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特許7182368車載表示装置、車載表示装置を制御する方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-24
(45)【発行日】2022-12-02
(54)【発明の名称】車載表示装置、車載表示装置を制御する方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/01 20060101AFI20221125BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20221125BHJP
   B60R 11/04 20060101ALI20221125BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
G02B27/01
B60K35/00 A
B60R11/04
B60R11/02 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018048835
(22)【出願日】2018-03-16
(65)【公開番号】P2019159216
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100195659
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 祐介
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100157277
【弁理士】
【氏名又は名称】板倉 幸恵
(72)【発明者】
【氏名】樋口 和則
(72)【発明者】
【氏名】村岸 裕治
(72)【発明者】
【氏名】福井 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】小野 英一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 敏之
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 文彦
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 正明
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102015215180(DE,A1)
【文献】国際公開第2017/056953(WO,A1)
【文献】特開2017-211424(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0074956(US,A1)
【文献】国際公開第2017/018027(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01
B60K 35/00
B60R 11/04
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載表示装置であって、
画像を含む光束である投写光を出射する出射部と、
前記投写光を反射させて、外景に重畳された虚像を形成する反射部と、
車両の前方の各点における輝度の集合である輝度分布を取得する輝度取得部と、
前記車両の運転者の視線の方向を取得する視線取得部と、
取得された前記輝度分布のうち、1つ以上の点からなる領域であって前記各点の輝度の平均よりも高い輝度を有する領域である高輝度領域と、前記視線取得部により取得された前記視線の方向である基準方向とが成す角度に応じて、前記虚像の輝度を調整する輝度調整部と、
を備える、車載表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載表示装置であって、
前記輝度調整部は、
取得された前記輝度分布に対応した等価光幕輝度であって、前記各点について、1つの点の輝度と、前記1つの点と前記基準方向とが成す角度と、それぞれ用いて求められる等価光幕輝度を用いて、前記虚像の輝度を調整する、車載表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の車載表示装置であって、
前記輝度調整部は、
前記車両の運転者の眼球や網膜神経系の特性を表す眼球特性情報にさらに応じて、前記虚像の輝度を調整する、車載表示装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車載表示装置であって
記輝度調整部は、
前記視線取得部により取得された前記視線が前記反射部を向いている場合には、前記虚像の輝度を調整し、
前記視線取得部により取得された前記視線が前記反射部を向いていない場合には、前記虚像の輝度を調整しない、車載表示装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車載表示装置であって、
前記出射部は、
前記反射部において前記虚像の形成が可能な領域のうち、前記反射部を透過した前記車両の前方における外景の輝度が一様である領域に前記投写光が導かれる位置に前記画像を配置する、車載表示装置。
【請求項6】
車載表示装置を制御する方法であって、
画像を含む光束である投写光を出射する工程と、
前記投写光を反射させて、外景に重畳された虚像を形成する工程と、
車両の前方の各点における輝度の集合である輝度分布を取得する工程と、
前記車両の運転者の視線の方向を取得する工程と、
取得された前記輝度分布のうち、1つ以上の点からなる領域であって前記各点の輝度の平均よりも高い輝度を有する領域である高輝度領域と、取得された前記視線の方向である基準方向とが成す角度に応じて、前記虚像の輝度を調整する工程と、
を備える、方法。
【請求項7】
コンピュータプログラムであって、
画像を含む光束である投写光を出射させる機能と、
前記投写光を反射させて、外景に重畳された虚像を形成させる機能と、
車両の前方の各点における輝度の集合である輝度分布を取得させる機能と、
前記車両の運転者の視線の方向を取得させる機能と、
取得された前記輝度分布のうち、1つ以上の点からなる領域であって前記各点の輝度の平均よりも高い輝度を有する領域である高輝度領域と、取得された前記視線の方向である基準方向とが成す角度に応じて、前記虚像の輝度を調整する機能と、
を車載表示装置に実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
わき見運転による事故の低減や利便性の向上等を目的として、車両の例えばフロントガラス越しの外景と、経路案内用の画像等を表す虚像とを重畳させて、車両の運転者に視認させる車載表示装置(HUD:Head-Up Display)が知られている。例えば、特許文献1には、周囲環境の外光の明るさに対応させて、表示する画像の輝度を調整するHUDが記載されている。例えば、特許文献2及び特許文献3には、周囲環境の外光(背景)の明るさに基づいてコンバイナの透過光量を変化させるHUDが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-14788号公報
【文献】特開2010-72365号公報
【文献】特開平3-227738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、夜間に車両を運転する場合、例えば対向車両のヘッドライトによってHUDの虚像が見えにくくなる場合がある。これは、運転者の目に入射したヘッドライトの光束が、角膜や水晶体等で散乱して運転者の視界に光幕が生じ、HUDの虚像のコントラストが低下するためである。しかし、特許文献1~3に記載の技術ではいずれも、周囲環境の外光の明るさが一定(例えば、夜間)の場合には、画像の輝度やコンバイナの透過光量は変化しないため、上述のような場合においてHUDの虚像のコントラストが低下するという課題は解決できない。
【0005】
なお、このような課題は、夜間における対向車両のヘッドライトに限らず、周囲環境の外光の明るさが一定であり、かつ、運転者の前方に工事用照明や街路灯の光源が存在する場合に共通する課題であった。
【0006】
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、車載表示装置において、虚像の視認性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。車載表示装置であって、画像を含む光束である投写光を出射する出射部と、前記投写光を反射させて、外景に重畳された虚像を形成する反射部と、車両の前方の各点における輝度の集合である輝度分布を取得する輝度取得部と、前記車両の運転者の視線の方向を取得する視線取得部と、取得された前記輝度分布のうち、1つ以上の点からなる領域であって前記各点の輝度の平均よりも高い輝度を有する領域である高輝度領域と、前記視線取得部により取得された前記視線の方向である基準方向とが成す角度に応じて、前記虚像の輝度を調整する輝度調整部と、を備える、車載表示装置。そのほか、本発明は、以下の形態としても実現可能である。
【0008】
(1)本発明の一形態によれば、車載表示装置が提供される。この車載表示装置は、画像を含む光束である投写光を出射する出射部と、前記投写光を反射させて、外景に重畳された虚像を形成する反射部と、車両の前方の各点における輝度の集合である輝度分布を取得する輝度取得部と、取得された前記輝度分布のうち、1つ以上の点からなる領域であって前記各点の輝度の平均よりも高い輝度を有する領域である高輝度領域と、基準方向とが成す角度に応じて、前記虚像の輝度を調整する輝度調整部と、を備える。
【0009】
この構成によれば、輝度調整部は、車両の前方の輝度分布のうち、1つ以上の点からなる領域であって各点の輝度の平均よりも高い輝度を有する領域である高輝度領域と、基準方向とが成す角度に応じて虚像の輝度を調整する。すなわち、輝度調整部は、周囲環境の外光の明るさが一定であっても、車両を運転する運転者の前方に、例えば対向車両のヘッドライトのような高輝度領域がある場合、この高輝度領域と基準方向との角度に応じて、出射部及び反射部によって形成される虚像の輝度を調整することで、虚像の視認性を向上させることができる。
【0010】
(2)上記形態の車載表示装置では、さらに、前記車両の運転者の視線の方向を取得する視線取得部を備え、前記輝度調整部は、前記視線取得部により取得された前記視線の方向を前記基準方向としてもよい。この構成によれば、輝度調整部は、視線取得部により取得された運転者の視線の方向を基準方向として用いる。すなわち、輝度調整部は、運転者の視線の方向と、高輝度領域との関係(角度)に応じて虚像の輝度を調整するため、虚像の視認性をより向上できる。
【0011】
(3)上記形態の車載表示装置において、前記輝度調整部は、取得された前記輝度分布に対応した等価光幕輝度であって、前記各点について、1つの点の輝度と、前記1つの点と前記基準方向とが成す角度と、それぞれ用いて求められる等価光幕輝度を用いて、前記虚像の輝度を調整してもよい。目に入射した光束が角膜や水晶体等で散乱して、視界に生じる光幕による虚像(画像)のコントラストの低下量は、等価光幕輝度を用いて近似できる。この構成によれば、輝度調整部は、取得された輝度分布に対応した等価光幕輝度を求め、求めた等価光幕輝度を用いて虚像の輝度を調整する。このため、虚像の輝度の調整量を適正化することができ、虚像の視認性をより向上できる。
【0012】
(4)上記形態の車載表示装置において、前記輝度調整部は、前記車両の運転者の眼球や網膜神経系の特性を表す眼球特性情報にさらに応じて、前記虚像の輝度を調整してもよい。目に入射した光束が角膜や水晶体等で散乱して、視界に生じる光幕による虚像(画像)のコントラストの低下量は、例えば、運転者の年齢や病歴、病気の程度等、運転者の眼球や網膜神経系の特性に応じて変化する。この構成によれば、輝度調整部は、運転者の眼球や網膜神経系の特性を表す眼球特性情報にさらに応じて虚像の輝度を調整する。このため、運転者の眼球や網膜神経系の特性を考慮して、虚像の輝度の調整量を適正化することができ、虚像の視認性をより向上できる。
【0013】
(5)上記形態の車載表示装置では、さらに、前記車両の運転者の視線の方向を取得する視線取得部を備え、前記輝度調整部は、前記視線取得部により取得された前記視線が前記反射部を向いている場合には、前記虚像の輝度を調整し、前記視線取得部により取得された前記視線が前記反射部を向いていない場合には、前記虚像の輝度を調整しなくてもよい。この構成によれば、輝度調整部は、視線が反射部を向いていない場合、すなわち、運転者が虚像を見ていない場合には、虚像の輝度を調整しないため、車載表示装置における処理量を低減できると共に、表示が前方の運転視界を妨げることを低減できる。
【0014】
(6)上記形態の車載表示装置において、前記出射部は、前記反射部において前記虚像の形成が可能な領域のうち、前記反射部を透過した前記車両の前方における外景の輝度が一様である領域に前記投写光が導かれる位置に前記画像を配置してもよい。この構成によれば、出射部は、反射部を透過した車両の前方における外景の輝度が一様である領域、すなわち、運転者から見た外景の輝度が一様である領域に対して虚像を形成できる。このため、運転者における虚像の視認性をより向上できる。
【0015】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、車載表示装置、車載表示装置を含む車両システム、これら装置及びシステムの制御方法、これら装置及びシステムにおいて実行されるコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、そのコンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態としての車両システムの概略図である。
図2】表示処理について説明する図である。
図3】輝度調整処理の手順を示すフローチャートである。
図4】輝度分布について説明する図である。
図5】等価光幕輝度の算出について説明する図である。
図6】等価光幕輝度を用いた表示画像の輝度の調整について説明する図である。
図7】輝度の調整の効果について説明する図である。
図8】第2実施形態の輝度調整処理の手順を示すフローチャートである。
図9】第3実施形態の表示処理について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1実施形態>
図1は、本発明の一実施形態としての車両システム1の概略図である。車両システム1は、車載表示装置(HUD:Head-Up Display)10を搭載した車両90である。車両システム1の利用者、すなわち車両90の運転者31は、フロントガラス92越しの外景と、車載表示装置10により形成される虚像とを同時に視認することができる。本実施形態の車両システム1では、車両90を運転する運転者31の前方に、例えば対向車両のヘッドライトのような高輝度領域がある場合、車載表示装置10によって形成される虚像の輝度を調整することで、虚像の視認性を向上させる。
【0018】
車載表示装置10は、ダッシュボード93に内蔵された出射部11と、フロントガラス92の内側面に組み込まれた反射部13と、センターコンソール94に設置された視線取得部14と、ルーフ91の内側に設置された輝度取得部17と、これらの各部に接続されたCPU15及び記憶部16とを備えている。図1において、X軸は運転者31の左右方向に対応し、Y軸は運転者31の上下方向に対応し、Z軸は運転者31の前後方向に対応する。
【0019】
出射部11は、例えば、光源と、表示素子と、投写光学系とを備え、画像を含む光束(以下「投写光」とも呼ぶ)を出射する。光源は、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、EL(エレクトロルミネセンス)、レーザ等の発光体である。表示素子は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、DMD(Digital Micromirror Device)、MEMS(Micro-electro-mechanical System)等の透過型または自発光型の表示素子であり、画像を形成する。表示素子により形成された画像は、光源によって光束(投写光)とされる。投写光学系は、例えば、投影レンズ、ミラー等を含み、投写光の発散角等を調整する。
【0020】
反射部13は、例えばコンバイナであり、反射部13を透過する光の量(透過光量)と投写光とを合成することが可能な半透過反射シートである。本実施形態では、反射部13は、フロントガラス92の内側面に組み込まれているが、反射部13は、フロントガラス92の内側面又は外側面に固定されていてもよく、フロントガラス92とは別体として設けられていてもよい。
【0021】
視線取得部14は、例えば、運転者31の顔を含む画像を撮像するカメラである。視線取得部14は、撮像により得られた画像(撮像画像)を画像解析することにより、運転者31の視線の方向(視線方向)を取得する。本実施形態では、視線方向は、運転者31の両目平均のデータを用いるが、視線方向は、運転者の片目(右目あるいは左目)のデータを用いてもよい。なお、視線取得部14は1つのカメラでも実現できるが、視線方向の精度向上のためには、複数のカメラにより構成されることが好ましい。
【0022】
輝度取得部17は、例えば、車両90の前方、換言すれば、運転者31の前方における外景(周囲環境)の画像を撮像するカメラである。輝度取得部17は、撮像画像を画像解析することにより、撮像画像に含まれる各点(各画素)の輝度を求める。以降、輝度取得部17の撮像画像に含まれる各画素についての各輝度の集合を「輝度分布」とも呼ぶ。すなわち、輝度取得部17が取得する輝度分布は、車両90の前方の各点における輝度の集合である。
【0023】
CPU15は、車載表示装置10の各部と図示しないROM及びRAMとに接続され、ROMに格納されているコンピュータプログラムをRAMに展開して実行することにより、車載表示装置10の各部を制御する。そのほかCPU15は、表示制御部151、輝度調整部152としても機能する。表示制御部151は、後述する表示処理を実行することで出射部11を制御し、虚像を表示させる。輝度調整部152は、後述する輝度調整処理を実行することで出射部11を制御し、表示される虚像の輝度を調整する。
【0024】
記憶部16は、フラッシュメモリ、メモリカード、ハードディスクなどで構成される。記憶部16には、予め眼球特性情報161が記憶されている。眼球特性情報161には、運転者31の眼球や網膜神経系の特性を表す種々の情報が含まれる。眼球特性情報161としては、例えば、運転者31の年齢、目に関する病歴(白内障等)、目に関する病気の程度を採用できる。眼球特性情報161に含まれる各情報は、運転者31による設定、変更が可能である。また、眼球特性情報161のうち「年齢」は、視線取得部14の撮像画像を画像解析することで推定されてもよい。なお、CPU15及び記憶部16は、電子制御ユニット(ECU、Electronic Control Unit)により実装されてもよい。
【0025】
図2は、表示処理について説明する図である。表示処理は、表示制御部151によって、車載表示装置10の起動後に実行され、車載表示装置10が起動している間は繰り返し実行される。表示処理は、次の処理a1,a2の各ステップにより構成される。
(a1)表示画像を取得するステップ:表示制御部151は、出射部11の表示素子に表示させるための画像(表示画像オブジェクトOB、以降、表示画像オブジェクトを単に「表示画像」とも呼ぶ。)を取得する。表示制御部151は、例えば、車載表示装置10に接続又は内蔵されている図示しない他のアプリケーション(例えば、経路案内アプリケーションや、拡張現実アプリケーション等)からの画像を受信し、受信した画像を表示画像OBとすることができる。図2では、表示画像OBを右向きの矢印画像として、前方にある右折交差点に重畳させて表示する場合を例示する。
【0026】
(a2)表示画像を表示させるステップ:表示制御部151は、出射部11の表示素子に対して表示画像OBを描画させる。出射部11の表示素子により形成された表示画像OBは、図1に示すように、光源によって光束とされ、出射部11から表示画像OBを表す投写光L1が出射される。その後、投写光L1と、運転者31の前方視界の外光L2とが反射部13により結合され、結合光L3が運転者31の両目に入光する。これにより、運転者31は、図2に示すように、投写光L1による虚像(表示画像OBを表す虚像)と、外光L2による外景とを同時に(重畳された状態で)視認することができる。なお、図1のPは虚像の結像点を表す。
【0027】
図3は、輝度調整処理の手順を示すフローチャートである。輝度調整処理は、表示処理により形成される虚像の輝度を調整するための処理である。輝度調整処理は、輝度調整部152によって、表示処理と平行して実行される。ステップS10において輝度調整部152は、輝度取得部17に車両90の前方の撮像画像を取得させる。
【0028】
図4は、輝度分布について説明する図である。輝度調整処理(図3)のステップS12において輝度調整部152は、輝度取得部17に、車両90の前方の撮像画像から得られる車両90の前方の輝度分布を取得させる。例えば、図4に示す撮像画像IMが得られた場合を例示して説明する。輝度調整部152は、輝度取得部17に、車両90の前方の撮像画像IMに含まれる全ての画素(x1,y1)~(xn,ym)のそれぞれについて、各画素の輝度(輝度分布BD)を取得させる。ここで「n」及び「m」は、1以上の自然数である。
【0029】
本実施形態では、取得された輝度分布BDのうち、1つ以上の点(画素)からなる領域であって、輝度分布BDの各点(各画素)の輝度の平均よりも高い輝度を有する領域を「高輝度領域」と呼ぶ。図4の例の場合、対向車両LS1のヘッドライトによって輝度が高くなる領域A1と、車両90の前方の街灯LS2及びLS3によって輝度が高くなる領域A2及びA3とが、高輝度領域に相当する。
【0030】
ステップS14において輝度調整部152は、基準方向を取得する。ここで「基準方向」とは、輝度調整部152が虚像の輝度を調整するための基準とする方向である。本実施形態では、基準方向として運転者31の視線の方向を使用する。このため、ステップS14において輝度調整部152は、視線取得部14に運転者31の視線方向を取得させ、取得された視線方向を基準方向とする。
【0031】
ステップS16において輝度調整部152は、記憶部16に記憶されている眼球特性情報161を取得する。本実施形態では、眼球特性情報161として運転者31の年齢が記憶されている場合を例示する。このため、ステップS16において輝度調整部152は、眼球特性情報161から運転者31の年齢を取得し、眼球特性情報とする。
【0032】
図5は、等価光幕輝度の算出について説明する図である。輝度調整処理(図3)のステップS18において輝度調整部152は、等価光幕輝度を算出する。輝度調整部152は、下記の数式1に対して、ステップS10~S16で取得した各値を代入して演算することにより、輝度分布BDにおける等価光幕輝度Leq[cd/m2]を算出できる。ここで、Eiは、画素(xn´,ym´)の光源によって生じる運転者31の眼前照度である。θiは、画素(xn´,ym´)と基準方向Dとが成す空間上での角度である。nは、実験により予め求められた定数であり、本実施形態ではn=2である。kは、眼球特性情報により定まる定数であり、眼球特性情報として運転者31の年齢を用いる場合、年齢Ageを用いて下記の数式2により求めることができる。輝度調整部152は、Ei及びθiの画素(xn´,ym´)を、n´=1~n、m´=1~mと遷移させつつ演算することで、輝度分布BDにおける等価光幕輝度Leqを算出する。
【0033】
【数1】
【数2】
【0034】
輝度調整処理(図3)のステップS20において、輝度調整部152は、ステップS18で算出した等価光幕輝度Leqを用いて、出射部11における表示画像OB(図2、表示処理)の輝度を調整する。
【0035】
図6は、等価光幕輝度を用いた表示画像の輝度の調整について説明する図である。図6では、説明の便宜上、表示画像OBとして暗色の背景と、文字「E」を表す明色の対象物(表示オブジェクト)とを含む画像を例示する。また、背景の輝度を背景輝度Lbg[cd/m2]と表し、対象物の輝度を対象物輝度Lfg[cd/m2]と表す。図6(A)には、左から右に向かって、輝度調整前の表示画像OB、等価光幕輝度Leq、等価光幕輝度Leqが重畳された輝度調整前の表示画像OB+Leq、及び、等価光幕輝度Leqが重畳された輝度調整後の表示画像OB´+Leqをそれぞれ表す。図6(B)には、図6(A)に表した各画像について、領域Ar(図6:破線)における輝度の変化を表す。
【0036】
ここで、例えば図4の対向車両LS1など、車両90の前方にある光源による光束が運転者31の目に入射した場合、光束は運転者31の角膜や水晶体等で散乱し、視界に光幕が生じて、運転者31が虚像として視認している表示画像OBに光幕が重畳されるため、表示画像OBのコントラストが低下する。このコントラストの低下量は、車両90の前方の輝度分布BD(図4)を用いて求めた等価光幕輝度Leqにより近似できる。このため、車両90の前方にある光源によるコントラストの低下は、図6(A)の輝度調整前の表示画像OB+Leqのように表すことができる。図6(B)に示すように、輝度調整前の表示画像OB+Leqでは、対象物輝度Lfg及び背景輝度Lbgが、等価光幕輝度Leqによって嵩上げされ、数式3に示すコントラスト比Cとなる。数式4は、数式3を変形して得られる式である。
【0037】
【数3】
【数4】
【0038】
そこで、輝度調整部152は、等価光幕輝度Leqが重畳された輝度調整後の表示画像OB´+Leqにおけるコントラスト比と、輝度調整前の表示画像OBにおけるコントラスト比とが略同じになるように、対象物(表示オブジェクト)の輝度を調整する。換言すれば、輝度調整部152は、図6のa´:b´と、a:bとが略同じになるように、対象物(表示オブジェクト)の輝度を調整する。なお、図6の例では、輝度調整部152は、対象物輝度Lfgを明るくすることでコントラスト比を調整した。しかし、輝度調整部152は、背景輝度Lbgを暗くすることでコントラスト比を調整してもよく、対象物輝度Lfgを明るくし、かつ、背景輝度Lbgを暗くすることでコントラスト比を調整してもよい。
【0039】
例えば、輝度調整部152は、次のb1~b3のいずれかに示す方法によって、表示画像の輝度を調整してもよい。
(b1)年齢に応じた輝度の調整:輝度調整部152は、基準とする基準年齢Ageref[歳]を定め、この基準年齢におけるコントラスト比Crefと同等となるように、対象物輝度Lfgや背景輝度Lbgを調整してもよい。例えば、対象物輝度Lfgを調整する場合、調整後の対象物輝度Lfg´は、下記の数式5により求めることができる。ここで、等価光幕輝度Leqは、ステップS18で求めた運転者31の年齢Age[歳]における等価光幕輝度であり、等価光幕輝度Leqrefは、基準年齢Agerefにおける等価光幕輝度である。
【0040】
【数5】
【0041】
(b2)視線方向に応じた輝度の調整:輝度調整部152は、基準とする方向(例えば正面)を定め、この方向のコントラスト比Crefと同等となるように、対象物輝度Lfgや背景輝度Lbgを調整してもよい。例えば、対象物輝度Lfgを調整する場合、調整後の対象物輝度Lfg´は上述の数式5により求めることができる。方法b2の場合、等価光幕輝度Leqは、ステップS18で求めた輝度分布BD全体についての等価光幕輝度であり、等価光幕輝度Leqrefは、基準とする方向(例えば正面)についての等価光幕輝度である。
【0042】
(b3)輝度分布に応じた輝度の調整:輝度調整部152は、基準とする輝度(例えば特定の輝度値)を定め、この輝度によるコントラスト比Crefと同等となるように、対象物輝度Lfgや背景輝度Lbgを調整してもよい。例えば、対象物輝度Lfgを調整する場合、調整後の対象物輝度Lfg´は上述の数式5により求めることができる。方法b3の場合、等価光幕輝度Leqは、ステップS18で求めた輝度分布BD全体についての等価光幕輝度であり、等価光幕輝度Leqrefは、基準とする輝度(例えば特定の輝度値)についての等価光幕輝度である。
【0043】
図7は、輝度の調整の効果について説明する図である。以上説明した第1実施形態の輝度調整処理(図3)によれば、輝度調整部152は、虚像として形成される表示画像OBの輝度(対象物輝度Lfgや背景輝度Lbg)を調整するために、等価光幕輝度Leqを用いる(ステップS20)。等価光幕輝度Leqは、車両90の前方の輝度分布BDの各点(各画素)について、1つの点(画素)の輝度から求められる眼前照度Eiと、基準方向Dとが成す角度θiと、をそれぞれ用いて求められる(数式1、ステップS18)。このため、図7に示すように、輝度分布BD内の高輝度領域A1と、基準方向Dとが成す角度θが変化すれば、この変化に応じて等価光幕輝度Leqも変化する。図4に示すように、輝度分布BD内に複数の高輝度領域A1~A3があり、これら高輝度領域A1~A3と基準方向Dとが成す角度θがそれぞれ変化した場合も同様に、これらの変化に応じて等価光幕輝度Leqも変化する。等価光幕輝度Leqは一般に、基準方向Dに近い光源(高輝度領域)の影響を強く受け、かつ、大きな光源(高輝度領域)の影響を強く受ける。輝度調整部152は、このような等価光幕輝度Leqを用いて表示画像OBの輝度を調整するため、換言すれば輝度調整部152は、高輝度領域A1と、基準方向Dとが成す角度θに応じて表示画像OBの輝度を調整していると言える。また、輝度取得部17の範囲外について、その内部の値を用いて輝度値を設定することにより、視野範囲を拡大してもよい。
【0044】
このように、輝度調整部152は、例えば夜間や昼間等、車両90の周囲環境の外光の明るさが一定であっても、車両90を運転する運転者31の前方に、例えば対向車両LS1のヘッドライトのような高輝度領域A1がある場合、この高輝度領域A1と基準方向Dとの角度θに応じて、出射部11及び反射部13によって形成される虚像の輝度(対象物輝度Lfgや背景輝度Lbg)を調整することで、虚像の視認性を向上させることができる。また、輝度調整部152は、等価光幕輝度Leqによって虚像の輝度の調整量を適正化することができ、虚像の視認性をより向上できる。
【0045】
また、第1実施形態の輝度調整処理(図3)によれば、輝度調整部152は、視線取得部14により取得された運転者31の視線の方向を基準方向Dとして用いる(ステップS14)。すなわち、輝度調整部152は、運転者31の視線の方向と、高輝度領域A1との関係(角度θ)に応じて虚像の輝度(対象物輝度Lfgや背景輝度Lbg)を調整するため、虚像の視認性をより向上できる。
【0046】
さらに、第1実施形態の輝度調整処理(図3)によれば、輝度調整部152は、運転者31の眼球や網膜神経系の特性を表す眼球特性情報161にさらに応じて虚像の輝度(対象物輝度Lfgや背景輝度Lbg)を調整する(数式1、数式5、ステップS20)。目に入射した光束が角膜や水晶体等で散乱して、視界に生じる光幕による虚像(表示画像OB)のコントラストの低下量は、例えば、運転者31の年齢Ageや病歴、病気の程度等、運転者31の眼球や網膜神経系の特性に応じて変化する。本実施形態によれば、輝度調整部152は、運転者31の眼球や網膜神経系の特性を考慮して、虚像の輝度の調整量を適正化することができるため、虚像の視認性をより向上できる。
【0047】
<第2実施形態>
第2実施形態の車載表示装置10aでは、輝度調整部152aは、運転者31の視線が反射部13に向いていない場合は、虚像の輝度を調整しない。以降、第1実施形態と相違する部分についてのみ説明する。
【0048】
図8は、第2実施形態の輝度調整処理の手順を示すフローチャートである。第2実施形態では、輝度調整部152aは、図3に代えて図8の手順に従って輝度調整処理を実行する。図8に示す輝度調整処理では、図3で説明したステップS10~S20の前に、ステップS30及びS32が実行される。
【0049】
処理開始後、ステップS30において輝度調整部152aは、視線取得部14に運転者31の視線方向を取得させる。ステップS32において輝度調整部152aは、取得された運転者31の視線が、反射部13を向いている(反射部13が設置されている方向を向いている)か否かを判定する。視線が反射部13を向いている場合(ステップS32:YES)、輝度調整部152aは、第1実施形態で説明したステップS10~S20の処理を実行し、虚像の輝度を調整する。一方、視線が反射部13を向いていない場合(ステップS32:NO)、輝度調整部152aは、虚像の輝度の調整を行わずに、処理をステップS30へと遷移させて運転者31の視線の監視を継続する。
【0050】
以上のように、第2実施形態の車載表示装置10aによれば、輝度調整部152aは、運転者31の視線が反射部13を向いていない場合、すなわち、運転者31が反射部13により形成される虚像を見ていない場合には、虚像の輝度を調整しない。このため、車載表示装置10aにおける処理量を低減できると共に、表示が前方の運転視界を妨げることを低減できる。
【0051】
<第3実施形態>
第3実施形態の車載表示装置10bでは、表示制御部151aは、車両90の前方における外景の輝度が一様である領域に対して虚像を形成させる。以降、第1実施形態と相違する部分についてのみ説明する。
【0052】
図9は、第3実施形態の表示処理について説明する図である。第3実施形態では、表示制御部151aは、上述した表示処理(ステップa1,a2)のうち、ステップa2に代えてステップa2´を実行する。
(a2´)表示画像を輝度が一様である領域に表示させるステップ:表示制御部151aは、輝度取得部17により取得された輝度分布BDを用いて、反射部13において虚像の形成が可能な領域のうち、反射部13を透過した車両90の前方における外景の輝度が一様である領域AUを求める。輝度調整部152aは、例えば、隣接する点(画素)同士の輝度差が予め定められた許容範囲内である場合に「輝度が一様」であると判定できる。表示制御部151aは、出射部11の表示素子上において、求めた領域AU内に投写光L1が導かれる位置に、表示画像OB1,OB2を描画させる。出射部11の表示素子により形成された表示画像OB1,OB2は、第1実施形態の手順a2で接目した通りの光路を経て運転者31の両目に入光する。
【0053】
以上のように、第3実施形態の車載表示装置10bによれば、虚像(表示画像OB1,OB2を表す虚像)は、例えば、対向車両LS1のヘッドライトによって輝度が高くなる領域A1、ヘッドライトからの光束によって輝度が一様ではなくなる領域AV、街灯LS2及びLS3によって輝度が高くなる領域A2及びA3等を避けて、外景の輝度が一様である領域AUに形成される。このため、車載表示装置10bによれば、運転者31における虚像の視認性をより向上できる。
【0054】
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0055】
[変形例1]
上記実施形態では、車載表示装置の構成の一例を示した。しかし、車載表示装置の構成は種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では車載表示装置をいわゆる両眼HUD(運転者の両目に虚像を視認させる車載表示装置)としたが、車載表示装置はいわゆる単眼HUD(運転者の片目に虚像を視認させる車載表示装置)として構成されてもよい。単眼HUDとする場合、出射部から反射部までの投写光の光路上に、レンティキュラーレンズ又は視野角制御フィルタを設ければよい。
【0056】
例えば、車載表示装置において虚像として表示される表示画像は、文字、図形、記号、これらの組み合わせ等の種々の態様を採用できる。また、表示画像は静止画であってもよく、動画であってもよい。例えば、視線取得部や輝度取得部は単一のカメラによって実現されてもよく、複数のカメラによって実現されてもよい。例えば、車載表示装置はさらに、運転者の生体認証データを取得するための装置を備えていてもよい。
【0057】
[変形例2]
上記実施形態では、輝度調整処理の一例を示した(図3)。しかし、輝度調整処理の内容は種々の変更が可能である。例えば、基準方向を取得するステップS14において、輝度調整部は、視線取得部により取得された運転者の視線の方向を基準方向にすることに代えて、予め定められた特定の方向(例えば、正面方向)を基準方向としてもよい。この場合、車載表示装置は視線取得部を備えなくてもよい。
【0058】
例えば、眼球特性情報を取得するステップS16は、省略してもよい。この場合、等価光幕輝度を算出するステップS18において輝度調整部は、眼球特性情報の変数kには、所定の固定値等を利用できる。
【0059】
例えば、表示画像の輝度を調整するステップS20において、輝度調整部は、等価光幕輝度を利用せずに、表示画像の輝度を調整してもよい。この場合、例えば、高輝度領域と基準方向とが成す角度と、輝度の調整量との関係を表すマップや数式等を、予め実験等により求めて記憶部に記憶させておく。輝度調整部は、輝度取得部により取得された輝度分布から高輝度領域を求め、高輝度領域と基準方向とが成す角度を求める。輝度調整部は、求めた角度と記憶部内のマップや数式から輝度の調整量を求めて、表示画像の輝度を調整することができる。
【0060】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【符号の説明】
【0061】
10,10a,10b…車載表示装置
11…出射部
13…反射部
14…視線取得部
15…CPU
16…記憶部
17…輝度取得部
31…運転者
90…車両
91…ルーフ
92…フロントガラス
93…ダッシュボード
94…センターコンソール
151,151a…表示制御部
152,152a…輝度調整部
161…眼球特性情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9