IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 濱口 清彦の特許一覧

<>
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図1
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図2
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図3
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図4
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図5
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図6
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図7
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図8
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図9
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図10
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図11
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図12
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図13
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図14
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図15
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図16
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図17
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図18
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図19
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図20
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図21
  • 特許-デスクッション本体及びデスクッション 図22
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-24
(45)【発行日】2022-12-02
(54)【発明の名称】デスクッション本体及びデスクッション
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/01 20060101AFI20221125BHJP
   A47C 16/00 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
A61F5/01 E
A47C16/00 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022014564
(22)【出願日】2022-02-02
(62)【分割の表示】P 2016134636の分割
【原出願日】2016-07-06
(65)【公開番号】P2022048297
(43)【公開日】2022-03-25
【審査請求日】2022-02-07
(31)【優先権主張番号】P 2016092148
(32)【優先日】2016-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516131212
【氏名又は名称】濱口 清彦
(74)【代理人】
【識別番号】100186255
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 悟
(72)【発明者】
【氏名】濱口 清彦
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-255140(JP,A)
【文献】特開2013-123635(JP,A)
【文献】実開昭56-116022(JP,U)
【文献】実開昭58-185958(JP,U)
【文献】実開昭59-96016(JP,U)
【文献】特開2011-19888(JP,A)
【文献】登録実用新案第3015432(JP,U)
【文献】中国実用新案第202234237(CN,U)
【文献】中国実用新案第201135245(CN,Y)
【文献】中国実用新案第201879085(CN,U)
【文献】中国実用新案第2645516(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/01
A47C 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱軸及び前記支柱軸の上端に顎受け部を有する支柱部と、前記支柱軸を内側に配置して、クッションを保持する保持部と、前記保持部を支持する基台部を備えたデスクッション本体において、
前記支柱軸は、前記顎受け部の上下方向の位置を決める第1の位置決め手段を有し、保持部材によって所定形状に形成された前記保持部は、前記第1の位置決め手段と対応する前記支柱軸の軸線上にある第2の位置決め手段を有し、前記基台部が机の天板の上面端部に支持されるように、前記基台部は前記保持部の上下方向における中央付近から中央付近より下方で、前記保持部に接続し、前面に向かって前記支柱軸の軸線と略垂直に延設して形成されたデスクッション本体であって、前記支柱部、前記保持部及び前記基台部の材料は鉄等の金属や強化プラスチックであり、前記顎受け部は前記上下方向に可動することができ、前記机での机上作業を行う、後面側から前記顎受け部に自らの顎を乗せた前記机に対する作業者前傾姿勢になることにより、前記支柱部と、前記保持部のうち前記机の天板の上面より上方の保持部とで構成される前記軸線に沿った上方部分が、前記基台部の先端部分において前記机の天板の上面と接する作用点に基づいて、前記軸線に沿ったまま前記基台部と略垂直であることを維持しながら、前記机の縁部における垂直線に対して前傾し、前記保持部のうち前記机の天板の上面より下方の保持部で構成される前記軸線に沿った下方部分が、前記軸線に沿ったまま前記基台部に略垂直であることを維持しながら、前記垂直線に対して後傾するとき、前記垂直線と前記下方部分の下端との間に変化幅が発生し、かつ前記基台部が前記作用点から前記基台部が前記保持部に接続した位置に至るまでにおいて前記天板の上面から離間することを特徴とするデスクッション本体。
【請求項2】
前記所定形状は前記支柱軸の軸線について左右方向に略対称の形状であって、前記支柱軸の軸線を跨ぐ少なくても一つの橋架保持部材と、前記橋架保持部材の両端でその橋架保持部材と接続して、少なくても上方に伸長する少なくても一対の伸長保持部材と、を備えて構成され、一対の基台支持部材によって形成された前記基台部は、前記一対の前記伸長保持部材によって形成された前記保持部に、片方の前記基台支持部材が片方の前記伸長保持部材にそれぞれ接続された請求項1に記載のデスクッション本体。
【請求項3】
前記第2の位置決め手段は、前記橋架保持部材上に具設された請求項2に記載のデスクッション本体。
【請求項4】
前記所定形状は前記支柱軸の軸線について左右方向に略対称の形状であって、前記支柱軸の軸線を跨ぐ少なくても一枚の平板状部材を備えて構成され、前記第2の位置決め手段は、前記平板状部材上に具設され、一対の基台支持部材によって形成された前記基台部は、前記平板状部材によって形成された前記保持部に、前記平板状部材の左右の両端で片方の前記基台支持部材がそれぞれ接続された請求項1に記載のデスクッション本体。
【請求項5】
前記支柱軸の軸線上にあって前記第2の位置決め手段より上方で、前記保持部の内側に具設された前記支柱軸をガイドするガイド部を、さらに有する請求項3又は4に記載のデスクッション本体。
【請求項6】
前記第1の位置決め手段は前記支柱軸に設けられたネジ山であり、前記第2の位置決め手段はナットである請求項1~5の何れか1項に記載のデスクッション本体。
【請求項7】
請求項1~の何れか1項に記載のデスクッション本体に、クッションが保持されたデスクッションであって、前記クッションは前記顎受け部の上面の少なくても一部分及び前記基台部の反対側で前記保持部の少なくても一部分に接するデスクッション。
【請求項8】
請求項1~の何れか1項に記載のデスクッション本体に、クッションが保持されたデスクッションであって、前記クッションは前記支柱部の少なくても一部分及び前記保持部の少なくても一部分を、その内部に包み込むデスクッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
支柱軸及び前記支柱軸の上端に顎受け部を有する支柱部と、前記支柱部を内側に配置して、クッションを保持する保持部と、前記保持部を支持する基台部を備えたデスクッション本体、及びそのデスクッション本体にさらにクッションを備えたデスクッションに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特にパソコンに向かう机上作業のため、作業者がパソコンの画面を見続ける前傾姿勢を継続することが多くなり、そのため頭の重みが首にかかり、首や肩への負担となっていた。そして首の痛みや肩こりを発生させ、場合によっては眼の疲労につながり、作業者にとって机上作業が苦痛となっていた。
特許文献1には、机の天板上に乗せるアジャスターと、アジャスター台座の背面部に設けたクッションを備え、そのクッションに机上作業の作業者が腹部や胸部をサポートできるおんぶラッコの発明が開示されている。特許文献2には、顎受け有する支柱と、支柱を支える土台を持った器具により、頭の重みを支え、首への負担を軽くする頭保持具の発明が開示されている。特許文献3には、基台部に設けられた支柱に、連結したスプリングを介して顎乗せ台を備えた顎乗せ台によって、作業者の首や肩に懸かる疲労を防ぐ補助具の発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-123635号公報
【文献】特開2011-19888号公報
【文献】特開2004-255140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のおんぶラッコの発明は、机の天板上に乗せるだけなので、前傾になった胸部等を支えることができずに、胸部等のサポートが不十分であった。特許文献2の頭保持具の発明は、土台を天板上の他作業者の膝に乗せる場合、顎が受けられた支柱がぐらついて頭の支えが不十分であり、膝への負担が発生する場合があった。特許文献3の補助具の発明は、スプリングを備えていても、特許文献1の発明と同様に前傾になった胸部等を支えることができずに、胸部等のサポートが不十分であった。
【0005】
ビジネス等の現場において発生して扱うべき膨大な情報を、正確にかつ迅速に処理や保存するためにパソコンが極めて有用であるので、パソコンが広く使用されていることは周知である。パソコンは一般的に、机上に置かれて使用されるものであるから、ビジネス等の情報を扱う作業者は、勢い机上に置かれたパソコンに向かって継続して長時間作業することになる。そうなると机に向かう姿勢を長時間取り続けることになるから、パソコン作業に必要な指先以外は動かされることが少なく、重たい頭を支え続ける首やそれにつながる肩は、いわゆる血行不良等によって首の痛みや肩こりを発生させることになる。そして、肩こり等が一因となって眼の疲労等が発生することも少なくない。
そのような身体への負担を抱えたまま作業者に、特にパソコンによる机上作業を強いることは、作業者にとって苦痛であるばかりでなく、作業効率が低下してビジネスの円滑な運営の支障になるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、パソコン等の机上作業に際し、重い頭を有しつつ無意識に前傾姿勢をとる作業者に対して、作業者の顎を支えて、その前傾姿勢の矯正を促しながら首、肩等にかかる負担を低減することができ、作業する位置に応じて移動容易なデスクッション、及びそれに利用するデスクッション本体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のデスクッション本体及びデスクッションは次のような構成を有している。
(1)支柱軸及び前記支柱軸の上端に顎受け部を有する支柱部と、前記支柱軸を内側に配置して、クッションを保持する保持部と、前記保持部を支持する基台部を備えたデスクッション本体において、
前記支柱軸は、前記顎受け部の上下方向の位置を決める第1の位置決め手段を有し、保持部材によって所定形状に形成された前記保持部は、前記第1の位置決め手段と対応する前記支柱軸の軸線上にある第2の位置決め手段を有し、前記基台部が机の天板の上面端部に支持されるように、前記基台部は前記保持部の上下方向における中央付近から中央付近より下方で、前記保持部に接続し、前面に向かって前記支柱軸の軸線と略垂直に延設して形成されたデスクッション本体であって、前記支柱部、前記保持部及び前記基台部の材料は鉄等の金属や強化プラスチックであり、前記机での机上作業を行う、後面側から前記顎受け部に自らの顎を乗せた前記机に対する作業者の前傾姿勢が大きくなることにより、前記支柱部と、前記保持部のうち前記机の天板の上面より上方の保持部とで構成される前記軸線に沿った上方部分が、前記基台部の先端部分において前記机の天板の上面と接する作用点に基づいて、前記軸線に沿ったまま前記基台部と略垂直であることを維持しながら、前記机の縁部における垂直線に対して前傾する程度が大きくなり、前記保持部のうち前記机の天板の上面より下方の保持部で構成される前記軸線に沿った下方部分が、前記軸線に沿ったまま前記基台部に略垂直であることを維持しながら、前記垂直線に対して後傾する程度が大きくなることにより、前記作業者がその腹部に前記下方部分による力の作用を感知し、前記作業者が前記前傾姿勢でなく、前記下方部分が前記垂直線に対して後傾することがほとんどないときは、前記腹部に力の作用を感知することはほとんどないことを特徴とするデスクッション本体である。
「前記第1の位置決め手段と対応する前記支柱軸の軸線上にある第2の位置決め手段」とは、第1の位置決め手段と第2の位置決め手段とが、対応する位置関係にあって、後出するような様々な態様で、第1の位置決め手段と第2の位置決め手段とが係合したり、係止したり、螺合したり、又はそれらの組み合わせであることを意味する。また、デスクッション本体の保持部は、クッションを内部から保持したり、クッションを支えたりするものである。
【0008】
(2)前記所定形状は前記支柱軸の軸線について左右方向に略対称の形状であって、前記支柱軸の軸線を跨ぐ少なくても一つの橋架保持部材と、前記橋架保持部材の両端でその橋架保持部材と接続して、少なくても上方に伸長する少なくても一対の伸長保持部材と、を備えて構成され、一対の基台支持部材によって形成された前記基台部は、前記一対の伸長保持部材によって形成された前記保持部に、片方の前記基台支持部材が片方の前記伸長保持部材にそれぞれ接続された(1)に記載のデスクッション本体である。
「前記所定形状は、前記支柱軸の軸線について左右方向に略対称の形状」について説明する。デスクッション本体の保持部は、クッションを内部から保持したり、支えたりするものであるから、その保持部の所定形状は、支柱軸の軸線について左右対称であることが望ましい。所定形状が左右方向について極端にいびつな形であると、クッションを内部から保持したり、支えたりにくくなるからである。換言すれば、所定形状が極端にいびつな形でないような、支柱軸の軸線について左右方向に略対称すなわち概ね対称であれば、クッションを内部から保持したり、支えたりすることについては満たすことができる。またそのように略対称であった方が保持部を形成することは容易になる。
橋架保持部材や伸長保持部材の保持部材及び基台支持部材は、それぞれ平板、中実の角柱・円柱・三角柱、中空の角柱・円柱・三角柱、又はそれらの組み合わせ等から適宜に選択される。また、「接続」とは、接続する部分が溶接によって接続されることの他、ネジによる締結や折り曲げることによる場合を含む意味である。
(3)前記第2の位置決め手段は、前記橋架保持部材上に具設された(2)に記載のデスクッション本体である。
(4)前記所定形状は前記支柱軸の軸線について左右方向に略対称の形状であって、前記支柱軸の軸線を跨ぐ少なくても一枚の平板状部材を備えて構成され、前記第2の位置決め手段は、前記平板状部材上に具設され、一対の基台支持部材によって形成された前記基台部は、前記平板状部材によって形成された前記保持部に、前記平板状部材の左右の両端で片方の前記基台支持部材がそれぞれ接続された(1)に記載のデスクッション本体である。
「前記第2の位置決め手段は、前記平板状部材上に具設され」とは、第2の位置決め手段が、直接に平板状部材上に具設される他、平板状部材上の所定部材を介して平板状部材に具設されることを含む。保持部が(2)においては、複数の保持部材の組み合わせによって形成されるのに対して、(4)においては、一枚の平板状部材を備えて形成される
(5)前記支柱軸の軸線上にあって前記第2の位置決め手段より上方で、前記保持部の内側に具設された前記支柱軸をガイドするガイド部を、さらに有する(3)又は(4)に記載のデスクッション本体である。
【0009】
(6)(1)~(5)の何れか1つに記載のデスクッション本体が、さらにその前面に照明を備えたデスクッション本体である。
(7)(1)~(5)の何れか一つに記載のデスクッション本体に、クッションが保持されたデスクッションであって、前記クッションは前記顎受け部の上面の少なくても一部分及び前記基台部の反対側で前記保持部の少なくても一部分に接するデスクッションである。
(8)(1)~(5)の何れか一つに記載のデスクッション本体に、クッションが保持されたデスクッションであって、前記クッションは前記支柱部の少なくても一部分及び前記保持部の少なくても一部分を、その内部に包み込むデスクッションである。
(9)(7)又は(8)に記載のデスクッションが、さらにその前面に照明を備えたデスクッションである。
(10)前記基台部より下方の前記保持部に接続されて、机の天板の縁部を下方から圧接する圧接部を、さらに備えた(2)~(6)の何れか一つに記載のデスクッション本体である。
【0010】
(11)前記圧接部は可撓性を有する一対の圧接部材を備えてなり、前記一対の圧接部材の片方が、所定間隔をおいてそれぞれ前記基台部より下方で前記保持部に接続されて、前面に向かって前記支柱軸の軸線と鋭角をなして延設して形成され、前面方向の前記圧接部材の末端部分における前記末端部分の上端と前記基台支持部材の下端との距離が、机の天板の厚みより小さい(10)に記載のデスクッション本体である。
(12)前記基台部より下方の前記保持部に接続されて、机の天板の縁部を下方から圧接する圧接部を、さらに備えた(7)~(9)に記載のデスクッションである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の作用・効果を説明する。
(1)支柱軸及び前記支柱軸の上端に顎受け部を有する支柱部と、前記支柱軸を内側に配置して、クッションを保持する保持部と、前記保持部を支持する基台部を備えたデスクッション本体において、
前記支柱軸は、前記顎受け部の上下方向の位置を決める第1の位置決め手段を有し、保持部材によって所定形状に形成された前記保持部は、前記第1の位置決め手段と対応する前記支柱軸の軸線上にある第2の位置決め手段を有し、前記基台部が机の天板の上面端部に支持されるように、前記基台部は前記保持部の上下方向における中央付近から中央付近より下方で、前記保持部に接続し、前面に向かって前記支柱軸の軸線と略垂直に延設して形成されたデスクッション本体であって、
前記支柱部、前記保持部及び前記基台部の材料は鉄等の金属や強化プラスチックであり、前記机での机上作業を行う、後面側から前記顎受け部に自らの顎を乗せた前記机に対する作業者の前傾姿勢が大きくなることにより、前記支柱部と、前記保持部のうち前記机の天板の上面より上方の保持部とで構成される前記軸線に沿った上方部分が、前記基台部の先端部分において前記机の天板の上面と接する作用点に基づいて、前記軸線に沿ったまま前記基台部と略垂直であることを維持しながら、前記机の縁部における垂直線に対して前傾する程度が大きくなり、前記保持部のうち前記机の天板の上面より下方の保持部で構成される前記軸線に沿った下方部分が、前記軸線に沿ったまま前記基台部に略垂直であることを維持しながら、前記垂直線に対して後傾する程度が大きくなることにより、前記作業者がその腹部に前記下方部分による力の作用を感知し、前記作業者が前記前傾姿勢でなく、前記下方部分が前記垂直線に対して後傾することがほとんどないときは、前記腹部に力の作用を感知することはほとんどないことを特徴とするデスクッション本体である。
そのため、顎受け部に作業者の顎が乗せられ、作業者が前傾姿勢になり、上方部分は作業者の胸部等によって前面に押されると、上方部分は机の縁部における垂直線に対して前面方向に傾くと同時に、下方部分はその垂直線に対して後面方向に傾き、下方部分が作業者の腹部に当たるため、無意識の内に前傾姿勢になっていたことを促されて気づいた作業者は、その前傾姿勢を矯正して首、肩等にかかる負担を低減することができる。そしてそのことによって、特にパソコンによる机上作業を強いられた作業者の苦痛を軽減し、作業効率の低下を防いでビジネスの円滑な運営の支障を除くという効果を奏する。ここで、上方部分とは、デスクッション本体について、机の天面より上方の部分のことであり、下方部分とは、机の天面より下方の部分のことである。
【0012】
(2)所定形状は支柱軸の軸線について左右方向に略対称の形状であって、支柱軸の軸線を跨ぐ少なくても一つの橋架保持部材と、橋架保持部材の両端でその橋架保持部材と接続して、少なくても上方に伸長する少なくても一対の伸長保持部材と、を備えて構成され、一対の基台支持部材によって形成された基台部は、一対の伸長保持部材によって形成された保持部に、片方の基台支持部材が片方の伸長保持部材にそれぞれ接続された(1)に記載のデスクッション本体なので、支柱軸の軸線について左右方向に略対称となりうることが好ましいクッション内部の空間に対して、クッションを保持することができるように、またクッションを支えて保持しやすいように、いわば骨組みを容易にかつ少ない部材によって構成することができるという効果を奏する。
(3)第2の位置決め手段は、橋架保持部材上に具設された(2)に記載のデスクッション本体なので、橋架保持部材の保持部の上下方向における位置によって、支柱部が保持部に支持される位置を下方に調節することができるため、保持部の重心が下方に調節されて、机の天面に支持されたデスクッション本体の安定性が増すという効果を奏する。
(4)所定形状は支柱軸の軸線について左右方向に略対称の形状であって、支柱軸の軸線を跨ぐ少なくても一枚の平板状部材を備えて構成され、第2の位置決め手段は、平板状部材上に具設され、一対の基台支持部材によって形成された基台部は、平板状部材によって形成された保持部に、平板状部材の左右の両端で片方の基台支持部材がそれぞれ接続された(1)に記載のデスクッション本体なので、保持部の強度を保つために必要な保持部の厚みを薄くすることができ、保持部の製造を一体成形することができうるという効果を奏する。
【0013】
(5)支柱軸の軸線上にあって第2の位置決め手段より上方で、保持部の内側に具設された支柱軸をガイドするガイド部を、さらに有する(3)又は(4)に記載のデスクッション本体なので、支柱軸は第2の位置決め手段とガイド部の2箇所で保持部に保持されるため、支柱軸は保持部に堅固に支持されて、作業者に無意識の内に前傾姿勢になっていたこと気づかせて、その前傾姿勢を矯正させることができるという(1)の効果をより奏することができるのである。
(6)(1)~(5)の何れか一つに記載のデスクッション本体が、さらにその前面に照明を備えたデスクッション本体なので、照明が作業者と作業の対象となっているものの間にあるため、照明のための新たな机上の場所や設備は不要であり、照明によって直接照らされた作業の対象物を、作業者が視認できるという効果を奏する。
(7)(1)~(5)の何れか一つに記載のデスクッション本体に、クッションが保持されたデスクッションであって、クッションは顎受け部の上面の少なくても一部分及び基台部の反対側で保持部の少なくても一部分に接するデスクッションなので、クッションがデスクッション本体の支柱部や保持部と、作業者の顎や胸部との間で緩衝材となり、その支柱部等が直接作業者の胸部等に当たることがなく、クッションに支えられおんぶされている心地よさを作業者に与えることができるため、自らの重たい頭を支えつつ、良くない姿勢である前傾姿勢によって発生する首の痛みや、肩こり等の苦痛を解消でき、作業効率の低下を防止して、ビジネスの円滑な運営に資することができるという効果を奏する。
(8)(1)~(5)の何れか一つに記載のデスクッション本体に、クッションが保持されたデスクッションであって、クッションは支柱部の少なくても一部分及び保持部の少なくても一部分を、その内部に包み込むデスクッションなので、(7)と同様に緩衝材の働きを担い、またクッションが例えばクマや犬、猫等動物の造形等であれば作業者に愛着を湧かせうるため、作業者にデスクッションの使用を促進させることができるという効果を奏する。
【0014】
(9)(7)又は(8)に記載のデスクッションが、さらにその前面に照明を備えたデスクッションなので、照明が作業者と作業の対象物の間にあるため、机が置かれている作業環境に応じて、採光の必要が生じたときでも、照明のための新たな机上の場所や照明スタンド等の設備は不要であり、照明によって直接照らされた作業の対象物を、作業者が視認できるという効果を奏する。
(10)基台部より下方の保持部に接続されて、机の天板の縁部を下方から圧接する圧接部を、さらに備えた(2)~(6)の何れか一つに記載のデスクッション本体なので、机の天板の縁部の上面すなわち上方からは基台部、下方からは圧接する圧接部によって、その縁部を挟持することができるため、作業者が作業を行う机の位置に応じて、デスクッション本体を容易に移動して支持することができるという効果を奏する。
【0015】
(11)圧接部は可撓性を有する一対の圧接部材を備えてなり、一対の圧接部材の片方が、所定間隔をおいてそれぞれ基台部より下方で保持部に接続されて、前面に向かって支柱軸の軸線と鋭角をなして延設して形成され、前面方向の圧接部材の末端部分における末端部分の上端と基台支持部材の下端との距離が、机の天板の厚みより小さい(10)に記載のデスクッション本体なので、机の天板は基台支持部材と圧接部材の間に着脱可能に圧入されることになるため、作業者が作業を行う机の位置に応じて、デスクッション本体をきわめて容易に移動して支持することができるという効果を奏する。
所定間隔としては、デスクッション本体を机により安定して支持するために、保持部の両端までの幅が好ましい。
(12)基台部より下方の保持部に接続されて、机の天板の縁部を下方から圧接する圧接部を、さらに備えた(7)~(9)に記載のデスクッションなので、机の天板の縁部の上面すなわち上方からは基台部、下方からは圧接する圧接部によって、その縁部を挟持することができるため、作業者が作業を行う机の位置に応じて、デスクッションを容易に移動して使用することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施の形態であるデスクッション本体の斜視図である。
図2】本発明の一実施の形態である別のデスクッション本体の斜視図である。
図3】別のデスクッション本体が机の天板の縁部に支持されたときの側面図である。
図4】別のデスクッション本体をA方向(前面)から見た図である。
図5】別のデスクッション本体の変形例で保持部が閉じた逆U字状を形成した図である。
図6】別のデスクッション本体の変形例で保持部がヨットの略帆形状を形成した図である。
図7】別のデスクッション本体の変形例で保持部が一枚の平板状部材を備えて形成した図である。
図8】別のデスクッション本体の変形例で、第1の位置決め手段が支柱軸内部に設けられたネジの組み合わせ、第2の位置決め手段が留め具であるのものが、机の天板の縁部に支持されたときの側面図である。
図9図8の変形例のデスクッション本体をB方向(後面)からみた図である。
図10図8、9の第1、2の位置決め手段及び回り止めビスの部分の部分拡大図である。
図11】(a)図10のC―C断面図、(b)図10のD―D断面図である。
図12】圧接部が前面に向かって支柱軸の軸線と鋭角をなして延設して形成されたものを備えた別のデスクッション本体が、机の天板の縁部に支持されたときの側面図である。
図13図12のデスクッション本体をG方向(前面)から見た図である。
図14】(a)図12、13の第1の位置決め手段及び第2の位置決め手段の部分拡大図である。(b)(a)のH―H断面図である。
図15図2のデスクッション本体が一対の圧接部材を備え、さらにその前面に照明を備えたデスクッション本体の斜視図である。
図16図1のデスクッション本体の顎受け部の上面と保持部にそれぞれクッションが保持されたデスクッションの斜視図である。
図17図2のデスクッション本体の顎受け部と保持部にそれぞれクッションが保持されたデスクッションの斜視図である。
図18図15のデスクッション本体に、クッションが保持されたデスクションが、机の天板の縁部に支持されたときの側面図である。
図19図18を前面から見た図である。
図20】作業者が図18、19のデスクッションを使用して机上作業をしているところの側面図である。
図21】作業者が図1のデスクッション本体を、前傾姿勢にならず使用しているときに、そのデスクッション本体に作用する力の説明図である。
図22】作業者が図1のデスクッション本体を、前傾姿勢になって使用しているときに、そのデスクッション本体に作用する力の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に基づいて、本発明の実施の形態であるデスクッション本体1の説明を行う。図1において、デスクッション本体1は、支柱部20、保持部30及び基台部40を備えて構成される。支柱部20は、支柱軸21、上端に顎受け部22、顎受け部22の上下方向の位置を決める第1の位置決め手段を有し、第1の位置決め手段としては、支柱軸21に設けられたネジ山23である。ネジ山23は顎受け部22から支柱軸21の下端の間に設けられている。保持部30は、保持部材である橋架保持部材31、一対の伸長保持部材32によって所定形状に形成されている。そして、その所定形状は、支柱軸21の軸線M(以下、軸線Mという場合がある)について、左右方向に対称の形状である矢じり形状である。図1から分かるように、橋架保持部材31は軸線Mを跨ぎ、一対の伸長保持部材32は、片方ずつ橋架保持部材31の両端でその橋架保持部材31と接続して、上方に伸長している。上方に伸長するとは、上方に向かって斜め方向に伸長する部分を備える場合も含む意味である。斜め方向が軸線Mに向かっているので、一対の伸長保持部材32は軸線M上で結合することになる。
第2の位置決め手段であるナット35は、その結合した部分に具設されている。すなわち第2の位置決め手段であるナット35は軸線M上にある。第1の位置決め手段であるネジ山23は、それと対応する位置にある第2の位置決め手段であるナット35に螺合している。一対の伸長保持部材32は橋架保持部材31と接続した下方では鉛直方向に伸長して、補助橋架保持部材33の両端に接続している。なお、第1の補助橋架保持部材33も軸線Mを跨いでいる。保持部30の形成方法については、橋架保持部材31と伸長保持部材32がビスによって固定されたり、伸長保持部材32と第1の補助橋架保持部材33が溶接や接着剤によって接続されたり、公知の技術が用いられる。そのため、例えば図1において、それらの接続方法から適宜に選択して接続されるので、接続後を模式的にあらわすことによって示している。なお、顎受け部22のように共通しうるものの番号は共通で示した。以降の図においても同様である。
【0018】
一対の基台支持部材41によって形成された基台部40は、保持部30の上下方向における中央付近から中央付近より下方で、一対の伸長保持部材32を含んで形成された保持部30に、片方の基台支持部材41が片方の伸長保持部材32にそれぞれ接続される。基台支持部材41は、前面に向かって軸線Mと略垂直に延設して形成されている。支柱軸21はネジ山23を有する観点から円柱や円筒が望ましく、橋架保持部材31、伸長保持部材32、第1の補助橋架保持部材33及び基台支持部材41は、各々の部材間の接続のさせ易さや、机の天板80の縁部に支持されたときの安定性等の観点から平板状が好ましい。また各部材の材料は、強度の観点から鉄等の金属や強化プラスチックである。各部材の接続は、鉄等の金属を用いた場合に溶接を、強化プラスチック等を含むプラスチック用いた場合には適切な接着剤を、また当て板等を用いたネジ止め等によって行うことができる。基台支持部材41の前面方向の端末は、後述する圧接部材51との組み合わせによって机の天板80の端部を挟持しやすくするため、やや上向きになっていてもよい。橋架保持部材31には、基台支持部材41とは反対側で、後出するクッション70を載置して保持する3つの支え片33aが、軸線Mと略垂直に延設して接続されている。
支柱軸21すなわち顎受け部22は、例えば顎受け部22を、支柱軸21について回動させることによって、上下方向に可動することができる。第1の位置決め手段であるネジ山23と、第2の位置決め手段であるナット35は螺合しているからである。顎受け部22の形状としては、様々な形状が可能であるが、顎受け部22は支柱軸21の回動に従って回動する場合のあることや、後述するように顎受け部22はクッション70に包まれる場合には、包み込まれた状態で回動しやすく、作業者Pの顎を受けやすい形状としては、例えば円盤形状が好ましい。
【0019】
図2、3に基づいて、本発明の実施の形態である別のデスクッション本体1の説明を行う。図2において、デスクッション本体1は、支柱部20、保持部30及び基台部40を備えて構成される。支柱部20は、支柱軸21、上端に顎受け部22、顎受け部22の上下方向の位置を決める第1の位置決め手段及び位置決めナット24を有し、第1の位置決め手段としては、支柱軸21に設けられたネジ山23である。保持部30は、保持部材である橋架保持部材31、一対の伸長保持部材32、第1の補助橋架保持部材33及び第2の補助橋架保持部材34によって所定形状に形成されている。そして、その所定形状は、支柱軸21の軸線Mについて、左右方向に対称の形状である矢じり形状である。図2から分かるように、橋架保持部材31は軸線Mを跨ぎ、一対の伸長保持部材32は、片方ずつ橋架保持部材31の両端でその橋架保持部材31と接続して、上方に伸長している。と共に下方に伸長している。下方に伸長するとは、下方に向かって斜め方向に伸長する部分を備える場合も含む意味である。斜め方向が軸線Mと離れる方向なので、一対の伸長保持部材32は橋架保持部材31と接続した部分より下方では末広がりとなっている。さらに、第1の補助橋架保持部材33と接続した下方では鉛直方向に伸長して、第2の補助橋架保持部材34の両端に接続している。なお、図2において、一対の伸長保持部材32と第2の補助橋架保持部材34の接続も公知の技術によって行われる。なお、顎受け部22のように共通しうるものの番号は共通で示した。以降の図においても同様である。
【0020】
保持部30は、第1の位置決め手段と対応する軸線M上にある第2の位置決め手段であるナット35と、軸線M上にあってナット35より上方で保持部30の内側に具設された支柱軸21をガイドするガイド部36を有している。第2の位置決め手段であるナット35は、軸線M上にあって橋架保持部材31上に具設される。ガイド部36は、支柱軸21が上下方向に可動できるような貫通孔36aを内部に有している。ガイド部36は例えば両端をそれぞれ伸長保持部材32にビスで固定される。
【0021】
一対の基台支持部材41によって形成された基台部40は、保持部30の上下方向における中央付近から中央付近より下方で、一対の伸長保持部材32によって形成された保持部30に、片方の基台支持部材41が片方の伸長保持部材32にそれぞれ接続される。基台支持部材41は、前面に向かって軸線Mと略垂直に延設して形成されている。支柱軸21はネジ山23を有する観点から円柱や円筒が望ましく、橋架保持部材31、伸長保持部材32、第1の補助橋架保持部材33、第2の補助橋架保持部材34及び基台支持部材41は、各々の部材間の接続のさせ易さや、机の天板80の縁部に支持されたときの安定性等の観点から平板状が好ましい。また各部材の材料は、強度の観点から鉄等の金属や強化プラスチックである。各部材の接続は、鉄等の金属を用いた場合に溶接を、強化プラスチック等を含むプラスチック用いた場合には適切な接着剤を、また当て板等を用いたネジ止め等によって行うことができる。基台支持部材41の前面方向の端末は、後述する圧接部材51との組み合わせによって机の天板80の端部を挟持しやすくするため、やや上向きになっていてもよい。
【0022】
支柱軸21すなわち顎受け部22は、顎受け部22や下端に設けられた位置決めナット24を、支柱軸21について回動させることによって、上下方向に可動することができる。第1の位置決め手段であるネジ山23と、第2の位置決め手段であるナット35は螺合しているからである。顎受け部22の形状としては、様々な形状が可能であるが、顎受け部22は支柱軸21の回動に従って回動する場合のあることや、後述するように顎受け部22はクッション70に包まれる場合には、包み込まれた状態で回動しやすく、作業者Pの顎を受けやすい形状としては、例えば円盤形状が好ましい。
【0023】
図3、4に基づいてデスクッション本体1(図2)が、机の天板80の縁部に支持されたときの説明を行う。図4図3をA方向(前面)から見た図である。作業者Pは自らの顎を、デスクッション90Aの後面側から顎受け部22に乗せて使用するので(図20参照)、図4の左右は作業者Pからみた左右である。図5~7でも同様である。基台支持部材41は、平板状の基台支持部材垂直片41aと基台支持部材水平片41bを備えてなり、基台支持部材41は、基台支持部材垂直片41aによって伸長保持部材32に接続され、基台支持部材水平片41bによって、机の天板80の縁部に支持されるのである。そして、デスクッション本体1(図2)がより安定して支持されるために、基台支持部材41は、前面に向かって軸線Mと垂直に延設して形成されることが好ましい。支柱軸21の下方に形成された第1の位置決め手段であるネジ山23の長さに相当する範囲で、顎受け部22が上下方向に可動できるため、可動範囲として図3、4に示した。後出する図5~9、図12、13でも同様である。
なお、デスクッション本体1(図2)では支柱軸21は、保持部30の後面側にあってもよい。この場合には、ナット35とガイド部36も保持部30の後面側に設ける必要がある。支柱軸21が後面側にある場合では、例えば基台部40を重くすれば、デスクッション本体1(図2)は後面側に倒れることなく、机の天板80の縁部に支持される。
【0024】
図5、6に基づいてデスクッション本体1(図2)の変形例の説明を行う。図5の変形例のデスクッション本体1Aは、保持部30Aが閉じた逆U字状を形成して、2つの第1の補助橋架保持部材33Aがバツ印を形成したもの(一対の伸長保持部材は32A、橋架保持部材は31A、基台支持部材は41Aである)、図6の変形例のデスクッション本体1Bは、保持部30Bがヨットの略帆形状を形成したものである。図5の保持部30Aは軸線Mについて、左右方向に対称の形状であるが、図6の保持部30Bは軸線Mについて略対称すなわちややいびつに左右方向に対称の形状である。一対の伸長保持部材32Bを備えた保持部30Bのような形状であっても、後出するクッション70を保持することはできるのである(基台支持部材は41Bである)。
さらに、例えばデスクッション本体1Bにつき、保持部30Bの上方部分を長くした場合において、それに伴って橋架保持部材31B及び第1の補助橋架部材33Bを上方に移動し、ナット35を第1の補助橋架保持部材33Bに移動すれば、第1の補助橋架保持部材33Bが橋架保持部材31Bαとなる。この場合では、第1の補助橋架保持部材が橋架保持部材の上方に位置している。橋架保持部材と補助橋架保持部材の上下の位置関係は任意でよいからである。また、補助橋架保持部材がなくても保持部としての機能を持たせることは可能であれば、補助橋架部材が不要であることは当然のことである。
【0025】
図7に基づいて、デスクッション本体1Cの説明を行う。デスクッション本体1Cの保持部30Cは、軸線Mについて左右方向に対称であって、軸線Mを跨ぐ一枚の平板状部材32Cを備えて構成されている。第2の位置決め手段35は、平板状部材32C上に具設される。補助片39は、位置決めナット24が回動できるように、位置決めナット24と平板状部材32Cの間に隙間をとるため、ナット35を平板状部材32Cからその隙間分離すために設けられたものである。したがって、補助片39の代わりに、その部分が隆起した平板状部材32Cαを成形すれば、補助片39は不要である。そのためには、平板状部材32Cは一枚の形状であるので、プラスチックによる成形を利用することができる。またプラスチックで成形すれば、製造コストを下げることが可能となる。基台部40(図示せず)は、平板状部材32Cの左右の両端で基台支持部材41が、平板状部材32Cにそれぞれ接続されて形成される。
【0026】
図8、9に基づいて変形例であるデスクッション本体1Dの説明を行う。デスクッション本体1Dでは、支柱軸21Dは保持部30Dより後面側にある。図9に記載の左右は、作業者Pは保持部30Dより後面側にある支柱軸21Dからデスクッション本体1Dを使用するので、図4等に記載の左右とは逆になっている。この場合では、例えば基台支持部材41を重くすれば、デスクッション本体1Dは後面側に倒れることなく、机の天板80の縁部に支持される。
デスクッション本体1Dでは、第1の位置決め手段が、支柱軸21Dの内部に設けられた雌ネジ部分21dと、把持部25に接続した雄ネジ25dが螺合することによる組み合わせである。一方第2の位置決め手段は、橋架保持部材31Dに具設された軸線M上にある留め具35dである。把持部25は留め具35dとビスによって、回動可能に橋架保持部材31Dに支持されている。ガイド部36Dは、ビスによって一対の伸長保持部材32Dの内側で、一対の伸長保持部材32Dが結合する部分に固定されている。ガイド部36Dの少し下方には、支柱軸21Dが連れまわりしないようにするため、回り止めビス37が伸長保持部材32Dを貫通して回り止め溝21eにとどいている。回り止め溝21eの長手方向の長さは、可動範囲より少し長めになっている。橋架保持部材31Dが保持部30Dの下端にあるので、一対の伸長保持部材32Dは、橋架保持部材31Dの両端で橋架保持部材31Dと接続して、上方に伸長している。
【0027】
図10図8、9の第1、2の位置決め手段及び回り止めビス37の部分の部分拡大図で、図10のC―C断面図が図11(a)、D―D断面図が図11(b)である。
図10、11に基づいて第1、2の位置決め手段等について説明を追加する。図10において、支柱軸21D内部から延出された雄ネジ25dは把持部25に固定されている。図10図11(b)に示されるように、雄ネジ25dが下方に延長された挟持部25bは、把持部25の上端部25eと把持部上端25fの間に挟まれ、ビスによって橋架保持部材31Dに固定された留め具35dの凹部35aに回動可能に支持されている。一方、図11(a)に示されるように、回り止めビス37は、支柱軸21Dに当接しているから、例えば図910に示されるように、F方向に把持部25を回転させて支柱軸21Dを上方に移動させ、また逆にE方向に把持部25を回転させて支柱軸21Dを下方に移動させても、支柱軸21Dは連れ回りしないのである。
【0028】
図12、13に基づいて、保持部30Eの下端に形成されて机の天板80の縁部を下方から圧接する圧接部50を、さらに備えたデスクッション本体1Eの説明を行う。図13図12をG方向(前面)から見た図である。
デスクッション本体1Eでは、第1の位置決め手段は、支柱軸21Eに設けられた6個の位置決め貫通孔21Fで、第2の位置決め手段は橋架保持部材31Eに設けられた位置決め凸部35Gである。ガイド部は、一対の伸長保持部材32の内側で、一対の伸長保持部材32が結合する部分に形成されたガイド凸部36Eである。ガイド凸部36Eは、後述する位置決め凸部35Gの形成の仕方に倣って、支柱軸21Eがスライドできるように隆起させた隙間を有している。支柱軸21Eは上端で前面方向に略垂直に曲げられ、その上に顎受け部22Eが接続されている。
【0029】
圧接部50は、可撓性を有する一対の圧接部材51を備え、一対の圧接部材51の片方が、所定間隔をおいてそれぞれ基台部40すなわち基台支持部材41より下方で、保持部30Eに接続されている。基台部40より下方の保持部30Eとは、机の天板80の下面から下端までの間にある伸長保持部材32の部分又は第1の補助橋架保持部材33Eが該当する。そして所定間隔について、第1の補助架保持部材33Eならば、その間隔の最大は、その両端までの間隔であり、伸長保持部材32ならば、伸長保持部材32間の間隔をいう。一方保持部30が一枚の平板状部材32Cならば、その所定間隔について、最大は平板状部材32Cにおける両端までの幅を言う。図13では、圧接部材51は一対の伸長保持部材32の下端に接続されている。例えば圧接部材51及び一対の伸長保持部材32を、それぞれ鉄製の平板で形成して溶接で接続すれば、圧接部材51に可撓性を持たせることができる。圧接部としてはクランプを含めあらゆる公知技術を使用することができる。
圧接部材51の前面方向の末端部分52において、末端部分52と基台支持部材41との距離L1は、机の天板80の厚みL2より小さい。基台支持部材41と圧接部材51の間に机の天板80が挿入されると、圧接部材51は可撓性を有するため、距離L1はL2に拡大して、それに伴って距離L2がL1に戻ろうとする復元力によって、圧接部50すなわちデスクッション本体1Eは机の天板80の縁部に支持されることになる。末端部分52の先端は机の天板80とは逆方向に曲がっているので、机の天板80は基台支持部材41と圧接部材51の間に挿入されやすくなっている。したがって、この場合には支柱軸21Eが保持部の後面側にあっても、基台支持部材を重くする等の必要は必ずしもない。
【0030】
図14(a)は、図12、13の位置決め貫通孔21Fと位置決め凸部35Gが組み合わされたときの部分拡大図であり、(b)は(a)のH―H断面図である。
図14(a)に示すように、橋架保持部材31Eの短手方向を3等分する位置で、支柱軸21Eを跨いで長手方向にスリットを2本入れ、2本のスリットの間の部分に、第1の位置決め手段である位置決め貫通孔21Fに対応した凸部貫通孔35gをあけておく。その後、図14(b)のように、2本のスリットの間の部分を隆起させて隙間を開け、その隙間を支柱軸21Eがスライドできるようにする。支柱軸21Eの位置決めは、位置決め貫通孔21Fと凸部貫通孔35gを連通させた後、位置決めビス38の軸をその両方の孔に挿入することによって行うことができる。
さらに、位置決めビス38の頭と橋架保持部材31Eの間に、位置決めビス38の頭に係止したスプリング38g(図示せず)を設けることができる。位置決めビス38の頭を橋架保持部材31Eから離れる方向に引っ張った後、支柱軸21Eを適宜な位置にスライドさせ、位置決め貫通孔21Fと凸部貫通孔35gを連通させて、位置決めビス38の頭をフリーにすると、スプリング38gの弾性力によって、位置決めビス38の軸がその両方の孔に連通することになる。この場合、位置決めビス38は位置決め凸部35Gに付属することになるから、第2の位置決め手段として扱うべきである。一方、スプリング38gを有しない場合には、位置決めビス38は第1又は第2の位置決め手段の補助手段として機能することになる。
位置決め貫通孔21Fの位置に従って、作業者Pの顎の位置に合わせて支柱軸21Eの上下方向における位置を選択することができる。図13のデスクッション本体1Eならば、6つの位置決め貫通孔21Fを有するので、6段階の位置の選択を行うことができる。
【0031】
図15に基づいて、その前面に電源コードレスの照明60を備えたデスクッション本体1Fの説明を行う。照明60は照明本体63、照明本体63を受ける照明台座61、照明台座61を2本のビスによって、一対の伸長保持部材32に接続する照明支持部62を備えて構成されている。照明支持部62は支柱軸21の外径を収めることができるU字切込みを有しているので、容易に伸長部材32に取り付けたり、外したりすることができる。作業者Pが机上作業を行う環境で採光が不十分である場合には、照明60を備えたデスクッション本体1Fを使用することが好ましい。照明は公知の照明から適時選択される。アルカリ電池等を内蔵した電源コードレスの照明ならば、電源をコンセントから取る必要がないので、電源コードに煩わされることなく、好みの場所でデスクッション本体1Fを使用することができる。一方電池を節約したいのであれば、電源コードのある照明を使用すればよい。照明台座61の下方への曲げ方によって、照明面63aから放射される光の角度を調整するこができる。なお、デスクッション本体1Fを使用するとは、実質的にはデスクッション本体1Fを利用したデスクッションを使用することを意味する。
【0032】
図16に基づいて、デスクッション本体1(図1)に、顎受けクッション76を備えたクッション70が保持されたデスクッション90の説明を行う。クッション70及び顎受けクッション76は、ウレタンフォーム、ゴム材等の柔軟性素材を用いることができる。顎受けクッション76は、顎受け部22の上面に接して保持されている。クッション70は、基台部40の反対側で支え片33aによって保持部30に接して保持されている。支え片33a上に載置されて保持されたクッション70は、デスクッション本体1(図1)の前面側で、例えば上下方向に異なる位置でクッション70に接続された二対の面ファスナー77と77Aを、一対ごとにそれぞれ係合させることによって保持される。その他クッション70をひもで縛ったり、大きな輪ゴムをかけたり等して保持することができる。作業者Pの胸部はクッション70により、作業者Pの顎は顎受けクッション76により、それらの緩衝材としての作用を受けてデスクッション90を快適に使用することができる。また、デスクッション90は上方に向かって矢じり形状であるので、作業者Pが後面側から前面側に腕を伸ばして作業をする場合に作業性が優れる。
【0033】
図17に基づいて、デスクッション本体1(図2)に、顎受けクッション76を備えたクッション70が保持されたデスクッション90の説明を行う。クッション70及び顎受けクッション76は、ウレタンフォーム、ゴム材等の柔軟性素材を用いることができる。顎受けクッション76は、顎受け部22を包み込んでいる。なお、顎受けクッション76が顎受け部22と作業者Pの顎との緩衝材となるには、顎受けクッション76が顎受け部22の上面に保持されればよい。クッション70は、顎受け部22より下方の支柱軸21及び保持部30のほとんどをその内部に包み込んでいる。クッション70は、上記のようにデスクッション本体1(図2)を包み込んだ後、デスクッション本体1(図2)の前面側で、例えば上下方向に異なる位置でクッション70に接続された二対の面ファスナー77と77Aを、一対ごとにそれぞれ係合させることによって保持される。その他クッション70をひもで縛ったり、大きな輪ゴムをかけたり等して保持することができる。作業者Pの胸部はクッション70により、作業者Pの顎は顎受けクッション76により、それらの緩衝材としての作用を受けてデスクッション90を快適に使用することができる。また、デスクッション90は上方に向かって矢じり形状であるので、作業者Pが後面側から前面側に腕を伸ばして作業をする場合に作業性が優れる。
【0034】
図18、19に基づいて、机の天板80の縁部に支持された、照明本体63を有するデスクッション90Aの説明を行う。図19は、デスクッション90Aを前面から見た図である。クッション70Aはクマをモデルとしたものである。その他クッション70Aの造形は、猫や犬等の愛玩動物、一概には愛玩動物とは言えないが愛玩動物に似た愛着を起こしうる前記のクマ等をモデルとすることができる。クマのクッション70Aは、クマの頭部71、クマの首部72、クマの手部73、クマの足部74、クマの背中上部75、及び照明本体63を有して、デスクッション本体1Fを、その内部に包み込むことができるような空間を備えて、構成されている。
デスクッション90Aは、デスクッション本体1Fの顎受け部22、支柱軸21及び保持部30を、その内部に包み込んでいる。顎受け部22と支柱軸21の上方の部分は、クマの頭部71及びクマの首部72に、支柱軸21の下方の部分及び一対の伸長保持部材32は、クマの肩、クマの背中上部75から腹部あたりに、基台部40はクマの手部73に、圧接部50はクマの足部74に、それぞれ包み込まれている。作業者Pは、支柱軸21を自らの顎の位置に合った高さに調節した後、顎受け部22や支柱軸21、保持部30等をクッション70Aで包み込むことになる。クマの頭部71が上方向に移動できるように、クマの首部72はいわゆるたるみ等の伸縮可能な部分を有している。
例えばクッション70Aの後面側の左右方向の中央付近に、クマの頭部71からクマの足部74にわたるファスナーを有する切込みを有するクッション70Aを用いて、作業者Pは、その切込みからデスクッション本体1Fの包みこみを行うことができる。照明本体63はデスクッション本体1Fにおいて、その前面に備えられているので、デスクッション90Aの前面に、照明本体63が備えられていることになる。なお、照明本体63はデスクッション本体1Fでなく、クマの首部72等に適宜な紐等でかけてもよい。
【0035】
図20~22に基づいて、デスクッション90Aが、作業者Pに無意識の内に前傾姿勢になっていたことを気づかせ、その前傾姿勢を矯正させることを促す作用を有することを説明する。作業者Pがデスクッション90Aを使用して机上作業をしている状態は、例えば図20のようである。すなわち作業者Pは、自らの顎をクマの頭部頂上71aに乗せ、首の付け根あたりをクマの頭部71の背面側に、胸部をクマの背中上部75に当てて、両手を机の天板80上に伸ばし例えばパソコンに向かって作業を行う。作業者Pの姿勢は作業初期ではこのようなものであっても、作業時間が経過するにつれて、作業に傾注するにしたがい視力等の低下も相俟って、パソコンの画面を見ようとして、勢い無意識のうちに前傾姿勢になり勝ちである。そうなった場合には、仮想線N付近で、作業者Pの胸部がクッション70Aを押すことによって、作業者Pは、デスクッション90Aに前面への力を作用させることになる。さらに、作業者Pの首の付け根あたりが、クッション70Aを押すことにもなる。クッションの形状によって、作業者Pがそのクッションを押す位置にバリエーションはありうるが、作業者Pの身体への負担を考慮すれば、作業者Pの胸部が優先してクッションを押すようにすることが好ましい。
そこで、以下にその作用の説明を行う。作業者Pがデスクッション90Aに作用させる力は、クッション70Aを介してデスクッション本体1Fに作用させる力となる。そして、その作用は、作業者Pがデスクッション90(図16)を使用した場合におけるデスクッション本体1(図1)に対する作用と同様であるから、以下の作用の説明においては、デスクッション本体1(図1)に基づいて行う。
【0036】
図21は作業者Pの姿勢が前傾姿勢でないとき、机の天板80に支持されているデスクッション本体1(図1)に作用する力等の状態の説明図である。顎受け部22には、作業者Pの顎からの鉛直方向へ力F1が作用する。作業者Pの姿勢が前傾姿勢でなければ、仮想線N付近で作業者Pから前面方向に向かってデスクッション本体1(図1)に作用する力F2はごく小さい。力F1は机の天板80の縁部に鉛直方向に作用し、その反作用による力RF1と釣り合う。一方F2によるモーメントによって力RF2が後面方向に向かって発生するが、力F2がごく小さいので、机の天面81より上方の部分である上方部分100は、机の縁部における垂直線Vに対してほとんど前傾することはなく、従って机の天面81より下方の部分である下方部分110が、その垂直線Vに対して後傾することもほとんどない。そうであると、力RF2によって作業者Pが腹部に力の作用を感知することはほとんどない。
ところが、図22のように、作業者Pの前傾姿勢が大きくなるにつれて、作業者Pから前面方向に向かってデスクッション本体1(図1)に作用する力AF2は大きくなる。それに伴い上方部分100が垂直線Vに対して前傾する程度が大きくなり、作用点42aに力F3を生じて、下方部分110が垂直線Vに対して後傾する程度も大きくなる。すなわち変化幅Xが発生することになる。そうして、作業者Pは変化幅Xに相応して大きくなった力RAF2からの作用を腹部に感知することによって、自らが前傾姿勢になっていることに気付くのである。そうなれば、前傾姿勢は良くない姿勢であることを弁えている作業者Pは、その前傾姿勢を矯正することができるのである。
【0037】
(実施例)
ボランティアの3人の被験者が、机の天板80の縁部(机の天板80の上面端部)に支持されたデスクッション90(図17)を使用した感想を、A:顎と胸等を支えること(正しい姿勢を保つこと)に関する効果、B:照明に関する効果についてまとめた。
被験者1
使用前の状況:長時間の机上作業では、頭部の重みを首や肩で支える事が負担となり、肩こりや頭痛が起こりやすかった。長時間の机上作業では、猫背になったり、椅子に深く座り背もたれにもたれたりして姿勢が悪かった。夜間など、部屋の蛍光灯のみで机作業をしているが、自分の身体が陰になり見づらかった。
A:デスクッション90に顎を乗せると、首と肩の力が自然に抜ける感じがした。自分の座高に合わせて高さ調節ができるので、長時間の机上作業でも良い姿勢を保つことができた。
B:自分の目線から照明が出ていることで、細かい作業も影にならず、非常に見やすかった。
被験者2
使用前の状況:机上作業が長時間になると、椅子の背もたれ等にもたれるが、いつの間にか再び前傾姿勢になっていた。長時間の机上作業では、猫背になったり、椅子に深く座り背もたれにもたれたりして姿勢が悪くなった。机上に自分とは反対側に照明スタンドを使用しているが、本を立てて読書する際には、本は読みやすいが、影が出て見づらかった。
A:机上作業は前傾で行う事が多いが、前傾を支えてくれるので楽になった。腹部から胸部をデスクッションに当てる事で、自分の姿勢を自然に意識できた。
B:読書などを机上でする際、本を立てて読むが、自分の方向から照明が出ている事で陰にならず非常に読みやすかった。
被験者3
使用前の状況:机上作業が長時間になると、肘を机に置いたり、頬杖をついたりして姿勢が悪くなった。照明器具(蛍光灯など)を直視する事で、目を悪くする可能性があった。
A:頬杖をついたりしなくても頭部を支えてくれるので、長時間の作業が可能になった。頬杖をついたりする事で姿勢が悪くなるが、デスクッション90があれば姿勢を保つ事ができた。
B:自分の目線に照明器具(蛍光灯等)が入らないため、直視する事もなく、目に優しかった。
以上の結果によって、デスクッション90が、前傾姿勢の被験者に、そのことを気づかせ正しい姿勢を保つように促す効果と、被験者に作業の対象物を非常に見やすくさせる効果が確認された。たとえ被験者2のように、机上作業を前傾姿勢で行っても、デスクッション90によって、自分の姿勢を自然に意識しつつ、前傾姿勢が支えられて楽になったという効果をも生じさせる場合があった。
【0038】
本実施例によれば、(1)支柱軸21及び支柱軸21の上端に顎受け部22を有する支柱部20と、支柱軸21を内側に配置して、クッション70を保持する保持部30と、保持部30を支持する基台部40を備えたデスクッション本体1において、支柱軸21は、顎受け部22の上下方向の位置を決める第1の位置決め手段を有し、保持部材によって所定形状に形成された保持部30は、第1の位置決め手段と対応する支柱軸21の軸線M上にある第2の位置決め手段を有し、基台部40が机の天板80の上面端部に支持されるように、基台部40は保持部30の上下方向における中央付近から中央付近より下方で、保持部30に接続し、前面に向かって支柱軸21の軸線Mと略垂直に延設して形成されたデスクッション本体1であって、支柱部20、保持部30及び基台部40の材料は鉄等の金属や強化プラスチックであり、机での机上作業を行う、後面側から顎受け部22に自らの顎を乗せた机に対する作業者Pの前傾姿勢が大きくなることにより、支柱部20と、保持部30のうち机の天板の上面(机の天面81)より上方の保持部30とで構成される軸線Mに沿った上方部分100が、基台部40の先端部分において机の天板の上面(机の天面81)と接する作用点42aに基づいて、軸線Mに沿ったまま基台部40と略垂直であることを維持しながら、机の縁部における垂直線Vに対して前傾するとき、保持部30のうち机の天板の上面(机の天面81)より下方の保持部で構成される軸線Mに沿った下方部分110が、軸線Mに沿ったまま基台部40に略垂直であることを維持しながら、垂直線Vに対して後傾する程度が大きくなることにより、作業者Pがその腹部に下方部分110による力の作用を感知し、作業者Pが前傾姿勢でなく、下方部分110が垂直線Vに対して後傾することがほとんどないときは、腹部に力の作用を感知することはほとんどないことを特徴とするデスクッション本体1である。
そのため、顎受け部22に作業者Pの顎が乗せられ、作業者Pが前傾姿勢になり、上方部分100は作業者の胸部等によって前面に押されると、上方部分100は机の縁部における垂直線Vに対して前面方向に傾くと同時に、下方部分110はその垂直線Vに対して後面方向に傾き、下方部分110が作業者Pの腹部に当たるため、無意識の内に前傾姿勢になっていたことを促されて気づいた作業者Pは、その前傾姿勢を矯正して首、肩等にかかる負担を低減することができる。そしてそのことによって、特にパソコンによる机上作業を強いられた作業者Pの苦痛を軽減し、作業効率の低下を防いでビジネスの円滑な運営の支障を除くという効果を奏する。
【0039】
(2)所定形状は支柱軸21の軸線Mについて左右方向に略対称の形状であって、支柱軸21の軸線Mを跨ぐ少なくても一つの橋架保持部材31と、橋架保持部材31の両端でその橋架保持部材31と接続して、少なくても上方に伸長する少なくても一対の伸長保持部材32と、を備えて構成され、一対の基台支持部材41によって形成された基台部40は、一対の伸長保持部材32によって形成された保持部30に、片方の基台支持部材41が片方の伸長保持部材32にそれぞれ接続された(1)に記載のデスクッション本体1なので、支柱軸21の軸線Mについて左右方向に略対称となりうることが好ましいクッション内部の空間に対して、クッション70を保持することができるように、またクッション70を支えて保持しやすいように、いわば骨組みを容易にかつ少ない部材によって構成することができるという効果を奏する。
(3)第2の位置決め手段は、橋架保持部材31上に具設された(2)に記載のデスクッション本体1なので、橋架保持部材31の保持部30の上下方向における位置によって、支柱部20が保持部30に支持される位置を下方に調節することができるため、保持部30の重心が下方に調節されて、机の天面80に支持されたデスクッション本体1の安定性が増すという効果を奏する。
(4)所定形状は支柱軸21の軸線Mについて左右方向に略対称の形状であって、支柱軸21の軸線Mを跨ぐ少なくても一枚の平板状部材32Cを備えて構成され、第2の位置決め手段は、平板状部材32C上に具設され、一対の基台支持部材41によって形成された基台部40は、平板状部材32Cによって形成された保持部30に、平板状部材32Cの左右の両端で片方の基台支持部材31がそれぞれ接続された(1)に記載のデスクッション本体1なので、保持部30の強度を保つために必要な保持部30の厚みを薄くすることができ、保持部30の製造を一体成形することができうるという効果を奏する。
【0040】
(5)支柱軸21の軸線M上にあって第2の位置決め手段より上方で、保持部30の内側に具設された支柱軸21をガイドするガイド部36を、さらに有する(3)又は(4)に記載のデスクッション本体1なので、支柱軸21は第2の位置決め手段とガイド部36の2箇所で保持部30に保持されるため、支柱軸21は保持部30に堅固に支持されて、作業者Pに無意識の内に前傾姿勢になっていたこと気づかせて、その前傾姿勢を矯正させることができるという(1)の効果をより奏することができるのである。
(6)(1)~(5)の何れか一つに記載のデスクッション本体1が、さらにその前面に照明60を備えたデスクッション本体1なので、照明60が作業者Pと作業の対象となっているものの間にあるため、照明60のための新たな机上の場所や設備は不要であり、照明60によって直接照らされた作業の対象物を、作業者Pが視認できるという効果を奏する。
(7)(1)~(5)の何れか一つに記載のデスクッション本体1に、クッションが保持されたデスクッション90であって、クッション70は顎受け部22の上面の少なくても一部分及び基台部40の反対側で保持部30の少なくても一部分に接するデスクッション90なので、クッション70がデスクッション本体1の支柱部20や保持部30と、作業者Pの顎や胸部との間で緩衝材となり、その支柱部20等が直接作業者Pの胸部等に当たることがなく、クッション70に支えられおんぶされている心地よさを作業者Pに与えることができるため、自らの重たい頭を支えつつ、良くない姿勢である前傾姿勢によって発生する首の痛みや、肩こり等の苦痛を解消でき、作業効率の低下を防止して、ビジネスの円滑な運営に資することができるという効果を奏する。
(8)(1)~(5)の何れか一つに記載のデスクッション本体1に、クッションが保持されたデスクッション90であって、クッション70は支柱部20の少なくても一部分及び保持部の少なくても一部分を、その内部に包み込むデスクッション90なので、(7)と同様に緩衝材の働きを担い、またクッション70が例えばクマや犬、猫等動物の造形等であれば作業者Pに愛着を湧かせうるため、作業者Pにデスクッションの使用を促進させることができるという効果を奏する。
【0041】
(9)(7)又は(8)に記載のデスクッション90が、さらにその前面に照明60を備えたデスクッション90なので、照明60が作業者Pと作業の対象物の間にあるため、机が置かれている作業環境に応じて、採光の必要が生じたときでも、照明60のための新たな机上の場所や照明スタンド等の設備は不要であり、照明60によって直接照らされた作業の対象物を、作業者Pが視認できるという効果を奏する。
(10)基台部40より下方の保持部30に接続されて、机の天板80の縁部を下方から圧接する圧接部50を、さらに備えた(2)~(6)の何れか一つに記載のデスクッション本体1なので、机の天板80の縁部の上面すなわち上方からは基台部40、下方からは圧接する圧接部50によって、その縁部を挟持することができるため、作業者Pが作業を行う机の位置に応じて、デスクッション本体1を容易に移動して支持することができるという効果を奏する。
【0042】
(11)圧接部50は可撓性を有する一対の圧接部材51を備えてなり、一対の圧接部材51の片方が、所定間隔をおいてそれぞれ基台部40より下方で保持部30に接続されて、前面に向かって支柱軸21の軸線Mと鋭角をなして延設して形成され、前面方向の圧接部材51の末端部分52における末端部分52の上端と基台支持部材41の下端との距離が、机の天板80の厚みより小さい(10)に記載のデスクッション本体1なので、机の天板80は基台支持部材41と圧接部材51の間に着脱可能に圧入されることになるため、作業者Pが作業を行う机の位置に応じて、デスクッション本体1をきわめて容易に移動して支持することができるという効果を奏する。
所定間隔としては、デスクッション本体1を机により安定して支持するために、保持部30の両端までの幅が好ましい。
(12)基台部40より下方の保持部30に接続されて、机の天板80の縁部を下方から圧接する圧接部50を、さらに備えた(7)~(9)に記載のデスクッション90なので、机の天板80の縁部の上面すなわち上方からは基台部40、下方からは圧接する圧接部50によって、その縁部を挟持することができるため、作業者Pが作業を行う机の位置に応じて、デスクッション90を容易に移動して使用することができるという効果を奏する。
【0043】
本発明のデスクッション本体については、上記実施例に限定されることなく、色々な応用が可能である。本発明の実施の態様では、圧接部として一対の圧接部材を用いているが、一対以上の圧接部材を使用してもよい。また、本発明のデスクッションについても、上記実施例に限定されることなく、色々な応用が可能である。本発明の実施の態様では、照明を備えることができるが、芳香剤、消臭剤、小型扇風機、小型空気清浄機等をさらに備えてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 デスクッション本体
20 支柱部
21 支柱軸
22 顎受け部
30 保持部
40 基台部
70 クッション
80 机の天板
90 デスクッション
M 軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22