性と作業性をも簡易に格段に向上させつつ、安価で経済効率もよい鏡の装飾に関する技術思想を提供することができ、かつその鏡を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係るリース鏡の全体イメージを示した概念図である。
図2】本発明の一実施形態に係るリース鏡のリース飾り留め具を示した斜視概念図である。
図3】本発明の一実施形態に係るリース鏡の環状リース飾り留め具を示した斜視概念図である。
図4】本発明の一実施形態に係るリース鏡の環状リース飾り留め具の断面を示した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係るリース鏡の全体イメージを示した概念図である。同図に示すように、鏡10の外周縁部19には数個のリース飾り留め具11が装着されている。リース飾り留め具11は概略コの字形状を有しており、外側から鏡10に表面と裏面を挟み込むように装着されており、鏡とのすき間には、ワイヤー(紐)15が通し装着されている。
【0027】
タッセルやシルクリボン、花、造花、植物等のリース飾りは鏡を彩る装飾物として、軟質のワイヤー(紐)にくくり付けられて、鏡外周近傍に飾り付けられる。このようにして一品一様のリース鏡が制作される。
【0028】
図1に示すように、リース飾り留め具11の数は、鏡10の大きさ形状によって任意に設定すればよい。リース飾り留め具11の材質は、例えばバネ性を有するコの字状の金属であってもよいし、可撓性のあるシリコンゴムのような軟質合成樹脂であってもよいが、鏡10を挟み込み固定できる材質であればよい。ワイヤー(紐)15も簡易には通常の麻ひもであってもよく、また針金のような軟質金属であってもよい。装飾物を縛り固定するに足りる用途を果たすワイヤー(紐)15であればよい。
【0029】
図2は、本発明の一実施形態に係るリース鏡のリース飾り留め具を示した斜視概念図である。同図に示すように、リース飾り留め具11は、概略コの字状の形態である。図2はリース飾り留め具11の一実施例であり、例えば鏡との接触面には軟質のシリコンゴムやウレタンゴムのようなクッション材13を有することにより、鏡の損傷を防止することができる。図2に示すようにワイヤー通し孔14には、上記のワイヤー(紐)15を通し挿入できる形態となっている。
【0030】
図2に示すように、リース飾り留め具11は、コの字状を有するため、止めネジ12を具備する場合は、その止めネジ12を締めることによってより強固に安定して鏡に装着することができる。同様に止めネジ12を緩めることによって安易に取り外すことができるため、リース飾り留め具11の鏡への装着位置や数を任意に調整することができる。装飾物を自分の望むように飾り付けるためには好適な形態である。
【0031】
図3は、本発明の一実施形態に係るリース鏡の環状リース飾り留め具を示した斜視概念図である。同図に示すように、鏡10の外周は、軟質のシリコンゴム等でできた鏡外周リング16であってもよい。鏡外周リングは、図1に示す鏡の外周縁部19と同様の形態であり、鏡10の外周の表面裏面を挟んでリング状に鏡を覆って装着される。
【0032】
鏡外周リング16は軟質で棒状形態であるため、鏡がどのような形状であっても外周を覆って装着することができる。鏡の外形状が、楕円形、四角形、長方形、台形、ハート型、星型等の形状であっても装着することができる。また、リース飾り留め具11は、鏡外周リング16の上に装着することができる。鏡外周リング16によって、鏡の外周面及び表面を損傷から守ることができる。
【0033】
また図3に示すようにリース飾り留め具は、環状リース飾り留め具17のように円環状の態様をとることもでき、かつ鏡外周リング16と連結一体化することもできる。図3に示すように、鏡外周リング16と環状リース飾り留め具17がシリコンゴムのような軟質の同一材質で成形製造されていることによって、あらゆる形状の鏡に対してより簡易に装着することができ、多くの人のリース鏡の利用活用に大きく貢献することができる。
【0034】
図4は、本発明の一実施形態に係るリース鏡の環状リース飾り留め具の断面を示した概念図である。同図に示すように、鏡外周リング16と環状リース飾り留め具17の一体化品の断面は、鏡の外周を任意に挟み装着することができる形態となっている。略コの字状の先端側が少し閉じる方向に成形されることによって鏡に密着して装着することができる。また、装飾物を装着する場合は、任意の必要な位置にある環状リース留め具17だけを用いればよいことは言うまでもない。
【0035】
このように本発明に係るリース鏡は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で各々の部品を含めて種々変更して実施することが可能である。しかしこれらは全て本発明の技術思想の一部であることを主張する。
【産業上の利用可能性】
【0036】
上述したように、本願に係る発明によれば、鏡に独自仕様又は特別仕様の飾り装飾を自由にかつ任意に施すことができ、またその変更も簡易に任意に行うことができる鏡であって、その装飾の安全性と作業性をも格段に向上させつつ、安価で経済効率も格段によい鏡の装飾に関する技術思想を提供することができる。
【0037】
したがって、本発明は、関係するあらゆる素材、用途に対して利用・適用可能である。よって、本願は、鏡関連産業に限定することなく装飾物を伴う各種産業に対して大きな有益性をもたらすものである。
【符号の説明】
【0038】
10 鏡
11 リース飾り留め具
12 止めネジ
13 クッション材
14 ワイヤー(紐)通し孔
15 ワイヤー(紐)
16 鏡外周リング
17 環状リース飾り留め具
18 鏡外周リングの断面図
19 鏡外周の縁部

【要約】
【課題】鏡に独自仕様又は特別仕様の飾り装飾を自由にかつ任意に施すことができ、またその変更も簡易に任意に行うことができる鏡であって、その装飾の安全性と作業性をも格段に向上させつつ、安価で経済効率も格段によい鏡の装飾に関する技術思想を提供すること。
【解決手段】本発明のリース鏡は、平板状の鏡と、前記鏡の外周部の任意位置に前記鏡の前面及び背面を挟んで装着固定される複数のコの字状のリース飾り留め具と、前記リース飾り留め具に装着されるワイヤー(紐)とを具備するリース鏡であって、前記鏡に装着固定されたリース飾り留め具に装着された前記ワイヤー(紐)に前記リース飾りを飾り付けて装飾されたことに特徴を有する。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4