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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-24
(45)【発行日】2022-12-02
(54)【発明の名称】複眼撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 9/09 20060101AFI20221125BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20221125BHJP
   G03B 11/00 20210101ALI20221125BHJP
   G03B 19/07 20210101ALI20221125BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20221125BHJP
   H04N 5/369 20110101ALI20221125BHJP
【FI】
H04N9/09 A
G03B15/00 B
G03B11/00
G03B19/07
H04N5/225 400
H04N5/225 300
H04N5/369
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018222417
(22)【出願日】2018-11-28
(65)【公開番号】P2020088684
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】391015616
【氏名又は名称】株式会社アサヒ電子研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】政木 康生
【審査官】西谷 憲人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/083499(WO,A1)
【文献】特開2013-105926(JP,A)
【文献】特開2015-226299(JP,A)
【文献】国際公開第2016/009707(WO,A1)
【文献】特開2009-211254(JP,A)
【文献】特開2018-170656(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0055811(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 9/09
G03B 15/00
G03B 11/00
G03B 19/07
H04N 5/225
H04N 5/369
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレンズを含むレンズアレイと、
撮像面が前記レンズアレイと光軸方向に対向するように設けられ、前記レンズアレイのレンズ毎の画像を形成するイメージセンサと、を備え、
前記イメージセンサは、受光素子アレイと、前記受光素子アレイ上に設けられたカラーフィルタアレイと、前記カラーフィルタアレイ上に設けられたマイクロレンズアレイとを含み、
前記イメージセンサは、前記イメージセンサの中央部において、前記マイクロレンズアレイのマイクロレンズの中心が前記受光素子アレイの受光素子の中心と前記光軸方向に対向するように設けられているとともに、前記イメージセンサの端部において、前記マイクロレンズアレイのマイクロレンズの中心が前記受光素子アレイの受光素子の中心に対して前記イメージセンサの中央部側に寄るように設けられており、
前記レンズアレイのレンズのうちの複数色を含むカラー画像用の第1のレンズは、前記イメージセンサの中央部に前記光軸方向に対向するように設けられている、複眼撮像装置。
【請求項2】
波長選択用のフィルタとの組み合わせにより前記レンズアレイのレンズのうちの複数色を含むカラー画像以外の画像用のレンズとして構成された第2のレンズは、前記イメージセンサの中央部以外の部分に前記光軸方向に対向するように設けられている、請求項1に記載の複眼撮像装置。
【請求項3】
前記第2のレンズは、赤外領域の波長選択用の前記フィルタとの組み合わせによる赤外画像用のレンズ、および、特定色の波長領域の波長選択用の前記フィルタとの組み合わせによる単色画像用のレンズのうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の複眼撮像装置。
【請求項4】
前記第2のレンズは、複数の前記第2のレンズを含み、
前記複数の第2のレンズは、前記第1のレンズを囲むように設けられている、請求項2または3に記載の複眼撮像装置。
【請求項5】
前記イメージセンサの前記カラーフィルタアレイは、ベイヤー配列のカラーフィルタアレイである、請求項1~4のいずれか1項に記載の複眼撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複眼撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レンズアレイと、レンズアレイのレンズ毎の画像を形成するイメージセンサとを備える複眼撮像装置が知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
上記特許文献1には、微小レンズアレイと、微小レンズアレイのレンズ毎の画像を形成する固体撮像素子とを備える画像入力装置(複眼撮像装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3821614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には明記されていないものの、既製品であるイメージセンサ(固体撮像素子)では、一般的に、感度向上を狙って受光素子アレイ上に集光用のマイクロレンズアレイが設けられることが多い。また、単一のイメージセンサによってカラー画像を取得するために、受光素子アレイ上にカラーフィルタアレイが設けられているが、この場合にはカラーフィルタアレイ上にマイクロレンズアレイが設けられている。
【0006】
既製品であるイメージセンサは、単眼撮像装置用に製作されていることが多いため、イメージセンサのマイクロレンズアレイも、単眼撮像装置用に製作されていることが多い。単眼撮像装置用に製作されたイメージセンサのマイクロレンズアレイは、イメージセンサの中央部において、マイクロレンズの中心が受光素子の中心と光軸方向に対向するように設けられている一方、イメージセンサの端部において、マイクロレンズの中心が受光素子の中心に対してイメージセンサの中央部側に寄るように設けられていることがある。この理由は以下の通りである。すなわち、単眼撮像装置では、イメージセンサの中央部においては、受光素子上に結像する光束が受光素子に対してほぼ垂直に入射するが、イメージセンサの端部においては、結像光束が受光素子に対して傾斜して入射するため、マイクロレンズを入射光束の傾斜方向にズラすことによって、集光効率を大きくすることができるためである。もちろん、単眼撮像装置であってもイメージセンサ近傍にレンズを設けてイメージセンサ全域にわたって結像光路を受光素子に対して垂直に入射するように光学設計する場合には、同レンズが周辺部マイクロレンズのズラし効果と等価な効果を担うので、上述のマイクロレンズのシフトが不要となる。
【0007】
既製品であるイメージセンサを用いる場合、このような単眼撮像装置用に製作された(マイクロレンズをズラした)イメージセンサを複眼撮像装置に用いざるを得ない場合がある。本願発明者が鋭意検討した結果、単眼撮像装置用に製作されたイメージセンサを複眼撮像装置に用いる場合、イメージセンサの端部においてカラー画像を取得する場合に、カラー画像に色滲みが生じるという問題点が発生することを新たに発見した。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、単眼撮像装置用に製作されたイメージセンサを複眼撮像装置に用いる場合において、色滲みを無くすための補正処理を行うことなく、色滲みがないカラー画像を取得することが可能な複眼撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記本願発明者が新たに発見した課題を解決するとともに、上記目的を達成するため、この発明の一の局面による複眼撮像装置は、複数のレンズを含むレンズアレイと、撮像面がレンズアレイと光軸方向に対向するように設けられ、レンズアレイのレンズ毎の画像を形成するイメージセンサと、を備え、イメージセンサは、受光素子アレイと、受光素子アレイ上に設けられたカラーフィルタアレイと、カラーフィルタアレイ上に設けられたマイクロレンズアレイとを含み、イメージセンサは、イメージセンサの中央部において、マイクロレンズアレイのマイクロレンズの中心が受光素子アレイの受光素子の中心と光軸方向に対向するように設けられているとともに、イメージセンサの端部において、マイクロレンズアレイのマイクロレンズの中心が受光素子アレイの受光素子の中心に対してイメージセンサの中央部側に寄るように設けられており、レンズアレイのレンズのうちの複数色を含むカラー画像用の第1のレンズは、イメージセンサの中央部に光軸方向に対向するように設けられている。
【0010】
この発明の一の局面による複眼撮像装置では、上記のように構成することによって、イメージセンサの中央部に光軸方向に対向するように設けた複数色を含むカラー画像用の第1のレンズにより、イメージセンサの中央部においてマイクロレンズによる光の集光を適切に行いつつ、カラー画像を取得することができるので、イメージセンサの端部においてカラー画像を取得する場合と異なり、色滲みがないカラー画像を取得することができる。また、色滲みがないカラー画像を取得することができるので、色滲みがないカラー画像を取得するために、カラー画像に色滲みを無くすための補正処理を行う必要も無い。これらの結果、単眼撮像装置用に製作されたイメージセンサを複眼撮像装置に用いる場合において、色滲みを無くすための補正処理を行うことなく、色滲みがないカラー画像を取得可能な複眼撮像装置を提供することができる。
【0011】
上記一の局面による複眼撮像装置において、好ましくは、波長選択用のフィルタとの組み合わせによりレンズアレイのレンズのうちの複数色を含むカラー画像以外の画像用のレンズとして構成された第2のレンズは、イメージセンサの中央部以外の部分に光軸方向に対向するように設けられている。このように構成すれば、イメージセンサの中央部において、色滲みがないカラー画像を取得しつつ、イメージセンサの中央部以外の部分において、色滲みが目立たないカラー画像以外の画像を取得することができる。その結果、カラー画像およびカラー画像以外の画像を効果的に取得することができる。また、カラー画像取得用以外の個眼によって波長選択された画像を同時に取得することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、第2のレンズは、赤外領域の波長選択用のフィルタとの組み合わせによる赤外画像用のレンズ、および、特定色の波長領域の波長選択用のフィルタとの組み合わせによる単色画像用のレンズのうちの少なくとも1つを含む。このように構成すれば、イメージセンサの中央部以外の部分において、色滲みが生じたとしても色滲みが目立たない赤外画像または単色画像を取得することができる。
【0013】
上記第2のレンズがイメージセンサの中央部以外の部分に光軸方向に対向するように設けられている構成において、好ましくは、第2のレンズは、複数の第2のレンズを含み、複数の第2のレンズは、第1のレンズを囲むように設けられている。このように構成すれば、イメージセンサの中央部に光軸方向に対向するように、第1のレンズを設けつつ、イメージセンサの中央部以外の部分に光軸方向に対向するように、第2のレンズを容易に設けることができる。
【0014】
上記一の局面による複眼撮像装置において、好ましくは、イメージセンサのカラーフィルタアレイは、ベイヤー配列のカラーフィルタアレイである。ここで、上記一の局面による構成を採用すれば、カラー画像に複雑な色滲みが生じやすいベイヤー配列のカラーフィルタアレイを用いる場合にも、色滲みを無くすための補正処理を行うことなく、色滲みがないカラー画像を取得することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、上記のように、単眼撮像装置用に製作されたイメージセンサを複眼撮像装置に用いる場合において、色滲みを無くすための補正処理を行うことなく、色滲みがないカラー画像を取得することが可能な複眼撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(A)は、本発明の一実施形態による複眼撮像装置を示した斜視図であり、(B)は、本発明の一実施形態による複眼撮像装置を示した分解斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による複眼撮像装置のイメージセンサを示した分解斜視図である。
図3】Bayer配列を説明するための図である。
図4】本発明の一実施形態による複眼撮像装置のイメージセンサを側方から見た模式的な図である。
図5】本発明の一実施形態による複眼撮像装置のイメージセンサに対するレンズの位置を説明するための模式的な図である。
図6】本発明の一実施形態の第1の変形例による複眼撮像装置のイメージセンサに対するレンズの位置を説明するための模式的な図である。
図7】本発明の一実施形態の第2の変形例による複眼撮像装置のイメージセンサに対するレンズの位置を説明するための模式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
(複眼撮像装置の構成)
図1図5を参照して、本発明の一実施形態による複眼撮像装置100の構成について説明する。以下の説明では、Z方向を光軸方向とする。また、光軸方向に直交する面内で、互いに直交する2方向をそれぞれX方向およびY方向とする。なお、光軸方向とは、後述するレンズ31aの光軸Aが延びる方向であるとともに、後述するイメージセンサ2の撮像面2aに対して垂直な方向である。
【0019】
図1(A)(B)に示すように、複眼撮像装置100は、単一のイメージセンサ2に対して、複数のレンズ31a(複数の個眼)の各々による複数の像(複数の個眼像)を一度に結像させる装置である。これにより、複眼撮像装置100は、単一のイメージセンサ2により、複数のレンズ31aの各々による複数の画像を一度に形成可能に構成されている。また、複眼撮像装置100は、互いに同じ視点の複数の画像を一度に形成可能に構成されている。たとえば、複眼撮像装置100は、互いに分光特性が異なる互いに同じ視点の複数の画像を一度に形成可能である。これにより、被写体の分光特性に関する様々な情報を一度の撮像により取得可能である。
【0020】
複眼撮像装置100は、複眼光学系1と、イメージセンサ2とを備えている。複眼光学系1は、フィルタ部10と、絞り部20と、レンズ部30と、隔壁部40とを備えている。フィルタ部10と、絞り部20と、レンズ部30と、隔壁部40と、イメージセンサ2とは、光軸方向(Z方向)の一方側(Z1方向側)から他方側(Z2方向側)に向かって、この順に配置されている。なお、絞り部20は、必ずしもフィルタ部10とレンズ部30の間に配置されているとは限らず、光学性能上妥当な位置に配置されていればよい。たとえば、絞り部20がフィルタ部10よりもZ1方向側に配置されていてもよい。また、フィルタ部10は、レンズ部30に対してイメージセンサ2側とは反対側である物体側(被写体側、Z1方向側)に配置されている方が、光路長を変化させないという観点および取り替えの容易性という観点において、好ましい。フィルタ部10は、所定の性質を有する光を選択的に透過するために設けられている。絞り部20は、フィルタ部10を通過した光の光量調整、収差補正、焦点深度調整などの結像性能を向上させるために設けられている。レンズ部30は、絞り部20を通過した光を結像させるために設けられている。隔壁部40は、レンズ部30を通過した光をイメージセンサ2に導き、かつ、隣接する個眼像がイメージセンサ2上で互いに干渉することを防止するために設けられている。イメージセンサ2は、隔壁部40を通過した光により画像を形成するために設けられている。
【0021】
フィルタ部10は、フィルタアレイ11と、フィルタ保持部12とを含んでいる。フィルタアレイ11は、レンズ部30の後述するレンズアレイ31の複数(5つ)のレンズ31aに対応するように、複数(5つ)のフィルタ11aを含んでいる。フィルタ11aは、偏光用のフィルタ、分光用のフィルタ(バンドパスフィルタ、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ)、減光用のフィルタ(ND(Neutral Density)フィルタ)などの光学フィルタである。なお、フィルタ11aの種類は、複眼撮像装置100の用途に応じて、適宜決定されている。
【0022】
フィルタ保持部12(フィルタ枠)は、フィルタアレイ11を保持するように設けられている。フィルタ保持部12は、略直方体状に設けられている。フィルタ保持部12は、光軸方向(Z方向)から見て、略矩形形状を有している。また、フィルタ保持部12は、フィルタアレイ11の複数(5つ)のフィルタ11aに対応するように、複数(5つ)のフィルタ被配置部12aを含んでいる。フィルタ被配置部12aは、フィルタ保持部12を光軸方向に貫通する貫通孔により構成されている。複数のフィルタ11aの各々は、対応するフィルタ被配置部12a内に設けられている。また、フィルタ保持部12は、複数(数枚程度)の薄板12bが光軸方向に積層された構造を有している。薄板12bは、金属製(ステンレス鋼、アルミニウム合金など)である。複数の薄板12bの各々には、エッチング加工により、複数のフィルタ被配置部12aに対応するように、複数の貫通孔が形成されている。
【0023】
絞り部20は、板状に設けられている。絞り部20は、光軸方向(Z方向)から見て、略矩形形状を有している。また、絞り部20は、レンズ部30のレンズアレイ31の複数(5つ)のレンズ31aに対応するように、複数(5つ)の絞り開口部20aを含んでいる。絞り開口部20aは、絞り部20を光軸方向に貫通する貫通孔により構成されている。また、絞り開口部20aは、光軸方向から見て、略円形状を有している。絞り開口部20aの開口面積は、フィルタ部10のフィルタ保持部12のフィルタ被配置部12aの開口面積に比べて十分に小さい。これにより、絞り開口部20aは、レンズ部30のレンズアレイ31のレンズ31aに入射する光の光量を調整するように設けられている。
【0024】
レンズ部30は、レンズアレイ31と、レンズ保持部32とを含んでいる。レンズアレイ31は、奇数である複数(5つ)のレンズ31aを含んでいる。複数のレンズ31aは、略H字状に配列されている。複数のレンズ31aの各々は、イメージセンサ2に個別に光を結像させるように設けられている。複数のレンズ31aの各々は、複眼を構成する1つ1つの目である個眼として機能する。レンズ保持部32(レンズスロット)は、レンズアレイ31を保持するように設けられている。レンズ保持部32は、略直方体状に設けられている。レンズ保持部32は、光軸方向(Z方向)から見て、略矩形形状を有している。また、レンズ保持部32は、レンズアレイ31の複数(5つ)のレンズ31aに対応するように、複数(5つ)のレンズ被配置部32aを含んでいる。レンズ被配置部32aは、レンズ保持部32を光軸方向に貫通する貫通孔により構成されている。複数のレンズ31aの各々は、対応するレンズ被配置部32a内に設けられている。また、レンズ保持部32は、複数(数枚~十数枚程度)の薄板32bが光軸方向に積層された構造を有している。薄板32bは、金属製(ステンレス鋼、アルミニウム合金など)である。複数の薄板32bの各々には、エッチング加工により、複数のレンズ被配置部32aに対応するように、複数の貫通孔が形成されている。
【0025】
隔壁部40は、イメージセンサ2に向かって出射されたレンズアレイ31のレンズ31a毎の光が互いに干渉しないように、レンズアレイ31のレンズ31a毎の光の光路を区画するように設けられている。これにより、レンズアレイ31のレンズ31a毎の光が互いに干渉することを抑制することができるので、レンズアレイ31のレンズ31a毎の画像を精度良く取得可能である。隔壁部40は、略直方体状に設けられている。隔壁部40は、光軸方向(Z方向)から見て、略矩形形状を有している。また、隔壁部40は、レンズアレイ31の複数(5つ)のレンズ31aに対応するように、複数(5つ)の区画部40aを含んでいる。区画部40aは、隔壁部40を光軸方向に貫通する貫通孔により構成されている。区画部40aは、隔壁である側壁により他の区画部40aとの間で遮光しつつ、レンズ31aを通過した光をイメージセンサ2に導くように設けられている。区画部40aは、レンズアレイ31のレンズ31aの近傍からイメージセンサ2の近傍まで、光軸方向に沿って延びるように設けられている。レンズアレイ31のレンズ31a毎の光は、対応する区画部40a内を通過して、イメージセンサ2に到達する。また、隔壁部40は、複数(数枚~十数枚程度)の薄板40bが光軸方向に積層された構造を有している。薄板40bは、金属製(ステンレス鋼、アルミニウム合金など)である。複数の薄板40bの各々には、エッチング加工により、複数の区画部40aに対応するように、複数の貫通孔が形成されている。
【0026】
なお、本実施形態では、上記の通り、フィルタ部10のフィルタ保持部12、レンズ部30のレンズ保持部32、および、隔壁部40を、エッチング加工による薄板(12b、32b、40b)が積層された構造を有するように構成する。これにより、厚板を切削加工した構造によりフィルタ部10のフィルタ保持部12、レンズ部30のレンズ保持部32、および、隔壁部40を構成する場合に比べて、フィルタ部10のフィルタ保持部12、レンズ部30のレンズ保持部32、および、隔壁部40を精度良く製作することができる。その結果、加工精度に起因して複眼撮像装置100の性能が低下することを抑制することができる。この効果は、加工精度の影響が生じやすい小型の複眼撮像装置100を製作する場合に、特に有効である。
【0027】
イメージセンサ2は、CMOS(Complementrary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなどの半導体イメージセンサである。イメージセンサ2は、撮像面2aがレンズアレイ31と光軸方向(Z方向)に対向するように設けられている。イメージセンサ2は、レンズアレイ31を透過した光により、レンズアレイ31のレンズ31a毎の画像を形成するように構成されている。イメージセンサ2は、光軸方向から見て、略矩形形状を有している。
【0028】
また、図2図4に示すように、イメージセンサ2は、受光素子アレイ121と、カラーフィルタアレイ122と、マイクロレンズアレイ123とを含んでいる。受光素子アレイ121は、受光した光を電気信号に変換するために設けられている。受光素子アレイ121は、受光した光を電気信号に変換して送信する複数の受光素子121aを有している。複数の受光素子121aは、所定の解像度を有するように、行列状に配列されている。複数の受光素子121aの各々は、画像の1つ1つの画素を構成するように設けられている。
【0029】
カラーフィルタアレイ122は、複数色を含むカラー画像(いわゆる、RGB画像など)を取得するために設けられている。カラーフィルタアレイ122は、受光素子アレイ121上に設けられている。カラーフィルタアレイ122は、受光素子アレイ121の複数の受光素子121aに対応するように、複数のカラーフィルタ122aを有している。カラーフィルタ122aは、原色系のカラーフィルタであり、赤色(R)のカラーフィルタと、緑色(G)のカラーフィルタと、青色(B)のカラーフィルタとを含んでいる。また、原色系のカラーフィルタであるカラーフィルタ122aを有するカラーフィルタアレイ122は、ベイヤー配列(Bayer配列)のカラーフィルタアレイ(図3参照)である。カラーフィルタアレイ122は、緑色(G)のカラーフィルタ122aが市松状になり、かつ、赤色(R)のカラーフィルタ122aと青色(B)のカラーフィルタ122aとが線順次になるように設けられている。なお、図3では、カラーフィルタアレイ122の一部のみを図示している。
【0030】
マイクロレンズアレイ123は、受光素子アレイ121の受光素子121aに光を集光するために設けられている。マイクロレンズアレイ123は、カラーフィルタアレイ122上に設けられている。マイクロレンズアレイ123は、受光素子アレイ121の複数の受光素子121aに対応するように、複数のマイクロレンズ123aを有している。
【0031】
図4に示すように、イメージセンサ2は、イメージセンサ2の中央部において、マイクロレンズアレイ123のマイクロレンズ123aの中心123b(光軸中心、黒丸により示す)と受光素子アレイ121の受光素子121a(黒丸により示す)の中心121bとが光軸方向に対向するように設けられている。一方、イメージセンサ2は、イメージセンサ2の端部において、マイクロレンズアレイ123のマイクロレンズ123aの中心123b(光軸中心)が受光素子アレイ121の受光素子121aの中心121bに対してイメージセンサ2の中央部側に寄るように設けられている。このように、イメージセンサ2は、単眼撮像装置用に製作されている。
【0032】
ここで、単眼撮像装置用に製作されたイメージセンサ2を複眼撮像装置100に用いる場合、単眼撮像装置と複眼撮像装置100とではイメージセンサ2の端部においてマイクロレンズアレイ123のマイクロレンズ123aへの光の入射の仕方が異なる。具体的には、単眼撮像装置では、イメージセンサ2の端部におけるマイクロレンズ123aへの光の入射角度が比較的大きい一方、複眼撮像装置100では、イメージセンサ2の端部におけるマイクロレンズ123aへの光の入射角度が単眼撮像装置と比べて小さくなる。本願発明者は、このことに起因して、イメージセンサ2の端部においてマイクロレンズ123aによる光の集光を適切に行うことができずに、イメージセンサ2の端部においてカラー画像を取得する場合に、カラー画像に色滲みが生じることを新たに発見した。
【0033】
そこで、本実施形態では、図5に示すように、レンズアレイ31のレンズ31aのうちの複数色を含むカラー画像用の第1のレンズ51は、イメージセンサ2の中央部に光軸方向(Z方向)に対向するように設けられている。具体的には、第1のレンズ51は、光軸中心がイメージセンサ2の撮像中心と光軸方向に対向するように設けられている。一方、第1のレンズ51は、イメージセンサ2の端部には光軸方向(Z方向)に対向しないように設けられている。なお、図5では、理解の容易のため、イメージセンサ2を二点鎖線による四角により、複数のレンズ31aの各々を実線による円により、複数のレンズ31aの各々による個眼像を実線による四角により、それぞれ模式的に示している。
【0034】
カラー画像用の第1のレンズ51とは、複数色を含むカラー画像を形成するための個眼像をイメージセンサ2に結像させるレンズ31aを意味している。カラー画像用の第1のレンズ51は、フィルタ部10の複数のフィルタ11aのうちのカラー画像用のフィルタ11aと光軸方向に対向するように設けられている。カラー画像用のフィルタ11aは、可視光(概ね360nm~830nmの波長帯域の波長成分を有する光)を選択的に透過可能なフィルタ11aである。カラー画像用のフィルタ11aは、たとえば、可視光を透過させて赤外線を遮断するIRカットフィルタである。
【0035】
また、本実施形態では、レンズアレイ31のレンズ31aは、波長選択用のフィルタ11aとの組み合わせにより複数色を含むカラー画像以外の画像用の複数(4つ)として構成された第2のレンズ52を含んでいる。複数の第2のレンズ52は、イメージセンサ2の中央部以外の部分に対向するように設けられている。また、複数の第2のレンズ52は、第1のレンズ51を囲むように設けられている。具体的には、複数の第2のレンズ52は、第1のレンズ51を一方側および他方側から挟んで囲むように設けられている。第1のレンズ51の一方側には、複数の第2のレンズ52のうちの半分のレンズである2つの第2のレンズ52が設けられ、第1のレンズ51の他方側には、複数の第2のレンズ52のうちの残りの半分のレンズである2つの第2のレンズ52が設けられている。また、複数の第2のレンズ52は、第1のレンズ51を中心とした点対称状に設けられている。また、複数の第2のレンズ52は、略矩形形状のイメージセンサ2の4隅に対応するように設けられている。第1のレンズ51および複数の第2のレンズ52は、第1のレンズ51を中心とした略H字状に配列されている。
【0036】
カラー画像以外の画像用の第2のレンズ52とは、カラー画像以外の画像を形成するための個眼像をイメージセンサ2に結像させるレンズ31aを意味している。カラー画像以外の画像用の第2のレンズ52は、フィルタ部10の複数のフィルタ11aのうちのカラー画像以外の画像用のフィルタ11aと光軸方向に対向するように設けられている。カラー画像以外の画像用のフィルタ11aは、たとえば、可視光のうちの特定色の光を選択的に透過可能なバンドパスフィルタであるフィルタ11a、赤外線を選択的に透過可能なフィルタ11aなどである。
【0037】
たとえば、図5に示す例では、第2のレンズ52は、赤外領域の波長選択用のフィルタ11aとの組み合わせによる赤外画像用のレンズ31a、および、特定色の波長領域の波長選択用のフィルタ11aとの組み合わせによる単色画像用のレンズ31aを含んでいる。具体的には、左上および左下の第2のレンズ52は、赤外画像用のレンズ31aである。左上および左下の第2のレンズ52は、赤外画像を形成するための個眼像をイメージセンサ2に結像させるように設けられている。左上および左下の第2のレンズ52は、フィルタ部10の複数のフィルタ11aのうちの赤外画像用のフィルタである赤外線を選択的に透過可能なフィルタ11aと光軸方向に対向するように設けられている。なお、図5に示す例のように赤外画像用の第2のレンズ52が複数設けられている場合、複数の第2のレンズ52は、互いに異なる波長帯域の赤外画像用のレンズ31aであってもよい。
【0038】
また、右上および右下の第2のレンズ52は、単色画像用のレンズ31aである。右上および右下の第2のレンズ52は、単色画像を形成するための個眼像をイメージセンサ2に結像させるように設けられている。右上および右下の第2のレンズ52は、フィルタ部10の複数のフィルタ11aのうちの単色画像用のフィルタである特定色の光を選択的に透過可能なフィルタ11aと光軸方向に対向するように設けられている。具体的には、右上の第2のレンズ52は、青色の光を選択的に透過可能なフィルタ11aと光軸方向に対向するように設けられている。これにより、単色画像として青色画像が得られる。また、右下の第2のレンズ52は、赤色の光を選択的に透過可能なフィルタ11aと光軸方向に対向するように設けられている。これにより、単色画像として赤色画像が得られる。なお、単色画像は、青色画像および赤色画像以外の単色画像(緑色画像など)であってもよい。また、カラー画像以外の画像としてどのような画像を得るかは、複眼撮像装置100の用途に応じて適宜決定されればよい。
【0039】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0040】
本実施形態では、上記のように、レンズアレイ31のレンズ31aのうちの複数色を含むカラー画像用の第1のレンズ51を、イメージセンサ2の中央部に光軸方向に対向するように設ける。これにより、第1のレンズ51により、イメージセンサ2の中央部においてマイクロレンズ123aによる光の集光を適切に行いつつ、カラー画像を取得することができるので、イメージセンサ2の端部においてカラー画像を取得する場合と異なり、色滲みがないカラー画像を取得することができる。また、色滲みがないカラー画像を取得することができるので、色滲みがないカラー画像を取得するために、カラー画像に色滲みを無くすための補正処理を行う必要も無い。これらの結果、単眼撮像装置用に製作されたイメージセンサ2を複眼撮像装置100に用いる場合において、色滲みを無くすための補正処理を行うことなく、色滲みがないカラー画像を取得可能な複眼撮像装置100を提供することができる。
【0041】
また、本実施形態では、上記のように、波長選択用のフィルタ11aとの組み合わせによりレンズアレイ31のレンズ31aのうちの複数色を含むカラー画像以外の画像用のレンズ31aとして構成された第2のレンズ52を、イメージセンサ2の中央部以外の部分に光軸方向に対向するように設ける。これにより、イメージセンサ2の中央部において、色滲みがないカラー画像を取得しつつ、イメージセンサ2の中央部以外の部分において、色滲みが目立たないカラー画像以外の画像を取得することができる。その結果、カラー画像およびカラー画像以外の画像を効果的に取得することができる。また、カラー画像取得用以外の個眼によって波長選択された画像を同時に取得することができる。
【0042】
また、本実施形態では、上記のように、第2のレンズ52を、赤外領域の波長選択用のフィルタ11aとの組み合わせによる赤外画像用のレンズ31a、および、特定色の波長領域の波長選択用のフィルタ11aとの組み合わせによる単色画像用のレンズ31aを含むように構成する。これにより、イメージセンサ2の中央部以外の部分において、色滲みが生じたとしても色滲みが目立たない赤外画像または単色画像を取得することができる。
【0043】
また、本実施形態では、上記のように、第2のレンズ52を、複数の第2のレンズ52を含むように構成する。また、複数の第2のレンズ52を、第1のレンズ51を囲むように設ける。これにより、イメージセンサ2の中央部に光軸方向に対向するように、第1のレンズ51を設けつつ、イメージセンサ2の中央部以外の部分に光軸方向に対向するように、第2のレンズ52を容易に設けることができる。
【0044】
また、本実施形態では、上記のように、イメージセンサ2のカラーフィルタアレイ122を、ベイヤー配列のカラーフィルタアレイであるように構成する。これにより、カラー画像に複雑な色滲みが生じやすいベイヤー配列のカラーフィルタアレイを用いる場合に、色滲みを無くすための補正処理を行うことなく、色滲みがないカラー画像を取得することができる。
【0045】
[一実施形態の第1の変形例]
次に、図6を参照して、一実施形態の第1の変形例について説明する。この一実施形態の第1の変形例では、レンズアレイが5つのレンズを含んでいる上記実施形態とは異なり、レンズアレイが9つのレンズを含んでいる例について説明する。
【0046】
本発明の一実施形態の第1の変形例によるレンズアレイ131は、図6に示すように、奇数である複数(9つ)のレンズ131aを含んでいる。レンズアレイ131のレンズ131aのうちの複数色を含むカラー画像用の第1のレンズ151は、イメージセンサ102の中央部に光軸方向(Z方向)に対向するように設けられている。具体的には、第1のレンズ151は、光軸中心がイメージセンサ102の撮像中心と光軸方向に対向するように設けられている。一方、第1のレンズ151は、イメージセンサ102の端部には光軸方向(Z方向)に対向しないように設けられている。
【0047】
また、レンズアレイ131のレンズ131aは、複数色を含むカラー画像以外の画像用の複数(8つ)の第2のレンズ152を含んでいる。複数の第2のレンズ152は、たとえば、赤外画像用のレンズ131aおよび単色画像用のレンズ131aを含んでいる。また、複数の第2のレンズ152は、イメージセンサ102の中央部以外の部分に対向するように設けられている。また、複数の第2のレンズ152は、第1のレンズ151を囲むように設けられている。具体的には、複数の第2のレンズ152は、第1のレンズ151を8方向から取り囲むように設けられている。また、複数の第2のレンズ152は、第1のレンズ151を中心とした点対称状に設けられている。第1のレンズ151および複数の第2のレンズ152は、第1のレンズ151を中心とした3×3の行列状に配列されている。
【0048】
なお、上記実施形態の第1の変形例のその他の構成は、上記実施形態と同様である。
【0049】
[一実施形態の第2の変形例]
次に、図7を参照して、一実施形態の第2の変形例について説明する。この一実施形態の第2の変形例では、レンズアレイが5つのレンズを含んでいる上記実施形態およびレンズアレイが9つのレンズを含んでいる第1の変形例とは異なり、レンズアレイが15個のレンズを含んでいる例について説明する。
【0050】
本発明の一実施形態の第2の変形例によるレンズアレイ231は、図7に示すように、奇数である複数(15個)のレンズ231aを含んでいる。レンズアレイ231のレンズ231aのうちの複数色を含むカラー画像用の第1のレンズ251は、イメージセンサ202の中央部に光軸方向(Z方向)に対向するように設けられている。具体的には、第1のレンズ251は、光軸中心がイメージセンサ202の撮像中心と光軸方向に対向するように設けられている。一方、第1のレンズ251は、イメージセンサ202の端部には光軸方向(Z方向)に対向しないように設けられている。
【0051】
また、レンズアレイ231のレンズ231aは、複数色を含むカラー画像以外の画像用の複数(14個)の第2のレンズ252を含んでいる。複数の第2のレンズ252は、たとえば、赤外画像用のレンズ231aおよび単色画像用のレンズ231aを含んでいる。また、複数の第2のレンズ252は、イメージセンサ202の中央部以外の部分に対向するように設けられている。また、複数の第2のレンズ252は、第1のレンズ251を囲むように設けられている。また、複数の第2のレンズ252は、第1のレンズ251を中心とした点対称状に設けられている。第1のレンズ251および複数の第2のレンズ252は、第1のレンズ251を中心とした3×5の行列状に配列されている。
【0052】
なお、上記実施形態の第1の変形例のその他の構成は、上記実施形態と同様である。
【0053】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0054】
たとえば、上記実施形態では、複眼撮像装置が、互いに同じ視点の複数の画像を一度に形成可能に構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複眼撮像装置が、互いに異なる視点の複数の画像を一度に形成可能に構成されていてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、フィルタ部のフィルタ保持部、レンズ部のレンズ保持部、および、隔壁部が、複数の薄板が積層された構造を有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、フィルタ部のフィルタ保持部、レンズ部のレンズ保持部、および、隔壁部のうちの少なくとも1つが、複数の薄板が積層された構造を有していてもよい。また、フィルタ部のフィルタ保持部、レンズ部のレンズ保持部、および、隔壁部が、複数の薄板が積層された構造を有していなくてもよい。たとえば、フィルタ部のフィルタ保持部、レンズ部のレンズ保持部、および、隔壁部が、厚板を切削加工した構造を有していてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、レンズアレイが5つのレンズを含んでいる例を示し、上記第1の変形例では、レンズアレイが9つのレンズを含んでいる例を示し、上記第2の変形例では、レンズアレイが15個のレンズを含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、レンズアレイが、5つ、9つまたは15個以外の複数のレンズを含んでいてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、レンズアレイの複数のレンズが、略H字状に配列されている例を示し、上記第1および第2の変形例では、レンズアレイの複数のレンズが、行列状に配列されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、レンズアレイの複数のレンズが、必ずしも略H字状または行列状に配列されていなくてもよい。たとえば、レンズアレイの複数のレンズが、一列に配列されていてもよいし、ジグザグに配列されていてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、第2のレンズが、赤外画像用のレンズおよび単色画像用のレンズの両方を含むように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2のレンズが、赤外画像用のレンズおよび単色画像用のレンズのうちのいずれか一方のみを含むように構成されていてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、イメージセンサのカラーフィルタアレイが、ベイヤー配列のカラーフィルタアレイである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、イメージセンサのカラーフィルタアレイが、必ずしもベイヤー配列のカラーフィルタアレイでなくてもよい。また、イメージセンサのカラーフィルタアレイが、原色系のカラーフィルタではなく、補色系のカラーフィルタを有するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0060】
2、102、202 イメージセンサ
31、131、231 レンズアレイ
31a、131a、231a レンズ
51、151、251 第1のレンズ
52、152、252 第2のレンズ
100 複眼撮像装置
121 受光素子アレイ
121a 受光素子
122 カラーフィルタアレイ
123 マイクロレンズアレイ
123a マイクロレンズ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7