(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-24
(45)【発行日】2022-12-02
(54)【発明の名称】作業管理システム及び作業機
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20120101AFI20221125BHJP
A01B 69/00 20060101ALI20221125BHJP
G16Y 10/05 20200101ALI20221125BHJP
【FI】
G06Q50/02
A01B69/00 301
A01B69/00 303M
A01B69/00 303T
G16Y10/05
(21)【出願番号】P 2019003671
(22)【出願日】2019-01-11
【審査請求日】2021-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】國安 恒寿
(72)【発明者】
【氏名】安田 真
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 竣也
(72)【発明者】
【氏名】西田 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】小丸 千明
(72)【発明者】
【氏名】武田 修司
【審査官】西村 直史
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-187914(JP,A)
【文献】特開平07-248231(JP,A)
【文献】特開2018-173827(JP,A)
【文献】特開2016-024595(JP,A)
【文献】特開2002-187698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A01B 69/00
G16Y 10/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場において作業するための作業装置を備える作業機を管理する作業管理システムであって、
圃場を識別可能な識別情報、及び、圃場における前記作業機による作業に関する情報である作業情報が格納された情報格納部を備え、
前記情報格納部には、複数の圃場に対応する複数の前記識別情報が格納されていると共に、複数の前記作業情報が格納されており、
各前記作業情報は、それぞれ、各前記識別情報に対応付けられており、
前記作業機の位置を取得する位置取得部と、
複数の圃場の境界の位置を示す情報である境界位置情報が格納された境界位置格納部と、
前記位置取得部により取得された前記作業機の位置と、前記境界位置格納部に格納された前記境界位置情報と、に基づいて圃場を選択する圃場選択部と、
前記圃場選択部により選択された
場合を含めて場合分けされる複数種類の選択処理に基づいて選択された圃場である選択圃場に対応する前記識別情報を特定する特定部と、
前記特定部により特定された前記識別情報に対応付けられている前記作業情報を読み出す読み出し部と、
前記複数種類の選択処理の何れを選択するかを表示可能であって、前記複数種類の選択処理を選択するための人為操作を受け付ける表示部と、を備え、
前記複数種類の選択処理に、前記作業機が圃場に進入することによって圃場を選択する場合の第一処理が含まれ、
前記圃場選択部は、
前記人為操作によって前記第一処理が選択され、かつ、前記作業機が圃場の内側に位置し
、かつ、前記作業機の位置と、その圃場の境界と、の間の距離が所定値以上となった場合、その圃場を選択するように構成されている作業管理システム。
【請求項2】
前記表示部は、前記位置取得部により取得された前記作業機の位置に基づいて、前記作業機の周囲に位置する複数の圃場を
、夫々の圃場の境界とともに同時に表示可能な
ように構成されている請求項1に記載の作業管理システム。
【請求項3】
前記圃場選択部が圃場を選択した場合、圃場が選択されたことを報知するための信号を携帯通信端末へ送信する選択報知部を備える請求項1または2に記載の作業管理システム。
【請求項4】
前記作業機は、圃場における前記作業機による作業の履歴を示す情報である履歴情報を生成する履歴生成部と、前記履歴生成部により生成された前記履歴情報を前記作業機の外部に設けられた管理サーバへ送信する履歴送信部と、を有している請求項1から3の何れか一項に記載の作業管理システム。
【請求項5】
前記履歴送信部は、前記作業機による作業中において、所定時間が経過する毎に前記履歴情報を前記管理サーバへ送信する請求項4に記載の作業管理システム。
【請求項6】
前記履歴送信部は、前記作業機による作業中において、前記作業機が所定距離を走行する毎に前記履歴情報を前記管理サーバへ送信する請求項4または5に記載の作業管理システム。
【請求項7】
前記履歴送信部は、前記作業機による作業中において、前記作業機が所定動作を行う毎に前記履歴情報を前記管理サーバへ送信する請求項4から6の何れか一項に記載の作業管理システム。
【請求項8】
前記履歴送信部は、1つの圃場における全ての作業が完了する毎に前記履歴情報を前記管理サーバへ送信する請求項4から7の何れか一項に記載の作業管理システム。
【請求項9】
圃場において作業するための作業装置を備える作業機であって、
圃場を識別可能な識別情報、及び、圃場における作業に関する情報である作業情報が格納された情報格納部を備え、
前記情報格納部には、複数の圃場に対応する複数の前記識別情報が格納されていると共に、複数の前記作業情報が格納されており、
各前記作業情報は、それぞれ、各前記識別情報に対応付けられており、
自車位置を取得する位置取得部と、
複数の圃場の境界の位置を示す情報である境界位置情報が格納された境界位置格納部と、
前記位置取得部により取得された前記自車位置と、前記境界位置格納部に格納された前記境界位置情報と、に基づいて圃場を選択する圃場選択部と、
前記圃場選択部により選択された
場合を含めて場合分けされる複数種類の選択処理に基づいて選択された圃場である選択圃場に対応する前記識別情報を特定する特定部と、
前記特定部により特定された前記識別情報に対応付けられている前記作業情報を読み出す読み出し部と、
前記複数種類の選択処理の何れを選択するかを表示可能であって、前記複数種類の選択処理を選択するための人為操作を受け付ける表示部と、を備え、
前記複数種類の選択処理に、機体が圃場に進入することによって圃場を選択する場合の第一処理が含まれ、
前記圃場選択部は、
前記人為操作によって前記第一処理が選択され、かつ、前記機体が圃場の内側に位置し
、かつ、前記自車位置と、その圃場の境界と、の間の距離が所定値以上となった場合、その圃場を選択するように構成されている作業機。
【請求項10】
前記表示部は、前記位置取得部により取得された前記自車位置に基づいて、機体周囲に位置する複数の圃場を
、夫々の圃場の境界とともに同時に表示可能な
ように構成されている請求項9に記載の作業機。
【請求項11】
前記圃場選択部が圃場を選択した場合、圃場が選択されたことを報知するための信号を携帯通信端末へ送信する選択報知部を備える請求項9または10に記載の作業機。
【請求項12】
圃場における作業の履歴を示す情報である履歴情報を生成する履歴生成部と、前記履歴生成部により生成された前記履歴情報を
前記機体
とは別の外部に設けられた管理サーバへ送信する履歴送信部と、を備える請求項9から11の何れか一項に記載の作業機。
【請求項13】
前記履歴送信部は、作業中において、所定時間が経過する毎に前記履歴情報を前記管理サーバへ送信する請求項12に記載の作業機。
【請求項14】
前記履歴送信部は、作業中において、
前記機体が所定距離を走行する毎に前記履歴情報を前記管理サーバへ送信する請求項12または13に記載の作業機。
【請求項15】
前記履歴送信部は、作業中において、
前記機体の所定動
作毎に前記履歴情報を前記管理サーバへ送信する請求項12から14の何れか一項に記載の作業機。
【請求項16】
前記履歴送信部は、1つの圃場における全ての作業が完了する毎に前記履歴情報を前記管理サーバへ送信する請求項12から15の何れか一項に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場において作業するための作業装置を備える作業機を管理する作業管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような作業管理システムとして、例えば、特許文献1に記載の作業管理システムが既に知られている。この作業管理システムにおいて、作業機(特許文献1では「トラクタ」)は、肥料散布作業を行う。そして、肥料の消費量に応じて、作業継続可能時間が演算される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、適切な肥料散布量は、圃場毎に異なる。また、作業機が田植機である場合、適切な株間は圃場毎に異なる。そのため、特許文献1に記載の作業管理システムにおいて、肥料散布量や株間等の情報を、作業者が圃場毎に記録しておくことが考えられる。
【0005】
そして、作業者が、圃場において作業を開始する際に、記録された情報に基づいて、作業装置に関する変更可能な値を設定することにより、作業装置が適切な状態にセッティングされることとなる。
【0006】
しかしながら、圃場と、記録された情報と、の対応関係を作業者が誤認することにより、作業装置が誤った状態にセッティングされてしまう事態が想定される。作業装置が誤った状態にセッティングされたまま作業が行われた場合、作業のやり直し等の必要が生じる。その結果、作業効率が悪化する。
【0007】
本発明の目的は、作業効率の悪化を回避しやすい作業管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴は、圃場において作業するための作業装置を備える作業機を管理する作業管理システムであって、圃場を識別可能な識別情報、及び、圃場における前記作業機による作業に関する情報である作業情報が格納された情報格納部を備え、前記情報格納部には、複数の圃場に対応する複数の前記識別情報が格納されていると共に、複数の前記作業情報が格納されており、各前記作業情報は、それぞれ、各前記識別情報に対応付けられており、前記作業機の位置を取得する位置取得部と、複数の圃場の境界の位置を示す情報である境界位置情報が格納された境界位置格納部と、前記位置取得部により取得された前記作業機の位置と、前記境界位置格納部に格納された前記境界位置情報と、に基づいて圃場を選択する圃場選択部と、前記圃場選択部により選択された場合を含めて場合分けされる複数種類の選択処理に基づいて選択された圃場である選択圃場に対応する前記識別情報を特定する特定部と、前記特定部により特定された前記識別情報に対応付けられている前記作業情報を読み出す読み出し部と、前記複数種類の選択処理の何れを選択するかを表示可能であって、前記複数種類の選択処理を選択するための人為操作を受け付ける表示部と、を備え、前記複数種類の選択処理に、前記作業機が圃場に進入することによって圃場を選択する場合の第一処理が含まれ、前記圃場選択部は、前記人為操作によって前記第一処理が選択され、かつ、前記作業機が圃場の内側に位置し、かつ、前記作業機の位置と、その圃場の境界と、の間の距離が所定値以上となった場合、その圃場を選択するように構成されていることにある。
【0009】
本発明であれば、作業機の進入した圃場に対応した作業情報が確実に読み出される。そのため、作業装置が誤った状態にセッティングされてしまう事態を回避しやすい。
【0010】
従って、本発明であれば、作業効率の悪化を回避しやすい作業管理システムを実現できる。
【0011】
さらに、本発明において、前記表示部は、前記位置取得部により取得された前記作業機の位置に基づいて、前記作業機の周囲に位置する複数の圃場を、夫々の圃場の境界とともに同時に表示可能なように構成されていると好適である。
【0012】
この構成によれば、作業者は、表示部により、作業機の周囲に位置する各圃場を確認しながら、作業を行う予定の圃場に作業機を進入させることができる。これにより、作業を行う予定の圃場とは異なる圃場に作業機を誤って進入させてしまう事態を回避しやすい。
【0013】
さらに、本発明において、前記圃場選択部が圃場を選択した場合、圃場が選択されたことを報知するための信号を携帯通信端末へ送信する選択報知部を備えると好適である。
【0014】
この構成によれば、携帯通信端末の所持者は、圃場が選択されたことを確実に認識することができる。これにより、携帯通信端末の所持者は、作業機による作業の補助を、適切なタイミングで開始しやすい。
【0015】
さらに、本発明において、前記作業機は、圃場における前記作業機による作業の履歴を示す情報である履歴情報を生成する履歴生成部と、前記履歴生成部により生成された前記履歴情報を前記作業機の外部に設けられた管理サーバへ送信する履歴送信部と、を有していると好適である。
【0016】
この構成によれば、管理サーバは、履歴情報を取得することができる。そして、履歴情報を確認することにより、作業機による作業実績を確認することができる。
【0017】
さらに、本発明において、前記履歴送信部は、前記作業機による作業中において、所定時間が経過する毎に前記履歴情報を前記管理サーバへ送信すると好適である。
【0018】
この構成によれば、管理サーバにより取得された履歴情報を確認することにより、所定時間毎の作業進捗を容易に確認することが可能となる。これにより、作業機による作業効率を容易に把握することが可能となる。
【0019】
さらに、本発明において、前記履歴送信部は、前記作業機による作業中において、前記作業機が所定距離を走行する毎に前記履歴情報を前記管理サーバへ送信すると好適である。
【0020】
この構成によれば、管理サーバにより取得された履歴情報を確認することにより、所定距離毎の作業実績を確認することができる。そして、所定距離毎の作業実績が均一であるか否かを確認することにより、圃場において作業が均等に行われたか否かを把握することが可能となる。
【0021】
さらに、本発明において、前記履歴送信部は、前記作業機による作業中において、前記作業機が所定動作を行う毎に前記履歴情報を前記管理サーバへ送信すると好適である。
【0022】
この構成によれば、1つの圃場での作業において所定動作が複数回行われる場合、1つの圃場での作業において、履歴情報が複数回送信されることとなる。これにより、1つの圃場における全ての作業が完了する毎に履歴情報が送信される構成に比べて、1つの圃場における作業進捗を把握しやすい。
【0023】
さらに、本発明において、前記履歴送信部は、1つの圃場における全ての作業が完了する毎に前記履歴情報を前記管理サーバへ送信すると好適である。
【0024】
この構成によれば、作業計画が圃場単位で作成されている場合に、作業計画と、履歴情報と、を容易に比較することが可能となる。
【0025】
また、本発明の別の特徴は、圃場において作業するための作業装置を備える作業機であって、圃場を識別可能な識別情報、及び、圃場における作業に関する情報である作業情報が格納された情報格納部を備え、前記情報格納部には、複数の圃場に対応する複数の前記識別情報が格納されていると共に、複数の前記作業情報が格納されており、各前記作業情報は、それぞれ、各前記識別情報に対応付けられており、自車位置を取得する位置取得部と、複数の圃場の境界の位置を示す情報である境界位置情報が格納された境界位置格納部と、前記位置取得部により取得された前記自車位置と、前記境界位置格納部に格納された前記境界位置情報と、に基づいて圃場を選択する圃場選択部と、前記圃場選択部により選択された場合を含めて場合分けされる複数種類の選択処理に基づいて選択された圃場である選択圃場に対応する前記識別情報を特定する特定部と、前記特定部により特定された前記識別情報に対応付けられている前記作業情報を読み出す読み出し部と、前記複数種類の選択処理の何れを選択するかを表示可能であって、前記複数種類の選択処理を選択するための人為操作を受け付ける表示部と、を備え、前記複数種類の選択処理に、機体が圃場に進入することによって圃場を選択する場合の第一処理が含まれ、前記圃場選択部は、前記人為操作によって前記第一処理が選択され、かつ、前記機体が圃場の内側に位置し、かつ、前記自車位置と、その圃場の境界と、の間の距離が所定値以上となった場合、その圃場を選択するように構成されていることにある。
【0026】
本発明であれば、作業機の進入した圃場に対応した作業情報が確実に読み出される。そのため、作業装置が誤った状態にセッティングされてしまう事態を回避しやすい。
【0027】
従って、本発明であれば、作業効率の悪化を回避しやすい作業機を実現できる。
【0028】
さらに、本発明において、前記表示部は、前記位置取得部により取得された前記作業機の位置に基づいて、前記作業機の周囲に位置する複数の圃場を、夫々の圃場の境界とともに同時に表示可能なように構成されていると好適である。
【0029】
この構成によれば、作業者は、表示部により、作業機の周囲に位置する各圃場を確認しながら、作業を行う予定の圃場に作業機を進入させることができる。これにより、作業を行う予定の圃場とは異なる圃場に作業機を誤って進入させてしまう事態を回避しやすい。
【0030】
さらに、本発明において、前記圃場選択部が圃場を選択した場合、圃場が選択されたことを報知するための信号を携帯通信端末へ送信する選択報知部を備えると好適である。
【0031】
この構成によれば、携帯通信端末の所持者は、圃場が選択されたことを確実に認識することができる。これにより、携帯通信端末の所持者は、作業機による作業の補助を、適切なタイミングで開始しやすい。
【0032】
さらに、本発明において、圃場における作業の履歴を示す情報である履歴情報を生成する履歴生成部と、前記履歴生成部により生成された前記履歴情報を前記機体とは別の外部に設けられた管理サーバへ送信する履歴送信部と、を備えると好適である。
【0033】
この構成によれば、管理サーバは、履歴情報を取得することができる。そして、履歴情報を確認することにより、作業機による作業実績を確認することができる。
【0034】
さらに、本発明において、前記履歴送信部は、作業中において、所定時間が経過する毎に前記履歴情報を前記管理サーバへ送信すると好適である。
【0035】
この構成によれば、管理サーバにより取得された履歴情報を確認することにより、所定時間毎の作業進捗を容易に確認することが可能となる。これにより、作業機による作業効率を容易に把握することが可能となる。
【0036】
さらに、本発明において、前記履歴送信部は、作業中において、前記機体が所定距離を走行する毎に前記履歴情報を前記管理サーバへ送信すると好適である。
【0037】
この構成によれば、管理サーバにより取得された履歴情報を確認することにより、所定距離毎の作業実績を確認することができる。そして、所定距離毎の作業実績が均一であるか否かを確認することにより、圃場において作業が均等に行われたか否かを把握することが可能となる。
【0038】
さらに、本発明において、前記履歴送信部は、作業中において、前記機体の所定動作毎に前記履歴情報を前記管理サーバへ送信すると好適である。
【0039】
この構成によれば、1つの圃場での作業において所定動作が複数回行われる場合、1つの圃場での作業において、履歴情報が複数回送信されることとなる。これにより、1つの圃場における全ての作業が完了する毎に履歴情報が送信される構成に比べて、1つの圃場における作業進捗を把握しやすい。
【0040】
さらに、本発明において、前記履歴送信部は、1つの圃場における全ての作業が完了する毎に前記履歴情報を前記管理サーバへ送信すると好適である。
【0041】
この構成によれば、作業計画が圃場単位で作成されている場合に、作業計画と、履歴情報と、を容易に比較することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図3】作業管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図5】情報格納部に格納された情報を示す図である。
【
図6】実行される処理を選択するための画面を示す図である。
【
図7】田植機の機体周囲に位置する複数の圃場が表示された画面を示す図である。
【
図12】走行経路が表示された画面を示す図である。
【
図13】全国地図が表示された画面を示す図である。
【
図14】地方の地図が表示された画面を示す図である。
【
図15】都道府県の地図が表示された画面を示す図である。
【
図16】地域の地図が表示された画面を示す図である。
【
図17】ガイド経路が表示された画面を示す図である。
【
図18】田植機の機体が圃場の内側に位置している様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、特に断りがない限り、
図1及び
図2に示す矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」として、
図2に示す矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。また、
図1に示す矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
【0044】
〔田植機の構成〕
図1及び
図2に示すように、乗用型の田植機1(本発明に係る「作業機」に相当)には、左右の前車輪10と、左右の後車輪11と、が設けられている。そして、左右の前車輪10及び左右の後車輪11により、走行機体12が支持されている。
【0045】
走行機体12の後部には、リンク機構13を介して、植付装置14(本発明に係る「作業装置」に相当)が支持されている。さらに、走行機体12の後部には、施肥装置15(本発明に係る「作業装置」に相当)が支持されている。また、走行機体12の前後方向における中央部には、作業者により各種の運転操作が行われる運転部16が備えられている。
【0046】
尚、植付装置14は、圃場において苗の植え付け作業をするための装置である。また、施肥装置15は、圃場において施肥作業をするための装置である。即ち、田植機1は、圃場において作業するための植付装置14及び施肥装置15を備えている。
【0047】
運転部16は、運転座席17及び操縦ハンドル18を有している。また、運転部16の前方には、ボンネット19が設けられている。ボンネット19の内側には、エンジン20が備えられている。
【0048】
また、運転座席17よりも下側に、運転部ステップ21が設けられている。また、運転部ステップ21の左方及び右方に、拡張ステップ22が設けられている。
【0049】
また、田植機1における前部には、左右の乗降用ステップ23が設けられている。作業者は、運転部16から、乗降用ステップ23を足場として利用し、走行機体12の前方に降りることができる。また、作業者は、走行機体12の前方から、乗降用ステップ23を足場として利用し、運転部16へ乗ることができる。
【0050】
また、運転部ステップ21よりも後側の位置に、左右の作業用ステップ24と、左右の拡張作業用ステップ25と、が設けられている。左の拡張作業用ステップ25は、左の作業用ステップ24の左方に設けられている。また、右の拡張作業用ステップ25は、右の作業用ステップ24の右方に設けられている。
【0051】
左右の作業用ステップ24と、左右の拡張作業用ステップ25と、は何れも、運転部ステップ21よりも高い位置に設けられている。
【0052】
また、田植機1の前部には、左右の予備苗貯留装置26が設けられている。左右の予備苗貯留装置26は、それぞれ、三つの予備苗載台27を有している。三つの予備苗載台27は、機体前後方向に一列に並んだ伸展状態と、上下に重なった折り畳み状態と、の間で切り替え可能に構成されている。尚、
図1において、三つの予備苗載台27は折り畳み状態である。
【0053】
図1及び
図2に示すように、左右の予備苗貯留装置26は、左右の第1支持フレーム28に支持されている。また、左右の第1支持フレーム28に亘って、第2支持フレーム29が設けられている。
【0054】
そして、第2支持フレーム29に、衛星測位モジュール30及び直接通信ユニット31が支持されている。衛星測位モジュール30及び直接通信ユニット31は、互いに横並びの状態で配置されている。また、直接通信ユニット31は、内蔵測位モジュール31aを有している。
【0055】
また、
図1に示すように、第2支持フレーム29に、第3支持フレーム32が連結されている。そして、第3支持フレーム32に、端末装置4が支持されている。作業者は、運転座席17に座っている状態で、端末装置4の操作を行うことができる。
【0056】
〔作業管理システムの構成〕
図3に示すように、田植機1は、制御部6を備えている。そして、田植機1は、作業管理システム2により管理される。
【0057】
作業管理システム2は、管理サーバ7、管理端末91、携帯通信端末92を備えている。また、端末装置4及び制御部6は、作業管理システム2に含まれている。
【0058】
図3及び
図4に示すように、端末装置4は、情報入力部41、情報出力部42、読み出し部43、誤進入判定部44、誤進入報知部45、表示制御装置46、設定報知部47、圃場選択部48、選択入力部49、特定部50、順序設定部51、順序報知部52、変更入力部53、順序変更部54、目標設定部55、道順ガイド部56、タッチパネル8(本発明に係る「表示部」に相当)を有している。
【0059】
また、
図3に示すように、制御部6は、位置取得部61、自動設定部62、設定入力部63、履歴生成部64、履歴送信部65を有している。
【0060】
また、管理サーバ7は、情報格納部71、作業情報送信部72、マップ格納部73(本発明に係る「境界位置格納部」に相当)、選択報知部74、履歴格納部75を有している。
【0061】
〔情報格納部及びマップ格納部に関する構成〕
情報格納部71は、圃場名(本発明に係る「識別情報」に相当)、及び、作業情報を格納している。圃場名により、圃場を識別可能である。また、本実施形態において、作業情報とは、圃場における田植機1による作業に関する情報である。
【0062】
図5には、情報格納部71に格納されている情報が示されている。
図5に示すように、情報格納部71には、複数の圃場に対応する複数の圃場名が格納されている。また、情報格納部71には、複数の作業情報が格納されている。
【0063】
本実施形態において、作業情報は、肥料散布量、株間、植付深さ、苗枚数、苗補給地点を含んでいる。また、肥料散布量、株間、植付深さは、何れも、作業機用情報である。作業機用情報とは、田植機1を操作して作業を行うために利用される情報である。
【0064】
尚、
図5では省略しているが、作業情報には、圃場における走行経路を示す情報も含まれている。圃場における走行経路を示す情報は、作業機用情報である。
【0065】
また、苗枚数及び苗補給地点は、何れも、補助用情報である。補助用情報とは、田植機1による作業を補助するために利用される情報である。また、苗枚数とは、マット状の苗の枚数である。
【0066】
そして、各作業情報は、それぞれ、各圃場名に対応付けられている。
【0067】
例えば、
図5に示すように、情報格納部71には、圃場名A1、A2、A3、A4が格納されている。また、情報格納部71には、肥料散布量b1、b2、b3、b4が格納されている。
【0068】
そして、肥料散布量b1は、圃場名A1に対応付けられている。また、肥料散布量b2は、圃場名A2に対応付けられている。また、肥料散布量b3は、圃場名A3に対応付けられている。また、肥料散布量b4は、圃場名A4に対応付けられている。
【0069】
本実施形態において、各圃場に対応する作業情報は、作業者によって事前に決定されると共に、情報格納部71に格納される。このとき、作業者は、各圃場において、作物の収穫量が多くなるように、また、作物の品質が良好となるように、また、作業効率が良好となるように、作業情報を決定する。
【0070】
しかしながら、本発明はこれに限定されず、各圃場に対応する作業情報は、作業管理システム2の外部に存在するデータベースサーバ等から取得されると共に、情報格納部71に格納されても良い。
【0071】
ここで、
図3に示すように、田植機1は、直接通信ユニット31を介して、管理サーバ7との間で、各種の情報を送受信できるように構成されている。
【0072】
また、マップ格納部73には、マップ情報が格納されている。マップ情報とは、各圃場の位置と、各圃場の圃場名と、を示す情報である。また、マップ情報には、境界位置情報が含まれている。境界位置情報とは、複数の圃場の境界の位置を示す情報である。
【0073】
このように、マップ格納部73には、複数の圃場の境界の位置を示す情報である境界位置情報が格納されている。
【0074】
そして、マップ格納部73は、マップ情報を、直接通信ユニット31を介して情報入力部41へ送る。また、マップ格納部73は、マップ情報を管理端末91及び携帯通信端末92へ送る。
【0075】
〔位置取得部に関する構成〕
衛星測位モジュール30は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)で用いられる人工衛星からのGPS信号を受信する。そして、
図3に示すように、衛星測位モジュール30は、受信したGPS信号に基づいて、田植機1の自車位置を示す測位データを位置取得部61へ送る。
【0076】
位置取得部61は、衛星測位モジュール30により出力された測位データに基づいて、田植機1の位置座標を経時的に算出する。これにより、位置取得部61は、田植機1の位置を取得する。即ち、位置取得部61は、自車位置を取得する。
【0077】
尚、本実施形態において、「自車位置」は、田植機1の位置を意味する。
【0078】
図3に示すように、位置取得部61により取得された自車位置は、経時的に、情報入力部41及び履歴生成部64へ送られる。
【0079】
〔選択操作入力による圃場の選択に関する構成〕
以上で説明した通り、情報入力部41は、マップ情報及び自車位置を受け取る。そして、
図4に示すように、情報入力部41は、受け取ったマップ情報を、誤進入判定部44、表示制御装置46、圃場選択部48、特定部50、道順ガイド部56へ送る。
【0080】
また、情報入力部41は、受け取った自車位置を、誤進入判定部44、表示制御装置46、圃場選択部48、道順ガイド部56へ送る。
【0081】
タッチパネル8は、各種の情報を表示可能に構成されている。タッチパネル8での表示内容は、表示制御装置46により制御される。
【0082】
また、タッチパネル8は、作業者によりタッチ操作可能である。タッチパネル8は、タッチ操作に応じた操作信号を、情報出力部42、設定報知部47、選択入力部49、変更入力部53へ送る。
【0083】
ここで、表示制御装置46は、情報入力部41から受け取ったマップ情報に基づいて、タッチパネル8に、選択候補である複数の圃場を表示させることができる。即ち、タッチパネル8は、
図7及び
図16に示すように、選択候補である複数の圃場を表示可能である。
【0084】
また、表示制御装置46は、情報入力部41から受け取ったマップ情報及び自車位置に基づいて、タッチパネル8に、田植機1の機体周囲に位置する複数の圃場を表示させることができる。即ち、タッチパネル8は、位置取得部61により取得された自車位置に基づいて、
図7に示すように、田植機1の機体周囲に位置する複数の圃場を表示可能である。
【0085】
そして、作業者は、タッチパネル8に表示された複数の圃場の中から圃場を選択する選択操作入力を行うことができる。選択操作入力は、タッチパネル8のタッチ操作により行われる。
【0086】
このとき、選択操作入力に応じた操作信号が、選択入力部49へ送られる。これにより、選択入力部49は、選択操作入力を受け付ける。そして、選択操作入力に応じた信号が、選択入力部49から特定部50へ送られる。
【0087】
特定部50は、情報入力部41から受け取ったマップ情報と、選択入力部49から受け取った信号と、に基づいて、選択圃場に対応する圃場名を特定する。
【0088】
尚、本実施形態における選択圃場とは、選択操作入力または圃場選択部48により選択された圃場である。後述の通り、本実施形態においては、圃場選択部48も圃場を選択することができる。
【0089】
そして、特定部50は、選択圃場情報を、情報出力部42へ送る。尚、選択圃場情報とは、特定部50により特定された圃場名を示す情報である。
【0090】
また、特定部50は、情報入力部41から受け取ったマップ情報を、順序設定部51及び目標設定部55へ送る。
【0091】
〔作業情報の読み出しに関する構成〕
図3及び
図4に示すように、情報出力部42は、特定部50から受け取った選択圃場情報を、直接通信ユニット31を介して、情報格納部71へ送る。
【0092】
情報格納部71は、受け取った選択圃場情報により示される圃場名に対応付けられている作業情報を、直接通信ユニット31を介して、情報入力部41へ送る。また、情報格納部71は、この作業情報を、作業情報送信部72へも送る。
【0093】
そして、
図4に示すように、情報入力部41は、受け取った作業情報を、読み出し部43へ送る。
【0094】
このようにして、読み出し部43は、特定部50により特定された圃場名に対応付けられている作業情報を読み出す。
【0095】
〔自動設定部及び設定入力部に関する構成〕
図4に示すように、読み出し部43は、情報入力部41から受け取った作業情報を、情報出力部42、表示制御装置46、設定報知部47へ送る。
【0096】
そして、
図3及び
図4に示すように、情報出力部42は、読み出し部43から受け取った作業情報を、自動設定部62へ送る。
【0097】
自動設定部62は、情報出力部42から受け取った作業情報に基づいて、植付装置14及び施肥装置15に関する変更可能な値を自動的に設定する自動装置設定を行う。即ち、自動設定部62は、読み出し部43により読み出された作業情報に基づいて、自動装置設定を行う。
【0098】
より具体的には、自動設定部62は、植付装置14の株間及び植付深さを設定する。また、自動設定部62は、施肥装置15の肥料散布量を設定する。
【0099】
ここで、表示制御装置46は、読み出し部43から作業情報を受け取ると、自動設定部62が自動装置設定を行う前に、タッチパネル8に、
図10に示す許可画面を表示させる。
【0100】
タッチパネル8は、許可画面により、自動設定部62が自動装置設定を行うことに対する許可を求める内容の表示を行う。より具体的には、
図10に示すように、許可画面においては、「自動装置設定を許可しますか?」とのメッセージ84aが表示される。また、許可画面においては、はいボタン84b及びいいえボタン84cが表示される。
【0101】
許可画面において、はいボタン84bがタッチ操作されると、
図3及び
図4に示すように、このタッチ操作に応じた操作信号が、情報出力部42を介して、自動設定部62へ送られる。そして、自動設定部62は、この操作信号を受け取ると、自動装置設定を行う。
【0102】
また、許可画面において、いいえボタン84cがタッチ操作されると、
図4に示すように、このタッチ操作に応じた操作信号が、設定報知部47へ送られる。
【0103】
設定報知部47は、この操作信号を受け取ると、読み出し部43から受け取った作業情報に基づいて、所定の信号を表示制御装置46へ送る。この信号は、
図11に示す手動設定画面をタッチパネル8に表示させるための信号である。
【0104】
そして、表示制御装置46は、この信号を設定報知部47から受け取ると、手動設定画面をタッチパネル8に表示させる。
【0105】
タッチパネル8は、手動設定画面により、設定操作入力を促す内容の表示を行う。尚、設定操作入力とは、植付装置14及び施肥装置15に関する変更可能な値を設定するための入力操作である。
【0106】
より具体的には、
図11に示すように、手動設定画面においては、「手動設定をおこなってください。」とのメッセージ85aが表示される。また、手動設定画面においては、肥料散布量、株間、植付深さのそれぞれについて、設定値を増減させる増減ボタン85bと、現在の設定値と、推奨値と、が表示される。尚、この推奨値は、読み出し部43により読み出された作業情報に基づいて表示される。
【0107】
この手動設定画面により、設定操作入力を促す報知が行われることとなる。即ち、設定報知部47は、読み出し部43により読み出された作業情報に基づいて、設定操作入力を促す報知を行う。
【0108】
そして、設定操作入力は、増減ボタン85bのタッチ操作により行われる。設定操作入力が行われると、
図3及び
図4に示すように、設定操作入力に応じた操作信号が、情報出力部42を介して、設定入力部63へ送られる。これにより、設定入力部63は、設定操作入力を受け付ける。
【0109】
設定入力部63は、受け付けた設定操作入力に応じて、植付装置14及び施肥装置15に関する変更可能な値を設定する。より具体的には、設定入力部63は、植付装置14の株間及び植付深さを設定する。また、設定入力部63は、施肥装置15の肥料散布量を設定する。
【0110】
即ち、増減ボタン85bのタッチ操作に応じて、植付装置14の株間及び植付深さと、施肥装置15の肥料散布量と、の設定値が変化することとなる。また、
図11に示す手動設定画面に表示される現在の設定値は、増減ボタン85bのタッチ操作に応じて増減する。
【0111】
尚、自動装置設定が行われている間、
図11に示した手動設定画面が表示されるように構成されていても良い。さらに、自動装置設定が行われている間、設定操作入力は無効となるように構成されていても良い。さらに、自動装置設定が行われている間は、メッセージ85aが表示されないように構成されていても良い。また、自動装置設定が行われている間、設定操作入力が有効であるように構成されていても良い。
【0112】
この構成であれば、作業者は、自動装置設定が行われている間に、現在の設定値を容易に確認することができる。
【0113】
〔作業順序に関する構成〕
上述の選択操作入力では、複数の圃場を選択することができる。複数の圃場が選択された場合、特定部50は、各選択圃場に対応する圃場名を、それぞれ特定する。
【0114】
そして、
図4に示すように、特定部50は、特定された各圃場名を示す各選択圃場情報を、順序設定部51へ送る。
【0115】
順序設定部51は、特定部50から受け取ったマップ情報と、各選択圃場情報と、に基づいて、複数の選択圃場の作業順序を設定する。即ち、順序設定部51は、選択操作入力により複数の圃場が選択された場合に複数の選択圃場の作業順序を設定する。
【0116】
設定された作業順序を示す情報は、順序報知部52へ送られる。
【0117】
順序報知部52は、設定された作業順序を示す情報を受け取ると、その情報に基づいて、所定の信号を表示制御装置46へ送る。この信号は、
図8に示す順序報知画面をタッチパネル8に表示させるための信号である。
【0118】
そして、表示制御装置46は、この信号を順序報知部52から受け取ると、順序報知画面をタッチパネル8に表示させる。
【0119】
図8に示すように、順序報知画面においては、各選択圃場が強調表示される。また、順序報知画面においては、設定された作業順序が、矢印により示される。
【0120】
この順序報知画面により、設定された作業順序が報知されることとなる。即ち、順序報知部52は、順序設定部51により設定された作業順序を報知する。
【0121】
また、
図8に示すように、順序報知画面においては、順序変更ボタン83aが表示される。作業者は、順序変更ボタン83aをタッチ操作した後、任意の順番で複数の選択圃場をタッチ操作することにより、変更操作入力を行うことができる。尚、変更操作入力とは、作業順序を変更するための入力操作である。
【0122】
変更操作入力が行われると、
図4に示すように、変更操作入力に応じた操作信号が、変更入力部53へ送られる。これにより、変更入力部53は、変更操作入力を受け付ける。
そして、変更操作入力に応じた信号が、変更入力部53から順序変更部54へ送られる。
【0123】
順序変更部54は、変更入力部53から受け取った信号に基づいて、作業順序を変更する。即ち、順序変更部54は、変更操作入力に基づいて、作業順序を変更する。そして、順序変更部54による作業順序の変更内容を示す情報が、順序変更部54から順序報知部52へ送られる。
【0124】
順序報知部52は、順序変更部54による作業順序の変更内容を示す情報を受け取ると、その情報に基づいて、所定の信号を表示制御装置46へ送る。この信号は、
図9に示す変更報知画面をタッチパネル8に表示させるための信号である。
【0125】
そして、表示制御装置46は、この信号を順序報知部52から受け取ると、変更報知画面をタッチパネル8に表示させる。
【0126】
図9に示すように、変更報知画面においては、各選択圃場が強調表示される。また、変更報知画面においては、順序変更部54による変更後の作業順序が、矢印により示される。また、変更報知画面においては、「作業順序が変更されました」とのメッセージ83bが表示される。
【0127】
この変更報知画面により、順序変更部54による作業順序の変更内容が報知されることとなる。即ち、順序報知部52は、順序変更部54による作業順序の変更内容を報知する。
【0128】
〔道順のガイドに関する構成〕
上述の選択操作入力によって圃場が選択された場合、
図4に示すように、特定部50は、選択圃場情報を、目標設定部55へ送る。目標設定部55は、特定部50から受け取ったマップ情報及び選択圃場情報に基づいて、目標地点Tpを設定する。即ち、目標設定部55は、選択操作入力に基づいて目標地点Tpを設定する。
【0129】
そして、目標設定部55は、目標地点情報を道順ガイド部56へ送る。尚、目標地点情報とは、目標地点Tpの位置を示す情報である。
【0130】
道順ガイド部56は、情報入力部41から受け取ったマップ情報及び自車位置と、目標設定部55から受け取った目標地点情報と、に基づいて、ガイド経路Rtを算出する。尚、ガイド経路Rtは、田植機1の現在の自車位置と、目標地点Tpと、を結ぶ移動経路である。
【0131】
そして、道順ガイド部56は、ガイド情報を表示制御装置46へ送る。尚、ガイド情報とは、ガイド経路Rtを示す情報である。
【0132】
表示制御装置46は、道順ガイド部56から受け取ったガイド情報に基づいて、
図17に示すように、タッチパネル8にガイド経路Rtを表示する。これにより、田植機1が目標地点Tpに到着するまでの道順がガイドされることとなる。
【0133】
即ち、道順ガイド部56は、位置取得部61により取得された自車位置と、目標設定部55により設定された目標地点Tpと、に基づいて、田植機1が目標地点Tpに到着するまでの道順をガイドする。
【0134】
〔誤進入の報知に関する構成〕
上述の選択操作入力によって圃場が選択された場合、
図4に示すように、特定部50は、選択圃場情報を、誤進入判定部44へ送る。
【0135】
誤進入判定部44は、情報入力部41から受け取ったマップ情報及び自車位置と、特定部50から受け取った選択圃場情報と、に基づいて、田植機1が選択圃場以外の圃場に進入したか否かを経時的に判定する。
【0136】
即ち、誤進入判定部44は、位置取得部61により取得された田植機1の位置に基づいて、田植機1が選択圃場以外の圃場に進入したか否かを判定する。そして、誤進入判定部44による判定結果は、経時的に誤進入報知部45へ送られる。
【0137】
誤進入報知部45は、誤進入判定部44により田植機1が選択圃場以外の圃場に進入したと判定された場合、所定の信号を表示制御装置46へ送る。表示制御装置46は、この信号を受け取ると、誤進入を報知する内容の警告表示を、タッチパネル8に表示させる。
【0138】
即ち、誤進入報知部45は、誤進入判定部44により田植機1が選択圃場以外の圃場に進入したと判定された場合に誤進入を報知する。
【0139】
〔圃場選択部に関する構成〕
図4に示すように、圃場選択部48は、情報入力部41から受け取ったマップ情報に含まれる境界位置情報と、情報入力部41から受け取った自車位置と、に基づいて、圃場を選択する。即ち、圃場選択部48は、位置取得部61により取得された自車位置と、マップ格納部73に格納された境界位置情報と、に基づいて圃場を選択する。
【0140】
詳述すると、圃場選択部48は、
図18に示すように、田植機1の機体が圃場の内側に位置しているか否かを経時的に判定する。この判定は、境界位置情報と、自車位置と、に基づいて行われる。
【0141】
田植機1の機体が圃場の内側に位置していると判定された場合、圃場選択部48は、自車位置と、その圃場の境界と、の間の距離が所定値以上であるか否かを判定する。この判定は、境界位置情報と、自車位置と、に基づいて行われる。
【0142】
そして、自車位置と、その圃場の境界と、の間の距離が所定値以上であると判定された場合、圃場選択部48は、その圃場を選択する。
【0143】
即ち、圃場選択部48は、田植機1の機体が圃場の内側に位置している状態で、自車位置と、その圃場の境界と、の間の距離が所定値以上となった場合、その圃場を選択するように構成されている。
【0144】
尚、
図18では、自車位置と、圃場の境界と、の間の距離が矢印により示されている。
【0145】
また、圃場選択部48が圃場を選択した場合、
図4に示すように、圃場選択部48から、選択圃場の境界位置情報が、特定部50へ送られる。
【0146】
特定部50は、圃場選択部48から受け取った境界位置情報と、情報入力部41から受け取ったマップ情報と、に基づいて、選択圃場に対応する圃場名を特定する。
【0147】
〔作業情報の表示に関する構成〕
上述の通り、作業情報には、圃場における走行経路を示す情報が含まれている。そして、表示制御装置46は、読み出し部43から受け取った作業情報に基づいて、タッチパネル8に、選択圃場における走行経路を表示させることができる。即ち、タッチパネル8は、読み出し部43により読み出された作業情報に基づいて、
図12に示すように、選択圃場における走行経路を表示可能である。
【0148】
また、
図3に示すように、作業情報送信部72は、情報格納部71から受け取った作業情報を、管理端末91及び携帯通信端末92へ送る。
【0149】
ここで、上述の選択操作入力によって圃場が選択された場合、及び、圃場選択部48が圃場を選択した場合、
図3に示すように、情報出力部42は、選択圃場情報を、直接通信ユニット31を介して選択報知部74へ送る。
【0150】
そして、選択報知部74は、受け取った選択圃場情報を、管理端末91及び携帯通信端末92へ送る。これと同時に、選択報知部74は、所定の信号を管理端末91及び携帯通信端末92へ送る。この信号は、
図12に示した表示画面と同様の画面を、管理端末91及び携帯通信端末92に表示させるための信号である。
【0151】
そして、管理端末91及び携帯通信端末92は、この信号を選択報知部74から受け取ると、作業情報送信部72から受け取った作業情報と、マップ格納部73から受け取ったマップ情報と、選択報知部74から受け取った選択圃場情報と、に基づいて、
図12に示した表示画面と同様の画面を表示する。
【0152】
これにより、圃場が選択されたことが報知されることとなる。即ち、選択報知部74は、圃場が選択された場合に、圃場が選択されたことを報知するための信号を管理端末91及び携帯通信端末92へ送信する。
【0153】
このように、選択報知部74は、圃場選択部48が圃場を選択した場合、圃場が選択されたことを報知するための信号を携帯通信端末92へ送信する。
【0154】
〔履歴情報に関する構成〕
田植機1が圃場において作業をしているとき、
図3に示すように、植付装置14の作業状態を示す情報が、経時的に履歴生成部64へ送られる。同様に、施肥装置15の作業状態を示す情報も、経時的に履歴生成部64へ送られる。
【0155】
履歴生成部64は、位置取得部61から経時的に受け取った自車位置と、植付装置14の作業状態を示す情報と、に基づいて、植付装置14の履歴情報を生成する。尚、履歴情報とは、圃場における田植機1による作業の履歴を示す情報である。
【0156】
本実施形態において、植付装置14の履歴情報には、苗の植え付けが行われた地点の位置と、植え付けられた苗の量と、株間の実績値と、植付深さの実績値と、が含まれている。
【0157】
また、履歴生成部64は、位置取得部61から経時的に受け取った自車位置と、施肥装置15の作業状態を示す情報と、に基づいて、施肥装置15の履歴情報を生成する。
【0158】
本実施形態において、施肥装置15の履歴情報には、肥料散布が行われた地点の位置と、肥料散布量の実績値と、が含まれている。
【0159】
履歴生成部64により生成された履歴情報は、履歴送信部65へ送られる。履歴送信部65は、履歴生成部64から受け取った履歴情報を、直接通信ユニット31を介して、履歴格納部75へ送る。尚、履歴送信部65は、田植機1による作業中において、所定時間が経過する毎に履歴情報を履歴格納部75へ送る。
【0160】
このように、履歴送信部65は、履歴生成部64により生成された履歴情報を田植機1の機体の外部に設けられた管理サーバ7へ送信する。また、履歴送信部65は、田植機1による作業中において、所定時間が経過する毎に履歴情報を管理サーバ7へ送信する。
【0161】
そして、履歴格納部75へ送られた履歴情報は、履歴格納部75に格納される。
【0162】
〔作業管理システムを利用した作業の流れ〕
以下では、作業管理システム2を利用した作業の流れについて説明する。
【0163】
最初に、
図6に示す画面がタッチパネル8に表示される。この画面においては、第1ボタン81a、第2ボタン81b、第3ボタン81cが表示される。
【0164】
第1ボタン81aには、「機体周囲から選択する」と表示されている。また第2ボタン81bには、「地図から選択する」と表示されている。また、第3ボタン81cには、「圃場進入により選択する」と表示されている。
【0165】
図6に示すように、本実施形態において、作業管理システム2は、圃場を選択するための3種類の処理を実行可能である。より具体的には、これら3種類の処理は、機体周囲から圃場を選択するための処理、地図から圃場を選択するための処理、圃場進入により圃場を選択するための処理、である。
【0166】
そして、作業者は、
図6に示す画面において、実行される処理を選択することができる。
【0167】
以下では、これら3種類の処理について、機体周囲から圃場を選択するための処理、地図から圃場を選択するための処理、圃場進入により圃場を選択するための処理、の順番に説明する。
【0168】
〔機体周囲から圃場を選択する場合の作業の流れ〕
以下では、機体周囲から圃場を選択する場合の作業の流れについて説明する。
【0169】
図6に示す画面において、作業者が第1ボタン81aをタッチ操作すると、作業管理システム2において、機体周囲から圃場を選択するための処理が開始される。この処理においては、まず、
図7に示すように、表示制御装置46の制御により、タッチパネル8に、田植機1の機体周囲に位置する複数の圃場が表示される。
【0170】
この説明においては、具体例として、このとき6区画の圃場が表示されるものとする。
これらの圃場の圃場名は、それぞれ、A1、A2、A3、A4、A5、A6である。以下では、これらの圃場を、それぞれ、圃場A1、圃場A2、圃場A3、圃場A4、圃場A5、圃場A6と呼称する。
【0171】
また、
図7に示す画面では、田植機1を中心とした、所定半径を有する円形の領域が、円9により示されている。そして、各圃場のうち、円9により示される領域と重複する圃場が、選択候補として強調表示される。
【0172】
この例では、圃場A1、圃場A2、圃場A3、圃場A4が、円9により示される領域と重複している。そのため、これら4区画の圃場が、選択候補として強調表示される。
【0173】
尚、圃場A5及び圃場A6は、円9により示される領域と重複していない。そのため、圃場A5及び圃場A6は、選択候補ではない。しかしながら、本発明はこれに限定されず、円9により示される領域と重複する圃場と、円9により示される領域と重複していない圃場と、が何れも選択候補であっても良い。
【0174】
そして、圃場A1、圃場A2、圃場A3、圃場A4のうち、作業者によりタッチパネル8上でタッチ操作された圃場が選択される。尚、このときにタッチ操作される圃場は、1つでも良いし、複数でも良い。
【0175】
この例では、作業者により、圃場A1、圃場A2、圃場A3がタッチパネル8上でタッチ操作されるものとする。これに伴い、
図4に示すように、選択操作入力に応じた操作信号が、選択入力部49へ送られる。
【0176】
そして、特定部50は、選択圃場に対応する圃場名を特定する。このとき特定される圃場名は、A1、A2、A3である。
【0177】
その後、作業者が、
図7に示す選択完了ボタン82をタッチ操作すると、機体周囲から圃場を選択するための処理が完了する。そして、
図8に示すように、表示制御装置46の制御により、タッチパネル8に、順序報知画面が表示される。
【0178】
この例では、順序設定部51は、
図7に示す画面においてタッチ操作された順番で、複数の選択圃場の作業順序を設定するものとする。また、この例では、作業者は、
図7に示す画面において、圃場A1、圃場A2、圃場A3の順番でタッチ操作を行うものとする。
【0179】
従って、この例において、順序設定部51は、圃場A1、圃場A2、圃場A3の順番で、作業順序を設定する。そして、
図8に示すように、この作業順序が、順序報知画面において矢印により示される。
【0180】
次に、作業者は、作業順序を変更するべく、順序変更ボタン83aをタッチ操作した後、圃場A1、圃場A3、圃場A2の順番でタッチ操作を行うものとする。これに応じて、順序変更部54は、作業順序を、圃場A1、圃場A3、圃場A2の順番に変更する。
【0181】
そして、
図9に示すように、タッチパネル8に、変更報知画面が表示される。変更報知画面においては、変更後の作業順序が、矢印により示される。また、変更報知画面においては、「作業順序が変更されました」とのメッセージ83bが表示される。
【0182】
次に、
図10に示すように、タッチパネル8に、許可画面が表示される。この例では、許可画面において、いいえボタン84cがタッチ操作されるものとする。いいえボタン84cがタッチ操作されると、
図11に示すように、タッチパネル8に、手動設定画面が表示される。
【0183】
ここで、この例では、圃場A1、圃場A2、圃場A3が選択圃場である。そして、これら3区画の圃場のうち、作業順序における最初の圃場は、圃場A1である。そのため、
図11に示すように、推奨値は、圃場A1の圃場名であるA1に対応付けられている作業情報に基づいて、タッチパネル8に表示される。
【0184】
より具体的には、
図5に示すように、圃場A1の圃場名であるA1に対応付けられている肥料散布量、株間、植付深さは、それぞれ、b1、c1、d1である。そのため、このときタッチパネル8に表示される肥料散布量の推奨値、株間の推奨値、植付深さの推奨値は、それぞれ、b1、c1、d1である。
【0185】
そして、作業者は、
図11に示す増減ボタン85bのタッチ操作により、設定操作入力を行う。その後、作業者が完了ボタン85cをタッチ操作すると、タッチパネル8に、
図12に示す画面が表示される。
【0186】
図12に示す画面では、圃場A1と、地点f1と、経路g1と、が表示されている。
図5に示すように、地点f1は、圃場A1の圃場名であるA1に対応付けられている苗補給地点である。また、経路g1は、圃場A1の圃場名であるA1に対応付けられている走行経路である。
【0187】
尚、機体周囲から圃場を選択するための処理が完了した時点で、
図12に示す画面と同様の画面が、管理端末91及び携帯通信端末92に表示されている。これにより、圃場が選択されたことが報知されることとなる。作業補助者は、管理端末91または携帯通信端末92に表示された画面を参照して、地点f1に、補給用の苗を配置する。
【0188】
タッチパネル8に、
図12に示す画面が表示されると、作業者は、この画面を参照して、田植機1による圃場での作業を開始する。
【0189】
この作業において、作業者は、経路g1に沿って田植機1を走行させる。また、作業者は、この作業の途中で、地点f1の近傍にて苗補給を行う。また、この作業において、所定時間が経過する毎に、履歴情報が、履歴送信部65から管理サーバ7へ送信される。
【0190】
そして、経路g1に沿った走行が完了すると、圃場A1での作業が完了する。
【0191】
尚、
図10に示す許可画面において、仮に、はいボタン84bがタッチ操作されると、自動設定部62によって自動装置設定が行われる。これにより、植付装置14の株間及び植付深さは、それぞれ、c1、d1に設定される。また、施肥装置15の肥料散布量は、b1に設定される。また、この場合、
図11に示す手動設定画面の表示は省略される。
【0192】
〔地図から圃場を選択する場合の作業の流れ〕
以下では、地図から圃場を選択する場合の作業の流れについて説明する。
【0193】
図6に示す画面において、作業者が第2ボタン81bをタッチ操作すると、作業管理システム2において、地図から圃場を選択するための処理が開始される。この処理においては、まず、
図13に示すように、表示制御装置46の制御により、タッチパネル8に、全国地図が表示される。
【0194】
この説明においては、具体例として、日本の全国地図が表示されるものとする。そして、
図13に示す画面において、作業者がタッチ操作を行うと、タッチ操作の行われた位置に応じて、
図14に示すように、タッチパネル8に地方の地図が表示される。
【0195】
この例では、
図13に示す画面において、作業者は、東海、北陸、近畿地方の表示されている箇所をタッチ操作するものとする。これにより、
図14に示すように、タッチパネル8に、東海、北陸、近畿地方の地図が表示される。
【0196】
そして、
図14に示す画面において、作業者がタッチ操作を行うと、タッチ操作の行われた位置に応じて、
図15に示すように、タッチパネル8に都道府県の地図が表示される。
【0197】
この例では、
図14に示す画面において、作業者は、大阪府の表示されている箇所をタッチ操作するものとする。これにより、
図15に示すように、タッチパネル8に、大阪府の地図が表示される。
【0198】
そして、
図15に示す画面において、作業者がタッチ操作を行うと、タッチ操作の行われた位置に応じて、
図16に示すように、タッチパネル8に地域の地図が表示される。この地域の地図においては、マップ情報に基づいて、選択候補である複数の圃場が示されている。
【0199】
この例では、
図16に示す画面において、11区画の圃場が表示されるものとする。これらの圃場の圃場名は、それぞれ、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11である。また、これらの圃場は、何れも、選択候補である。
【0200】
この例では、作業者により、圃場名がA1である圃場がタッチパネル8上でタッチ操作されるものとする。以下では、この圃場を、圃場A1と呼称する。
【0201】
これに伴い、
図4に示すように、選択操作入力に応じた操作信号が、選択入力部49へ送られる。そして、特定部50は、選択圃場に対応する圃場名を特定する。このとき特定される圃場名は、A1である。
【0202】
これにより、地図から圃場を選択するための処理が完了する。
【0203】
また、目標設定部55は、選択操作入力に基づいて目標地点Tpを設定する。さらに、道順ガイド部56は、ガイド経路Rtを算出する。これにより、
図17に示すように、タッチパネル8に目標地点Tp及びガイド経路Rtが表示される。
【0204】
作業者は、表示されたガイド経路Rtを参照して、田植機1を目標地点Tpまで移動させる。田植機1が目標地点Tpに到着するまでの間に、田植機1が選択圃場以外の圃場に進入した場合には、誤進入を報知する内容の警告表示が、タッチパネル8に表示される。
【0205】
そして、田植機1が目標地点Tpに到着すると、
図10に示すように、タッチパネル8に、許可画面が表示される。
【0206】
その後の作業の流れについては、上述の機体周囲から圃場を選択する場合の作業の流れと同様であるため、説明を省略する。
【0207】
尚、地図から圃場を選択するための処理が完了した時点で、
図12に示す画面と同様の画面が、管理端末91及び携帯通信端末92に表示されている。これにより、圃場が選択されたことが報知されることとなる。作業補助者は、管理端末91または携帯通信端末92に表示された画面を参照して、地点f1に、補給用の苗を配置する。
【0208】
〔圃場進入により圃場を選択する場合の作業の流れ〕
以下では、圃場進入により圃場を選択する場合の作業の流れについて説明する。圃場進入により圃場を選択する場合の作業の流れは、本発明の『第一処理』に相当する。
【0209】
図6に示す画面において、作業者が第3ボタン81cをタッチ操作すると、作業管理システム2において、圃場進入により圃場を選択するための処理が開始される。また、作業者は、田植機1を何れかの圃場まで移動させる。
【0210】
この説明においては、具体例として、圃場名がA1である圃場において作業が行われるものとする。以下では、この圃場を、圃場A1と呼称する。
【0211】
圃場A1での作業を行うために、作業者は、
図18に示すように、田植機1を圃場A1まで移動させる。そして、田植機1の機体が圃場A1の内側に位置している状態で、自車位置と、圃場A1の境界と、の間の距離が所定値以上となると、圃場選択部48は、圃場A1を選択する。
【0212】
これに伴い、特定部50は、選択圃場に対応する圃場名を特定する。このとき特定される圃場名は、A1である。
【0213】
これにより、圃場進入により圃場を選択するための処理が完了する。そして、
図10に示すように、タッチパネル8に、許可画面が表示される。
【0214】
その後の作業の流れについては、上述の機体周囲から圃場を選択する場合の作業の流れと同様であるため、説明を省略する。
【0215】
尚、圃場進入により圃場を選択するための処理が完了した時点で、
図12に示す画面と同様の画面が、管理端末91及び携帯通信端末92に表示されている。これにより、圃場が選択されたことが報知されることとなる。作業補助者は、管理端末91または携帯通信端末92に表示された画面を参照して、地点f1に、補給用の苗を配置する。
【0216】
以上で説明した構成であれば、田植機1の進入した圃場に対応した作業情報が確実に読み出される。そのため、植付装置14及び施肥装置15が誤った状態にセッティングされてしまう事態を回避しやすい。
【0217】
従って、以上で説明した構成であれば、作業効率の悪化を回避しやすい作業管理システム2を実現できる。
【0218】
尚、以上に記載した実施形態は一例に過ぎないのであり、本発明はこれに限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0219】
〔その他の実施形態〕
(1)情報格納部71は、圃場名に代えて、圃場IDや圃場番号等を格納していても良い。圃場ID及び圃場番号は、何れも、本発明に係る「識別情報」に相当する。
【0220】
(2)直接通信ユニット31の近傍に保護部材が設けられていても良い。
【0221】
(3)履歴送信部65は、田植機1による作業中において、田植機1が所定距離を走行する毎に履歴情報を管理サーバ7へ送信するように構成されていても良い。
【0222】
(4)履歴送信部65は、田植機1による作業中において、田植機1が所定動作を行う毎に履歴情報を管理サーバ7へ送信するように構成されていても良い。また、この所定動作は、例えば圃場における旋回であっても良いし、旋回以外のいかなる動作であっても良い。
【0223】
(5)履歴送信部65は、1つの圃場における全ての作業が完了する毎に履歴情報を管理サーバ7へ送信するように構成されていても良い。
【0224】
(6)情報格納部71は、田植機1に備えられていても良い。
【0225】
(7)作業情報送信部72は、田植機1に備えられていても良い。
【0226】
(8)マップ格納部73は、田植機1に備えられていても良い。
【0227】
(9)選択報知部74は、田植機1に備えられていても良い。
【0228】
(10)履歴格納部75は、田植機1に備えられていても良い。
【0229】
(11)端末装置4は、田植機1の外部に設けられていても良い。
【0230】
(12)情報入力部41、情報出力部42、読み出し部43、誤進入判定部44、誤進入報知部45、表示制御装置46、設定報知部47、圃場選択部48、選択入力部49、特定部50、順序設定部51、順序報知部52、変更入力部53、順序変更部54、目標設定部55、道順ガイド部56、タッチパネル8のうち、一部または全てが田植機1の外部に備えられていても良いのであって、例えば、管理端末91または携帯通信端末92に備えられていても良い。
【0231】
特に、変更入力部53及び順序変更部54が管理端末91または携帯通信端末92に備えられていると共に、管理端末91または携帯通信端末92を操作することによって作業順序を変更することができるように構成されていても良い。
【0232】
(13)位置取得部61、自動設定部62、設定入力部63、履歴生成部64、履歴送信部65のうち、一部または全てが田植機1の外部に備えられていても良いのであって、例えば、管理端末91または携帯通信端末92に備えられていても良い。
【0233】
(14)自動設定部62は設けられていなくても良い。
【0234】
(15)設定入力部63は設けられていなくても良い。即ち、設定操作入力を行えないように構成されていても良い。
【0235】
(16)設定報知部47は設けられていなくても良い。
【0236】
(17)自動設定部62が自動装置設定を行うことに対する許可を求める内容の表示が行われないように構成されていても良い。
【0237】
(18)変更入力部53は設けられていなくても良い。
【0238】
(19)順序変更部54は設けられていなくても良い。
【0239】
(20)順序設定部51は設けられていなくても良い。
【0240】
(21)順序報知部52は設けられていなくても良い。
【0241】
(22)誤進入判定部44は設けられていなくても良い。
【0242】
(23)誤進入報知部45は設けられていなくても良い。
【0243】
(24)目標設定部55は設けられていなくても良い。
【0244】
(25)道順ガイド部56は設けられていなくても良い。
【0245】
(26)履歴生成部64は設けられていなくても良い。
【0246】
(27)履歴送信部65は設けられていなくても良い。
【0247】
(28)選択報知部74は設けられていなくても良い。
【0248】
(29)作業情報は、圃場における作業に関する情報であれば、肥料散布量、株間、植付深さ、苗枚数、苗補給地点、走行経路以外の情報を含んでいても良い。
【0249】
(30)
図10に示す許可画面は、管理端末91において表示されても良いし、携帯通信端末92において表示されても良い。
【0250】
(31)自動設定部62による自動装置設定を中止できる構成であっても良い。さらに、自動装置設定が中止された場合に、植付装置14及び施肥装置15に関する変更可能な値が、自動装置設定の開始前の値に戻されるように構成されていても良い。
【0251】
(32)
図7に示す画面は、管理端末91において表示されても良いし、携帯通信端末92において表示されても良い。また、
図13から
図16に示す画面は、管理端末91において表示されても良いし、携帯通信端末92において表示されても良い。さらに、選択操作入力は、管理端末91または携帯通信端末92の操作により行われても良い。
【0252】
(33)誤進入判定部44により田植機1が選択圃場以外の圃場に進入したと判定された場合、田植機1の走行が自動的に停止されるように構成されていても良い。
【0253】
(34)誤進入判定部44により田植機1が選択圃場以外の圃場に進入したと判定された場合、選択圃場に到着するまでの道順がガイドされるように構成されていても良い。
【0254】
(35)誤進入判定部44により田植機1が選択圃場以外の圃場に進入したと判定された場合、田植機1が選択圃場へ自動的に走行するように構成されていても良い。
【0255】
(36)誤進入を報知する内容の警告表示は、管理端末91において表示されても良いし、携帯通信端末92において表示されても良い。
【0256】
(37)
図8に示す順序報知画面は、管理端末91において表示されても良いし、携帯通信端末92において表示されても良い。
【0257】
(38)
図9に示す変更報知画面は、管理端末91において表示されても良いし、携帯通信端末92において表示されても良い。
【0258】
(39)直接通信ユニット31は、運転部ステップ21、左右の拡張ステップ22、左右の乗降用ステップ23、左右の作業用ステップ24、左右の拡張作業用ステップ25、のうちの何れかの下方に配置されていても良い。
【0259】
(40)内蔵測位モジュール31aは、衛星測位モジュール30に比べて、測定誤差の大きいものであっても良い。
【0260】
(41)内蔵測位モジュール31aは設けられていなくても良い。
【0261】
(42)直接通信ユニット31は、衛星測位モジュール30の内部に組み込まれていても良い。
【0262】
(43)直接通信ユニット31は、着脱可能に構成されていても良い。この場合、取り外された直接通信ユニット31が、田植機1とは異なる田植機に装着可能であるように構成されていても良い。また、取り外された直接通信ユニット31が、田植機1とは異なる種類の作業機に装着可能であるように構成されていても良い。
【0263】
さらに、直接通信ユニット31が作業機に装着された場合、その作業機の種類に適したソフトウェアが、ダウンロードされ、インストールされるように構成されていても良い。
また、このとき、その作業機に装着される前の時点で直接通信ユニット31に搭載されていたソフトウェアがアンインストールされると共に、直接通信ユニット31に記録されていたデータがバックアップされるように構成されていても良い。
【0264】
(44)情報格納部71は、特定部50により選択圃場に対応する圃場名が特定されたとき、作業情報を即座に情報入力部41へ送信しても良いし、作業情報を情報入力部41へ送信する予約を行っても良い。
【0265】
(45)作業情報送信部72は、特定部50により選択圃場に対応する圃場名が特定されたとき、作業情報を即座に管理端末91及び携帯通信端末92へ送信しても良いし、作業情報を管理端末91及び携帯通信端末92へ送信する予約を行っても良い。
【0266】
(46)作業情報送信部72は設けられていなくても良い。
【0267】
(47)履歴格納部75は設けられていなくても良い。
【0268】
(48)タッチパネル8に代えて、タッチ操作不能なディスプレイが設けられていても良い。この場合、このディスプレイは、本発明に係る「表示部」に相当する。また、この場合、例えばマウスやキーボード等の、作業者により操作可能な操作部が設けられると共に、操作部の操作によって、選択操作入力、変更操作入力、設定操作入力が行われるように構成されていても良い。
【0269】
(49)タッチパネル8は設けられていなくても良い。
【産業上の利用可能性】
【0270】
本発明は、田植機だけではなく、コンバイン、トラクタ、トウモロコシ収穫機等の種々の作業機に利用可能である。
【符号の説明】
【0271】
1 田植機(作業機)
2 作業管理システム
7 管理サーバ
8 タッチパネル(表示部)
14 植付装置(作業装置)
15 施肥装置(作業装置)
43 読み出し部
48 圃場選択部
50 特定部
61 位置取得部
64 履歴生成部
65 履歴送信部
71 情報格納部
73 マップ格納部(境界位置格納部)
74 選択報知部
92 携帯通信端末